JP2001162740A - ポリオレフィン系積層フィルム - Google Patents

ポリオレフィン系積層フィルム

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JP2001162740A
JP2001162740A JP34887399A JP34887399A JP2001162740A JP 2001162740 A JP2001162740 A JP 2001162740A JP 34887399 A JP34887399 A JP 34887399A JP 34887399 A JP34887399 A JP 34887399A JP 2001162740 A JP2001162740 A JP 2001162740A
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polyolefin
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resin
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Naohiko Kuramoto
直彦 倉本
Kenji Shimizu
謙治 清水
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Tokuyama Corp
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Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヒートシール性を有し、かつ、TD方向の引裂
き方向性、包装機械適性に優れ、かつ、ヒゲの発生しな
いポリオレフィン系積層フィルムを提供すること。 【解決手段】二軸延伸層(A)の少なくとも片面に接着
層(B)、一軸延伸層(C)、ヒートシール層(D)の
順に積層されたフィルムであって、(C)層の厚みが全
体の15〜40%である事を特徴とするポリオレフィン
系積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
積層フィルム及び該フィルムで包装された包装体に関す
るものであり、詳しくは、ヒートシール性に優れ、しか
も、フィルムの一定方向に対する引裂き方向性及び、包
装機械適性に優れ、引裂き時ヒゲの発生のないポリオレ
フィン系積層フィルム及び該フィルムを包装材料として
用いた包装体である。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系フィルムを用いた包装
用袋は、自動包装化が進み、密封部分をヒートシールす
る必要性がある事から、フィルムにはヒートシール性が
必須の要件となる。自動包装化が進むなかで、包装適性
に優れた包装用フィルムの要求度が高まっており、包装
適性の良否はフィルムの機械的強度(引張弾性率、引張
強度)、カール、ヒートシール性、滑り性等に起因する
場合が多い。
【0003】また、包装された物品(包装体)は使用時
に内容物を取り出す必要があるが、この際、ポリオレフ
ィン系フィルムの引裂き方向性が劣ると内容物が取り出
しにくく不便である。この為、機械的にミシン目等を入
れ、引裂き方向性を付与する方法やポリオレフィン系フ
ィルム成形時のフィルム流れ方向(MD方向)に対して
直角の方向(TD方向)の引裂き方向性を改良する為
に、TD方向だけに一軸延伸する方法、二軸延伸層と一
軸延伸層を積層し、一軸延伸層の構成比を50%以上に
する方法等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、機械的にミシ
ン目等を入れ方向性を付与する方法は、加工コストが掛
かり高価となる事から好ましくない。ポリオレフィン系
フィルムのTD方向の引裂き方向性を改良する為に、T
D方向だけに一軸延伸する方法(例えば特開昭63−1
32051号公報など)、二軸延伸層と一軸延伸層を積
層し、一軸延伸層の構成比を50%以上にする方法(例
えば特開昭56−95975号公報など)については、
いずれの方法も自動包装加工において機械的強度、カー
ルの問題から包装機械適性が十分とはいえなかった。ま
た、二軸延伸層に一軸延伸層を積層した場合、引き裂き
時、層間剥離が生じる為、一軸延伸層が延伸方向に割れ
て引張られ、毛羽立つ、所謂「ヒゲ」現象が生じる。
【0005】そこで、本発明者らは、二軸延伸層の片面
に一軸延伸層を積層し、一軸延伸層の積層されない面に
ヒートシール層が積層されたフィルムであって二軸延伸
層を構成する樹脂の融点と一軸延伸層を構成する樹脂の
融点が同じか、または、二軸延伸層を構成する樹脂の融
点が一軸延伸層を構成する樹脂の融点より15℃以内の
範囲で高く、二軸延伸層の厚みが全体の65〜95%で
あるポリオレフィン系積層フィルムを提案した(特願平
11−245040号)。しかし、このフィルムは、ヒ
ートシール性を有し、且つ、一軸延伸層の延伸方向の引
き裂き方向性、包装機械適性に優れたポリオレフィン系
積層フィルムであるものの、ヒゲ現象について改良が十
分とは言えなかった。
【0006】本発明は、ヒートシール性及び引裂き方向
性を有し、且つ包装機械適性、就中機械的強度(引張弾
性率、引張強度など)が大きく、カールを生じ難い、し
かも引裂き時にヒゲの発生のない、すなわち包装材料と
して優れた適性を有するポリオレフィン系積層フィルム
を得ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、上記目的を
達成する為の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、
二軸延伸層と一軸延伸層の間に接着層を設ける事によ
り、ヒートシール性、包装機械適性を有し、一軸延伸層
の延伸方向、一般にTD方向への引き裂き方向性が良好
で、且つ、ヒゲの発生を防止する事ができる事を見出
し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、二軸延伸層(A)の
少なくとも片面に接着層(B)、一軸延伸層(C)、ヒ
ートシール層(D)の順に積層されたフィルムであっ
て、(C)層の厚みが全体の15〜40%である事を特
徴とするポリオレフィン系積層フィルムである。好まし
くは、(B)、(C)、(D)層の樹脂の融点が(A)
層の樹脂より低い事を特徴とするポリオレフィン系積層
フィルムであり、さらに好ましくは、120℃、15分
での熱収縮率が、MD方向で1〜10%、TD方向で1
〜15%であり、且つ、両方向の収縮率の比(TD方向
/MD方向)が0.8から2である事を特徴とするポリ
オレフィン系積層フィルムを提供する。また、これらの
ポリオレフィン系積層フィルムにより包装され、且つ該
フィルムの(C)層の延伸方向に引裂きノッチをいれた
包装体をも提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、ヒートシール性を有
し、二軸延伸層(A)の少なくとも片面に接着層
(B)、一軸延伸層(C)、ヒートシール層(D)の順
に積層されたフィルムであって、(A)層と(C)層の
間に(B)層を積層する事により、ヒゲの発生を解消す
ると共に、(C)層の厚みを全体の15〜40%とする
事で、方向性を付与し、かつカールを防止し、機械的強
度、包装機械適性等に優れたポリオレフィン系積層フィ
ルムを得るに至った。
【0010】したがって、本発明は、まず、二軸延伸層
(A)の少なくとも片面に接着層(B)、一軸延伸層
(C)、ヒートシール層(D)の順に積層されている事
が必須である。すなわち、本発明の積層フィルムは、
(A)層/(B)層/(C)層/(D)層の構成を基本
とするものであり、その他例えば、(B)層/(A)層
/(B)層/(C)層/(D)層、(D)層/(C)層
/(B)層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層
など、一組の基本構成を有する限り、任意の構成が採り
うる。これらのうち、(C)層が複数層をなす場合、そ
れらの合計の厚さが全体の15〜40%を占めればよ
い。
【0011】また、本発明のポリオレフィン系積層フィ
ルムは、開封性を容易にするため、包装材料である積層
フィルム(通常袋状物)の開封すべき部位に該積層フィ
ルムの(C)層の延伸方向に引裂きノッチを附けておく
のが便利である。
【0012】次に、本発明の各層に用いる樹脂について
説明する。
【0013】(A)層及び(C)層に用いるポリオレフ
ィン系樹脂は、フィルム成形可能なもので、かつ、延伸
配向性を有するものであれば、任意に選択可能である。
好適には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1ペンテン等の炭
素数2〜10のα−オレフィンの単独重合体、上記α−
オレフィン同士の共重合体、上記α−オレフィンとこれ
と共重合可能な他の単量体との共重合体、およびこれら
の混合物等が挙げられる。
【0014】上記α−オレフィンと共重合可能な他の単
量体としては、酢酸ビニル、マレイン酸、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等を挙げ
る事ができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−1−
ブテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エ
チレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−
プロピレン−ブタジエン共重合体、およびこれらのポリ
オレフィンを主成分とするブレンド物が挙げられる。こ
のうち特に、ポリプロピレンやプロピレン−エチレン共
重合体等のプロピレンまたはプロピレンを一成分とする
共重合体、すなわち、プロピレン系重合体が特に好まし
い。
【0015】また、(A)層に用いる樹脂の融点が
(C)層に用いる樹脂の融点より高い事が、得られた積
層フィルムのカールを解消させる為に好ましい。(A)
層に用いる樹脂の融点と(C)層に用いる樹脂の融点差
は一般に3〜15℃が好ましく、さらに好ましくは5〜
10℃である。融点差が3℃未満では、積層フィルムが
カールしがちであり、包装適性に劣ることがあるので、
好ましくない。
【0016】また、融点差が15℃を超えると積層フィ
ルムの引裂き方向性が徐々に悪化するので好ましくな
い。この理由は、(A)層が二軸延伸層であるのに対
し、(C)層が一軸配向層である事から、融点差が少な
い場合、一軸延伸層のMD方向とTD方向(一般に延伸
方向と一致する)の熱収縮バランスにおいてTD方向が
MD方向に比べ極端に大きくなり、積層後のカールが発
生しがちになると考えられる。
【0017】また、樹脂の融点差が大きい場合、一軸配
向層の融点が低くなりすぎ、結晶配向が低下する為、引
き裂き方向性に劣るものと推測される。(A)層に用い
る樹脂の融点は、140〜165℃の範囲が好ましく、
さらに好ましくは、145〜163℃の範囲が好まし
い。(A)層に用いる樹脂の融点が140℃未満の場
合、引張弾性率、引張強度等の機械的強度が低下すると
ともに引裂き方向性に劣る為好ましくない。
【0018】また、(A)層に用いる樹脂の融点が16
5℃を超えた場合、フィルムの製膜性に劣り、製膜時の
破れ等が発生しやすくなる為、生産性が悪く好ましくな
い。
【0019】また、(A)層に用いる樹脂のメルトフロ
ーレイト(以下MFRという)は特に制限するものでは
ないが、0.1〜10g/10分の範囲、好ましくは、
1〜5g/10分の範囲が好ましい。MFRが0.1g
/10分未満では溶融押出し時の押出し安定性に欠けフ
ィルム製膜する上で好ましくない。MFRが10g/1
0分を超えるとフィルム製膜後の方向性に劣る為好まし
くない。
【0020】(C)層に用いる樹脂の融点は、一般に1
37〜162℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは、
142〜160℃の範囲が好ましい。また、(C)層に
用いる樹脂のMFRは特に制限するものではないが、3
〜50g/10分の範囲が好ましく、さらに好ましく
は、5〜25g/10分の範囲である。MFRが3g/
10分未満では積層時の溶融押出し安定性に劣る為、好
ましくない。MFRが50g/10分を超えると積層フ
ィルム製膜後の方向性に劣る為好ましくない。
【0021】(B)層に用いる樹脂は(A)層と(C)
層の接着性良好な樹脂であればよく、公知のオレフィン
フィルムラミネート用接着剤が使用できる。例えば、炭
素数2〜10のα−オレフィンの単独重合体、上記α−
オレフィン同士の共重合体、上記α−オレフィンとこれ
と共重合可能な他の単量体との共重合体、およびこれら
の混合物等が挙げられる。
【0022】上記α−オレフィンと共重合可能な他の単
量体としては、酢酸ビニル、マレイン酸、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等を挙げ
られるが、用いる樹脂の融点が(A)層の樹脂及び
(C)層の樹脂より低い事が、接着性を増す為に好まし
い。
【0023】好ましい融点差は(A)層の樹脂、(C)
層の樹脂より、10以上低い事が好ましく、さらに好ま
しくは、15℃以上が好ましい。融点差が10℃未満の
場合、積層フィルムを引き裂く際、(A)層と(C)層
の層間強度が低くヒゲを発生させる為好ましくない。
【0024】(B)層に用いる樹脂のMFRは特に制限
するものではないが、0.1〜50g/10分の範囲、
好ましくは、1〜25g/10分の範囲が好ましい。M
FRが0.1g/10分未満では溶融押出し時の押出し
安定性に欠けフィルム製膜する上で好ましくない。MF
Rが50g/10分を超えるとフィルム製膜後の方向性
に劣る為好ましくない。
【0025】(D)層に用いる樹脂は、ヒートシール性
が必要な事から、融点が80〜145℃の範囲、好まし
くは、90〜140℃の範囲のポリオレフィン系樹脂で
あれば特に制限するものではない。例えば、ポリエチレ
ン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−1−ブ
テン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチ
レン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プ
ロピレン−ブタジエン共重合体、およびこれらのポリオ
レフィンを主成分とするブレンド物が挙げられる。
【0026】(D)層に用いる樹脂のMFRは特に制限
するものではないが、3〜50g/10分の範囲、好ま
しくは、5〜25g/10分の範囲が好ましい。MFR
が3g/10分未満では積層時の溶融押出し安定性に欠
ける為、好ましくない。MFRが50g/10分を超え
ると積層フィルム製膜後のヒートシール強度の低下する
と共に、ホットタック性に劣る為好ましくない。また
(D)層の樹脂は、実質的に(B)層を構成する樹脂と
同一の樹脂であってよい。
【0027】各層の樹脂には、必要に応じて、酸化防止
剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防
止剤、紫外線吸収剤、滑剤、造核剤、顔料、抗菌剤等の
添加剤を効果の阻害されない範囲で配合されても良い。
【0028】本発明において各層を積層する順序が、
(A)層の少なくとも片面に(B)層、(C)層、
(D)層の順に積層されたフィルムであり、(C)層の
厚みを全体の15〜40%とする事が必須である。
【0029】その為に、公知のいかなる製造方法を選択
しても良いが、例えば、(A)層及び(B)層を共押出
し法にて押出し、その後、(B)層面上に、インライン
ラミネート法で(C)層、(D)層の順に積層する方法
等が挙げられる。(C)層は、引き裂き方向性の面から
インラインラミネート法が好ましい。(A)層と(C)
層の間に(B)層が積層されない場合、(A)層と
(C)層間の接着強度が十分でない為、ヒゲが発生す
る。また、(A)層、(B)層、(C)層の順に積層
し、(D)層を(A)層の(B)層を積層した面とは反
対の面に積層した場合、引き裂き方向性に劣る。
【0030】本発明におけるポリオレフィン系積層フィ
ルムは、目的である(C)層の延伸方向の引裂き方向性
および、自動包装機における良好な包装機械適性を得る
為に、(C)層の全体に対する厚さの構成比が重要とな
る。また、全体の厚さについては、好ましくは15〜1
00μmの範囲、さらに好ましくは20〜60μmであ
る。
【0031】層構成比として特に、(C)層の厚みが全
体の15〜40%の範囲、好ましくは20〜38%の範
囲であることが必須である。(C)層の厚みが全体の4
0%を超えると機械的強度が低下し、包装機械適性に劣
る為好ましくない。(C)層の厚みが全体の15%未満
になると引裂き方向性に劣る為好ましくない。
【0032】また、一般に(C)層の好ましい厚さは、
3〜10μmであり、さらに好ましくは5〜9μmであ
る。(B)層の厚さは、特に制限はないが、(A)層、
(C)層間を十分接着させる為に、通常0.5〜3μm
が好ましい。
【0033】また、(D)層の厚さは、用途によって異
なるが通常、0.5〜5μmが好ましい。(D)層の厚
さはヒートシール強度と相関が強く、厚みを厚くするこ
とでヒートシール強度の向上が図れる。
【0034】本発明のポリオレフィン系積層フィルムに
おいて、120℃、15分での熱収縮率が、MD方向1
〜10%、TD方向1〜15%であり、且つ、TD方向
/MD方向の比が0.8から2の範囲、好ましくは0.
9〜1.5の範囲にある事が、カールを解消させる為に
より好適である。120℃、15分での熱収縮率が、M
D方向10%、TD方向15%を超えると、印刷時のピ
ッチ不良、ヒートシール後の収縮による外観に劣る為好
ましくない。また、120℃、15分におけるTD方向
/MD方向の熱収縮比が0.8未満の場合、TD方向に
カールが発生し、TD/MDが2を超えるとMD方向へ
のカールが発生する為好ましくない。
【0035】また、本発明ではこのようにして得られた
ポリオレフィン系積層フィルムを用いた包装体にて、
(C)層の延伸方向に引裂き用のノッチをいれたものに
ついて適用される。引裂きノッチの形状について特に制
限はないが、通常、V型ノッチ、コの字型ノッチ等が用
いられ、ノッチは通常、自動包装機の包装ライン内で加
工される。自動包装機は特に限定するものではないが、
一般に知られている例えば、ピロー包装機、三方シール
機、四方シール機、サイドシール機等が挙げられる。
【0036】次に本発明のポリオレフィン系フィルムの
製造方法については、特に限定されないが次に一般例を
述べる。まず(A)層、(B)層に用いるポリオレフィ
ン系樹脂を(A)層/(B)層の形で2層積層シートを
チルロールにて冷却固化し、得られたシートを一般に8
0〜160℃の範囲で2〜10倍にMD方向に一軸延伸
を行う。
【0037】一軸延伸されたシートの(B)層側に
(C)層に用いる樹脂を押出しラミネート法により積層
し、更にその(C)層の上に(D)層に用いる樹脂を積
層する。得られた4層積層シートは(C)層の厚みが全
体の15〜40%の範囲、好ましくは20〜38%の範
囲にあるようにし、さらにテンターに導き、100〜1
80℃で3〜12倍にTD方向に延伸し、必要であれ
ば、1〜20%弛緩し、熱処理を行う。フィルムを構成
する各層の形成は上述の方法に限定されるものではな
く、例えばあらかじめ各層を構成するフィルムを成形し
ておき、これらを相互のラミネートすることなど、当業
者が通常行うラミネート技術が何ら制限されることなく
使用できる。
【0038】さらに、得られたポリオレフィン系積層フ
ィルムの片面、両面にコロナ放電処理、火炎処理などの
公知の表面処理を行い、処理面の濡れ指数を36〜50
N/cmとする事が好ましい。
【0039】得られた積層フィルムは機械的強度に優
れ、カールもない事から自動包装機での包装適性に優れ
ると共に、(C)層の延伸方向、一般にTD方向にノッ
チを入れた部分からの当該方向引裂き方向性に優れ、引
き裂き時にヒゲの発生しないものであった。
【0040】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系積層フィルム
は、上記の説明のように、二軸延伸層(A)の少なくと
も片面に接着層(B)、一軸延伸層(C)、ヒートシー
ル層(D)の順に積層されたフィルムであって、(C)
層の厚みを全体の15〜40%とすることで、従来技術
の機械的強度の弱さ、カールを解消し、TD方向の引裂
き方向性に優れ、ヒゲの発生を解消するという、従来全
く予期されなかった効果を実現したフィルムである。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を掲げて説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0042】実施例及び比較例において使用したポリオ
レフィン系樹脂を表1に示し、フィルムの特性を表2に
示した。
【0043】また、以下の実施例及び比較例において用
いた測定方法は次の方法により実施した。
【0044】(1)融点 セイコー電子社製の示差走査熱量計を用い、次の条件で
測定した。
【0045】 試料量 :約5mg 雰囲気ガス:窒素(流量20ml/分) 温度条件 :230℃に10分間保持した後、10℃/
分で30℃まで降温し、続いて昇温速度10℃/分で昇
温したときの融解の吸熱挙動を測定した。
【0046】(2)メルトフローレイト(MFR) JIS−K7210に準じ測定した。
【0047】(3)機械的強度(フィルムの剛性) JIS−K7113に準じ、以下の方法で引張弾性率を
測定した。
【0048】フィルムから幅10mm、長さ100mm
のサンプルを切り出し、サンプルの両端を引張試験機
(オートグラフ:島津製作所製)のチャックで固定し
た。この場合、サンプルの長さ方向のチャック間隙が2
0mmになるように調整した。引張速度20mm/分で
引張試験を行い、引張応力−歪み曲線を作成した。
【0049】引張弾性率は引張応力−歪み曲線の初めの
直線部分を用いて、次式によって計算した。
【0050】Em=Δδ/Δε Em:引張弾性率 Δδ:直線上の2点間の、サンプルの元の平均断面積に
よる応力の差 Δε:同じ2点間の歪みの差 尚、サンプルは、フィルムのMD及びTDについて測定
した。
【0051】(4)カール率 幅50mm長さ300mmに切り出したサンプルを、2
3℃50%RHの条件で24時間放置した後の、見かけ
の長さを測定し、元の長さ(300mm)で除した値を
カール率とした。
【0052】(5)引裂き方向性 TD方向(延伸方向)を長さ方向とし、幅150mm、
長さ300mmに切り出したサンプルの中央部に、長さ
方向と平行に、10mm間隔のノッチを入れる。ノッチ
部を持って長さ300mmを引裂いた後の幅を測定し、
次式で求めた値を引裂き方向性とした。
【0053】|10(mm)−300mm引裂き後の端
部の幅(mm)|=引裂き方向性値 (6)ヒゲの発生 TD方向を長さ方向とし、幅150mm、長さ300m
mに切り出したサンプルの中央部に、長さ方向と平行
に、10mm間隔のノッチを入れる。ノッチ部を持って
長さ300mmを引裂いた後、ヒゲの発生を次のように
評価した。尚、サンプル数は30とした。
【0054】 ○:30回の内、1回もヒゲの発生がない △:30回の内、ヒゲの発生が5回以下であった ×:30回の内、ヒゲの発生が5回以上であった (7)自動包装適性 溶断シール機(キョウエイ製PP−500型)にて幅2
00mm長さ300mmの袋を150枚/分の速度で製
袋し、その適性を次のように評価した。
【0055】自動包装適性評価 ○:全く問題なく製袋可能であり、製袋後の袋揃えが容
易 △:問題なく製袋可能であるが、製袋後の袋揃えが悪い ×:製袋時、袋がスムーズに搬送されず、製袋後の袋揃
えが悪い 実施例1 (A)層に用いるポリオレフィン系樹脂として、MFR
2.5g/10分のポリプロピレンホモポリマー(融点
162℃)を、(B)層に用いるポリオレフィン系樹脂
としてMFR6.0g/10分のエチレン−プロピレン
ランダム共重合体(エチレン量5.5重量%)をそれぞ
れ2台の押出し機にて2種2層共押出法により265℃
の樹脂温度でシート状の押出し、40℃に維持されたチ
ルロールにより冷却固化し、シート状物を得た。
【0056】次にこのシートを加熱ロール延伸機により
100〜150℃で5.0倍縦延伸した。次いで、得ら
れた一軸延伸シートの(B)層の面に、(C)層に用い
るポリオレフィン系樹脂として、MFR8.0g/10
分のエチレン−プロピレンランダム共重合体(エチレン
量1.0重量%、融点152℃)を、(D)層に用いる
ポリオレフィン系樹脂としてMFR8.0g/10分の
エチレン−プロピレンランダム共重合体(エチレン量
5.5重量%、融点135℃)にプロピレン−ブテン共
重合体(三井化学製XR110T)を20重量%調合し
たものをそれぞれ2台の押出し機にて2種2層共押出し
法によりインラインラミネート法で積層した。
【0057】得られた延伸シートの構成は(A)層が1
70μm、(B)層が10μm、(C)層が60μm、
(D)層が10μmであった。次に、(A)層/(B)
層/(C)層/(D)層に構成された積層シートを15
0℃に加熱した横延伸機で10倍に延伸後、160℃で
熱処理をしながら幅方向に10%弛緩させた。その後、
大気中でフィルムの(A)層面にコロナ放電処理を施
し、40N/cmの濡れ指数のフィルムを得た。
【0058】得られたフィルムの層構成は(A)層が1
7μm、(B)層が1μm、(C)層が6μm、(D)
層が1μmであり、(C)層の厚みは全体の24%であ
った。得られたフィルムの特性を表1、2に示した。
【0059】実施例2及び3 実施例1の(C)層の厚みを4μm及び8μmとした以
外は、実施例1と全く同様に製膜しその特性を評価し
た。その結果を表1、2に示した。
【0060】実施例4 実施例1の各層の層構成を(A)層が27μm、(B)
層が1μm、(C)層が10μm、(D)層が2μmと
し、横延伸の温度を155℃で延伸しながら165℃で
幅方向に10%弛緩した以外は、実施例1と全く同様に
製膜しその特性を評価した。その結果を表1、2に示し
た。
【0061】実施例5及び6 実施例1の(A)層に用いる樹脂を融点が156℃、1
50℃のエチレン−プロピレンランダム共重合体とし、
(C)層に用いる樹脂を融点が147℃、MFRが10
g/10分のエチレン−プロピレンランダム共重合体と
し、横延伸の温度を144℃及び133℃で延伸しなが
ら149℃及び138℃で幅方向に10%弛緩させた以
外は、実施例1と全く同様に製膜しその特性を評価し
た。その結果を表1、2に示した。
【0062】実施例7 実施例1の(C)層に用いる樹脂を融点165℃のポリ
プロピレンホモポリマーとした以外は、実施例1と全く
同様に製膜しその特性を評価した。その結果を表1、2
に示した。得られたフィルムは引き裂き方向性に優れる
もののカールに劣ったものであった。
【0063】実施例8 実施例1の横延伸後の熱処理温度を150℃とし、幅方
向への弛緩を5%とした以外は、実施例1と全く同様に
製膜しその特性を評価した。その結果を表1、2に示し
た。得られたフィルムは引裂き方向性、ヒゲについては
優れるものの、TD方向/MD方向の収縮率の比は2.
22であり、カールに劣るものであった。
【0064】実施例9 実施例1の横延伸後の熱処理温度を168℃とし、幅方
向への弛緩を15%とした以外は、実施例1と全く同様
に製膜しその特性を評価した。その結果を表1、2に示
した。得られたフィルムは引裂き方向性、ヒゲについて
は優れるものの、TD方向/MD方向の収縮率の比は
0.5であり、カールに劣るものであった。
【0065】比較例1、2 実施例1の(C)層の厚みを2μm及び17μmとした
以外は、実施例1と全く同様に製膜しその特性を評価し
た。その結果を表1、2に示した。(C)層の厚みは全
体の9.5%及び47.2%であり、比較例1は、引裂
き方向性に劣り、比較例2は引き裂き方向性は良好なも
のの、機械的強度、カール、自動包装適性に劣ってい
た。
【0066】比較例3 実施例1の(B)層を積層しない以外は、実施例1と全
く同様に製膜しその特性を評価した。その結果を表1、
2に示した。得られたフィルムは引き裂き時、ヒゲが発
生するものであった。
【0067】比較例4 実施例1の(B)層を積層せず、(C)層の厚みを2μ
mとした以外は、実施例1と全く同様に製膜しその特性
を評価した。その結果を表1、2に示した。得られたフ
ィルムは引き裂き時、ヒゲが発生するものであった。
【0068】比較例5 実施例1の(D)層を(A)層の(B)層が積層されて
いない面に積層した以外は、実施例1と全く同様に製膜
しその特性を評価した。その結果を表1、2に示した。
得られたフィルムは、引裂き方向性に劣ったフィルムで
あった。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:02 B29K 105:02 B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 Fターム(参考) 3E086 AC15 AC16 AD01 BA04 BA15 BA33 BB51 4F100 AK07A AK64B AK64C AK65D BA04 BA07 BA10A BA10D BA26 EJ37C EJ38A GB15 JA03 JA04B JA04C JA04D JL11B JL12 JL12D YY00 YY00B YY00C YY00D 4F210 AA03 AA04 AA11 AA12 AG01 AG03 QC06 QD13 QD21 QG01 QG15 RC02 RG25 RG43

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二軸延伸層(A)の少なくとも片面に接着
    層(B)、一軸延伸層(C)、ヒートシール層(D)の
    順に積層されたフィルムであって、(C)層の厚みが全
    体の15〜40%である事を特徴とするポリオレフィン
    系積層フィルム。
  2. 【請求項2】(B)、(C)、(D)層の樹脂の融点が
    (A)層の樹脂より低い事を特徴とする請求項1記載の
    ポリオレフィン系積層フィルム。
  3. 【請求項3】120℃、15分での熱収縮率が、フィル
    ムの流れ方向(MD方向)1〜10%、流れ方向とは直
    角の方向(TD方向)1〜15%であり、且つ、両方向
    の収縮の比、TD方向/MD方向が0.8から2である
    事を特徴とする請求項1又は2記載のポリオレフィン系
    積層フィルム。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれかに記載の積層フ
    ィルムにより包装されており、且つ該フィルムの(C)
    層の延伸方向に引裂きノッチを有する包装体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016032911A (ja) * 2014-07-31 2016-03-10 フタムラ化学株式会社 引裂方向性シーラントフィルム及びフィルム積層体
US20220134717A1 (en) * 2019-01-29 2022-05-05 Toyobo Co., Ltd. Polypropylene-based resin multilayer film

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