JP2001144564A - 増幅器 - Google Patents

増幅器

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JP2001144564A
JP2001144564A JP32395799A JP32395799A JP2001144564A JP 2001144564 A JP2001144564 A JP 2001144564A JP 32395799 A JP32395799 A JP 32395799A JP 32395799 A JP32395799 A JP 32395799A JP 2001144564 A JP2001144564 A JP 2001144564A
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signal
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pilot
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敏明 城阪
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武 川原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用周波数帯内にパイロット信号を設定する
ことができ、このパイロット信号が増幅されるべき信号
に妨害を与えない。 【解決手段】 可変減衰器40を備える高周波増幅器34
に、入力信号の周波数帯内の周波数のパイロット信号
が、パイロット信号発生器から基準減衰器46を介して供
給されている。パイロット信号発生器42のパイロット信
号は、可変位相ループ50において、この可変位相ループ
50に高周波増幅器34から供給された出力信号中のパイロ
ット信号の位相と逆相とされる。逆相パイロット信号と
高周波増幅器34の出力信号が供給されている振幅比較器
64から、出力信号中のパイロット信号と逆相パイロット
信号とのレベル差に応じた信号が、レベル制御ローパス
フィルタ68、増幅器70を介して可変減衰器40に供給され
る。振幅比較器64からの逆相パイロット信号は、微調減
衰器74、微調位相器76を介して合成器78に供給され、高
周波増幅器34の出力信号と合成され、高周波増幅器34の
出力信号中のパイロット信号を打ち消す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、増幅器に関し、特
にパイロット信号を用いて自動利得制御を行う増幅器に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動利得制御付きの増幅器として
は、例えば図5に示すようなものがあった。この増幅器
では、入力端子2からの入力信号と、パイロット信号発
生器4からのパイロット信号とを、方向性結合器6を介
して可変利得増幅器8に供給する。可変利得増幅器8の
出力信号を分岐器10によって分岐し、この分岐信号を
パイロット信号レベル検出器12に供給して、パイロッ
ト信号のレベルを検出する。基準電圧発生器14からの
基準電圧と、パイロット信号レベル検出器12の出力と
を比較器16において比較し、その比較出力信号に基づ
いて可変利得増幅器8の利得を、パイロット信号のレベ
ルが一定になるように制御する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この利得制御付き増幅
器では、パイロット信号が入力信号を妨害することを防
止するために、パイロット信号の周波数は、入力信号の
周波数帯域外或いは、入力信号の周波数帯域のうち未使
用の周波数に設定する必要がある。しかし、可変利得増
幅器8において、一定レベルの出力信号として出力する
必要があるのは入力信号であるので、入力信号の使用さ
れている周波数帯域のパイロット信号を使用することが
望ましい。また、パイロット信号と基準電圧とは別個に
発生しているので、パイロット信号のレベルがなんらか
の原因で変化した場合、可変利得増幅器8の利得が所望
の値と異なる値に制御される。なお、パイロット信号を
用いずに、可変利得増幅器8の出力信号のレベルを検出
し、これに基づいて可変利得増幅器8の利得を制御する
ことも提案されているが、これでは、入力信号の供給が
停止されたとき、可変利得増幅器8の利得が最大とな
り、大きく増幅されたノイズを出力することになり、望
ましくない。
【0004】本発明は、増幅器内に使用周波数帯内にパ
イロット信号を設定することができ、かつパイロット信
号が本来増幅されるべき信号に妨害を与えない自動利得
制御付き増幅器を提供することを目的とする。また、パ
イロット信号のレベルに変動があっても、入力信号が停
止しても、利得を安定して一定とすることができる自動
利得制御付き増幅器を提供することも目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による増幅器は、
増幅手段を有している。この増幅手段は、利得調整手段
を備え、入力信号を増幅する。この増幅手段は、例えば
1段の増幅手段の入力側または出力側に利得調整手段を
設けたものとすることもできるし、複数段の増幅手段の
入力側または出力側または複数の増幅手段の間に、利得
調整手段を設けることもできる。利得調整手段として
は、例えば可変減衰手段や、増幅手段を構成する半導体
装置のバイアスを変更するバイアス変更手段を使用する
こともできる。パイロット信号供給手段が、前記入力信
号の周波数帯内の周波数であって、所定レベルのパイロ
ット信号を前記利得調整手段の前段側に供給する。利得
調整手段の入力側にパイロット信号を供給することもで
きるし、或いは利得調整手段の前段にある増幅手段の入
力側にパイロット信号を供給することもできる。制御手
段が、前記増幅手段の出力信号中のパイロット信号と基
準信号とのレベル差を解消するように、前記利得調整手
段を制御する。打ち消し手段が、前記パイロット信号供
給手段からのパイロット信号と前記増幅手段の出力信号
とを入力し、前記出力信号中のパイロット信号を打ち消
す。
【0006】この増幅器では、入力信号の周波数帯内の
パイロット信号を使用して、利得調整が行われ、この増
幅器の利得が入力信号の周波数帯において一定に調整さ
れている。増幅手段の出力信号には入力信号の周波数帯
内のパイロット信号が含まれているが、これは、打ち消
し手段によって打ち消されるので、この増幅器からパイ
ロット信号が出力されることはない。
【0007】前記打ち消し手段及び制御手段は、前記パ
イロット信号と前記増幅手段の出力信号とを入力し、前
記パイロット信号の位相と前記増幅手段の出力信号中の
パイロット信号の位相とを逆相または同相とする位相追
従ループ手段を使用するものにできる。この場合、位相
追従ループは、パイロット信号の位相を、増幅手段の出
力信号中のパイロット信号の位相と逆相または同相とす
ることもできるし、逆に増幅手段の出力信号中のパイロ
ット信号の位相を、パイロット信号の位相と逆相または
同相とすることもできる。位相追従ループにおいて、パ
イロット信号の位相を増幅手段の出力信号中のパイロッ
ト信号の位相と同相または逆相とした場合には、位相追
従ループの出力信号と増幅手段の出力信号とを合成する
合成手段が、打ち消し手段の一部として使用される。逆
に位相追従ループにおいて、増幅手段の出力信号中のパ
イロット信号の位相を、パイロット信号供給手段からの
パイロット信号の位相と同相または逆相とした場合に
は、位相追従ループの出力信号とパイロット供給手段か
らのパイロット信号とを合成する合成手段が、打ち消し
手段の一部として使用される。位相追従ループにおい
て、パイロット信号と増幅手段の出力信号のパイロット
信号とが同相とされた場合には、合成手段として減算手
段が使用され、逆相とされた場合には、合成手段として
加算手段が使用される。
【0008】このように構成すると、増幅手段において
増幅されているパイロット信号の位相が例えば温度変化
等によって変化しても、その変化に追従した逆相または
同相のパイロット信号と増幅手段の出力信号とを合成
し、またはパイロット信号の位相変化に追従した増幅手
段の出力信号とパイロット信号とを合成するので、確実
にパイロット信号を打ち消すことができる。
【0009】前記打ち消し手段は、前記パイロット信号
と前記増幅手段の出力信号とを入力し、前記パイロット
信号の位相を前記増幅手段の出力信号中のパイロット信
号と同相または逆相として出力する位相追従ループを有
するものとできる。この場合、前記制御手段は、前記基
準信号として前記位相追従ループの出力信号を使用す
る。
【0010】位相追従ループの出力信号は、パイロット
信号供給手段からのパイロット信号の位相を変化させた
ものであるので、パイロット信号供給手段においてパイ
ロット信号のレベルの変動があると、その影響を受けて
いる。従って、パイロット信号供給手段におけるパイロ
ット信号のレベルに変動があると、自動的に基準信号も
変化するので、この増幅器の利得は、パイロット信号供
給手段のパイロット信号のレベル変動の影響を受けな
い。
【0011】前記打ち消し手段は、前記パイロット信号
と前記増幅手段の出力信号とを入力し、前記パイロット
信号の位相を前記増幅手段の出力信号中のパイロット信
号の位相と逆相とする位相反転手段を設けることができ
る。この場合、位相反転手段の出力信号を前記増幅手段
の出力信号と合成する合成手段が設けられる。
【0012】このように構成した場合、構成の複雑な位
相追従ループを使用する必要がなく、回路構成が簡単な
位相反転手段を使用しているので、回路構成を簡略化し
た上で、パイロット信号が出力されることを防止でき
る。
【0013】前記パイロット信号供給手段は、前記パイ
ロット信号の発生手段と、この発生手段からのパイロッ
ト信号を減衰させて、前記利得調整手段の前段側に供給
する減衰手段とを、具備するものとできる。この場合、
前記基準信号は、前記パイロット信号発生手段からのパ
イロット信号に基づいて生成されている。
【0014】このように構成すると、利得調整手段に供
給されるパイロット信号のレベルと、基準信号の発生に
使用されるパイロット信号発生手段のパイロット信号の
レベルとに差が生じ、両者の比が利得調整手段における
増幅度となる。例えば、パイロット信号発生手段からの
パイロット信号を利得調整手段の前段側に供給した場
合、基準信号の発生のためにパイロット信号発生手段か
らのパイロット信号を増幅する必要があり、構成が複雑
になるが、上記のように構成した場合、パイロット信号
の増幅の必要がなく、構成を簡略化できる。
【0015】このパイロット信号発生手段からのパイロ
ット信号を、前記打ち消し手段に供給することもでき
る。この場合、前記打ち消し手段は、前記パイロット信
号発生手段からのパイロット信号の位相を、前記増幅手
段の出力信号中のパイロット信号の位相と同相または逆
相とする位相追従ループと、前記増幅手段の出力信号中
のパイロット信号と前記位相追従ループの出力信号とを
合成して、前記増幅手段の出力信号中のパイロット信号
を打ち消す合成手段とを、具備している。
【0016】このように構成すると、増幅手段でのパイ
ロット信号の位相の変化をも吸収した上で、パイロット
信号が増幅器の外部に出力されることを防止できる。
【0017】本発明の他の態様の増幅器は、増幅手段を
備え、この増幅手段は、利得調整手段を備え、入力信号
を増幅する。増幅手段は、単数または複数のいずれとす
ることもできる。利得調整手段は、単一の増幅手段の入
力側または出力側に設けることもできるし、複数の増幅
手段の入力側、出力側または複数の増幅手段の間に設け
ることもできる。利得調整手段としては、例えば可変減
衰手段または増幅手段に含まれている半導体装置のバイ
アスを可変するバイアス可変手段を使用することができ
る。パイロット信号の発生源が設けられている。前記パ
イロット信号を減衰させて、前記利得調整手段よりも前
段に供給する減衰手段が設けられている。前記増幅手段
の出力信号と前記パイロット信号の発生源からのパイロ
ット信号とを入力し、このパイロット信号のレベルに前
記増幅手段の出力信号中のパイロット信号のレベルが一
致するように、前記利得調整手段を制御する制御手段が
設けられている。
【0018】このように構成すると、パイロット信号発
生源からのパイロット信号を減衰させて、可変利得調整
手段の前段側に供給し、パイロット信号発生源からのパ
イロット信号を制御手段に供給しているので、別途基準
信号を設定する必要がないし、パイロット信号のレベル
の変動があっても、常に一定の増幅度に増幅器の増幅度
を維持することができる。
【0019】前記制御手段が、前記パイロット信号の発
生源からのパイロット信号の位相を、前記増幅器の出力
信号中のパイロット信号の位相に追従させる位相追従ル
ープ手段を有するものとできる。
【0020】このように構成すると、パイロット信号が
増幅手段において増幅される間に、パイロット信号の位
相が温度変化等の影響によって変動しても、この位相の
変動の影響を受けずに、増幅手段の増幅度を一定に制御
することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の1実施の形態の増幅器2
0は、例えば図3に示すように、無線中継局に使用され
るものである。即ち、無線中継局では、放送衛星や通信
衛星22から送信された電波を受信用アンテナ24で受
信し、この受信用アンテナ24からのアンテナ受信信号
をそのままの周波数で増幅器20において増幅し、その
増幅出力を再送信用アンテナ26によって再送信する。
【0022】本増幅器20は、図1に示すように、入力
端子30を有し、この入力端子30には、上述したよう
に受信用アンテナ24からのアンテナ受信信号が供給さ
れている。このアンテナ受信信号は、例えば12GHz
帯のものである。
【0023】このアンテナ受信信号は、方向性結合器3
2を介して増幅手段、例えば可変利得増幅手段、具体的
には高周波増幅器34に供給されている。高周波増幅器
34は、複数段、例えば2段の高周波増幅段36、38
を縦続接続したもので、それらの間に利得調整手段、例
えば可変減衰器40を備えている。この可変減衰器40
は、例えばPINダイオードを用いたもので、制御信号
の値に応じて減衰量が変化する。
【0024】この増幅器34の入力側には、方向性結合
器32を介してパイロット信号が供給されている。従っ
て、増幅器34の出力信号は、アンテナ受信信号とパイ
ロット信号とを増幅したものである。このパイロット信
号は、アンテナ受信信号の周波数帯内の周波数を有する
もので、パイロット信号供給手段、例えばパイロット信
号供給回路41から供給されている。このパイロット信
号供給回路41は、パイロット信号を発生するパイロッ
ト信号発生手段、例えばパイロット信号発生器42を有
している。このパイロット信号は2分配器44によって
2分配され、その一方の分配出力信号が、レベル調整手
段、例えば基準減衰器46によって所定レベル、例えば
RdB減衰させられて、方向性結合器32に供給されて
いる。なお、基準減衰器46は、減衰量を固定したもの
とすることもできるし、減衰量を可変するものとするこ
ともできる。
【0025】2分配器44を介してパイロット信号発生
器42から供給されている他方のパイロット信号と、増
幅器34の出力信号を1分岐器48を介して分岐した分
岐信号とが、位相追従ループ50に供給されている。即
ち、2分配器44からの分配出力信号は、可変位相器5
2によって、位相調整が行われた後、2分配器54を介
して位相比較器56に供給されている。この位相比較器
56には、1分岐器48を介して高周波増幅器34の出
力信号が供給されている。位相比較器56は、これに入
力された2つの信号の位相差を表す信号を発生し、これ
がローパスフィルタ58、増幅器60を介して可変位相
器52に供給される。従って、2分配器54の分配出力
信号、即ち位相追従ループ50の出力信号は、高周波増
幅器34の出力信号に含まれているパイロット信号の位
相と逆相のパイロット信号を発生する。
【0026】ここで、なんらかの原因でパイロット信号
発生器42からのパイロット信号のレベルが変動した場
合、高周波増幅器34に供給されるパイロット信号も、
位相追従ループ50は、可変位相器52、分配器54、
位相比較器56、ローパスフィルタ58及び増幅器60
で構成され、このループ50の出力信号である逆相パイ
ロット信号も同じようにレベル変動している。また、高
周波増幅器34において増幅される間に、温度変化等に
よってパイロット信号に位相の変動が生じていると、同
様な位相の変動が位相追従ループ50の出力信号にも生
じている。
【0027】2分配器54からの位相追従ループ50の
出力信号、即ち逆相パイロット信号は、基準信号として
制御部62に供給されている。この制御部62は、逆相
パイロット信号が基準信号として供給されるレベル比較
手段、例えば振幅比較器64を備えている。この振幅比
較器64には、1分岐器66を介して高周波増幅器34
の出力信号が供給されている。振幅比較器64は、高周
波増幅器34の出力信号に含まれているパイロット信号
と逆相パイロット信号とのレベルの絶対値の差を表す信
号を生成し、この信号がレベル制御ローパスフィルタ6
8、増幅器70を介して可変減衰器40に供給される。
振幅比較器64、レベル制御ローパスフィルタ68、増
幅器70、可変減衰器40、高周波増幅器34及び位相
追従ループ50によって、レベル追従ループが構成され
ている。このレベル追従ループが制御手段を構成してい
る。
【0028】従って、高周波増幅器34の出力信号中の
パイロット信号のレベルの絶対値は、可変位相追従ルー
プ50の逆相パイロット信号のレベルの絶対値と等しく
なる。即ち、基準減衰器46によってパイロット信号を
減衰させた減衰量を補償するように、高周波増幅器34
の増幅度が調整されている。従って、基準減衰器46に
よる減衰量を調整することによって、高周波増幅器34
の増幅度を決定することができる。
【0029】振幅比較器64を介して逆相パイロット信
号は、合成手段、例えば合成回路72に供給されてい
る。1分岐器66を介して高周波増幅器34の出力信号
が合成回路72に供給されている。即ち、振幅比較器6
4からの逆相パイロット信号は、微調減衰器74及び微
調位相器76を介して合成器78に供給されている。ま
た、1分岐器66を介しての高周波増幅器38の出力信
号も合成器78に供給されている。合成器78では、微
調減衰器74及び微調位相器76を介しての逆相パイロ
ット信号と、1分岐器66を介しての高周波増幅器34
の出力信号とを加算するので、この合成器78の出力信
号には、パイロット信号が含まれていない。この合成器
78の出力信号は、出力端子80を介して再送信用アン
テナ26に供給される。位相追従ループ50と合成回路
72とが打ち消し手段を構成している。
【0030】なお、微調減衰器74は、逆相パイロット
信号のレベルの絶対値と、高周波増幅器34の出力信号
中のパイロット信号の絶対値とが完全に一致していない
場合に、これを補正するためのもので、微調位相器76
は、逆相パイロット信号の位相と、高周波増幅器34の
出力信号中のパイロット信号の位相とが完全に逆相とな
っていない場合に、これを補正するためのものである。
従って、場合によっては、微調減衰器74及び微調位相
器76は、省略することもできる。
【0031】この増幅器20によれば、入力信号の周波
数帯内の周波数を有するパイロット信号を用いて、高周
波増幅器34の増幅度を入力信号の周波数帯内において
予め定めた値となるように自動利得制御をすることがで
きる上に、位相追従ループ50と合成回路72とからな
る打ち消し手段を設けているので、入力信号の周波数帯
内の周波数を有するパイロット信号を、増幅器20から
出力することがない。しかも、自動利得制御を行うため
の基準信号は、パイロット信号発生器42からのパイロ
ット信号を基に生成されているので、なんらかの原因で
パイロット信号のレベルに変動があっても、高周波増幅
器34の増幅度を予め定めた値に維持することができ
る。また、位相追従ループ50を使用しているので、温
度変化等によって高周波増幅器34中でパイロット信号
の位相の変動があっても、確実にパイロット信号を除去
して、増幅器20の出力信号を出力できる。パイロット
信号を基準減衰器46によって減衰させて、高周波増幅
器34に入力させているので、基準信号として使用する
ためにパイロット信号を増幅する必要がなく、構成を簡
略化することができる。
【0032】図2に振幅比較器64の詳細なブロック図
を示す。この振幅比較器64は、2分配器54からの逆
相パイロット信号が供給される2分配器82を含み、こ
の2分配器82の2つの分配出力信号の一方は、方向性
結合器84において1分岐器66からの分岐信号(高周
波増幅器34の出力信号)と結合され、ミキサー86に
供給される。ミキサー86には、2分配器82の他方の
分配出力を2分配器88でさらに2分配した一方の分配
出力が供給されている。ミキサー86の出力としては、
逆相パイロット信号と高周波増幅器34の出力信号中の
パイロット信号とのレベル差に比例した信号が出力され
ている。なお、2分配器88の他方の分配出力は、微調
調整器74に供給されている。
【0033】ミキサー86は、ダブルバランスドミキサ
ーを使用したものであり、2分配器82、88や方向性
結合器84は、受動素子のみで構成されている。即ち、
この振幅比較器64は、殆ど受動素子によって構成され
ているので、能動素子によって構成された振幅比較器と
比較して、温度変化等に基づく減衰量の変動が少ないの
で、増幅器34の増幅度を高安定とすることができる。
なお、2台の分配器82、88を使用したが、これに代
えて1台の分配器を使用することもできる。
【0034】この増幅器20は、種々に変更可能であ
る。例えば、図4に示すように、位相追従ループ50を
除去し、2分配器44で分配したパイロット信号を振幅
比較器64に供給する。即ち、振幅比較器64の2分配
器88から出力されるパイロット信号は、位相反転され
ていない。この位相反転されていないパイロット信号を
位相反転器50aによって位相反転し、合成器78に供
給して、パイロット信号を打ち消している。
【0035】上記の実施の形態及び変形例では、逆相パ
イロット信号を生成し、これと増幅器34の出力信号と
を加算したが、パイロット信号発生器42からのパイロ
ット信号の位相を、増幅器34の出力信号中のパイロッ
ト信号の位相に位相追従ループ50または位相反転回路
50aによって揃え、この位相が揃えられたパイロット
信号を増幅器34の出力信号から減算してもよい。
【0036】また、上記の実施の形態及び変形例では、
パイロット信号発生器42のパイロット信号の位相を、
増幅器34の出力信号中のパイロット信号の位相と同相
または逆相としたが、逆に増幅器34の出力側に位相追
従ループを設け、増幅器34の出力信号中のパイロット
信号の位相をパイロット信号発生器42のパイロット信
号の位相と同相または逆相として、この増幅器34の出
力信号とパイロット信号発生器34のパイロット信号と
を減算または加算してもよい。
【0037】上記の実施の形態及び変形例では、高周波
増幅器34として2段の高周波増幅段36、38を備え
るものを示したが、これに代えて、単一の高周波増幅段
を有するものを使用することもできる。この場合、可変
減衰器40は、単一の高周波増幅段の入力側または出力
側に設けることができる。無論、複数段の高周波増幅段
を備える高周波増幅器34においても、入力側または出
力側に可変減衰器40を設けてもよい。また、可変減衰
器40に代えて、高周波増幅段を構成するバイポーラト
ランジスタ、FET等の半導体装置のバイアスを変化さ
せるバイアス変化手段を利得調整手段として使用するこ
ともできる。
【0038】なお、パイロット信号として入力信号の周
波数帯外の周波数或いは入力信号の周波数帯内の未使用
周波数とする場合、打ち消し回路72は不要である。ま
た、この場合、位相追従ループ50に代えて、位相反転
回路50aを使用することもできる。また、上記の実施
の形態では、振幅比較器64を使用したが、これに代え
て、例えば高周波増幅器34の出力信号からパイロット
信号抽出手段によってパイロット信号を抽出し、そのレ
ベルをレベル検出手段によって検出し、このレベル検出
手段の出力信号を、逆相パイロット信号のレベル検出手
段の出力信号または別個に設定した基準信号と比較する
ように構成してもよい。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、増幅器
の入力信号の周波数帯内のパイロット信号を使用して
も、パイロット信号による妨害を出力信号に与えること
なく、増幅器の利得を入力信号の周波数帯において所定
の利得に制御することができる。また、本発明によれ
ば、上記のような効果を奏する上に、パイロット信号発
生手段のパイロット信号のレベルが変動したり、増幅手
段における増幅中にパイロット信号の位相が変動して
も、その影響を受けずに、自動利得制御を行える。さら
に、本発明によれば、パイロット信号を減衰させて、増
幅手段に入力し、かつパイロット信号を制御手段に供給
しているので、パイロット信号のレベルや位相が変動し
ても、その影響を受けずに自動利得制御を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の増幅器のブロック
図である。
【図2】図1の増幅器の振幅比較器のブロック図であ
る。
【図3】図1の増幅器を使用した無線中継器のブロック
図である。
【図4】図1の増幅器の変形例のブロック図である。
【図5】従来の増幅器のブロック図である。
【符号の説明】
34 高周波増幅器 40 可変減衰器(利得調整手段) 41 パイロット信号供給回路(パイロット信号供給手
段) 42 パイロット信号発生器(パイロット信号発生手
段) 46 基準減衰器(減衰手段) 50 位相追従ループ 62 制御回路(制御手段) 72 合成手段(合成回路)
フロントページの続き Fターム(参考) 5J100 AA02 BA10 BB01 BB08 CA01 CA06 CA31 DA06 FA02 JA01 LA02 LA06 LA09 QA01 QA02 QA03 SA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 利得調整手段を備え、入力信号を増幅す
    る増幅手段と、 前記入力信号の周波数帯内の周波数であって、所定レベ
    ルのパイロット信号を前記利得調整手段の前段側に供給
    するパイロット信号供給手段と、 前記増幅手段の出力信号中のパイロット信号と、基準信
    号とのレベル差を解消するように、前記利得調整手段を
    制御する制御手段と、 前記パイロット信号供給手段からのパイロット信号と前
    記増幅手段の出力信号とを入力し、前記出力信号中のパ
    イロット信号を打ち消す打ち消し手段とを、具備する増
    幅器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の増幅器において、前記打
    ち消し手段及び前記制御手段は、前記パイロット信号と
    前記増幅手段の出力信号とを入力し、前記パイロット信
    号と前記増幅手段の出力信号中のパイロット信号とのう
    ち一方の位相を他方の位相と逆相または同相とする位相
    追従ループを使用する増幅器。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の増幅器において、前記打
    ち消し手段は、前記パイロット信号と前記増幅手段の出
    力信号とを入力し、前記パイロット信号の位相を前記増
    幅手段の出力信号中のパイロット信号と同相または逆相
    として出力する位相追従ループを有し、前記制御手段
    が、前記基準信号として前記位相追従ループの出力信号
    を使用する増幅器。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の増幅器において、前記打
    ち消し手段は、 前記パイロット信号と前記増幅手段の出力信号とを入力
    し、前記パイロット信号の位相と前記増幅手段の出力信
    号中のパイロット信号の位相とを逆相とする位相反転手
    段を、具備する増幅器。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の増幅器において、前記パ
    イロット信号供給手段は、前記パイロット信号の発生手
    段と、この発生手段からのパイロット信号を減衰させ
    て、前記利得調整手段の前段側に供給する減衰手段と
    を、具備し、前記基準信号は、前記パイロット信号発生
    手段からのパイロット信号に基づいて生成されている増
    幅器。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の増幅器において、前記パ
    イロット信号発生手段からのパイロット信号が、前記打
    ち消し手段に供給され、前記打ち消し手段は、前記パイ
    ロット信号発生手段からのパイロット信号の位相と前記
    増幅手段の出力信号中のパイロット信号の位相とを同相
    または逆相とする位相追従ループを具備する増幅器。
  7. 【請求項7】 利得調整手段を備え、入力信号を増幅す
    る増幅手段と、 パイロット信号の発生源と、 前記パイロット信号を減衰させて、前記利得調整手段よ
    りも前段に供給する減衰手段と、 前記増幅手段の出力信号と、前記パイロット信号の発生
    源からのパイロット信号とを、入力し、このパイロット
    信号のレベルに前記増幅手段の出力信号中のパイロット
    信号のレベルが一致するように、前記利得調整手段を制
    御する制御手段とを、具備する増幅器。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の増幅器において、前記制
    御手段が、前記パイロット信号の発生源からのパイロッ
    ト信号の位相と、前記増幅器の出力信号中のパイロット
    信号の位相とを同相または逆相にする位相追従ループを
    有する増幅器。
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