JP2001139743A - スチレン系樹脂組成物及びそれを用いてなる押出成形品 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物及びそれを用いてなる押出成形品

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JP2001139743A
JP2001139743A JP2000069743A JP2000069743A JP2001139743A JP 2001139743 A JP2001139743 A JP 2001139743A JP 2000069743 A JP2000069743 A JP 2000069743A JP 2000069743 A JP2000069743 A JP 2000069743A JP 2001139743 A JP2001139743 A JP 2001139743A
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Japan
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weight
styrene
resin composition
parts
based resin
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JP2000069743A
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English (en)
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Toshiya Kobayashi
俊哉 小林
Hironaka Matsuyama
拡中 松山
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Zeon Kasei Co Ltd
Original Assignee
Zeon Kasei Co Ltd
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  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 美麗な木目模様を有し、しかも木質感に富
み、且つ強度の優れた硬質押出成形品を与えることので
きるスチレン系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)スチレン系樹脂100重量部、
(B)平均粒径30〜500μmの木粉5〜150重量
部、(C)(メタ)アクリル酸エステル系樹脂1〜20
重量部及び(D)滑剤1〜15重量部を含有してなるス
チレン系樹脂組成物(P)100重量部並びに、(E)
スチレン系樹脂100重量部及び(F)顔料0.1〜1
0重量部を含有してなるスチレン系樹脂組成物(Q)1
〜30重量部からなり、温度180℃、剪断速度100
sec-1における(P)の溶融粘度に対する(Q)の溶
融粘度の比αが1〜50となることを特徴とするスチレ
ン系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木粉を配合したスチ
レン系樹脂組成物及び同組成物を用いてなる押出成形品
に関し、詳しくは美麗な木目模様を有し、しかも木質感
に富み、且つ機械的強度の優れた硬質押出成形品を与え
ることのできるスチレン系樹脂組成物および同組成物を
用いてなる押出成型品に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン−アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体(ABS樹脂)、耐衝撃性ポリスチレン樹脂
(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体
(AS樹脂)、ポリスチレン(PS)などのスチレン系
樹脂は、機械的性質、物理的性質、成形加工性などに優
れることから、建材、OA家電、自動車など幅広い分野
に使用されている。しかし、木質感を表現しようとして
木粉を多量配合すると成形品は強度が大幅に低下する問
題があり、また、いまだ美麗な木目模様を有する機械的
強度の優れた成形物が得られていない。
【0003】明瞭な木目模様と木質感を有する押出成形
品を得ることを目的に、木粉を含む熱可塑性樹脂に顔料
を含む熱可塑性樹脂をブレンドする方法が提案されてい
る(特開平7−149918号公報)。しかし、これに
よっても、木質感を高めようと木粉を多量入れた場合、
木材に似た木目模様を有する押出成形品を安定的に製造
することは困難であることと、且つ、十分な強度を有す
る成型品が得がたいといった欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の状況
に鑑み、美麗な木目模様を有し、しかも木質感に富み、
且つ機械的強度の優れた硬質押出成形品を与えることの
できるスチレン系樹脂組成物を提供することを目的とし
てなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に対し、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂(アクリ
ル酸エステル系樹脂または/およびメタアクリル酸エス
テル系樹脂の意)の存在下に木粉を配合してなるスチレ
ン系樹脂混合物に、特定の溶融粘度比を有する顔料含有
スチレン系樹脂混合物を加えて押出成形することにより
上記目的が達成されることを見出し、この知見に基づい
て本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、
(1)(A)スチレン系樹脂100重量部、(B)平均
粒径30〜500μmの木粉5〜150重量部、(C)
(メタ)アクリル酸エステル系樹脂1〜20重量部及び
(D)滑剤1〜15重量部を含有してなるスチレン系樹
脂組成物(P)100重量部並びに、(E)スチレン系
樹脂100重量部及び(F)顔料0.1〜10重量部を
含有してなるスチレン系樹脂組成物(Q)1〜30重量
部からなり、温度180℃、剪断速度100sec-1
おける(P)の溶融粘度に対する(Q)の溶融粘度の比
αが1〜50となることを特徴とするスチレン系樹脂組
成物、及び、(2)(A)スチレン系樹脂100重量
部、(B)平均粒径30〜500μmの木粉5〜150
重量部、(C)(メタ)アクリル酸エステル系樹脂1〜
20重量部及び(D)滑剤1〜15重量部を含有してな
るスチレン系樹脂組成物(P)100重量部並びに、
(E)スチレン系樹脂100重量部及び(F)顔料0.
1〜10重量部を含有してなるスチレン系樹脂組成物
(Q)1〜30重量部からなり、温度180℃、剪断速
度100sec-1における(P)の溶融粘度に対する
(Q)の溶融粘度の比αが1〜50となるスチレン系樹
脂組成物を用いて押出成形してなる押出成形品、を提供
するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明組成物において、スチレン系樹脂組成物
(P)の(A)成分として使用されるスチレン系樹脂と
は、スチレン,α−メチルスチレンまたはビニルトルエ
ンの単独重合体、またはこれらの共重合体、またはこれ
らを50重量%以上含有した、これらと共重合可能な他
の不飽和単量体との共重合体である。代表的なものとし
ては、ポリスチレン、HIPS、ABS樹脂、AS樹
脂、耐熱性AS樹脂(スチレン−N−フェニルマレイミ
ド−アクリロニトリル共重合体)、ACS樹脂(スチレ
ン−アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン共重合
体)、AES樹脂(スチレン−アクリロニトリル−エチ
レンプロピレンゴム共重合体)、AAS樹脂(スチレン
−アクリルゴム−アクリロニトリル共重合体)等が挙げ
られる。これらのスチレン系樹脂は単独で用いても良い
し、2種以上を混合して用いても良い。前記の共重合可
能な不飽和単量体の例としては、エチレン、プロピレン
等のオレフィン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸等
の不飽和モノカルボン酸;アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−
ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル
等の不飽和モノカルボン酸エステル;アクリルアミド、
メタクリルアミド等の不飽和アミド;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル;マレイン
酸、フマール酸等の不飽和ジカルボン酸;これらのエス
テルおよびこれらの無水物;N−置換マレイミド類;ビ
ニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニル
エーテル;更に塩化ビニリデン等のビニリデン化合物等
を挙げることができ、これらの1種以上を合計50重量
%以下で使用する。
【0007】本発明組成物において、スチレン系樹脂組
成物(P)には、(B)成分として、平均粒径30〜5
00μm、好ましくは50〜100μmの木粉を含有せ
しめる。木粉の含有量は、スチレン系樹脂(A)100
重量部当たり5〜150重量部、好ましくは20〜12
0重量部、さらに好ましくは30〜100重量部であ
る。本発明に用いられる木粉は、樹種には特に制限はな
く、例えば、杉、ツガ、ラワンなどの針葉樹や広葉樹の
材木片、鉋屑、鋸屑などの木材を用いることができる。
これらの木材から本発明組成物において(B)成分とし
て使用する木粉を得るためには、例えば、粉砕機を用い
て木材を上記の平均粒径の比較的丸味を帯びた木粉とす
ることが好ましい。本発明組成物においては、木粉とし
て、特開平5−177610号公報及び特開平5−26
1708号公報に開示されている、表面に硬い小粒子を
付着させた木粉を用いることができる。硬い小粒子が木
粉表面に付着する態様は、木粉への硬い小粒子の喰い込
みを含む抱き込み結合、喰い込み結合された複数の硬い
小粒子の相互による挟み込み結合などの、硬い小粒子の
木粉表面部に対する押しつけ外力による付着であっても
よいし、あるいは木粉に接着剤により硬い小粒子を付着
させてもよい。この場合は、上記の木粉を硬い小粒子1
〜50重量%と共にボールミルなどに仕込み、窒素雰囲
気下におくなど粉塵爆発防止の処理を施して処理するこ
とが好ましい。本発明組成物において、木粉の平均粒径
とは、粉末を篩により分級して目開きに対する累積重量
%曲線を作成し、その50重量%に該当する目開きの値
の読みをいう。木粉の平均粒径が30μm未満である
と、嵩比重が小さくなって組成物調製のため混合操作性
が悪くなるおそれがある。木粉の平均粒径が500μm
を超えると、成形品表面が荒れて、木質感が低下するお
それがある。木粉の含有量が、スチレン系樹脂100重
量部当たり5重量部未満であると、成形品に十分な木質
感を与えることが困難となるおそれがある。木粉の含有
量がスチレン系樹脂100重量部当たり150重量部を
超えると、成形品の機械的強度が低下するおそれがあ
る。木粉の含水率は、10重量%以下であることが好ま
しく、5重量%以下であることがより好ましい。
【0008】本発明組成物において、スチレン系樹脂組
成物(P)の(C)成分として、(メタ)アクリル酸エ
ステル系樹脂が使用される。(メタ)アクリル酸エステ
ル系樹脂は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸オクチル等の炭素数1
〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル
単位を60重量%以上、好ましくは65〜90重量%含
有する、他の共重合可能な単量体との共重合体である。
共重合可能な単量体としては、スチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系化合物;
アクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどの不飽和ニ
トリル類;2−ヒドロキシエチルフマレート、ヒドロキ
シブチルビニルエーテル、マレイン酸モノブチル、メタ
クリル酸グリシジル、メタクリル酸ブトキシエチルなど
が挙げられる。このような(メタ)アクリル酸エステル
系樹脂の市販品の例としては、日本ゼオン(株)製ハイ
ブレンB403、三菱レイヨン(株)製メタブレンP5
30A等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル系
樹脂の添加量は、前記(A)成分のスチレン系樹脂10
0重量部当たり1〜20重量部が必要で、好ましくは3
〜10重量部である。(C)成分の配合量が1重量部未
満であると、スチレン系樹脂の木粉との親和性が低下す
ることにより成形加工時において十分な溶融強度が得ら
れずに、押出成形品を安定に製造することが困難にな
り、機械的強度も劣る傾向がある。また、配合量が20
重量部を超えると、溶融粘度が高くなることから押出ト
ルクが上がり、安定した木目模様が得難くなるおそれが
ある。
【0009】本発明組成物において発泡成型品を得よう
とする場合は、(C)成分として用いられる(メタ)ア
クリル酸エステル系樹脂は、その0.2g/dlクロロ
ホルム溶液の25℃における比粘度の値が、1.2〜
4.0であることが好ましく、2.0〜3.0であるこ
とがより好ましい。この比粘度の値が、1.2未満であ
ると、発泡成型品の木質感が低下するおそれがある。こ
の比粘度の値が4.0を超えると、組成物を均一に混練
するために要する時間が長くなるおそれがある。
【0010】本発明組成物において、スチレン系樹脂組
成物(P)の(D)成分に用いられる滑剤としては、公
知の滑剤を使用することができる。具体的には、炭化水
素系滑剤、脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、エステ
ル系滑剤、脂肪アルコール系滑剤、多価アルコール系滑
剤、脂肪酸と多価アルコール部分エステル系滑剤、金属
石鹸系滑剤及びこれらの複合系滑剤からなる群から選択
される少なくとも1種以上の滑剤が用いられる。これら
の滑剤は(A)スチレン系樹脂100重量部当たり1〜
15重量部であり、好ましくは3〜10重量部である。
(D)成分の含有量が(A)スチレン系樹脂100重量
部当たり1重量部未満であると、成形時の溶融樹脂のす
べりが悪く、例えば、押出機の押出トルクが上がり、安
定した木目模様が得難くなる傾向がある。(D)成分の
含有量が15重量部を超えると、十分な溶融状態が得ら
れずに、成形時にサージングなどの問題を生じやすくな
る。
【0011】本発明組成物において、スチレン系樹脂組
成物(Q)の(E)成分として使用されるスチレン系樹
脂は、前記の(A)成分として使用されるスチレン系樹
脂と同一の樹脂であってもよいし、また、(A)成分の
例として前出の列挙した群の中から(A)成分として採
用した以外のスチレン系樹脂を選定して用いてもよい。
【0012】本発明組成物において、スチレン系樹脂組
成物(Q)の(F)成分に用いられる顔料は、無機系、
有機系のいずれでもよい。顔料(F)は、(E)スチレ
ン系樹脂100重量部当たり0.1〜10重量部であ
り、好ましくは1〜5重量部である。(F)顔料の含有
量が0.1重量部未満であると、成形品の木目模様がぼ
やけるおそれがある。一方、(F)成分が10重量部を
超えると、成形品の自然な木質感がかえって損なわれる
おそれがある。色相としては、白色,黒色,赤色,青
色,黄色,緑色,橙色,紫色,灰色など任意の色相をも
った市販の顔料の中から使用目的に応じて任意のものを
選んで用いることができる。
【0013】本発明組成物は、上記(A)〜(D)成分
を必須成分として含有するスチレン系樹脂組成物(P)
と、上記(E)成分及び(F)成分を必須成分として含
有するスチレン系樹脂組成物(Q)とからなる。尚、ス
チレン系樹脂組成物(P)は、本発明の目的を害さない
範囲で(F)成分を含有することができ、スチレン系樹
脂組成物(Q)は、本発明の目的を害さない範囲で
(B)、(C)または(D)成分を含有することができ
る。スチレン系樹脂組成物(P)とスチレン系樹脂組成
物(Q)の配合割合は、スチレン系樹脂組成物(P)1
00重量部に対し、スチレン系樹脂組成物(Q)が1〜
30重量部、好ましくは2〜20重量部、さらに好まし
くは4〜10重量部である。スチレン系樹脂組成物
(P)100重量部に対し、スチレン系樹脂組成物
(Q)が1重量部未満であると鮮明な木目模様が得られ
ないおそれがある。スチレン系樹脂組成物(P)に対
し、スチレン系樹脂組成物(Q)が30重量部を超える
と、樹脂の流動性が悪くなり、木目模様が得難くなる傾
向がある。スチレン系樹脂組成物(P)の溶融粘度は、
温度180℃、剪断速度100sec-1において1.0
×10〜1.0×10であることが好ましい。本発
明において、木目模様を明瞭に現出させるために、スチ
レン系樹脂組成物(P)の溶融粘度に対するスチレン系
樹脂組成物(Q)の溶融粘度の比αが、温度180℃、
剪断速度100sec-1において1〜50であることが
必要であり、2〜20であることが好ましい。この溶融
粘度の比αが1未満であると、スチレン系樹脂組成物
(P)とスチレン系樹脂組成物(Q)が過度に混合し易
くなり、鮮明な木目模様を現出させにくくなる。また、
溶融粘度の比αが50を超えると、スチレン系樹脂組成
物(Q)が溶融状態までに至らずに、木目模様を現出で
きないといった問題が起き易い。スチレン系樹脂組成物
(P)とスチレン系樹脂組成物(Q)の溶融粘度は、い
ずれもスチレン系樹脂の分子量が大きいほど、スチレン
系樹脂の架橋度が大きいほど、または充填剤もしくはゲ
ル化剤を多量添加するほど高くすることができる。
【0014】本発明組成物には、前記に挙げた各成分に
加えて、スチレン樹脂組成物(P)またはスチレン樹脂
組成物(Q)には、公知の添加剤を配合することができ
る。具体的には可塑剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、耐衝撃強化剤、
充填剤、カップリング剤などが適宜添加される。
【0015】ことに発泡成形品を得ようとする場合は、
(G)成分として熱分解型発泡剤をスチレン計樹脂組成
物(P)に含有せしめる。熱分解型発泡剤としては熱分
解型有機発泡剤又は/及び熱分解型無機発泡剤が用いら
れる。前者の例としては、N,N′−ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン、N,N′−ジメチル−N,N′−
ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物;アゾ
ジカルボンアミド、アゾビスイソプチロニトリル等のア
ゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p,p′−
オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエ
ンスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド類等
が挙げられる。また、後者の例としては、重炭酸ナトリ
ウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等が挙げ
られる。上記の有機の又は/及び無機の熱分解型発泡剤
の群から選択される1種または2種以上を用いることが
好ましい。これら熱分解型発泡剤の含有量は、(A)成
分のスチレン系樹脂100重量部あたり0.1〜5重量
部であり、好ましくは0.5〜3重量部である。熱分解
型発泡剤の含有量がスチレン系樹脂100重量部あたり
0.1重量部未満であると、有効な発泡倍率が得られ難
い。また熱分解型発泡剤の含有量がスチレン系樹脂10
0重量部あたり5重量部を超えると、成形品表面が荒れ
たり、表面硬度が低下する傾向がある。
【0016】本発明組成物のスチレン系樹脂組成物
(P)を調製する典型的な手順としては、(A)、
(B)、(C)及び(D)成分を一括してヘンシェルミ
キサー等の混合機に投入し、激しく攪拌混合しつつ80
℃〜130℃に昇温する。この混合の過程で木粉に吸収
されている水分を揮散させる。上記温度に到達したら、
混合物をクーリングミキサーに移して、配合上要すれば
(G)成分である熱分解型発泡剤を添加し、50℃〜6
0℃に温度を下げる。取出された粉末状の混合物は、通
常、ペレット化する。ペレット化の方法としては、各種
押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどが
挙げられるが、通常、二軸押出機を用いて170℃〜1
90℃にて、かつバレルのベント孔からは木粉中の残留
水分を排出しつつ押し出してペレットを製造する方法が
好ましい。スチレン系樹脂組成物(Q)も(E)及び
(F)成分等を混合して同様に行う。
【0017】本発明組成物を用いて、天然木材に似たス
チレン系樹脂成形品を得るための成形方法としては、例
えば、スチレン系樹脂組成物(P)のペレットとスチレ
ン系樹脂組成物(Q)のペレットとをタンブラーなどの
混合機で均一に混合し、次いで、この混合物を押出機を
用いて成形する。二軸押出機を用いて成形する場合は、
スチレン系樹脂組成物(Q)のペレットを予めスチレン
系樹脂組成物(P)に混合して押出機のホッパーに入れ
て成形する方法と、スチレン系樹脂組成物(P)のみを
押出機のホッパーに入れて押出成形しつつ、スチレン系
樹脂組成物(Q)のペレットをベント孔から投入し、混
入させて成形する方法とがある。
【0018】かくして、得られる本発明によるスチレン
系樹脂成形品の形状は、一般に板状、シート状、角柱
状、円柱状、異型などが挙げられる。本発明によるスチ
レン系樹脂成形品は美麗な木目模様があり、木質感に富
み、かつ機械的強度に優れるので、OA・家電、車輌・
船舶、家具・建材、サニタリー機器、玩具・スポーツ用
品、その他雑貨などの各分野で用途に応じて使用され
る。
【0019】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて、本発明の
スチレン系樹脂組成物について具体的に説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、
部数および%は重量基準である。特性評価は下記の方法
により行った。 (1)成形品表面外観 押出成形品の表面から目視および指触し、下記判定基準
により評価した。 ○;木質感があり、木目模様も良好。 ×;木質感または木目模様がよくない。 (2)引張強度 JIS K 7113の1号試験片で引張速度10mm
/minで測定した。 (3)溶融粘度の比α 溶融粘度の比αは下記条件下でキャピラリーレオメータ
ーにより測定して求めたそれぞれ(P)および(Q)の
溶融粘度の値を用い、下式により求めた。 α=〔(Q)の溶融粘度〕/〔(P)の溶融粘度〕 キャピラリーレオメーター:東洋精機製作所(株)製
キャピログラフ バレル径:9.55mm バレル全長:350mm バレル有効長:250mm キャピラリー径:1mm キャピラリー長:10mm 測定温度:180℃
【0020】実施例1〜12、比較例1〜6,参考例
1、2 表1に示すスチレン系樹脂組成物(P)およびスチレン
系樹脂組成物(Q)の各々の種類と量の各成分をヘンシ
ェルミキサーにて混合し、温度が上昇して130℃にな
った時点で混合物をクーリングミキサーに移して混合
し、50℃まで温度を下げた。得られた粉末状の混合物
を、シリンダー径40mmの二軸押出機を用いて下記条
件にてペレットにした。なお、ベント孔から木粉に残る
水分を揮発させた。 設定温度 :C=160℃、C=170℃、C=180℃ アダプター=180℃、ダイス=180℃ スクリュー:回転数20rpm フィード :回転数7rpm ダイス :3mmφペレット×60穴
【0021】こうして得られたペレットを、表2の比率
で混合し、シリンダー径40mmの一軸押出機により下
記条件にて押出成形した。成形品の特性を表2に示す。 スクリュー:L/D=24、圧縮比2.5、回転数20rpm 設定温度 :C=140℃、C=150℃、C=155℃ C=165℃、ヘッド170℃、D=175℃ D=175℃ ダイス :厚み2mm×幅40mmベルト ランド長さ:10mm
【0022】
【表1】
【0023】実施例および比較例に用いた各成分は、下
記の通りである。スチレン系樹脂 *1 スチレン70重量%−アクリロニトリル30重量
%共重合体、重量平均分子量108,000 *2 スチレン70重量%−アクリロニトリル30重量
%共重合体、重量平均分子量256,000 *3 BLENDEX869、ゼネラルエレクトリック
社製、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン
含有量過半、重量平均分子量6,000,000 *4 ABS樹脂、各単量体単位含有量:アクリロニ
トリル14重量%、ブタジエン40重量%、スチレン4
6重量%
【0024】木粉 *5 E60−T5−3、ミサワテクノ(株)製、表面
に酸化チタンを付着させた木粉、酸化チタン含有量5重
量%、平均粒径60μm、含水率5% *6 セルユント、(株)シマダ商会製、平均粒径80
μm、含水率5重量%
【0025】(メタ)アクリル酸エステル系樹脂 *7 メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチル共重合
体、各単量体担持含有量:メタクリル酸メチル80重量
%、アクリル酸ブチル20重量%、比粘度1.7 *8 メタブレンP530A、三菱レイヨン(株)製、
メタクリル酸メチル過半重量含有樹脂、比粘度1.6 *9 メタブレンP531、三菱レイヨン(株)製、メ
タクリル酸メチル過半重量含有樹脂、比粘度3.0 *10 メタクリル酸メチル−アクリル酸エチル共重合
体、各単量体担持含有量:メタクリル酸メチル80重量
%、アクリル酸エチル20重量%、比粘度0.5 *11 メタクリル酸メチル−アクリル酸エチル共重合
体、各単量体担持含量量:メタクリル酸メチル85重量
%、アクリル酸エチル15重量%、比粘度4.4
【0026】滑剤 *12 ステアリン酸マグネシウム〔堺化学(株)製
「SAKAI SM1000」〕 *13 ポリエチレンワックス〔アライドケミカル社製
「ACPE#6A」〕
【0027】発泡剤 *14 アゾジカルボンアミド〔永和化成(株)製「ビ
ニホールAC#3」〕
【0028】顔料 *15 カーボンブラック〔TPH0012、東洋イン
キ製造(株)製〕/縮合アゾレッド〔TXH4360、
同社製〕/ビスアゾイエロー〔TXH2110、同社
製〕複合顔料
【0029】
【表2】
【0030】表2から明らかなように、本発明の要件を
備えた組成物を用いて成形した実施例1〜12ではすべ
て木質感を有した美麗な木目模様の成形品が得られ、こ
れらはいずれも機械的強度も優れている。実施例12で
得られた成形品は、表面肌が綺麗で、引張り強度も十分
大きかった。これに対し、比較例1および比較例2は本
発明の樹脂組成物(P)に対する(Q)の溶融粘度の比
が本発明の範囲外で小さい例で、鮮やかな木目模様が得
られない。比較例3は本発明の樹脂組成物(P)の
(B)成分の使用量が本発明の範囲外で少ない例であ
り、十分な木質感を有した成形品が得られない。比較例
4は本発明の樹脂組成物(P)の(C)成分が含有され
てない例で、成形加工時において十分な溶融強度が得ら
れず、また機械的強度に劣る。比較例5は本発明の樹脂
組成物(Q)の使用量が少ない例であり、鮮やかな木目
模様が得られない。比較例6は本発明の樹脂組成物
(Q)の使用量が多い例で、鮮やかな木目模様が得られ
ない。参考例1は本発明の樹脂組成物(P)の(C)成
分の比粘度の値が小さい例で、鮫肌状の発泡体表面を与
え、木質感を損ねる。参考例2は本発明の樹脂組成物
(P)の(C)成分の比粘度の値が大きい例で、得られ
た成形品表面がやや粗くなり、木質感に劣る。
【0031】
【発明の効果】本発明組成物を用いることにより、美麗
な木目模様を有し、しかも木質感に富み、且つ強度の優
れたスチレン樹脂系押出成形品が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 97/02 C08L 97/02 // B29K 25:00 B29K 25:00 Fターム(参考) 4F071 AA22 AA33 AA73 AA88 AD06 AE09 AE11 AF14 AF25 AH03 AH07 AH12 BA01 BB06 BC07 BC09 4F207 AA13 AA24 AB07 AB12 AB19 AC04 AR17 KA01 KA17 4J002 AH00X BB034 BC02W BC03W BC06W BC08W BC09W BG04Y BG05Y BG06Y BN14W BN15W DA037 EG036 FD097 FD174 FD176 GL00 GN00 GQ00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)スチレン系樹脂100重量部、
    (B)平均粒径30〜500μmの木粉5〜150重量
    部、(C)(メタ)アクリル酸エステル系樹脂1〜20
    重量部及び(D)滑剤1〜15重量部を含有してなるス
    チレン系樹脂組成物(P)100重量部並びに、(E)
    スチレン系樹脂100重量部及び(F)顔料0.1〜1
    0重量部を含有してなるスチレン系樹脂組成物(Q)1
    〜30重量部からなり、温度180℃、剪断速度100
    sec-1における(P)の溶融粘度に対する(Q)の溶
    融粘度の比αが1〜50であることを特徴とするスチレ
    ン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)スチレン系樹脂100重量部、
    (B)平均粒径30〜500μmの木粉5〜150重量
    部、(C)(メタ)アクリル酸エステル系樹脂1〜20
    重量部及び(D)滑剤1〜15重量部を含有してなるス
    チレン系樹脂組成物(P)100重量部並びに、(E)
    スチレン系樹脂100重量部及び(F)顔料0.1〜1
    0重量部を含有してなるスチレン系樹脂組成物(Q)1
    〜30重量部からなり、温度180℃、剪断速度100
    sec-1における(P)の溶融粘度に対する(Q)の溶
    融粘度の比αが1〜50となるスチレン系樹脂組成物を
    用いて押出成形してなる押出成形品。
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JP2014198404A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 株式会社ジェイエスピー ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法

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