JP4718655B2 - 銅フタロシアニン系染料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な銅フタロシアニン系染料に関し、さらに詳しくは、水溶性のトルコ玉青色染料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からCIダイレクト ブルー86、CIベーシック ブルー140などのフタロシアニン系染料が、紙、繊維、皮革などのトルコ玉青色染色に多用されている。前者のような直接染料による染色、特に紙染色においては、染着率を向上させ、そして優れた品質の染色物品を得るために多量の種々の助剤を使用しなければならないので、染色コストが高くなるだけでなく、高度の染色排水処理も必要となる。一方、後者のような塩基性染料は一般に染着力が極めて強く、多種類のセルロースが混在し組成の一定しないパルプなどを原料とした紙料の染色に使用した場合、染着性の良好な部分と悪い部分との間に極端に色濃度の異なった、「斑染め」や「髭染め」と呼ばれている染色物が得られやすい。
【0003】
さらに近年においては、染色コストを低減し、衛生的な作業環境を保持するために、染料の飛散がなく、計量、移送および溶解操作が比較的容易な水性液体染料が多用され始めている。しかしながら、フタロシアニン系の水性液体染料は塩感受性が強く、長期保存中に結晶が析出し易く、また染色浴においても使用する水の硬度による影響を受け易い。
【0004】
特開平10−130517号公報は、フタロシアニン骨格に、−[SO2NR2(Y−COOM)]基(ここで、R2は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Yは炭素数1〜6の直鎖状または枝分れしたアルキレン基、または水酸基、カルボキシル基またはアミノ基で置換されている炭素数1〜6の直鎖状または枝分れしたアルキレン基、およびMは1価のカチオン、または多価のカチオンの1当量である)を導入した水溶性銅フタロシアニン染料を開示し、紙またはパルプ中のセルロースを染色する場合に、高い染着力および、たとえば、耐水性、シリンダー処理耐久性、耐ブリード性、耐酸性、耐アルカリ性および耐光性などに優れた良好な堅牢性を有するブリリアント・トルコブルーの染色物が得られるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、染着力が極めて強く、それを調整することによりどのような染色条件においても被染物に全量染着し、かつ斑染めや髭染めが発生しない、また水性液体とした場合、水硬度の影響を受けず、かつ長期保存安定性の優れた新規銅フタロシアニン染料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するべく鋭意研究した結果、銅フタロシアニン染料骨格に、ヒドロキシ基を1以上好ましくは3以上を含有するアルカノールアミノ基を導入することにより、実用上十分な染着性を有し、かつ水溶液とした場合に塩感受性が抑制されて極めて優れた安定性を示すことを見出し、本発明を完成した。
【0007】
本発明は、下記一般式(1)
【化3】
〔式中、[Cu−PC]は、銅フタロシアニン骨格を表し、
Aは、−N(R)(R1)(ここで、Rは水素、C1〜C4のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を表し、R1はC1〜C12の直鎖状または分枝鎖状のアルキレン鎖中に1〜11の−OH基を含有するヒドロキシアルキル基を表す)で表されるアミノ基であり、複数のAが存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい、
Bは、−N(R)[R2−N(R3)2](ここで、Rは前記定義したとおりの意味を有し、R2はC1〜C6の直鎖状または分枝鎖状のアルキレン鎖を表し、R3はそれぞれ独立してC1〜C3のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を表す)で表されるアミノ基を表し、複数のBが存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい、
Mは水素、アルカリ金属または塩形成性有機アミンを表し、そして
pは1〜4の数、mおよびnはそれぞれ独立して0または1〜3の数であり、かつ(p+m+n)は2〜4の数である〕
で表される銅フタロシアニン系染料を提供する。
【0008】
【発明を実施するための形態】
本発明の銅フタロシアニン系染料は、前記一般式(1)中のAが−N(R)(R1)およびBが−N(R)[R2−N(R3)2]である、下記一般式(2)で表される染着性の優れた水溶性染料である。
【化4】
式中、各符号は、すべて前記定義のとおりの意味を有する。
【0009】
前記一般式(2)において、Rのそれぞれは、たとえば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチルなどのC1〜C4のアルキル基、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチルなどのC1〜C4のようなヒドロキシアルキル基または水素であり、好ましくはメチル、エチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルまたは水素、さらに好ましくはメチル基または水素であり、それぞれのRは相互に同一でも異なっていてもよい。
【0010】
R1は、たとえば、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、ヘプチレン、イソヘプチレン、2−エチルプロピレン、ヘキシレン、エチルブチレン、オクチレン、エチルヘキシレン、デセン、ドデセン、エチルデセンなど、C1〜C12、好ましくはC2〜C6の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン鎖中に、1〜11、好ましくは1〜6、さらに好ましくは2〜5のOH基を含有するヒドロキシアルキル基である。
【0011】
R2は、前記R1で例示したアルキレン鎖のうち、C1〜C6の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン鎖、好ましくはエチレンおよびプロピレンである。
R3として、水素、ならびに前記Rとして例示したアルキル基およびヒドロキシアルキル基のうち、C1〜C3のアルキル基およびヒドロキシアルキル基が挙げられる。好ましいR3は、水素、メチル、エチル、ヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピル、さらに好ましくはメチル、エチルおよびヒドロキシエチル基であり、R3のそれぞれは同一でも異なっていてもよい。
【0012】
Mとして、水素、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、エタノールアミン、プロパノールアミン、メチルエタノールアミンなどの塩形成性有機アミンおよびアンモニアが挙げられ、好ましくは水素、リチウム、ナトリウム、トリエタノールアミンおよびジイソプロパノールアミンである。
【0013】
本発明の前記一般式(1)で表される銅フタロシアニン系染料は、下記の方法で製造することができる。
銅フタロシアニンに、公知の方法でスルホクロリド基2〜4個を導入する。
次いで、水性アルカリ媒体中で前記一般式(1)中のAに相当する下記一般式(3)で表されるヒドロキシアルキル基含有アミンを反応させる。
H−N(R)(R1) (3)
式中のRおよびR1は、それぞれ前記定義のとおりの意味を有する。
【0014】
前記一般式(1)において、−[SO2−B]が存在する、すなわち式中のnが0ではない場合には、Bに相当する下記一般式(4)で表されるアルキルアミノ基含有アミンを反応させる。
H−N(R)[R2−N(R3)2] (4)
式中のR、R2およびR3は、それぞれ前記定義のとおりの意味を有する。
さらに、残余のスルホクロリドを、アルカリ媒体中で加水分解してスルホン酸に変換することにより、一般式(1)および(2)で表される銅フタロシアニン系染料が得られる。
【0015】
さらにまた、化学量論量の塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、蟻酸、酢酸、乳酸、クエン酸、グリコール酸、スルファミン酸、メタンスルホン酸などの有機酸、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、アンモニア、水酸化アンモニウムなどの無機アルカリ、エタノールアミン、プロパノールアミン、メチルエタノールアミンなどの有機アルカリ等を反応させることにより、所望の銅フタロシアニン系染料を得ることができる。
また、この染料は、当業者間に既知の方法を使用して粉末、顆粒、液状などの任意の形態で製造することができる。
【0016】
本発明の銅フタロシアニン系染料は、紙、パルプ、天然または合成されたセルロース繊維、天然または合成されたポリアミド繊維、天然または合成された皮革などに適用して基質を鮮明美麗なトルコ玉青色に着色、印字、捺染することができ、さらに印刷インク、記録用インクとしても使用することができる。
特に、紙、パルプなどへの染着性、および水に対する溶解性ならびに安定性に優れているので、液体染料およびインクに好適である。
【0017】
【実施例】
本発明の銅フタロシアニン系染料を、実施例によりさらに詳細に説明する。以下の実施例において、特に断りのない限り、「%」および「部」は重量基準である。但し、実施例4、5、7、8、9、10、12及び13は参考例である。
【0018】
実施例1
銅フタロシアニン57.3部より製造し、低温保管された銅フタロシアニンテトラスルホニルクロリド96.7部を含む湿ケーキ300部を水1,000部および氷1,000部中に導入して30分間攪拌した後、20%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpH値を6.5に調整した。この溶液を氷で温度を0℃以下に保持しながら、N−メチルグルカミン40.0部を含む5%水溶液を2時間にわたって滴下し、さらに20%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpH値を8〜9に、1時間調整保持した。
【0019】
反応液のpH値の下降が認められなくなった後、反応温度を5℃に上昇させ、ジメチルアミノプロピルアミン30.0部を添加した。添加終了後、反応液の温度を5時間かけて80℃に上昇させた。この期間中、20%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpH値を9.5〜10.5に調整保持した。さらに80℃に1時間攪拌保持した後、室温にまで冷却して濾過し、得られたケーキを水500部で水洗し、乾燥して、下記式(5)をほぼ有する銅フタロシアニン系染料137.0部を得た。
【0020】
【化5】
【0021】
この染料の最大吸収スペクトルλmaxは、pH4.2の水溶液において599.5nmであった。また、この染料は、酢酸、蟻酸、乳酸、グリコール酸、クエン酸などの有機酸および塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸の稀酸水溶液に溶解する。
さらに、この染料溶液は、如何なる染色方法を採用した場合にも、紙料を斑染めおよび髭染めの認められない鮮明美麗なトルコ玉青色に染色し、それらの染色排水は実質的に無色であった。
【0022】
実施例2
銅フタロシアニン57.3部より製造し、低温保管された銅フタロシアニンテトラスルホニルクロリド96.7部を含む湿ケーキ300部を水1,000部および氷1,000部中に導入して30分間攪拌した後、20%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpH値を6.5に調整した。この溶液を氷で温度を0℃以下に保持しながら、N−メチルグルカミン20.0部を含む5%水溶液を2時間にわたって滴下し、さらに20%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpH値を8〜9に、1時間調整保持した。
【0023】
反応液のpH値の下降が認められなくなった後、反応温度を5℃に上昇させ、ジエチルアミノプロピルアミン26.0部を添加した。添加終了後、反応液の温度を5時間かけて80℃に上昇させた。この期間中、10%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH値を10.5〜11.0に調整保持した。さらに80℃に1時間攪拌保持した後、室温にまで冷却して濾過し、得られたケーキを水500部で水洗して、遊離酸の状態でほぼ下記式(6)を有する銅フタロシアニン系染料129.0部を含む湿ケーキ370.0部を得た。
【0024】
【化6】
【0025】
さらに、得られた湿ケーキに酢酸60.0部、尿素90.0部および水80.0部を添加して60℃に昇温し、上記式(6)の遊離酸状態の染料21.5%を含有する安定な水性溶液600.0部を得た。
この染料の最大吸収スペクトルλmaxは、pH4.2の水溶液において604.3nmであった。また、この染料の水性溶液は長期間の保存中に結晶析出などの変質は認められなかった。
さらに、この染料の水性溶液は、如何なる染色方法を採用した場合にも、紙料を斑染めおよび髭染めの認められない鮮明美麗なトルコ玉青色に染色し、それらの染色排水は実質的に無色であった。
【0026】
実施例3〜9
前記実施例1または2と同様の方法で、原料の種類、添加量などを変えて、銅フタロシアニン系染料を製造した。
製造した染料の化学構造および最大吸収スペクトルλmaxを、実施例1および2、ならびに後述する実施例10〜13で製造した化合物と共に表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
実施例10
銅フタロシアニン57.3部より製造し、低温保管された銅フタロシアニントリスルホニルクロリド86.9部を含む湿ケーキ285部を水100部および氷100部中に導入して30分間攪拌した後、トリエタノールアミンを添加してpH値を6.5に調整した。この溶液を氷で温度を0℃以下に保持しながら、N−メチルグルカミン40.0部を含む5%水溶液を2時間にわたって滴下し、さらにトリエタノールアミン水溶液を添加してpH値を8〜9に保持した。
【0029】
反応液のpH値の下降が認められなくなった後、反応温度を5℃に上昇させ、トリエタノールアミン30.0部を添加した。添加終了後、反応液の温度を5時間かけて95℃に上昇させた。さらに95℃に2時間保持した後、放冷して尿素65部および全量が650部となる水を添加し、表1中に示す化学構造を有する染料20%を含有する液体染料を得た。
この液体染料は長期間の保存中に結晶析出などの変質は認められなかった。
さらに、この液体染料は、公知の染色方法で、レーヨンおよび皮革を耐水性および耐光性に優れた美麗なトルコ玉青色に染色した。
【0030】
実施例11
銅フタロシアニン57.3部より製造し、低温保管された銅フタロシアニントリスルホニルクロリド86.9部を含む湿ケーキ285部を水1,000部および氷1,000部中に導入して30分間攪拌した後、20%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpH値を6.5に調整した。この溶液を氷で温度を0℃以下に保持しながら、アラビナミン15.1部を含む5%水溶液を2時間にわたって滴下し、さらに20%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpH値を8〜9に1時間保持した。
【0031】
反応液のpH値の下降が認められなくなった後、反応温度を5℃に上昇させ、N−メチル−N−ヒドロキシエチル−1,3−ジアミノプロパン12.8部を添加し、添加終了後反応温度を5時間かけて20℃に上昇させた。pHの下降がほぼ終了した時点で、さらにN,N−ジエチルアミノ−1,3−ジアミノプロパン13.3部を添加し、反応温度を2時間かけて85℃まで上昇させ、同温度で2時間攪拌保持した。次いで、水酸化ナトリウムでpHを11.0に調整し、冷却、濾過、乾燥して、表1に示す化学構造をほぼ有する染料120部を得た。
【0032】
この染料は、酢酸、蟻酸、乳酸、グリコール酸、クエン酸などの有機酸および塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸の稀酸水溶液に溶解する。
さらに、この染料溶液は、如何なる染色方法を採用した場合にも、紙料を斑染めおよび髭染めの認められない鮮明美麗なトルコ玉青色に染色し、それらの染色排水は実質的に無色であった。
【0033】
実施例12
銅フタロシアニン57.3部より製造し、低温保管された銅フタロシアニントリスルホニルクロリド86.9部を含む湿ケーキ285部を水1,000部および氷1,000部中に導入して30分間攪拌した後、20%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpH値を6.5に調整した。この溶液を氷で温度を0℃以下に保持しながら、H2NC(CH2OH)312.1部を含む5%水溶液を2時間にわたって滴下し、さらに20%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpH値を8〜9に1時間保持した。
【0034】
反応液のpH値の下降が認められなくなった後、20%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpH値を10〜11に保持しながら、反応液の温度を約3時間かけて95℃に上昇させた。さらに95℃に1時間保持した後、室温まで冷却し塩酸を添加してpHを1以下に調整し、濾過、乾燥して表1中に示す化学構造をほぼ有する染料90部を得た。
【0035】
この染料は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリ、エタノールアミン、プロパノールアミン、その他の塩形成性有機アミンなどの稀アルカリ溶液に溶解する。
この染料の溶液を印字用インクに適用して、耐水性および耐光性に優れたシアン色調の印刷物を得た。
【0036】
実施例13
銅フタロシアニン57.3部より製造し、低温保管された銅フタロシアニンジスルホニルクロリド80.1部を含む湿ケーキ260部を水1,050部および氷1,000部中に導入して30分間攪拌した後、20%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpH値を6.5に調整した。この溶液を氷で温度を0℃以下に保持しながら、グルカミン18.7部を含む5%水溶液を2時間にわたって滴下し、さらに20%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpH値を8〜9に1時間調整保持した。
【0037】
20%炭酸ナトリウム水溶液でpH値を前記値に保持しながら反応液の温度を約4時間かけて95℃に上昇させた。さらに90〜95℃に1時間保持した後、食塩300部を添加して染料を析出させ、濾過、乾燥して前記表1に示す化学構造をほぼ有する染料92.1部を得た。
この染料は、特に皮革を耐水堅牢度および耐光堅牢度の高いトルコ玉青色に染色した。
【0038】
応用例1
叩解度25度SRのLBKP30部/1,000部のパルプ溶液330部に、実施例2で製造した液体染料3.0部を添加して5分間攪拌し、パルプを染色した。このパルプ溶液から抄紙して日光堅牢度および耐水堅牢度の極めて高い、髭染めの認められない美麗な濃トルコ玉青色の紙を得た。抄紙後の染色排水は無色であった。
【0039】
応用例2
実施例11で製造した染料2.0部、水85.0部、トリエチレングリコール10.0部およびトリエタノールアミン3.0部で記録液を調製した。この記録液をインクカートリッジに入れ、インクジェットプリンター(エプソン 2000C)に装着して普通紙上に印字し、耐光堅牢度および耐水堅牢度の優れたシアン色調の印字物を得た。
【0040】
【発明の効果】
本発明の銅フタロシアニン系染料は、前記一般式(1)に示したように、フタロシアニン骨格に−[SO2−A]で表されるヒドロキシアルキルアミノスルホニル基を導入したことにより、稀酸および稀アルカリ水溶液に可溶性で、かつ長期保存期間中に結晶析出がなく変質の認められない安定性の優れた水溶性染料である。
【0041】
また、この染料は、染着性が優れ、公知の方法で種々の基質に染色でき、耐水堅牢度および耐光堅牢度の高い、斑染めおよび髭染めの認められない鮮明美麗なトルコ玉青色の染色を与え、その染色排水は実質的に無色であり、特別な排水処理を必要としない。また、印刷インクや記録インクとしても美麗な印刷物や印字を与える。
本発明は、新規な水溶性の銅フタロシアニン系染料を提供するものであり、その産業的意義は極めて大きい。
Claims (5)
- 下記一般式(2)
Rは水素、C1〜C4のアルキル基またはモノヒドロキシアルキル基を表し、
R 1 はC 3 〜C 6 の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン鎖中に、2〜5のOH基を含有するヒドロキシアルキル基を表し、
R2はC1〜C6の直鎖状または分枝鎖状のアルキレン鎖を表し、
R3はそれぞれ独立してC1〜C3のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を表し、
Mは、水素、アルカリ金属または塩形成性有機アミンを表し、そして
pは1〜3の数、mは0、1または2の数およびnは1〜3の数であり、かつ(p+m+n)は2〜4の数である〕で表される銅フタロシアニン系染料。 - 下記一般式(2)
Rは水素、C1〜C4のアルキル基またはモノヒドロキシアルキル基を表し、
R 1 はC 5 〜C 6 の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン鎖中に、4〜5のOH基を含有するヒドロキシアルキル基を表し、
R2はC1〜C6の直鎖状または分枝鎖状のアルキレン鎖を表し、
R3はそれぞれ独立してC1〜C3のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を表し、
Mは、水素、アルカリ金属または塩形成性有機アミンを表し、そして
pは1〜3の数、mは0、1または2の数およびnは1〜3の数であり、かつ(p+m+n)は2〜4の数である〕で表される銅フタロシアニン系染料。
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