JP2000272916A - 球状シリカゲルの製造方法 - Google Patents

球状シリカゲルの製造方法

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JP2000272916A
JP2000272916A JP11078542A JP7854299A JP2000272916A JP 2000272916 A JP2000272916 A JP 2000272916A JP 11078542 A JP11078542 A JP 11078542A JP 7854299 A JP7854299 A JP 7854299A JP 2000272916 A JP2000272916 A JP 2000272916A
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Makoto Kusaka
良 日下
Hachiro Hirano
八朗 平野
Masaharu Tanaka
正治 田中
Hiroo Mori
広雄 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】中実で、表面の陥没や亀裂のない球状シリカ粒
子を効率よく得る。 【解決手段】回転円盤式噴霧装置の円盤3部分に、ケイ
酸アルカリ溶液供給管5および酸溶液供給管6から、そ
れぞれケイ酸アルカリ溶液および酸溶液を、別々に連続
供給し、ケイ酸アルカリ溶液および酸溶液の混合液の液
滴として飛散させ、その液滴を飛散中にゲル化させる球
状シリカゲルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、球状シリカゲルの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】球状シリカゲルは、多様な粒子径、細孔
構造、表面物性を有するものが知られている。このた
め、触媒、触媒担体、化粧料用充填材、クロマトグラフ
ィー充填材、樹脂充填材、吸着剤、乾燥剤などに広く使
用されている。これらの用途においては、中実で、表面
に陥没や亀裂のない粒子が望ましい。
【0003】球状シリカゲルの製造方法として、乳化法
が良く知られている。特開平4−154605号公報で
は、ケイ酸ナトリウム水溶液またはケイ酸アルキルをそ
れらと相溶性のない溶媒中で乳化した後、酸、アルカ
リ、水などでゲル化する方法が開示されている。また、
特公平4−2525号公報では、ケイ酸ナトリウム水溶
液またはケイ酸アルキルを、酸、アルカリ、水などでゲ
ル化し、それらと相溶性のない溶媒中で乳化し造粒する
方法が開示されている。これらの乳化法では、中実で陥
没のない球状シリカゲルが比較的容易に得られるが、一
般に使用される乳化剤が高価格であるため、球状シリカ
ゲルの製造コストが高くなる課題がある。
【0004】球状シリカゲルの製造方法として、噴霧法
も良く知られている。特開昭61−168520号公
報、特開平7−138015号公報、特開平7−196
310号公報では、シリカゾルを噴霧乾燥して球状シリ
カゲルを製造する方法が開示されている。また、特開昭
60−54914号公報、特開昭60−81012号公
報、特開平3−223107号公報、特公平4−682
47号公報、特公平5−3413号公報では、ケイ酸ア
ルカリ溶液を噴霧乾燥してゲル化させた後で、中和する
ことにより球状シリカゲルを製造する方法が開示されて
いる。これらの方法で得られる球状シリカゲルは、細孔
容積が約0.6cm3/g以下のものが多く、しかも細
孔物性の制御が困難である。さらに、表面の一部が陥没
した粒子が生成しやすい課題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、中実で、陥
没や亀裂がなく、粒子強度が高く、粒度分布のシャープ
な球状シリカゲルを製造することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転円盤式噴
霧装置の回転円盤部分に、ケイ酸アルカリ溶液および酸
溶液を、別々に連続供給し、ケイ酸アルカリ溶液および
酸溶液の混合液の液滴として飛散させ、その液滴を飛散
中にゲル化させる球状シリカゲルの製造方法を提供す
る。
【0007】本発明では、回転円盤式噴霧装置の回転円
盤部分に、ケイ酸アルカリ溶液および酸溶液を、別々に
連続供給する。ケイ酸アルカリ溶液および酸溶液をあら
かじめ混合して供給した場合には、回転円盤部分に到達
する前にケイ酸アルカリ中のケイ酸の一部が重合を起す
ので、混合の均一性が損なわれ、さらにシリカが供給部
でゲル化して析出するおそれがあるので不適当である。
本発明においては、ケイ酸アルカリ溶液および酸溶液
が、回転円盤部分において液滴化されるわずかの間に混
合されるので、ケイ酸アルカリの中和およびケイ酸の重
合は、実質的に液滴化した後で起こる。このため、得ら
れる球状シリカゲルは均質であり、しかも長時間安定し
て製造することができる。
【0008】従来の噴霧造粒による球状シリカゲルの製
造方法では、シリカゾルまたはケイ酸アルカリ溶液を液
滴化し、熱を加えてゲル化していた。この場合、ゲル化
は、主として溶媒の蒸発により起こるので、シリカゲル
粒子表面への溶媒移動によって、シリカゲル粒子が中空
化しやすく、さらに陥没や亀裂が発生しやすい。これに
対し、本発明では、ケイ酸アルカリの中和およびケイ酸
の重合によりゲル化する。この過程は、ほとんど体積変
化を伴わないので、球状シリカゲル粒子が中空化しにく
く、陥没や亀裂の発生も抑制される。
【0009】本発明による、ゲル化後の球状シリカゲル
は、溶媒蒸発を伴わないことによりヒドロゲルであり、
後工程の適当な段階で、熟成処理を行うことによって、
希望する任意の細孔容積を得ることができる。
【0010】本発明により得られた球状シリカゲルは、
回転円盤による噴霧造粒の特性から、噴霧液滴の液滴径
分布を制御することができ、その結果得られるシリカゲ
ル粒子の粒度分布がシャープとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用するケイ酸アルカリ
としては、ケイ酸ナトリウムが好ましい。ケイ酸ナトリ
ウムは、所望とするシリカゲルの特性に応じて、種々の
ケイ酸とナトリウムのモル比のものを用いることができ
る。具体的には、SiO2/Na2Oモル比として、2.
0〜3.4が好ましい。ケイ酸アルカリ溶液中の、ケイ
酸濃度は、SiO2に換算して5〜25重量%が好まし
い。
【0012】ケイ酸アルカリ溶液と混合する酸は、特に
限定されないが、硫酸を用いるのが好ましい。酸溶液の
濃度は、10〜30重量%が好ましい。
【0013】ケイ酸アルカリ溶液と酸溶液は、混合した
後の液のpHが5〜10であることが好ましい。pH
が、5未満または10超の場合は、ゲル化に要する時間
が長くなり、液滴のゲル化が不充分なうちに、噴霧装置
を格納する容器の壁や底部などに接触するので、シリカ
ゲルの粒子が互いに接合して凝集したり、球状シリカゲ
ルの収率が低下するおそれがあるので好ましくない。
【0014】ケイ酸アルカリ溶液および酸溶液は、15
℃以下で供給するのが好ましい。ケイ酸アルカリ溶液ま
たは酸溶液の温度が15℃を超える場合は、ゲル化時間
が短くなるので、回転円盤の接触面でゲル化が生じて、
スケールが発生するおそれがあるので好ましくない。
【0015】液滴を飛散させる雰囲気の温度は、20℃
以上であることが好ましい。雰囲気の温度が20℃に満
たない場合は、液滴のゲル化が不充分なうちに、噴霧装
置を格納する容器の壁や底部などに接触するので、シリ
カゲルの粒子が互いに接合して凝集したり、球状シリカ
ゲルの収率が低下するおそれがあるので好ましくない。
【0016】噴霧装置を格納する容器の内壁に沿って、
球状シリカゲル回収用液体を流下させる場合は、球状シ
リカゲルが直接容器の内壁に接触することがないので好
ましい。この場合、球状シリカゲルはスラリーとして回
収できる。回収したスラリーは、シックナーなどで濃縮
するか、遠心分離器やベルトフィルターなどで固液分離
し、さらに乾燥して球状シリカゲルを得ることができ
る。
【0017】容器の内壁に沿って流下させる球状シリカ
ゲル回収用液体としては、水または水溶液が好ましい。
イオン交換水のような溶質を実質的に含まない水を用い
ることもできるが、硫酸などの酸の溶液、またはアルカ
リ金属やアルカリ土類金属の炭酸水素塩、炭酸塩の溶液
を使用する場合は、球状シリカゲルスラリーのpHの影
響で、ゲル化を促進する効果があるので好ましい。この
目的で用いる水溶液として、特に、硫酸または塩酸の希
薄水溶液、または炭酸水素ナトリウム水溶液が好適であ
る。
【0018】噴霧装置の回転円盤は、ケイ酸アルカリ溶
液および酸溶液を、短時間のうちに充分混合して液滴化
するため、結合された2枚の回転円盤の間から液滴が噴
霧される形式のものが好ましい。このような回転円盤
は、一般に多翼型回転円盤と呼ばれるものである。
【0019】本発明において好適に使用される回転円盤
の一例を図1に示す。図1の回転円盤において、回転軸
1の先端に円盤3が取り付けられており、円盤3には多
数の結合ピン4により円盤2が取り付けられている。円
盤2には中央部に穴があいており、この穴に回転軸1が
貫通している。すなわち、回転軸1、円盤2、円盤3、
結合ピン4は互いに固定されており、回転軸1の回転に
伴って回転する。図1においては、結合ピン4が円筒状
であるが、この結合ピン4は、角柱状、板状など種々の
形状のものを使用することができる。
【0020】円盤2の穴には、回転軸1と円盤2とは接
触しないように、ケイ酸アルカリ溶液供給管5および酸
溶液供給管6が通り、円盤3および円盤2の間にケイ酸
アルカリ溶液および酸溶液を別々に供給する。ケイ酸ア
ルカリ溶液供給管5および酸溶液供給管6は、回転軸1
が回転しても動かない。
【0021】ケイ酸アルカリ溶液供給管5および酸溶液
供給管6からそれぞれ供給されたケイ酸アルカリ溶液お
よび酸溶液は、円盤2および円盤3の間で混合され、結
合ピン4の間から外部に液滴として噴霧される。結合ピ
ン4の内側に、さらに混合用のピンを複数本設けること
によって、ケイ酸アルカリと酸との混合をより均一にす
ることができる。
【0022】回転円盤では、混合溶液の一部がゲル化し
てスケールが発生する場合がある。スケールの発生によ
り、球状シリカゲルを安定して長期間製造することが困
難になる。ケイ酸アルカリ溶液と酸溶液について、温
度、濃度、混合比、共存塩濃度などを変えてゲル化速度
を調整することにより、スケールの発生を抑制すること
ができる。さらに、回転円盤の混合溶液と接する部分
を、ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEとい
う)などのフッ素樹脂製の材料にするか、その部分をフ
ッ素樹脂でコーティングする方法も好適である。
【0023】本発明により得られた球状シリカゲルに
は、ケイ酸アルカリと酸との反応により生成した塩が含
まれるので、これを洗浄して除去するのが好ましい。洗
浄方法は特に限定されるものではない。例えば、濾布の
表面に球状シリカゲルの濾過ケーキ層を形成し、これに
洗浄水を供給しながら、遠心濾過、減圧濾過、または加
圧濾過などにより、水溶性不純物を洗浄する方法が好適
である。また、濾過ケーキを再度水で希釈してスラリー
化し、これを充分撹拌した後で濾過する操作を一回また
は数回繰り返し、不純物を除去する方法も好適である。
【0024】洗浄に使用する水についても、特に限定さ
れるものではないが、最終製品の純度や不純物含有許容
量などを勘案し、水道水、イオン交換水、脱塩水などが
使用される。また、この場合の水の使用方法についても
特に限定されず、例えば、脱塩水のみを単独で使用する
方法や、コストを考慮して前半は水道水を使用し、後半
はイオン交換水を使用する方法など、任意に選定でき
る。
【0025】球状シリカゲルは、洗浄後は、乾燥し、必
要に応じて焼成処理などを行う。細孔特性を制御するな
どの目的で、製造工程の適当な段階で、熟成処理を行う
こともできる。
【0026】乾燥方法としては、公知の方法を使用する
ことができるが、乾燥時の細孔の収縮を防止するため
に、気流乾燥、凍結乾燥、超臨界乾燥などが好適であ
る。水中に球状シリカゲルが分散したスラリーを、スプ
レードライで乾燥する方法は、細孔容積の大きい球状シ
リカゲルを得ることができるので好ましい。また、乾燥
前に、水と相溶性があり表面張力の低いアルコールなど
の有機溶媒で水を置換した後、乾燥する場合は、乾燥時
の細孔の収縮を防止することができる。
【0027】本発明の製造方法により、好ましくは平均
粒子径1〜100μmの球状シリカゲルが得られる。平
均粒子径のさらに好ましい範囲は、30〜100μmで
ある。
【0028】本発明の製造方法により得られる球状シリ
カゲルの特性は、ケイ酸アルカリ溶液と酸溶液の温度、
濃度、混合比、共存塩濃度などの調整、または、熟成処
理により制御することができる。本発明の製造方法によ
り、細孔容積が0.01〜3.0ml/g、比表面積が
1〜1000m2/g、粒子の圧縮強度が1〜10kg
f/mm2の範囲の球状シリカゲルを好適に製造するこ
とができる。
【0029】本発明の製造方法により得られる球状シリ
カゲル粒子は、粒子径が均一で、形状が真球に近いの
で、例えば液体クロマトグラフィー用の充填材として、
好適に用いることができる。
【0030】
【実施例】[例1]SiO2濃度21.2重量%、Si
2/Na2Oモル比3.0のケイ酸ナトリウム水溶液を
50ml/minの供給速度で、20.0重量%の硫酸
水溶液を30ml/minの供給速度で、図1の回転円
盤の中心部に別々に連続供給した。ケイ酸ナトリウム水
溶液および硫酸水溶液の温度はそれぞれ15℃に調節
し、雰囲気の温度は25℃であった。ケイ酸ナトリウム
水溶液および硫酸水溶液の混合後のpHは8.0であっ
た。
【0031】この回転円盤は、接液部がPTFEでコー
ティングされており、直径75mm、回転速度1100
0rpmであった。ケイ酸ナトリウム水溶液および硫酸
溶液は、回転円盤により混合され、連続的に液滴化され
た。16時間連続に安定して運転できた。
【0032】回転円盤は、直径1.4m、高さ0.8m
の円筒形容器の最上部に設置されていた。容器の内壁に
は、球状シリカゲル回収用液体として、上部から5重量
%の炭酸水素ナトリウム水溶液を噴霧し、噴霧装置を格
納する容器の内壁に沿って、炭酸水素ナトリウム水溶液
を流下させた。この水溶液に、壁面部まで飛散した粒子
を受け止めて、球状シリカゲルをスラリーとして回収し
た。このスラリーのpHは8.5であり、固形分濃度は
0.3重量%であった。
【0033】次に、このスラリーに硫酸を加えてpH
6.0に調整し、60℃で1時間加熱して、熟成処理を
行った。このスラリーを固液分離し、そのケーキを固形
分の100倍のイオン交換水で洗浄した後、スプレード
ライヤーで乾燥し、球状シリカゲルを得た。
【0034】この球状シリカゲルの、細孔容積は1.2
ml/g、比表面積は720m2/g、平均粒子径は5
8.2μm、圧縮強度は5.2kgf/mm2であっ
た。ここで、球状シリカゲルの細孔容積および比表面積
は、ユアサアイオニクス社製の商品名オートソーブ3B
で測定した。平均粒子径は、日機装社製の商品名マイク
ロトラックHRA X100で測定した。圧縮強度は、
島津製作所製微小圧縮試験機MCTM−500を用い、
平均粒子径とほぼ同じ粒子径を持つ粒子を選び出して測
定した。
【0035】さらに、球状シリカゲル粒子の外観につい
て走査型電子顕微鏡で観察し、表面の陥没や亀裂のない
ものであることを確認した。また、球状シリカゲル粒子
の内部の構造は、シリカゲル粒子をエポキシ樹脂に埋
包、固化した後、ミクロトームで厚さ0.1μmの試料
とし、その試料の切片を光学顕微鏡で観察し、中実であ
ることを確認した。
【0036】[例2]例1における熟成処理を行った後
のスラリーを固液分離し、そのケーキを固形分の100
倍のイオン交換水で洗浄した後、静置式乾燥機を用い
て、120℃で6時間乾燥したこと以外は、例1と同様
にして球状シリカゲルを得た。
【0037】例1と同様に評価したところ、細孔容積は
0.7ml/g、比表面積は723m2/g、平均粒子
径は51.1μm、圧縮強度は8.3kgf/mm2
あった。この球状シリカゲルは、中実で、表面の陥没や
亀裂のないものであった。
【0038】[例3]例1における硫酸を加える前のp
H8.5のスラリーに、硫酸を加えてpH3.0に調整
した後、このスラリーを固液分離し、そのケーキを固形
分の100倍のイオン交換水で洗浄した後、静置式乾燥
機を用いて、120℃で6時間乾燥したこと以外は、例
1と同様にして球状シリカゲルを得た。
【0039】例1と同様に評価したところ、細孔容積は
0.3ml/g、比表面積は562m2/g、平均粒子
径は40.7μm、圧縮強度は9.3kgf/mm2
あった。この球状シリカゲルは、中実で、表面の陥没や
亀裂のないものであった。
【0040】[例4]ケイ酸ナトリウム水溶液と硫酸水
溶液の温度をそれぞれ5℃に調整し、乾燥用空気を3m
3/minで流して雰囲気温度を50℃に調整した以外
は、例1と同様にして、ケイ酸ナトリウム水溶液と硫酸
水溶液を混合し噴霧した。
【0041】容器の内壁に、5重量%の炭酸水素ナトリ
ウム水溶液を噴霧し、濡壁を形成した以外は、例1と同
様にして球状シリカゲルと水からなるスラリーを得た。
【0042】このスラリーに硫酸を加え、pH6.0に
調整し、60℃で1時間加熱処理した。このスラリーを
固液分離し、そのケーキを固形分の100倍のイオン交
換水で洗浄し、スプレードライヤーで乾燥し、球状シリ
カゲルを得た。
【0043】例1と同様に評価したところ、細孔容積は
0.9ml/g、比表面積は669m2/g、平均粒子
径は44.5μm、圧縮強度は3.4kgf/mm2
あった。この球状シリカゲルは、中実で、表面の陥没や
亀裂のないものであった。
【0044】[例5]例4で得られた球状シリカゲル粒
子を、篩を用いて粒子径40〜63μmの範囲の粒子だ
けを分離した。この球状シリカゲル粒子を内径50m
m、有効高さ200mmのカラムに充填し、液体クロマ
トグラフ用カラムを作成した。このカラムに展開液(ノ
ルマルヘキサン90容積%、ジオキサン10容積%)
を、流速50ml/minで流し、アニソールとオルト
ニトロアニソールの液体クロマトグラフを測定した(検
出波長254nm)。このときの理論段数は6200段
/mであった。
【0045】粒子径40〜63μm、細孔容積0.77
ml/g、比表面積561m2/g、の破砕状のシリカ
ゲル(関東化学社製、商品名LiChroprep S
i60)を用いた、同じ条件下での測定では、理論段数
は3200段/mであった。球状化により液体クロマト
グラフィーの性能が向上したことが、確認できた。
【0046】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、中実で、表
面の陥没や亀裂のない球状シリカ粒子を効率よく製造で
きる。ケイ酸アルカリ溶液と酸溶液の、温度、濃度、混
合比、共存塩濃度の制御、熟成処理条件の制御により、
球状シリカゲル粒子の物性を調整できる。得られる球状
シリカゲルは、粒子の機械的強度が高く、細孔特性の調
整も容易であるので、触媒、触媒担体、化粧品用顔料、
クロマトグラフィー充填材、樹脂充填材、吸着剤、乾燥
剤、軽量化材などに好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する回転円盤の一例の斜視図
【符号の説明】
1:回転軸 2:円盤 3:円盤 4:結合ピン 5:ケイ酸アルカリ溶液供給管 6:酸溶液供給管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 広雄 千葉県市原市五井海岸10番地 旭硝子株式 会社内 Fターム(参考) 4G072 AA28 BB07 CC10 GG03 HH21 JJ13 JJ15 LL06 LL07 LL09 MM01 MM23 MM31 MM32 MM33 MM34 PP05 RR12 SS06 SS07 UU07 UU11 UU12 UU15 UU17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転円盤式噴霧装置の回転円盤部分に、ケ
    イ酸アルカリ溶液および酸溶液を、別々に連続供給し、
    ケイ酸アルカリ溶液および酸溶液の混合液の液滴として
    飛散させ、その液滴を飛散中にゲル化させる球状シリカ
    ゲルの製造方法。
  2. 【請求項2】回転円盤が、結合された2枚の回転円盤で
    あり、その2枚の回転円盤の間から液滴が噴霧される請
    求項1に記載の球状シリカゲルの製造方法。
  3. 【請求項3】噴霧装置を格納する容器の内壁に沿って、
    球状シリカゲル回収用液体を流下させ、球状シリカゲル
    をスラリーとして回収する請求項1または2に記載の球
    状シリカゲルの製造方法。
  4. 【請求項4】前記液体が、炭酸水素ナトリウム水溶液ま
    たは酸水溶液である請求項3に記載の球状シリカゲルの
    製造方法。
  5. 【請求項5】ケイ酸アルカリ溶液および酸溶液を、15
    ℃以下で供給する請求項1〜4いずれか1に記載の球状
    シリカゲルの製造方法。
  6. 【請求項6】液滴が噴霧される雰囲気の温度が、20℃
    以上である請求項1〜5いずれか1に記載の球状シリカ
    ゲルの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014519967A (ja) * 2011-04-29 2014-08-21 コンストラクション リサーチ アンド テクノロジー ゲーエムベーハー ヒドロゲルの製造方法
JP2015113276A (ja) * 2013-12-16 2015-06-22 旭硝子株式会社 球状シリカ及びその製造方法

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JP2014519967A (ja) * 2011-04-29 2014-08-21 コンストラクション リサーチ アンド テクノロジー ゲーエムベーハー ヒドロゲルの製造方法
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