JP2001140021A - めっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

めっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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Yoshitsugu Suzuki
善継 鈴木
Chiaki Kato
千昭 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SiやMn等の強化元素を添加した高強度鋼板を
素材とする場合であっても、溶融亜鉛めっき時に不めっ
きを生じることがなく、従ってめっき密着性やプレス加
工性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶
融亜鉛めっき鋼板を提供する。 【解決手段】 C:0.0001〜0.30wt%、Si:3.0 wt%以
下およびMn:0.1 〜3.0wt%を含有する組成になる鋼ス
ラブを、熱間圧延し、ついで必要に応じて冷間圧延を施
したのち、750 ℃以上の温度に加熱後、冷却し、ついで
鋼板の酸洗減量がFe換算で0.05〜5g/m2となる条件で、
鋼板表面を、HFを0.05〜10wt%含有する酸にて酸洗
し、その後連続溶融亜鉛めっきラインにおいて、再度上
記鋼板を露点:0〜−50℃、水素濃度:1〜100vol%の
還元性雰囲気中にて 650℃以上の温度で加熱還元したの
ち、溶融亜鉛めっき処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車体用など
の用途に用いて好適な、めっき密着性に優れた高強度溶
融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、排気ガス規制の観点などから自動
車車体の軽量化が要求されている。車体を軽量化する有
効な手段の一つとして、車体用鋼板の板厚を薄くすると
いう方法があるが、安全性確保のため板厚を薄くする
分、板の強度を向上させる必要がある。そのため、鋼中
にSi, Mn, Cr, C, Pなどの強化元素を複合添加して鋼
板の高強度化が図られている。
【0003】ところで、上記したような高強度鋼板は、
通常、熱間圧延で生じた酸化皮膜(通称、黒皮と呼ばれ
る)を酸洗によって除去したのち、耐食性を付与するた
めに、めっき処理特に溶融亜鉛めっき処理がよく施され
る。しかしながら、これら高強度鋼板が含有するSi, M
n, Cr等は易酸化性元素であるため、多量に含有されて
いると、焼鈍時にSi, Mn, Cr等が鋼板表面に濃化し、溶
融亜鉛との濡れ性を劣化させるため、連続式溶融亜鉛め
っきラインにて焼鈍に引き続き行われる溶融亜鉛めっき
処理時に、不めっき欠陥が発生する。
【0004】上記した不めっきの改善策として、特開平
7−70723 号公報および特開平8−85858 号公報には、
焼鈍後、塩酸や硫酸で表面を酸洗した後に溶融亜鉛めっ
きを施す方法が開示されている。しかしながら、このよ
うな酸洗条件では、焼鈍時に生成したSi, Mn, Cr等の酸
化物を完全に除去することは困難である。この理由は、
特にSiやCrの酸化物が酸に対して難溶性であることか
ら、酸洗で完全に除去されないためであり、その結果、
酸洗後および引き続き行われる溶融亜鉛めっき工程にお
いてもこれら酸化物が鋼板表層に残存する。そのため多
量のSi, Mn, Cr等を含有する鋼板に対してのめっき性改
善効果が不充分であったり、まためっきはできても合金
化反応が進行し難く、難合金化性であったりするという
問題が生じる。
【0005】また、Si等の酸化被膜を除去する方法とし
て、特開平11−92904 号公報には、HFやNaF等を鋼板
表面に残存させることにより、焼鈍過程でSiを揮発させ
て除去する方法が開示されているが、この方法だと、炉
内にSi化合物が飛散、付着するという問題があり、炉内
清掃が必要となるため生産性に悪影響を及ぼす。
【0006】さらに、電気めっき性を改善する方法では
あるが、Si系酸化物を表面研磨と弗化水素ナトリウムを
含む塩酸溶液で酸洗除去する方法が、特開平5−320981
号公報に開示されているが、研磨すると鋼板表面に局所
的に歪みが入る。特に溶融亜鉛めっきは、電気めっきと
は異なり、地鉄表面と亜鉛および浴中アルミとが直接的
に合金化反応を起こすため、歪みが入っていると溶融亜
鉛めっきおよび合金化溶融亜鉛めっき時に異常合金相が
生成され、かえってめっき密着性を劣化させるおそれが
ある。そのため、この方法は、めっき密着性に優れた溶
融亜鉛めっきを得る方法には適用できない。
【0007】また同様の効果を狙った3wt%以下の弗酸
を使用する電気めっきの密着性改善方法が、特開平7−
126888号公報に開示されているが、この方法では酸洗時
の酸洗減量が記載されていない。前述したとおり、溶融
亜鉛めっきは電気めっきとは異なり、地鉄表面と亜鉛お
よび浴中アルミとが直接的に合金化反応を起こすため、
酸洗によってSi系酸化被膜だけでなく地鉄表面を一部除
去することによって、活性化された表面を露出させる必
要がある。この点、特開平7−126888号公報に開示され
ている方法では、必要十分量まで酸洗時に酸洗されない
おそれがあるため、酸洗効果が十分かどうか不明であ
る。従って、溶融亜鉛めっき鋼板や合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板におけるめっき密着性の改善効果に乏しい。
【0008】このように、弗素系化合物を用いることに
よるSi系酸化被膜の除去方法として、溶融亜鉛めっき鋼
板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板に適用可能な適当な方法
は、現在のところ見当たらない。このため、自動車用高
強度材料として魅力のある高強度鋼板であっても、これ
に適切な溶融亜鉛めっきを施す実際的な手段を欠いてい
るのが実状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の実状
に鑑み開発されたもので、SiやMn等の強化元素を添加し
た高強度鋼板を素材とする場合であっても、溶融亜鉛め
っき時に不めっきを生じることがなく、従ってめっき密
着性やプレス加工性を格段に向上させることができる、
高強度溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき
鋼板の有利な製造方法を提案することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
構成は次のとおりである。 1.C:0.0001〜0.30wt%、Si:3.0 wt%以下およびM
n:0.1 〜3.0 wt%を含有する組成になる鋼スラブを、
熱間圧延し、ついで必要に応じて冷間圧延を施したの
ち、750 ℃以上の温度に加熱後、冷却し、ついで鋼板の
酸洗減量がFe換算で0.05〜5g/m2となる条件で、鋼板表
面を、HFを0.05〜10wt%含有する酸にて酸洗し、その
後連続溶融亜鉛めっきラインにおいて、再度上記鋼板を
露点:0〜−50℃、水素濃度:1〜100vol%の還元性雰
囲気中にて 650℃以上の温度で加熱還元したのち、溶融
亜鉛めっき処理を施すことを特徴とするめっき密着性に
優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0011】2.上記1において、鋼スラブが、さらに
Cr:2.0 wt%以下およびP:0.10wt%以下のうちから選
んだ1種または2種を含有する組成になることを特徴と
するめっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の
製造方法。
【0012】3.上記1または2の溶融亜鉛めっき処理
後、さらに加熱合金化処理を施すことを特徴とするめっ
き密着性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製
造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の基になった実験に
ついて説明する C:0.15wt%, Si:1.0 wt%, Mn:1.5 wt%, Cr:0.3
wt%, P:0.01wt%,S:0.003 wt%, Al:0.04wt%,
N:0.002 wt%およびO:0.002 wt%を含有し、残部は
実質的にFeの組成になる厚さ:30mmのシートバーを、12
00℃に加熱後、5パスで厚さ:2.0 mmの熱延板とし、50
0 ℃で巻き取った。ついで、酸洗により黒皮を除去した
のち、加熱炉で 900℃, 80秒間加熱後、室温まで冷却し
てから、0〜20wt%HF, 5.5 wt%HNO3の酸洗液(60℃)
で10秒間酸洗し、酸洗減量がFe換算で0〜10g/m2となる
ように表面濃化物を除去したのち、竪型めっき装置にて
5vol%H2,露点:−30℃の雰囲気下で 750℃, 20秒間
焼鈍したのち、浴中Al濃度:0.15wt%、浴温:465 ℃の
溶融亜鉛浴中にて1秒間のめっき処理を施した。
【0014】かくして得られた溶融亜鉛めっき鋼板のめ
っき特性について調べた結果を、酸洗液中のHF濃度と
酸洗減量との関係で図1に示す。同図に示したように、
酸洗液中のHF濃度が0.05〜10wt%で、かつ酸洗減量が
Fe換算で0.05〜5g/m2の範囲を満足する場合は、めっき
性およびめっき時の合金化性が良好であることが判明し
た。
【0015】ここに、HFを含有する酸で酸洗すること
による効果は、次のとおりと考えられる。すなわち、Si
やCr等の酸化物は塩酸や硫酸などの酸には極めて難溶性
であるため、一次加熱で生成した酸化物を主体とする濃
化層をこれらの酸で完全に除去することは困難である
が、HFはこれらを容易に溶解する効果がある。特にSi
には極めて効果的で、Si系酸化物はHCl, H2SO4等には溶
けないけれども、HFでは容易に溶解除去することがで
きる。そのため、HFで酸洗することにより一次加熱で
生成した酸化物を主体とする濃化層を完全に除去するこ
とが可能となり、その結果、引き続き行われる溶融亜鉛
めっきラインでのめっき性が改善されるものと考えられ
る。
【0016】次に、本発明において素材の成分組成を前
記の範囲に限定した理由について説明する。 C:0.0001〜0.30wt% Cは、必要な強度と加工性を得るため必須の元素である
が、含有量が0.0001wt%に満たないとその添加効果に乏
しく、一方0.30wt%を超えると溶接性が悪化するだけで
なく、セメンタイトなどの析出物がめっき性を劣化させ
る原因となるので、C量は0.0001〜0.30wt%の範囲に限
定した。
【0017】Si:3.0 wt%以下 Siは、固溶強化を助長して強度−伸びバランスを有利に
改善する作用があり、3.0 wt%以下の範囲で使用すれば
加工性が改善される。しかしながら、3.0 wt%を超えて
使用した場合にはめっき性の改善が困難になるので、Si
は 3.0wt%以下で含有させるものとした。
【0018】Mn:0.1 〜3.0 wt% Mnは、強度を得るために必須の元素であり、少なくとも
0.1wt%を必要とするが、3.0 wt%を超えると溶接性が
劣化し、まためっき性の改善も困難になるので、Si量は
0.1〜3.0 wt%の範囲に限定した。
【0019】以上、必須成分について説明したが、本発
明ではその他必要に応じて以下の元素を適宜添加するこ
とができる。 Cr:2.0 wt%以下 Crは、強度を得るために有効な元素であり、必要に応じ
て添加することができる。その際、含有量が 2.0wt%を
超えるとめっき性が劣化するので、Crは 2.0wt%以下の
範囲で含有させることが好ましい。
【0020】P:0.10wt%以下 Pは、高強度鋼板を得るには安価で有効な元素である
が、0.10wt%を超えて含有させるとスポット溶接性が著
しく損なわれるだけでなく、酸洗後にP系酸化物が生成
しめっき性が阻害されることから、Pは0.10wt%以下で
含有させるものとした。
【0021】Nb:0.005 〜0.10wt%、Ti:0.01〜0.20wt
% Nb,Tiはいずれも、析出強化元素であり、適量で使用す
れば溶接性を劣化させることなしに、強度の向上を図る
ことができる。ここに適量とは、Nbは 0.005〜0.10wt
%、Tiは0.01〜0.20wt%の範囲であり、用途に応じて上
記の範囲で含有させることが好ましい。
【0022】Ni:0.001 〜1.0 wt%,Mo:0.001 〜1.0
wt% Ni,Moはいずれも、強度等の機械的性質を向上させる元
素であり、適量で使用すれば良好な材質を得ることがで
きる。しかしながら、いずれも上記の下限に満たないと
その添加効果に乏しく、一方上限を超えるとコストアッ
プにつながるので、それぞれ上記の範囲で含有させるも
のとした。
【0023】次に、本発明に従う各製造工程について説
明する。 熱間圧延工程 この熱間圧延工程は特に限定されるものではなく、常法
に従って行えばよい。
【0024】冷間圧延工程 HF酸洗によるめっき性の改善効果は、熱延、冷延を問
わず得られるため、母材は熱延板・冷延板の種類を問わ
ない。従って、最終用途に応じた板厚とするため、必要
に応じて冷間圧延を行っても良い。なお、冷間圧延にお
ける圧下率は特に限定するものではない。
【0025】連続焼鈍工程 上記の鋼板を連続焼鈍炉(CAL)で加熱する場合、加
熱温度は 750℃以上とする必要がある。というのは、加
熱温度が 750℃に満たないと、鋼板中に含有されるSi,
Mn, Cr等の易酸化性元素のCAL加熱時における表面濃
化量が少ないため、その後のめっき直前におけるCGL
焼鈍時にSi, Mn, Crが再度表面に濃化するおそれがある
からである。従って、 750℃以上で加熱し、鋼板地鉄表
層部におけるSi, Mn, Cr等の易酸化性元素を充分に表面
濃化させてやる必要がある。この一次加熱工程の雰囲気
は特に限定されるものではなく、水素を1〜100vol%含
有するいわゆる還元性雰囲気でも、またNOF(無酸化
炉)等の弱酸化性雰囲気でも構わない。なお後者の場
合、鉄表面は酸化され鉄酸化膜が生成するが、その後の
HF酸洗により、この鉄酸化膜については勿論、鉄酸化
膜と地鉄の間に生成するSi, Mn, Cr等の濃化層も併せて
除去することができるので、先に述べたところと同様な
めっき性改善効果を得ることができる。
【0026】酸洗工程 上記の加熱処理後、冷却したのち、鋼板表面の鋼中成分
の濃化層をHFを含有する酸により酸洗除去する。ここ
に、酸洗液としては、HF単独だけでなく、必要に応じ
てHCl, H2SO4, HNO3, H2O2等他の酸を混合したものを使
用することができ、HF以外の酸については特にその種
類を限定するものではない。いずれにしても、酸洗液中
にHFを0.05〜10wt%の範囲で含有させることが重要で
ある。というのは、HFが0.05wt%未満では、酸洗によ
る表面濃化物の除去効果が不充分であり、一方10wt%を
超えると過酸洗による鋼板表面荒れが起こり、また酸の
原価が高くなってコストの上昇を招くからである。ま
た、かかる酸洗による酸洗減量はFe換算で0.05〜5g/m2
の範囲とする。というのは、酸洗減量が0.05g/m2未満で
は酸洗による表面濃化物の除去効果が不充分であり、一
方5g/m2を超えると過酸洗による鋼板表面の荒れが起こ
るため不適当だからである。
【0027】溶融亜鉛めっき工程 上記の酸洗処理後、連続溶融亜鉛めっきライン(CG
L)にて、上記鋼板を再度加熱還元したのち、溶融亜鉛
めっき処理を施すが、この還元工程では、酸洗後に生成
した鋼板表面の酸化皮膜を還元するために、650 ℃以上
の温度で還元する必要がある。というのは、加熱温度が
650℃未満では酸化皮膜の還元が不充分であるため、そ
の後の溶融亜鉛めっき処理において不めっきや合金化遅
延が生じるおそれがある。なお、加熱温度の上限は特に
限定されるものではないが、あまり高いとSi, Mn, Crが
再度濃化してめっき性が劣化するおそれがあるため、90
0 ℃以下程度が好適である。ここに、焼鈍雰囲気は、酸
化皮膜を還元する必要があるため、露点:0〜−50℃、
水素濃度:1〜100vol%の還元性雰囲気とする必要があ
る。露点が0℃より高いと酸化皮膜が還元しにくく、長
時間の焼鈍が必要となるため好ましくなく、一方−50℃
より低い露点は工業的に実現が困難であるため、露点は
0〜−50℃の範囲とした。また、水素濃度が1 vol%よ
り低いと、同様の理由からやや酸化皮膜が還元しにく
く、長時間の焼鈍が必要となるため、水素濃度は1〜10
0vol%の範囲に限定した。
【0028】合金化工程 また、得られた溶融亜鉛めっき鋼板は、用途に応じて加
熱合金化処理を施すことも可能である。ここに、合金化
処理は、 450〜550 ℃程度、特に好ましくは 480〜520
℃の温度で行うことが望ましい。というのは、 450℃を
下回ると合金化が殆ど進行せず、一方 550℃を超えると
過度の合金化によってめっき密着性の劣化を招くからで
ある。また、合金化後のめっき層中のFe拡散量は、7〜
13wt%の範囲に収めることが望ましい。というのは、7
wt%未満では焼けムラなどが発生するだけでなく、不充
分な合金化のために摺動性が劣化し、一方13wt%を超え
ると過合金によりめっき密着性が劣化するからである。
特に好ましくは8〜11wt%である。なお、加熱合金化手
段としては、従来から公知のガス加熱炉、誘導加熱炉な
どを使用することができ、この点特に限定されるもので
はない。
【0029】
【実施例】表1に示す種々の成分組成になる厚さ:300
mmの連続鋳造スラブを、1200℃に加熱し、3パスの粗圧
延後、7スタンドの仕上げ圧延により厚さ:2.3 mmの熱
延板としたのち、 450〜580 ℃の温度で巻き取った。つ
いで、酸洗後、一部については板厚:1.0 mmまで冷延
後、一方その他については熱延板のままで連続焼鈍ライ
ン(CAL)に通板し、表2に示す条件で加熱処理を施
したのち、同じく表2に示す条件で酸洗処理を施した。
ここに、酸洗は、HFおよびHNO3, HCl, H2SO4との混合
酸を用い、10秒間の酸洗を行った。ついで連続溶融亜鉛
めっきライン(CGL)に導き、表3に示す条件で溶融
亜鉛めっき処理を施した。ここに、溶融亜鉛めっき浴
は、アルミを0.15wt%添加した浴を用い、めっき温度は
465℃、まためっき付着量は両面:40g/m2とした。その
後、さらに、合金化処理を 470〜520 ℃の温度で行っ
た。なお、特にNo.42 については、合金化処理を 570℃
の温度で行った。
【0030】かくして得られた溶融亜鉛めっき鋼板およ
び合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき性、めっき密着
性、合金化後外観および合金化度等について調査した結
果を、表3に併記する。なお、めっき外観については、
目視で観察した上で良好か否か、不めっき発生があるか
否かを判断した。また、合金化状態については合金化
後、目視で合金化ムラ、合金化遅延などが起こっていな
いかどうか確認したうえで評価した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】表3に示したとおり、本発明に従って製造
された適合例はいずれも、不めっき欠陥が発生せず、め
っき性、めっき密着性および合金化後の外観について何
ら問題がなかったのに対し、比較例は、鋼組成、酸洗条
件、CGL焼鈍温度、合金化温度または合金化度等が本
発明条件とは異なるために、不めっき欠陥が発生し、め
っき品質は不良であった。
【0035】
【発明の効果】かくして、本発明によれば、めっき密着
性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融
亜鉛めっき鋼板を得ることができ、従ってかかる鋼板を
適用することにより、自動車の軽量化、低燃費化が可能
となり、ひいては地球環境の改善に大きく貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 溶融亜鉛めっき鋼板のめっき特性に及ぼす酸
洗液中のHF濃度および酸洗減量の影響を示したグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/38 C22C 38/38 Fターム(参考) 4K027 AA02 AA23 AB07 AB28 AB42 AC02 AC12 AC73 AE12 AE33 AE34 4K037 EA04 EA05 EA06 EA11 EA15 EA16 EA17 EA19 EA20 EA23 EA27 EA28 EA31 FA03 FE01 FE02 FH01 FJ05 GA05 GA07 GA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.0001〜0.30wt%、Si:3.0 wt%以下
    およびMn:0.1 〜3.0 wt%を含有する組成になる鋼スラ
    ブを、熱間圧延し、ついで必要に応じて冷間圧延を施し
    たのち、750 ℃以上の温度に加熱後、冷却し、ついで鋼
    板の酸洗減量がFe換算で0.05〜5g/m2となる条件で、鋼
    板表面を、HFを0.05〜10wt%含有する酸にて酸洗し、
    その後連続溶融亜鉛めっきラインにおいて、再度上記鋼
    板を露点:0〜−50℃、水素濃度:1〜100vol%の還元
    性雰囲気中にて 650℃以上の温度で加熱還元したのち、
    溶融亜鉛めっき処理を施すことを特徴とするめっき密着
    性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、鋼スラブが、さらに
    Cr:2.0 wt%以下およびP:0.10wt%以下のうちから選
    んだ1種または2種を含有する組成になることを特徴と
    するめっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の溶融亜鉛めっき処理
    後、さらに加熱合金化処理を施すことを特徴とするめっ
    き密着性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製
    造方法。
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