JP2000269393A - 沸騰冷却装置 - Google Patents

沸騰冷却装置

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JP2000269393A
JP2000269393A JP11298636A JP29863699A JP2000269393A JP 2000269393 A JP2000269393 A JP 2000269393A JP 11298636 A JP11298636 A JP 11298636A JP 29863699 A JP29863699 A JP 29863699A JP 2000269393 A JP2000269393 A JP 2000269393A
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Japan
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boiling
passage
area increasing
cooling device
increasing member
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JP11298636A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Osakabe
長賀部  博之
Hajime Sugito
肇 杉戸
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 沸騰面積を増大して放熱性能の向上を図ると
ともに、沸騰面が沸騰に必要な液冷媒で満たされるよう
にして、沸騰面でのバーンアウトを生じ難くすることに
ある。 【解決手段】 液冷媒を貯留する冷媒室8には、沸騰面
積を増大するために波形フィン12が挿入されている。
この波形フィン12は、発熱体の熱を受ける沸騰面の下
部側に対応して配される下部波形フィン12Aと、沸騰
面の上部側に対応して配される上部波形フィン12Bと
を有し、それぞれ冷媒室8の沸騰面と熱的に接触してい
る。下部波形フィン12Aと上部波形フィン12Bは、
同一のフィンピッチPを有し、それぞれ冷媒室8の各通
路内に縦向きに挿入されて、各通路内を更に複数の小さ
な通路状部分に区画している。但し、下部波形フィン1
2Aと上部波形フィン12Bは、互いの山部及び谷部が
冷媒室8の左右方向にずれた状態で挿入されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒の蒸発と凝縮
の繰り返しによって発熱体を冷却する沸騰冷却装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、特開平8−23666
9号公報に記載された沸騰冷却装置が公知である。この
沸騰冷却装置は、図14に示すように、液冷媒を貯留す
る冷媒槽100の表面に発熱体110が取り付けられ、
その発熱体の熱を受ける冷媒槽100内の沸騰面に対応
してフィン120を配置することにより、冷媒槽100
内の沸騰面積を増大して放熱性能の向上を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の沸騰
冷却装置では、冷媒槽100の内部に配置したフィン1
20によって複数の通路部130が形成され、発熱体1
10の熱を受けて沸騰した冷媒蒸気(気泡)が各通路部
130を上昇する。この時、各通路部130では、図5
に示すように、発熱体110の発熱部の位置に応じて気
泡量の多い所と少ない所が生じることがあり、且つ通路
部130の上方へいく程、気泡量が増大し、小さな気泡
同士が合体して大きくなるため、気泡量の多い通路では
沸騰面が多くの気泡で覆われるので沸騰熱伝達率が低下
してしまう。その結果、沸騰面が温度急上昇(バーンア
ウト)を生じ易くなるという問題があった。
【0004】特に、より大きな沸騰面積を確保するため
にフィンピッチを小さくすると、通路部130の平均開
口面積が小さくなって通路部130が殆ど気泡で満たさ
れ、液冷媒量が大幅に低下するため、沸騰面でバーンア
ウトを生じる可能性が高くなる。本発明は、上記事情に
基づいて成されたもので、その目的は、沸騰面積を増大
して放熱性能の向上を図るとともに、沸騰面が沸騰に必
要な液冷媒で満たされるよにして、沸騰面でのバーンア
ウトを生じ難くすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】(請求項1の手段)冷媒
槽の内部に設けられ、冷媒槽の内部を上下方向に延びる
複数の通路状部分に区画して沸騰面積を増大させる沸騰
面積増大手段を備え、この沸騰面積増大手段によって区
画される複数の通路状部分が相互に連通している。この
構成によれば、複数の通路状部分において、発熱体に内
蔵される発熱部の位置に応じて気泡量の多い所と少ない
所が生じても、各通路状部分が相互に連通しているの
で、通路状部分を上昇する気泡は、他の通路状部分へも
進入することができる。その結果、各通路状部分の気泡
量が略均一化されて、沸騰面が液冷媒で満たされ易くな
るため、特に気泡量が増大する沸騰面の上方でバーンア
ウトを生じ難くできる。
【0006】(請求項2の手段)沸騰面積増大手段は、
冷媒槽の内部で下側に配される第1の沸騰面積増大部材
と上側に配される第2の沸騰面積増大部材とを有し、第
1の沸騰面積増大部材によって区画される複数の第1の
通路状部分と、第2の沸騰面積増大部材によって区画さ
れる複数の第2の通路状部分とが左右方向にずれた状態
で連通している。この場合、第1の通路状部分を上昇し
てきた気泡が、第2の通路状部分へ進入する際に左右に
分かれるため、仮に第1の通路状部分で気泡量の多い所
と少ない所が生じても、第2の通路状部分では略均一化
される。また、第1の通路状部分を上昇する気泡同士が
合体して大きくなっても、第2の通路状部分へ進入する
際に左右に分かれて分割される。その結果、第1の通路
状部分を上昇してきた気泡は、より均等に分散されて第
2の通路状部分へ進入することができる。
【0007】(請求項3の手段)沸騰面積増大手段は、
冷媒槽の内部で下側に配される第1の沸騰面積増大部材
と上側に配される第2の沸騰面積増大部材とを有し、第
1の沸騰面積増大部材と第2の沸騰面積増大部材との間
に空間が確保されている。この場合、第1の通路状部分
を上昇してきた気泡が、空間で左右方向に分散されるた
め、第1の通路状部分で気泡量の多い所と少ない所が生
じても、第2の通路状部分では略均一化される。また、
第1の通路状部分を上昇する気泡同士が合体して大きく
なっても、空間で分散された後、更に第2の通路状部分
へ進入する際に左右に分かれて分割されることで、より
均等に分散されて第2の通路状部分へ進入することがで
きる。
【0008】(請求項4の手段)第1の沸騰面積増大部
材と第2の沸騰面積増大部材との間に確保される空間
は、発熱体に内蔵される発熱部とずれた位置に設けら
れ、発熱部の直下には第1の沸騰面積増大部材または第
2の沸騰面積増大部材が配置されている。本発明では、
発熱部の直下が最も高温となるため、発熱部の直下に前
記空間を設けると、沸騰面積増大部材により得られる効
果が小さくなってしまう。そこで、前記空間を発熱部と
ずれた位置に設けて、発熱部の直下に沸騰面積増大部材
を配置することにより、沸騰面積増大部材による効果
(放熱性能の向上)を得ることができる。
【0009】(請求項5の手段)沸騰面積増大手段は、
冷媒槽の内部で下側に配される第1の沸騰面積増大部材
と上側に配される第2の沸騰面積増大部材とを有し、第
1の沸騰面積増大部材によって区画される複数の第1の
通路状部分の平均開口面積より、第2の沸騰面積増大部
材によって区画される複数の第2の通路状部分の平均開
口面積の方が大きくなっている。この構成によれば、通
路状部分の上方へいく程、気泡量が増大しても、第1の
通路状部分の平均開口面積より第2の通路状部分の平均
開口面積の方が大きくなっているので、第1の通路状部
分と第2の通路状部分とで、平均開口面積に対する気泡
量の割合を均等化できる。その結果、第2の通路状部分
を沸騰に必要な充分な量の液冷媒にて満たし易くなり、
沸騰面上部でのバーンアウトの発生を抑制できる。
【0010】(請求項6の手段)第1の沸騰面積増大部
材と第2の沸騰面積増大部材との間に確保される空間に
は、沸騰面積増大手段として第3の沸騰面積増大部材が
配され、この第3の沸騰面積増大部材によって区画され
る第3の通路状部分は、第1の沸騰面積増大部材によっ
て区画される第1の通路状部分及び第2の沸騰面積増大
部材によって区画される第2の通路状部分より、平均開
口面積が大きく設けられている。この場合、前記空間に
第3の沸騰面積増大部材を配置することで、更に沸騰面
積を増大でき、且つ第1の通路状部分を上昇してきた気
泡が、第3の通路状部分で分散されて第2の通路状部分
へ進入できる。
【0011】(請求項7の手段)沸騰面積増大手段は、
波形フィンである。この場合、より簡単な構成で沸騰面
積を増大でき、且つ波形フィンによって形成される通路
状部分を気泡が通り抜け易くできる。
【0012】(請求項8の手段)通路状部分を区画する
波形フィンの側面に開口部が設けられている。この場
合、波形フィンの側面を介して隣合う通路状部分同士が
開口部を通じて連通しているため、1つの通路状部分を
上昇する気泡が開口部を通って他の通路状部分へも進入
できる。その結果、各通路状部分の気泡量が略均一化さ
れて、沸騰面をより多くの液冷媒で満たし易くなるの
で、特に気泡量が増大する沸騰面の上方でバーンアウト
を生じ難くできる。
【0013】(請求項9の手段)通路状部分を区画する
波形フィンの側面にルーバが切り起こされている。この
場合も、波形フィンの側面を介して隣合う通路状部分同
士がルーバの切り起こしによって開口する開口孔を介し
て連通しているため、請求項6の場合と同様に、1つの
通路状部分を上昇する気泡が開口孔を通って他の通路状
部分へも進入できる。また、波形フィンの側面にルーバ
を設けても、波形フィン自体の表面積は変わらないた
め、ルーバを設けることで放熱面積が低減することはな
い。
【0014】(請求項10の手段)沸騰面積増大手段
は、複数の板状部材から成り、この板状部材に複数の通
路状部分を連通する穴が開いている。この場合、板状部
材に穴を開けただけの簡単な構成で沸騰面積を増大で
き、且つ穴を通って隣の通路状部分へ気泡が進入するこ
とができる。
【0015】(請求項11の手段)板状部材の穴は、発
熱体に内蔵される発熱部とずれた位置に設けられてい
る。本発明では、発熱部の直下が最も高温となるため、
発熱部の直下に前記穴を設けると、沸騰面積増大部材に
より得られる効果が小さくなってしまう。そこで、前記
穴を発熱部とずれた位置に設けて、発熱部の直下に板状
部材の穴の無い部分を配置することにより、沸騰面積増
大部材による効果(放熱性能の向上)を得ることができ
る。
【0016】(請求項12の手段)冷媒槽の内壁面に板
状部材を嵌め込むための凹部が設けられている。これに
より、板状部材を冷媒槽の内部で容易に位置決めでき、
且つ組付も簡単に行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。 (第1実施例)図1は沸騰冷却装置1の正面図である。
本実施例の沸騰冷却装置1は、冷媒の沸騰と凝縮の繰り
返しによって発熱体2を冷却するもので、内部に液冷媒
を貯留する冷媒槽3と、この冷媒槽3の上部に組付けら
れる放熱器4とを備え、一体ろう付けにより製造され
る。発熱体2は、例えば電気自動車のインバータ回路を
構成するIGBTモジュールであり、図2に示すよう
に、ボルト5等により冷媒槽3の表面に密着して固定さ
れる。
【0018】冷媒槽3は、中空部材6とエンドカップ7
から成り、内部に冷媒室8、液戻り通路9、断熱通路1
0、及び連通路11を有している(図1参照)。中空部
材6は、アルミニウム等の熱伝導性に優れる金属材料か
ら成る押出成形品で、図3に示すように、横幅に対して
厚みが薄い薄型形状に設けられ、その内部に冷媒室8、
液戻り通路9、及び断熱通路10を形成する複数の中空
孔が上下方向に貫通している。エンドカップ7は、例え
ば中空部材6と同じアルミニウム製で、中空部材6の下
端部に被せられている。
【0019】冷媒室8は、複数の通路状に区画され、そ
の内部に貯留する液冷媒が発熱体2の熱を受けて沸騰す
る空間を形成している。この冷媒室8には、冷媒槽3内
の沸騰面積を増大するために、図3(a)に示すよう
に、各通路毎に波形に成形された波形フィン12が挿入
されている。この波形フィン12は、発熱体2の熱を受
ける沸騰面の下部側に対応して配される下部波形フィン
12Aと、沸騰面の上部側に対応して配される上部波形
フィン12Bとを有し、それぞれ冷媒室8の沸騰面と熱
的に接触している。
【0020】下部波形フィン12Aと上部波形フィン1
2Bは、同一のフィンピッチPを有し、それぞれ縦向き
に挿入されて、冷媒室8の各通路内を更に複数の小さな
通路状部分に区画している。但し、下部波形フィン12
Aと上部波形フィン12Bは、図3(b)に示すよう
に、互いの山部及び谷部が冷媒室8の左右方向(図3の
左右方向)にずれた状態で各通路に挿入されている。具
体的には、下部波形フィン12Aと上部波形フィン12
Bとの前後方向(図3の上下方向)の向きを反対にして
各通路に挿入されている。
【0021】液戻り通路9は、放熱器4で冷却され液化
した凝縮液が流入する通路で、図1において、中空部材
6の最も左側に設けられている。断熱通路10は、冷媒
室8と液戻り通路9との間を断熱するための通路で、冷
媒室8と液戻り通路9との間に設けられている。連通路
11は、液戻り通路9へ流入した凝縮液を冷媒室8へ供
給するための通路で、エンドカップ7と中空部材6の下
端面との間に形成され、液戻り通路9と冷媒室8及び断
熱通路10とを相互に連通している。
【0022】放熱器4は、所謂ドロンカップタイプの熱
交換器で、連結管13、放熱管14、及び放熱フィン1
5(図2参照)より構成される。連結管13は、冷媒槽
3との連結部であり、冷媒槽3の上端部に組付けられて
いる。この連結管13は、プレス成形された2枚の成形
プレートを互いの外周縁部で接合して形成され、長手方
向(図1の左右方向)の両端部に円形の連通口16が開
口している。連結管13の内部には、仕切り板17が配
され、この仕切り板17によって冷媒槽3の冷媒室8と
連通する第1の連通室(図1では仕切り板17より右側
の空間)と、冷媒槽3の液戻り通路9及び断熱通路10
と連通する第2の連通室(図1では仕切り板17より左
側の空間)とに仕切られている。また、連結管13の内
部には、図1に示すように、例えばアルミニウム製のイ
ンナフィン18が挿入されている。
【0023】放熱管14は、プレス成形された2枚の成
形プレートを互いの外周縁部で接合して偏平な中空管に
形成され、長手方向(図1の左右方向)の両端部に円形
の連通口19が開口している。各放熱管14は、図2に
示すように、連結管13の両側にそれぞれ複数個ずつ設
けられ、互いの連通口16、19を通じて相互に連通し
ている。なお、この放熱管14は、図1に示すように、
左右両側の連通口19に高低差を持たせるように、若干
傾斜した状態で連結管13に組付けられている。放熱フ
ィン15は、熱伝導性に優れる薄い金属板(例えばアル
ミニウム板)を交互に折り曲げて波状に成形したもの
で、連結管13と放熱管14との間、及び隣合う放熱管
14同士の間に介在され、連結管13及び放熱管14の
表面に接合されている。
【0024】次に、本実施例の作動を説明する。発熱体
2から発生した熱は、冷媒室8の沸騰面及び下部波形フ
ィン12Aと上部波形フィン12Bを介して冷媒室8に
貯留されている液冷媒に伝達されて液冷媒が沸騰する。
沸騰した冷媒蒸気は、冷媒室8を上昇して冷媒室8から
連結管13の第1の連通室へ進入し、更に第1の連通室
から放熱管14へ流入する。放熱管14へ流入した冷媒
蒸気は、放熱管14を流れる際に外部流体との熱交換に
よって冷却され、潜熱を放出して凝縮する。冷媒蒸気の
潜熱は、放熱管14から放熱フィン15へ伝達され、放
熱フィン15を通じて外部流体に放出される。放熱管1
4の内部で凝縮して液滴となった凝縮液は、放熱管14
の内部を傾斜下方向(図1の右側から左側)に流れた
後、連結管13の第2の連通室を通って冷媒室8の液戻
り通路9及び断熱通路10へ流れ込み、更に連通路11
を通って冷媒室8へ還流する。
【0025】(第1実施例の効果)本実施例では、図4
に示すように、沸騰面の下部側に対応して配置される下
部波形フィン12Aによって区画される下部通路状部分
12aと、沸騰面の上部側に対応して配置される上部波
形フィン12Bによって区画される上部通路状部分12
bとが左右方向にずれた状態で連通している。つまり、
図4において、1つの下部通路状部分12aは、その上
端で2つの上部通路状部分12bと連通している。この
場合、1つの下部通路状部分12aを上昇してきた気泡
は、2つの上部通路状部分12bに分かれて進入するこ
とができる。
【0026】従って、図5に示すように、複数の下部通
路状部分12aで気泡量の多い所と少ない所が生じて
も、各下部通路状部分12aを上昇してきた気泡が、そ
れぞれ2つの上部通路状部分12bへ分散して進入する
ことにより、各上部通路状部分12bでは気泡量が略均
一化される。また、下部通路状部分12aを上昇する気
泡同士が合体して大きくなっても、上部通路状部分12
bへ進入する際に、上部波形フィン12Bの下端に当た
って再び小さな気泡に分割される可能性が高い。これら
の結果、下部通路状部分12aを上昇してきた気泡は、
より均等に分散されて上部通路状部分12bへ進入する
ことができ、各上部通路状部分12bの気泡量が略均一
化されて、沸騰面がより安定して液冷媒で満たされるの
で、特に気泡量が増大する沸騰面の上方でバーンアウト
を生じ難くできる。
【0027】(第2実施例)図6は沸騰冷却装置1の正
面図である。本実施例は、冷媒槽3の沸騰面の下部、中
間部、上部に対応する位置にそれぞれ波形フィン12を
配置した一例である。各波形フィン12は、それぞれ同
一のフィンピッチを有し、第1実施例と同様に、冷媒室
8の各通路に縦向きに挿入されている。また、各波形フ
ィン12は、上下方向に接触して配置されている訳では
なく、図7に示すように、上下方向において下側に配置
される下部波形フィン12Aと上側に配置される上部波
形フィン12Bとの間に所定の空間20が確保されてい
る。
【0028】なお、以下の説明において、下側に配置さ
れる下部波形フィン12Aと上側に配置される上部波形
フィン12Bとは、図6に示す最も下部に配置される波
形フィン12と中間部に配置される波形フィン12との
関係では、最も下部に配置される波形フィン12が下側
に配置される下部波形フィン12Aであり、中間部に配
置される波形フィン12が上側に配置される上部波形フ
ィン12Bとなるが、中間部に配置される波形フィン1
2と最も上部に配置される波形フィン12との関係で
は、中間部に配置される波形フィン12が下側に配置さ
れる下部波形フィン12Aであり、最も上部に配置され
る波形フィン12が上側に配置される上部波形フィン1
2Bとなる。
【0029】本実施例の構成では、下側に配置される下
部波形フィン12Aによって区画される下部通路状部分
12aを上昇してきた気泡が、上側に配置される上部波
形フィン12Bとの間に確保されている空間20で左右
方向に分散される。従って、下部通路状部分12aで気
泡量の多い所と少ない所が生じても、各通路状部分12
aを上昇してきた気泡は、上側に配置される上部波形フ
ィン12Bによって区画される上部通路状部分12bへ
分散して進入することができ、各上部通路状部分12b
では気泡量が略均一化される。
【0030】また、下部通路状部分12aを上昇する気
泡同士が合体して大きくなっても、上部通路状部分12
bへ進入する際に、上側に配置される上部波形フィン1
2Bの下端に当たって再び小さな気泡に分割される可能
性が高い。これらの結果、下部通路状部分12aを上昇
してきた気泡は、より均等に分散されて上部通路状部分
12bへ進入することができ、各上部通路状部分12b
の気泡量が略均一化されて、沸騰面がより安定して液冷
媒で満たされるので、特に気泡量が増大する沸騰面の上
方でバーンアウトを生じ難くできる。
【0031】更に、本実施例では、発熱体2に内蔵され
る発熱部(例えばコンピュータチップ等)の位置に対
し、下部波形フィン12Aと上部波形フィン12Bとの
間に確保される空間20の位置が上下方向にずれている
ことが望ましい。これは、発熱部の直下が最も高温とな
るため、発熱部の直下に空間20を設けると、波形フィ
ン12による沸騰面積増大効果が小さくなってしまう。
そこで、発熱部と空間20とを上下方向にずれた位置に
設けて、発熱部の直下に波形フィン12を配置すること
により、波形フィン12による沸騰面積増大効果を得る
ことができる。
【0032】(変形例)この実施例では、下側に配置さ
れる下部波形フィン12Aと上側に配置される上部波形
フィン12Bとの間に空間20を設けているが、この空
間20に、本発明の第3の沸騰面積増大部材としての第
3の波形フィンを配置することができる。但し、この波
形フィンは、下部通路状部分12aを上昇してきた気泡
が分散できるように、第3の波形フィンのフィンピッチ
を下部波形フィン12A及び上部波形フィン12Bより
大きく設けることが望ましい。また、本実施例では、下
部波形フィン12Aと上部波形フィン12Bとの間に空
間20を設けているので、下部波形フィン12Aと上部
波形フィン12Bとを左右方向にずらす必要はないが、
第1実施例と同様に、互いの山部及び谷部が左右方向に
ずれた状態で各通路に挿入しても良い。
【0033】(第3実施例)図8は波形フィン12の斜
視図である。本実施例は、通路状部分を区画する波形フ
ィン12の側面12cに開口部12dを設けた一例であ
る。この場合、波形フィンの側面12cを介して隣合う
通路状部分同士が開口部12dを通じて連通するため、
1つの通路状部分を上昇する気泡が開口部12dを通っ
て他の通路状部分へも進入できる。その結果、各通路状
部分の気泡量が略均一化されて、気泡が抜け易くなるた
め、特に気泡量が増大する沸騰面の上方でバーンアウト
を生じ難くできる。
【0034】なお、開口部12dを開ける代わりに、波
形フィン12の側面12cにルーバ(図示しない)を切
り起こして形成しても良い。この場合も、波形フィン1
2の側面12cを介して隣合う通路状部分同士がルーバ
の切り起こしによって開口する開口孔を介して連通する
ため、波形フィン12の側面12cに開口部12dを開
けた場合と同様に、1つの通路状部分を上昇する気泡が
開口孔を通って他の通路状部分へも進入できる。また、
波形フィン12の側面12cにルーバを設けても、波形
フィン12自体の表面積は変わらないため、ルーバを設
けることで放熱面積が低減することもない。
【0035】(第4実施例)図9は冷媒槽3の断面図で
ある。本実施例は、図9に示すように、下側に配置され
る下部波形フィン12AのフィンピッチPaより、上側
に配置される上部波形フィン12BのフィンピッチPb
の方を大きくした一例である。この場合、下部波形フィ
ン12Aによって区画される複数の下部通路状部分12
aの平均開口面積より、上部波形フィン12Bによって
区画される複数の上部通路状部分12bの平均開口面積
の方が大きくなる。この構成によれば、冷媒室8の上方
へいく程、気泡量が増大しても、下部通路状部分12a
と上部通路状部分12bとで、平均開口面積に対する気
泡量の割合を均等化できる。その結果、上部波形フィン
12Bによって区画される上部通路状部分12bにおい
て、より安定して液冷媒で満たされるので、沸騰面上部
でのバーンアウトの発生を抑制できる。
【0036】(第5実施例)図10は冷媒槽3の縦方向
断面図である。本実施例は、本発明の沸騰面積増大部材
として複数の板状部材21を使用した一例である。板状
部材21は、図11に示すように、一定の板厚tと横幅
wを有し、細長い板状に設けられ、且つ板厚方向に貫通
する矩形状の穴21aが複数箇所開けられている。
【0037】冷媒槽3には、冷媒室8の対向する両内壁
面に板状部材21を支持するための凹部22が設けられ
ている。この凹部22は、冷媒室8の上下方向に延びて
溝状に形成されている。板状部材21は、図12に示す
ように、幅方向の両辺部を凹部22に嵌め込んで組み付
けられ、冷媒室8を複数の通路状部分23に区画してい
る。但し、板状部材21によって区画される通路状部分
23は、板状部材21に開けられた穴21aを介して相
互に連通している。なお、図12(a)は図13に示す
冷媒槽のC−C断面図であり、図12(b)は図12
(a)のD部拡大図である。
【0038】本実施例では、冷媒室8に板状部材21を
挿入することで、冷媒室8を複数の通路状部分23に区
画しているが、ある通路状部分23を上昇する気泡は、
板状部材21に開けられた穴21aを通じて他の通路状
部分23へ進入することができる。これにより、各通路
状部分23の気泡量が略均一化されるため、沸騰面で気
泡量の偏りが無くなり、沸騰面の温度急上昇(バーンア
ウト)を抑制できる。
【0039】また、発熱体2は、図13に示すように、
その内部にコンピュータチップ等の複数の発熱部2aを
有し、この発熱部2aの直下が最も高温となっている。
従って、板状部材21は、図10(図13のE−E断面
図)に示すように、発熱体2に内蔵される発熱部2aの
位置と板状部材21の穴21aの位置とが上下方向にず
れていることが望ましい。これは、発熱部2aの直下が
最も高温となるため、発熱部2aの直下に穴21aを配
置すると、板状部材21による沸騰面積増大効果が小さ
くなってしまう。そこで、板状部材21の穴21aを発
熱部2aとずれた位置に設けて、発熱部2aの直下に板
状部材21の穴21aの無い部分を配置することによ
り、板状部材21による沸騰面積増大効果を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】沸騰冷却装置の正面図である(第1実施例)。
【図2】沸騰冷却装置の側面図である(第1実施例)。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】波形フィンを配置した効果を説明する模式図で
ある(第1実施例)。
【図5】波形フィンによって形成される通路状部分の気
泡量を示す模式図である。
【図6】沸騰冷却装置の正面図である(第2実施例)。
【図7】波形フィンを配置した効果を説明する模式図で
ある(第2実施例)。
【図8】波形フィンの斜視図である(第3実施例)。
【図9】図1のA−A断面図(a)とB−B断面図
(b)である(第4実施例)。
【図10】冷媒槽の縦方向断面図である(第5実施
例)。
【図11】板状部材の端面図(a)と平面図(b)であ
る(第5実施例)。
【図12】板状部材の取付け状態を示す冷媒槽の断面図
である(第5実施例)。
【図13】冷媒槽の正面図である(第5実施例)。
【図14】冷媒槽の内部を示す平面図である(従来技
術)。
【符号の説明】
1 沸騰冷却装置 2 発熱体 2a 発熱部 3 冷媒槽 4 放熱器 12 波形フィン(沸騰面積増大手段) 12A 下部波形フィン(第1の沸騰面積増大部材) 12B 上部波形フィン(第2の沸騰面積増大部材) 12a 下部通路状部分(第1の通路状部分) 12b 上部通路状部分(第2の通路状部分) 12c 波形フィンの側面 12d 開口部 20 空間 21 板状部材 21a 穴

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発熱体の熱を受けて沸騰する液冷媒を貯留
    する冷媒槽と、 この冷媒槽で沸騰した冷媒蒸気の熱を外部流体に放出す
    る放熱器と、 前記冷媒槽の内部に設けられ、前記冷媒槽の内部を上下
    方向に延びる複数の通路状部分に区画して沸騰面積を増
    大させる沸騰面積増大手段とを備え、 この沸騰面積増大手段によって区画される複数の通路状
    部分が相互に連通していることを特徴とする沸騰冷却装
    置。
  2. 【請求項2】前記沸騰面積増大手段は、前記冷媒槽の内
    部で下側に配される第1の沸騰面積増大部材と上側に配
    される第2の沸騰面積増大部材とを有し、 前記第1の沸騰面積増大部材によって区画される複数の
    第1の通路状部分と、 前記第2の沸騰面積増大部材によって区画される複数の
    第2の通路状部分とが左右方向にずれた状態で連通して
    いることを特徴とする請求項1に記載した沸騰冷却装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1及び2に記載した沸騰冷却装置に
    おいて、 前記沸騰面積増大手段は、前記冷媒槽の内部で下側に配
    される第1の沸騰面積増大部材と上側に配される第2の
    沸騰面積増大部材とを有し、 前記第1の沸騰面積増大部材と前記第2の沸騰面積増大
    部材との間に空間が確保されていることを特徴とする沸
    騰冷却装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載した沸騰冷却装置におい
    て、 前記第1の沸騰面積増大部材と前記第2の沸騰面積増大
    部材との間に確保される空間は、前記発熱体に内蔵され
    る発熱部とずれた位置に設けられ、 前記発熱部の直下には前記第1の沸騰面積増大部材また
    は前記第2の沸騰面積増大部材が配置されていることを
    特徴とする沸騰冷却装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4に記載した沸騰冷却装置にお
    いて、 前記沸騰面積増大手段は、前記冷媒槽の内部で下側に配
    される第1の沸騰面積増大部材と上側に配される第2の
    沸騰面積増大部材とを有し、 前記第1の沸騰面積増大部材によって区画される複数の
    第1の通路状部分の平均開口面積より、前記第2の沸騰
    面積増大部材によって区画される複数の第2の通路状部
    分の平均開口面積の方が大きくなっていることを特徴と
    する沸騰冷却装置。
  6. 【請求項6】請求項3及び4に記載した沸騰冷却装置に
    おいて、 前記第1の沸騰面積増大部材と前記第2の沸騰面積増大
    部材との間に確保される空間には、前記沸騰面積増大手
    段として第3の沸騰面積増大部材が配され、この第3の
    沸騰面積増大部材によって区画される第3の通路状部分
    は、前記第1の沸騰面積増大部材によって区画される第
    1の通路状部分及び前記第2の沸騰面積増大部材によっ
    て区画される第2の通路状部分より、平均開口面積が大
    きく設けられていることを特徴とする沸騰冷却装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6に記載した沸騰冷却装置にお
    いて、 前記沸騰面積増大手段は、波形フィンであることを特徴
    とする沸騰冷却装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載した沸騰冷却装置におい
    て、 前記通路状部分を区画する前記波形フィンの側面に開口
    部が設けられていることを特徴とする沸騰冷却装置。
  9. 【請求項9】請求項7に記載した沸騰冷却装置におい
    て、 前記通路状部分を区画する前記波形フィンの側面にルー
    バが切り起こされていることを特徴とする沸騰冷却装
    置。
  10. 【請求項10】請求項1に記載した沸騰冷却装置におい
    て、 前記沸騰面積増大手段は、複数の板状部材から成り、こ
    の板状部材に前記複数の通路状部分を連通する穴が開い
    ていることを特徴とする沸騰冷却装置。
  11. 【請求項11】請求項10に記載した沸騰冷却装置にお
    いて、 前記板状部材の穴は、前記発熱体に内蔵される発熱部と
    ずれた位置に設けられていることを特徴とする沸騰冷却
    装置。
  12. 【請求項12】請求項10及び11に記載した沸騰冷却
    装置において、 前記冷媒槽の内壁面に前記板状部材を嵌め込むための凹
    部が設けられていることを特徴とする沸騰冷却装置。
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