JP2001143719A - 燃料電池用セパレータ及びその製造方法 - Google Patents
燃料電池用セパレータ及びその製造方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
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- Ceramic Products (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 軽量かつ高強度であり、耐熱性、耐食性、ガ
ス不透過性に優れており、軽量かつ長寿命で信頼性があ
る燃料電池を得ることができる燃料電池用セパレータ、
及びこの燃料電池用セパレータを容易に得ることができ
る製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも一方の面にアノードガス又は
カソードガスの流路を有し、かつアノードガスとカソー
ドガスを分離する機能を有する燃料電池用セパレータに
おいて、この燃料電池用セパレータ4が懸濁重合法によ
って合成されたフェノール樹脂に炭素材を2〜60重量
%添加した成形材料を成形加工し、得られた成形加工品
を炭化焼成して得られるアモルファスカーボン複合体よ
りなる燃料電池用セパレータ。
ス不透過性に優れており、軽量かつ長寿命で信頼性があ
る燃料電池を得ることができる燃料電池用セパレータ、
及びこの燃料電池用セパレータを容易に得ることができ
る製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも一方の面にアノードガス又は
カソードガスの流路を有し、かつアノードガスとカソー
ドガスを分離する機能を有する燃料電池用セパレータに
おいて、この燃料電池用セパレータ4が懸濁重合法によ
って合成されたフェノール樹脂に炭素材を2〜60重量
%添加した成形材料を成形加工し、得られた成形加工品
を炭化焼成して得られるアモルファスカーボン複合体よ
りなる燃料電池用セパレータ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アモルファスカー
ボン複合体製の燃料電池用セパレータ及びその製造方法
に関するものである。
ボン複合体製の燃料電池用セパレータ及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、低公害で高い発電効率を持
つ次世代の発電装置として期待されている。この燃料電
池の種類としては、電解質の種類により、アルカリ型、
リン酸型、固体高分子型、溶融炭酸塩型、固体電解質型
などがある。これらの燃料電池には、水素含有ガス(ア
ノードガス)と酸素含有ガス(カソードガス)との電気
化学反応により起電力を生ずる単位電池と、積層された
単位電池の隣合う単位電池間に介在し、隣り合う単位電
池双方の電極と接触して、これら単位電池間を電気的に
接続するとともに反応ガスを分離する作用をなす燃料電
池用セパレータ(以下、セパレータ)とが備えられてい
る。このようなセパレータの素材としては、リン酸型燃
料電池及び固体高分子型燃料電池には黒鉛系材料,チタ
ン合金やアモルファスカーボンなどが使用され、溶融炭
酸塩型燃料電池にはNi/SUSクラッド材が使用され
ている。
つ次世代の発電装置として期待されている。この燃料電
池の種類としては、電解質の種類により、アルカリ型、
リン酸型、固体高分子型、溶融炭酸塩型、固体電解質型
などがある。これらの燃料電池には、水素含有ガス(ア
ノードガス)と酸素含有ガス(カソードガス)との電気
化学反応により起電力を生ずる単位電池と、積層された
単位電池の隣合う単位電池間に介在し、隣り合う単位電
池双方の電極と接触して、これら単位電池間を電気的に
接続するとともに反応ガスを分離する作用をなす燃料電
池用セパレータ(以下、セパレータ)とが備えられてい
る。このようなセパレータの素材としては、リン酸型燃
料電池及び固体高分子型燃料電池には黒鉛系材料,チタ
ン合金やアモルファスカーボンなどが使用され、溶融炭
酸塩型燃料電池にはNi/SUSクラッド材が使用され
ている。
【0003】また、アルカリ型、リン酸型、固体高分子
型など比較的低温で動作する燃料電池には、動作温度を
安定させる目的でセパレータの片側に冷却水を流すため
の溝を備えていたり、特開平10−162842号公報
に開示されているように放熱フィンのような突起を備え
たセパレータが考えられている。
型など比較的低温で動作する燃料電池には、動作温度を
安定させる目的でセパレータの片側に冷却水を流すため
の溝を備えていたり、特開平10−162842号公報
に開示されているように放熱フィンのような突起を備え
たセパレータが考えられている。
【0004】上記セパレータに要求される特性として
は、導電性を有すること、ガス透過性が小さいこと、軽
量であること、耐熱性及び耐食性であること、アノード
ガス及びカソードガスと反応しないことなどである。セ
パレータの導電性は、比電気抵抗が小さいほど好まし
く、比電気抵抗が大きいと燃料電池の内部抵抗の増大を
招き、発電ロスを生じる。実用上は10-2〜10-6Ω・
cmであるものが好適である。
は、導電性を有すること、ガス透過性が小さいこと、軽
量であること、耐熱性及び耐食性であること、アノード
ガス及びカソードガスと反応しないことなどである。セ
パレータの導電性は、比電気抵抗が小さいほど好まし
く、比電気抵抗が大きいと燃料電池の内部抵抗の増大を
招き、発電ロスを生じる。実用上は10-2〜10-6Ω・
cmであるものが好適である。
【0005】セパレータがステンレスやチタン系合金な
どのような耐食性のある金属などよりなるものは、耐熱
性及び導電性に優れているものの、電解質によるイオン
化や加工の困難さ、重量が大となるなどの問題があっ
た。特開平10−334927号公報には、熱硬化性樹
脂などに導電性フィラー(例えば黒鉛粉末、カーボンフ
ァイバー)を混ぜ込んだ樹脂製セパレータが開示されて
いるが、このようなセパレータは軽量であるが、耐食性
及び耐熱性が低い、ガス不透過性が劣る、強度が低いな
どの問題があった。
どのような耐食性のある金属などよりなるものは、耐熱
性及び導電性に優れているものの、電解質によるイオン
化や加工の困難さ、重量が大となるなどの問題があっ
た。特開平10−334927号公報には、熱硬化性樹
脂などに導電性フィラー(例えば黒鉛粉末、カーボンフ
ァイバー)を混ぜ込んだ樹脂製セパレータが開示されて
いるが、このようなセパレータは軽量であるが、耐食性
及び耐熱性が低い、ガス不透過性が劣る、強度が低いな
どの問題があった。
【0006】それに対し、人造黒鉛などの黒鉛系の素材
よりなるセパレータは軽量かつ耐食性に優れているが靭
性に乏しく脆いため、振動や応力に弱くセパレータとし
て使用した場合、セパレータ自体が破壊されて形状を維
持できない、亀裂が生じ気密性を維持できないなどの問
題が生じ、また、機械的な加工が金属材料に比べ困難で
あるにもかかわらず、アノードガス及びカソードガスの
流路となる溝を形成するために、座繰りなどの切削加工
が必要であり、加工コストが高いなどの問題があった。
よりなるセパレータは軽量かつ耐食性に優れているが靭
性に乏しく脆いため、振動や応力に弱くセパレータとし
て使用した場合、セパレータ自体が破壊されて形状を維
持できない、亀裂が生じ気密性を維持できないなどの問
題が生じ、また、機械的な加工が金属材料に比べ困難で
あるにもかかわらず、アノードガス及びカソードガスの
流路となる溝を形成するために、座繰りなどの切削加工
が必要であり、加工コストが高いなどの問題があった。
【0007】アモルファスカーボン製のセパレータの場
合は、フラン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂な
どの熱硬化性樹脂を圧縮成形し、その後炭化焼成して製
造している。この場合、その熱硬化性樹脂の特性から圧
縮成形法により成形体を得ることしかできず、かつ、平
板状のような単純形状の成形体しか得ることができなか
った。そのため量産性に劣り、さらに炭化焼成後にアノ
ードガス及びカソードガスの流路となる溝を形成するた
めの座繰りなどの切削加工が必要であった。ところが、
アモルファスカーボン材は、機械的な加工が金属材料に
比べ非常に困難であるため、座繰りなどの切削加工を施
すとかなりのコストアップになるなどの問題があった。
また、アモルファスカーボンは衝撃強度が低いため、た
とえば車載用の燃料電池に使用する場合には走行中に破
損する恐れがあった。
合は、フラン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂な
どの熱硬化性樹脂を圧縮成形し、その後炭化焼成して製
造している。この場合、その熱硬化性樹脂の特性から圧
縮成形法により成形体を得ることしかできず、かつ、平
板状のような単純形状の成形体しか得ることができなか
った。そのため量産性に劣り、さらに炭化焼成後にアノ
ードガス及びカソードガスの流路となる溝を形成するた
めの座繰りなどの切削加工が必要であった。ところが、
アモルファスカーボン材は、機械的な加工が金属材料に
比べ非常に困難であるため、座繰りなどの切削加工を施
すとかなりのコストアップになるなどの問題があった。
また、アモルファスカーボンは衝撃強度が低いため、た
とえば車載用の燃料電池に使用する場合には走行中に破
損する恐れがあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況に鑑み、本
発明の課題は、軽量かつ高強度であり、耐熱性、耐食
性、ガス不透過性に優れているので、軽量かつ長寿命で
信頼性がある燃料電池を製造することができるアモルフ
ァスカーボンよりなる燃料電池用セパレータの提供、と
りわけ耐衝撃性にすぐれたアモルファスカーボン複合体
製の燃料電池用セパレータの提供、及びそれを容易に製
造する方法の提供にある。
発明の課題は、軽量かつ高強度であり、耐熱性、耐食
性、ガス不透過性に優れているので、軽量かつ長寿命で
信頼性がある燃料電池を製造することができるアモルフ
ァスカーボンよりなる燃料電池用セパレータの提供、と
りわけ耐衝撃性にすぐれたアモルファスカーボン複合体
製の燃料電池用セパレータの提供、及びそれを容易に製
造する方法の提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、後述するような構
成にると上記課題が解決することができる燃料電池用セ
パレータを得ることができて、また、それを容易に製造
することができるということを見出し、本発明に到達し
た。
を解決すべく鋭意検討を行った結果、後述するような構
成にると上記課題が解決することができる燃料電池用セ
パレータを得ることができて、また、それを容易に製造
することができるということを見出し、本発明に到達し
た。
【0010】すなわち、本発明の要旨は、第1に、少な
くとも一方の面にアノードガス又はカソードガスの流路
を有し、かつアノードガスとカソードガスを分離する機
能を有する燃料電池用セパレータにおいて、この燃料電
池用セパレータが懸濁重合法によって合成されたフェノ
ール樹脂に炭素材を2〜60重量%添加した成形材料を
成形し、得られた成形品を炭化焼成して得られるアモル
ファスカーボン複合体よりなることを特徴とする燃料電
池用セパレータであり、第2に、懸濁重合法によって合
成したフェノール樹脂に炭素材を2〜60重量%添加し
た成形材料を成形加工し、得られた成形加工品を真空又
は不活性ガス雰囲気中で炭化焼成することを特徴とする
燃料電池用セパレータの製造方法である。
くとも一方の面にアノードガス又はカソードガスの流路
を有し、かつアノードガスとカソードガスを分離する機
能を有する燃料電池用セパレータにおいて、この燃料電
池用セパレータが懸濁重合法によって合成されたフェノ
ール樹脂に炭素材を2〜60重量%添加した成形材料を
成形し、得られた成形品を炭化焼成して得られるアモル
ファスカーボン複合体よりなることを特徴とする燃料電
池用セパレータであり、第2に、懸濁重合法によって合
成したフェノール樹脂に炭素材を2〜60重量%添加し
た成形材料を成形加工し、得られた成形加工品を真空又
は不活性ガス雰囲気中で炭化焼成することを特徴とする
燃料電池用セパレータの製造方法である。
【0011】そして、前記燃料電池用セパレータにおい
て、アモルファスカーボン複合体が、密度が1.3〜
1.9g/cm3 であり、比電気抵抗が2〜20×10
-3Ω・cmであり、かつガス透過率が10-7〜10-12
cm2 /sである燃料電池用セパレータ、炭素材が、中
心球径が50μm以下の黒鉛粉末及び/又は直径が5μ
m以下でアスペクト比が150以下の炭素繊維である燃
料電池用セパレータ、燃料電池用セパレータの一部又は
全部に耐食性、耐熱性、及び導電性を備えた被膜を形成
させた燃料電池用セパレータは、それぞれ好ましい態様
のものとして挙げられる。さらに、前記燃料電池用セパ
レータの製造方法において、成形加工の際、予め焼成収
縮を見込んだ金型を用いて射出成形することは好ましい
態様の製造方法として挙げられる。
て、アモルファスカーボン複合体が、密度が1.3〜
1.9g/cm3 であり、比電気抵抗が2〜20×10
-3Ω・cmであり、かつガス透過率が10-7〜10-12
cm2 /sである燃料電池用セパレータ、炭素材が、中
心球径が50μm以下の黒鉛粉末及び/又は直径が5μ
m以下でアスペクト比が150以下の炭素繊維である燃
料電池用セパレータ、燃料電池用セパレータの一部又は
全部に耐食性、耐熱性、及び導電性を備えた被膜を形成
させた燃料電池用セパレータは、それぞれ好ましい態様
のものとして挙げられる。さらに、前記燃料電池用セパ
レータの製造方法において、成形加工の際、予め焼成収
縮を見込んだ金型を用いて射出成形することは好ましい
態様の製造方法として挙げられる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。図1は、燃料電池(単電池セル)の基本的な構成
例を示す概略斜視図である。ここで1はアノード、2は
電解質膜、3はカソードである。4はセパレータであ
り、表裏両面にアノードガス及びカソードガスなどの反
応ガスの流路となる溝5が多数形成されている。反応ガ
スの流路となる溝5は少なくとも一方の面に備えられて
いればよく、燃料電池の動作温度を安定させるため、片
側の面に冷却水などの熱媒体を流すことができる溝を備
えてもよい。
する。図1は、燃料電池(単電池セル)の基本的な構成
例を示す概略斜視図である。ここで1はアノード、2は
電解質膜、3はカソードである。4はセパレータであ
り、表裏両面にアノードガス及びカソードガスなどの反
応ガスの流路となる溝5が多数形成されている。反応ガ
スの流路となる溝5は少なくとも一方の面に備えられて
いればよく、燃料電池の動作温度を安定させるため、片
側の面に冷却水などの熱媒体を流すことができる溝を備
えてもよい。
【0013】本発明において、セパレータ4は、懸濁重
合法によって合成したフェノール樹脂に炭素材を2〜6
0重量%添加した成形材料を成形加工し、得られた成形
加工品を炭化焼成して得られるアモルファスカーボン複
合体よりなる。成形加工方法は、常法の成形加工方法を
採用することができるが、フェノール樹脂に炭素材を2
〜60重量%添加した成形材料を予め焼成時の寸法収縮
を見込んだ寸法形状の金型を用い射出成形法により成形
加工することが好ましく、このときセパレータの外形
や、片面又は表裏両面に溝が形成され、焼成時の寸法収
縮を見込んだ金型を用いて射出成形し、得られた成形加
工品を炭化焼成すると、切削加工のような後加工を必要
とせず、良好な形状のアモルファスカーボン複合体製の
燃料電池用セパレータを量産性良く製造することができ
る。
合法によって合成したフェノール樹脂に炭素材を2〜6
0重量%添加した成形材料を成形加工し、得られた成形
加工品を炭化焼成して得られるアモルファスカーボン複
合体よりなる。成形加工方法は、常法の成形加工方法を
採用することができるが、フェノール樹脂に炭素材を2
〜60重量%添加した成形材料を予め焼成時の寸法収縮
を見込んだ寸法形状の金型を用い射出成形法により成形
加工することが好ましく、このときセパレータの外形
や、片面又は表裏両面に溝が形成され、焼成時の寸法収
縮を見込んだ金型を用いて射出成形し、得られた成形加
工品を炭化焼成すると、切削加工のような後加工を必要
とせず、良好な形状のアモルファスカーボン複合体製の
燃料電池用セパレータを量産性良く製造することができ
る。
【0014】炭化焼成は真空又は不活性ガス雰囲気中で
行うことが好ましく、真空度は0.1MPa以下が以下
が好ましく、0.05MPa以下がより好ましい。不活
性ガスとしては窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス
等が用いられ、炭化焼成温度は、700〜3000℃が
好ましく、800〜1500℃がより好ましい。炭化焼
成温度が700℃未満では樹脂成形品を完全にアモルフ
ァスカーボン化させることが困難であり、3000℃を
超えるような焼成は、特に必要としない。
行うことが好ましく、真空度は0.1MPa以下が以下
が好ましく、0.05MPa以下がより好ましい。不活
性ガスとしては窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス
等が用いられ、炭化焼成温度は、700〜3000℃が
好ましく、800〜1500℃がより好ましい。炭化焼
成温度が700℃未満では樹脂成形品を完全にアモルフ
ァスカーボン化させることが困難であり、3000℃を
超えるような焼成は、特に必要としない。
【0015】懸濁重合法によって合成されたフェノール
樹脂に炭素材を2〜60重量%添加した成形材料を炭化
焼成して得られるアモルファスカーボン複合体は、真空
中又は不活性ガス雰囲気中では2000℃以上の耐熱性
を有する材料であり、密度が1.3〜1.9g/cm3
(高密度アモルファスカーボンでは1.9g/cm3を
越えるものもある)と軽量であり、かつ曲げ強度が10
0〜220MPa、ショアー硬度が80〜120と高強
度であり、硫酸や塩酸などの酸に強く耐食性がある。ま
た、導電性は比電気抵抗が2〜20×10-3Ω・cmで
あり、燃料電池用セパレータに要求される特性を十分満
たすほど小さく、ガス透過率も10-7〜10-12 cm2
/sと非常に小さいなど、優れた特性を有する材料であ
り、このような特性を有するアモルファスカーボン複合
体は、燃料電池用セパレータとして好適に使用できる。
なお、懸濁重合法によって合成されたフェノール樹脂を
炭化焼成したアモルファスカーボン複合体でなくても、
このような性質を満足するアモルファスカーボン複合体
は燃料電池用セパレータとして好適に使用可能である。
樹脂に炭素材を2〜60重量%添加した成形材料を炭化
焼成して得られるアモルファスカーボン複合体は、真空
中又は不活性ガス雰囲気中では2000℃以上の耐熱性
を有する材料であり、密度が1.3〜1.9g/cm3
(高密度アモルファスカーボンでは1.9g/cm3を
越えるものもある)と軽量であり、かつ曲げ強度が10
0〜220MPa、ショアー硬度が80〜120と高強
度であり、硫酸や塩酸などの酸に強く耐食性がある。ま
た、導電性は比電気抵抗が2〜20×10-3Ω・cmで
あり、燃料電池用セパレータに要求される特性を十分満
たすほど小さく、ガス透過率も10-7〜10-12 cm2
/sと非常に小さいなど、優れた特性を有する材料であ
り、このような特性を有するアモルファスカーボン複合
体は、燃料電池用セパレータとして好適に使用できる。
なお、懸濁重合法によって合成されたフェノール樹脂を
炭化焼成したアモルファスカーボン複合体でなくても、
このような性質を満足するアモルファスカーボン複合体
は燃料電池用セパレータとして好適に使用可能である。
【0016】アモルファスカーボンは、酸化性雰囲気中
では概ね500℃が耐熱温度であり、それより高温では
アモルファスカーボンの構成元素である炭素と酸素が反
応するため、徐々に消耗し減量する。このため上記アモ
ルファスカーボン複合体製のセパレータは主にアルカリ
型燃料電池、リン酸型燃料電池、固体高分子型燃料電池
など比較的低温で動作する燃料電池に使用するのに好適
である。500℃以上で長時間使用するような場合、つ
まり溶融炭酸塩型、固体酸化物型などのように高温で使
用する燃料電池の場合は、上記アモルファスカーボン複
合体を基材とし、その表面の一部又は全部に耐食性、耐
熱性、及び導電性を備えた膜を形成させることで上記特
性を備えており、軽量なセパレータを得ることができ
る。
では概ね500℃が耐熱温度であり、それより高温では
アモルファスカーボンの構成元素である炭素と酸素が反
応するため、徐々に消耗し減量する。このため上記アモ
ルファスカーボン複合体製のセパレータは主にアルカリ
型燃料電池、リン酸型燃料電池、固体高分子型燃料電池
など比較的低温で動作する燃料電池に使用するのに好適
である。500℃以上で長時間使用するような場合、つ
まり溶融炭酸塩型、固体酸化物型などのように高温で使
用する燃料電池の場合は、上記アモルファスカーボン複
合体を基材とし、その表面の一部又は全部に耐食性、耐
熱性、及び導電性を備えた膜を形成させることで上記特
性を備えており、軽量なセパレータを得ることができ
る。
【0017】上記耐食性、耐熱性、及び導電性を備えた
膜としては、例えば導電性セラミック、耐熱合金などの
膜が挙げられ、導電性セラミックの膜としては炭化珪
素、炭化チタン、窒化チタン、LaCoO3 系、LaM
nO3 系、LaCrO3 系ペロブスカイト型酸化物など
を挙げることができ、耐熱合金の膜としてはNi基耐熱
合金膜、Fe基耐熱合金膜などを挙げることができる。
膜の形成方法としては、溶射法、スパッタリング法、熱
CVD(化学蒸着)法、プラズマCVD(化学蒸着)
法、イオンプレーティング法などが挙げられる。アモル
ファスカーボン基材の表面に形成される膜は、厚さが1
0μm〜100μmとなるように形成させることが適当
である。厚さが10μm未満では耐食性、耐熱性、導電
性が十分満たされず、100μmを超えるとかなりコス
ト高となる。
膜としては、例えば導電性セラミック、耐熱合金などの
膜が挙げられ、導電性セラミックの膜としては炭化珪
素、炭化チタン、窒化チタン、LaCoO3 系、LaM
nO3 系、LaCrO3 系ペロブスカイト型酸化物など
を挙げることができ、耐熱合金の膜としてはNi基耐熱
合金膜、Fe基耐熱合金膜などを挙げることができる。
膜の形成方法としては、溶射法、スパッタリング法、熱
CVD(化学蒸着)法、プラズマCVD(化学蒸着)
法、イオンプレーティング法などが挙げられる。アモル
ファスカーボン基材の表面に形成される膜は、厚さが1
0μm〜100μmとなるように形成させることが適当
である。厚さが10μm未満では耐食性、耐熱性、導電
性が十分満たされず、100μmを超えるとかなりコス
ト高となる。
【0018】なお、本発明のセパレータのサイズは特に
限定されるものではなく目的に応じて設計変更できるも
のであって、またその平面形状及び溝形状も目的に応じ
て種々に変更可能である。
限定されるものではなく目的に応じて設計変更できるも
のであって、またその平面形状及び溝形状も目的に応じ
て種々に変更可能である。
【0019】本発明に用いられるフェノール樹脂は、例
えば特開平4−159320号公報に開示されているよ
うに、ノボラック樹脂をヘキサメチレンテトラミンのよ
うなアルカリ触媒兼メチレン架橋剤及び懸濁安定剤の存
在下、水媒体中で懸濁重合を行う方法(自己硬化型変性
ノボラック樹脂法)により、フェノール及びホルムアル
デヒドを塩基性触媒及び懸濁安定剤の存在下、水性媒体
中にて懸濁重合を行う方法等の重合法(固形レゾール樹
脂法)などにより製造されるものを好適に採用すること
ができる。
えば特開平4−159320号公報に開示されているよ
うに、ノボラック樹脂をヘキサメチレンテトラミンのよ
うなアルカリ触媒兼メチレン架橋剤及び懸濁安定剤の存
在下、水媒体中で懸濁重合を行う方法(自己硬化型変性
ノボラック樹脂法)により、フェノール及びホルムアル
デヒドを塩基性触媒及び懸濁安定剤の存在下、水性媒体
中にて懸濁重合を行う方法等の重合法(固形レゾール樹
脂法)などにより製造されるものを好適に採用すること
ができる。
【0020】これらの方法によれば、真球状に近い球状
フェノール樹脂が得られる。さらに、特開平6−206
234号に開示されているように、成形材料に低表面張
力物質を成形材料に対して0.1〜5重量%配合するこ
とが好ましい。より好ましくは0.2〜3重量%配合す
る。低表面張力物質の配合量が成形材料に対して0.1
重量%未満では、成形の際に、成形機のシリンダー内で
閉塞が起こり、連続して成形を行うことが困難になるこ
とがあり、他方、5重量%を越えると成形性の向上効果
が頭打ちとなる傾向にある。低表面張力物質は、融点が
30℃〜160℃、好ましくは40℃〜80℃である常
温で固体状の低融点化合物であり、かつ常温〔25℃〕
で臨界表面張力が約35ダイン/cm以下の潤滑性、離
型性、非付着性等の物質である。融点が30℃未満では
成形時に計量不良が起こる傾向にあり、160℃を超え
ると成形機のシリンダー内で潤滑性が乏しく、安定した
成形性が得られない傾向にある。
フェノール樹脂が得られる。さらに、特開平6−206
234号に開示されているように、成形材料に低表面張
力物質を成形材料に対して0.1〜5重量%配合するこ
とが好ましい。より好ましくは0.2〜3重量%配合す
る。低表面張力物質の配合量が成形材料に対して0.1
重量%未満では、成形の際に、成形機のシリンダー内で
閉塞が起こり、連続して成形を行うことが困難になるこ
とがあり、他方、5重量%を越えると成形性の向上効果
が頭打ちとなる傾向にある。低表面張力物質は、融点が
30℃〜160℃、好ましくは40℃〜80℃である常
温で固体状の低融点化合物であり、かつ常温〔25℃〕
で臨界表面張力が約35ダイン/cm以下の潤滑性、離
型性、非付着性等の物質である。融点が30℃未満では
成形時に計量不良が起こる傾向にあり、160℃を超え
ると成形機のシリンダー内で潤滑性が乏しく、安定した
成形性が得られない傾向にある。
【0021】低表面張力物質の代表的な例としては、ラ
ウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪
酸;ラウリン酸モノグリセライド、エチルステアレー
ト、ステアリン酸モノグリセライド、ソルビタンモノパ
ルミテート、ソルビタンモノステアレート等の高級脂肪
酸エステル;トリラウリン、トリステアリン、硬化ひま
し油等の固形油脂類;ステアリン酸アマイド、エチレン
ビスステアリン酸アマイド等の高級脂肪酸アマイド;セ
チルアルコール、ステアリルアルコール等の高級脂肪族
アルコール;ステアリルメタクリレート、ステアリルア
クリレート等の高級脂肪族(メタ)アクリレート;パラ
フィンワックス等のワックス状炭化水素;パーフルオロ
オクタン酸、9H−ヘキサデカフルオロノナノン酸等の
含多価フッ素高級脂肪酸;N−エチルパーフルオロオク
チルスルホンアミド等の含多価フッ素高級脂肪族スルホ
ンアミド;2−(パーフルオロオクチル)沃化エチル、
2−(パーフルオロデシル)沃化エチル等の含多価フッ
素高級脂肪族沃化物;1H,1H,9H−ヘキサデカフ
ルオロノナノール、2−(パーフルオロオクチル)エタ
ノール、2−(パーフルオロデシル)エタノール等の含
多価フッ素高級脂肪族アルコール;2−(パーフルオロ
デシル)メチルメタクリレート、1H,1H,11H−
アイコサフルオロウンデシルアクリレート等の含多価フ
ッ素高級脂肪族(メタ)アクリレート;パーフルオロド
デカン等の含多価フッ素高級脂肪族炭化水素;2−(P
−オキシ安息香酸メチル・ヘキサフルオロプロペン3量
体付加物等の含多価フッ素脂肪族芳香族化合物、ペンタ
フルオロベンズアミド等の含多価フッ素芳香族炭化水
素;TFEワックス(テトラフルオロエチレンテロマ
ー)、CTFEテロマー(クロロトリフルオロエチレン
テロマー)等の含多価フッ素オリゴマー化合物等、ある
いはこれらの誘導体、これらの一種以上よりなる混合物
並びにこれらに重合触媒等の添加物を配合した組成物等
の低表面張力物質が挙げられる。
ウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪
酸;ラウリン酸モノグリセライド、エチルステアレー
ト、ステアリン酸モノグリセライド、ソルビタンモノパ
ルミテート、ソルビタンモノステアレート等の高級脂肪
酸エステル;トリラウリン、トリステアリン、硬化ひま
し油等の固形油脂類;ステアリン酸アマイド、エチレン
ビスステアリン酸アマイド等の高級脂肪酸アマイド;セ
チルアルコール、ステアリルアルコール等の高級脂肪族
アルコール;ステアリルメタクリレート、ステアリルア
クリレート等の高級脂肪族(メタ)アクリレート;パラ
フィンワックス等のワックス状炭化水素;パーフルオロ
オクタン酸、9H−ヘキサデカフルオロノナノン酸等の
含多価フッ素高級脂肪酸;N−エチルパーフルオロオク
チルスルホンアミド等の含多価フッ素高級脂肪族スルホ
ンアミド;2−(パーフルオロオクチル)沃化エチル、
2−(パーフルオロデシル)沃化エチル等の含多価フッ
素高級脂肪族沃化物;1H,1H,9H−ヘキサデカフ
ルオロノナノール、2−(パーフルオロオクチル)エタ
ノール、2−(パーフルオロデシル)エタノール等の含
多価フッ素高級脂肪族アルコール;2−(パーフルオロ
デシル)メチルメタクリレート、1H,1H,11H−
アイコサフルオロウンデシルアクリレート等の含多価フ
ッ素高級脂肪族(メタ)アクリレート;パーフルオロド
デカン等の含多価フッ素高級脂肪族炭化水素;2−(P
−オキシ安息香酸メチル・ヘキサフルオロプロペン3量
体付加物等の含多価フッ素脂肪族芳香族化合物、ペンタ
フルオロベンズアミド等の含多価フッ素芳香族炭化水
素;TFEワックス(テトラフルオロエチレンテロマ
ー)、CTFEテロマー(クロロトリフルオロエチレン
テロマー)等の含多価フッ素オリゴマー化合物等、ある
いはこれらの誘導体、これらの一種以上よりなる混合物
並びにこれらに重合触媒等の添加物を配合した組成物等
の低表面張力物質が挙げられる。
【0022】フェノール樹脂に添加する炭素材として
は、黒鉛、炭素繊維及びこれらの混合物などが挙げら
れ、黒鉛としては天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末が好まし
い。添加剤として炭素材が優れている点はアモルファス
カーボンと共通する特性を数多く有しており、アモルフ
ァスカーボンとの接合性が良いためである。一般的に炭
素材は、耐熱性、耐薬品性があり、低電気抵抗、低摩擦
係数、高熱伝導性の特性を有する材料であるが、多孔質
であるため曲げ強度、ガス不透過性が悪い材料として知
られている。炭素材の添加割合は、2〜60重量%、好
ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜20重
量%である。添加する量が多いほど複合体の強度が弱く
なったり、アモルファスカーボンと炭素材の結合力が低
下し、粉落ちする問題が発生する。そして炭素材の添加
割合が60重量%を越えると成形材料の溶融粘度が高く
なり、成形性が極端に悪くなる。一方2重量%未満では
添加効果が現れ難い。
は、黒鉛、炭素繊維及びこれらの混合物などが挙げら
れ、黒鉛としては天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末が好まし
い。添加剤として炭素材が優れている点はアモルファス
カーボンと共通する特性を数多く有しており、アモルフ
ァスカーボンとの接合性が良いためである。一般的に炭
素材は、耐熱性、耐薬品性があり、低電気抵抗、低摩擦
係数、高熱伝導性の特性を有する材料であるが、多孔質
であるため曲げ強度、ガス不透過性が悪い材料として知
られている。炭素材の添加割合は、2〜60重量%、好
ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜20重
量%である。添加する量が多いほど複合体の強度が弱く
なったり、アモルファスカーボンと炭素材の結合力が低
下し、粉落ちする問題が発生する。そして炭素材の添加
割合が60重量%を越えると成形材料の溶融粘度が高く
なり、成形性が極端に悪くなる。一方2重量%未満では
添加効果が現れ難い。
【0023】本発明において、天然黒鉛粉末、人造黒鉛
粉末などの粉末状炭素材を添加する場合、中心粒径が小
さいほどフェノール樹脂への分散性が良く、中心粒径が
50μmを越えた場合、強度が低下したり、表面粗度が
悪くなる傾向にある。実用的に用いられる中心粒径とし
ては0.1〜50μmである。炭素繊維の場合は直径が
5μm以下でアスペクト比が150以下である形状のも
のを用いることが好ましい。炭素繊維の直径が5μmを
越えた場合、強度が低下したり、表面粗度が悪くなる傾
向にある。本発明において、炭素繊維のアスペクト比
(長さと直径の比)を上記の如く規定したのは、アスペ
クト比が150を越えた場合、繊維が直線でなく曲率を
もって存在しやすくなり、繊維自体が絡まり樹脂がその
間にうまく入らず、結果として緻密化が困難となって強
度が低下するからである。
粉末などの粉末状炭素材を添加する場合、中心粒径が小
さいほどフェノール樹脂への分散性が良く、中心粒径が
50μmを越えた場合、強度が低下したり、表面粗度が
悪くなる傾向にある。実用的に用いられる中心粒径とし
ては0.1〜50μmである。炭素繊維の場合は直径が
5μm以下でアスペクト比が150以下である形状のも
のを用いることが好ましい。炭素繊維の直径が5μmを
越えた場合、強度が低下したり、表面粗度が悪くなる傾
向にある。本発明において、炭素繊維のアスペクト比
(長さと直径の比)を上記の如く規定したのは、アスペ
クト比が150を越えた場合、繊維が直線でなく曲率を
もって存在しやすくなり、繊維自体が絡まり樹脂がその
間にうまく入らず、結果として緻密化が困難となって強
度が低下するからである。
【0024】炭素材は焼成中に寸法収縮をほとんど起こ
さないため、フェノール樹脂に炭素材を添加する割合が
多いほど、焼成時の体積収縮率及び重量減少率が少なく
なり、寸法のバラツキが小さくなる。また炭素材は焼成
中に分解ガスをほとんど放出しないため、フェノール樹
脂に炭素材を添加する割合が多いほど樹脂成形品からの
発生ガス量が相対的に減り、焼成によるワレやクラック
の発生率が低くなり、厚みの厚い成形品を焼成するとき
に非常に効果がある。
さないため、フェノール樹脂に炭素材を添加する割合が
多いほど、焼成時の体積収縮率及び重量減少率が少なく
なり、寸法のバラツキが小さくなる。また炭素材は焼成
中に分解ガスをほとんど放出しないため、フェノール樹
脂に炭素材を添加する割合が多いほど樹脂成形品からの
発生ガス量が相対的に減り、焼成によるワレやクラック
の発生率が低くなり、厚みの厚い成形品を焼成するとき
に非常に効果がある。
【0025】本発明において、上記フェノール樹脂に
は、同一種類の樹脂の硬化物を添加混合することができ
る。この樹脂硬化物を含む成形材料は、成形加工した
後、成形品を炭化焼成することにより均一なアモルファ
スカーボン材料を与える。前記樹脂硬化物としては、C
ステージ(軟化点が150℃以上になるように硬化させ
たもの)まで硬化させた真球状のフェノール樹脂が好ま
しい。その粒径は500μm以下、より好ましくは5〜
100μmであることが望ましい。またディスクキュア
ー法で測定した熱流動性が0〜10mmであることが望
ましい。樹脂硬化物の添加量は、樹脂硬化物を添加した
全フェノール樹脂成形材料に対して、20〜60重量
%、より好ましくは30〜50重量%であることが望ま
しい。この範囲内では、射出成形時に気泡等を含むこと
なく、成形機のシリンダー内での可塑化溶融状態での熱
安定性に優れ、金型内での硬化性も優れており、しかも
均一なフェノール樹脂成形体を生産性良く得ることが可
能である。20重量%以下の添加量では、十分なシリン
ダー内での熱安定性が得られず、また70重量%では、
溶融樹脂の流動性が低下するので好ましくない。
は、同一種類の樹脂の硬化物を添加混合することができ
る。この樹脂硬化物を含む成形材料は、成形加工した
後、成形品を炭化焼成することにより均一なアモルファ
スカーボン材料を与える。前記樹脂硬化物としては、C
ステージ(軟化点が150℃以上になるように硬化させ
たもの)まで硬化させた真球状のフェノール樹脂が好ま
しい。その粒径は500μm以下、より好ましくは5〜
100μmであることが望ましい。またディスクキュア
ー法で測定した熱流動性が0〜10mmであることが望
ましい。樹脂硬化物の添加量は、樹脂硬化物を添加した
全フェノール樹脂成形材料に対して、20〜60重量
%、より好ましくは30〜50重量%であることが望ま
しい。この範囲内では、射出成形時に気泡等を含むこと
なく、成形機のシリンダー内での可塑化溶融状態での熱
安定性に優れ、金型内での硬化性も優れており、しかも
均一なフェノール樹脂成形体を生産性良く得ることが可
能である。20重量%以下の添加量では、十分なシリン
ダー内での熱安定性が得られず、また70重量%では、
溶融樹脂の流動性が低下するので好ましくない。
【0026】フェノール樹脂と炭素材(さらに必要に応
じて加えられる低表面張力物質及び同一種類の樹脂の硬
化物)との混練は、例えばハイスピードミキサーや二軸
押出機を用いるなど均一に混ぜることができる方法であ
ればいかなる方法を用いても良い。
じて加えられる低表面張力物質及び同一種類の樹脂の硬
化物)との混練は、例えばハイスピードミキサーや二軸
押出機を用いるなど均一に混ぜることができる方法であ
ればいかなる方法を用いても良い。
【0027】混練された成形材料は、少なくとも成形時
には水分含有量が1重量%以下に制御されていることが
好ましい。通常、重合後のフェノール樹脂原料は、数重
量%以上の水分を含有するので、使用に先立っては、上
記限度内に水分が低減するように乾燥しておき、上記混
練を施すのが有効である。この際の乾燥法としては、粒
状フェノール樹脂原料を真空中又は乾燥空気循環下に6
0〜120℃の温度に加熱して行う方法が推奨される。
前記したように成形材料は、水分含有量が1重量%以下
にすることが好ましく、0.5重量%以下にすることが
より好ましい。水分含有量が1重量%を越えると、成形
の際に成形品中に気孔が残り、また成形条件によっては
加水分解等の劣化現象が派生することもある。
には水分含有量が1重量%以下に制御されていることが
好ましい。通常、重合後のフェノール樹脂原料は、数重
量%以上の水分を含有するので、使用に先立っては、上
記限度内に水分が低減するように乾燥しておき、上記混
練を施すのが有効である。この際の乾燥法としては、粒
状フェノール樹脂原料を真空中又は乾燥空気循環下に6
0〜120℃の温度に加熱して行う方法が推奨される。
前記したように成形材料は、水分含有量が1重量%以下
にすることが好ましく、0.5重量%以下にすることが
より好ましい。水分含有量が1重量%を越えると、成形
の際に成形品中に気孔が残り、また成形条件によっては
加水分解等の劣化現象が派生することもある。
【0028】炭素材を上記割合で添加して得られたアモ
ルファスカーボン複合体はアモルファスカーボンの優れ
た特性である軽量性、耐薬品性、低摩擦係数、ガス不透
過性、寸法安定性を損ねることがなく、しかも耐衝撃性
を高くすることができ、比電気抵抗を小さくすることが
できる。
ルファスカーボン複合体はアモルファスカーボンの優れ
た特性である軽量性、耐薬品性、低摩擦係数、ガス不透
過性、寸法安定性を損ねることがなく、しかも耐衝撃性
を高くすることができ、比電気抵抗を小さくすることが
できる。
【0029】
【作用】従来の燃料電池用セパレータにおいては、前記
したようにガス不透過性、耐食性、耐熱性、軽量性など
の要求や、成形加工性に関する要求を十分に満たすもの
がなかった。しかし、本発明の燃料電池用セパレータ
は、懸濁重合法によって合成されたフェノール樹脂に炭
素材を2〜60重量%添加した成形材料を成形加工し、
得られた成形品を炭化焼成して得られるアモルファスカ
ーボン複合体よりなるので、軽量で比電気抵抗が小さ
く、耐衝撃性、耐食性、ガス不透過性に優れ、成形加工
性も良い。特に、成形加工方法として予め焼成収縮を見
込んだ金型を用いて射出成形する方法を採用すると、複
雑な加工をすることができ、切削加工の様な後加工が不
要であり、量産性にも優れるので加工費を低くすること
ができる。さらに燃料電池用セパレータの一部又は全部
に耐食性、耐熱性、及び導電性を備えた被膜を形成させ
たものは、酸化性雰囲気中でもこれら特性がより優れ
る。
したようにガス不透過性、耐食性、耐熱性、軽量性など
の要求や、成形加工性に関する要求を十分に満たすもの
がなかった。しかし、本発明の燃料電池用セパレータ
は、懸濁重合法によって合成されたフェノール樹脂に炭
素材を2〜60重量%添加した成形材料を成形加工し、
得られた成形品を炭化焼成して得られるアモルファスカ
ーボン複合体よりなるので、軽量で比電気抵抗が小さ
く、耐衝撃性、耐食性、ガス不透過性に優れ、成形加工
性も良い。特に、成形加工方法として予め焼成収縮を見
込んだ金型を用いて射出成形する方法を採用すると、複
雑な加工をすることができ、切削加工の様な後加工が不
要であり、量産性にも優れるので加工費を低くすること
ができる。さらに燃料電池用セパレータの一部又は全部
に耐食性、耐熱性、及び導電性を備えた被膜を形成させ
たものは、酸化性雰囲気中でもこれら特性がより優れ
る。
【0030】また、これらのセパレータを積層した燃料
電池は、これらの性能が維持され、寿命が長く信頼性が
あり、軽量にすることができる。
電池は、これらの性能が維持され、寿命が長く信頼性が
あり、軽量にすることができる。
【0031】
【実施例】次に本発明を実施例によって具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例により限定されない。
るが、本発明はこれら実施例により限定されない。
【0032】参考例1 ノボラック樹脂〔三井東圧化学(株)製#600〕15
0重量部を160℃で溶融して、完全けん化ポリビニル
アルコール(重合度約2000)1重量部を溶解した9
0℃の熱水(220重量部)中へ攪拌しながら投入して
分散し懸濁系を形成し、続いてヘキサミン24重量部を
40重量部の温水に溶解して添加し、さらに同温度にて
20分間攪拌を続けて懸濁重合を行い、反応を終了後懸
濁体を固液分離し、乾燥してフェノール樹脂を得た。こ
のフェノール樹脂の特性を表1に示す。ただし、表1に
示すこれらの特性は次の方法で測定した。
0重量部を160℃で溶融して、完全けん化ポリビニル
アルコール(重合度約2000)1重量部を溶解した9
0℃の熱水(220重量部)中へ攪拌しながら投入して
分散し懸濁系を形成し、続いてヘキサミン24重量部を
40重量部の温水に溶解して添加し、さらに同温度にて
20分間攪拌を続けて懸濁重合を行い、反応を終了後懸
濁体を固液分離し、乾燥してフェノール樹脂を得た。こ
のフェノール樹脂の特性を表1に示す。ただし、表1に
示すこれらの特性は次の方法で測定した。
【0033】熱流動性(HPF)は、JIS−K−69
11(1979)5.3.2〔成形材料(円板式)〕の
方法に基づき、試料2gを160℃で1分間1145k
gの荷重下で熱プレスし、形成される円板の直径(最長
径と最短径の平均値)から求めた。平均粒径は、試料を
ガラスプレート上に展開して顕微鏡写真を撮り、任意に
選んだ100個の粒径を測定して、その平均値で示し
た。水分は、赤外線ヒーターを用い、試料10gを80
℃で30分間加熱しその重量減少から求めた。
11(1979)5.3.2〔成形材料(円板式)〕の
方法に基づき、試料2gを160℃で1分間1145k
gの荷重下で熱プレスし、形成される円板の直径(最長
径と最短径の平均値)から求めた。平均粒径は、試料を
ガラスプレート上に展開して顕微鏡写真を撮り、任意に
選んだ100個の粒径を測定して、その平均値で示し
た。水分は、赤外線ヒーターを用い、試料10gを80
℃で30分間加熱しその重量減少から求めた。
【0034】
【表1】
【0035】実施例1 参考例1で得られたフェノール樹脂に中心粒径が0.5
〜30μmである天然黒鉛粉末を20重量%の割合で混
合し、成形材料とした。その際低表面張力物質であるス
テアリン酸とステアリン酸モノグリセライドを成形材料
に対してそれぞれ0.5重量%添加した。この成形材料
を、予め焼成収縮を見込んだ金型を用いて射出成形し,
さらに高性能焼成炉を用い窒素ガス雰囲気中1500℃
で炭化焼成することにより、縦100mm×横100m
m、厚さ2.0mmで表裏両面にガスの流路となる深さ
0.8mm、幅1.0mmの溝を備えたアモルファスカ
ーボン製燃料電池用セパレータを得た。
〜30μmである天然黒鉛粉末を20重量%の割合で混
合し、成形材料とした。その際低表面張力物質であるス
テアリン酸とステアリン酸モノグリセライドを成形材料
に対してそれぞれ0.5重量%添加した。この成形材料
を、予め焼成収縮を見込んだ金型を用いて射出成形し,
さらに高性能焼成炉を用い窒素ガス雰囲気中1500℃
で炭化焼成することにより、縦100mm×横100m
m、厚さ2.0mmで表裏両面にガスの流路となる深さ
0.8mm、幅1.0mmの溝を備えたアモルファスカ
ーボン製燃料電池用セパレータを得た。
【0036】実施例2 実施例1と同様に射出成形を行って得られた成形体を高
性能焼成炉を用い窒素ガス雰囲気中1000℃で炭化焼
成することにより、縦100mm×横100mm、厚さ
2.0mmで表裏両面にガスの流路となる深さ0.8m
m、幅1.0mmの溝を備えたアモルファスカーボン製
燃料電池用セパレータを得た。
性能焼成炉を用い窒素ガス雰囲気中1000℃で炭化焼
成することにより、縦100mm×横100mm、厚さ
2.0mmで表裏両面にガスの流路となる深さ0.8m
m、幅1.0mmの溝を備えたアモルファスカーボン製
燃料電池用セパレータを得た。
【0037】実施例3 参考例1で得られたフェノール樹脂にCステージまで硬
化させた中心粒径が10μmの真球状フェノール樹脂硬
化物を30重量%,および中心粒径が0.5〜30μm
である天然黒鉛粉末を20重量%の割合で混合し、成形
材料とした。この成形材料を、予め焼成収縮を見込んだ
金型を用いて射出成形を行い、さらに高性能焼成炉を用
い窒素ガス雰囲気中900℃で炭化焼成して、縦100
mm×横100mm、厚さ2.0mmで表裏両面にガス
の流路となる深さ0.8mm、幅1.0mmの溝を備え
たアモルファスカーボン製燃料電池用セパレータを得
た。
化させた中心粒径が10μmの真球状フェノール樹脂硬
化物を30重量%,および中心粒径が0.5〜30μm
である天然黒鉛粉末を20重量%の割合で混合し、成形
材料とした。この成形材料を、予め焼成収縮を見込んだ
金型を用いて射出成形を行い、さらに高性能焼成炉を用
い窒素ガス雰囲気中900℃で炭化焼成して、縦100
mm×横100mm、厚さ2.0mmで表裏両面にガス
の流路となる深さ0.8mm、幅1.0mmの溝を備え
たアモルファスカーボン製燃料電池用セパレータを得
た。
【0038】実施例4 実施例1と同様な方法で作成したセパレータを基材と
し、その全面にスパッター法により炭化珪素の膜を30
μmの厚さに形成してアモルファスカーボン製燃料電池
用セパレータを得た。
し、その全面にスパッター法により炭化珪素の膜を30
μmの厚さに形成してアモルファスカーボン製燃料電池
用セパレータを得た。
【0039】実施例5 実施例1と同様な方法で作成したセパレータを基材と
し、その全面にプラズマ溶射法によりLaCrO3 粉末
を吹き付けて膜を30μm形成しアモルファスカーボン
製燃料電池用セパレータを得た。
し、その全面にプラズマ溶射法によりLaCrO3 粉末
を吹き付けて膜を30μm形成しアモルファスカーボン
製燃料電池用セパレータを得た。
【0040】比較例1 セパレータの基材には厚さ0.3mmのステンレス鋼
(SUS304)を用い、プレス成形により基材の表裏
両面にガスの流路となる溝を形成した。溝の形状は溝部
のトータル断面積が実施例1と同様になるようにした。
これにより縦100mm×横100mm、厚み1.44
mmで表裏にガスの流路となる深さ1.14mm、幅
0.7mmの溝を備えたステンレス製燃料電池用セパレ
ータを得た。
(SUS304)を用い、プレス成形により基材の表裏
両面にガスの流路となる溝を形成した。溝の形状は溝部
のトータル断面積が実施例1と同様になるようにした。
これにより縦100mm×横100mm、厚み1.44
mmで表裏にガスの流路となる深さ1.14mm、幅
0.7mmの溝を備えたステンレス製燃料電池用セパレ
ータを得た。
【0041】比較例2 密度が2.0g/cm3 である人造黒鉛ブロックから、
縦100mm×横100mm、厚み2.0mmの人造黒
鉛平板を切り出した。前記人造黒鉛平板の表裏両面に切
削により座繰り加工を施してガスの流路となる溝を形成
した。これにより幅100mm×横100mm、厚み
2.0mmで表裏両面にガスの流路となる深さ約0.8
mm、幅約1.0mmの溝を備えた人造黒鉛製燃料電池
用セパレータを得た。
縦100mm×横100mm、厚み2.0mmの人造黒
鉛平板を切り出した。前記人造黒鉛平板の表裏両面に切
削により座繰り加工を施してガスの流路となる溝を形成
した。これにより幅100mm×横100mm、厚み
2.0mmで表裏両面にガスの流路となる深さ約0.8
mm、幅約1.0mmの溝を備えた人造黒鉛製燃料電池
用セパレータを得た。
【0042】比較例3 中心粒径が100μmの人造黒鉛粉末と熱硬化性フェノ
ール樹脂を(人造黒鉛粉末):(フェノール樹脂)=5
0重量%:50重量%の配合比で、押し出し機にて混練
した後、金型温度150℃のホットプレス機を用いて圧
縮成形した。金型にはガスの流路となる溝が形成されて
おり、縦100mm×横100mm、厚さ2.0mmで
表裏両面にガスの流路となる深さ約0.8mm、幅1.
0mmの溝を備えた黒鉛粉末入り樹脂製燃料電池用セパ
レータ(焼成してない)を得た。
ール樹脂を(人造黒鉛粉末):(フェノール樹脂)=5
0重量%:50重量%の配合比で、押し出し機にて混練
した後、金型温度150℃のホットプレス機を用いて圧
縮成形した。金型にはガスの流路となる溝が形成されて
おり、縦100mm×横100mm、厚さ2.0mmで
表裏両面にガスの流路となる深さ約0.8mm、幅1.
0mmの溝を備えた黒鉛粉末入り樹脂製燃料電池用セパ
レータ(焼成してない)を得た。
【0043】実施例1〜3及び比較例1〜3によって得
られたセパレータの性能評価はセパレータ1枚当たりの
重量、比電気抵抗、耐食性、ガス不透過性について行
い、表2の結果を得た。
られたセパレータの性能評価はセパレータ1枚当たりの
重量、比電気抵抗、耐食性、ガス不透過性について行
い、表2の結果を得た。
【0044】
【表2】
【0045】実施例1〜3のセパレータは焼成収縮を見
込んだ金型で射出成形することにより切削加工のような
後加工を必要とせず、安価に大量生産することができる
ものであった。材料的に軽量でしかも耐食性、ガス不透
過性に優れており、比電気抵抗も十分に小さかった。実
施例1〜3のセパレータは燃料電池のセパレータとして
満足な特性を有するものであった。
込んだ金型で射出成形することにより切削加工のような
後加工を必要とせず、安価に大量生産することができる
ものであった。材料的に軽量でしかも耐食性、ガス不透
過性に優れており、比電気抵抗も十分に小さかった。実
施例1〜3のセパレータは燃料電池のセパレータとして
満足な特性を有するものであった。
【0046】上記実施例4〜5及び比較例1〜3によっ
て得られたセパレータを空気中1000℃にて所定時間
加熱し、耐酸化性試験を行い、セパレータの重量変化に
よって評価した。その結果を表3に示す。
て得られたセパレータを空気中1000℃にて所定時間
加熱し、耐酸化性試験を行い、セパレータの重量変化に
よって評価した。その結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】実施例4〜5、比較例1〜3において、実
施例4〜5は空気中1000℃で1000時間加熱して
もほとんど重量変化が起こらず、耐酸化性があるセパレ
ータであることが分かる。比較例1では重量の増加が大
きく、セパレータ表面が酸化され酸化被膜が形成されて
いる。形成された酸化被膜により導電性が低下する不都
合があった。比較例2、3は空気中1000℃で激しく
酸化されその主構成元素である炭素がCO2 となり放出
され重量減少した。
施例4〜5は空気中1000℃で1000時間加熱して
もほとんど重量変化が起こらず、耐酸化性があるセパレ
ータであることが分かる。比較例1では重量の増加が大
きく、セパレータ表面が酸化され酸化被膜が形成されて
いる。形成された酸化被膜により導電性が低下する不都
合があった。比較例2、3は空気中1000℃で激しく
酸化されその主構成元素である炭素がCO2 となり放出
され重量減少した。
【0049】次に、実施例1〜5のセパレータを電解質
板、アノード電極、カソード電極と共に積層して燃料電
池を製造した。この燃料電池は、全体が非常に軽量であ
り、セパレータが耐食性に優れていることから長寿命で
あった。
板、アノード電極、カソード電極と共に積層して燃料電
池を製造した。この燃料電池は、全体が非常に軽量であ
り、セパレータが耐食性に優れていることから長寿命で
あった。
【0050】
【発明の効果】本発明のアモルファスカーボン複合体製
の燃料電池用セパレータは、軽量かつ高強度であり、耐
熱性、耐食性、ガス不透過性に優れたものであり、この
セパレータを備えた燃料電池は軽量かつ長寿命で信頼性
があるものとなる。また、本発明の方法によれば、この
ようなアモルファスカーボン製の燃料電池用セパレータ
を容易に製造することができ、特に、予め焼成収縮を見
込んだ金型を用いて射出成形すると、切削加工のような
後加工を必要とせず、量産性良くアモルファスカーボン
複合体製の燃料電池用セパレータを得ることができる。
の燃料電池用セパレータは、軽量かつ高強度であり、耐
熱性、耐食性、ガス不透過性に優れたものであり、この
セパレータを備えた燃料電池は軽量かつ長寿命で信頼性
があるものとなる。また、本発明の方法によれば、この
ようなアモルファスカーボン製の燃料電池用セパレータ
を容易に製造することができ、特に、予め焼成収縮を見
込んだ金型を用いて射出成形すると、切削加工のような
後加工を必要とせず、量産性良くアモルファスカーボン
複合体製の燃料電池用セパレータを得ることができる。
【図1】燃料電池の基本構成例を示す斜視図である。
1 アノード 2 電解質膜 3 カソード 4 セパレータ 5 溝
フロントページの続き Fターム(参考) 4G032 AA04 AA14 AA52 BA04 GA06 GA12 5H026 AA03 AA04 AA06 BB00 BB01 BB04 BB10 CC03 CX02 CX04 EE02 EE05 EE08 EE13 EE14 EE18 HH01 HH05 HH06
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくとも一方の面にアノードガス又は
カソードガスの流路を有し、かつアノードガスとカソー
ドガスを分離する機能を有する燃料電池用セパレータに
おいて、この燃料電池用セパレータが懸濁重合法によっ
て合成されたフェノール樹脂に炭素材を2〜60重量%
添加した成形材料を成形し、得られた成形品を炭化焼成
して得られるアモルファスカーボン複合体よりなること
を特徴とする燃料電池用セパレータ。 - 【請求項2】 請求項1記載のアモルファスカーボン複
合体が、密度が1.3〜1.9g/cm3 であり、比電
気抵抗が2〜20×10-3Ω・cmであり、かつガス透
過率が10-7〜10-12 cm2 /sであることを特徴と
する燃料電池用セパレータ。 - 【請求項3】 請求項1記載の炭素材が、中心球径が5
0μm以下の黒鉛粉末及び/又は直径が5μm以下でア
スペクト比が150以下の炭素繊維であることを特徴と
する燃料電池用セパレータ。 - 【請求項4】 請求項1〜3記載のいずれかの燃料電池
用セパレータの一部又は全部に耐食性、耐熱性、及び導
電性を備えた被膜を形成させたものであることを特徴と
する燃料電池用セパレータ。 - 【請求項5】 懸濁重合法によって合成したフェノール
樹脂に炭素材を2〜60重量%添加した成形材料を成形
加工し、得られた成形加工品を真空又は不活性ガス雰囲
気中で炭化焼成することを特徴とする燃料電池用セパレ
ータの製造方法。 - 【請求項6】 成形加工の際、予め焼成収縮を見込んだ
金型を用いて射出成形することを特徴とする請求項5記
載の燃料電池用セパレータの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32113099A JP2001143719A (ja) | 1999-11-11 | 1999-11-11 | 燃料電池用セパレータ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32113099A JP2001143719A (ja) | 1999-11-11 | 1999-11-11 | 燃料電池用セパレータ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001143719A true JP2001143719A (ja) | 2001-05-25 |
Family
ID=18129149
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32113099A Pending JP2001143719A (ja) | 1999-11-11 | 1999-11-11 | 燃料電池用セパレータ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001143719A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003026900A (ja) * | 2001-07-17 | 2003-01-29 | Unitika Ltd | 射出成形用樹脂材料の製造方法 |
JP2003034746A (ja) * | 2001-07-25 | 2003-02-07 | Unitika Ltd | 燃料電池用セパレータを形成するためのフェノール樹脂成形材料 |
JP2003059502A (ja) * | 2001-08-23 | 2003-02-28 | Unitika Ltd | 燃料電池用セパレータの製造方法 |
JP2003068333A (ja) * | 2001-08-27 | 2003-03-07 | Unitika Ltd | 燃料電池用セパレータを形成するための樹脂製品の成形方法 |
JP2003234110A (ja) * | 2002-02-07 | 2003-08-22 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 燃料電池用セパレータ及びその製造方法 |
JP2008288220A (ja) * | 2001-11-20 | 2008-11-27 | General Motors Corp <Gm> | 低接触抵抗pem燃料電池 |
-
1999
- 1999-11-11 JP JP32113099A patent/JP2001143719A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2003026900A (ja) * | 2001-07-17 | 2003-01-29 | Unitika Ltd | 射出成形用樹脂材料の製造方法 |
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US7709116B2 (en) | 2001-11-20 | 2010-05-04 | Gm Global Technology Operations, Inc. | Low contact resistance PEM fuel cell |
JP2003234110A (ja) * | 2002-02-07 | 2003-08-22 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 燃料電池用セパレータ及びその製造方法 |
JP4587632B2 (ja) * | 2002-02-07 | 2010-11-24 | 三菱鉛筆株式会社 | 燃料電池用セパレータ及びその製造方法 |
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