JP2001139320A - 球状シリカゲルの製造方法 - Google Patents

球状シリカゲルの製造方法

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JP2001139320A
JP2001139320A JP31562199A JP31562199A JP2001139320A JP 2001139320 A JP2001139320 A JP 2001139320A JP 31562199 A JP31562199 A JP 31562199A JP 31562199 A JP31562199 A JP 31562199A JP 2001139320 A JP2001139320 A JP 2001139320A
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spherical silica
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liquid
alkali silicate
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Makoto Kusaka
良 日下
Hachiro Hirano
八朗 平野
Masaharu Tanaka
正治 田中
Hiroo Mori
広雄 森
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    • B01J21/00Catalysts comprising the elements, oxides, or hydroxides of magnesium, boron, aluminium, carbon, silicon, titanium, zirconium, or hafnium
    • B01J21/06Silicon, titanium, zirconium or hafnium; Oxides or hydroxides thereof
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J37/00Processes, in general, for preparing catalysts; Processes, in general, for activation of catalysts
    • B01J37/0072Preparation of particles, e.g. dispersion of droplets in an oil bath
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/10Forming beads
    • C03B19/1005Forming solid beads
    • C03B19/106Forming solid beads by chemical vapour deposition; by liquid phase reaction
    • C03B19/1065Forming solid beads by chemical vapour deposition; by liquid phase reaction by liquid phase reactions, e.g. by means of a gel phase

Abstract

(57)【要約】 【課題】中実で表面の陥没や亀裂のない球状シリカ粒子
を効率よく得る。 【解決手段】ケイ酸アルカリ溶液と酸溶液との混合液
を、回転円盤式噴霧装置Aにて液滴1として飛散させ、
その液滴がゲル化した後に、噴霧装置を格納する容器B
の内壁に沿って流下させたシリカゲル回収用液体3と接
触させ、球状シリカゲルをスラリーとして回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、球状シリカゲルの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】球状シリカゲルは、多様な粒子径、細孔
構造、表面物性を有するものが知られている。このた
め、触媒、触媒担体、化粧料用充填材、クロマトグラフ
ィー充填材、樹脂充填材、吸着剤、乾燥剤などに広く使
用されている。これらの用途においては、中実で、表面
に陥没や亀裂のない粒子が望ましい。
【0003】球状シリカゲルの製造方法として、乳化法
が良く知られている。特開平4−154605号公報で
は、ケイ酸ナトリウム水溶液またはケイ酸アルキルをそ
れらと相溶性のない溶媒中で乳化した後、酸、アルカ
リ、水などでゲル化する方法が開示されている。また、
特公平4−2525号公報では、ケイ酸ナトリウム水溶
液またはケイ酸アルキルを、酸、アルカリ、水などでゲ
ル化し、それらと相溶性のない溶媒中で乳化し造粒する
方法が開示されている。これらの乳化法では、中実で陥
没のない球状シリカゲルが比較的容易に得られるが、一
般に使用される乳化剤が高価格であるため、球状シリカ
ゲルの製造コストが高くなる課題がある。
【0004】球状シリカゲルの製造方法として、噴霧法
も良く知られている。特開昭61−168520号公
報、特開平7−138015号公報、特開平7−196
310号公報では、シリカゾルを噴霧乾燥して球状シリ
カゲルを製造する方法が開示されている。また、特開昭
60−54914号公報、特開昭60−81012号公
報、特開平3−223107号公報、特公平4−682
47号公報、特公平5−3413号公報では、ケイ酸ア
ルカリ溶液を噴霧乾燥してゲル化させた後で、中和する
ことにより球状シリカゲルを製造する方法が開示されて
いる。
【0005】これらの方法で得られる球状シリカゲル
は、細孔容積が約0.6cm3/g以下のものが多く、
しかも細孔物性の制御が困難である。さらに、表面の一
部が陥没した粒子が生成しやすい課題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、中実で、陥
没や亀裂がなく、粒子強度が高く、粒度分布のシャープ
な球状シリカゲルを製造することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ケイ酸アルカ
リ溶液と酸溶液との混合液を噴霧装置に供給し、該混合
液の液滴として飛散させ、その液滴をシリカゲル回収用
液体と接触させ、生成した球状シリカゲルを該シリカゲ
ル回収用液体とともにスラリーとして回収する球状シリ
カゲルの製造方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明では、噴霧装置に、ケイ酸
アルカリ溶液および酸溶液をあらかじめ混合した混合液
を供給する。従来の噴霧造粒による球状シリカゲルの製
造方法では、シリカゾルまたはケイ酸アルカリ溶液を液
滴化し、熱を加えてゲル化していた。この場合、ゲル化
は、主として溶媒の蒸発により起こるので、シリカゲル
粒子表面への溶媒移動によって、シリカゲル粒子が中空
化しやすく、さらに陥没や亀裂が発生しやすい。これに
対し、本発明では、ケイ酸アルカリ溶液と酸溶液との混
合液を噴霧、液滴化するので、ケイ酸アルカリが加水分
解したケイ酸が重合することによりゲル化する。この過
程は、ほとんど体積変化を伴わないので、球状シリカゲ
ル粒子が中空化しにくく、陥没や亀裂の発生も抑制され
る。
【0009】ケイ酸アルカリ溶液および酸溶液をあらか
じめ混合して供給した場合には、噴霧する前にケイ酸ア
ルカリ中のケイ酸の一部が重合を起すので、混合の均一
性が損なわれ、さらにシリカが供給部でゲル化して析出
するおそれがある。このため、噴霧前にゲル化があまり
進行しない条件で溶液を混合し噴霧する必要がある。一
方、噴霧後は速やかにゲル化することが好ましい。本発
明においては、混合溶液を噴霧して得られる液滴を、シ
リカゲル回収用液体と接触させて回収することにより、
噴霧前にゲル化があまり進行しない条件で溶液を混合し
噴霧した場合でも、均質な球状シリカゲルを効率よく、
しかも長時間安定して製造できる。
【0010】本発明は、ケイ酸アルカリ溶液および酸溶
液の温度や濃度、pH、共存塩濃度などの適切な調整を
行ってゲル化速度を調整するとともに噴霧装置およびそ
の噴霧条件の選択などによりそれらを助長できる。
【0011】シリカゲル回収用液体としては、水または
水溶液が好ましい。イオン交換水のような溶質を実質的
に含まない水も使用できるが、硫酸などの酸の溶液、ま
たはアルカリ金属やアルカリ土類金属の炭酸水素塩、炭
酸塩の溶液を使用する場合は、球状シリカゲルスラリー
のpHの影響で、ゲル化を促進する効果があるので好ま
しい。この目的で用いる水溶液として、特に、硫酸また
は塩酸の希薄水溶液などの酸水溶液、または炭酸水素ナ
トリウム水溶液が好適である。
【0012】本発明で使用するケイ酸アルカリとして
は、ケイ酸ナトリウムが好ましい。ケイ酸ナトリウム
は、所望とするシリカゲルの特性に応じて、種々のケイ
酸とナトリウムのモル比のものを使用できる。具体的に
は、SiO2/Na2Oモル比として、2.0〜3.4が
好ましい。ケイ酸アルカリ溶液中の、ケイ酸濃度は、S
iO2に換算して5〜25質量%が好ましい。ケイ酸ア
ルカリ溶液と混合する酸は、特に限定されないが、硫酸
を用いるのが好ましい。酸溶液の濃度は、10〜30質
量%が好ましい。
【0013】ケイ酸アルカリ溶液と酸溶液は、混合した
後の液のpHが5〜10となるようにすることが好まし
い。pHが、5未満または10超の場合は、ゲル化に要
する時間が長くなり、液滴のゲル化が不充分なうちに、
噴霧装置を格納する容器の壁や底部などに接触するの
で、シリカゲルの粒子が互いに接合して凝集したり、球
状シリカゲルの収率が低下するおそれがあるので好まし
くない。
【0014】混合前のケイ酸アルカリ溶液および酸溶液
は、15℃以下で供給するのが好ましい。ケイ酸アルカ
リ溶液または酸溶液の温度が15℃を超える場合は、ゲ
ル化時間が短くなるので、接触面でゲル化が生じてスケ
ールが発生するおそれがあるので好ましくない。
【0015】本発明ではケイ酸アルカリ溶液および酸溶
液は噴霧装置に供給する前にあらかじめ混合しておく。
混合液は噴霧装置で液滴として飛散させる前にゲル化し
ないように調製しておけばよく、供給タンクで混合して
調製した後供給管で噴霧装置に供給すればよい。なお、
混合は一般的には急速に混合するのがよい。混合は噴霧
装置に供給する直前とすることが好ましい。そのために
は、ケイ酸アルカリ溶液と酸溶液を別々の配管で噴霧装
置近傍まで輸送し、噴霧装置に供給する手前で混合機混
合するのが効率的である。
【0016】混合液を噴霧装置により液滴化し飛散させ
る雰囲気の温度は、20℃以上であることが好ましい。
雰囲気の温度が20℃に満たない場合は、液滴のゲル化
が不充分なうちに、噴霧装置を格納する容器の壁や底部
などに接触するので、シリカゲルの粒子が互いに接合し
て凝集したり、球状シリカゲルの収率が低下するおそれ
があるので好ましくない。
【0017】シリカゲル回収用液体は、飛散した液滴が
シリカゲル化した後で接触するように供給するのが好ま
しい。例えば、回収用液体を容器の上部から流下させ
て、球状シリカゲルが飛散してくるところに回収用液体
のカーテンを形成しておいて、接触させることができ
る。好ましい方法としては、回収用液体を噴霧装置を格
納する容器の内壁に沿って流下させておき、球状シリカ
ゲルを回収する。このようにすることにより、球状シリ
カゲルが直接容器の内壁に接触することがなく、球状シ
リカゲルはスラリーとして回収できる。回収したスラリ
ーは、シックナーなどで濃縮するか、遠心分離器やベル
トフィルターなどで固液分離し、さらに乾燥して球状シ
リカゲルを得ることができる。
【0018】本発明において、好適に使用されるシリカ
ゲル製造装置の一例を図1に示す。図1において、Aは
噴霧装置、Bは格納容器である。噴霧装置Aは、格納容
器の上部に設置されている。噴霧された液滴1は飛散
し、シリカゲルとなって容器Bの内壁2に沿ってシリカ
ゲル回収用液体3とともに流下する。シリカゲル回収用
液体は、容器上部に設置してある供給管4に形成されて
いる供給口5から供給される。なお、6は回収スラリー
である。
【0019】本発明で用いる噴霧装置は種々のものが採
用できるが、なかでも好適なものは回転円盤式噴霧装置
であり、これについてさらに説明する。回転円盤式の噴
霧装置においてその回転円盤は、ケイ酸アルカリ溶液お
よび酸溶液の混合液を、短時間のうちに液滴化するた
め、結合された2枚の回転円盤の間から液滴が噴霧され
る形式のものが好ましい。このような回転円盤は、一般
に多翼型回転円盤と呼ばれるものである。
【0020】本発明において好適に使用される回転円盤
の一例を図2に示す。図2の回転円盤式噴霧装置Aにお
いて、回転軸11の先端に円盤13が取り付けられてお
り、円盤13には多数の結合ピン14により円盤12が
取り付けられている。円盤12には中央部に穴があいて
おり、この穴に回転軸11が貫通している。
【0021】すなわち、回転軸11、円盤12、円盤1
3、結合ピン14は互いに固定されており、回転軸11
の回転に伴って回転する。図2においては、結合ピン1
4が円筒状であるが、この結合ピン14は、角柱状、板
状など種々の形状のものを使用できる。
【0022】円盤12の穴には、回転軸11と円盤12
とは接触しないように、ケイ酸アルカリ溶液および酸溶
液の混合液供給管15が通り、円盤13および円盤12
の間に混合液を供給する。混合液供給管15はその上流
で、例えばケイ酸アルカリ溶液および酸溶液の混合機
(図示せず)または混合タンクに連結している。混合液
は、回転軸11と円盤12間に供給され、結合ピン14
の間から外部に液滴として噴霧される。結合ピン14の
内側に、さらに混合用のピンを複数本設けることによっ
て、ケイ酸アルカリと酸との混合をより均一にできる。
【0023】回転円盤では、混合溶液の一部がゲル化し
てスケールが発生する場合がある。スケールの発生によ
り、球状シリカゲルを安定して長期間製造することが困
難になる。ケイ酸アルカリ溶液と酸溶液およびそれらの
混合液について、温度、濃度、混合比、共存塩濃度など
を変えてゲル化速度を調整することにより、スケールの
発生を抑制できる。さらに、回転円盤の混合溶液と接す
る部分を、ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFE
という)などのフッ素樹脂製の材料にするか、その部分
をフッ素樹脂でコーティングする方法も好適である。
【0024】本発明により得られた球状シリカゲルに
は、ケイ酸アルカリと酸との反応により生成した塩が含
まれるので、これを洗浄して除去するのが好ましい。洗
浄方法は特に限定されない。例えば、濾布の表面に球状
シリカゲルの濾過ケーキ層を形成し、これに洗浄水を供
給しながら、遠心濾過、減圧濾過、または加圧濾過など
により、水溶性不純物を洗浄する方法が好適である。
【0025】また、濾過ケーキを再度水で希釈してスラ
リー化し、これを充分撹拌した後で濾過する操作を一回
または数回繰り返し、不純物を除去する方法も好適であ
る。
【0026】洗浄に使用する水についても、特に限定さ
れないが、最終製品の純度や不純物含有許容量などを勘
案し、水道水、イオン交換水、脱塩水などが使用され
る。また、この場合の水の使用方法についても特に限定
されず、例えば、脱塩水のみを単独で使用する方法や、
コストを考慮して前半は水道水を使用し、後半はイオン
交換水を使用する方法など、任意に選定できる。
【0027】球状シリカゲルは、洗浄後は、乾燥し、必
要に応じて焼成処理などを行う。細孔特性を制御するな
どの目的で、製造工程の適当な段階で、熟成処理を行う
こともできる。乾燥方法としては、公知の方法を使用で
きるが、乾燥時の細孔の収縮を防止するために、気流乾
燥、凍結乾燥、超臨界乾燥などが好適である。水中に球
状シリカゲルが分散したスラリーを、スプレードライで
乾燥する方法は、細孔容積の大きい球状シリカゲルを得
ることができるので好ましい。また、乾燥前に、水と相
溶性があり表面張力の低いアルコールなどの有機溶媒で
水を置換した後、乾燥する場合は、乾燥時の細孔の収縮
を防止できる。
【0028】本発明の製造方法により、好ましくは平均
粒子径1〜100μmの球状シリカゲルが得られる。平
均粒子径のさらに好ましい範囲は、30〜100μmで
ある。本発明の製造方法により得られる球状シリカゲル
の特性は、ケイ酸アルカリ溶液と酸溶液および混合液の
温度、濃度、混合比、共存塩濃度などの調整、または、
熟成処理により制御することができる。本発明の製造方
法により、細孔容積が0.01〜3.0cm3/g、比
表面積が1〜1000m2/g、粒子の圧縮強度が10
〜100MPaの範囲の球状シリカゲルを好適に製造で
きる。
【0029】従来の噴霧造粒による球状シリカゲルの製
造方法では、シリカゾルまたはケイ酸アルカリ溶液を液
滴化し、熱を加えてゲル化していた。この場合、ゲル化
は、主として溶媒の蒸発により起こるので、シリカゲル
粒子表面への溶媒移動によって、シリカゲル粒子が中空
化しやすく、さらに陥没や亀裂が発生しやすい。これに
対し、本発明では、ケイ酸アルカリの中和およびケイ酸
の重合によりゲル化する。この過程は、ほとんど体積変
化を伴わないので、球状シリカゲル粒子が中空化しにく
く、陥没や亀裂の発生も抑制される。
【0030】本発明による、ゲル化後の球状シリカゲル
は、溶媒蒸発を伴わないことによりヒドロゲルであり、
後工程の適当な段階で、熟成処理を行うことによって、
希望する任意の細孔容積を得ることができる。本発明に
より得られた球状シリカゲルは、回転円盤による噴霧造
粒をすればその特性から、噴霧液滴の液滴径分布を制御
でき、その結果得られるシリカゲル粒子の粒度分布がシ
ャープとなる。本発明の製造方法により得られる球状シ
リカゲル粒子は、粒子径が均一で、形状が真球に近いの
で、例えば液体クロマトグラフィー用の充填材として、
好適に使用できる。
【0031】
【実施例】[例1](実施例) SiO2濃度5.3質量%、SiO2/Na2Oモル比
3.0のケイ酸ナトリウム水溶液1835.4gと、2
0.0質量%の硫酸水溶液258.2gとを急速混合し
てケイ酸液を作成した。この混合液のpHは4.8、粘
度は20cPであった。
【0032】この混合液を、図2に示すような回転円盤
式スプレードライヤーの回転円盤の中心部に供給し、噴
霧造粒した。スプレードライヤーはニロジャパン社製プ
ロダクションマイナスプレードライヤーを使用した。ス
プレードライヤーの操作条件としては、熱風量110m
3/h、熱風入口温度250℃とし、熱風出口温度が1
10℃となるようにした。混合液の供給速度は、70c
3/minであった。使用した回転円盤は、接液部が
PTFEでコーティングされており、直径100mm、
回転速度12000rpmであった。
【0033】スプレードライヤーは容器(直径1.4
m、高さ0.8m)の最上部に設置されていた。球状シ
リカゲル回収用液体として、容器内部の上方から5質量
%の炭酸水素ナトリウム水溶液を噴霧し、容器の内壁に
沿って、炭酸水素ナトリウム水溶液を流下させ、濡れ壁
を形成した。この水溶液で、壁面部まで飛散した粒子を
受け止めて、球状シリカゲルをスラリーとして回収し
た。このスラリーのpHは8.0であり、固形分濃度は
0.1質量%であった。
【0034】次に、このスラリーに硫酸を加えてpH
6.0に調整し、60℃で1時間加熱して、熟成処理を
行った。このスラリーを固液分離し、そのケーキを固形
分の100倍のイオン交換水で洗浄した後、スプレード
ライヤーで乾燥し、球状シリカゲルを得た。
【0035】この球状シリカゲルの細孔容積は0.66
cm3/g、比表面積は470m2/g、平均粒子径は4
8.0μm、圧縮強度は21MPaであった。ここで、
球状シリカゲルの細孔容積および比表面積は、ユアサア
イオニクス社製の商品名オートソーブ3Bで測定した。
平均粒子径は、日機装社製の商品名マイクロトラックH
RA−X100で測定した。圧縮強度は、島津製作所製
微小圧縮試験機MCTM−500を用い、平均粒子径と
ほぼ同じ粒子径を持つ粒子を選び出して測定した。
【0036】さらに、球状シリカゲル粒子の外観につい
て走査型電子顕微鏡で観察し、表面の陥没や亀裂のない
ものであることを確認した。また、球状シリカゲル粒子
の内部の構造は、シリカゲル粒子をエポキシ樹脂に埋
包、固化した後、ミクロトームで厚さ0.1μmの試料
とし、その試料の切片を光学顕微鏡で観察し、中実であ
ることを確認した。他の方法により得られた中空の球状
シリカゲルでは、内部に空間を有した様子が観察され、
中空と中実は透過光による光学顕微鏡での観察により明
瞭に区別できた。
【0037】得られた球状シリカゲル粒子を、篩を用い
て粒子径40〜63μmの範囲の粒子だけを分離した。
この球状シリカゲル粒子を内径50mm、有効高さ20
0mmのカラムに充填し、液体クロマトグラフ用カラム
を作成した。このカラムに展開液(ノルマルヘキサン9
0容積%、ジオキサン10容積%)を、流速50cm3
/minで流し、アニソールとオルトニトロアニソール
の液体クロマトグラフを測定した(検出波長254n
m)。このときの理論段数は5500段/mであった。
【0038】なお、粒子径40〜63μm、細孔容積
0.77cm3/g、比表面積561m2/g、の破砕状
のシリカゲル(関東化学社製、商品名LiChropr
epSi60)を用いた、同じ条件下での測定では、理
論段数は3200段/mであった。球状化により液体ク
ロマトグラフィーの性能が向上したことが、確認でき
た。
【0039】[例2](比較例) 例1で使用した混合液を、回転円盤式スプレードライヤ
ーで噴霧造粒した。スプレードライヤーの操作条件は例
1と同様にした。また、使用した回転円盤も例1で使用
したものを使用し、同条件で運転した。ただし、球状シ
リカゲル回収用液体は噴霧しなかった。噴霧造粒され
た、球状シリカゲルは、ほとんどが乾燥室内壁に付着
し、微量しか回収できなかった。回収物を顕微鏡観察し
たところ、いびつな球形、または不定形粒子の凝集物と
なっていた。
【0040】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、中実で、表
面の陥没や亀裂のない球状シリカ粒子をコンパクトな設
備により効率よく製造できる。ケイ酸アルカリ溶液また
は酸溶液の温度、濃度、混合比、共存塩濃度などの制
御、熟成処理条件の制御、さらには適切な噴霧条件の選
択などによりゲル化速度の調整が可能となり、かつ球状
シリカゲル粒子の物性も調整できる。
【0041】得られる球状シリカゲルは、粒子の機械的
強度が高く、細孔特性の調整も容易であるので、触媒、
触媒担体、化粧品用顔料、クロマトグラフィー用充填
材、樹脂充填材、吸着剤、乾燥剤、軽量化材、低誘電率
化フィラー、断熱材、防音材等に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するシリカゲル製造装置の一例の
断面説明図
【図2】本発明の一態様において使用する回転円盤の一
例の斜視図
【符号の説明】
A:回転円盤式噴霧装置 B:容器 1:液滴 2:内壁 3:シリカゲル回収用液体 4:シリカゲル回収用液体供給管 5:シリカゲル回収用液体供給管の液体供給口 6:回収スラリー 11:回転軸 12:円盤 13:円盤 14:結合ピン 15:混合液供給管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 広雄 千葉県市原市五井海岸10番地 旭硝子株式 会社内 Fターム(参考) 4G072 AA28 CC10 EE01 GG02 GG03 HH21 JJ13 JJ15 LL07 LL09 MM32 QQ01 UU07 UU13 UU15 UU17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケイ酸アルカリ溶液と酸溶液との混合液を
    噴霧装置に供給し、該混合液の液滴として飛散させ、そ
    の液滴をシリカゲル回収用液体と接触させ、生成した球
    状シリカゲルを該シリカゲル回収用液体とともにスラリ
    ーとして回収する球状シリカゲルの製造方法。
  2. 【請求項2】シリカゲル回収用液体を噴霧装置を格納す
    る容器の内壁に沿って流下させながら球状シリカゲルを
    回収する請求項1に記載の球状シリカゲルの製造方法。
  3. 【請求項3】噴霧装置が回転円盤式であり、回転円盤は
    結合された2枚の回転円盤からなり、その2枚の回転円
    盤の間から液滴が噴霧される請求項1または2に記載の
    球状シリカゲルの製造方法。
  4. 【請求項4】シリカゲル回収用液体が、炭酸水素ナトリ
    ウム水溶液または酸水溶液である請求項1、2または3
    に記載の球状シリカゲルの製造方法。
  5. 【請求項5】ケイ酸アルカリ溶液および酸溶液を、それ
    ぞれ15℃以下で供給する請求項1、2、3または4に
    記載の球状シリカゲルの製造方法。
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