JP2005166030A - 受熱器、受熱器の製造方法および放熱装置 - Google Patents

受熱器、受熱器の製造方法および放熱装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 発熱体から冷却流体通路内を流れる冷却流体への熱伝達率を向上しうる受熱器を提供する。
【解決手段】 内部に冷却流体通路7が形成されるとともに、外面に発熱体12と熱的に接触する受熱部11を有する受熱器5である。積層状に接合された2枚のアルミニウム板2、3からなる受熱器本体8の両アルミニウム板2、3間に両端が開口した冷却流体通路7を形成する。受熱器本体8の冷却流体通路7内にアルミニウム押出形材製偏平チューブ9を配置する。偏平チューブ9が、並列状に形成されかつ受熱器本体8の冷却流体通路7の長さ方向に伸びる複数の穴状通路9aを有している。
【選択図】 図3

Description

この発明は、たとえばノート型パーソナルコンピュータ、二次元ディスプレイ装置、プロジェクタなどの電子機器の発熱電子部品などの発熱体から発せられる熱を放熱する装置において、発熱体からの熱を直接受ける受熱器、受熱器の製造方法および受熱器を備えた放熱装置に関する。
この明細書および特許請求の範囲において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
従来、電子機器における発熱電子部品(発熱体)から発せられる熱を放熱する方法として、片面が発熱電子部品に熱的に接触させられる受熱面となされたアルミニウム製放熱基板と、放熱基板の他面に一体に設けられた放熱フィンとよりなるものを使用し、放熱基板の受熱面に発熱電子部品を取り付け、冷却ファンにより放熱フィンに風を当てることによって、発熱電子部品から発せられる熱を放熱基板および放熱フィンを介して空気中に逃がす方法が広く採用されていた。
しかしながら、近年の電子機器では、小型化、高性能化により発熱電子部品の発熱量が増加する傾向にあり、従来の方法では十分な放熱性能が得られなくなってきている。また、ノート型パーソナルコンピュータ、二次元ディスプレイ装置、プロジェクタなどにおいては、冷却ファンによる騒音も大きくなり、これらの機器に求められるようになってきている静粛性を満たすことができない。
そこで、これらの問題を解決するために、たとえばノート型パーソナルコンピュータにおいては、液冷システムが採用されている。この液冷システムは、冷却液が満たされたウォータジャケットからなりかつCPU(発熱電子部品)に固定された受熱器と、両端が受熱器に接続されかつ冷却液を循環させる冷却液循環チューブとを備えており、受熱器がキーボードを有するパソコン本体部に配置され、冷却液循環チューブがパソコン本体部に開閉自在に設けられたディスプレイ装置まで延ばされたものである(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1記載の液冷システムの受熱器は、冷却液が満たされたウォータジャケットからなるので、冷却液への伝熱面積が比較的小さくなるとともに、ウォータジャケット内の冷却液の流速が小さくなり、発熱電子部品からの熱を対流伝熱により冷却液に伝える際の熱伝達率が低くなるという問題がある。
特開2002−182797号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、発熱体から冷却流体通路内を流れる冷却流体への熱伝達率を向上しうる受熱器、受熱器の製造方法、および放熱装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)内部に冷却流体通路が形成されるとともに、外面に発熱体と熱的に接触する受熱部を有する受熱器であって、積層状に接合された2枚の高熱伝導性板からなるとともに、両高熱伝導性板間に両端が開口した冷却流体通路が形成されている受熱器本体と、高熱伝導性材から形成されかつ受熱器本体の冷却流体通路内に配置された伝熱部材とを備えている受熱器。
2)伝熱部材が、受熱器本体の冷却流体通路の長さ方向に伸びる複数の穴状通路を有している偏平チューブからなる上記1)記載の液冷式放熱装置。
3)2枚の高熱伝導性板および偏平チューブがそれぞれ金属よりなり、両高熱伝導性板が相互にろう付され、偏平チューブが両高熱伝導性板にろう付されている上記2)記載の受熱器。
4)2枚の高熱伝導性板および偏平チューブがそれぞれアルミニウムからなる上記3)記載の受熱器。
5)偏平チューブが、その両端部を除いて両高熱伝導性板にろう付されている上記3)または4)記載の受熱器。
6)両高熱伝導性板および偏平チューブがそれぞれアルミニウムのベア材からなり、両者がシート状ろう材によりろう付されている上記5)記載の受熱器。
7)一方の高熱伝導性板が内面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなるとともに、他方の高熱伝導性板および偏平チューブがそれぞれアルミニウムのベア材からなり、上記一方の高熱伝導性板における偏平チューブの両端を含む部分が偏平チューブの全幅以上の長さにわたって外方に膨出させられ、偏平チューブの両端が上記一方の高熱伝導性板の膨出部における幅方向の中間部に位置させられ、上記一方の高熱伝導性板と偏平チューブとがアルミニウムブレージングシートのろう材層によりろう付され、上記他方の高熱伝導性板と偏平チューブとがシート状ろう材によりろう付されている上記5)記載の受熱器。
8)両高熱伝導性板がそれぞれ内面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなり、偏平チューブがアルミニウムのベア材からなり、両高熱伝導性板における偏平チューブの両端を含む部分がそれぞれ偏平チューブの全幅以上の長さにわたって外方に膨出させられ、偏平チューブの両端が両高熱伝導性板の膨出部における幅方向の中間部に位置させられ、両高熱伝導性板と偏平チューブとがアルミニウムブレージングシートのろう材層によりろう付されている上記5)記載の受熱器。
9)偏平チューブが押出形材からなる上記2)〜8)のうちのいずれかに記載の受熱器。
10)伝熱部材が、受熱器本体の冷却液通路の長さ方向に伸びる波頂部および波底部と、波頂部および波底部を連結する連結部とよりなるコルゲート状フィンからなる上記1)記載の受熱器。
11)2枚の高熱伝導性板およびフィンがそれぞれアルミニウムからなり、両高熱伝導性板が相互にろう付され、フィンが波頂部および波底部において両高熱伝導性板にろう付されている上記10)記載の受熱器。
12)上記1)〜11)のうちのいずれかに記載の受熱器がハウジング内に配置されており、受熱器の受熱面に発熱電子部品が熱的に接触している電子機器。
13)上記5)記載の受熱器を製造する方法であって、2枚の金属製高熱伝導性板と、並列状に形成された複数の穴状通路を有する金属製偏平チューブとを用意すること、2枚の高熱伝導性板のうちの少なくともいずれか一方を膨出させることにより冷却流体通路を形成すること、冷却流体通路が他方の高熱伝導性板を向くように両高熱伝導性板を重ね合わせるとともに、穴状通路が冷却流体通路の長さ方向を向くように偏平チューブを冷却流体通路内に配置すること、ならびに高熱伝導性板どうしおよび両高熱伝導性板と偏平チューブとを同時にろう付することを含む受熱器の製造方法。
14)両高熱伝導性板および偏平チューブをそれぞれアルミニウムのベア材から形成しておき、両高熱伝導性板と偏平チューブとを、偏平チューブよりも短いシート状ろう材を用いてろう付する上記13)記載の受熱器の製造方法。
15)一方の高熱伝導性板を片面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成するとともに、他方の高熱伝導性板および偏平チューブをそれぞれアルミニウムのベア材から形成し、上記一方の高熱伝導性板における偏平チューブの両端を含む部分を偏平チューブの全幅以上の長さにわたってろう材層とは反対側に膨出させることにより、偏平チューブの穴状通路内へのろう材の流入を防止するろう材流入防止用膨出部を形成し、偏平チューブの両端をろう材流入防止用膨出部における幅方向の中間部に位置させ、上記一方の高熱伝導性板と偏平チューブとをアルミニウムブレージングシートのろう材層によりろう付するとともに、上記他方の高熱伝導性板と偏平チューブとを偏平チューブよりも短いシート状ろう材を用いてろう付する上記13)記載の受熱器の製造方法。
16)両高熱伝導性板をそれぞれ片面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成するとともに、偏平チューブをアルミニウムのベア材から形成しておき、両高熱伝導性板における偏平チューブの両端を含む部分を、それぞれ偏平チューブの全幅以上の長さにわたってろう材層とは反対側に膨出させることにより、偏平チューブの穴状通路内へのろう材の流入を防止するろう材流入防止用膨出部を形成し、偏平チューブの両端を両高熱伝導性板のろう材流入防止用膨出部における幅方向の中間部に位置させ、両高熱伝導性板と偏平チューブとをそれぞれアルミニウムブレージングシートのろう材層によりろう付する上記13)記載の受熱器の製造方法。
17)上記1)〜11)のうちのいずれかに記載された受熱器の冷却流体通路の両端開口に連なる冷却流体循環路を備えている放熱装置。
18)冷却流体循環路の少なくとも一部分が、受熱器本体を構成する2枚の高熱伝導性板の延長部分間に形成されている上記17)記載の放熱装置。
19)積層状に接合された2枚の金属板からなる基板に、冷却流体通路を有する受熱器、および受熱器の冷却流体通路の両端に連なった冷却流体循環路が設けられており、受熱器の両高熱伝導性板が上記2枚の金属板からなる上記17)または18)記載の放熱装置。
上記1)の受熱器によれば、受熱部に熱的に接触させられた発熱体から発せられた熱は、高熱伝導性板から直接冷却液通路内を流れる冷却液に伝えられるとともに、高熱伝導性板および伝熱部材を経て冷却液通路内を流れる冷却液に伝えられるので、発熱体から冷却液への伝熱効率が向上する。
上記2)の受熱器によれば、受熱器の冷却流体通路内に流入した冷却流体は偏平チューブの複数の穴状通路に分かれて流れ、その結果冷却流体への伝熱面積が、特許文献1記載の受熱器の場合よりも増大するとともに、偏平チューブの穴状通路内を流れる冷却流体の流速が、特許文献1記載の受熱器の場合よりも高速になる。したがって、受熱器本体の受熱面に熱的に接触させられた発熱体からの熱を、対流伝熱により冷却流体に伝える際の熱伝達率が優れたものになる。
上記3)および4)の受熱器によれば、偏平チューブが両高熱伝導性板にろう付されているので、受熱器本体の冷却流体通路の内圧力に対する破壊強度が増大する。
上記5)の受熱器によれば、偏平チューブと両高熱伝導性板とのろう付の際に、溶融したろう材が偏平チューブの穴状通路内に流入することが防止され、その結果穴状通路の詰まりが防止される。
上記6)〜8)の受熱器によれば、受熱器本体の受熱部に熱的に接触させられた発熱体からの熱を、対流伝熱により冷却流体に伝える際の熱伝達率が優れたものになるとともに、軽量化を図ることができる。
上記7)および8)の受熱器によれば、偏平チューブと両高熱伝導性板とのろう付の際に、アルミニウムブレージングシートからなる高熱伝導性板のろう材層から流れ出した溶融ろう材が偏平チューブの穴状通路内に流入することが確実に防止され、その結果穴状通路の詰まりが防止される。
上記9)の受熱器によれば、偏平チューブを比較的簡単に製造することができる。
上記10)の液冷式放熱装置によれば、受熱器本体の流体液通路内に流入した冷却液はフィンの隣り合う連結部間に形成される複数の流路に分かれて流れ、その結果冷却液への伝熱面積が増大するとともに、上記流路内を流れる冷却液の流速が高速になる。したがって、受熱器本体の受熱部に熱的に接触させられた発熱体からの熱を、対流伝熱により冷却液に伝える際の熱伝達率が優れたものになる。
上記11)の液冷式放熱装置によれば、フィンの波頂部および波底部が両高熱伝導性板にろう付されているので、受熱器本体の冷却液通路の内圧力に対する破壊強度が増大する。
上記12)の電子機器によれば、受熱器本体の冷却流体通路の両端開口に連なる冷却流体循環路を設けることにより、発熱電子部品から発せられる熱を受熱器本体の冷却流体通路内を流れる冷却流体に効率良く伝え、しかも冷却流体が冷却流体循環路を通って受熱器本体の冷却流体通路に戻るまでの間に、冷却流体の受けた熱を放熱させることができる。したがって、発熱電子部品を効率良く冷却することができる。
上記13)の受熱器の製造方法によれば、上記5)の受熱器を簡単に製造することができる。
上記14)〜16)の受熱器の製造方法によれば、偏平チューブと両高熱伝導性板とのろう付の際に、溶融したろう材が偏平チューブの穴状通路内に流入することが防止され、その結果穴状通路の詰まりが防止される。
上記17)の放熱装置によれば、受熱器本体の受熱部に熱的に接触させられた発熱体から発せられる熱を受熱器本体の冷却流体通路内を流れる冷却流体に効率良く伝え、しかも冷却流体が冷却流体循環路を通って受熱器本体の冷却流体通路に戻るまでの間に、冷却流体の受けた熱を放熱させることができる。したがって、発熱体を効率良く冷却することができる。
上記18)の放熱装置によれば、冷却流体循環路を比較的簡単に製造することができる。
上記19)の放熱装置によれば、受熱器本体の受熱部に熱的に接触させられた発熱体から発せられる熱を受熱器本体の冷却流体通路内を流れる冷却流体に効率良く伝え、しかも冷却流体が冷却流体循環路を通って受熱器本体の冷却流体通路に戻るまでの間に、冷却流体の受けた熱を2枚の金属板を介して放熱させることができる。したがって、発熱体を効率良く冷却することができる。しかも、受熱器および冷却流体循環路を比較的簡単に製造することができる。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、図1および図2に矢印Xで示す方向を左、これと反対方向を右といい、同じく矢印Yで示す方向を前、これと反対方向を後というものとする。
図1および図2はこの発明による受熱器を備えた液冷式放熱装置の全体構成を示し、図3〜図7はその要部の構成を示す。また、図8および図9は液冷式放熱装置の製造方法を示す。
図1および図2において、液冷式放熱装置(1)は、上下に積層状に接合された2枚の高熱伝導性板、たとえばアルミニウム板(2)(3)からなる左右方向に長い方形状の基板(4)に、冷却流体通路(7)を有する受熱器(5)、冷却流体通路(17)を有する膨張タンク装置(14)、および両冷却流体通路(7)(17)を接続する冷却流体循環路(6)が一体に設けられ、両冷却流体通路(7)(17)および冷却流体循環路(6)内に不凍液などからなるアルミニウムに対して非腐食性の冷却液が封入されたものである。
図3および図4に詳細に示すように、受熱器(5)は、上下のアルミニウム板(2)(3)からなるとともに、両アルミニウム板(2)(3)間に前後方向に伸びる冷却流体通路(7)が形成されている受熱器本体(8)と、受熱器本体(8)の冷却流体通路(7)内に左右方向に並んで配置された2つのアルミニウム押出形材(高熱伝導性材)製偏平チューブ(9)(伝熱部材)とを備えている。上アルミニウム板(2)は下面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなるとともに、下アルミニウム板(3)はベア材からなり、両アルミニウム板(2)(3)は上アルミニウム板(2)のろう材層を利用してろう付されている。
受熱器本体(8)を構成する上アルミニウム板(2)の上面は、発熱体(12)が熱的に接触する受熱部(11)となっている。受熱器本体(8)の冷却流体通路(7)は、下アルミニウム板(3)を下方に膨出させることにより形成されており、その前端部は先端に向かって徐々に幅狭となっている。冷却流体通路(7)は、前端が開口するとともに後端の右端部が開口している。受熱器本体(8)を構成する上アルミニウム板(2)における偏平チューブ(9)の両端を含む部分は、2つの偏平チューブ(9)の全幅の合計以上の長さにわたって外方に膨出させられ、左右方向に伸びるろう材流入防止用膨出部(13)が形成されている。
各偏平チューブ(9)は、並列状に形成されかつ冷却流体通路(7)の長さ方向(前後方向)に伸びる複数の穴状通路(9a)を有している。各偏平チューブ(9)の両端は膨出部(13)の幅方向(前後方向)の中間部に位置している。両偏平チューブ(9)の上壁における上アルミニウム板(2)下面に接した部分全体は、それぞれ上アルミニウム板(2)の下面のろう材層を利用して上アルミニウム板(2)にろう付されている。また、両偏平チューブ(9)の下壁は、それぞれその両端部を除いて偏平チューブ(9)よりも短いシート状ろう材を利用して下アルミニウム板(3)にろう付されている。偏平チューブ(9)の穴状通路(9a)の高さは0.5〜2.0mmであることが好ましく、同じく左右方向の幅は0.3〜1.5mmであることが好ましい。また、偏平チューブ(9)の上下壁の肉厚は0.2〜1.0mmであることが好ましく、同じく隣り合う穴状通路(9a)間の隔壁の肉厚は0.1〜0.5mmであることが好ましい。たとえば、穴状通路(9a)の高さは1.1mm、同じく左右方向の幅は0.55mm、偏平チューブ(9)の上下壁の肉厚は0.3mm、同じく隣り合う穴状通路(9a)間の隔壁の肉厚は0.2mmである。
なお、偏平チューブとしては、アルミニウム押出形材製のものに代えて、アルミニウム製電縫管の内部にインナーフィンを挿入することにより複数の穴状通路を形成したものを用いてもよい。また、片面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートに圧延加工を施すことにより形成され、かつ連結部を介して連なった2つの平坦壁形成部と、各平坦壁形成部における連結部とは反対側の側縁より隆起状に一体成形された側壁形成部と、平坦壁形成部の幅方向に所定間隔をおいて両平坦壁形成部よりそれぞれ隆起状に一体成形された複数の仕切壁形成部とを備えた板を、連結部においてヘアピン状に曲げて側壁形成部どうしを突き合わせて相互にろう付し、仕切壁形成部により仕切壁を形成することにより、穴状通路を設けたものを用いてもよい。この場合、側壁形成部と仕切壁形成部とが、アルミニウムブレージングシートのろう材面側に形成される。
基板(4)の右端部上に、冷却流体通路(17)を有する膨張タンク装置(14)と、受熱器(5)の冷却流体通路(7)、冷却流体循環路(6)および膨張タンク装置(14)の冷却流体通路(17)内で冷却液を循環させるポンプ(15)とが設けられている。
膨張タンク装置(14)は、図5に詳細に示すように、上下のアルミニウム板(2)(3)からなるとともに、両アルミニウム板(2)(3)間に前後方向に伸びる冷却流体通路(17)が形成されているタンク設置ベース(16)と、タンク設置ベース(16)上に設けられた膨張タンク(18)とを備えている。
タンク設置ベース(16)の冷却流体通路(17)は、下アルミニウム板(3)を下方に膨出させることにより形成されている。タンク設置ベース(16)を構成する上アルミニウム板(2)には、冷却流体通路(17)をタンク設置ベース(16)上面に通じさせる円形の連通穴(19)が形成されている。連通穴(19)の形状は円形に限定されるものではない。
膨張タンク(18)は、上方に膨出しかつ下方に開口した膨出部(22)を有するアルミニウム製タンク本体(21)と、タンク本体(21)の下端開口を閉鎖しかつタンク本体(21)よりも後方に伸びるアルミニウム製底板(23)とからなる。
タンク本体(21)は、下面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートよりなる円形板の周縁部を除いた部分を上方に膨出させることにより形成されたものであり、膨出部(22)は円錐台状でその周壁(22a)は上方に向かって径方向内方に傾斜している。また、膨出部(22)の頂壁(22b)は平坦であり、その中央部に下方突出部(24)が形成されている。タンク本体(21)における膨出部(22)の周囲の外向きフランジ(21a)は、下方突出部(24)が連通穴(19)の真上に位置するように、上記ろう材層を利用して底板(23)にろう付されている。タンク本体(21)は円形板から形成されるものに限定されず、また膨出部(22)も円錐台状に限定されない。
底板(23)は、下面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートよりなる前後方向に長い方形状であり、上記ろう材層を利用してタンク設置ベース(16)の上アルミニウム板(2)にろう付されている。底板(23)における上アルミニウム板(2)の連通穴(19)と対応する部分には、連通穴(19)よりも大きい円形貫通穴(25)が、連通穴(19)を含むようにこれと同心状に形成されている。貫通穴(25)は円形に限定されるものではない。底板(23)における貫通穴(25)の周縁部には、上方に向かって径方向内方に傾斜した邪魔板(26)が全周にわたって一体に形成されており、邪魔板(26)の先端に囲まれて開口(27)が形成されている。
ポンプ(15)は、膨張タンク装置(14)の底板(23)におけるタンク本体(21)から後方に突出した部分に取り付けられている。
液冷式放熱装置(1)の冷却流体循環路(6)は、下アルミニウム板(3)を下方に膨出させることにより形成されたものであり、受熱器本体(8)を構成する上下アルミニウム板(2)(3)の右方への延長部分間に形成されていることになる。冷却流体循環路(6)は、受熱器(5)の冷却流体通路(7)の前端開口と膨張タンク装置(14)の冷却流体通路(17)の前端開口とを連通させる直線状部分(6a)と、冷却流体通路(7)の後端の右端部の開口と冷却流体通路(17)の後端開口とを連通させる蛇行状部分(6b)とよりなる。受熱器(5)の冷却流体通路(7)、膨張タンク装置(14)の冷却流体通路(17)および冷却流体循環路(6)に封入されている冷却液の量は、図6に示すように基板(4)を垂直状態にした際に、冷却流体通路(7)(17)内および冷却流体循環路(6)内を満たすとともに、膨張タンク(18)の膨出部(22)内の冷却液の液面が膨張タンク(18)の底板(23)における邪魔板(26)先端の開口(27)よりも上方に位置し、しかも図7に示すように基板(4)を上下逆向きにした際に、冷却流体通路(7)(17)内および冷却流体循環路(6)内を満たすとともに、膨張タンク(18)の膨出部(22)内の冷却液の液面が膨張タンク(18)の底板(23)における邪魔板(26)先端の開口(27)よりも上方に位置するような量である。
上述した液冷式放熱装置(1)は、たとえばキーボードを有するパソコン本体部と、パソコン本体部に開閉自在に設けられたディスプレイ装置とを備えたノート型パーソナルコンピュータにおいて、パソコン本体部のハウジング内に配置され、CPU(発熱電子部品)が液冷式放熱装置(1)の受熱器(5)の受熱部(11)に熱的に接触させられる。ノート型パーソナルコンピュータの起動時には、ポンプ(15)により冷却液が受熱器(5)の冷却流体通路(7)、膨張タンク装置(14)の冷却流体通路(17)および冷媒循環路(6)内を循環させられる。CPUから発せられた熱は、上アルミニウム板(2)を経て受熱器(5)の冷却流体通路(7)内に配置された偏平チューブ(9)の穴状通路(9a)内を流れる冷却液に伝わる。このとき、冷却流体通路内に流入した冷却流体は偏平チューブ(9)の穴状通路(9a)に分かれて流れ、その結果冷却流体への伝熱面積が増大するとともに、偏平チューブ(9)の穴状通路(9a)内を流れる冷却流体の流速が高速になり、その結果受熱器本体(8)の受熱部(11)に熱的に接触させられた発熱体からの熱を、対流伝熱により冷却流体に伝える際の熱伝達率が優れたものになる。そして、冷却液が、冷却流体循環路(6)および膨張タンク装置(14)の冷却流体通路(17)を通って受熱器(5)の冷却流体通路(7)に戻るまでの間に、冷却液の有する熱が上下アルミニウム板(2)(3)を経て外部に放熱され、冷却液が冷却される。このような動作を繰り返してCPUから発せられる熱が放熱される。
なお、CPUから発せられる熱量が多い場合には、基板(4)における受熱器(5)から離れた場所に放熱フィンを有する放熱器(図示略)を配置しておき、従来の場合よりは出力が小さくて静粛な冷却ファン(図示略)により放熱器の放熱フィンに風を当てるようにしてもよい。
冷却液中に気泡状態で含まれる空気は、膨張タンク装置(14)の冷却流体通路(17)を通過する際に、タンク設置ベース(16)の連通穴(19)および底板(23)の貫通穴(25)を通ってタンク本体(21)の膨出部(22)内に入り、ここに溜められる。しかも、貫通穴(25)の周囲の邪魔板(26)の働きにより、一旦膨出部(22)内に入った空気は冷却流体通路(17)に逆流しにくくなる。したがって、冷却流体循環路(6)内の冷却液から空気が排除され、冷却効率が向上する。また、CPUから受けた熱により冷却液が加熱されて熱膨張したとしても、冷却液は膨張タンク(18)のタンク本体(21)内に流入するので、内圧上昇による冷却流体循環路(6)の破損が防止される。さらに、膨張タンク装置(14)のタンク本体(21)の膨出部(22)内に冷却液を入れておけば、冷却液が減少したとしても冷却効率の低下が防止される。
上述した液冷式放熱装置(1)の製造方法について、図8および図9を参照して説明する。
下面にろう材層(31)を有するアルミニウムブレージングシートからなる上アルミニウム板(2)にプレス加工を施して、受熱器(5)のろう材流入防止用膨出部(13)および膨張タンク装置(14)の連通穴(19)を同時に形成する。アルミニウムベア材からなる下アルミニウム板(3)にプレス加工を施して、受熱器(5)の冷却流体通路(7)、膨張タンク装置(14)の冷却流体通路(17)および冷却流体循環路(6)を下方膨出状に同時に形成する。下面にろう材層(33)を有するアルミニウムブレージングシートからなる円形板にプレス加工を施して、膨出部(22)および下方突出部(24)を同時に形成し、タンク本体(21)をつくる。さらに、下面にろう材層(32)を有するアルミニウムブレージングシートからなる底板(23)にプレス加工を施して、貫通穴(25)、邪魔板(26)および開口(27)を形成する。
ついで、受熱器(5)の冷却流体通路(7)内に、2つのアルミニウム押出形材製偏平チューブ(9)を左右方向に並べて配置する。このとき、偏平チューブ(9)の下面と下方膨出部(22)の底面との間に、偏平チューブ(9)よりも短いシート状ろう材(30)を、その両端が偏平チューブ(9)の両端よりも長さ方向の内側に位置するように配置する。
その後、上下アルミニウム板(2)(3)を重ね合わせるとともに底板(23)およびタンク本体(21)を配置し、上下アルミニウム板(2)(3)どうし、上下アルミニウム板(2)(3)と偏平チューブ(9)、上アルミニウム板(2)と底板(23)、および底板(23)とタンク本体(21)とを同時にろう付する。これらのろう付は、上アルミニウム板(2)のろう材層(31)、シート状ろう材(30)、底板(23)のろう材層(32)およびタンク本体(21)のろう材層(33)を利用して行う。こうして、液冷式放熱装置(1)が製造される。
液冷式放熱装置(1)の製造にあたり、上アルミニウム板(2)に膨出部(13)が形成されていること、および偏平チューブ(9)と下アルミニウム板(3)とが偏平チューブ(9)よりも短くかつ両端が偏平チューブ(9)の両端よりも長さ方向の内側に位置するように配置されたシート状ろう材(30)によりろう付されていることにより、上記ろう付の際に、溶融したろう材が偏平チューブ(9)の穴状通路(9a)内に流入することが防止される。
図10は液冷式放熱装置の第2の実施形態を示す。
図10に示す液冷式放熱装置の受熱器(40)の場合、基板(4)を形成する下アルミニウム板(3)は上面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなる。下アルミニウム板(3)における偏平チューブ(9)の両端を含む部分は、2つの偏平チューブ(9)の全幅の合計以上の長さにわたって外方に膨出させられ、左右方向に伸びるろう材流入防止用膨出部(41)が形成されている。そして、両偏平チューブ(9)の下壁における下アルミニウム板(3)に接している部分全体が、下アルミニウム板(3)のろう材層を利用して下アルミニウム板(3)にろう付されている。また、各偏平チューブ(9)の両端が膨出部(41)の幅方向の中間部に位置している。その他の構成は、上述した図1〜図7に示す液冷式放熱装置(1)と同じであり、同一物および同一部分には同一符号を付す。
液冷式放熱装置の製造方法は、図11に示すように、下アルミニウム板(3)と偏平チューブ(9)とを下アルミニウム板(3)のろう材層(42)を利用してろう付すること以外は、図1〜図7に示す液冷式放熱装置(1)の製造方法と同じである。このろう付の際、膨出部(41)の働きにより、下アルミニウム板(3)のろう材層から溶融したろう材が、偏平チューブ(9)の穴状通路(9a)内に流入することが防止される。
図12は液冷式放熱装置の第3の実施形態を示す。
図12に示す液冷式放熱装置の受熱器(45)の場合、基板(4)を形成する上アルミニウム板(2)はベア材からなる。そして、上アルミニウム板(2)に膨出部(13)は形成されておらず、両偏平チューブ(9)の上壁はそれぞれその両端部を除いて偏平チューブ(9)よりも短いシート状ろう材を利用して上アルミニウム板(2)にろう付されている。その他の構成は、上述した図1〜図7に示す液冷式放熱装置(1)と同じであり、同一物および同一部分には同一符号を付す。
液冷式放熱装置の製造方法は、図13に示すように、偏平チューブ(9)の上面と上アルミニウム板(2)の下面との間に、偏平チューブ(9)よりも短いシート状ろう材(46)を、その両端が偏平チューブ(9)の両端よりも長さ方向の内側に位置するように配置しておき、このシート状ろう材を利用して偏平チューブ(9)と上アルミニウム板(2)とをろう付すること以外は、図1〜図7に示す液冷式放熱装置(1)の製造方法と同じである。このろう付の際に、偏平チューブ(9)と上アルミニウム板(2)とが偏平チューブ(9)よりも短くかつ両端が偏平チューブ(9)の両端よりも長さ方向の内側に位置するように配置されたシート状ろう材によりろう付されていることにより、溶融したろう材が偏平チューブ(9)の穴状通路(9a)内に流入することが防止される。
図14は、液冷式放熱装置の第4の実施形態を示す。
図14に示す液冷式放熱装置の受液器の場合、受熱器本体(8)の冷却流体通路(7)内には、冷却流体通路(7)の長さ方向に伸びる波頂部および波底部と、波頂部および波底部を連結する連結部とよりなるアルミニウムベア材製コルゲート状フィン(50)(伝熱部材)が配置されている。そして、上アルミニウム板(2)に膨出部(13)は形成されておらず、フィン(50)の波頂部は上アルミニウム板(2)のろう材層を利用して上アルミニウム板(2)にろう付され、同じく波底部はシート状ろう材を利用して下アルミニウム板(3)にろう付されている。その他の構成は、上述した図1〜図7に示す液冷式放熱装置(1)と同じであり、同一物および同一部分には同一符号を付す。なお、フィン(50)が、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートで形成され、そのろう材層を利用して両アルミニウム板(2)(3)にろう付されていてもよい。
この液冷式放熱装置の受熱器によれば、受熱器本体(8)の流体液通路(7)内に流入した冷却液はフィン(50)の隣り合う連結部間に形成される複数の流路に分かれて流れ、その結果冷却液への伝熱面積が増大するとともに、上記流路内を流れる冷却液の流速が高速になる。したがって、受熱器本体(8)の受熱部(11)に熱的に接触させられた発熱体(12)からの熱を、対流伝熱により冷却液に伝える際の熱伝達率が優れたものになる。また、フィン(50)の波頂部および波底部が両アルミニウム板(2)(3)にろう付されているので、受熱器本体(8)の冷却流体通路(7)の内圧力に対する破壊強度が増大する。
上記の全実施形態においては、受熱器(5)(40)(45)は、液冷式放熱装置(1)の冷却流体循環路(6)とともに基板(4)に設けられているが、これに代えて、受熱器のみを基板(4)とは別個に形成し、受熱器の冷却流体通路の両端に、それぞれ受熱器とは別体のチューブなどの一端部を接続し、これらのチューブの他端部を基板(4)の冷却流体循環路(6)に接続することにより、液冷式放熱装置を形成してもよい。また、受熱器と、上述した構成または他の適当な構成の膨張タンク装置とを別個に形成し、受熱部の冷却流体通路と膨張タンク装置の冷却流体通路とをたとえば別体のチューブなどで接続することにより、液冷式放熱装置を形成してもよい。
また、上記の実施形態においては、この発明による受熱器が液冷式放熱装置に適用されているが、これに代えて、ヒートパイプ式放熱装置の受熱器としても利用することができる。たとえばヒートパイプ式放熱装置は、上述した液冷式放熱装置から膨張タンク装置およびポンプを取り除き、上下アルミニウム板間に受熱器の冷却流体通路の両端開口に連なった作動液通路を形成しておき、これらの中にヒートパイプ用作動液を封入したものである。
この発明による受熱器を備えた液冷式放熱装置の全体構成を示す斜視図である。 同じく分解斜視図である。 図1のIII−III線拡大断面図である。 図1のIV−IV線拡大断面図である。 図1のV−V線拡大断面図である。 タンク設置ベースを垂直状態にした図5相当の断面図である。 タンク設置ベースを上下逆向きにした図5相当の断面図である。 液冷式放熱装置の製造方法示す受熱器の部分の断面図である。 液冷式放熱装置の製造方法を示す膨張タンク装置の部分の断面図である。 第2の実施形態の液冷式放熱装置を示す図3相当の図である。 図10の液冷式放熱装置の製造方法を示す受熱器の部分の断面図である。 第3の実施形態の液冷式放熱装置を示す図3相当の図である。 図12の液冷式放熱装置の製造方法を示す受熱器の部分の断面図である。 第4の実施形態の液冷式放熱装置の下アルミニウム板およびコルゲート状フィンのみを示す斜視図である。
符号の説明
(1):液冷式放熱装置
(2):上アルミニウム板(高熱伝導性板)
(3):下アルミニウム板(高熱伝導性板)
(5)(40)(45):受熱器
(6):冷却流体循環路
(7):冷却流体通路
(8):受熱器本体
(9):偏平チューブ(伝熱部材)
(11):受熱部
(12):発熱体
(13)(41):ろう材流入防止用膨出部
(30)(46):シート状ろう材
(31):ろう材層
(50):コルゲート状フィン(伝熱部材)

Claims (19)

  1. 内部に冷却流体通路が形成されるとともに、外面に発熱体と熱的に接触する受熱部を有する受熱器であって、積層状に接合された2枚の高熱伝導性板からなるとともに、両高熱伝導性板間に両端が開口した冷却流体通路が形成されている受熱器本体と、高熱伝導性材から形成されかつ受熱器本体の冷却流体通路内に配置された伝熱部材とを備えている受熱器。
  2. 伝熱部材が、受熱器本体の冷却流体通路の長さ方向に伸びる複数の穴状通路を有している偏平チューブからなる請求項1記載の液冷式放熱装置。
  3. 2枚の高熱伝導性板および偏平チューブがそれぞれ金属よりなり、両高熱伝導性板が相互にろう付され、偏平チューブが両高熱伝導性板にろう付されている請求項2記載の受熱器。
  4. 2枚の高熱伝導性板および偏平チューブがそれぞれアルミニウムからなる請求項3記載の受熱器。
  5. 偏平チューブが、その両端部を除いて両高熱伝導性板にろう付されている請求項3または4記載の受熱器。
  6. 両高熱伝導性板および偏平チューブがそれぞれアルミニウムのベア材からなり、両者がシート状ろう材によりろう付されている請求項5記載の受熱器。
  7. 一方の高熱伝導性板が内面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなるとともに、他方の高熱伝導性板および偏平チューブがそれぞれアルミニウムのベア材からなり、上記一方の高熱伝導性板における偏平チューブの両端を含む部分が偏平チューブの全幅以上の長さにわたって外方に膨出させられ、偏平チューブの両端が上記一方の高熱伝導性板の膨出部における幅方向の中間部に位置させられ、上記一方の高熱伝導性板と偏平チューブとがアルミニウムブレージングシートのろう材層によりろう付され、上記他方の高熱伝導性板と偏平チューブとがシート状ろう材によりろう付されている請求項5記載の受熱器。
  8. 両高熱伝導性板がそれぞれ内面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなり、偏平チューブがアルミニウムのベア材からなり、両高熱伝導性板における偏平チューブの両端を含む部分がそれぞれ偏平チューブの全幅以上の長さにわたって外方に膨出させられ、偏平チューブの両端が両高熱伝導性板の膨出部における幅方向の中間部に位置させられ、両高熱伝導性板と偏平チューブとがアルミニウムブレージングシートのろう材層によりろう付されている請求項5記載の受熱器。
  9. 偏平チューブが押出形材からなる請求項2〜8のうちのいずれかに記載の受熱器。
  10. 伝熱部材が、受熱器本体の冷却液通路の長さ方向に伸びる波頂部および波底部と、波頂部および波底部を連結する連結部とよりなるコルゲート状フィンからなる請求項1記載の受熱器。
  11. 2枚の高熱伝導性板およびフィンがそれぞれアルミニウムからなり、両高熱伝導性板が相互にろう付され、フィンが波頂部および波底部において両高熱伝導性板にろう付されている請求項10記載の受熱器。
  12. 請求項1〜11のうちのいずれかに記載の受熱器がハウジング内に配置されており、受熱器の受熱部に発熱電子部品が熱的に接触している電子機器。
  13. 請求項5記載の受熱器を製造する方法であって、2枚の金属製高熱伝導性板と、並列状に形成された複数の穴状通路を有する金属製偏平チューブとを用意すること、2枚の高熱伝導性板のうちの少なくともいずれか一方を膨出させることにより冷却流体通路を形成すること、冷却流体通路が他方の高熱伝導性板を向くように両高熱伝導性板を重ね合わせるとともに、穴状通路が冷却流体通路の長さ方向を向くように偏平チューブを冷却流体通路内に配置すること、ならびに高熱伝導性板どうしおよび両高熱伝導性板と偏平チューブとを同時にろう付することを含む受熱器の製造方法。
  14. 両高熱伝導性板および偏平チューブをそれぞれアルミニウムのベア材から形成しておき、両高熱伝導性板と偏平チューブとを、偏平チューブよりも短いシート状ろう材を用いてろう付する請求項13記載の受熱器の製造方法。
  15. 一方の高熱伝導性板を片面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成するとともに、他方の高熱伝導性板および偏平チューブをそれぞれアルミニウムのベア材から形成し、上記一方の高熱伝導性板における偏平チューブの両端を含む部分を偏平チューブの全幅以上の長さにわたってろう材層とは反対側に膨出させることにより、偏平チューブの穴状通路内へのろう材の流入を防止するろう材流入防止用膨出部を形成し、偏平チューブの両端をろう材流入防止用膨出部における幅方向の中間部に位置させ、上記一方の高熱伝導性板と偏平チューブとをアルミニウムブレージングシートのろう材層によりろう付するとともに、上記他方の高熱伝導性板と偏平チューブとを偏平チューブよりも短いシート状ろう材を用いてろう付する請求項13記載の受熱器の製造方法。
  16. 両高熱伝導性板をそれぞれ片面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成するとともに、偏平チューブをアルミニウムのベア材から形成しておき、両高熱伝導性板における偏平チューブの両端を含む部分を、それぞれ偏平チューブの全幅以上の長さにわたってろう材層とは反対側に膨出させることにより、偏平チューブの穴状通路内へのろう材の流入を防止するろう材流入防止用膨出部を形成し、偏平チューブの両端を両高熱伝導性板のろう材流入防止用膨出部における幅方向の中間部に位置させ、両高熱伝導性板と偏平チューブとをそれぞれアルミニウムブレージングシートのろう材層によりろう付する請求項13記載の受熱器の製造方法。
  17. 請求項1〜11のうちのいずれかに記載された受熱器の冷却流体通路の両端開口に連なる冷却流体循環路を備えている放熱装置。
  18. 冷却流体循環路の少なくとも一部分が、受熱器本体を構成する2枚の高熱伝導性板の延長部分間に形成されている請求項17記載の放熱装置。
  19. 積層状に接合された2枚の金属板からなる基板に、冷却流体通路を有する受熱器、および受熱器の冷却流体通路の両端に連なった冷却流体循環路が設けられており、受熱器の両高熱伝導性板が上記2枚の金属板からなる請求項17または18記載の放熱装置。
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