JP2001139837A - 銅フタロシアニン系染料 - Google Patents

銅フタロシアニン系染料

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    • C09B47/04Phthalocyanines abbreviation: Pc
    • C09B47/08Preparation from other phthalocyanine compounds, e.g. cobaltphthalocyanineamine complex
    • C09B47/24Obtaining compounds having —COOH or —SO3H radicals, or derivatives thereof, directly bound to the phthalocyanine radical
    • C09B47/26Amide radicals

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水溶性のトルコ玉青色染料として好適な新規
銅フタロシアニン染料を提供する。 【解決手段】 銅フタロシアンニン骨格に、[SO2
A](ここに、Aは−N(R)(R1)で表され、Rが水
素、C1〜C4のアルキル基またはヒドロキシアルキル
基、R1がアルキレン鎖中に1〜11の−OH基を含有
するC1〜C12のヒドロキシアルキル基であるアミノ
基)、ならびに[SO2−D](ここに、Dは−N(R 4)
2で表され、R4が水素、C1〜C4のアルキル基、ヒドロ
キシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルキルスル
ホン酸基またはビニルスホン基で置換されたフェニル基
であるアミノ基)を、それぞれ1以上導入した銅フタロ
シアニン系染料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な銅フタロシ
アニン系染料に関し、さらに詳しくは、水溶性のトルコ
玉青色染料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からCIダイレクト ブルー86、
CIベーシック ブルー140などのフタロシアニン系
染料が、紙、繊維、皮革などのトルコ玉青色染色に多用
されている。前者のような直接染料による染色、特に紙
染色においては、染着率を向上させ、そして優れた品質
の染色物品を得るために多量の種々の助剤を使用しなけ
ればならないので、染色コストが高くなるだけでなく、
高度の染色排水処理も必要となる。一方、後者のような
塩基性染料は一般に染着力が極めて強く、多種類のセル
ロースが混在し組成の一定しないパルプなどを原料とし
た紙料の染色に使用した場合、染着性の良好な部分と悪
い部分との間に極端に色濃度の異なった、「斑染め」や
「髭染め」と呼ばれている染色物が得られやすい。
【0003】さらに近年においては、染色コストを低減
し、衛生的な作業環境を保持するために、染料の飛散が
なく、計量、移送および溶解操作が比較的容易な水性液
体染料が多用され始めている。しかしながら、フタロシ
アニン系の水性液体染料は塩感受性が強く、長期保存中
に結晶が析出し易く、また染色浴においても使用する水
の硬度による影響を受け易い。
【0004】特開平10−130517号公報は、フタ
ロシアニン骨格に、−[SO2NR2(Y−COOM)]基
(ここで、R2は水素原子または炭素数1〜4のアルキ
ル基、Yは炭素数1〜6の直鎖状または枝分れしたアル
キレン基、または水酸基、カルボキシル基またはアミノ
基で置換されている炭素数1〜6の直鎖状または枝分れ
したアルキレン基、およびMは1価のカチオン、または
多価のカチオンの1当量である)を導入した水溶性銅フ
タロシアニン染料を開示し、紙またはパルプ中のセルロ
ースを染色する場合に、高い染着力、および、たとえ
ば、耐水性、シリンダー処理耐久性、耐ブリード性、耐
酸性、耐アルカリ性および耐光性などに優れた良好な堅
牢性を有するブリリアント・トルコブルーの染色物が得
られるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、染着力が極
めて強く、それを調整することによりどのような染色条
件においても被染物に全量染着し、かつ斑染めや髭染め
が発生しない、また水性液体とした場合、水硬度の影響
を受けず、かつ長期保存安定性の優れた新規銅フタロシ
アニン染料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するべく鋭意研究した結果、銅フタロシアニン染
料骨格に、ヒドロキシ基を1以上好ましくは3以上を含
有するアルカノールアミノ基を導入することにより、実
用上十分な染着性を有し、かつ水溶液とした場合に塩感
受性が抑制されて極めて優れた安定性を示すことを見出
し、本発明を完成した。
【0007】本発明は、下記一般式(1)
【化3】 〔式中、[Cu−PC]は、銅フタロシアニン骨格を表
し、Aは、−N(R)(R1)(ここで、Rは水素、C1〜C
4のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を表し、R1
はC1〜C12の直鎖状または分枝鎖状のアルキレン鎖中
に1〜11の−OH基を含有するヒドロキシアルキル基
を表す)で表されるアミノ基であり、複数のAが存在す
る場合、それらは同一でも異なっていてもよい、Bは、
−N(R)[R2−N(R3)2](ここで、Rは前記定義のと
おりの意味を有し、R2はC1〜C6の直鎖状または分枝
鎖状のアルキレン鎖を表し、R3は水素、C1〜C3のア
ルキル基またはヒドロキシアルキル基を表し、それらは
同一でも異なっていてもよい)で表されるアミノ基を表
し、複数のBが存在する場合、それらは同一でも異なっ
ていてもよい、Dは、−N(R4)2(ここで、R4は水
素、C1〜C6のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カ
ルボキシアルキル基、アルキルスルホン基またはビニル
スルホン基で置換されたフェニル基を表し、それらは同
一でも異なっていてもよい)で表されるアミノ基を表
し、複数のDが存在する場合、それらは同一でも異なっ
ていてもよい、Mは、水素、アルカリ金属または塩形成
性有機アミンを表し、そしてpは1、2または3、qは
1、2または3、mおよびnはそれぞれ独立して0、
1、2または3であり、かつ(p+q+m+n)は2〜
4の整数である〕で表される銅フタロシアニン系染料を
提供する。
【0008】
【発明を実施するための形態】本発明の銅フタロシアニ
ン系染料は、前記一般式(1)中のAが−N(R)(R1)お
よびBが−N(R)[R2−N(R3)2]である、下記一般式
(2)で表される染着性の優れた水溶性染料である。
【化4】 式中、各符号は、すべて前記定義のとおりの意味を有す
る。
【0009】前記一般式(2)において、Rのそれぞれ
は、たとえば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−
ブチルなどのC1〜C4のアルキル基、ヒドロキシエチ
ル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチルなどのC1
〜C4のようなヒドロキシアルキル基または水素であ
り、好ましくはメチル、エチル、ヒドロキシエチル、ヒ
ドロキシプロピルまたは水素、さらに好ましくはメチル
基または水素であり、それぞれのRは相互に同一でも異
なっていてもよい。
【0010】R1は、たとえば、メチレン、エチレン、
プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレ
ン、ヘプチレン、イソヘプチレン、2−エチルプロピレ
ン、ヘキシレン、エチルブチレン、オクチレン、エチル
ヘキシレン、デセン、ドデセン、エチルデセンなど、C
1〜C12、好ましくはC2〜C6の直鎖状または分岐鎖状
のアルキレン鎖中に、1〜11、好ましくは1〜6、さ
らに好ましくは2〜5のOH基を含有するヒドロキシア
ルキル基である。
【0011】R2は、前記R1で例示したアルキレン鎖の
うち、C1〜C6の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン
鎖、好ましくはエチレンおよびプロピレンである。R3
として、水素、ならびに前記Rとして例示したアルキル
基およびヒドロキシアルキル基のうち、C1〜C4のアル
キル基およびヒドロキシアルキル基が挙げられる。好ま
しいR3は、水素、メチル、エチル、ヒドロキシエチル
およびヒドロキシプロピル、さらに好ましくはメチル、
エチルおよびヒドロキシエチル基であり、R3のそれぞ
れは同一でも異なっていてもよい。
【0012】R4は、水素、C1〜C6のアルキル基、ヒ
ドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルキル
スルホン基およびビニルスルホン基で置換されたフェニ
ル基などである。R4として、水素、C1〜C3のヒドロ
キシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルキルスル
ホン基が好ましく、最も好ましくは水素である。また、
4のそれぞれは同一でも異なっていてもよい。
【0013】Mとして、水素、リチウム、ナトリウム、
カリウムなどのアルカリ金属、エタノールアミン、プロ
パノールアミン、メチルエタノールアミンなどの塩形成
性有機アミンおよびアンモニアが挙げられ、好ましくは
水素、リチウム、ナトリウム、トリエタノールアミンお
よびジイソプロパノールアミンである。
【0014】本発明の前記一般式(1)で表される銅フタ
ロシアニン系染料は、下記の方法で製造することができ
る。銅フタロシアニンに、公知の方法でスルホクロリド
基2〜4個を導入する。次いで、水性アルカリ媒体中で
前記一般式(1)中のAに相当する下記一般式(3)で表さ
れるヒドロキシアルキル基含有アミンを反応させる。 H−N(R)(R1) (3) 式中のRおよびR1は、それぞれ前記定義したとおりの
意味を有する。次に、一般式(1)中のDに相当する下記
一般式(4)で表されるアミンを反応させる。 H−N(R4)2 (4) 式中のR4は、前記定義したとおりの意味を有する。
【0015】前記一般式(1)において、−[SO2−B]
が存在する、すなわち式中のnが0ではない場合には、
Bに相当する下記一般式(5)で表されるアルキルアミノ
基含有アミンを反応させる。 H−N(R)[R2−N(R3)2] (5) 式中のR、R2およびR3は、それぞれ前記定義のとおり
の意味を有する。さらに、残余のスルホクロリドを、ア
ルカリ媒体中で加水分解してスルホン酸に変換すること
により、一般式(1)および(2)で表される銅フタロシア
ニン系染料が得られる。
【0016】さらにまた、化学量論量の塩酸、硫酸、硝
酸、リン酸などの無機酸、蟻酸、酢酸、乳酸、クエン
酸、グリコール酸、スルファミン酸、メタンスルホン酸
などの有機酸、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カ
リウム、アンモニア、水酸化アンモニウムなどの無機ア
ルカリ、エタノールアミン、プロパノールアミン、メチ
ルエタノールアミンなどの有機アルカリ等を反応させる
ことにより、所望の銅フタロシアニン系染料を得ること
ができる。また、この染料は、当業者間に既知の方法を
使用して粉末、顆粒、液状などの任意の形態で製造する
ことができる。
【0017】本発明の銅フタロシアニン系染料は、紙、
パルプ、天然または合成されたセルロース繊維、天然ま
たは合成されたポリアミド繊維、天然または合成された
皮革などに適用して基質を鮮明美麗なトルコ玉青色に着
色、印字、捺染することができ、さらに印刷インク、記
録用インクとしても使用することができる。特に、紙、
パルプなどへの染着性、および水に対する溶解性ならび
に安定性に優れているので、液体染料およびインクに好
適である。
【0018】
【実施例】本発明の銅フタロシアニン系染料を、実施例
によりさらに詳細に説明する。以下の実施例において、
特に断りのない限り、「%」および「部」は重量基準で
ある。
【0019】実施例1 銅フタロシアニン57.3部より製造し、低温保管され
た銅フタロシアニンテトラスルホニルクロリド96.7
部を含む湿ケーキ300部を水1,000部および氷1,
000部中に導入して30分間攪拌した後、20%炭酸
ナトリウム水溶液を添加してpH値を6.5に調整し
た。この溶液を氷で温度を0℃以下に保持しながら、N
−メチルグルカミン40.0部を含む5%水溶液を2時
間にわたって滴下し、さらに20%炭酸ナトリウム水溶
液を添加してpH値を8〜9に、1時間調整保持した。
【0020】反応液のpH値の下降が認められなくなっ
た後、反応温度を5℃に上昇させ、アンモニア1.7部
を含む水溶液20部を添加し、撹拌下に1時間かけて2
0℃まで昇温した後、前記と同様に炭酸ナトリウム水溶
液を加えてpH値を8〜9に調整した。pH値の下降が
認められなくなってから、ジエチルアミノプロピルアミ
ン30.0部を添加した。添加終了後、反応液の温度を
5時間かけて80℃に上昇させた。この期間中、20%
炭酸ナトリウム水溶液を添加してpH値を9.5〜10.
5に調整保持した。さらに80℃に1時間攪拌保持した
後、室温にまで冷却して濾過し、得られたケーキを水5
00部で水洗し、乾燥して、下記式(6)をほぼ有する銅
フタロシアニン系染料120部を得た。
【0021】
【化5】
【0022】この染料の最大吸収スペクトルλmaxは、
pH4.2の水溶液において602.3nmであった。ま
た、この染料は、酢酸、蟻酸、乳酸、グリコール酸、ク
エン酸などの有機酸および塩酸、硫酸、リン酸などの無
機酸の稀酸水溶液に溶解する。 さらに、この染料溶液は、如何なる染色方法を採用した
場合にも、紙料を斑染めおよび髭染めの認められない鮮
明美麗なトルコ玉青色に染色し、それらの染色排水は実
質的に無色であった。
【0023】実施例2 銅フタロシアニン57.3部より製造し、低温保管され
た銅フタロシアニンテトラスルホニルクロリド96.7
部を含む湿ケーキ300部を水1,000部および氷1,
000部中に導入して30分間攪拌した後、20%炭酸
ナトリウム水溶液を添加してpH値を6.5に調整し
た。この溶液を氷で温度を0℃以下に保持しながら、N
−メチルグルカミン40.0部を含む5%水溶液を2時
間にわたって滴下し、さらに20%炭酸ナトリウム水溶
液を添加してpH値を8〜9に、1時間調整保持した。
【0024】反応液のpH値の下降が認められなくなっ
た後、反応温度を5℃に上昇させ、アンモニア1.7部
を10%水溶液として添加した。添加終了後、反応液の
温度を5時間かけて80℃に上昇させた。この期間中、
10%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH値を1
0.5〜11.0に調整保持した。さらに80℃に1時間
攪拌保持した後、室温にまで冷却し塩酸を添加してpH
値を2に調整して濾過した。得られたケーキを水500
部で水洗して、遊離酸の状態でほぼ下記式(7)を有する
銅フタロシアニン系染料125部を含む湿ケーキ400
部を得た。
【0025】
【化6】
【0026】さらに、得られた湿ケーキにトリエタノー
ルアミン60.0部、尿素90.0部および水50.0部
を添加して60℃に昇温し、上記式(7)の遊離酸状態の
染料20.8%を含有する安定な水性溶液600.0部を
得た。この染料の最大吸収スペクトルλmaxは、pH9.
7の水溶液において604.1nmであった。また、この
染料の水性溶液は長期間の保存中に結晶析出などの変質
は認められなかった。さらに、この染料の水性溶液は、
如何なる染色方法を採用した場合にも、紙料を斑染めお
よび髭染めの認められない鮮明美麗なトルコ玉青色に染
色し、それらの染色排水は実質的に無色であった。
【0027】実施例3 銅フタロシアニン57.3部より製造し、低温保管され
た銅フタロシアニンテトラスルホニルクロリド86.9
部を含む湿ケーキ285部を水100部および氷100
部中に導入して30分間攪拌した後、トリエタノールア
ミンを添加してpH値を6.5に調整した。この溶液を
氷で温度を0℃以下に保持しながら、N−メチルグルカ
ミン10.0部を含む5%水溶液を2時間にわたって滴
下し、さらにトリエタノールアミン水溶液を添加してp
H値を8〜9に、1時間調整保持した。
【0028】反応液のpH値の下降が認められなくなっ
た後、反応温度を5℃に上昇させ、アンモニア1.7部
を含む10%水溶液10部を30分掛けて添加し、さら
にトリエタノールアミン30.0部を加えた。添加終了
後、反応液の温度を5時間かけて95℃に上昇させ、そ
の温度にさらに2時間保持した後放冷した。尿素70部
および全量が700部となる量の水を添加し、下記式
(8)を有する染料14.8%を含有する液体染料を得
た。
【0029】
【化7】
【0030】この染料の最大吸収スペクトルλmaxは、
pH9.7の水溶液において607.1nmであった。この
液体染料は、長期保存中に結晶析出などの変質は認めら
れなかった。さらに、この液体染料を用い公知の染色方
法により、紙料、レーヨンおよび皮革に染色した結果、
耐水性および耐光性に優れた美麗なトルコ玉青色に染色
された染物が得られた。
【0031】実施例4〜14 前記実施例1ないし3のいずれかと同様の方法で、原料
の種類、添加量などを変えて、銅フタロシアニン系染料
を製造した。製造した染料の化学構造および最大吸収ス
ペクトルλmaxを、実施例1〜3と共に表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】応用例1 叩解度25度SRのLBKP30部/1,000部のパ
ルプ溶液330部に、実施例1で製造した染料1.0部
を10%酢酸10部に溶解して添加し、5分間攪拌して
パルプを染色した。このパルプ溶液から抄紙して日光堅
牢度および耐水堅牢度の極めて高い、髭染めの認められ
ない美麗な濃トルコ玉青色の紙を得た。抄紙後の染色排
水は無色であった。
【0034】応用例2 実施例8で製造した染料2.0部、水85.0部、トリエ
チレングリコール10.0部およびトリエタノールアミ
ン3.0部で記録液を調製した。この記録液をインクカ
ートリッジに入れ、インクジェットプリンター(エプソ
ン 2000C)に装着して普通紙上に印字し、耐光堅
牢度および耐水堅牢度の優れたシアン色調の印字物を得
た。
【0035】
【発明の効果】本発明の銅フタロシアニン系染料は、前
記一般式(1)に示したように、フタロシアニン骨格に−
[SO2−A]で表されるヒドロキシアルキルアミノスル
ホニル基を導入したことにより、稀酸および稀アルカリ
水溶液に可溶性で、かつ長期保存期間中に結晶析出がな
く変質の認められない安定性の優れた水溶性染料であ
る。
【0036】また、この染料は、染着性が優れ、公知の
方法で種々の基質に染色でき、耐水堅牢度および耐光堅
牢度の高い、斑染めおよび髭染めの認められない鮮明美
麗なトルコ玉青色の染色を与え、その染色排水は実質的
に無色であり、特別な排水処理を必要としない。また、
印刷インクや記録インクとしても美麗な印刷物や印字を
与える。本発明は、新規な水溶性の銅フタロシアニン系
染料を提供するものであり、その産業的意義は極めて大
きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 〔式中、[Cu−PC]は、銅フタロシアニン骨格を表
    し、 Aは、−N(R)(R1)(ここに、Rは水素、C1〜C4
    アルキル基またはヒドロキシアルキル基を表し、R1
    1〜C12の直鎖状または分枝鎖状のアルキレン鎖中に
    1〜11の−OH基を含有するヒドロキシアルキル基を
    表す)で表されるアミノ基であり、複数のAが存在する
    場合、それらは同一でも異なっていてもよい、 Bは、−N(R)[R2−N(R3)2](ここで、Rは前記定
    義のとおりの意味を有し、R2はC1〜C6の直鎖状また
    は分枝鎖状のアルキレン鎖を表し、R3は水素、C1〜C
    3のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を表し、そ
    れらは同一でも異なっていてもよい)で表されるアミノ
    基を表し、複数のBが存在する場合、それらは同一でも
    異なっていてもよい、 Dは、−N(R4)2(ここで、R4は水素、C1〜C6のア
    ルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル
    基、アルキルスルホン基またはビニルスルホン基で置換
    されたフェニル基を表し、それらは同一でも異なってい
    てもよい)で表されるアミノ基を表し、複数のDが存在
    する場合、それらは同一でも異なっていてもよい、 Mは、水素、アルカリ金属または塩形成性有機アミンを
    表し、そしてpは1、2または3、qは1、2または
    3、mおよびnはそれぞれ独立して0、1、2または3
    であり、かつ(p+q+m+n)は2〜4の整数であ
    る〕で表される銅フタロシアニン系染料。
  2. 【請求項2】 下記一般式(2) 【化2】 (式中、各符号は、すべて前記定義のとおりの意味を有
    する)で表される請求項1記載の銅フタロシアニン系染
    料。
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