JP2001146670A - ポリプロピレン製不織布およびその製造方法 - Google Patents
ポリプロピレン製不織布およびその製造方法Info
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Abstract
布の提供。 【解決手段】 ポリプロピレンの連続繊維15によって
不織布26が形成され、連続繊維15が0.006〜
5.8dの繊度と、0.019〜0.030の複屈折率
と、100〜300%の引張破断伸度とを有する。
Description
の連続繊維からなる不織布とその製造方法に関する。
が1d以下の極細の連続繊維からなる不織布の製造方法
が開示されている。この方法によれば、連続繊維は溶融
紡糸工程で一度延伸され、その後に再度延伸されること
によって繊度が所要の値になる。繊度が小さくなった連
続繊維は捕集され、接着等によって結合して不織布とな
る。
ば、連続繊維の繊度が小さくて肌触りの柔軟な不織布が
得られる。この発明は、そのような不織布に高い破断伸
度を付与することを課題にしている。
の発明は、物の発明に係る第1発明と、その物の製造方
法に係る第2発明とで構成されている。
ピレンの連続繊維からなる不織布である。
するところは、前記連続繊維が、0.006〜5.8d
の繊度と、0.019〜0.030の複屈折率と、10
0〜300%の引張破断伸度とを有し、前記繊維どうし
が実質的に互いの機械的な交絡によって不織布形態を維
持していること、にある。
記不織布の引張強度は、1〜3g/dである。
ズルから押出されるポリプロピレンの連続繊維を延伸し
た後、一方向へ走行するベルトに堆積させ、前記連続繊
維どうしを互いに交絡させて不織布を製造する方法であ
る。
るところは、前記ノズルの近傍を溶融状態で押出されて
いる前記連続繊維の温度付近となるように保温し、入口
と出口とこれら両者間に延びる案内通路とを備え、前記
案内通路には前記入口から出口へ向かう方向へ常温の圧
縮エアーが吹出しているサッカーの前記案内通路へ前記
連続繊維を導いて急冷し、前記ノズルと前記サッカーと
の間において前記連続繊維を延伸して前記連続繊維の繊
度を小さくし、かつ、前記ポリプロピレンの分子を所要
の複屈折率が得られる程度にまで配向させること、にあ
る。
態様がある。 (1)前記連続繊維が、前記ノズル近傍においては溶融
温度にあって繊度が小さくなり、前記近傍から前記サッ
カーの入口に至るまでの間において前記連続繊維が融点
近くの温度にまで徐々に降下し、前記サッカー内部にお
いて常温にまで急冷されつつ所要の複屈折率が得られる
程度にまで延伸される態様。 (2)前記保温は、押出されている前記連続繊維とほぼ
同じ温度の熱風が前記ノズルの近傍に吹出すことによっ
てなされている態様。 (3)前記サッカー内部において、前記連続繊維の繊度
が0.006〜5.8dとなるように前記連続繊維を延
伸する態様。 (4)前記サッカー内部において、前記連続繊維が複屈
折率0.019〜0.030となるように前記ポリプロ
ピレン分子を配向させる態様。 (5)高圧水の噴射によって前記連続繊維どうしを交絡
させる工程が含まれる態様。 (6)前記ノズルから前記ベルトまでの距離が400〜
600mmである態様。
係る不織布および不織布の製造方法の詳細を説明する
と、以下のとおりである。
ための工程を示す図面であって、この工程には、溶融紡
糸機1、サッカー2、無端ベルト3、高圧水噴射装置
4、巻取り装置6が含まれている。
投入口とスクリュー式押出機とを備え、押出機の先端に
紡糸ノズル11を有し、ノズル11の両側近傍に熱風吹
出口12を有する。原料には、ポリプロピレン、例えば
MFRが10〜80g/10minのポリプロピレンが
使用される。ノズル11は、例えば孔径0.35mmの
ものが、図の紙面に垂直な方向へ孔間隔1mmで一列に
600個並べられる。このノズル11からは、ポリプロ
ピレンの連続繊維15が0.13〜0.40g/min
/ノズルの割合で吐出される。吹出口12からは、溶融
したポリプロピレンの温度とほぼ同じ温度、例えば約2
30℃のポリプロピレンに対して約230℃の熱風が1
〜3Nm3/minの割合で吹出し、押出されたポリプ
ロピレンの急激な温度低下を防いでいる。
内路16と、案内孔16にその両側で開口している常温
圧縮エアーの吹出口17とを有する。案内孔16は連続
繊維15に対する入口18と出口19とを有し、入口1
8の近傍には吹出口17が設けられている。サッカー2
の入口18とノズル11との距離Pは最大で500m
m、好ましくは100〜300mmとなるように、サッ
カー2の位置が定められる。かかる距離Pを進む連続繊
維15の温度は、入口18に達したときに融点近傍にま
で降下していることが好ましい。吹出口17から出口1
9までの距離Qの間では、常温圧縮エアーが出口19へ
向かって吹出している。距離Qは20〜500mmであ
ることが好ましく、ここでいう常温とは10〜50℃の
範囲を意味する。圧縮エアーは、圧力0.5〜2kgf
/cm2G、流量4〜10Nm3/minの割合で供給
される。案内孔16へ進入した連続繊維15は、常温圧
縮エアーによって常温近傍にまで急冷されるとともに、
繊度が0.006〜5.8d、複屈折率Δnが0.01
9〜0.030となるように延伸される。延伸後の連続
繊維15は、1〜3g/dの引張強度を有していること
が好ましい。
延びる幅を有し、サッカー2の出口19からの距離Rが
50〜300mmである。好ましいベルト3では、ノズ
ル11からの距離が好ましくは300〜1500、より
好ましくは400〜600mmとなるように、距離P,
Q,Rが調整されている。ベルト3は、図の右方へ2〜
8m/minの速度で走行している。ベルト3は通気性
のもので、このベルト3を挟んでサクションボックス2
1がサッカー2と向かい合っている。出口19から出た
連続繊維15は、圧縮エアーとサクションとの作用によ
ってベルト3の幅方向や長さ方向へ揺れ動き、ベルト3
の上に不規則な模様を画きながら堆積してウエブ22を
形成する。
ベルト3の幅方向へ0.3〜3mmのピッチで並ぶこと
によって形成された1または2以上のノズル列24と、
ベルト3を挟んでノズル列24と向かい合うサクション
ボックス26とを有する。ノズル列24が2列である場
合、例えば1列目のノズル23では、20kgf/cm
2の噴射水流によってウエブ22の地合を安定させるた
めの処理を施し、2列目のノズル23では100kgf
/cm2の噴射水流によって連続繊維15のうちの一部
のものをウエブ22の進行方向へ延びるように配列した
り、また一部のものを互いに絡み合わせることによって
ウエブ22の引張強度を向上させたりする。しかる後
に、ウエブ22は乾燥工程(図示せず)を経て不織布2
6となり、巻取り装置6によってロール状に巻き取られ
る。
件を採用して得られた連続繊維15と不織布26との物
性は、以下のとおりであった。 (運転条件) 使用樹脂 ポリプロピレン(MFR=70g/10min) 紡糸ノズル 孔径 0.35mm 孔数 600 孔のピッチ 1mm 温度 230℃ 吐出量 0.13g/min/ノズル 熱風 温度 230℃ 流量 1.5Nm3/min 常温圧縮エアー 圧力 1.0kgf/cm2G 流量 6.0Nm3/min ベルト 紡糸ノズルからの距離 490mm 走行速度 4.4m/min 高圧水噴射処理 第1列 20kgf/cm2 第2列 100kgf/cm2
らかなように、この発明に係る製造方法で得られる連続
繊維15は繊度を比較的小さく、例えば、0.006〜
5.8dにすることができ、同時に繊度のばらつきを小
さくすることができる。かかる連続繊維15は、不織布
26となるまでの過程で殆ど熱融着することがなく、機
械的に絡み合うだけであり、しかも、連続繊維であるこ
とによってその絡み合いの程度が弱く、連続繊維15ど
うしは互いの動きをあまり拘束することがない。そのよ
うな連続繊維15からなる不織布26は、柔軟で、しか
も、肌触りがよい。また、複屈折率Δnが0.019〜
0.030となるように延伸されている連続繊維15
は、その伸長性が著しく妨げられるほどにはポリプロピ
レン分子が高度に配向しておらず、高い破断伸度を有す
る。例えば、実施例の連続繊維15は、チャック間距離
が0mmであるときの引張試験で6.38mmにまで伸
びる。かかる連続繊維15が高圧水の噴射で互いに機械
的に絡み合うことによって形成された不織布26は、連
続繊維15の破断伸度が高いことと、繊維15どうしの
絡み合いが弱いこととによって、MD方向とCD方向と
に100〜300%の高い破断伸度を有する。実施例の
不織布26では、MD方向とCD方向との破断伸度が1
93%と197%とである。
使い捨ておむつや生理用ナプキン、医療用の使い捨てガ
ウン等の使い捨て着用物品に使用できる他に、フィルタ
ーやウエットワイプス等としても使用できる。
の製造方法によれば、0.006〜5.8dの繊度と、
0.019〜0.030の複屈折率と、1〜3g/dの
引張強度とを有するポリプロピレンの連続繊維から不織
布を得ることができ、この不織布では、連続繊維の紡糸
時におけるポリプロピレン分子の配向度合いが低く、し
かも連続繊維は互いの動きを強く拘束するほどには交絡
していない。かかる不織布は、柔軟で肌触りがよく、し
かも高い破断伸度を有している。
Claims (9)
- 【請求項1】 ポリプロピレンの連続繊維からなる不織
布において、 前記連続繊維が、0.006〜5.8dの繊度と、0.
019〜0.030の複屈折率と、100〜300%の
引張破断伸度とを有し、前記繊維どうしが、実質的に互
いの機械的な交絡によって不織布形態を維持しているこ
とを特徴とする前記不織布。 - 【請求項2】 前記不織布の引張強度が1〜3g/dで
ある請求項1記載の不織布。 - 【請求項3】 多数のノズルから押出されるポリプロピ
レンの連続繊維を延伸した後、一方向へ走行するベルト
に堆積させ、前記連続繊維どうしを互いに交絡させて不
織布を製造する方法において、 前記ノズルの近傍を溶融状態で押出されている前記連続
繊維の温度付近となるように保温し、入口と出口とこれ
ら両者間に延びる案内通路とを備え、前記案内通路には
前記入口から出口へ向かう方向へ常温の圧縮エアーが吹
出しているサッカーの前記案内通路へ前記連続繊維を導
いて急冷し、前記ノズルと前記サッカーとの間において
前記連続繊維を延伸して前記連続繊維の繊度を小さく
し、かつ、前記ポリプロピレンの分子を所要の複屈折率
が得られる程度にまで配向させることを特徴とする前記
方法。 - 【請求項4】 前記連続繊維が、前記ノズル近傍におい
ては溶融温度にあって繊度が小さくなり、前記近傍から
前記サッカーの入口に至るまでの間においては融点近く
の温度にまで徐々に降下し、前記サッカー内部において
は常温にまで急冷されつつ所要の複屈折率が得られる程
度にまで延伸される請求項3記載の方法。 - 【請求項5】 前記保温は、押出されている前記連続繊
維とほぼ同じ温度の熱風が前記ノズルの近傍に吹出すこ
とによってなされている請求項3または4に記載の方
法。 - 【請求項6】 前記サッカー内部において、前記連続繊
維の繊度が0.006〜5.8dとなるように前記連続
繊維を延伸する請求項3〜5のいずれか1項に記載の方
法。 - 【請求項7】 前記サッカー内部において、前記連続繊
維の複屈折率が0.019〜0.030となるように前
記ポリプロピレンの分子を配向させる請求項3〜6のい
ずれか1項に記載の方法。 - 【請求項8】 高圧水の噴射によって前記連続繊維どう
しを交絡させる工程が含まれる請求項3〜7のいずれか
1項に記載の方法。 - 【請求項9】 前記ノズルから前記ベルトまでの距離が
400〜600mmである請求項3〜8のいずれか1項
に記載の方法。
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