JP2001138456A - ポリオレフィン系積層フィルム - Google Patents

ポリオレフィン系積層フィルム

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JP2001138456A
JP2001138456A JP34833799A JP34833799A JP2001138456A JP 2001138456 A JP2001138456 A JP 2001138456A JP 34833799 A JP34833799 A JP 34833799A JP 34833799 A JP34833799 A JP 34833799A JP 2001138456 A JP2001138456 A JP 2001138456A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヒートシール性を有し、かつ、TD方向の引裂
き方向性、包装機械適性に優れたポリオレフィン系積層
フィルムを提供すること。 【解決手段】二軸延伸層(A)の片面に一軸延伸層
(B)を積層し、(B)層の積層されない面にヒートシ
ール層(C)が積層されたフィルムであって(A)層を
構成する樹脂の融点(ATm)と(B)層を構成する樹
脂の融点(BTm)が同じか、または、(A)層を構成
する樹脂の融点(ATm)が、(B)層を構成する樹脂
の融点(BTm)より15℃以内の範囲で大きく、
(A)層の厚みが全体の65〜95%であるポリオレフ
ィン系積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
積層フィルム及び包装体に関する。詳しくは、ヒートシ
ール性に優れ、フィルムの一定方向に対する引裂き方向
性及び包装機械適性に優れるポリオレフィン系積層フィ
ルム及び該フィルムを包装材料として用いた包装体であ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系フィルムを用いた包装
用袋は、自動包装化が進み、密封部分をヒートシールす
る必要性がある事から、フィルムにはヒートシール性が
必須の要件となる。自動包装化が進むなかで、包装適性
に優れた包装用フィルムの要求度が高まっており、包装
適性の良否はフィルムの機械的強度(引張弾性率、引張
強度)、カール、ヒートシール性、滑り性等に起因する
場合が多い。また、包装された物品は使用時に内容物を
取り出す必要があるが、この際、ポリオレフィン系フィ
ルムの引裂き方向性が劣ると内容物が取り出しにくく不
便である。この為、機械的にミシン目等を入れ方向性を
付与する方法やポリオレフィン系フィルム成形時のフィ
ルム流れ方向(MD方向)に対して直角の方向(TD方
向)の引裂き方向性を改良する為に、TD方向だけに一
軸延伸する方法、二軸延伸層と一軸延伸層を積層し、一
軸延伸層の構成比を50%以上にする方法等が知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、機械的にミシ
ン目等を入れ方向性を付与する方法は、加工コストが掛
かり高価となる事から好ましくない。ポリオレフィン系
フィルムのTD方向の引裂き方向性を改良する為に、T
D方向だけに一軸延伸する方法(例えば特開昭63−1
32051号公報など)、二軸延伸層と一軸延伸層を積
層し、一軸延伸層の構成比を50%以上にする方法(例
えば特開昭56−95975号公報など)については、
いずれの方法も自動包装加工において機械的強度、カー
ルの問題から包装機械適性が十分とはいえなかった。
【0004】そこで、十分なヒートシール性を有し、か
つ、従来技術の欠点を解消したフィルムの一方向に対す
る引裂き方向性、及び包装機械適性に優れたポリオレフ
ィン系積層フィルムが待望されていた。
【0005】
【課題を解決する為の手段】本発明者は、上記した課題
を解決する為鋭意研究を重ねた結果、二軸延伸層(A)
の片面に一軸延伸層(B)を積層し、その反対面にヒー
トシール層(C)が積層されたフィルムにて(B)層の
樹脂の融点が(A)層の樹脂の融点と同じかあるいは、
(B)層の樹脂の融点を(A)層の樹脂の融点より低く
し、かつ、(A)層の構成比を限定する事により得たポ
リオレフィン系積層フィルムが、上記課題を解決できる
ものである事を見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、二軸延伸層(A)の
片面に一軸延伸層(B)を積層し、その反対面にヒート
シール層(C)が積層されたフィルムであって(A)層
を構成する樹脂の融点(ATm)と(B)層を構成する
樹脂の融点(BTm)が同じか、または、(A)層を構
成する樹脂の融点(ATm)が、(B)層を構成する樹
脂の融点(BTm)より15℃以内の範囲で高く、
(A)層の厚みが全体の65〜95%である事を特徴と
するポリオレフィン系積層フィルムである。さらには、
(A)層の(B)層を積層する面の平均粗さ(Ra)が
0.01〜0.3である事を特徴とするポリオレフィン
系積層フィルムに関する。また、さらには、これらのポ
リオレフィン系積層フィルムを包装用材として用い、該
ファイルの(B)層の延伸方向にノッチが入れられた包
装体をも包含する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、まず、ヒートシール性
を有し、フィルムの一定の方向に対し引裂き方向性を有
すると共に、カール等の生じない、包装用材料、特に自
動包装に用いられる包装材料として好適なポリオレフィ
ン系積層フィルムを提供するものであって、その構成は
二軸延伸されたポリオレフィン系樹脂の層((A)層)
の片面に一軸延伸されたポリオレフィン系樹脂の層
((B)層)が存在し、(A)層の他方の面にはヒート
シール層((C)層)が存在する。本発明の重要な特徴
の一つは(A)層を構成する樹脂の融点(ATm)と
(B)層を構成する樹脂の融点(BTm)との関係が、
(ATm)≧(BTm)であり、他の重要な特徴は
(A)層の厚さが、全体の厚さの65〜95%を有する
ことにある。更に他の特徴は、以下の説明から理解され
るであろう。
【0008】従って、本発明においては、(A)層、
(B)層及び(C)層を構成するための延伸方法や積層
方法は何ら限定されるものではなく、従来公知の方法が
採用される。一般的には、(A)層を構成する樹脂と
(C)層を構成する樹脂とを共押出しによりフィルムと
し、MD方向に延伸した後、これに(B)を構成する樹
脂を押し出しラミネートしてTD方向に延伸する方法が
用いられる。
【0009】しかしながら本発明は、上記方法に限定さ
れるものではなく、例えば、二軸延伸されたポリオレフ
ィン系樹脂フィルムと、一軸延伸されたポリオレフィン
系樹脂フィルムとをドライラミネートし、これに(C)
層を押出しラミネートする方法や、あらかじめ(A)を
構成する樹脂を押出し、MD方向に延伸し、次いで、
(B)層を構成する樹脂を押出しラミネートし、TD方
向に延伸した後、ヒートシール層をコートする方法など
が任意に行える。
【0010】本発明は、更に上記ポリオレフィン系積層
フィルムを包装用材料として用いた包装体である。すな
わち、本発明のポリオレフィン系積層フィルムは一方向
に引裂き易い性質(引裂き方向性)があるため、包装用
材料例えば包装用袋等として用いた場合、包装体の内容
物を取り出すための開封が極めて容易となる。一般に
は、包装体の開封が予定される位置に、前期積層フィル
ムの(B)層を構成する樹脂の延伸方向に引裂き用のノ
ッチを入れておくことによって、極めて容易に開封する
ことができる包装体を得ることが出来る。
【0011】本発明の(A)層、(B)層に用いるポリ
オレフィン系樹脂は、フィルム成形可能なもので、か
つ、延伸配向性を有するものであれば、任意に選択可能
である。好適には、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1ペン
テン等の炭素数2〜10のα−オレフィンの単独重合
体、上記α−オレフィン同士の共重合体、上記α−オレ
フィンとこれと共重合可能な他の単量体との共重合体、
およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0012】上記α−オレフィンと共重合可能な他の単
量体としては、酢酸ビニル、マレイン酸、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等を挙げ
る事ができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−1−
ブテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エ
チレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−
プロピレン−ブタジエン共重合体、およびこれらのポリ
オレフィンを主成分とするブレンド物が挙げられる。こ
のうち特に、ポリプロピレンやプロピレン−エチレン共
重合体等のプロピレン系重合体が特に好ましい。
【0013】ポリオレフィン系樹脂には、必要に応じ
て、酸化防止剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、防曇剤、ブ
ロッキング防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、造核剤、顔
料、抗菌剤等の添加剤を効果の阻害されない範囲で配合
されても良い。
【0014】本発明において(A)層を構成する樹脂の
融点(ATm)と(B)層を構成する樹脂の融点(BT
m)が同じか、または、(A)層を構成する樹脂の融点
(ATm)が、(B)層を構成する樹脂の融点(BT
m)より15℃以内、好ましくは5〜10℃の範囲で高
い事が必須である。その為に、いかなる方法を選択して
も良いが、例えば、(A)層及び(B)層に比較的結晶
性が高く、融点の同じ樹脂(例えばポリプロピレンホモ
ポリマー)を用いる方法や、好ましくは、(A)層に用
いる樹脂は、比較的結晶性の高い樹脂(例えばポリプロ
ピレンホモポリマー等)を用い、(B)層には(A)層
に比べ結晶性が低い樹脂(例えばプロピレン−エチレン
共重合体等)を用い、そのプロピレン−エチレン共重合
体のエチレン量により、融点差をコントロールする方法
をとれば良い。
【0015】(A)層の樹脂の融点が(B)層の樹脂よ
り融点が低い場合には、例えば、テンター法で本発明の
積層フィルムを作る場合、(A)層/(B)層に積層さ
れたシートが、テンター内で延伸される際、その延伸温
度によって、(A)層が溶融し、配向が不十分となるば
かりか、(A)層樹脂が再結晶化する為、(A)層の剛
性が低下し、その結果、包装機械適性に劣るものとなる
為好ましくない。
【0016】また、(A)層の樹脂の融点と(B)層の
融点差が15℃を超えた場合は、(A)層に用いる樹脂
に比べ、(B)層に用いた樹脂の結晶性が低下し、一軸
延伸時の分子配向が低下する為に、(B)層の延伸方向
(一般にTD方向)の引裂き方向性に劣る為好ましくな
い。
【0017】(A)層に用いる樹脂の融点は、140〜
165℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは、145
〜163℃の範囲が好ましい。(A)層に用いる樹脂の
融点が140℃未満の場合、引張弾性率、引張強度等の
機械的強度が低下するとともに引裂き方向性に劣る為好
ましくない。また、(A)層に用いる樹脂の融点が16
5℃を超えた場合、フィルムの製膜性に劣り、製膜時の
破れ等が発生する為、生産性が悪く好ましくない。
【0018】また、(A)層に用いる樹脂のメルトフロ
ーレイト(以下MFRという)は特に制限するものでは
ないが、0.1〜10g/10分の範囲、好ましくは、
1〜5g/10分の範囲が好ましい。MFRが0.1g
/10分未満では溶融押出し時の押出し安定性に欠けフ
ィルム製膜する上で好ましくない。MFRが10g/1
0分を超えるとフィルム製膜後の方向性に劣る為好まし
くない。また、(B)層に用いる樹脂のMFRについて
も特に制限するものではないが、2〜100g/10分
の範囲、好ましくは、5〜30g/10分の範囲が好ま
しい。
【0019】また、(B)層は、二軸延伸層である
(A)層の片面に積層されており、その積層方法は、イ
ンラインラミネート法にて積層する事が好ましい。イン
ラインラミネート法に用いる(B)層の樹脂のMFR
は、高速延展性に優れた樹脂を選定する必要があり、M
FRが2g/10分未満の場合、高速延展性に欠ける。
MFRが100g/10分を超えると一軸延伸時の分子
配向が不足し、積層後、フィルムの方向性に劣る為、好
ましくない。
【0020】また、(B)層に用いるポリオレフィン系
樹脂の融点は、140℃以上が好ましく、145℃以上
がさらに好ましい。(B)層に用いるポリオレフィン系
樹脂の融点が140℃未満の場合、一軸延伸時の分子配
向が低く引裂き方向性に劣る。
【0021】次に(C)層に用いる樹脂について説明す
る。(C)層に用いる樹脂は、公知のヒートシール剤と
して用いられるものが何ら制限なく使用し得るが一般に
ヒートシール性が必要な事から、融点が80〜140℃
の範囲、好ましくは、90〜135℃である。融点が8
0℃未満では耐熱性に乏しく、延伸時、クリップに付着
する為好ましくない。また、融点が140℃を超えると
ヒートシール時の温度を高くする必要があり、ヒートシ
ール後の積層フィルムが収縮する等の現象が発生すると
ともに、自動包装時の低温ヒートシール性に劣る為好ま
しくない。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブ
テン等のα−オレフィンの単独重合体、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテンの共重合体およびこれらのブレンド
物等が挙げられる。
【0022】本発明におけるポリオレフィン系積層フィ
ルムは、目的である(B)層の延伸方向、一般にはTD
方向の引裂き方向性および、自動包装機における良好な
包装機械適性を得る為に、(A)層、(B)層、各層の
層構成比が重要となる。全体の厚さについて、好ましく
は15〜100μmの範囲、さらに好ましくは20〜6
0μmである。
【0023】層構成比として特に、(A)層の厚みが全
体の65〜95%の範囲、好ましくは75〜90%の範
囲であることが必須である。(A)層の厚みが全体の6
5%未満になると機械的強度が低下し、包装機械適性に
劣る為好ましくない。(A)層の厚みが全体の95%を
超えると(B)層の延伸方向の引裂き方向性に劣る為好
ましくない。(B)層の厚みは全体の1〜32%の範
囲、好ましくは2〜25%の範囲である。また、(B)
層の好ましい厚さは、0.5〜5μmであり、さらに好
ましくは1〜3μmである。(C)層の厚さは、用途に
よって異なるが通常、0.5〜5μmが好ましい。
(C)層の厚さはヒートシール強度と相関が強く、厚み
を厚くすることでヒートシール強度の向上が図れる。
【0024】本発明のポリオレフィン系積層フィルムに
おいて、(A)層の(B)層を積層する面の平均粗さ
(Ra)が0.3までの範囲、好ましくは0.01〜
0.3、更には0.03〜0.15の範囲にある事が、
(B)層の延伸方向の引裂き方向性の為により好適であ
る。(A)層の(B)層を積層する面の平均粗さ(R
a)が0.01未満の場合、表面が平滑になりすぎて、
積層する(B)層との接着性が劣る傾向のある為、積層
後(B)層の剥離が生じやすくなる。逆に平均粗さ(R
a)が0.3を超えると表面が粗れている為、(B)層
に用いる樹脂との接着強度が増す事で引裂き方向性が次
第に悪化する為好ましくない。すなわち、(A)層の
(B)層を積層する面を適度な粗度にする事が引裂き方
向性の為には好ましいのである。
【0025】この現象は、引裂く際に(A)層と(B)
層間に適度な接着強度を持たせる事を意味し、例えば、
ノッチを入れた部分から(B)層の延伸方向、一般にT
D方向に引裂く際、(A)層と(B)層間で適度な剥離
が起こり、(B)層の方向性をきっかけとして基材の
(A)層がそれに追従する形で引裂き方向性が発現して
いくものと推定される。
【0026】さらにこの現象は、本発明の層構成を持っ
たポリオレフィン系フィルムにて発生するものであり、
二軸延伸層である(A)層の(B)層を積層する面の平
均粗さ(Ra)を制御する為には、製造条件が重要のポ
イントとなる。その方法は特に制限されるものではない
が、(A)層をシート化する際、物理的に適度な粗さを
持ったチルロールにて成形後、延伸する方法や、(A)
層をシート化する際のチルロール温度によりコントロー
ルし成形後、延伸する方法や、シート成形後の縦延伸工
程にて、その延伸温度等でコントロールすれば良い。
【0027】また、平均粗さ(Ra)の測定方法につい
て説明すると、積層した(B)層に例えばセロファンテ
ープの様な粘着剤の着いたテープを貼付け、(A)層と
(B)層の界面を剥離して、(B)層を積層した(A)
層の面を三次元粗さ計にて測定すれば簡単に測定でき
る。
【0028】また、本発明はこのようにして得られたポ
リオレフィン系積層フィルムを包装材料として用いた包
装体であって、該フィルムを構成する(B)層の延伸方
向に引裂き用のノッチをいれたものでもある。引裂きノ
ッチの形状については特に制限はないが、通常、V型ノ
ッチ、コの字型ノッチ等が用いられ、ノッチは通常、自
動包装機の包装ライン内で加工される。自動包装機は特
に限定するものではないが、一般に知られている例え
ば、ピロー包装機、三方シール機、四方シール機、サイ
ドシール機等が挙げられる。
【0029】次に本発明のポリオレフィン系フィルムの
製造方法については、特に限定されないが次に一般例を
述べる。
【0030】まず(A)層、(C)層に用いるポリオレ
フィン系樹脂を(A)層/(C)層の形で2層積層シー
トをチルロールにて冷却固化し、得られたシートを一般
に80〜160℃の範囲で2〜10倍にMD方向に一軸
延伸を行う。一軸延伸されたシートの(A)層を構成す
る面にATmと同じ融点を有するか、または、ATmよ
り15℃以内の範囲で低い融点(BTm)を有するポリ
オレフィン系樹脂を、通常全体の厚さの1〜32%の範
囲、好ましくは2〜25%の範囲で積層して(B)層と
する。
【0031】(B)層を積層する方法としては例えば、
押出しラミネート法、既に製膜加工されたフィルムを熱
ロールにて貼り付ける方法等が挙げられる。得られた3
層積層シートは(A)層の厚みが全体の65〜95%の
範囲、好ましくは75〜90%の範囲にあるようにし、
さらにテンターに導き、100〜180℃で3〜12倍
にTD方向に延伸し、必要であれば、1〜20%弛緩
し、熱処理を行う。
【0032】得られたポリオレフィン系積層フィルムの
片面、両面にコロナ放電処理などの公知の表面処理を行
い、処理面の濡れ指数を36〜50N/cmとする事が
好ましい。得られた積層フィルムは機械的強度に優れ、
カールもない事から自動包装機での包装適性に優れると
共に、TD方向にノッチを入れた部分からのTD方向引
裂き方向性に優れるものであった。
【0033】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系積層フィルム
は、上記の説明のように、二軸延伸層(A)の片面に一
軸延伸層(B)を積層し、(B)層の積層されない面に
ヒートシール層(C)が積層されたフィルムであって
(A)層を構成する樹脂の融点(ATm)と(B)層を
構成する樹脂の融点(BTm)が同じか、または、
(A)層を構成する樹脂の融点(ATm)が、(B)層
を構成する樹脂の融点(BTm)より15℃以内の範囲
で大きく、(A)層の厚みが全体の65〜95%とする
ことで、従来技術の機械的強度の弱さ、カールを解消
し、TD方向の引裂き方向性に優れるという、従来全く
予期されなかった効果を実現したフィルムである。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を掲げて説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0035】実施例及び比較例において使用したポリオ
レフィン系樹脂を表1に示し、フィルムの特性を表2に
示した。
【0036】また、以下の実施例及び比較例において用
いた測定方法は次の方法により実施した。
【0037】(1)融点 セイコー電子社製の示差走査熱量計を用い、次の条件で
測定した。
【0038】試料量 :約5mg 雰囲気ガス:窒素(流量20ml/分) 温度条件 :230℃に10分間保持した後、10℃/
分で30℃まで降温し、続いて昇温速度10℃/分で昇
温したときの融解の吸熱挙動を測定した。
【0039】(2)メルトフローレイト(MFR) JIS−K7210に準じ測定した。
【0040】(3)平均粗さ(Ra) 表面粗さ計(小坂研究所製TDF−3A型)にて次の条
件で測定した。
【0041】測定速度 :0.1mm/秒 測定距離 :4mm カットオフ :0.8mm 測定方向 :MD方向 (4)機械的強度(フィルムの剛性) JIS−K7113に準じ、以下の方法で引張弾性率を
測定した。
【0042】フィルムから幅10mm、長さ100mm
のサンプルを切り出し、サンプルの両端を引張試験機
(オートグラフ:島津製作所製)のチャックで固定し
た。この場合、サンプルの長さ方向のチャック間隙が2
0mmになるように調整した。引張速度20mm/分で
引張試験を行い、引張応力−歪み曲線を作成した。
【0043】引張弾性率は引張応力−歪み曲線の初めの
直線部分を用いて、次式によって計算した。
【0044】Em=Δδ/Δε Em:引張弾性率 Δδ:直線上の2点間の、サンプルの元の平均断面積に
よる応力の差 Δε:同じ2点間の歪みの差 尚、サンプルは、フィルムのMD及びTDについて測定
した。
【0045】(5)カール率 幅50mm長さ300mmに切り出したサンプルを、2
3℃50%RHの条件で24時間放置した後の、見かけ
の長さを測定し、元の長さ(300mm)で除した値を
カール率とした。
【0046】(6)引裂き方向性 TD方向を長さ方向とし、幅150mm、長さ300m
mに切り出したサンプルの中央部に、長さ方向と平行
に、10mm間隔のノッチを入れる。ノッチ部を持って
長さ300mmを引裂いた後の幅を測定し、次式で求め
た値を引裂き方向性とした。
【0047】|10(mm)−300mm引裂き後の端
部の幅(mm)|=引裂き方向性値 (7)自動包装適性 溶断シール機(キョウエイ製PP−500型)にて幅2
00mm長さ300mmの袋を150枚/分の速度で製
袋し、その適性を次のように評価した。
【0048】自動包装適性評価 ○:全く問題なく製袋可能であり、製袋後の袋揃えが容
易 △:問題なく製袋可能であるが、製袋後の袋揃えが悪い ×:製袋時、袋がスムーズに搬送されず、製袋後の袋揃
えが悪い 実施例1 (A)層に用いるポリオレフィン系樹脂として、MFR
2.5g/10分のポリプロピレンホモポリマー(融点
162℃)を、(C)層に用いるポリオレフィン系樹脂
としてMFR8.0g/10分のエチレン−プロピレン
ランダム共重合体(エチレン量5.5重量%)にプロピ
レン−ブテン共重合体(三井化学製XR110T)を2
0重量%調合したものをそれぞれ2台の押出し機にて2
種2層共押出法により265℃の樹脂温度でシート状の
押出し、40℃に維持されたチルロールにより冷却固化
し、シート状物を得た。
【0049】次にこのシートを加熱ロール延伸機により
100〜150℃で5.0倍縦延伸した。得られた延伸
シートの構成は(A)層が220μm、(C)層が15
μmであった。次いで、得られた一軸延伸シートの
(C)層とは反対の面に、(B)層に用いるポリオレフ
ィン系樹脂として、MFR8.0g/10分のポリプロ
ピレンホモポリマー(融点161℃)を15μm押出し
ラミネートした。
【0050】次に、(C)層/(A)層/(B)層に構
成された積層シートを150℃に加熱した横延伸機で1
0倍に延伸後、155℃で熱処理をしながら幅方向に5
%弛緩させた。その後、大気中でフィルムの(B)層面
にコロナ放電処理を施し、40N/cmの濡れ指数のフ
ィルムを得た。得られたフィルムの層構成は(A)層が
22μm、(B)層が1.5μm、(C)層が1.5μ
mであった。得られたフィルムの特性を表1、2に示し
た。
【0051】実施例2及び3 実施例1の(B)層に用いる樹脂として融点155℃及
び147℃のエチレン−プロピレンランダム共重合体を
それぞれ用いた以外は、実施例1と全く同様に製膜しそ
の特性を評価した。その結果を表1、2に示した。
【0052】実施例4及び5 実施例1の(A)層に用いる樹脂を融点が156℃、1
45℃のエチレン−プロピレンランダム共重合体とし、
(B)層に用いる樹脂を融点が145℃、MFRが15
g/10分のエチレン−プロピレンランダム共重合体と
し、横延伸の温度を144℃及び133℃で延伸しなが
ら149℃及び138℃で幅方向の5%弛緩させた以外
は、実施例1と全く同様に製膜しその特性を評価した。
その結果を表1、2に示した。
【0053】実施例6 実施例1の(B)層に用いる樹脂を融点155℃のエチ
レン−プロピレンランダム共重合体とし、各層の層構成
を(A)層が17μm、(B)層が6.5μm、(C)
層が1.5μmとした以外は、実施例1と全く同様に製
膜しその特性を評価した。その結果を表1、2に示し
た。
【0054】実施例7 実施例1の(B)層に用いる樹脂を融点155℃のエチ
レン−プロピレンランダム共重合体とし、各層の層構成
を(A)層が47μm、(B)層が1.5μm、(C)
層が1.5μmとした以外は、実施例1と全く同様に製
膜しその特性を評価した。その結果を表1、2に示し
た。
【0055】実施例8 実施例1の(A)層、(C)層からなる2層シートを冷
却固化する際、チルロールの温度を60℃とし、(B)
層に用いる樹脂をエチレン−プロピレンランダム共重合
体とし、融点を155℃とした以外は、実施例1と全く
同様に製膜しその特性を評価した。その結果を表1、2
に示した。得られたフィルムの(A)層の(B)層を積
層する面の平均粗さは0.42μmであり、引裂き方向
性に劣った。
【0056】比較例1 実施例1の(B)層に用いる樹脂を融点135℃のエチ
レン−プロピレンランダム共重合体とした以外は、実施
例1と全く同様に製膜しその特性を評価した。その結果
を表1、2に示した。(A)層の樹脂と(B)層の樹脂
の融点差は17℃であり、引裂き方向性に劣っていた。
【0057】比較例2及び3 実施例1の(B)層に用いる樹脂を融点155℃のエチ
レン−プロピレンランダム共重合体とし、各層の層構成
をそれぞれ、(A)層が15μm及び10μm、(B)
層が7.5μm及び12.5μm、(C)層が1.5μ
mとした以外は、実施例1と全く同様に製膜しその特性
を評価した。その結果を表1、2に示した。得られたフ
ィルムの(A)層の層構成比はそれぞれ、60%及び4
0%であり、いずれもMD方向の引張弾性率が低下し、
カール率が大きく、自動包装適性に劣ったフィルムであ
った。
【0058】比較例4 実施例1の(B)層に用いる樹脂を融点155℃のエチ
レン−プロピレンランダム共重合体とし、各層の層構成
を(A)層が58μm、(B)層が0.5μm、(C)
層が1.5μmとした以外は、実施例1と全く同様に製
膜しその特性を評価した。その結果を表1、2に示し
た。得られたフィルムの(A)層の構成比は96.7%
であり、自動包装適性には優れるものの、引裂き方向性
に劣ったフィルムであった。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E086 AC15 AC16 BA04 BA15 BA33 BB51 BB90 4F100 AK03A AK03B AK03C AK07A AK07B AK64C AK67C AL05C BA03 BA07 BA10A BA10C BA15 DB01 DD07A EJ37B EJ38A GB15 JA04A JA04B JL12C YY00A YY00B 4F210 AA03 AA09 AA11 AA11E AE01 AG03 QC01 QC05 QC06 QG01 QG15 QG18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二軸延伸層(A)の片面に一軸延伸層
    (B)が積層され、(B)層の積層されない面にヒート
    シール層(C)が積層されたフィルムであって、(A)
    層を構成する樹脂の融点(ATm)と(B)層を構成す
    る樹脂の融点(BTm)が同じか、または、(A)層を
    構成する樹脂の融点(ATm)が、(B)層を構成する
    樹脂の融点(BTm)より15℃以内の範囲で高く、
    (A)層の厚みが全体の65〜95%である事を特徴と
    するポリオレフィン系積層フィルム。
  2. 【請求項2】(A)層の(B)層が積層された面の平均
    粗さ(Ra)が0.01〜0.3である事を特徴とする
    請求項1記載のポリオレフィン系積層フィルム。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の積層フィルムにより
    包装されており、該フィルムは(B)層の延伸方向に引
    裂きノッチを有することを特徴とする包装体。
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