JP2020528501A - スパンブローン不織ウェブ - Google Patents

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Abstract

単一の溶融ポリマーで作られていて平均繊維直径が約0.5ミクロンから約50ミクロンまでの範囲にある複数本の繊維を含むスパンブローン不織ウェブであって、少なくとも約0.5gsmの坪量、縦方向に測定して約20gから約4,200gまでの範囲にある引張強度、縦方向に測定して少なくとも約20:1の引張強度と坪量の比、及び縦方向に測定して少なくとも約15の伸び百分率と繊維直径の比を有することを特徴とするスパンブローン不織ウェブが開示される。

Description

本発明は、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブに関する。
〔関連出願の参照〕
本国際出願は、2017年7月17日に出願された係属中の仮特許出願第15/651,964号(発明の名称:SPUN-BLOWN NON-WOVEN WEB)の優先権主張出願である。
従来型メルトブローン繊維は、1ミクロン未満から約10ミクロンまでの範囲の極めて小さい直径を備えた状態で製造できる。これら小さい直径は、種々の不織布を作る際に極めて有利である。しかしながら、従来型メルトブローン繊維は、形成プロセスで用いられる高いダイ及び空気温度に起因して強度が極めて弱い。これとは対照的に、スパンボンド繊維は、非常に強固であるように製造できるが、約15ミクロンから約50ミクロンまでの範囲にある非常に大きな直径を有する。スパンボンドで作られた布(ファブリック)は、透明度が小さくかつ粗い表面を呈する傾向があり、その理由は繊維直径が極めて大きいからである。典型的には、従来型メルトブローン繊維は、一層布を作るのに必要な強度を備えていないので、スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド(spunbond-meltblown-spunbond:SMS)不織構造体が形成される。SMS不織構造体は、受け入れられる強固な不織ウェブを作るのに外部に追加されたスパンボンド層を必要とする。
今日まで、この問題は、メルトブローン繊維の直径に近い直径を有するが、スパンボンド繊維のほぼ同じ強度を有する細い繊維を押し出すやり方を見出すことができていないということにある。
今や、この問題を解決するスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブが発明された。
概要を述べると、本発明は、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブを形成する装置及びプロセス(方法)ならびにウェブそれ自体に関する。スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブを製造する装置は、溶融材料を受け入れる入口を備えたダイブロックを有し、この入口は、キャビティと連通している。ダイブロックは、ガス通路をさらに有し、加圧ガスをこのガス通路に通して導入することができる。ガス通路は、内径を有する。インサートがガス通路内に位置決めされ、このインサートは、内径及び外径を有する。外径の大部分は、ガス通路の内径よりも小さく、それにより、これらの間には空気チャンバが形成される。本装置は、ダイブロックに固定されたスピナレットをさらに有し、このスピナレットは、キャビティから隔離されたガスチャンバを有する。スピナレットは、ガスチャンバをガス通路に連結するガス路をさらに有する。複数個のノズル及び複数本の静止ピンがスピナレットに固定されている。複数個のノズル及び複数本の静止ピンは、複数個のロウ(行)及び複数個のコラム(列)から成るアレイの状態にグループ化され、アレイは、周囲を有する。複数個のノズルの各々は、キャビティに連結されている。本装置は、スピナレットに固定されたガス分配プレートをさらに有し、このガス分配プレートを貫通して複数個の第1、第2及び第3の開口部が形成されている。第1の開口部の各々は、ノズルの各々をそれぞれ包囲し、第2の開口部の各々は、静止ピンの各々をそれぞれ包囲し、第3の開口部の各々は、第1及び第2の開口部に隣接して配置されている。本装置は、ガス分配プレートに固定された外側部材をさらに有する。外側部材を貫通して複数個の第1及び第2の拡大開口部が形成されている。第1の拡大開口部の各々は、ノズルの各々をそれぞれ包囲し、第2の拡大開口部の各々は、静止ピンの各々を包囲している。ノズルと静止ピンのアレイは、第2の拡大開口部で構成された少なくとも1つのロウ及び少なくとも1つのコラムを有し、これらは、アレイの周囲に隣接して配置されている。加圧ガスは、第1の拡大開口部と第2の拡大開口部の両方を通って所定の速度で出る。溶融材料がフィラメントの状態に押し出され、フィラメントの各々は、加圧ガスによって包まれて凝固するとともに減衰して繊維の状態になる。加うるに、押し出されたフィラメント/繊維の全体周囲は、これらフィラメント/繊維を周りの周囲空気、本質的にはデュアルシュラウド系から隔離するために別の加圧ガスカーテンによって包まれる。最後に、本装置は、外側部材の下流側に配置された動いている表面又は可動面を有し、繊維は、この動いている表面上に集められてスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブとなる。
スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブを形成する方法は、溶融ポリマーを作るステップ及び溶融ポリマーをダイブロック中に差し向けるステップを含む。ダイブロックは、キャビティ及びキャビティに連結された入口を有し、入口を通って溶融材料が運ばれる。ダイブロックは、これを貫通して形成されていて加圧ガスを運ぶガス通路をさらに有する。ガス通路は、内径を有する。インサートがガス通路内に位置決めされている。インサートは、内径及び外径を有する。インサートの外径の大部分は、ガス通路の内径よりも小さく、それによりこれらの間には空気チャンバが形成される。スピナレット本体は、ダイブロックに固定されている。スピナレット本体は、ガスチャンバ及びガスチャンバをガス通路に連結するガス路を有する。スピナレット本体は、複数個のノズル及びこれらノズルに固定された複数本の静止ピンを有し、これらノズル及び静止ピンは、複数個のロウ及び複数個のコラムから成るアレイの状態にグループ化されている。アレイは、周囲を有する。ガス分配プレートがスピナレット本体に固定されている。ガス分配プレートを貫通して複数個の第1、第2、及び第3の開口部が形成されている。第1の開口部の各々は、ノズルの各々をそれぞれ包囲し、第2の開口部の各々は、静止ピンの各々をそれぞれ包囲し、第3の開口部の各々は、第1及び第2の開口部に隣接して配置されている。外側部材がガス分配プレートに固定されている。外側部材を貫通して複数個の第1及び第2の拡大開口部が形成されている。第1の拡大開口部の各々は、ノズルの各々をそれぞれ包囲し、第2の拡大開口部の各々は、静止ピンの各々をそれぞれ包囲している。ノズルと静止ピンから成るアレイは、上記周囲に隣接して配置された第2の拡大開口部の少なくとも1つのロウ及び少なくとも1つのコラムを有する。ノズルの各々を出た押し出し状態のフィラメントは、加圧ガスによって包まれて凝固するとともに減衰して繊維になる。加うるに、押し出されたフィラメント/繊維の全体周囲は、これらフィラメント/繊維を周りの周囲空気、本質的にはデュアルシュラウド系から隔離するために、第2の拡大開口部の各々を出た加圧ガスによって包まれる。最後に、繊維は、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブを形成するよう動いている表面上に集められる。
本発明のスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブは、単一の溶融ポリマーで作られていて平均繊維直径が約0.5ミクロンから約50ミクロンまでの範囲にある複数本の繊維を含み、このスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブは、1平方メートル当たり少なくとも約0.5グラムの坪量(gsm)、縦方向に測定して約20gから約4,200gまでの範囲にある引張強度、縦方向に測定して少なくとも約20:1の引張強度と坪量の比、及び縦方向に測定して少なくとも約15の伸び百分率と繊維直径の比を有する。
別の実施形態では、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブは、ホモポリマーで作られていて平均繊維直径が約0.5ミクロンから約50ミクロンまでの範囲にある複数本の繊維を含み、このスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブは、少なくとも約0.5gsmの坪量、縦方向に測定して約20gから約4,140gまでの範囲にある引張強度、縦方向に測定して約20:1から約50:1の引張強度と坪量の比、及び縦方向に測定して約20〜約50の伸び百分率と繊維直径の比を有する。
さらに別の実施形態では、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブは、ホモポリマーで作られていて平均繊維直径が約1ミクロンから約50ミクロンまでの範囲にある複数本の繊維を含み、このスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブは、少なくとも約1gsmの坪量、縦方向に測定して約80gから約3,500gまでの範囲にある引張強度、縦方向に測定して約20:1から約48:1の引張強度と坪量の比、及び縦方向に測定して約25〜約45の伸び百分率と繊維直径の比を有する。
本発明の一般的な目的は、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブを提供することにある。本発明のより特定の目的は、典型的なメルトブローンウェブよりも非常に強固なスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブを提供することにある。
本発明の別の目的は、各々が従来型メルトブローン繊維の直径にほぼ等しい繊維直径を備えかつ各々がスパンボンド繊維の強度と同等の強度を備える細い繊維を有するスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブを提供することにあり、このウェブは、優れた濾過特性を呈する。
本発明の別の目的は、直径が約0.5ミクロンから約50ミクロンまでの範囲にある細い繊維を含むスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブであって、少なくとも約0.5gsmの坪量及び縦方向に測定して約20gから約4,140gまでの範囲にある引張強度を有するスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブを提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、加工するのが容易なスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブを提供することにある。
さらにまた、本発明の目的は、ほどほどのコストで製造できるスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブを提供することにある。
本発明の他の目的及び他の利点は、以下の説明及び添付の図面を考慮すると当業者には明らかになろう。
スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブを形成する製造の略図である。 ダイブロック、スピナレット及び外部プレートを互いに固定した状態で示す断面図である。 ダイブロックの縦断面斜視図であり、1対のガス通路を示す図である。 開口部によって包囲されたノズルの端面図である。 開口部によって包囲された静止ピンの端面図である。 図2の符号Aで示された領域内のスピナレットの一部分の部分分解組立図である。 短い長さのコラムに垂直に位置合わせされた細長いロウの状態に配置されたノズルのアレイの斜視図であり、2つの外側のロウが第2の開口部から成り、第2の開口部の各々が静止ピンを収容し、アレイの端に隣接して位置する3つのコラムが第2の開口部から成り、第2の開口部の各々が静止ピンを収容している状態を示す図である。 スピナレット本体の一部分の部分断面図であり、各々の中に静止ピンが固定された第2の拡大開口部を有する2つの外側のロウ及び最も外側のコラムが複数のノズルに横付けされている状態を示す図である。 ガス分配プレートの正面図である。 外側部材の正面図である。 スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブを形成する別の方法の略図である。 本発明に従って製造されたスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブと従来型メルトブローン法を用いて製造された不織ウェブに関する「繊維直径分布」の差を比較した1対の棒グラフ図である。 従来型メルトブローンウェブ、従来型スパンボンドウェブ及び本発明に従って製造されたスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブに関する縦方向(MD)引張強度を比較したグラフ図である。
定義
スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織布は、糸の状態に変換されず、機械的、流体力学的、熱的又は化学的手段によって互いに結合された天然及び/又は人造繊維又はフィラメント(紙を除く)のシート、ウェブ又はバットとして定義される。SPUN-BLOWNは、ウィスコンシン州54942グリーンビル・タワー・ビュー・ドライブN1001に事務所を構えたバイアックス・ファイバーフィルム・コーポレイション(Biax Fiberfilm Corporation)の登録商標である。
スパンメルトは、1つ又は2つ以上の押出機に連結されたダイヘッドに設けられた複数個のノズルを通って繊維を溶融ポリマーから紡糸する方法である。スパンメルト法は、メルトブロー法、スパンボンド法、及びスパンブローン(Spun-blown(登録商標))法と呼ばれている本発明の方法を含むことができ、と言うのは、本発明者がメルトブローンとスパンボンドの両方の特性を1つの不織ウェブの状態に組み合わせているからである。
メルトブローン法は、直径が約10ミクロン未満の極めて細い繊維を製造する方法であり、フィラメントがノズルからいったん出ると、高温高速のガス流を用いて、単一の列の状態に形成された複数本の溶融ポリマーストリームを減衰させる。次に減衰した繊維を扁平なベルト又はデュアルドラムコレクタ上に集める。代表的なメルトブローダイは、1インチ(0.0254m)当たり約35個のノズル及び単一の列をなすスピナレットを有する。代表的なメルトブローダイは、フィラメントを減衰させる2つの傾斜した空気ジェットを用いる。
スパンボンド法は、スピニングフェースの十分下に導入された高速の空気を用いて紡糸フィラメントを減衰させるとともにスピナレットフェースの近くで繊維を急冷することによって熱可塑性ポリマーから強固な繊維状不織ウェブを直接製造する方法である。個々の繊維を収集ベルト上にランダムに寝かし、そしてボンダ(接着機)まで運んでウェブに追加の強度を与え、さもなければウェブは、なんら一体性なく単にばらばらになる。繊維相互間の真の機械的結合が存在しない。繊維は、結晶化(凝固)フィラメントの減衰中に達成される分子鎖アライメント又は整列のためにメルトブローン繊維と比較して非常に強固である。代表的なスパンボンドダイは、多数の列をなすポリマー穴を有し、ポリマーメルト流量は、通常約500グラム/10分未満である。
本発明は、従来型メルトブローン法と従来型スパンボンド法とのハイブリッド法である。本発明は、これら2つの方法相互間の隙間を埋める。本発明は、ノズル及び静止ピンが紡糸フィラメントを包囲する並列ガスジェットの実現を可能にするよう独特な仕方で配置されていることを除き、紡糸フィラメントを減衰させて凝固させるためにスパンボンド法で用いられるスピナレットとほぼ同じ多列スピナレットを用いる。本発明では、押し出されたフィラメントの各々は、加圧ガスによって包まれ、その温度は、ポリマーメルトよりも低くても良く又は高くても良い。加うるに、フィラメントの全体周囲は、加圧ガスのカーテン、本質的にはデュアルシュラウド系によって包囲される。
本発明の変形実施形態は、溶融フィラメントを減衰させて繊維の状態にするアスピレータ(吸引機)を用いる。アスピレータは、フィラメントに対して急な傾斜角で差し向けられるのではなく、本質的なフィラメントの流れ方向に平行に差し向けられる高速ガス(空気)を用いる。これら特徴の組み合わせにより、従来型メルトブローン繊維とほぼ同じ小さな又は細い直径を有する繊維であり、しかも従来型スパンボンド繊維とほぼ同じ極めて強固な繊維が作られる。本発明の装置は、210℃及び2.16kgで米国標準試験方法(ASTM)D1238に準拠して10分間当たり約4グラム(g/10分)〜約6,000g/10分のメルト流量を有するのが良いメルトブローンポリマー樹脂とスパンボンドポリマー樹脂の両方に対応することができるという点で極めて融通性がありかつ汎用性がある。
装置
図1を参照すると、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12を製造する装置10が示されている。スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、高い嵩高性を有するのが良い。小さな固体ペレットの形態をした単一のポリマー樹脂14をホッパー16に入れ、次に導管18に通して押出機20まで送る。押出機20内では、ポリマー樹脂14を高い温度まで加熱する。温度は、ポリマーの特定の組成及び溶融温度に応じて様々であろう。通常、ポリマー樹脂14をその溶融温度又はこれよりも高い温度まで加熱する。加熱したポリマー樹脂14を溶融材料(ポリマー)22に変換し(図2参照)、次にこれを導管24に通してスピナレット本体52が固定されているダイブロック26まで送る。
ポリマー樹脂14は、組成が様々であって良い。ポリマー樹脂は、熱可塑性であるのが良い。ポリマー樹脂14は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ナイロン、ポリアクリル酸樹脂、ポリスチレン、ポリビニル、ポリテトラフルオロエチレン、超高分子量ポリエチレン、極めて高い分子量のポリエチレン、高分子量ポリエチレン、ポリエーテルエテルケトン、非繊維状可塑化セルロール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン、スチレン‐アクリロニトリル、スチレントリブロックコポリマー、スチレンテトラブロックコポリマー、スチレン‐ブタジエン、スチレン‐無水マレイン酸、エチレンビニルアセテート、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、可塑化セルロース、セルロースプロピオネート、エチルセルロース、天然繊維、これらの任意の誘導体、これらの任意のポリマーブレンド、これらの任意のコポリマー又はこれらの任意の組み合わせから成る群から選択されるのが良い。加うるに、ポリマー樹脂14は、天然資源に由来する生分解性熱可塑性樹脂、例えばポリ乳酸、ポリ‐3‐ヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシアルカノエート、又は任意のブレンド、コポリマー、もしくは組み合わせから選択されるのが良い。化学技術分野における当業者であれば、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12を形成するために使用することもできる他のポリマーを知っている場合がある。理解されるべきこととして、本発明のスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、上述した諸ポリマーそのものに限定されることはない。
スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12をホモポリマーで作ることができる。スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12をポリプロピレンで作ることができる。
理解されるべきこととして、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、繊維を集める前又は集めた後に塗布されるのが良い添加剤を含むのが良い。かかる添加剤としては、高吸水材、吸収性粒子、ポリマー、ナノ粒子、研磨粒子、活性粒子、活性コンパウンド、イオン交換樹脂、ゼオライト、軟化剤、可塑剤、セラミック粒子顔料、染料、香料、アロマ、徐放性ベシクル、結合剤、接着剤、粘着剤、表面改質剤、潤滑剤、乳化剤、ビタミン、過酸化物、抗菌剤、脱臭剤、難燃剤、消泡剤、帯電防止剤、殺虫剤、抗真菌剤、分解剤、安定剤、導電率調整剤、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。
図2を参照すると、ダイブロック26及びスピナレット本体52の断面図が示されている。溶融材料22は、キャビティ30と連通した入口28を通ってダイブロック26に入る。キャビティ30は、溶融材料(ポリマー)を均等化する拡大された領域であるのが良い。「均等化」という用語は、均一にする一様にすることを意味している。ダイブロック26のサイズに応じて、キャビティ30は、幅が数インチであり長さが最大数フィートであるのが良い(なお、1インチは、2.54cm、1フィートは、0.3048mである)。キャビティ30は、ポリマー分布プレート及びフィルタスクリーン(図示せず)を収容するのが良い。
図2及び図3を参照すると、ダイブロック26には1つ又は2つ以上のガス通路32が形成されている。1対のガス通路32,32が図2及び図3に示されている。各ガス通路32は、内径dを有する。内径dは、寸法が様々であって良い。ガス通路32,32の各々を通過する加圧ガスは、通常、加圧空気である。
理解されるべきこととして、図3では、1対のガス通路32,32は、入口28からオフセットしており、従って入口28は、図3では見えない。
1対のガス通路32,32の各々は、直径、長さ及び形態が様々であって良い。1対のガス通路32,32の各々は、直線状であっても良く、湾曲していても良く、傾斜していても良く、あるいは他の何らかの独特の形態を有していても良い。中空インサート34を1対のガス通路32,32の各々の中に位置決めすることによって、到来するガスの温度を良好に制御することができるということが判明した。「ガス」という用語は、密度及び粘度が比較的低くかつ任意の容器全体を通じて一様に分布した状態になる自発的傾向があることによって固体状態及び液体状態から区別される物質の状態を意味し、すなわち、気体状態の物質を意味している。装置10では、空気である可能性が多分にある加圧ガスがダイブロック26及びスピナレット本体52中に導入される。「空気」という用語は、主として窒素(約78%)及び酸素(約21%)及び少量の他の気体を含む無色無臭のガス状混合物を意味している。
インサート34は、セラミックインサートであるのが良い。「セラミック」という用語は、非金属鉱物、例えば粘土を造形して次にこれを高温で焼くことによって作られた種々の硬質で脆弱であり耐熱性かつ耐腐食性のある物質の任意のものを意味している。変形例として、インサート34は、種々の他の耐熱材料で構成されても良い。さらに別のオプションは、インサート34を耐熱性被膜、例えばセラミックコーティングで被覆することである。また、インサート34を良好な断熱性を備えた他の何らかの材料で被覆しても良い。
図3に最も良く示されているように、インサート34,34の各々は、内周部又は内径d1及び外周部又は外径d2を有する。望ましくは、内周部d1は、滑らかである。内径d1は、ダイブロック26のサイズに応じて様々であって良い。代表的には、内径d1は、約0.1インチ(0.00254m)から約1インチ(0.0254m)までの範囲にある。望ましくは、内周部d1は、直径が少なくとも0.25インチ(0.00635m)である。より望ましくは、内周部d1は、直径が少なくとも0.3インチ(0.00762m)である。さらにより望ましくは、内周部d1は、直径が少なくとも0.4インチ(0.01016m)である。最も望ましくは、内径d1は、約0.5インチ(0.0127m)である。
各インサート34は、第1の端部36及び第2の端部38を有する。第1の端部36は、第2の端部38から間隔を置いて配置されている。第1の端部36は、ダイブロック26の外面42と整列し、第2の端部38は、ダイブロック26の内面40と整列している。第1の端部36は、外方に突き出たフランジ44を有し、第2の端部38も又、外方に突き出たフランジ46を有する。「フランジ」という用語は、例えばパイプシャフトに設けられていて、物体を強化し、物体を定位置に保持し又は物体を別の物体に取り付けるために用いられる突出したリム、縁部、リブ又はカラーを意味している。フランジ44,46の構造的形状は、ダイブロック26中に機械加工された中ぐり穴50内に物理的チャンバ48を作り、この中ぐり穴内に各インサート34が嵌め込まれる。1対のインサート34,34の各々が1対の中ぐり穴50,50の各々の中にそれぞれ嵌め込まれる。チャンバ48,48は、各中ぐり穴50の内周部dと1対のインサート34,34の各々の外周部d2との間に配置されている。各チャンバ48は、2つのフランジ44,46相互間でインサート34の一部分に沿って長手方向に延びる。望ましくは、各チャンバ48は、1対のインサート34,34の各々の外周部d2の主要部分に沿って延びる。各チャンバ48は、ガス、例えば空気で満たされるのが良い。各チャンバ48は、高温のダイブロック26から1対のインサート34,34の各々の内周部d1を通る加圧ガスへの熱伝達を制限する断熱体として機能する。このために、ダイブロック26中には低温スポットが生じない。加うるに、高温ダイブロック26は、スピナレット本体52に送られている到来加圧ガスを昇温させることはない。1対のインサート34,34と隣接のチャンバ48,48の組み合わせにより、オペレータは、ダイブロック26か到来加圧ガス(空気)かのいずれかの温度にそれほど悪影響を及ぼさないでダイブロック26を通って加圧ガス(空気)を方向付けることができる。このために、非常に低温の加圧ガス(空気)を本発明の方法で利用することができる。この低温加圧ガス(空気)は、繊維の結晶化(繊維の状態への押し出しフィラメントの凝固)を促進することができ、そして繊維の引張特性を高めることができる。
依然として図3を参照すると、チャンバ48,48のサイズ、形状及び形態は、様々であって良い。望ましくは、チャンバ48,48の各々は、約0.01インチ(0.000254m)から約0.3インチ(0.00762m)までの範囲にある高さhを有する。より望ましくは、各チャンバ48,48の高さhは、約0.05インチ(0.00127m)から約0.25インチ(0.00635m)までの範囲にあるのが良い。さらにより望ましくは、各チャンバ48,48の高さhは、約0.1インチ(0.00254m)から約0.2インチ(0.00508m)までの範囲にあるのが良い。最も望ましくは、各チャンバ48,48の高さhは、約0.12インチ(0.0356m)以上である。
インサート34,34の構成材料又はインサート34,34の被覆材料と組み合わせてチャンバ48,48が設けられていることにより、インサート34,34を通って送られる加圧ガス(空気)がダイブロック26の温度に起因して実質的な量加熱されることがないようになる。換言すると、インサート34,34は、チャンバ48,48と組み合わせた状態で、断熱作用をもたらすとともに熱伝達を制限するよう機能する。
理解されるべきこととして、中ぐり穴50,50の各々の内周部dも又、所望ならば別の断熱層を提供するようセラミック被膜で覆われるのが良い。
ダイブロック26は、熱の良導体である金属又は鋼の塊で作られている。また、ダイブロック26の質量が大きいことにより、ダイブロック26は、これに運ばれた熱を保持する。ダイブロック26の温度は、溶融材料22(ポリマー)がダイブロック26を通って流れることにより、しかもポリマーメルトが低温周囲空気又はプロセス空気によって凝固されるのを加熱カーテージ(図示せず)が阻止することにより、周囲温度を超えて高められる。「周囲温度」という用語は、周りの温度、例えば室温を意味している。種々の溶融材料22(ポリマー)の溶融温度は、ばらつきがあるが、通常は100℃を超える。大抵のポリマーに関し、溶融温度は、200℃、250℃、300℃、350℃、400℃という高い温度であるのが良く、あるいはそれどころかより高い温度である場合がある。到来加圧ガス(空気)をダイブロック26内の高い温度から断熱することにより、プロセス全体を良好に制御することができ、しかも組成、直径及び強度の面で極めて正確な押し出しフィラメント及び繊維を製造することができる。
再び図2を参照すると、装置10は、スピナレット本体52をさらに有する。「スピナレット」という用語は、プラスチック材料(ポリマー)をフィラメントの状態に押し出す際に通す穴が設けられたプレートから成る合成繊維の作る装置を意味している。スピナレット本体52は、ダイブロック26に固定されている。ダイブロック26及びスピナレット本体52は、本質的に同一の長さ及び幅を有する。通常、ダイブロック26及びスピナレット本体52の各々の周囲は、連続している。ダイブロック26及びスピナレット本体52は各々、全体として長方形の形態を有している。スピナレット本体52は、長さl(図1参照)及び幅w(図2参照)を有する。長さlは、幅wよりも長い。スピナレット本体52は、ガスチャンバ54を有する。1つ又は2つ以上のガス路56,56がスピナレット本体52中に形成されている。1対のガス路56,56が図2に示されており、各ガス路は、1対のガス通路32,32の各々にそれぞれ連結されている。1対のガス路56,56は、ガスチャンバ54を1対のガス通路32,32に連結しており、その結果、加圧ガス(空気)をガスチャンバ54中に導入することができるようになっている。加圧ガス(空気)源は、図面に示されていないが、加圧ガス(空気)を生じさせる機器又は設備は、当業者には周知である。
理解されるべきこととして、ガスチャンバ54は、ダイブロック26中に形成されたキャビティ30とは別個独立である。換言すると、ガスチャンバ54は、キャビティ30から隔離されている。「隔離」という用語は、外部からの影響がないようにするために他のものから引き離し又は切り離しておくことを意味し、すなわち断熱を意味している。このことは、溶融材料22がキャビティ30内にある間、溶融材料22が加圧ガス(空気)と接触状態にはないことを意味している。
理解されるべきこととして、スピナレット本体52は、所望ならばセラミック被膜で被覆されるのが良い。
装置10は、複数個のノズル58をさらに有する。「ノズル」という用語は、流体又は溶融材料の流れを調節するとともに方向付ける例えばホースの端部のところに設けられた開口部を備える突出した部品を意味している。ノズル58の各々は、スピナレット本体52に固定されている。ノズル58の各々は、隣接のノズル58から間隔を置いて位置している。スピナレット本体52中において、ノズル58の数は、様々であって良い。スピナレット本体52は、10個という僅かな数のノズル58から数千個のノズル58まで有することができる。商用サイズラインの場合、スピナレット本体52中のノズル58の数は、約1,000個から約10,000個までの範囲にあるのが良い。望ましくは、スピナレット本体52は、少なくとも約1,500個のノズルを有する。より望ましくは、スピナレット本体52は、少なくとも約2,000個のノズルを有する。さらにより望ましくは、スピナレット本体52は、少なくとも約2,500個のノズルを有する。最も望ましくは、スピナレット本体52は、3,000個以上のノズルを有する。
ノズル58のサイズは、様々であって良い。ノズル58のサイズは、約50ミクロンから約1,000ミクロンまでの範囲にあるのが良い。より望ましくは、ノズル58のサイズは、約150ミクロンから約700ミクロンまでの範囲にあるのが良い。より望ましくは、ノズル58のサイズは、約200ミクロンから約600ミクロンまでの範囲にあるのが良い。種々のサイズのノズルを用いることができるが、一般的に言えば、ノズルの全ては、同一のサイズを有する。
図2、図4及び図6を参照すると、ノズル58の各々は、金属、例えば鋼、ステンレス、金属合金、フェラスメタル等で作られるのが良い。望ましくは、ノズル58の各々は、ステンレス鋼で作られる。ノズル58の各々は、細長くて中空の管60として示されており、これについては、図2及び図6を参照されたい。「管」という用語は、中空筒体、特に、流体を運び又はツールとして機能する中空筒体を意味している。中空の円筒形管60の各々は、各端部が開口しており、長手方向中心軸線及び独特の形の内側断面を有する。望ましくは、各管60の内側断面は、形状が円形であり、しかもその長さ全体にわたって一定である。ノズル58の各々の長さは、様々であって良い。代表的には、ノズル58の長さは、約0.5インチ(0.0127m)から約3インチ(0.0762m)までの範囲にある。
理解されるべきこととして、ノズル58は、任意の幾何学的形状のものであって良いが、形状として円形が望ましい。
中空の円筒形管60の形態をしたノズル58の各々は、内周部又は内径d3及び外周部又は外径d4を有する。内径d3は、約0.125ミリメートル(mm)から約1.25mmまでの範囲にあるのが良い。各ノズル58の外径d4は、少なくとも約0.5mmであるべきである。望ましくは、各ノズル58の外径d4は、約0.5mmから約2.5mmまでの範囲にあるのが良い。
溶融材料22(ポリマー)は、各ノズル58の内周部d3を通って押し出される。中空円筒形管60の各々内に存在する溶融材料22(ポリマー)に加わる背圧は、約5barに等しくあるべきであり又はこれを超えるべきである。「bar(バール)」という用語は、1平方センチメートル当たり百万(106)ダインに等しい圧力の単位を意味している。望ましくは、中空円筒形管60の各々内に存在する溶融材料22(ポリマー)に加わる背圧は、ポリマーの特性及び作動条件に応じて、約20barから約200barまでの範囲にあるのが良い。より望ましくは、中空円筒形管60の各々内に存在する溶融材料22(ポリマー)に加わる背圧は、約25barから約150barまでの範囲にあるのが良い。さらにより望ましくは、中空円筒形管60の各々内に存在する溶融材料22(ポリマー)に加わる背圧は、約30barから約100barまでの範囲にあるのが良い。
再び図2を参照すると、装置10は、複数本の静止ピン62をさらに有する。静止ピン62の各々は、長手方向中心軸線及び外周部又は外径d5を有する細長い中実部材である。静止ピン62の各々は、スピナレット本体52に固定されており、通常、これら静止ピンは、ポリマーノズル58とほぼ同じ外径を有する。静止ピン62の各々の外径d5は、その長さ全体にわたって一定のままであるべきである。外径d5の寸法は、様々であって良い。望ましくは、静止ピン62の各々の外径d5は、少なくとも約0.25mmである。より望ましくは、静止ピン62の各々の外径d5は、少なくとも約0.5mmである。さらにより望ましくは、静止ピン62の各々の外径d5は、少なくとも約0.6mmである。最も望ましくは、静止ピン62の各々の外径d5は、少なくとも約0.75mmである。
次に図7及び図8を参照すると、複数個のノズル58及び複数本の静止ピン62は、複数個のロウ(行)64及び複数個のコラム(列)66のアレイの状態にグループ化され、このアレイは、周囲68を有している。「アレイ」という用語は、系統だった配列体を意味している。ロウ64の数は、様々であって良く、コラム66の数も同様である。代表的には、ロウ64の数は、約2から約50までの範囲にある。望ましくは、ロウ64の数は、約3から約30までの範囲にある。より望ましくは、ロウ64の数は、約4から約25までの範囲にある。さらにより望ましくは、ロウ64の数は、約4から約20までの範囲にある。最も望ましくは、ロウ64の数は、約5から約16までの範囲にある。
代表的には、コラム66の数は、約50から約500までの範囲にある。望ましくは、コラム66の数は、約60から約450までの範囲にある。より望ましくは、コラム66の数は、約100から約300までの範囲にある。さらにより望ましくは、コラム66の数は、約150から約250までの範囲にある。最も望ましくは、コラム66の数は、200を超える。
スピナレット本体52は、1センチメートル当たり約30個のノズルから1センチメートル当たり約200個のノズルまでの範囲にあるノズル密度を有する。望ましくは、ノズル密度は、1センチメートル当たり50個を超えるノズルである。より望ましくは、ノズル密度は、1センチメートル当たり75個を超えるノズルである。さらにより望ましくは、ノズル密度は、1センチメートル当たり100個を超えるノズルである。最も望ましくは、ノズル密度は、1センチメートル当たり150個を超えるノズルである。
各ノズル58を通るポリマースループットは、「1分当たりの1個の穴当たりのグラム」(ghm)で表される。各ノズル58を通るポリマースループットは、約0.01ghmから約4ghmまでの範囲にあるのが良い。
押し出されて減衰された繊維の各々の仕上がり直径は、約50ミクロン以下である。平均繊維直径は、約0.5ミクロン〜約50ミクロンであり、標準偏差は、0.5ミクロンを超える。望ましくは、平均繊維直径は、約1ミクロン〜約50ミクロンであり、標準偏差は、0.5ミクロンを超える。より望ましくは、平均繊維直径は、約1ミクロン〜約30ミクロンであり、標準偏差は、0.5ミクロンを超える。さらにより望ましくは、平均繊維サイズは、約1ミクロン〜約20ミクロンであり、標準偏差は、0.5ミクロンを超える。最も望ましくは、平均繊維サイズは、約1ミクロン〜約10ミクロンであり、標準偏差は、0.5ミクロンを超える。
周囲68は、複数個のノズル58及び複数本の静止ピン62の外部に沿って延びる線によって示されている。ロウ64は、装置10内で水平に延びる長い線として示されており、コラム66は、長さが短くかつロウ64に垂直に整列している。「垂直」という用語は、直角(90°)で交差すること又は直角(90°)をなすことを意味している。ロウ64及びコラム66は、互いに垂直に位置合わせされたものとして示されているが、必要ならば種々の角度的位置合わせを用いることができるということが確実である。ロウ64とコラム66は又、平行なロウ64及び平行なコラム66の状態に配列されたものとして示されている。「平行」という用語は、どこの場所を取っても等しい離隔距離であることを意味している。しかしながら、所望ならばロウ64及び/又はコラム66を互い違いに配列しても良い。ロウ64の数は、様々であって良く、コラム66の数も同様であって良い。
図7では、ロウ64及びコラム66のアレイの周囲68の2つの長手方向側部に隣接して位置する2つの外側のロウ64,64がノズル58を含んでいないことに気付かされる。加うるに、アレイの端のところに位置する3つのコラム66も又、ノズル58を全く含んでいない。所望ならば周囲68に隣接して位置する同数のロウ64及びコラム66内に静止ピン62を利用することができる。代表的には、アレイの外側周囲68に隣接して位置する1つ又は2つのロウにのみノズル58がなく、コラム66の約1個〜約50個にはノズル58がないのが良い。ノズル58を含んでいないコラム66の正確な個数は、1つにはスピナレット本体52の全体的サイズに依存することになる。ノズル58をかかるロウ64及びコラム66内に配置しない理由は、約12個のロウ64及び約150個以上のコラム66を有する長方形の外側部材78(図2参照)には、単にこれよりも多くのコラム66が存在することにある。したがって、多くのノズル58をロウ64からではなく、コラム66からなくすことができる。加うるに、スピナレット本体52中のノズル58のアレイの幅を狭くすることによって、利用されている複数個のノズル58相互間に一定値の温度を良好に維持することができる。
上述したように、スピナレット本体52に固定できるノズル58及び静止ピン62の全個数は、様々であって良い。スピナレット本体52のサイズが大きければ大きいほど、これが支持することができるノズル58及び静止ピン62の個数がそれだけ一層多くなる。代表的な商用スピナレット本体52に関し、このスピナレット本体は、数個のロウ64及びこれよりも多くのコラム66を有する。ロウ64の個数は、様々であって良いが、一般的に言って、約4から約20までの範囲にある。コラム66の個数も又、様々であって良いが、一般的に言って、約50から約500までの範囲にある。望ましくは、商用サイズのスピナレット本体52は、約8〜約16のロウ及び約100〜約300のコラムを有する。例えば、全部で2,496個の組み合わせ状態のノズル58と静止ピン62を有するスピナレット本体52は、12個のロウ64及び208個のコラム66を有することができる。
次に図2及び図9を参照すると、装置10は、スピナレット本体52に固定されたガス分配プレート70をさらに有する。ガス分配プレート70は、加圧ガス(空気)をノズル58の各々の周りに均等に分配して適正なフィラメント減衰を保証するよう機能する。ガス分配プレート70は、厚さ、形態及びこの構成材料が様々であって良い。望ましくは、ガス分配プレート70は、金属又は鋼で構成される。より望ましくは、ガス分配プレート70は、ステンレス鋼で構成される。ガス分配プレート70を貫通して多数の開口部が形成されている。多数の開口部は、複数個のノズル58を通過させることができる複数個の第1の開口部72、複数本の静止ピン62を挿通させることができる複数個の第2の開口部74、及び加圧ガス(空気)を通過させることができる複数個の第3の開口部76を含む。第1、第2及び第3の開口部72,74,76の正確な個数は、スピナレット本体52のサイズ及び利用されているノズル58及び静止ピン62の全個数に応じて様々であって良い。第1及び第2の開口部72,74は、スピナレット本体52に固定されたノズル58及び静止ピン62のアレイと整列しなければならない。ガス分配プレート70を貫通して余分な又は未使用な第1及び第2の開口部72,74が形成されるべきではない。
複数個の第1、第2及び第3の開口部72,74,76は全て、所定の直径を備えた円形の開口部として示されている。これにより、複数個のノズル58の各々及び複数本の静止ピン62の各々は、円形の外周部を有するようになる。第3の開口部76の幾何学的形状は、所望ならば円形である必要はない。しかしながら、他の何らかの形状ではなく円形の穴を形成することが極めて費用効果が良く、従って、実用的観点から見て、第3の開口部76も又、円形の外周部を有する可能性が多分にあるであろう。
複数個の第1の開口部72の各々は、複数個のノズル58の外径d4に一致し又はこれよりも僅かに大きいものであるよう寸法決めされるとともに形作られる。締り嵌め、滑り嵌め、又は圧力嵌めを利用して複数個のノズル58を設定された配列状態に保持するのが良い。複数個の第2の開口部74の各々は、複数本の静止ピン62の外径d5に一致し又はこれよりも僅かに大きいものであるよう寸法決めされるとともに形作られる。この場合も又、締り嵌め、滑り嵌め、又は圧力嵌めを利用して複数本の静止ピン62を設定された配列状態に保持するのが良い。複数個の第3の開口部76の各々は、適当な量の加圧ガス(空気)がこれら開口部を通ることができるようにするよう寸法決めされるとともに形作られている。必要な加圧ガス(空気)の量は、多くの要因、例えば押し出されるべき溶融材料22(ポリマー)の組成、存在するノズル58及び静止ピン62の個数、ノズル58の各々の内径d3、ノズル58の各々を通る溶融材料22(ポリマー)の流量、ガス分配プレート70を通る加圧ガス(空気)の速度等に基づいて計算できる。「速度」という用語は、運動の素早さ又は速さを意味し、迅速性を意味する。当業者であれば、必要な加圧ガス(空気)の量、その速度及び装置10を最大速度で作動させるのに有利な温度を容易に計算することができる。
依然として図9を参照すると、第1及び第2の開口部72,74は同一直径のものであるのが良いことが明確に分かる。変形例として、第1の開口部72の直径は、第2の開口部74の直径よりも小さく又は大きく設定されても良い。複数個のノズル58の各々の外径d4が複数本の静止ピン62の各々の外径d5と同一である場合、第1の開口部72の各々の直径は、第2の開口部74の各々の直径に等しいであろう。
また、図9では、第2の開口部74が全て、複数個の第1の開口部72の外側周囲(以下、「外周」ともいう)68に沿ってぐるりと配置されていることに気付かされる。「周囲」という用語は、領域の境界を形成する線を意味し、線、すなわち周辺を意味している。このように配列する理由は、押し出されたフィラメントを周りの周囲空気から保護する加圧ガス(空気)の第2のシュラウド又はカーテンが得られることにある。これは、本発明の独特の特徴である。
同様に、第3の開口部76の各々は、第1の開口部72か第2の開口部74かのいずれかの外径よりも小さいことが明確に分かる。しかしながら、第3の開口部76の各々の外径を第1及び第2の開口部72,74の各々の外径d4,d5よりも大きく又はこれに一致するよう設定したいと思った場合、これは、特に小径のポリマーノズル58が用いられている場合には容易に達成できる。第3の開口部76を大径にした場合の1つの欠点は、ロウ64及びコラム66が互いにさらに離隔されなければならないということにある。これにより、スピナレット本体52に固定可能なノズル58及び静止ピン62の全個数が制限される。
依然として図9を参照すると、第3の開口部76のうちの4個が第1及び第2の開口部72,74の各々に隣接して位置決めされていることが明確に分かる。第1及び第2の開口部72,74の各々と関連した第3の開口部76の正確な個数は、様々であって良い。同様に、第1及び第2の開口部72,74の各々に対する第3の開口部76の配列状態及び角度的間隔も又、様々であって良い。さらに、第3の開口部76の各々が第1及び第2の開口部72,74から離隔される距離も又、様々であって良い。
ガス分配プレート70は、所望ならばセラミック被膜で被覆されても良いことが理解されるべきである。
次に図2及び図10を参照すると、装置10は、外側部材又はプレート78をさらに有する。外側部材78は、これがスピナレット本体52から間隔を置いて位置するようガス分配プレート70に固定されている。外側部材78は、ノズル58の各々の周りに環状加圧ガス(空気)チャネルを形成するよう機能する。外部プレート78は、厚さ、形態及びこの構成材料が様々であって良い。望ましくは、外部プレート78は、金属又は鋼で構成される。より望ましくは、外部プレート78は、ステンレス鋼で構成される。外部プレート78を貫通して多数の開口部が形成され、幾つかの開口部は、ノズル58の1つを挿通させる第1の拡大開口部80であり、残りの開口部は、静止ピン62のうちの1本が入っている第2の拡大開口部82である。第1の拡大開口部80の各々は、ノズル58を受け入れ、第2の拡大開口部82の各々は、静止ピン62を受け入れている。
外側部材78を所望ならばセラミック被膜で被覆するのが良いことは理解されるべきである。
図10を参照すると、第2の拡大開口部82は全て、複数個の第1の拡大開口部80の外周84に沿ってぐるりと配置されていることが明確に理解できる。この配置の理由は、この配置により複数個のノズル58の周囲84に沿ってぐるりとシュラウドが提供されるとともに周りの周囲空気が押し出されたフィラメントに接触するのが阻止され、その結果フィラメントが迅速すぎるほどに冷却することがないようにする。
図4及び図5に戻ってこれらを参照すると、第1の拡大開口部80の各々が内径d6を有し、第2の拡大開口部82の各々が内径d7を有していることも又注目される。第1の拡大開口部80の直径d6は、第2の拡大開口部82の直径d7に等しいのが良い。変形例として、第1の拡大開口部80の直径d6は、第2の拡大開口部82の直径d7よりも小さくても良く又はこれよりも大きくても良い。
図10を参照すると、第1の拡大開口部80の各々の直径d6は、第2の拡大開口部82の各々の直径d7と一致している。さらに、図9に示されている第1の拡大開口部72及び第2の開口部74を図10に示されている第1の開口部80及び第2の開口部82とそれぞれ比較すると、第1の拡大開口部80及び第2の拡大開口部82は、非常に大径であることが理解できる。この理由は、加圧ガス(空気)が第1の拡大開口部80及び第2の拡大開口部82の各々を通って出てノズル58の各々の周りかつ静止ピン62の各々の周りにシュラウドを形成することにある。「シュラウド」という用語は、隠し、保護し又は遮るあるものを意味している。第1の拡大開口部80及び第2の拡大開口部82が円である場合、加圧ガス(空気)のシュラウドは、ノズル58の各々及び静止ピン62の各々を完全に(360°)包囲することができる。
再び図7を参照すると、複数個のノズル58の各々が第1の拡大開口部80の各々内の中央に位置合わせされていることが理解できる。同様に、複数本の静止ピン62の各々は、第2の拡大開口部82の各々内の中央に位置合わせされている。この理由は、加圧ガス(空気)のシュラウドがノズル58の各々の外周に沿ってかつ静止ピン62の各々の外周に沿ってぐるりと均等に分布して位置することにある。加圧ガス(空気)は、ノズル58の各々を囲い、押し出された溶融材料22(ポリマー)が凝固して減衰するのを助ける。加うるに、ノズル58及び静止ピン62のアレイ内において、少なくとも1つのロウ64及び少なくとも1つのコラム66は、第2の拡大開口部82が第1の拡大開口部80の周囲84に隣接して位置するよう配置されていることが理解できる。このことは、外部プレート78の4つの辺又は側部に隣接して位置する少なくとも外側のロウ64及び少なくとも最も外側のコラム66が第2の拡大開口部82のみ有することを意味している。この構成の理由は、それにより複数個のノズル58の全ての周りに加圧ガス(空気)のシュラウド又はカーテンが提供されることにある。加圧ガス(空気)のこの第2のシュラウドは、押出機20を収容している施設内の周りの周囲空気がフィラメントに接触したときに生じるフィラメントの迅速な凝固を制限し又は阻止することになる。
再び図2を参照すると、加圧ガスが複数個のノズル58に隣接して位置する第1の拡大開口部80の各々から所定の速度で出ているときに、溶融材料22(ポリマー)が押し出されてフィラメント86の状態になる。フィラメント86の各々が隣接のフィラメント86から周りの加圧ガスによって囲われてロープ状になるのが阻止される。「フィラメント」という用語は、依然として半軟化状態にある細い又は薄い紡糸材料であることを意味している。この構成により、隣り合うフィラメント86,86相互の接触が阻止される。加うるに、複数個の第2の拡大開口部82の各々から出た加圧ガス(空気)は、押し出されたフィラメント86の全ての周りにシュラウドを形成する。この第2のシュラウドは、半溶融フィラメント86,86を周りの周囲空気から防護するとともにフィラメント86,86の冷却を遅くする。フィラメント86の各々が冷却する時間を長くすることによって、直径のより小さな繊維98を得ることができ、しかも各繊維98の特性を正確に制御することができる。二重シュラウドにプラスして以下に説明するアスピレータを用いた第2の繊維減衰段階を用いるというこの特徴は、極めてユニークである。
依然として図2及び図7を参照すると、装置10は、外側部材78に固定された1対のカバーストリップ88,88をさらに有する。1対のカバーストリップ88,88の各々は、他の部材から間隔を置いて位置する別個独立の部材から成る。変形例として、1対のカバーストリップ88,88は、単一部材として作られても良い。1対のカバーストリップ88,88の各々は、外面90,90を有するものとして示されている。1対のカバーストリップ88,88の各々は、スピナレット本体52の長さlに沿って延びている。図示のように、1対のカバーストリップ88,88の各々は、互いに平行に整列している。外面90,90の各々は、斜めの部分92を有するのが良い。斜めの部分92は、外面90から下方かつ内方に延びている。「斜めの」という用語は、線又は表面が90°以外の任意の角度で別の線又は表面と交わる角度又は勾配を意味している。斜めの表面、すなわち斜面92,92は、スピナレット本体52の長さlに沿って長手方向に延びている。斜面92,92の各々の角度αは、様々であって良い。望ましくは、各斜面92,92は、約15°から約75°までの範囲にあるのが良い角度α(図2参照)をなして形成されている。
依然として図2を参照すると、1対のカバーストリップ88,88は、金属、例えば鋼、ステンレス、金属合金、フェラスメタル等で作られるのが良い。望ましくは、1対のカバーストリップ88,88は、ステンレス鋼で作られる。1対のカバーストリップ88,88は、第2の拡大開口部82のうちの少なくとも幾つかを出た加圧ガスの周りの周囲空気の流れを容易にする。1対のカバーストリップ88,88は、周りの周囲空気の流れを外側部材78の下側部分の周りに差し向けてこの空気が矢印94,94によって示されている方向に従って動くようにする。周りの周囲空気は、斜面92,92の方向をたどり、次に、第2の拡大開口部82を強烈に出ている流出加圧ガス(空気)によって下方に曲げられて複数個のノズル58から遠ざけられる。流出している加圧ガス(空気)は、ガス分配プレート70に形成された第3の開口部76及び外側部材78に形成された第2の拡大開口部82を経てガスチャンバ54から来ている。
1対のカバーストリップ88,88は又、外側部材78及びガス分配プレート70に及ぼされるクランプ力を再分配してこれらをスピナレット本体52に固定するよう機能する。1対のカバーストリップ88,88は又、ノズル58を側部から引き込まれる場合がありかつ外側のロウに対して冷却効果を及ぼすことができる室内の同伴空気から保護するよう機能する。
次に図2及び図6を参照すると、ダイブロック26のキャビティ30内に存在する溶融材料22(ポリマー)は、複数個のノズル58を通って下方に押しやられて中空円筒形管60を通って流れる。各ノズル58は、外側部材78の平面の下に位置する末端部96を有する。望ましくは、各末端部96は、1対のカバーストリップ88,88の外面90の平面の下に位置する。各ノズル58は、垂直距離d8だけ第1の拡大開口部80を超えて下方に延びており、これについては図6を参照されたい。距離d8は、様々であって良い。望ましくは、距離d8は、少なくとも約1mmであるべきである。より望ましくは、距離d8は、少なくとも約2mmである。さらにより望ましくは、距離d8は、少なくとも約3mmである。最も望ましくは、距離d8は、少なくとも約5mmである。
図2を参照すると、溶融材料22(ポリマー)は、フィラメント86として複数個のノズル58の各々を出る。フィラメント88の各々は、第1の拡大開口部80から出ている加圧ガス(空気)によって隔離される。この加圧ガス(空気)は、フィラメント86が隣接のフィラメント86に接触し、触れかつ/あるいは結合してロープ及び/又は束を形成するのを制限するシュラウド又はヴェールを提供する。「ヴェール」という用語は、カーテンのように隠し、隔て又は遮るあるものを意味している。フィラメント86が複数個のノズル58を出る速度及び圧力は、その設備に合うとともに繊維98を形成するよう変えられるのが良く(図1参照)、かかる速度及び圧力は、ある特定の繊維基準、例えば特定の直径、組成、強度等を満たすものである。
フィラメント86をノズル58のところで又はその近くで囲って減衰させる際に用いられる加圧ガス(空気)の温度は、通過しているフィラメント86の溶融温度よりも低い温度であっても良く、これと同一の温度であっても良く、あるいはこれよりも高い温度であっても良い。望ましくは、フィラメント86をノズル58のところで又はその近くで囲うとともに減衰させる際に用いられる加圧ガス(空気)の温度は、フィラメント86の溶融温度よりも約0℃から約250℃までの範囲にわたって低い又は高い温度の状態にある。より望ましくは、フィラメント86をノズル58のところで又はその近くで囲うとともに減衰させる際に用いられる加圧ガス(空気)の温度は、フィラメント86の溶融温度よりも約0℃から約200℃までの範囲にわたって低い又は高い温度の状態にある。さらにより望ましくは、フィラメント86をノズル58のところで又はその近くで囲うとともに減衰させる際に用いられる加圧ガス(空気)の温度は、フィラメント86の溶融温度よりも約0℃から約150℃までの範囲にわたって低い又は高い温度の状態にある。最も望ましくは、フィラメント86をノズル58のところで又はその近くで囲うとともに減衰させる際に用いられる加圧ガス(空気)の温度は、フィラメント86の溶融温度よりも約0℃から約100℃までの範囲にわたって低い又は高い温度の状態にある。
多数の第2の開口部82を通って放出された加圧ガス(空気)は、加圧ガス(空気)流を形成することになり、かかる加圧ガス(空気)流は、複数本のフィラメント86が周りの周囲空気と接触するのを制限し又は阻止する。望ましくは、この加圧ガス(空気)は、全本数のフィラメント86の周辺又は周囲84全体に沿ってぐるりとエンベロープ、シュラウド又はカーテンを形成することができる。フィラメント86が複数個のノズル58を出る速度及び圧力は、その設備に合うとともに繊維98を形成するよう変えられるのが良く(図1参照)、かかる速度及び圧力は、ある特定の繊維基準、例えば特定の直径、組成、強度等を満たすものである。
次に図11を参照すると、アスピレータ100を有する変形例としての装置10′が示されている。アスピレータ100は、ノズル58の各々の末端部96の下流側に配置されている。「アスピレータ」という用語は、フィラメント86を引きずって減衰させるための高速ガス(空気)ジェットを生じさせる装置を意味している。アスピレータ100は、複数本のフィラメント86の下流側に垂直方向に位置合わせされていて、複数本のフィラメント86がこのアスピレータを容易に通過することができるようになっている。加圧ガス(空気)が1本又は2本以上の導管102を経てアスピレータ100中に導入される。1対の導管102,102が図11に示されている。導管102の本数は、1本から数本まで様々であって良い。アスピレータ100に流入する到来加圧ガス(空気)は、フィラメント86の流れ方向に平行に整列している。この平行であるというガス(空気)の流れの特徴は、平行なガス(空気)ジェットがフィラメント86に抗力(流体抵抗)を及ぼしてフィラメントが張力下に置かれるようになり、その結果、フィラメント86が引き寄せられて繊維98の状態になるので、重要である。アスピレータ100への到来加圧空気を冷却しても良く、室温状態にしても良く、あるいは加熱しても良い。代表的には、到来空気は、室温の状態にあり又はこれよりも僅かに高い温度状態にある。フィラメント86がアスピレータ100を通過しているとき、フィラメントは、複数個の第1の拡大開口部80及び第2の拡大開口部82を出ている加圧ガス(空気)の速度の少なくとも2倍である速度でアスピレータ100を通って流れている加圧ガス(空気)によって減衰されて繊維98の状態になる。「減衰させる」という用語は、細長くし、細くし、又は小径にすることを意味している。望ましくは、フィラメント86を減衰させて繊維98の状態にするために用いられる加圧ガス(空気)は、複数個の第1及び第2の拡大開口部80,82を出ている加圧ガス(空気)の速度の少なくとも2.5倍である速度で動いている。より望ましくは、フィラメント86を減衰させて繊維98の状態にするために用いられる加圧ガス(空気)は、複数個の第1及び第2の拡大開口部80,82を出ている加圧ガス(空気)の速度の少なくとも5倍である速度で動いている。さらにより望ましくは、フィラメント86を減衰させて繊維98の状態にするために用いられる加圧ガス(空気)は、複数個の第1及び第2の拡大開口部80,82を出ている加圧ガス(空気)の速度の少なくとも10倍である速度で動いている。最も望ましくは、フィラメント86を減衰させて繊維98の状態にするために用いられる加圧ガス(空気)は、複数個の第1及び第2の拡大開口部80,82を出ている加圧ガス(空気)の速度の10倍超である速度で動いている。例えば、フィラメント86を減衰させて繊維98の状態にするために用いられる加圧空気は、毎秒少なくとも約50メートル(m/s)、約100m/s、約200m/s、約250m/s、約300m/s、約400m/s以上の速度を有するのが良い。
アスピレータ100は、フィラメント86が従来型スパンボンド技術を用いて形成される繊維とほぼ同じ強度特性を得るようフィラメント86を減衰させる第2の段階として機能する。
図1に戻ってこれを参照すると、アスピレータ100が設けられていない場合、ノズル58の各々の末端部96のところで又はその近くで高い繊維減衰量を達成するために僅かに加熱されたガス(空気)が用いられることは注目されるべきである。作られた繊維98は、従来型スパンボンド繊維よりも弱い傾向があるが、従来型メルトブローン繊維よりも依然として極めて強固である傾向がある。これは、特に、加圧ガス(空気)の温度がポリマー溶融温度よりも約50℃〜約100℃低い場合に当てはまる。本明細書において教示する本発明の装置及び方法は、極めて汎用性が高く、しかも広汎な特性を備えたスパンメルト繊維98を作るための調節が容易である。かかる特性は、従来型メルトブローン繊維と従来型スパンボンド繊維との隔たりを埋める。
再び図11を参照すると、アスピレータ100を出る繊維98の本数は、アスピレータ100に入るフィラメント86の本数に等しい。しかしながら、繊維98は、各フィラメント86の直径よりも小さい直径を有することになる。加うるに、繊維98は、一般に、フィラメント86よりも強固である。各繊維98の直径は、各フィラメント86をアスピレータ100内で減衰する量によって部分的に定められることになる。繊維98がアスピレータ100を出ているとき、繊維は、下方に差し向けられて、動いている表面(可動面)104上に集められる。
図1及び図11を参照すると、可動面104は、設計及び構成が様々であって良い。例えば、可動面104は、2つ又は3つ以上のローラ108に取り付けられるとともにこれらによって支持された動くことができる閉ループフォーミングワイヤ106であるのが良い。ローラ108のうちの一方は、駆動ローラであるのが良い。4つのローラ108が図1及び図11に示されている。可動面104は、時計回り又は反時計回りに回ることができる。変形例として、可動面104は、コンベヤベルトであっても良く、回転可能なドラムであっても良く、フォーミングドラムであっても良く、デュアルドラム型コレクタであっても良く、あるいは当業者に知られている任意他の機構体であっても良い。
可動面104を特にフォーミングワイヤ106又はコンベヤベルトがポリエチレンテレフタレート(PET)材料で作られている場合、室温で動作させることができる。しかしながら、可動面104が金属又はスチールワイヤで作られており又は金属ベルトで覆われている場合、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12の特性を高めることができる特定のテキスチャ又はパターンを与えるために可動面を僅かに加熱するのが良い。
可動面104は、様々な速度で動くことができ、このことは、仕上がり状態のスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12の組成、密度、一体性等に影響を及ぼすことができる。例えば、可動面104の速度を増大させると、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12のロフト又は厚さが減少する。
依然として図1及び図11を参照すると、装置10又は装置10′は、可動面104に隣接して位置決めされた真空チャンバ110をさらに有している。図示のように、真空チャンバ110は、フォーミングワイヤ106の下に位置決めされている。真空チャンバ110は、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12を形成する複数本のランダムに集められた繊維98に真空又は吸引力を加える。この真空は、プロセスガス(空気)及び周りの周囲空気をスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12から引き離し、さらに繊維98が飛び回るのを制限し又は阻止し、それにより不織ウェブ12の一様性を高める。種々の形式の真空チャンバ110を用いることができる。加える真空の量を変化させて特定の要望に合わせるのが良い。当業者であれば、この機能を実行することができる真空設備の形式をよく知っている。
真空チャンバ110の下流側にはボンダ112が設けられている。ボンダ112は、設計が様々であって良い。ボンダ112は、機械式ボンダであっても良く、流体力学的ボンダであっても良く、熱的ボンダであっても良く、化学的ボンダ等であって良い。ボンダ112は、オプションであるが、極めて薄くかつランダムに配列された繊維で作られた大抵のスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12の場合、結合ステップは、追加の強度及び追加の一体性をもたらす。
理解されるべきこととして、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、所望ならば他の機械的処理又は化学的処理を受けるのが良い。例えば、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12を水流交絡させてもよく、穿孔しても良く、切断しても良く、スリットしても良く、穴あけしても良く、打ち抜いても良く、エンボス加工しても良く、印刷しても良く、被覆しても良く、かかる不織ウェブにその他の加工を施しても良い。ボンダ112の後、他の処理が望ましくない場合、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12を供給ロール114に巻き取るのが良い。スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12を適当な長さ及び/又は幅に切断し、分割し、切り離し、又はスリットするためにカッタ116を用いることができる。
再び図1を参照すると、ノズル58の各々の末端先端部96から可動面104まで測定した距離d9が示されている。この距離d9は、当該技術分野では「ダイからコレクタまでの距離」(DCD)と呼ばれている。このDCDは、用いられる機器の形式、形成されるべき繊維98の形式、装置10又は10′の作動条件、押し出されるべきポリマー材料22(ポリマー)、仕上がり状態のスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12の特性等に応じて様々であって良い。一般的に言って、DCDは、約10センチメートル(cm)((0.1m))から約150cm(1.5m)までの範囲にあるのが良い。望ましくは、DCDは、約20センチメートル(cm)((0.2m))から約125cm(1.25m)までの範囲にあるのが良い。
方法
図1、図2及び図11を参照してスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12の形成方法又はプロセスについて説明する。この方法は、溶融材料22(ポリマー)を形成するステップとダイブロック26に通して溶融材料(ポリマー)を差し向けるステップとを含む。溶融材料22(ポリマー)は、ホモポリマーであっても良く又は2種類の互いに異なるポリマーであっても良く、各ポリマーは、ノズル58のある特定の群に差し向けられる。望ましくは、溶融材料22(ポリマー)は、ポリプロピレンである。溶融材料22(ポリマー)をダイブロック26の上流側で、通常は押出機20内で少なくとも約170℃の温度まで加熱する。ダイブロック26は、キャビティ30及びキャビティ30に連結された入口28を有する。入口28は、溶融材料22をダイブロック26中に運び込む。また、加圧ガス(空気)をスピナレット本体52まで運ぶ1つ又は2つ以上のガス通路32,32がダイブロック26を貫通して形成されている。ガス通路32,32(2つが図示されている)の各々は、内径dを有する。インサート34は、ガス通路32,32の各々の中に位置決めされている。各インサート34,34は、内周部又は内径d1及び外周部又は外径d2を有する。各インサート34,34の外径d2の大部分は、ガス通路32,32の各々の内径dよりも小さく、それによりこれらの間にはチャンバ48が形成されている。スピナレット本体52がダイブロック26に固定されている。スピナレット本体52は、ガスチャンバ54及び1つ又は2つ以上のガス路56,56(2つが示されている)を有し、これらガス路56,56は、ガスチャンバ54をガス通路32,32に連結している。スピナレット本体52は、複数のノズル58及びこれらノズルに固定された複数本の静止ピン62を有し、複数のノズル58及び複数本の静止ピン62は、複数個のロウ64及び複数個のコラム66から成るアレイの状態にグループ化され、アレイは、周囲68を有する。
ガス分配プレート70がスピナレット本体52に固定されている。ガス分配プレート70を貫通して複数の第1の開口部72、第2の開口部74及び第3の開口部76が形成されている。第1の開口部72の各々は、ノズル58の各々をそれぞれ受け入れ、第2の開口部74の各々は、静止ピン62の各々をそれぞれ受け入れ、第3の開口部76の各々は、第1の開口部72及び第2の開口部74に隣接して位置している。
外側部材78がスピナレット本体52から間隔を置いて位置するようガス分配プレート70に固定されている。外側部材78を貫通して複数個の第1の拡大開口部80及び第2の拡大開口部82が形成されている。第1の拡大開口部80の各々は、ノズル58の各々をそれぞれ包囲し、第2の拡大開口部82の各々は、静止ピン62の各々を包囲している。ノズル58及び静止ピン62のアレイは、少なくとも1つのロウ64及び少なくとも1つのコラム66を有し、これらは、第2の拡大開口部82で構成されている周囲68に隣接して配置されている。
本方法は、ガス分配プレート70に形成されている複数個の第1、第2及び第3の開口部72,74,76を通って加圧ガス(空気)を差し向けるステップをさらに含む。溶融材料22(ポリマー)をノズル58の各々に通して押し出して多数本のフィラメント86を形成する。次に、多数本のフィラメント86の各々の少なくとも一部分を外側部材78に形成された第1の拡大開口部80を通って所定の速度で放出されている加圧ガスで囲む。外側部材78に形成されている第2の拡大開口部82を出た加圧ガス(空気)を用いてフィラメント86の全てを周りの周囲空気から隔離する。
フィラメント86は、ノズル58の各々の末端部96から押し出されると、凝固し始め、そして流出している加圧ガス(空気)によって減衰されて繊維98の状態になる。オプションとしての第2の減衰段階は、アスピレータ100を用いて達成でき、これについては図11を参照されたい。アスピレータ100を利用する場合、アスピレータ100内の加圧ガス(空気)は、第1の拡大開口部80及び第2の拡大開口部82を出ている加圧ガスの速度の少なくとも2倍の(2倍を超える)速度を有する。望ましくは、アスピレータ100内の加圧ガス(空気)は、第1の拡大開口部80及び第2の拡大開口部82を出ている加圧ガスの速度の少なくとも5倍の速度を有する。より望ましくは、アスピレータ100内の加圧ガス(空気)は、第1の拡大開口部80及び第2の拡大開口部82を出ている加圧ガスの速度の少なくとも10倍の速度を有する。フィラメント86をフィラメント86の流れ方向に本質的に平行に差し向けられる加圧ガス(空気)によって減衰させる。これは、他の方法では、特に従来のスパンボンド法では、減衰させるガス(空気)が急角度でフィラメントへ差し向けられるので重要である。減衰ガス(空気)をフィラメント86の流れ方向に本質的に平行に保つことによって、フィラメント86の多数のロウ及びコラムを減衰させて独特の性質及び特性を備えた繊維98の状態にすることができる。これら独特の特性のうちの2つとしては、小径の又は細い繊維98を形成する特徴及び従来のメルトブローン繊維よりも極めて強固な繊維98を形成する特徴が挙げられる。繊維98は、通常、連続繊維として押し出される。
繊維98を動いている表面104上に集めてスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12を形成する。可動面104は、フォーミングワイヤ106であっても良く、コンベヤベルトであっても良く、回転ドラムであっても良く、ドラム型コレクタであっても良く、デュアルドラム型コレクタ等であっても良い。
本方法は、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12にこれが動いている表面104上に位置している間、真空を加えてプロセスガス及び周りの周囲空気を除去するとともに繊維98が飛び回るのを制限し、それによりウェブの一様性を高めるステップをさらに含むのが良い。真空を動いている表面104に隣接して配置された真空チャンバ110によって供給するのが良い。望ましくは、真空チャンバ110は、動いている表面104の下に位置する。
本方法は、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12を結合するステップをさらに含むのが良い。ボンダ112は、真空チャンバ110の下流側に又は繊維98が動いている表面104に接触する場所の下流側に配置されるのが良い。ボンダ112は、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12の個々のスポット、ゾーン、線、領域等を結合してスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12の一体性を高めるよう機能する。カッタ116をボンダ112の下流側に配置するのが良い。カッタ116は、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12の一区分を隣の区分から切断し、切り離し、スリットし又は分離するのに役立つ。カッタ116は、当業者に知られている任意種類又は形式の切断機構体であって良い。
最後に、仕上がり状態のスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12を供給ロール114に巻き取って不織ウェブ12を利用することができる製造現場又は場所までスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12を輸送することができるようにするステップを含むのが良い。スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12を種々の製品にかつ多くの用途のために用いることができる。良好な強度特性を備えた微小直径の繊維は、種々の吸収性製品、例えばおむつ、生理用ナプキン、パンティライナー、トレーニングパンツ、失禁用衣類等への使用に特に望ましい。良好な強度特性を備えた微小直径繊維を遮音体、断熱体、ワイプ等にも使用できる。繊維98をさらに種々の製品に使用することができる。
スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ
スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12の全部で10個の互いに異なるサンプルを試験した。結果が以下の表1に示されている。10個のサンプルの各々の坪量は、1平方メートル当たり1グラム(gsm)と100gsmとの間で異なっていた。10個のサンプルの平均繊維直径は、約3.09ミクロンから10.15ミクロンまでの範囲にあった。
表1
Figure 2020528501
上述した装置10で製造されたスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、溶融材料22(ポリマー)で作られた複数本の繊維98を含む。望ましくは、溶融材料22(ポリマー)はホモポリマーである。より望ましくは、溶融材料22(ポリマー)はポリプロピレンである。変形例として、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、2種類又は3種類以上の互いに異なるポリマー樹脂で形成できる。さらに、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、2成分繊維を含むことができる。
スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、約0.5ミクロンから約50ミクロンまでの範囲にある平均繊維直径を有する。望ましくは、平均繊維直径は、約1ミクロンから約30ミクロンまでの範囲にある。より望ましくは、平均繊維直径は、約1ミクロンから約20ミクロンまでの範囲にある。さらにより望ましくは、平均繊維直径は、約1ミクロンから約15ミクロンまでの範囲にある。最も望ましくは、平均繊維直径は、約1ミクロンから約11ミクロンまでの範囲にある。平均繊維直径の標準偏差は、0.5ミクロンを超えるべきである。
不織ウェブ12は、一平方メートル当たり少なくとも約0.5グラムの坪量(gsm)を有する。望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、少なくとも約1gsmの坪量を有する。より望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、1gsm〜約100gsmの坪量を有する。さらにより好ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、1gsm〜約75gsmの坪量を有する。最も望ましくは、不織ウェブ12は、約1gsm〜約50gsm以上の坪量を有する。
スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、縦方向(MD)に測定して、グラム(g)の単位の引張強度を有する。引張強度は、約20gから約4,200gまでの範囲にある。引張強度を測定する際、測定長さが約1インチ(2.54cm)×約6インチ(15.24cm)のサンプルウェブを試験機内に取り付け、ウェブを破断するのに必要な力をグラム単位で記録する。望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、縦方向(MD)に測定して、約20gから約4,140gまでの範囲にある引張強度を有する。より望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、機械方向(MD)に測定して約85gから約3,500gまでの範囲にある引張強度を有する。さらにより望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、縦方向(MD)に測定して約80gから約3,400gまでの範囲ある引張強度を有する。最も望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、縦方向(MD)に測定して約88gから約3,350gまでの範囲にある引張強度を有する。
スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、横方向(CD)に測定してグラム(g)の単位の引張強度を有する。引張強度は、約10gから約2,500gまでの範囲にある。引張強度を測定する際、長さが約1インチ(2.54cm)×約6インチ(15.24cm)のサンプルウェブを試験機内に取り付け、ウェブを破断するのに必要な力をグラム単位で記録する。望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、縦方向(MD)に測定して、約15gから約2,480gまでの範囲にある引張強度を有する。より望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、機械方向(MD)に測定して約16gから約2,460gまでの範囲にある引張強度を有する。さらにより望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、縦方向(MD)に測定して約20gから約2,450gまでの範囲ある引張強度を有する。最も望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、縦方向(MD)に測定して約40グラムから約2,441gまでの範囲にある引張強度を有する。
スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12はまた、縦方向(MD)に測定して少なくとも約20:1の引張強度と坪量の比を有する。望ましくは、縦方向(MD)に測定した引張強度と坪量の比は、約20:1から約50:1までの範囲にある。より望ましくは、縦方向(MD)に測定した引張強度と坪量の比は、約20:1から48:1までの範囲ある。さらにより望ましくは、縦方向(MD)に測定した引張強度と坪量の比は、約20:1から約46:1までの範囲にある。最も望ましくは、縦方向(MD)に測定した引張強度と坪量の比は、約20:1から約45:1までの範囲にある。
スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12はまた、横方向(CD)に測定して少なくとも約10:1の引張強度と坪量の比を有する。望ましくは、横方向(CD)に測定した引張強度と坪量の比は、約12:1から約75:1までの範囲にある。より望ましくは、横方向(CD)に測定した引張強度と坪量の比は、約13:1から約72:1までの範囲にある。さらにより望ましくは、横方向(CD)に測定した引張強度と坪量の比は、約14:1から約71:1までの範囲にある。最も望ましくは、横方向(CD)に測定した引張強度と坪量の比は、約15:1から約70:1までの範囲ある。
スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、縦方向(MD)に測定して約50%〜約400%の伸び百分率をさらに有する。望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、縦方向(MD)に測定して約70%〜約395%の伸び百分率を有する。より望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、縦方向(MD)に測定して約75%〜約390%の伸び百分率を有する。さらにより望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、縦方向(MD)に測定して少なくとも約80%の伸び百分率を有する。
スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、横方向(CD)に測定して約50%〜約400%の伸び百分率を有する。望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、横方向(CD)に測定して約70%〜約395%の伸び百分率を有する。より望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、横方向(CD)に測定して約75%〜約390%の伸び百分率を有する。さらにより望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、横方向(CD)に測定して少なくとも約80%の伸び百分率を有する。
スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、縦方向(MD)に測定して少なくとも約15の伸び百分率と繊維直径の比をさらに有する。望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、縦方向(MD)に測定して約20〜約50の伸び百分率と繊維直径の比を有する。より望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、縦方向(MD)に測定して約25〜約45の伸び百分率と繊維直径の比を有する。さらにより望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、縦方向(MD)に測定して約25〜約41の伸び百分率と繊維直径の比を有する。
スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、横方向(CD)に測定して少なくとも約15の伸び百分率と繊維直径の比を有する。望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、横方向(CD)に測定して約20〜約50の伸び百分率と繊維直径の比を有する。より望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、横方向(CD)に測定して約25〜約50の伸び百分率と繊維直径の比を有する。さらにより望ましくは、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、横方向(CD)に測定して約27〜約49の伸び百分率と繊維直径の比を有する。
スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12を形成する繊維98は、ランダムに配列されている。
スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12を形成する繊維98は、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12の一体性を高めるために結合されるのが良い。繊維98は、種々の技術を用いて結合できる。例えば、繊維98を機械的に結合し、流体力学的に結合し、熱的に結合し又は化学的に結合すること等をすることができる。当業者に知られているスポットボンディング、ゾーンボンディング並びに他のボンディング技術を用いることができる。
以下の実験を実施したが、これら実験結果は、上述の装置10及び方法を用いて製造されたスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12の独特の特性を示している。
実験
1.本発明のスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ
ウィスコンシン州54942‐8635グリーンビル、スート・B、N992クオリティ・ドライブに営業所を持つバイアックス‐ファイバーフィルム・コーポレーション(Biax-FiberFilm Corporation)により製造された多列スピナレット52,52が固定されている2つの25°ダイを有するパイロットラインを用いて以下の不織サンプルを製造した。各スピナレット52,52は、全部で4,150個のノズルを有し、各ノズルは、0.305mmの内径d3を有していた。各ノズル58は、加圧ガス(空気)が流出することができる外側部材78の第1の拡大開口部80によって包囲されていた。第1の拡大開口部80の各々の内径d6は、1.4mmであった。比較として、バイアックス‐ファイバーフィルム・コーポレーションによって製造された典型的な市販のスピナレットは、1メートル当たり約6,000個〜約11,000個のノズルを有することができる。従来のメルトブローン材料22(ポリマー)を互いに異なる供給業者から得たが、処理条件及びシステムパラメータは、表2に開示されている。
表2
Figure 2020528501
2.プロセス条件
上述のパイロットラインを用いて数種類の不織ウェブを作った。
2種類の互いに異なるポリマー樹脂を用いた。第1のポリマー樹脂は、商標名Achieve 6936G1で市販されているエクソンモービル(ExxonMobil)社製のポリプロピレン(PP)樹脂であった。エクソンモービル・ケミカル(ExxonMobil Chemical)社は、テキサス州77079‐1398、ヒューストン、ケーティ・フリーウェイ13501に営業所を有する。Achieve 6936G1は、210℃及び2.16kgで米国標準試験方法(ASTM)D1238に準拠して1,550グラム/10分(g/10分)のメルト流量を有する。第2のポリマー樹脂は、エクソンモービル(ExxonMobil)ポリプロピレン‐PP3155であった。PP3155は、210℃及び2.16kgで米国標準試験方法(ASTM)D1238に準拠して35g/10分のメルト流量を有する。これは、代表的なスパンボンド等級の樹脂である。プロセス条件については表1を参照されたい。
3.特性決定方法
3.1坪量
坪量は、単位面積当たりの質量として定義されており、坪量は、1平方メートル当たりのグラム(g/m2)又は1平方ヤード当たりのオンス(osy)という単位で測定可能である。坪量試験をASTM規格ASTM D3776と同等のINDA規格IST130.1に従って実施した。INDAは、“Association of the Non-Woven Fabrics Industry”(不織布業協会)の略語である。10個の互いに異なるサンプルをスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織布中の互いに異なる場所からダイカットしたが、各サンプルは、100平方センチメートル(cm2)に等しい個々の面積を有していた。高感度天秤を用いてこの天秤上で重さの±0.1%以内で各サンプルの重量を測定した。平均重量に100を乗算することにより坪量をグラム/平方メートル(g/m2)の単位で測定した。
3.2繊維直径測定
繊維の形態学的特徴及び製造された不織ウェブの繊維直径分布を検査するため、サンプルを金の10ナノメートル(nm)の薄い層でスパッタコーティングし、そしてオランダ国9652AMアイントホーフェン、ディレンバーグストラート9Eに営業所を持つフェノム・ワールド・BV(Phenom World BV)によって製造された走査型電子顕微鏡モデルSEM、Phenom G2 で分析した。電子ビームについて5キロボルト(kV)の加速電圧下でイメージを500×倍率及び1500×倍率で撮影した。Image Jソフトウェアを用いて繊維直径を測定した。“Image J”は、アメリカ国立衛生研究所で開発した公有財産であるJava(登録商標)準拠イメージ処理プログラムであり、これをhttp://imagej.nih.gov/ij/ からダウンロードすることができる。各サンプルについて少なくとも100の個々の繊維直径を測定した。
3.3布引張強度
破断力は、破損又は破断させるために支持された不織ウェブに加えられる最大力として定義される。不織ウェブのような延性材料に関し、不織ウェブは、破断前に最大の力を受ける。引張強度をINDA規格IST 110.4(95)と同一であるASTM規格D5035‐90に従って測定した。スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブの引張強度を測定するために、各スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブからの6個の試料ストリップをスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブの幅方向に互いに異なる場所で切欠いたが、各ストリップは、25.4ミリメートル(mm)×152.4mm(1インチ×6インチ)の寸法を有していた。各ストリップを引張試験機のジョー相互間にクランプし、この引張試験機は、スウィング・アルバート・テンシル・テスタ(Thwing Albert Tensile Tester)であった。クランプは、10インチ(25.4cm)/分の一定伸張速度でストリップを引っ張った。平均破断力及び破断力での平均伸び百分率をスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブの幅当たり坪量当たりのグラム力(gf/gsm/cm)の単位で各スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織布について記録した。
3.4通気度測定
スパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織布の通気度は、特定の圧力降下での布の面積を通る測定空気流量である。アクストロン・エア・パーミアビリティ・テスタ(Akustron Air Permeability Tester)を用いて125Paに等しい圧力降下で繊維マットについて通気度を測定した。各マットについて10個の測定値を記録し、平均値は、本明細書に記録されている。通気度を測定するこの方法は、フレージャー(Frazier)型通気度試験方法又はASTM D737試験方法と均等である。
実施例1
この実施例では、本発明者は、ウェブ特性に対するスピニング技術の作用効果を見ていた。同一のポリマー樹脂を用いて3つの互いに異なる不織ウェブを製造した。3つ全ては、同一の坪量を有していたが、異なるスピナレット設計及び異なる処理条件を用いて各不織ウェブを紡糸した。表3に示されているように、バイアックス(Biax)多列スピナレット設計を用いてサンプルS‐1を製造したが、このバイアックス多列スピナレット設計は、空気断熱インサート34又は第1の拡大開口部80の周囲84を包囲する空気囲いカーテン(第2の拡大開口部82)を備えていなかった。従来型メルトブローン法を用いてサンプルS‐2を製造したが、この従来型メルトブローン法は、傾斜した空気ジェットとともに一線をなすだけのノズルを有していた。本発明のスパンブローン(Spun-blown(登録商標))方法を用いてサンプルS‐3を製造した。
サンプルS‐3は、サンプルS‐1又はサンプルS‐2と比較して縦方向(MD)の引張強度のほぼ2倍を達成した。また、注目されるように、サンプルS‐3の繊維直径は、従来型メルトブローンサンプルS‐2の繊維直径よりも僅かに大きかった。直径のこの差の主要な理由は、本発明のスパンブローン(Spun-blown(登録商標))方法を用いた場合、環状チャネル中の低温の空気が多列方式でフィラメント86の流れ方向に本質的に平行に差し向ける。加うるに、低温ガス(空気)を用いて繊維98を減衰させることによって、繊維の結晶化度を増大させることができるとともに凝固後の繊維98内の分子鎖を整列させることができる。この特徴により、強固な細い繊維98へのフィラメントの減衰が容易になる。従来型メルトブローン法では、高温空気ジェットを用いて減衰用空気を急な又は傾斜した角度で導入する。
次に図12を参照すると、本発明に従って製造されたスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12の別の関心のある特徴は、広い「繊維直径分布」である。この「繊維直径分布」と従来型メルトブローン法を用いて製造された不織ウェブの「繊維直径分布」と比較すると、標準偏差の値及び「繊維直径分布」が非常に異なるということは、極めて明確である。本発明者の装置10内におけるこの広い「繊維直径分布」の主要な理由は、多列スピナレット設計の使用になる。周囲84を備えた状態で配置されたノズル58を出ているフィラメント86(図10を参照されたい)は、周りの周囲空気及び迅速な急冷時間に暴露されず、従って、これらフィラメント86は、長く高温状態のままである傾向があり、それにより、スピナレット本体52の外側の列内に配置されたノズル58から押し出されているフィラメント86よりも細い繊維98を生じさせる傾向がある。周囲68に隣接して配置された外側の列64内の静止ピン62でノズル58を置き換えることによって(図7を参照されたい)、空気カーテン又はシュラウドが複数本の押し出されたフィラメント86の周りに形成される。この空気カーテン又はシュラウドは、周りの周囲空気と押し出されたフィラメント86の相互作用を遅らせる。この遅れは、各ノズル58の末端先端部96のところでの凝固を阻止するとともに旧式のバイアックス多列スピナレットを用いた場合に見受けられるショット及びロープ状欠陥を減少させる。この初期の多列スピナレットは、米国特許第5,476,616号明細書に教示されている。「ショット欠陥」という表現は、ウェブ形成プロセス中に生じるポリマーの小さな球状粒子を意味している。表2は又、スパンブローン(Spun-blown(登録商標))サンプルS‐3の通気道が同一条件で製造された従来型メルトブローンサンプルS‐1よりも少なくとも50%高いことを示している。かかる増加の主要な理由は、繊維直径が大きく、しかも繊維サイズの標準偏差に反映される繊維直径分布が広いことにある。
表3:実施例1のサンプル性能
Figure 2020528501
理解されるべきこととして、不織ウェブ12中の繊維98は、約0.9ミクロン〜約5ミクロンの標準偏差を有するのが良い。望ましくは、不織ウェブ12中の繊維98は、約0.92ミクロン〜約3ミクロンの標準偏差を有する。より望ましくは、不織ウェブ12中の繊維98は、約0.95ミクロン〜約1.5ミクロンの標準偏差を有する。
実施例2
この第2の実施例では、本発明の方法によって製造されたサンプルS‐5と従来型メルトブローン法によって製造されたサンプルS‐4及び従来型スパンボンド法により製造されたサンプルS‐6と比較した。3つのサンプルを作ったが、各サンプルは、同一の坪量を有していた。表4に示されているように、サンプルS‐5の特性は、メルトブローンウェブS‐4の特性とスパムボンドS‐6の特性のほぼ真ん中であった。表4は又、サンプルS‐5(本発明の方法を用いて製造された)の通気度は、従来型メルトブローンサンプルS‐4と従来型スパンボンドサンプルS‐6とのほぼ真ん中にあることを示している。これにより、本発明者の新規な技術がメルトブローン繊維とほぼ同じ細い繊維直径を有するが、スパンボンド繊維と比較して強固であるスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブを製造することができるということが分かる。
図13を参照すると、本発明のスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12(サンプルS‐5)の縦方向(MD)引張強度は、従来型メルトブローンウェブサンプルS‐4のMD引張強度の2倍を超え、しかもスパンボンドウェブサンプルS‐6のMD引張強度のほぼ半分であった。別の注目に値する特徴は、本発明のスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12(サンプルS‐5)の伸び率は、メルトブローンウェブサンプルS‐4の伸び率のほぼ3倍でありかつスパンボンドウェブサンプルS‐6の伸び率とほぼ同じであった。
上述の2つのサンプルから、本発明の装置及び方法を用いて作られたスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブ12は、独特であり、しかも従来型メルトブローン法を用いて作られた不織ウェブ又は従来型スパンボンド法を用いて作られた不織ウェブによって示される特性のほぼ真ん中にある特性を有している。
さらに、本発明の装置10は、広汎なスパンブローン(Spun-blown(登録商標))不織ウェブを製造するために多種多様なポリマー樹脂を用いるのに十分融通性がありかつ汎用性がある。メルトブローン等級の樹脂並びにスパンボンド等級の樹脂を用いて装置10を作動させることができる。
表4:実施例2のサンプル性能
Figure 2020528501
本発明を幾つかの特定の実施形態と関連して説明したが、理解されるべきこととして、上述の説明に照らして多くの変更例、多くの改造例、及び多くの変形例が当業者には明らかである。

Claims (20)

  1. 単一の溶融ポリマーで作られていて平均繊維直径が約0.5ミクロンから約50ミクロンまでの範囲にある複数本の繊維を含むスパンブローン不織ウェブであって、少なくとも約0.5gsmの坪量、縦方向に測定して約20gから約4,200gまでの範囲にある引張強度、前記縦方向に測定して少なくとも約20:1の引張強度と坪量の比、及び前記縦方向に測定して少なくとも約15の伸び百分率と繊維直径の比を有する、スパンブローン不織ウェブ。
  2. 前記ウェブは、前記縦方向に測定して少なくとも約80%の伸び百分率を有する、請求項1記載のスパンブローン不織ウェブ。
  3. 前記ウェブは、前記縦方向に測定して約50%〜約400%の伸び百分率を有する、請求項1記載のスパンブローン不織ウェブ。
  4. 前記ウェブは、横方向に測定して少なくとも約80%の伸び百分率を有する、請求項1記載のスパンブローン不織ウェブ。
  5. 前記ウェブは、前記横方向に測定して約50%〜約400%の伸び百分率を有する、請求項1記載のスパンブローン不織ウェブ。
  6. 前記ポリマーは、ホモポリマーであり、前記ウェブは、前記縦方向に測定して約20:1から約50:1までの範囲にある引張強度と坪量の比を有する、請求項1記載のスパンブローン不織ウェブ。
  7. 前記ウェブは、前記横方向に測定して少なくとも約10:1の引張強度と坪量の比を有する、請求項6記載のスパンブローン不織ウェブ。
  8. 前記ウェブは、前記横方向に測定して約50%〜約400%の伸び百分率、前記横方向に測定して約12:1から約75:1の引張強度と坪量の比を有し、前記繊維は、機械的に結合されている、請求項7記載のスパンブローン不織ウェブ。
  9. 前記ウェブは、前記縦方向に測定して約50%〜約400%の伸び百分率、前記縦方向に測定して約20:1から約50:1の引張強度と坪量の比を有し、前記繊維は、ランダムに配列されている、請求項1記載のスパンブローン不織ウェブ。
  10. 溶融ホモポリマーで作られていて平均繊維直径が約0.5ミクロンから約50ミクロンまでの範囲にある複数本の繊維を含むスパンブローン不織ウェブであって、少なくとも約0.5gsmの坪量、縦方向に測定して約20gから約4,140gまでの範囲にある引張強度、前記縦方向に測定して約20:1から約50:1の引張強度と坪量の比、及び前記縦方向に測定して約20〜約50の伸び百分率と繊維直径の比を有する、スパンブローン不織ウェブ。
  11. 前記ウェブは、前記縦方向に測定して少なくとも約80%の伸び百分率を有し、前記繊維は、油圧機械的に結合されている、請求項10記載のスパンブローン不織ウェブ。
  12. 前記ウェブは、横方向に測定して少なくとも約80%の伸び百分率を有し、前記繊維は、熱的に結合されている、請求項10記載のスパンブローン不織ウェブ。
  13. 前記ウェブは、前記縦方向に測定して約50%〜約400%の伸び百分率を有し、前記繊維は、化学的に結合されている、請求項10記載のスパンブローン不織ウェブ。
  14. 前記ウェブは、前記横方向に測定して約50%〜約400%の伸び百分率を有し、前記平均繊維直径は、約1ミクロンから約11ミクロンまでの範囲にあり、前記引張強度は縦方向に測定して、約80gから約3,500gまでの範囲にある、請求項10記載のスパンブローン不織ウェブ。
  15. 前記ホモポリマーは、ポリプロピレンである、請求項10記載のスパンブローン不織ウェブ。
  16. 溶融ホモポリマーで作られていて平均繊維直径が約1ミクロンから約50ミクロンまでの範囲にある複数本の繊維を含むスパンブローン不織ウェブであって、少なくとも約1gsmの坪量、縦方向に測定して約80gから約3,500gまでの範囲にある引張強度、前記縦方向に測定して約20:1から約48:1の引張強度と坪量の比、及び前記縦方向に測定して約25〜約45の伸び百分率と繊維直径の比を有する、スパンブローン不織ウェブ。
  17. 前記ウェブは、前記縦方向に測定して少なくとも約80%の伸び百分率を有する、請求項16記載のスパンブローン不織ウェブ。
  18. 前記ウェブは、前記横方向に測定して少なくとも約80%の伸び百分率を有する、請求項16記載のスパンブローン不織ウェブ。
  19. 前記ウェブは、前記横方向に測定して約50%〜約400%の伸び百分率、前記横方向に測定して約12:1から約75:1の引張強度と坪量の比を有し、前記繊維は、機械的に結合されている、請求項16記載のスパンブローン不織ウェブ。
  20. 前記ホモポリマーは、ポリプロピレンであり、前記ウェブは、前記縦方向に測定して約20:1から約45:1までの範囲にある引張強度と坪量の比を有する、請求項16記載のスパンブローン不織ウェブ。
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