JPH11189694A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH11189694A
JPH11189694A JP36947997A JP36947997A JPH11189694A JP H11189694 A JPH11189694 A JP H11189694A JP 36947997 A JP36947997 A JP 36947997A JP 36947997 A JP36947997 A JP 36947997A JP H11189694 A JPH11189694 A JP H11189694A
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JP
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vinyl chloride
chloride resin
methyl methacrylate
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JP36947997A
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Atsushi Tsukamoto
淳 塚本
Toshio Nagase
敏夫 永瀬
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一なセル構造と平滑な表面とを有し、木質
感に富んだ、建材や家具材に適する高発泡の塩化ビニル
系樹脂成形品を与えることのできる塩化ビニル系樹脂組
成物を提供すること。 【解決手段】 (A)塩化ビニル系樹脂100重量部、
(B)平均粒径50〜500μmの木粉20〜150重
量部、(C)オキサゾリン基を含有し、塩化ビニル樹脂
に相溶性のある熱可塑性樹脂、(D)メチルメタクリレ
ート単位を60重量%以上含有するメチルメタクリレー
ト系共重合体および(E)熱分解型発泡剤を含有してな
る塩化ビニル系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木粉を多量に配合し
た塩化ビニル系樹脂組成物に関する。詳しくは、木質感
に富み、高発泡の建材や家具材に適する発泡成形品を与
えることができる塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近来、木材に似た外観や触感を現出する
目的で、塩化ビニル系樹脂に木粉を配合して発泡させる
成形法が行われている。しかし、木粉を相当量配合した
塩化ビニル系樹脂発泡成形品は、引張り強さなどの機械
的強度が十分とはいえない問題を有している。
【0003】木目の明瞭化や加工のし易さを改善するた
め、木粉に加えて尿素樹脂を添加した塩化ビニル系樹脂
組成物が提案されている(特開昭60−42007号公
報、特開昭60−73807号公報、特開昭60−73
808号公報)。また、木粉の他にマイカなどの無機充
填剤と、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
またはABS樹脂を添加した塩化ビニル系樹脂組成物
は、線膨張率が小さく、耐衝撃性および成形性に優れる
ことが開示された(特開昭60−192746号公報、
特開昭60−192747号公報)。しかし、これらに
よっても木粉の均一混合性に欠け、かつ、成形品の木質
感の現出が不十分である。無機粉末やプラスチック粉末
を付着させた木粉をプラスチック加工時に配合すること
によって木粉の均一分散性は大幅に改善されるが(特開
平5−177610号、特開平5−261708号)、
単にこのような木粉を塩化ビニル系樹脂に配合するのみ
では、木質感に富んだ成形品を、殊に機械的強度の満足
できる発泡成形品を押出成形することは困難であった。
即ち、塩化ビニル系樹脂100重量部あたりの木粉配合
量が20〜150重量部の高木粉部数配合の発泡成形の
場合、木粉が往々にして樹脂連続層から遊離してしま
い、応力がかかるとき木粉界面に亀裂面を生じやすいの
であった。そのため、高木粉部数配合であって機械的強
度の改良された発泡成形品を与えることのできる塩化ビ
ニル系樹脂組成物の出現が待たれるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の状況に鑑み、本
発明の目的は、木質感に富んだ、窓枠などの建材や家具
材に適する高発泡の発泡成形品を与えることができる塩
化ビニル系樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に対し、塩化ビニル系樹脂に、木粉とともに、オキサ
ゾリン基含有重合体と特定のメチルメタクリレート系系
樹脂とを併用して発泡成形することにより上記目的が達
成されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は、(1)(A)塩
化ビニル系樹脂100重量部、(B)平均粒径50〜5
00μmの木粉20〜150重量部、(C)オキサゾリ
ン基を含有し、塩化ビニル樹脂に相溶性のある熱可塑性
樹脂、(D)メチルメタクリレート単位を60重量%以
上含有するメチルメタクリレート系共重合体および
(E)熱分解型発泡剤を含有してなる塩化ビニル系樹脂
組成物、(2)(A)塩化ビニル系樹脂100重量部、
(B)平均粒径50〜500μmの木粉20〜150重
量部、(C)オキサゾリン基を含有し、塩化ビニル樹脂
に相溶性のある熱可塑性樹脂を、該オキサゾリン基量が
(A)、(B)および(C)の合計量に対して0.02
〜0.4重量%となる量、(D)メチルメタクリレート
単位を60重量%以上含有するメチルメタクリレート系
共重合体7〜30重量部および(E)熱分解型発泡剤
0.1〜3.0重量部を含有してなる塩化ビニル系樹脂
組成物、および、(3)塩化ビニル樹脂に相溶性のある
熱可塑性樹脂が、重量平均分子量20,000〜3,0
00,000のメチルメタクリレート系樹脂またはアク
リロニトリル−スチレン系樹脂である上記(1)または
(2)記載の塩化ビニル系樹脂組成物、を提供するもの
である。更に、好ましい態様として、(4)メチルメタ
クリレート単位を60重量%以上含有するメチルメタク
リレート系共重合体が、ガラス転移点50〜85℃で、
かつ比粘度1.5〜4.0のものである上記(1)〜
(3)のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物、お
よび、(5)さらに、(F)可塑剤1〜20重量部、
(G)金属せっけん0.5〜10.0重量部および
(H)ポリエチレンワックス0.1〜5.0重量部を含
有してなる上記(1)または(2)記載の塩化ビニル系
樹脂組成物、を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明の組成物において(A)成分として使用され
る塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルの単独重合体の他、
塩化ビニル単位を50重量%以上、好ましくは70重量
%以上含有する共重合体を含む。ただし、(A)成分と
しての塩化ビニル系共重合体は、オキサゾリン基を含有
しないものである。塩化ビニル系共重合体の場合の共単
量体としては、例えば、エチレン、プロピレンなどのオ
レフィン類;塩化アリル、塩化ビニリデン、フッ化ビニ
ル、三フッ化塩化エチレンなどのハロゲン化オレフィン
類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸
ビニルエステル類;イソブチルビニルエーテル、セチル
ビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アリル−3−
クロロ−2−オキシプロピルエーテル、アリルグリシジ
ルエーテルなどのアリルエーテル類;アクリル酸、マレ
イン酸、イタコン酸、アクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル、メチルメタクリレート、マレイン酸モノメチル、マ
レイン酸ジエチル、無水マレイン酸などの不飽和カルボ
ン酸、そのエステルまたはその酸無水物類;アクリロニ
トリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類;
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)
アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロラ
イドなどのアクリルアミド類;アリルアミン安息香酸
塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどのア
リルアミンおよびその誘導体類などを挙げることができ
る。以上に例示した単量体は、共重合可能な単量体の一
部に過ぎず、近畿化学協会ビニル部会編「ポリ塩化ビニ
ル」日刊工業新聞社(1988年)75〜104ページ
に例示されている各種単量体が使用可能である。また、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタ
クリレート共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重
合体、塩素化ポリエチレンなどの樹脂に、塩化ビニルま
たは塩化ビニルと前記した共重合可能な単量体とをグラ
フト重合したような樹脂も含まれる。
【0007】これらの塩化ビニル系樹脂は、懸濁重合、
乳化重合、溶液重合、塊状重合など、従来から知られて
いるいずれの製造法によって作られてもよい。塩化ビニ
ル系樹脂の平均重合度はJIS K 6721規定の測
定法で400〜1,500が好ましく、より好ましくは
600〜1,100の範囲にあるものを好適に使用する
ことができる。塩化ビニル系樹脂の平均重合度が400
より小さいと、発泡倍率が上がりにくい傾向があり、逆
に1,500より大きいと発泡セルに粗大なものが多く
混在するおそれがある。
【0008】本発明において、(B)成分として、平均
粒径50〜500μmの木粉が、塩化ビニル系樹脂
(A)100重量部あたり30〜150重量部、好まし
くは35〜120重量部、更に好ましくは40〜100
重量部用いられる。該木粉の配合量が30重量部より少
ないと成形品に木質感を発現しにくく、また、150重
量部を越えると成形品が脆弱なものとなる。本発明に用
いられる木粉の樹種は特に限定されず、杉、ツガ、ラワ
ンなどの針葉樹や広葉樹の木材片、鉋屑、鋸屑などの木
材を用い得る。これら木材から本発明の(B)成分を得
るには、例えば、該木材を粉砕機により平均粒径が50
0μm以下の比較的丸味を帯びた木粉とするのが好まし
い。本発明に用いられる木粉は、特開平5−17761
0号公報および特開平5−261708号公報に開示さ
れているような硬い小粒子を表面に付着させた木粉であ
ってもよい。硬い小粒子としては、硬度が木粉より大き
く、平均粒径が木粉の平均粒径より小さい粒子が用いら
れる。具体的には、例えば、金属、金属酸化物および金
属塩、無機化合物ならびにプラスチック粒子などが挙げ
られる。好ましい小粒子は酸化チタン、ニッケル、炭酸
カルシウム、シリカ、マイカなどの無機系または金属系
粒子である。硬い小粒子が木粉表面に付着する態様は、
木粉への硬い小粒子の喰い込みを含む抱き込み結合、喰
い込み結合された複数の硬い小粒子の相互による挟み込
み結合などの、硬い小粒子の木粉表面部に対する押しつ
け外力による付着であってもよいし、あるいは木粉に接
着剤により硬い小粒子を付着させてもよい。この場合は
上記の木粉を硬い小粒子1〜50重量%と共にボールミ
ルなどに仕込み、窒素雰囲気下など粉塵爆発が防止され
た条件下に処理する。本発明に用いられる(B)成分の
平均粒径は50〜500μm、好ましくは30〜100
μmである。ここに平均粒径とは、粉末を篩分析して目
開きに対する累積重量%曲線を得、その50重量%に該
当する目開きの値の読みをいう。(B)成分の平均粒径
が50μmより小さいと嵩比重が小さくなって組成物調
製のための混合操作性が悪くなり、また500μmより
大きいと成形品表面が荒れ、かつ発泡倍率が低下する。
(B)成分中の水分は10重量%以下であることが好ま
しく、より好ましくは5重量%以下である。
【0009】本発明では(C)成分として、(B)成分
の木粉を連続層の塩化ビニル系樹脂(A)になじませる
ための相溶化剤となるオキサゾリン基含有熱可塑性樹脂
を用いる。オキサゾリン基の含有量は、該熱可塑性樹脂
の0.5〜15重量%であることが好ましく、1.0〜
8.0重量%であることが更に好ましい。オキサゾリン
基含有量が15重量%を越えると、又、0.5重量%よ
り少いと、塩化ビニル樹脂との相溶性が低下する危険性
があり、従って、成形品の機械的強度が低下する虞があ
る。オキサゾリン基が付帯している基盤である熱可塑性
樹脂は、(A)成分の塩化ビニル系樹脂に相溶性がある
ものでなくてはならない。このような熱可塑性樹脂とし
ては、塩化ビニルを主成分とする共重合体(以下単に塩
化ビニル共重合体という。以下同様とする。)、メチル
メタクリレート系樹脂、エチルアクリレート系樹脂、エ
チルメタクリレート系樹脂、アクリロニトリル−スチレ
ン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、
プロピオン酸ビニル系樹脂、塩素化ポリエチレン、熱可
塑性ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニルゴム(EV
A)塩化ビニルグラフト系樹脂、アクリルゴム塩化ビニ
ルグラフト系樹脂、NBR、MBS、MAS等が挙げら
れる。これらの熱可塑性樹脂の中で、特にメチルメタク
リレート系樹脂およびアクリロニトリル−スチレン系樹
脂が好ましい。(C)成分の配合量は(A)、(B)お
よび(C)成分の合計量に対し、(C)成分に含有され
るオキサゾリン基の量が0.02〜0.4重量%である
ことが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.25重
量%になる量である。オキサゾリン基の量が0.4重量
%を越える量用いると相対的に塩化ビニル系樹脂(A)
の割合が低下して発泡成形品の機械的強度が低下する可
能性がある。また0.02重量%より少いと木粉の分散
が不均一になって成形品の強度が低下する虞がある。
(C)成分は、木粉(B)を塩化ビニル系樹脂(A)に
均一に分散させるとともに成形加工時の流動性を改善す
る効果を有する。
【0010】オキサゾリン基含有メチルメタクリレート
系樹脂およびオキサゾリン基含有アクリロニトリル−ス
チレン系樹脂の重量平均分子量は20,000〜3,0
00,000であることが好ましく、更に好ましくは7
0,000〜1,000,000である。重量平均分子
量が3,000,000より大きいと組成物の混合時の
均一化が困難になる可能性がある。また20,000よ
り小さいと機械的強度が向上しない傾向がある。
【0011】(C)成分としてのオキサゾリン基含有メ
チルメタクリレート系樹脂は、メチルメタクリレートお
よびオキサゾリン基含有単量体を構成単位とする共重合
体である。あるいはこれらの単量体に加えてこれらと共
重合可能な第2の共単量体を構成単位に含んでもよい。
このような第2の共単量体としては、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロ
ピレン等のオレフィン類;セチルビニルエーテル、ステ
アリルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチルア
クリレート、マレイン酸モノメチル等の不飽和カルボン
酸エステル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニ
リデン等のハロゲン化ビニル類またはハロゲン化ビニリ
デン類:アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシ
アン化ビニル類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳
香族ビニル類等が挙げられる。、メチルメタクリレート
単位を60重量%以上、好ましくは70重量%以上含有
する。メチルメタクリレートが60重量%未満である
と、通常塩化ビニル樹脂との相溶性が低下し、成形品の
機械的強度が低下する。メチルメタクリレートと共重合
するオキサゾリン基含有単量体としては、2−イソプロ
ペニル−2−オキサゾリン、5−ビニルオキサゾリン等
が例示される。また、これらと共重合する第2の共単量
体をオキサゾリン基含有メチルメタクリレート系樹脂の
構成成分として含有してもよい。
【0012】(C)成分としてのオキサゾリン基含有ア
クリロニトリル−スチレン系樹脂は、アクリロニトリ
ル、スチレンおよびオキサゾリン基含有単量体を構成単
位とする共重合体である。あるいはこれらの単量体に加
えてこれらと共重合可能な第3の共単量体を構成単位に
含んでもよい。本発明に係るオキサゾリン基含有アクリ
ロニトリル−スチレン系樹脂は、アクリロニトリル単量
体単位およびスチレン単量体単位の合計含有量が60重
量%以上であり、好ましくは75重量%以上である。ア
クリロニトリル単量体単位およびスチレン単量体単位の
合計量が60重量%未満であると成形品の機械的強度が
低下する。アクリロニトリルおよびスチレンと共重合す
るオキサゾリン基含有単量体としては、前記オキサゾリ
ン基含有メチルメタクリレート系樹脂の説明で述べたと
同様な単量体類が挙げられる。また第3の共単量体も、
前記オキサゾリン基含有メチルメタクリレート系樹脂の
説明で述べた第2の共単量体と同様な、但しアクリロニ
トリルおよびスチレンの代わりにメチルメタクリレート
とする単量体類が挙げられる。
【0013】本発明において(D)成分として、メチル
メタクリレート単位を60重量%以上含有するメチルメ
タクリレート系共重合体が用いられる。該共重合体のガ
ラス転移点は50〜85℃であることが好ましい。該共
重合体の分子量の指標となる比粘度は、1.5〜4.0
であることが好ましい。ここで、(D)成分としてのメ
チルメタクリレート系共重合体は、オキサゾリン基を含
有しないものである。
【0014】メチルメタクリレートホモ重合体のガラス
転移点は105℃であるので、好ましい(B)成分の共
重合体を得るためには、メチルメタクリレートの共単量
体としてこれよりガラス転移点が十分に低いホモ重合体
を与える単量体を選定することが好ましい。そのような
単量体としては、メチルアクリレート(ホモ重合体のガ
ラス転移点8℃)、エチルアクリレート(同−22
℃)、n−プロピルアクリレート(同−52℃)、n−
ブチルアクリレート(同−54℃)、イソブチルアクリ
レート(同−24℃)、n−オクチルアクリレート(同
−65℃)、2−エチルヘキシルアクリレート(同−8
5℃)、n−ラウリルアクリレート(同15℃)、n−
テトラデシルアクリレート(同20℃)、メトキシエチ
ルアクリレート(同−85℃)、エトキシエチルアクリ
レート(同−50℃)、シクロヘキシルアクリレート
(同15℃)、ベンジルアクリレート(同6℃)などの
アクリレート類;n−アミルメタクリレート(同10
℃)、n−オクチルメタクリレート(同−20℃)、n
−デシルメタクリレート(同−65℃)、n−ラウリル
メタクリレート(同−65℃)、n−セチルメタクリレ
ート(同15℃)などのメタクリレート類;ブタジエ
ン、イソプレンなどのジエン類などが挙げられる。これ
らの(メタ)アクリレートは1種用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。特に、n−ブチルア
クリレートが好ましい。
【0015】また、(D)成分の共重合体は、メチルメ
タクリレート単量体および上記の共単両体と共重合可能
な単量体を第三の単量体単位として含有してもよい。こ
のような単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、
α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系化合物;(メ
タ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどの不飽
和ニトリル類;2−ヒドロキシエチルフマレート、ヒド
ロキシブチルビニルエーテル、モノブチルマレエート、
グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテ
ル、ブトキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
(D)成分のメチルメタクリレート系共重合体の粒子構
造は、一段階の重合反応で得られる、粒子内がほぼ均一
なポリマー組成であってもよいし、いわゆるコア−シェ
ル構造のように断層毎に異なる重合体組成であってもよ
い。(D)成分のメチルメタクリレート系共重合体の粒
子構造がコア−シェル粒子の場合、コアとシェルの重量
比は1/1〜15/1であることが好ましく、コアとシ
ェルのガラス転移点の差は50℃以下であることが好ま
しい。(D)成分のメチルメタクリレート系共重合体の
ガラス転移点は50〜85℃であることが必要で、60
〜83℃であることが好ましい。(D)成分のガラス転
移点が50℃未満であると夏期に倉庫などで保存中に粉
末どうしが固着(ブロッキング)を起し易く、また、
(D)成分のガラス転移点が85℃より高いと重合反応
後の凝固が困難になるほか、成形品が発泡不良を起し易
い。本発明において、ガラス転移点の測定は示差熱分析
計で行なう。
【0016】(D)成分として用いられるメチルメタク
リレート系共重合体は、平均分子量の指標として、その
0.2grを溶解したクロロホルム溶液100mlの2
5℃における比粘度が1.5〜4.0であることが好ま
しく、1.8〜3.7の範囲であることがより好まし
い。上記比粘度の値が1.5未満の場合は成形品の表面
が荒れて発泡倍率が上がらない可能性がある。一方、上
記比粘度の値が4.0を越えると均一溶融化に時間を要
する傾向がある。比粘度の調節には、重合反応温度の選
定、t−ドデシルメルカプタン、四塩化炭素などの連鎖
移動剤の使用などの一般的な方法を採用することができ
る。(D)成分のメチルメタクリレート系共重合体は、
木粉を塩化ビニル系樹脂に均一に分散させ、発泡セルの
膜強度を保持して破壊され難くする作用を有する。本発
明における(D)成分の配合量は、前記(A)成分の塩
化ビニル系樹脂100重量部当り7〜30重量部が好ま
しく、更に好ましくは10〜20重量部である。(D)
成分の配合量が7重量部未満であると、発泡時の膜強度
の保持力が弱くなって発泡セルが破壊され易い。また、
配合量が30重量部を越えると溶融粘度が高くなり、発
熱が大きくなって樹脂の熱劣化を起こし易くなったり、
発泡セルの大きさが不均一になり易い。
【0017】本発明組成物の(E)成分である熱分解型
発泡剤としては、熱分解型有機発泡剤または/および熱
分解型無機発泡剤が用いられる。前者の例としては、
N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,
N′−ジメチル−N,N′−ジニトロソテレフタルアミ
ドなどのニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾ
ビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物;ベンゼンス
ルホニルヒドラジド、p,p′−オキシビス(ベンゼン
スルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジ
ドなどのスルホニルヒドラジド類なとが挙げられる。ま
た、後者の例としては、重炭酸ナトリウム、重炭酸アン
モニウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。本発明
には、上記の有機または/および無機の熱分解型発泡剤
の群から選択される1種または2種以上を用いることが
できる。
【0018】本発明においては、ブタン、塩化メチル、
トリクロロフルオロメタン、トリフルオロメタン、石油
エーテルなどの低沸点の有機化合物を加熱、揮発させて
発泡剤に用いることは不適当である。発泡セルが粗くな
って成形品が釘止めやビス止めが利き難くなり、建材に
向かないおそれがあるからである。本発明における
(E)成分の熱分解型発泡剤の配合量は、(A)成分の
塩化ビニル系樹脂100重量部当たり0.1〜3.0重
量部が好ましく、より好ましくは0.5〜1.5重量部
である。(E)成分の配合量が0.1重量部未満である
と発泡倍率が小さくて得られる成形品の内部が木質感に
欠ける傾向があり、逆に3.0重量部より多いと成形品
表面が荒れたり、表面硬度が低下する虞がある。
【0019】本発明組成物には、上記の各成分に加え
て、通常の塩化ビニル系樹脂の加工時に用いられる熱安
定剤や可塑剤のほか、滑剤、紫外線吸収剤、耐衝撃強化
剤、顔料、充填剤、帯電防止剤などが適宜添加される。
可塑剤を本発明組成物の一成分に(F)成分として加え
ることが好ましい。可塑剤は、前記(C)成分のエポキ
シ基含有熱可塑性樹脂および(D)成分のメチルメタク
リレート系共重合体とあいまって、多量の木粉が配合さ
れる場合でも木粉が均一に分散し、溶融樹脂の流動性を
一層向上するのに効果がある。本発明において可塑剤
は、従来塩化ビニル系樹脂の加工に可塑剤として慣用さ
れているものであればよく、例えば、ジ−(2−エチル
ヘキシル)フタレート、ジイソノニルフタレート、ジシ
クロヘキシルフタレートなどのフタル酸誘導体;ジ−n
−ブチルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペ
ート、ジイソノニルアジペートなどのアジピン酸誘導
体;ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジ−n−
ヘキシルアゼレートなどのアゼライン酸誘導体;ジ−n
−ブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバ
ケートなどのセバシン酸誘導体;ジ−n−ブチルフマレ
ート、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレートなどのフ
マル酸誘導体;トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリ
テート、トリ−n−オクチルトリメリテート、トリイソ
デシルトリメリテート、トリイソオクチルトリメリテー
トなどのトリメリット酸誘導体;アセチルトリエチルシ
トレート、アセチルトリ−(2−エチルヘキシル)シト
レートなどのクエン酸誘導体;トリキシレニルホスフェ
ート、トリス(クロロエチル)ホスフェートなどのリン
酸誘導体;ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプ
ロピレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリ
コールジベンゾエートなどのグリコール誘導体;グリセ
ロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、
グリセロールトリブチレートなどのグリセリン誘導体;
エポキシ化大豆油、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイ
ソデシル、エポキシトリグリセライド、エポキシ化オレ
イン酸オクチル、エポキシ化オレイン酸デシルなどのエ
ポキシ誘導体;アジピン酸系ポリエステル、セバシン酸
系ポリエステル、フタル酸系ポリエステルなどのポリエ
ステル系可塑剤などが例示される。可塑剤は一種用いて
も、または二種以上を組合せ用いてもよい。可塑剤の添
加量は(A)成分の塩化ビニル系樹脂100重量部あた
り1〜20重量部、好ましくは3〜10重量部である。
【0020】滑剤の具体例としては、ステアリン酸リチ
ウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミ
ニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ストロ
ンチウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸カルシウ
ム、ラウリン酸バリウム、2−エチルヘキソイン酸バリ
ウム、リシノール酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ナフ
テン酸亜鉛、ラウリン酸カドミウム、ステアリン酸鉛、
二塩基性フタル酸鉛などの金属せっけん類;n−ブチル
ステアレート、メチルヒドロキシステアレート、多価ア
ルコール脂肪酸エステル、エステル系ワックスなどの脂
肪酸エステル類;ステアリン酸、ヒドロキシステアリン
酸などの脂肪酸類;ステアロアミド、オキシステアロア
ミド、オレイルアミド、ベヘンアミド、メチレンビスス
テアロアミド、エチレンビスステアロアミド、N,N′
−ジステアリルコハク酸アミドなどのアミド化合物;三
塩基性硫酸塩、塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛な
どの無機酸鉛類、ポリエチレンワックスなどが挙げられ
る。特に、本発明の組成物に(G)成分として上記金属
せっけんを塩化ビニル系樹脂100重量部当り0.5〜
10重量部添加すると加工性が良くなるので好ましく、
1.5〜7重量部添加することがより好ましい。これに
加えて、さらに(H)成分としてポリエチレンワックス
0.1〜5重量部添加することは一層加工性を向上し、
かつ成形品の機械的強度が上がるので好ましく、0.3
〜2重量部添加することがより好ましい。
【0021】本発明組成物を調製するには、通常、先ず
(E)成分の熱分解型発泡剤を除く(A)、(B)、
(C)および(D)成分などを一括してヘンシェルミキ
サーなどの混合機に投入して、好ましくは激しく攪拌す
ることによって、混合しつつ120〜160℃に昇温す
る。この混合の過程で木粉に吸収されている水分や低沸
点化合物を揮散させる。上記温度に到達したら混合物を
クーリングミキサーに移して温度が110〜80℃まで
下がった時点で(E)成分の熱分解型発泡剤を添加して
混合しつつ冷却する。通常50〜60℃程度に温度を下
げる。取出された粉末状の混合物をそのまま成形用のコ
ンパウンドとすることができるが、通常、次いで、ペレ
ット化する。ペレット作成の好ましい方法としては、二
軸押出機を用い、150〜170℃にて、かつベント孔
から木粉中の残留水分を排出しつつペレットを製造する
方法が挙げられる。
【0022】上記の本発明組成物の調製方法において、
ヘンシェルミキサーなどでの当初の混合時に発泡剤を除
く全成分を一括投入して混合することにより、嵩比重が
大きく、また顔料などの添加剤が均一に分散した混合物
を得ることができる。本発明組成物を用いて、天然木材
に似た塩化ビニル系樹脂成形品を得るための成形方法と
しては、特に制限はないが上記の粉末状コンパウンドま
たはペレットを通常押出機にかけて成形する。押出成形
の条件としては、一般の塩化ビニル系樹脂の押出成形と
同様な条件が採られる。
【0023】かくして、得られる押出発泡成形品は均一
に分布した微細なセルを有し、しかも塩化ビニル系樹脂
の連続層が木粉に馴染んでいるので十分に大きな機械的
強度を有する。通常、セルの平均直径は100μm以下
である。また、押出発泡成形品の発泡倍率は2.0〜
3.5であることが好ましい。発泡倍率が低過ぎると木
質感に乏しいものとなり、逆に、発泡倍率が高過ぎると
発泡セルが粗くなったり、機械的強度が低下する傾向が
ある。押出成形品の形態は、建材や家具材などの用途に
応じたものとすればよく、一般に板状、シート状、角柱
状、円柱状、異形などが挙げられる。
【0024】次に本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の発
明の種々の態様を示す。 (1)(A)塩化ビニル系樹脂100重量部、(B)平
均粒径50〜500μmの木粉20〜150重量部、
(C)オキサゾリン基を含有し、塩化ビニル樹脂に相溶
性のある熱可塑性樹脂、(D)メチルメタクリレート単
位を60重量%以上含有するメチルメタクリレート系共
重合体および(E)熱分解型発泡剤を含有してなる塩化
ビニル系樹脂組成物。 (2)(A)塩化ビニル系樹脂100重量部、(B)平
均粒径50〜500μmの木粉20〜150重量部、
(C)オキサゾリン基を含有し、塩化ビニル樹脂に相溶
性のある熱可塑性樹脂を、該エポキシ基量が(A)、
(B)および(C)の合計量に対して0.02〜0.4
重量%となる量、(D)メチルメタクリレート単位を6
0重量%以上含有するメチルメタクリレート系共重合体
7〜30重量部および(E)熱分解型発泡剤0.1〜
3.0重量部を含有してなる塩化ビニル系樹脂組成物。 (3)塩化ビニル樹脂に相溶性のあるオキサゾリン基含
有熱可塑性樹脂が、重量平均分子量20,000〜3,
000,000のメチルメタクリレート系樹脂またはア
クリロニトリル−スチレン系樹脂である上記(1)に記
載の塩化ビニル系樹脂組成物。
【0025】(4)メチルメタクリレート単位を60重
量%以上含有するメチルメタクリレート系共重合体が、
ガラス転移点50〜85℃で、かつ比粘度1.5〜4.
0のものである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の
塩化ビニル系樹脂組成物。 (5)塩化ビニル系樹脂(A)の平均重合度が400〜
1,500である上記(1)〜(4)のいずれかに記載
の塩化ビニル系樹脂組成物。 (6)平均粒径50〜500μmの木粉(D)の含有量
が25〜120重量部である上記(1)〜(5)のいず
れかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 (7)(C)成分の配合量が、(A)、(B)および
(C)成分の合計量に対し、オキサゾリン基の量が0.
05〜0.25重量%になる量である上記(1)〜
(6)のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 (8)メチルメタクリレート系共重合体(D)の比粘度
が1.8〜3.7である上記(1)〜(7)のいずれか
に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 (9)メチルメタクリレート系共重合体(D)のガラス
転移点が60〜75℃である上記(1)〜(8)のいず
れかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 (10)上記(A)、(B)、(C)、(D)および
(E)成分の他に、さらに、塩化ビニル系樹脂(A)1
00重量部あたり(F)可塑剤1〜20重量部、(G)
金属せっけん0.5〜10.0重量部および(H)ポリ
エチレンワックス0.1〜5.0重量部を含有する上記
(1)〜(7)のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組
成物。
【0026】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて、本発明の
塩化ビニル系樹脂組成物について具体的に説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。な
お、部数および%は重量基準である。(C)成分のオキ
サゾリン基含有熱可塑性樹脂は次のようにして調達し
た。 (1)オキサゾリン基含有メチルメタクリレート系樹脂 ステンレス製重合器に水150部を入れて脱気後、メチ
ルメタクリレート95部、2−イソプロペニル−2−オ
キサゾリン5部、t−ドデシルメルカプタン0.1部、
炭素数12〜18のアルキル基を有するソジウムアルキ
ルサルフェート1部および過硫酸カリウム0.1部を添
加し、攪拌しつつ重合温度55℃にて乳化重合を行い、
少量サンプリングした反応液の固形分濃度により重合率
98重量%を確認してから反応を終了させ、ラテックス
を得た。得られたラテックスを50℃の1重量%硫酸ア
ルミニウム水溶液に攪拌下で添加し、更に90℃に加熱
して塩析、凝固し、脱水、洗浄してから乾燥してオキサ
ゾリン基含有メチルメタクリレート系樹脂(C1)を得
た。(C1)の組成は核磁気共鳴法により測定した。そ
の結果、メチルメタクリレート単位96.0重量%、2
−イソプロペニル−2−オキサゾリン単位4.0重量
%、オキサゾリン基含有量2.52重量%であった。
(C1)の重量平均分子量を次の方法で測定したところ
820,000であった。
【0027】重量平均分子量Mwは、下記条件下に高速
液体クロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレ
ンに換算して求めた。 高速液体クロマトグラフィー:TOSOH HLC−8
020(東ソー(株)製) カラム:ミックスゲル TOSOH TSKgel G
MHHR−H(20)×2本(7.8mmID×30.0
cmL) 溶離液:THF(和光純薬(株)製、GR級) 流速:1.0ml/min カラム温度:40℃ 注入量:サンプル150μリットル、0.1重量%TH
F溶液、標準ポリスチレン50μリットル 検出器:示差屈折計(35℃) 標準ポリスチレン:東ソー(株)製 F2000Mw2.0600×107 (0.025重量%THF溶液) F700 6.7700×106 (0.1重量%THF溶液) F128 1.0900×106 (0.1重量%THF溶液) F20 1.9000×105 (0.1重量%THF溶液) F4 3.7900×104 (0.1重量%THF溶液) A5000 5.9700×103 (0.1重量%THF溶液)
【0028】(2)オキサゾリン基含有アクリロニトリ
ル−スチレン系樹脂 エポクロス RAS−1005〔株式会社日本触媒製、
アクリロニトリル−スチレン−2−イソプロペニル−2
−オキサゾリン三元共重合体(共重合重量比22:7
3:5)〕を使用した。重量平均分子量(上記オキサゾ
リン基含有メチルメタクリレート系樹脂での測定法に同
じ)70,000、オキサゾリン基含有量3.16重量
%。 (3)オキサゾリン基含有スチレン系樹脂 エポクロス RPS−1005、株式会社日本触媒製、
スチレン−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン共重
合体(共重合重量比95:5)、重量平均分子量(上記
オキサゾリン基含有メチルメタクリレート系樹脂での測
定法に同じ)200,000 、オキサゾリン基含有量
3.16重量%。
【0029】(D)成分のメチルメタクリレート系共重
合体下記製造例1に記載の方法により調製した。なお、
メチルメタクリレート系共重合体の特性は下記の方法に
より評価した。 ガラス転移点 示差熱分析計(SEIKO SSC/520 DSC2
20)にて測定した。 比粘度 共重合体0.2grを溶解したクロロホルム溶液100
mlの25℃における比粘度を求めた。凝固性 凝固で得られた粉体50gにカーボン0.05gを添加
し、ロータップ30分の篩分析を行い、下記3等級で評
価する。 A:50重量%通過径が150〜500μmで、かつ1
50メッシュ通過量<1重量% B:50重量%通過径が150〜500μmで、かつ1
50メッシュ通過量 1〜5重量% C:50重量%通過径が150〜500μmで、かつ1
50メッシュ通過量>5重量%
【0030】凝固粉体の固着性 内径が直径77mm、長さ75mmの円筒に凝固粉体を
自然落下にて充満し、その上に荷重を1分間かけて取り
除き、容器を横に倒して1分間以内に粉体のまとまりが
崩れるか否かを観察する。崩れる場合は順次荷重を増
し、粉体が崩れずに固着する荷重を調べ、下記3等級で
評価する。 A:1000gの荷重でも固着しない。 B:500〜1000gの荷重で固着する。 C:500gより小さな荷重で固着する。
【0031】メチルメタクリレート系共重合体製造例1 ステンレス製反応器に水150部を入れて脱気後、メチ
ルメタクリレート85部、n−ブチルアクリレート15
部、炭素数12〜18のアルキル基を有するソジウムア
ルキルサルフェート1部および過硫酸カリウム0.1部
を添加し、攪拌しつつ重合温度55℃にて乳化重合を行
い、少量サンプリングした反応液の固形分濃度により重
合率91%を確認してから反応を終了させ、ラテックス
を得た。得られたラテックスを50℃の1重量%硫酸ア
ルミニウム水溶液に攪拌下で添加し、更に90℃に加熱
して塩析、凝固し、脱水、洗浄してから乾燥して共重合
体aを得た。共重合体aの組成はメチルメタクリレート
単位85%、ん−ブチルアクリレート15%で、ガラス
転移点は83℃、比粘度3.6、凝固性A、固着性Aで
あった。
【0032】発泡成形品の特性を下記の方法により調べ
た。 1)発泡セル状態 成形品の切断面を光学顕微鏡にて観察し、下記の4等級
で評価する。 A:セルの径が100μm以下の微細でかつ均一な状態
である。 B:破壊されて粗くなったセルが散見される。 C:破壊されて粗くなったセルが多い。 D:破壊されて粗くなったセルが大部分である。 2)成形品表面性状 成形品の表面から目視および指触し、下記の4等級で評
価する。 A:滑らか B:若干鮫肌状 C:鮫肌 D:粒状突起が多い。
【0033】3)真比重および成形品比重 JIS K 7112による水中置換法で測定。 4)成形品発泡倍率 上記測定による比重の値を用い、下式により求める。 発泡倍率=真比重/成形品比重 5)抗張力 JIS K 7113の1号試験片で引張速度10mm
/minで測定する。
【0034】実施例1〜4、比較例1〜2、参考例1〜
2 表1に示す種類と量の各成分をヘンシェルミキサーにて
次の要領でブレンドした。塩化ビニル樹脂、木粉、オキ
サゾリン基含有熱可塑性樹脂(ただし、比較例2ではオ
キサゾリン基含有熱可塑性樹脂を添加しない)、メチル
メタクリレート系共重合体、可塑剤、熱安定剤、滑剤、
充填剤および顔料を仕込んで混合しつつ水蒸気を揮発さ
せた。温度が上昇して140℃になったら混合物をクー
リングミキサーに移して混合し、100℃に温度が低下
した時点で発泡剤を添加し、60℃まで温度を下げた。
得られた粉末状の混合物は、シリンダー径65mmの一
軸押出機を用いて下記条件にてペレットにした。なお、
ベント孔から木粉に残る水分を揮発させた。 スクリュウ:L/D=24、圧縮比2.5、回転数30rpm 設定温度 :C1 =130℃、C2 =140℃、C3 =150℃ C4 =160℃、ヘッド160℃、ダイス160℃ ダイス :3mmφペレット×12孔 ランド長さ:10mm
【0035】こうして得られたペレットを、シリンダー
径40mmの一軸押出機により下記条件にて押出発泡成
形した。成形品の特性を表1に示す。 スクリュウ:L/D=24、圧縮比2.5、回転数30rpm 設定温度 :C1 =150℃、C2 =160℃、C3 =165℃ C4 =170℃、ヘッド160℃、D1 =160℃ D2 =160℃ ダイス :厚み3mm幅×40mmベルト ランド長さ:5mm
【0036】
【表1】
【0037】注 *1 ZEST700L、新第一塩ビ(株)製、塩化ビ
ニル樹脂、平均重合度680。 *2 酸化チタン粒付着木粉、ミサワテクノ(株)製、
E60−T5−3、酸化チタン含有量5重量%、平均粒
径60μm、含水率5%。 *3 セルユント、(株)シマダ商会製、木粉、平均粒
径80μm、水分5重量%。 *4 ACPE6A、アライドケミカル社製。 *5 三塩基性硫酸鉛/ステアリン酸鉛複合熱安定剤。 *6 炭酸カルシウムCCR、白石カルシウム(株)
製、平均粒径0.08μm。 *7 カーボンブラック(TPH0012、東洋インキ
製造株式会社製)/縮合アゾレッド(TXH4360、
同社製)/ビスアゾイエロー(TXH2110、同社
製)複合顔料。 *8 (A)成分、(B)成分および(C)成分の合計
重量に占める(C)成分中のオキサゾリン基の割合(重
量%)。
【0038】厚み3mmの平板を押出成形して各種配合
の組成物を比較評価した。本発明の要件を備えた組成物
を用いて成形した実施例1〜4では、発泡セル状態およ
び表面性状が良好で、大きな発泡倍率を有し、かつ抗張
力の大きな発泡成形品が得られた。また、ジ−2−エチ
ルヘキシルフタレートとステアリン酸バリウムおよびポ
リエチレンワックスを添加すると発泡倍率と抗張力が一
層優れた成形品が得られた(実施例4)。しかし、本発
明の要件を満たさない組成物を用いて成形した比較例で
は、いずれも抗張力の小さな発泡体しか得られなかっ
た。(C)成分のオキサゾリン基含有熱可塑性樹脂とし
て、塩化ビニル系樹脂と相溶性パラメーターが大きく異
なるスチレン系共重合体であるスチレン−2−イソプロ
ペニル−2−オキサゾリン共重合体を配合した比較例
1、および(C)成分またはその代替品をなにも配合し
なかった比較例2は、成形品の発泡倍率が向上せず抗張
力も改善されなかった。
【0039】オキサゾリン基含有熱可塑性樹脂の配合部
数が少なくて、(A)、(B)および(C)の合計量に
占めるオキサゾリン基の割合が0.01重量%である参
考例1では、成形品の発泡倍率が充分には向上しなかっ
た。逆に、オキサゾリン基含有熱可塑性樹脂を多量配合
した参考例2では、成形品の抗張力がやや低下した。
【0040】
【発明の効果】本発明組成物を用いることにより、高い
発泡倍率で、均一な発泡セル構造と平滑な表面とを有
し、木質感に富んだ、建材や家具材に適する高発泡の塩
化ビニル系樹脂成形品を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 33/20 C08L 33/20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)塩化ビニル系樹脂100重量部、
    (B)平均粒径50〜500μmの木粉20〜150重
    量部、(C)オキサゾリン基を含有し、塩化ビニル樹脂
    に相溶性のある熱可塑性樹脂、(D)メチルメタクリレ
    ート単位を60重量%以上含有するメチルメタクリレー
    ト系共重合体および(E)熱分解型発泡剤を含有してな
    る塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)塩化ビニル系樹脂100重量部、
    (B)平均粒径50〜500μmの木粉20〜150重
    量部、(C)オキサゾリン基を含有し、塩化ビニル樹脂
    に相溶性のある熱可塑性樹脂を、該オキサゾリン基量が
    (A)、(B)および(C)の合計量に対して0.02
    〜0.4重量%となる量、(D)メチルメタクリレート
    単位を60重量%以上含有するメチルメタクリレート系
    共重合体7〜30重量部および(E)熱分解型発泡剤
    0.1〜3.0重量部を含有してなる塩化ビニル系樹脂
    組成物、
  3. 【請求項3】 塩化ビニル樹脂に相溶性のある熱可塑性
    樹脂が、重量平均分子量20,000〜3,000,0
    00のメチルメタクリレート系樹脂またはアクリロニト
    リル−スチレン系樹脂である請求項1または請求項2記
    載の塩化ビニル系樹脂組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002194160A (ja) * 2000-12-26 2002-07-10 Tostem Corp 窓枠用塩化ビニル系樹脂組成物及び窓枠用押出成形品
JP2004263080A (ja) * 2003-03-03 2004-09-24 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形品
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US9850372B2 (en) 2008-10-14 2017-12-26 Solvay Sa Composition based on a vinyl halide polymer

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