JP2001143527A - 導電ペースト及びそれを用いたセラミック配線基板 - Google Patents

導電ペースト及びそれを用いたセラミック配線基板

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英司 小寺
Hitoshi Nagura
等 名倉
Hironori Sato
裕紀 佐藤
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茂 多賀
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1000℃以下で焼成可能なガラスセラミッ
クからなる基板に、密着強度、ハンダ耐熱性、基板との
焼成マッチングに優れ、導体損失を低減した表層導体を
同時焼成にて形成したセラミック配線基板を提供する。 【構成】 ガラスセラミックからなる未焼成のセラミッ
クグリーンシート上に、銀および白金からなる導電成分
と、モリブデン、タングステン、二酸化マンガン、二酸
化ケイ素、酸化銅からなるフィラー成分とを含む導電ペ
ーストを用いて表層配線を形成した後、1000℃以下
の温度にて前記の未焼成のセラミックグリーンシートと
前記銀/白金表層配線とを同時焼成したセラミック配線
基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラスセラミックから
なるセラミック配線基板等に用いられる導電ペースト及
びそれを用いたセラミック配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化・高性能化に伴
い、電子部品や配線基板に要求される小型化や電気的特
性への要求は厳しくなりつつある。従来より、電子部品
や配線基板を小型化する方法としては、配線や絶縁層を
順次印刷・焼成していく印刷多層技術や、導電ペースト
で配線を印刷形成したセラミックグリーンシートを積層
して同時焼成する多層配線化技術がある。
【0003】しかし、同時焼成による多層配線化技術で
は、絶縁体としてアルミナやチタン酸鉛等の焼成温度が
1000℃以上のセラミック材料を用いるため、配線材
料にはタングステンやパラジウムといった融点が100
0℃以上の高融点金属を用いる必要があった。これらの
高融点金属は導体抵抗が高いため、導体中を流れる電気
信号の損失(いわゆる導体損失)が大きいといった欠点
があり、電気特性への市場の要求を満たすことができな
くなってきている。
【0004】そこで近年は、更なる市場の要求特性に応
えるために、導体抵抗が低い銀、金、銅等を導体材料に
使用可能で、かつ、1000℃以下で焼成可能な低温焼
成材料を用いた配線基板や電子部品が種々開発されてい
る。特に銀は導体抵抗が低く、銅と異なり酸化雰囲気中
でも焼成可能なことから、はやくから低温焼成材料との
同時焼成技術が検討・開発されており、その結果、セラ
ミック配線基板の電気的特性は向上した。
【0005】しかし、銀はハンダにくわれやすかった
り、銀イオンがマイグレーションして配線間が短絡す
る、といった信頼性の問題があるため、そのまま銀を配
線基板の表層配線として用いることはできなかった。基
板のハンダ実装時や集積回路チップ実装時に発生するハ
ンダくわれ対策として、一般には銀配線の表面にニッケ
ルメッキ等を施すが、酸やアルカリ等の薬液による前処
理が導体の基板への密着強度を下げたり、メッキ工程の
追加によるコスト高といった問題をもたらす。
【0006】銀導体のハンダくわれや銀イオンのマイグ
レーションを解決するためには、銀に耐熱性の高いパラ
ジウム又は白金を添加した銀/パラジウム導体又は銀/
白金導体を用いるのが有効である。銀/パラジウムは、
パラジウム濃度が5〜30%の組成において、銀/白金
は、白金濃度が0.1〜5%の組成において、厚膜法に
よるポストファイヤメタライズとしてよく用いられてい
る。尚、「厚膜法によるポストファイヤ」とは、焼成済
みの基板に導電ペーストを印刷して配線を形成した後、
基板の焼成温度以下の温度で導体を焼き付けることをい
う。
【0007】厚膜法によるポストファイヤにて表層配線
を形成する技術としては、以下のような例がある。特開
平4−88067号公報には、銀/パラジウムにマンガ
ンの酸化物と酸化クロムとガラスフリットを添加した導
電ペーストが開示されている。それによって、表層配線
の高温エージング後の密着強度やハンダぬれ性を向上す
る効果が得られている。特公平6−50705号公報に
は、銀に二酸化ケイ素とガラスフリットを添加した導電
ペーストが開示されている。それによって、表層配線の
密着強度やハンダくわれ性を向上する効果が得られてい
る。特公平5−14363号公報には、銀に酸化ビスマ
スと酸化銅と二酸化マンガンとガラスフリットを添加し
た導電ペーストが開示されている。それによって、表層
配線の密着強度やハンダくわれ性を向上する効果が得ら
れている。しかし、これらはいずれも厚膜法によるポス
トファイヤであるため、その分工数が増えてコスト高に
なる。また、ガラスフリットは焼成中に軟化して導体粒
子間に溜まるため、ハンダに導体表面を一層くわれると
ガラスの浮いた導体層が露出してハンダをはじく問題が
ある。更には、銀/パラジウムは導体抵抗が高いため表
層配線において電気信号の導体損失が大きい問題があ
る。
【0008】コスト低減をするために、銀系表層配線を
基板と同時焼成で形成する技術が検討された。上記の厚
膜法と異なり、同時焼成法による例はあまり多く見られ
ない。特開平9−198919号公報及び特開平9−7
4256号公報には、銀に五酸化二バナジウムを添加し
た導電ペーストを用いて、表層配線の密着強度やハンダ
ぬれ性や基板の反りを改善した基板が開示されている。
また、特公平5−74166号公報には、銀、パラジウ
ム、白金等の貴金属にモリブデン、タングステンを添加
した導電ペーストが開示されている。表層配線のハンダ
ぬれ性を改善する効果が得られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】表層配線の導体抵抗を
下げ、且つ、耐ハンダ特性を向上させたセラミック配線
基板を得る目的で、単に銀/白金のみを用いて表層配線
を形成しても、.配線導体の初期密着強度が低い、
.150℃の高温下放置によるエージング試験による
強度劣化が著しい、.260℃の高温ハンダによる耐
熱試験によるハンダくわれが発生する、.同時焼成時
に基板と銀/白金導体との焼成タイミングのミスマッチ
による基板の反りが発生する、といった様々な問題が発
生する。
【0010】上記及びの原因は以下のように推察さ
れる。すなわち、基板と銀/白金導体との接合が、焼成
中に基板から銀/白金導体へ熱拡散したガラス成分によ
ってのみ行われているため、機械的或いは熱的な作用に
よりガラス接合構造が容易に破壊されるからである。ま
た、同時焼成に用いる導体ペーストにガラスフリットを
添加すると、焼成時に配線導体上にガラスが浮いてしま
うため、ガラスフリットレスにする必要がある。したが
って、機械的或いは熱的な作用により容易に破壊されな
い接合構造を形成する添加物が必要となる。
【0011】上記の原因は以下のように推察される。
すなわち、銀に耐熱性の高い白金を添加して耐熱性を向
上させたとはいえ、単にそれだけでは260℃の高温下
での銀のハンダ中への拡散を抑制することができないか
らである。したがって、銀のハンダ中への拡散を抑制す
る効果を有する添加物が必要となる。
【0012】上記の原因は以下のように推察される。
すなわち、銀の粒成長自体は200〜300℃程度の低
温域から進行しているため、軟化点が500℃以上のガ
ラスセラミックからなる基板の焼成収縮とタイミングを
合致することが難しいからである。したがって、銀の焼
成収縮のタイミングを基板の焼成収縮に近づける効果を
有する添加物が必要となる。
【0013】本発明は、上記従来の諸問題を解決するも
のであり、表層配線に銀/白金を用いて未焼成のセラミ
ックと同時焼成しても、配線導体の初期密着強度、ハン
ダぬれ性、高温放置エージングによる劣化特性、260
℃のハンダ耐熱性、基板の反りといった評価項目に優れ
た特性が得られる導電ペーストとそれを用いたセラミッ
ク配線基板を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1は、銀/白金1
00重量部に対して二酸化マンガンを0.2〜1重量
部、酸化銅を0.2〜1重量部、二酸化ケイ素を0.3
〜1重量部、モリブデン及びタングステンの金属粉末を
3〜5.6重量部含有することを特徴とする導電ペース
トを要旨とする。
【0015】該導電ペーストが奏する具体的な効果は以
下のようである。.二酸化マンガンの添加により表層
配線の260℃の高温下でのハンダ耐熱性を向上でき
る。.二酸化ケイ素の添加により表層配線の150℃
高温放置エージング特性を向上できる。.酸化銅の添
加により表層配線の初期密着強度を向上できる。.モ
リブデン及びタングステンの金属粉末の添加により基板
の反りを低減できる。.ガラスフリットを一切含まな
いため、ハンダぬれ性が良好である。
【0016】請求項2は、銀/白金100重量部に対し
て二酸化マンガンを0.2〜1重量部、酸化銅を0.2
〜1重量部、BET法による比表面積が50m2/g以
上で、且つ、1次粒子の平均径が5〜50mμmで、且
つ、純度が99.8%以上の二酸化ケイ素を0.3〜1
重量部、モリブデン及びタングステンの金属粉末を3〜
5.6重量部含有することを特徴とする導電ペーストを
要旨とする。
【0017】該導電ペーストが奏する具体的な効果は以
下のようである。.二酸化マンガンの添加により表層
配線の260℃の高温下でのハンダ耐熱性を向上でき
る。.所定の物性値を有する微粉末状の二酸化ケイ素
の添加により表層配線の150℃高温放置エージング特
性をより効果的に向上できる。150℃高温放置エージ
ング時においては、ハンダ(例えば、錫/鉛共晶ハン
ダ)に含まれる錫が銀/白金の粒界を移行して、配線部
と絶縁部のガラスフリットによるガラス接合界面をアタ
ックして、ガラス接合構造を破壊するため、エージング
特性が劣化することが知られている。そこで、所定の物
性値を有する微粉末状の二酸化ケイ素を用いることで、
錫の移行を抑制し、150℃高温放置エージング特性を
より効果的に向上できる。.酸化銅の添加により表層
配線の初期密着強度を向上できる。.モリブデン及び
タングステンの金属粉末の添加により基板の反りを低減
できる。.ガラスフリットを一切含まないため、ハン
ダぬれ性が良好である。
【0018】請求項3は、ホウケイ酸鉛系ガラスをガラ
ス主成分とするガラスセラミックからなる絶縁部と、銀
を主成分とする配線部からなるセラミック配線基板であ
って、該配線部の少なくとも一部が、銀/白金100重
量部に対して二酸化マンガンを0.2〜1重量部含有す
る銀/白金で構成されることを特徴とするセラミック配
線基板を要旨とする。
【0019】銀/白金100重量部に対して二酸化マン
ガンを0.2〜1重量部含有する銀/白金で構成される
配線部を有するセラミック配線基板は、配線部の信頼性
とコスト低減に優れるメリットがある。また、ガラスフ
リットを一切含まないため、ハンダぬれ性を良好にでき
る。ホウケイ酸鉛系ガラスをガラス主成分とするガラス
セラミックは焼成時の収縮挙動が比較的安定しており、
配線導体との焼成収縮差をあわせ込みやすいメリットが
ある。特には、ガラスの軟化点が650〜780℃の範
囲にあるホウケイ酸鉛系ガラスをガラス主成分とするガ
ラスセラミックが好ましい。
【0020】請求項4は、ホウケイ酸鉛系ガラスをガラ
ス主成分とするガラスセラミックからなる絶縁部と、銀
を主成分とする配線部からなるセラミック配線基板であ
って、該配線部の少なくとも一部が、銀/白金100重
量部に対して二酸化マンガンを0.2〜1重量部、酸化
銅を0.2〜1重量部、二酸化ケイ素を0.3〜1重量
部、モリブデン及びタングステンの金属粉末を3〜5.
6重量部含有する導電ペーストを用いて形成したセラミ
ック配線基板を要旨とする。
【0021】銀/白金に二酸化マンガン、二酸化ケイ
素、酸化銅、モリブデン及びタングステンの金属粉末を
添加した導電ペーストを用いてホウケイ酸鉛系ガラスを
ガラス主成分とするガラスセラミックからなる未焼成基
板上に配線を形成し、同時焼成することで、配線導体の
初期密着強度、高温放置エージングによる劣化特性、2
60℃のハンダ耐熱性、基板の反りといった諸問題を解
決し、信頼性とコスト低減に優れたセラミック配線基板
を提供できる。ホウケイ酸鉛系ガラスをガラス主成分と
するガラスセラミックは焼成時の収縮挙動が比較的安定
しており、配線導体との焼成収縮差をあわせ込みやすい
メリットがある。特には、ガラスの軟化点が650〜7
80℃の範囲にあるホウケイ酸鉛系ガラスをガラス主成
分とするガラスセラミックが好ましい。
【0022】請求項5は、ホウケイ酸鉛系ガラスをガラ
ス主成分とするガラスセラミックからなる絶縁部と、銀
を主成分とする配線部からなるセラミック配線基板であ
って、該配線部の少なくとも一部が、銀/白金100重
量部に対して二酸化マンガンを0.2〜1重量部、酸化
銅を0.2〜1重量部、BET法による比表面積が50
2/g以上で、且つ、1次粒子の平均径が5〜50m
μmで、且つ、純度が99.8%以上の二酸化ケイ素を
0.3〜1重量部、モリブデン及びタングステンの金属
粉末を3〜5.6重量部含有する導電ペーストを用いて
形成したことを特徴とするセラミック配線基板を要旨と
する。
【0023】銀/白金に二酸化マンガン、所定の物性値
を有する微粉末状の二酸化ケイ素、酸化銅、モリブデン
及びタングステンの金属粉末を添加した導電ペーストを
用いてホウケイ酸鉛系ガラスをガラス主成分とするガラ
スセラミックからなる未焼成基板上に配線を形成し、同
時焼成することで、配線導体の初期密着強度、高温放置
エージングによる劣化特性、260℃のハンダ耐熱性、
基板の反りといった諸問題を解決し、信頼性とコスト低
減に優れたセラミック配線基板を提供できる。特には、
所定の物性値を有する微粉末状の二酸化ケイ素の添加に
より、表層配線の150℃高温放置エージング特性をよ
り効果的に向上できる。ホウケイ酸鉛系ガラスをガラス
主成分とするガラスセラミックは焼成時の収縮挙動が比
較的安定しており、配線導体との焼成収縮差をあわせ込
みやすいメリットがある。特には、ガラスの軟化点が6
50〜780℃の範囲にあるホウケイ酸鉛系ガラスをガ
ラス主成分とするガラスセラミックが好ましい。
【0024】請求項3乃至請求項5にいうセラミック配
線基板の例としては、積層型のLCフィルタ、カプラ
(方向性結合器)、ローパスフィルタ内蔵カプラ、電力
分配器、バラン(平衡−不平衡変換素子)、ミキサーモ
ジュール基板、PLLモジュール基板、VCO(電圧制
御形発振器)、TCXO(温度補償形水晶発振器)等の
いわゆる電子部品が挙げられる。通常の共晶ハンダを用
いた実装工程を経ても十分な信頼性を有するセラミック
配線基板が得られる。鉛レスの高融点ハンダを用いたハ
ンダ実装工程にも十分対応可能である。
【0025】上記電子部品以外の適用例としては、フリ
ップチップ接続方式の集積回路チップを電気的に接続す
るための電極パッド群を備えたセラミック配線基板が挙
げられる。具体的には、C4(Controlled Collapse
Chip Connection)法を用いた、いわゆるC4パッケー
ジ、CSP(Chip Size Package)等が挙げられる。
これらのパッケージに抵抗、コンデンサ、インダクタの
うち少なくとも1つを一体化してモジュール化したもの
であっても良い。集積回路チップの接続に、通常の共晶
ハンダを用いた実装工程を経ても十分な信頼性を有する
セラミック配線基板が得られる。また、鉛レスの高融点
ハンダ、或いは金スズを用いた集積回路チップ実装工程
にも十分対応可能である。
【0026】
【実施例】以下に、実施例によって本発明を詳しく説明
する。尚、本発明の実施の形態は以下に記載する構成に
のみ限定されるものではない。
【0027】(1)セラミックグリーンシートの製作 以下の方法により、セラミック配線基板用のセラミック
グリーンシートの製作を行なった。
【0028】セラミック原料として、軟化点が678℃
のホウケイ酸鉛ガラス粉末(組成:SiO2(49
%)、Al23(5%)、B23(5%)、Na2
(2.5%)、K2O(1.5%)、CaO(5%)、
PbO(32%))と市販のα−アルミナ粉末(住友化
学製 Al−S43A)を用意した。有機バインダーと
しては、メタクリル酸エチル系のアクリル樹脂を用意し
た。
【0029】次に、アルミナ製のポットに、上記のガラ
ス粉末とアルミナ粉末とを重量比で1:1、総量で1k
gとなるように秤量して入れた。さらに溶剤としてME
K(メチルエチルケトン)を200g、上記のアクリル
樹脂を100g、可塑剤としてDOP(ジオクチルフタ
レート)を50g、分散剤を5g、上記のポットに入
れ、10時間混合した。こうしてセラミックグリーンシ
ート成形用のスラリーを得た。このスラリーを用いて、
公知のドクターブレード法を用いてシート厚み0.4m
mのセラミックグリーンシートを得た。
【0030】(2)銀/白金導電ペーストの製作 導電成分として、銀粉末(平均粒径3μm)98重量部
と白金粉末(平均粒径0.2μm)2重量部、バインダ
ー成分として、エチルセルロース5重量部とブチルカル
ビトール15重量部と、二酸化マンガン(平均粒径1μ
m)、酸化銅(平均粒径1μm)と、二酸化ケイ素(B
ET法による比表面積380m2/g、1次粒子の平均
径7mμm、純度が99.8%以上)、セラミックグリ
ーンシートに用いたホウケイ酸鉛系ガラスフリット(平
均粒径2.5μm)、モリブデン(平均粒径2.5μ
m)及びタングステン(平均粒径0.6μm)とを表1
及び表2に記載の量比で配合し、これらの混合物を三本
ロールミルを用いて混練して導電ペーストを調製した。
【0031】(3)評価基板の製作 上記(1)で製作したセラミックグリーンシートを4枚
積層圧着し、積層体を製作した。積層体の最上層に上記
(2)で製作した導電ペーストを用いて、焼成後に2m
m□になる所定の大きさで表層配線をスクリーン印刷法
にて形成した。その後、大気雰囲気中で最高保持温度8
40℃で焼成を行った。得られた評価基板の寸法は、5
0mm□×厚み1.35mmであった。一基板上には、
2mm□×厚み20μmの表層配線が100個形成され
ている。
【0032】(4)基板の反りの測定 上記(3)で製作した評価基板の銀/白金配線に発生す
るうねり量を、表面粗度計を用いて測定し、基板の「反
り」として評価した。具体的には、表面粗度計を用いて
表層配線上を評価基板の対角線に沿ってトレースして得
られた凹凸量から表層配線の厚みを差し引いた数値をい
う。反りの値としては、40μm未満のものを合格とし
た。表1においては実測値を示した。表2においては4
0μm未満の合格したものを「○」で示した。結果を表
1及び表2に併記した。
【0033】(5)ハンダぬれ性試験 上記(3)で製作した評価基板を230℃に加熱・溶融
した錫/鉛共晶ハンダ浴に5秒間浸漬し、表層導体上に
ハンダをのせた。銀/白金配線の面積に対するハンダの
面積比を画像処理機を用いて求めた。銀/白金配線の面
積に対するハンダの面積比が95%以上のものを合格と
した。結果を表1及び表2に併記した。
【0034】(6)ハンダ耐熱試験 上記(3)で製作した評価基板を260℃に加熱・溶融
した錫/鉛共晶ハンダ浴に10秒間浸漬し、表層導体上
にハンダをのせる作業を繰り返し行い、1回目、3回
目、5回目の浸漬後のハンダぬれの状態を確認した。ハ
ンダが十分にぬれた状態を合格として「○」、配線がハ
ンダにくわれてなくなった状態を不合格として「×」と
した。3回以上もったものを合格とした。結果を表1及
び表2に併記した。
【0035】(7)密着強度試験 上記(3)で製作した評価基板を230℃に加熱・溶融
した錫/鉛共晶ハンダ浴に5秒間浸漬し、表層導体上に
ハンダをのせた。ハンダののった表層配線に直径0.5
mmのニッケルメッキ付き銅線をハンダ付けし、基板面
の法線方向に20mm/分の速度でリードプルテスター
で引っ張り、表層導体と基板間での破断発生時の強度を
初期強度として測定した。残りの評価基板を大気雰囲気
中で150℃に加熱した恒温槽に入れてエージングを行
った。50時間経過後及び500時間経過後にそれぞれ
取り出し、初期強度と同様にリードプルテスターで引っ
張り、表層導体と基板間での破断発生時の強度を測定し
た。尚、初期強度は3.9kgf/2mm□以上、エー
ジング50時間経過後の密着強度は2.2kgf/2m
m□以上、エージング500時間経過後の密着強度は
1.0kgf/2mm□以上が合格である。結果を表1
及び表2に併記した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】表1は、請求項2に記載の発明に対応する
結果である。本発明の実施例である試料番号2乃至試料
番号6及び試料番号16の結果を見ると、反りが36μ
m以下、ハンダぬれ性が95〜100%、ハンダ耐熱性
が3〜5回、初期密着強度が3.94〜4.43kgf
/2mm□、エージング50時間後の密着強度が2.2
8〜2.88kgf/2mm□、エージング500時間
後の密着強度が1.05〜1.28kgf/2mm□
と、全ての項目において十分合格レベルであった。
【0039】一方、二酸化マンガンの添加量が0.1重
量部の比較例である試料番号1を見ると、反りが40μ
m、ハンダ耐熱性が1回、初期密着強度が3.58kg
f/2mm□、エージング50時間後の密着強度が2.
10kgf/2mm□、エージング500時間後の密着
強度が0.86kgf/2mm□と、合格基準を下回る
結果となった。二酸化マンガンの添加量が0.2重量部
未満では十分な特性が得られないことがわかる。
【0040】また、二酸化マンガンの添加量が1.2重
量部の比較例である試料番号7を見ると、ハンダぬれ性
が70%で不合格で、他の評価項目は合格であった。こ
れは二酸化マンガンの添加量が1.0重量部を越えると
表層配線上に二酸化マンガンが浮いてハンダぬれ性を低
下させたものと推察される。
【0041】ガラスフリット添加した比較例である試料
番号8乃至試料番号11をみると、ハンダぬれ性が30
〜75%、ハンダ耐熱性がすべて1回目で不合格と、特
にハンダ関係で劣る結果となった。表層配線上にガラス
フリットが浮きあがっているため、ハンダぬれ性やハン
ダ耐熱性が著しく劣化したものと推察される。
【0042】酸化ビスマスを添加した比較例である試料
番号12乃至試料番号14をみると、添加量が増えるに
つれてハンダぬれ性やハンダ耐熱性が劣化していくこと
がわかる。酸化ビスマスは二酸化マンガンと異なり、表
層配線上に浮きあがりやすいものと推察される。また、
エージング500時間後の密着強度も1.0kgf/2
mm□未満であり、エージング劣化も大きいことがわか
る。
【0043】尚、試料番号15乃至試料番号17は、二
酸化マンガン添加系に対するモリブデン及びタングステ
ンの添加量の影響を調べたものである。添加量が3重量
部以下の試料番号15を見ると、反りが130μmとか
なり大きくなっている。モリブデン及びタングステンの
添加量の効果は主に反りに利いていることが分かる。一
方、添加量が5.6重量部以上の試料番号17を見る
と、エージング500時間後の密着強度が1.0kgf
/2mm□未満である。添加量が必要以上に多いと、エ
ージング劣化に利いてくることがわかる。
【0044】表2は、請求項1及び請求項3に記載の発
明に対応する結果である。実施例である試料番号18乃
至試料番号22及び試料番号24乃至試料番号26を見
ると、反りが40μm未満、ハンダぬれ性が95〜10
0%、ハンダ耐熱性が3〜5回、初期密着強度が4.3
5〜4.89kgf/2mm□、エージング50時間後
の密着強度が3.11〜3.76kgf/2mm□、エ
ージング500時間後の密着強度が1.35〜2.24
kgf/2mm□と、全ての項目において十分合格レベ
ルであった。
【0045】尚、実施例である試料番号24乃至試料番
号26と比較例である試料番号27は、酸化銅の添加量
の影響を調べた結果である。酸化銅の添加量が増えるに
つれてハンダぬれ性及びハンダ耐熱性が劣化していくこ
とがわかる。全ての特性を合格するには、酸化銅の添加
量は1.0重量部以下にする必要があることがわかる。
【0046】試料番号23は、二酸化ケイ素の添加量が
1.0重量部を越える比較例である。ハンダぬれ性が7
5%、ハンダ耐熱性が1回と、ハンダ関係の特性が劣る
結果となった。これは、二酸化ケイ素の添加量が1.0
重量部を越えると表層配線の上に二酸化ケイ素が浮いた
状態となってハンダ特性を劣化させるものと推察され
る。
【0047】試料番号28乃至試料番号30は、ガラス
フリットを添加した比較例である。ガラスフリットの添
加量が増えるにつれて、やはりハンダぬれ性及びハンダ
耐熱性が劣化していくことがわかる。尚、エージング5
00時間後の密着強度もかなり劣化しているが、これは
ガラスフリットによるガラス結合層がエージング時の加
熱によって強度劣化を促進したものと推察される。
【0048】試料番号31乃至試料番号35は白金添加
量を0〜5重量部の間で変化させた結果である。白金無
添加の比較例である試料番号31では、ハンダぬれ性及
びハンダ耐熱性について大きく劣る結果となった。一
方、白金添加量が0.1〜5重量部の実施例である試料
番号32乃至試料番号35では、全ての評価項目におい
て良好な結果を示した。ハンダ特性については、耐熱性
の高い白金を添加した効果が如実に表れている。尚、白
金添加量を5重量部以上にしない理由は、銀/白金の焼
成温度が銀と比較して100℃以上上がってしまい焼け
なくなるからである。また、高価な白金を多く用いるこ
とによるコスト高も問題となる。したがって、白金添加
量は通常0.1〜5重量部、特性上及びコスト上のバラ
ンスを考えると、0.5〜3重量部の範囲が好ましい。
【0049】本発明の導電ペーストを用いたセラミック
配線基板を応用してマイクロ波回路チップを作成するこ
とができる。
【0050】次に、本発明を適用したマイクロ波回路チ
ップの一例としてのローパスフィルタ内蔵カプラと、そ
れを構成するインダクタンス回路及びキャパシタンス回
路について説明する。
【0051】図1は、携帯電話機に用いられるローパス
フィルタ内蔵カプラを示す概略図である。図1に示すよ
うに、ローパスフィルタ内蔵カプラ10は、8層の絶縁
基板12を積層して構成される。各絶縁基板12は、上
記実施例1の絶縁基板の表面などに必要な回路要素を形
成したものである。ローパスフィルタ内蔵カプラ10の
サイズは、長さ3.2mm、幅1.6mm、高さ1.3
mmである。図1は概略図であり、縦方向の縮尺と横方
向の縮尺とは同一でなないことに留意されたい。ローパ
スフィルタ内蔵カプラ10の両側面に形成された6つの
凹部11には、1つの層の回路要素と他の層の回路要素
とを電気的に接続するための層間導体としての配線13
が設けられている。配線13は、本発明の導電ペースト
を用いて形成した銀/白金で構成されている。尚、配線
13以外の内層導体は銀から構成されている。導体抵抗
をより低く抑えて、伝送ロスを低減する趣旨である。
【0052】図2(a)及び図2(b)は、図1に示す
ローパスフィルタ内蔵カプラの積層基板のうち、インダ
クタンス回路が設けられた基板とキャパシタンス回路が
設けられた基板とを示す図である。
【0053】図2(a)に示す絶縁基板12aには、イ
ンダクタンス回路14a及び14bと、層間導体として
のバイアホール導体16と、該バイアホール導体16と
電気的に接続されたコンタクト領域18とが形成されて
いる。図2(b)に示す絶縁基板12bには、キャパシ
タンス回路20a、20b及び20cが形成され、絶縁
基板12cには、キャパシタンス回路22が形成されて
いる。
【0054】図2(a)に示すインダクタンス回路14
a及び14bと、コンタクト領域18とは、絶縁基板1
2aの上に積層される絶縁基板の回路要素と電気的に接
続され、バイアホール導体16は、絶縁基板12aの下
に積層される絶縁基板の回路要素と電気的に接続され
る。図2(b)に示すキャパシタンス回路20a、20
b及び20cとキャパシタンス回路22との間で形成さ
れる静電容量により、キャパシタンスが形成される。
【0055】次に、上述のローパスフィルタ内蔵カプラ
10の製造方法を、図3を参照して説明する。図3は、
図2(b)に示す絶縁基板12cを9個取りするセラミ
ックグリーンシートの平面図である。グリーンシート3
0の上面には、キャパシタンス回路を形成するための銀
ペーストからなる回路パターン32がスクリーン印刷に
より形成されている。図3において、点線34は各絶縁
基板を形成する際の切断線を示している。この点線34
に沿って、図1に示す凹部11を形成するための通孔3
6がパンチにより打ち抜かれている。
【0056】各絶縁基板12に図2(a)及び図2
(b)に示すような必要な回路パターンを形成したもの
を8層積層し、次に、通孔36の内壁面に本発明の銀/
白金導電ペーストをスクリーン印刷法で印刷する。次
に、図3に示す点線34に沿って切断を行う。次に、絶
縁基板を構成するグリーンシート及び回路パターンを構
成する銀/白金導電ペーストを同時に焼成する。これに
より、図1に示すローパスフィルタ内蔵カプラが得られ
る。
【0057】図4は、本発明が適用されたパワーアンプ
を示す一部切欠断面図である。図4に示すように、パワ
ーアンプ40は、4層の絶縁基板42a〜42dを積層
して構成されるが、積層基板41の中央部にはキャビテ
ィ44が設けられている。キャビティ44の領域におけ
る絶縁基板42c、42dは2層構造をなしている。こ
のキャビティ44を規定する絶縁基板42b上には、集
積回路が作りつけられた半導体チップ46が本発明の銀
/白金導体を介して金/錫ロー材を用いて搭載されてい
る。キャビティ44を取り囲むステップ部48と半導体
チップ46とは、ボンディングワイヤ50により電気的
に接続されている。最上層である第4層の絶縁基板42
d上には、抵抗等のチップ部品52が本発明の銀/白金
導体を介してハンダ実装により取り付けられている。積
層基板41の内部には、銀からなる配線層54やバイア
ホール導体56が設けられている。
【0058】次に、上記パワーアンプの製造方法につい
て説明するが、はじめに、該パワーアンプに用いられる
積層基板の製造方法について説明する。
【0059】上述の実施例1と同様に、グリーンシート
(厚み0.15mm)を作成し、100mm×100m
mの大きさに切断したものを準備する。各層のグリーン
シートには、内層用の回路パターンを銀の導電ペース
ト、表層用の回路パターンを本発明の銀/白金の導電ペ
ーストを用いてスクリーン印刷法によりマトリックス状
に印刷し、また、下から3層目及び4層目となるシート
には、ステップ部48及びキャビティ44を形成するた
めの通孔をマトリックス状に形成する。次に、回路パタ
ーンが印刷されたグリーンシートを積層して、グリーン
シートと回路を形成する銀及び/又は白金導電ペースト
を同時焼成する。焼成した大型積層基板を図6〜図8に
示す。
【0060】図6に示すように、大型積層基板60は、
互いに直交するX方向及びY方向に拡がる多数のチップ
領域62からなり、点線で示す切断線64で切断するこ
とにより、1つの積層基板60から多数個のパワーアン
プ用基板を作ることができる。
【0061】図7は、図6に示す線VII−VIIに沿った断
面図である。図7に示すように、縁部を除く積層基板の
長さは63mmであり、1つのチップ領域の長さは7m
mである。また、積層基板60全体の長さは75mmで
ある。
【0062】図8は、図7に示す部分Sの拡大図であ
る。図8に示すように、積層基板60は、層La、L
b、Lc及びLdからなる。各層には、金属配線、パッ
ド等を形成するために銀メタライズ層が設けられる。層
Laの下面には、本発明の銀/白金メタライズ層が設け
られ、上面には銀メタライズ層が設けられる。層Lb、
層Lc及び層Ldの上面には本発明の銀/白金メタライ
ズ層が設けられる。また、層Laの下面と、層Lb、L
c及びLdの露出部には、メタライズ層を覆うようにし
て絶縁のためのセラミックコートが形成される。このよ
うに、積層基板60は、銀及び/又は白金のメタライズ
層が設けられた絶縁基板を、複数枚積層したものを焼成
したものであるが、上述したように、絶縁基板の組成を
本発明の範囲内とすることにより、該絶縁基板が導体層
と物性的にマッチングするため、上記のような大型積層
基板60を作成しても焼成後の積層基板に反りや変形は
殆どない。
【0063】次に、集積回路及びチップ部品を実装し、
図示しない電磁シールド用メタルキャップが取り付けら
れる。その後、図6に示す点線64で切断する。これに
より、1つの基板から多数のパワーアンプ部品が得られ
る。
【0064】図4に示すパワーアンプは、図5に示す従
来のパワーアンプに比べて小型化している。これは、従
来のパワーアンプ用基板は1層の基板410からなるの
で、基板表面にしか配線及び回路要素を設けることがで
きないため、大きな面積が必要であったためである。本
発明が適用された積層基板では基板内部に配線及び必要
であれば回路要素を設けることができるため、従来より
もコンパクトなパワーアンプが得られる。
【0065】以上のように、本発明の銀/白金メタライ
ズ層を有する積層基板は、大型であっても反りや変形が
ないことが特徴である。たとえば、上記75mm×75
mmの4層の大型積層基板60における焼成後の反りは
40μm以下である。従って、このような大型の積層基
板を用いて、パワーアンプを高い生産効率で作ることが
できる。また、パワーアンプを小型化することができ
る。
【0066】なお、上記実施例では、本発明が適用され
る回路構成として、ローパスフィルタ内蔵カプラとパワ
ーアンプについて説明したが、本発明はローパスフィル
タ、ハイパスフィルタ等のフィルタ回路、その他のマイ
クロ波回路に応用することができる。
【0067】尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態
に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に
属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもな
い。
【0068】
【発明の効果】以上のように、本発明の導電ペーストを
用いれば、ホウケイ酸鉛系ガラスをガラス主成分とする
ガラスセラミックからなる基板に、密着強度、ハンダ耐
熱性、基板との焼成マッチングに優れ、導体損失を低減
した表層配線を容易に同時焼成にて形成することができ
る。かかる導電ペーストを用いたセラミック配線基板
は、ハンダ実装等の実装工程で優れた信頼性を有するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が適用された、携帯電話に用
いられるローパスフィルタ内蔵カプラを示す概略図であ
る。
【図2】図1に示すローパスフィルタ内蔵カプラの積層
基板を示す斜視図であり、(a)は、インダクタンス回
路が設けられた基板を示し、(b)は、キャパシタンス
回路が設けられた基板を示す。
【図3】図2(b)に示す絶縁基板を9個取りするセラ
ミックグリーンシートの平面図である。
【図4】本発明が適用されたパワーアンプを示す一部切
り欠き断面図である。
【図5】従来のパワーアンプの側面図である。
【図6】本発明が適用された大型積層基板を示す斜視図
である。
【図7】図6に示す線VII−VIIに沿う断面図である。
【図8】図7に示す領域Sの拡大図である。
【符号の説明】
10−−−ローパスフィルタ内蔵カプラ 12,12a,12b,12c−−−絶縁基板 13−−−銀/白金導体 14a,14b−−−インダクタンス回路 20a,20b,20c−−−キャパシタンス回路 22−−−キャパシタンス回路 30−−−グリーンシート 32−−−回路パターン 34−−−切断線 40−−パワーアンプ 41−−−積層基板 42a,42b,42c,42d−−−絶縁基板 54−−−銀配線層 56−−−バイアホール銀導体 60−−−大型積層基板 62−−−チップ領域 64−−−切断線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多賀 茂 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 4E351 AA07 BB01 BB31 CC12 CC22 DD05 DD17 DD20 DD31 DD33 DD52 EE02 EE10 EE12 EE13 GG04 GG06 GG15 GG16 5G301 DA03 DA09 DA12 DA14 DA23 DA33 DA42 DD01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀/白金100重量部に対して二酸化マ
    ンガンを0.2〜1重量部、酸化銅を0.2〜1重量
    部、二酸化ケイ素を0.3〜1重量部、モリブデン及び
    タングステンの金属粉末を3〜5.6重量部含有するこ
    とを特徴とする導電ペースト。
  2. 【請求項2】 銀/白金100重量部に対して二酸化マ
    ンガンを0.2〜1重量部、酸化銅を0.2〜1重量
    部、BET法による比表面積が50m2/g以上で、且
    つ、1次粒子の平均径が5〜50mμmで、且つ、純度
    が99.8%以上の二酸化ケイ素を0.3〜1重量部、
    モリブデン及びタングステンの金属粉末を3〜5.6重
    量部含有することを特徴とする導電ペースト。
  3. 【請求項3】 ホウケイ酸鉛系ガラスをガラス主成分と
    するガラスセラミックからなる絶縁部と、銀を主成分と
    する配線部からなるセラミック配線基板であって、 該配線部の少なくとも一部が、銀/白金100重量部に
    対して二酸化マンガンを0.2〜1重量部含有する銀/
    白金で構成されることを特徴とするセラミック配線基
    板。
  4. 【請求項4】 ホウケイ酸鉛系ガラスをガラス主成分と
    するガラスセラミックからなる絶縁部と、銀を主成分と
    する配線部からなるセラミック配線基板であって、 該配線部の少なくとも一部が、銀/白金100重量部に
    対して二酸化マンガンを0.2〜1重量部、酸化銅を
    0.2〜1重量部、二酸化ケイ素を0.3〜1重量部、
    モリブデン及びタングステンの金属粉末を3〜5.6重
    量部含有する導電ペーストを用いて形成したことを特徴
    とするセラミック配線基板。
  5. 【請求項5】 ホウケイ酸鉛系ガラスをガラス主成分と
    するガラスセラミックからなる絶縁部と、銀を主成分と
    する配線部からなるセラミック配線基板であって、 該配線部の少なくとも一部が、銀/白金100重量部に
    対して二酸化マンガンを0.2〜1重量部、酸化銅を
    0.2〜1重量部、BET法による比表面積が50m2
    /g以上で、且つ、1次粒子の平均径が5〜50mμm
    で、且つ、純度が99.8%以上の二酸化ケイ素を0.
    3〜1重量部、モリブデン及びタングステンの金属粉末
    を3〜5.6重量部含有する導電ペーストを用いて形成
    したことを特徴とするセラミック配線基板。
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