JP2001138187A - センタレス研削盤、研削加工方法、および、研削加工済み円筒状基体 - Google Patents

センタレス研削盤、研削加工方法、および、研削加工済み円筒状基体

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JP2001138187A
JP2001138187A JP32363599A JP32363599A JP2001138187A JP 2001138187 A JP2001138187 A JP 2001138187A JP 32363599 A JP32363599 A JP 32363599A JP 32363599 A JP32363599 A JP 32363599A JP 2001138187 A JP2001138187 A JP 2001138187A
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grinding
wheel
centerless
cylindrical
grinding machine
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JP32363599A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Sakamoto
哲也 坂本
Junichi Shibata
順一 柴田
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 調整車の摩擦係数を向上させ、ビビリ現象を
伴わずにセンターハイト量を大きくし、研削加工後の円
筒状基体の真円度をより一層向上させ得るセンタレス研
削盤および研削加工方法方法、さらに、かかる精密な真
円度を有する研削加工済み円筒状基体を提供することに
ある。 【解決手段】 周動可能な円柱状の研削砥石102と、
研削砥石102に離隔かつ対向して設けられた周動可能
な円柱状の調整車104と、調整車104および研削砥
石102の間に研削液を供給し得る研削液供給手段10
6と、を備えたセンタレス研削盤100であって、調整
車104の周面に、調整車104の周動方向Aに実質的
に沿った溝が形成されてなることを特徴とするセンタレ
ス研削盤、該センタレス研削盤を用いた研削加工方法、
および、当該研削加工方法により、表面の研削加工が為
された研削加工済み円筒状基体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒状基体の軸を
支持することなく、円筒状基体表面の研削を行うセンタ
レス研削盤、該センタレス研削盤を用いた研削加工方
法、および、当該研削加工方法により、表面の研削加工
が為された研削加工済み円筒状基体に関し、電子写真感
光体用基体および電子写真用現像スリーブの製造に適し
たものである。
【0002】
【従来の技術】円筒状基体表面の研削を行う方法とし
て、従来より種々の方法が提案されているが、円筒状基
体の軸を支持することなく円筒状基体表面の研削を行う
センタレス研削盤は、精度の高い研削表面を容易に形成
できるメリットを有している。
【0003】図1は、センタレス研削盤の概略を示す断
面図である。図1において、センタレス研削盤100
は、周動可能な円柱状の研削砥石102と、研削砥石1
02に離隔かつ対向して設けられた周動可能な円柱状の
調整車104と、調整車104および研削砥石102の
間に研削液(クーラント)を供給し得る研削液供給パイ
プ(研削液供給手段)106と、から構成され、研削砥
石102と調整車104との間に配置された研削対象で
ある円筒状基体110は、ブレード108により位置が
保持されている。
【0004】この状態で、研削液供給パイプ106から
研削液を供給しつつ、調整車104を調整車回転軸11
4を軸として矢印A方向に、研削砥石102を研削砥石
回転軸112を軸として矢印C方向に、研削砥石102
の方を高速回転でそれぞれ周動させると、調整車104
の周動回転に従動して矢印B方向に回転する円筒状基体
110と研削砥石102との周動速度の差から、円筒状
基体110の表面が研削砥石102により研削される。
【0005】このときセンタレス研削盤100における
研削砥石102、調整車104、ブレード108の位置
関係、および、研削中の円筒状基体110に作用する力
は、図2に示す通りである。図2において、通常は接線
研削力Fgtの約3倍大きい法線研削力Fgnが働くか
ら、調整車法線方向反力Frnは大きな調整車接線摩擦
抵抗Frtを引き起こす。従って微少なブレード滑り抵
抗Fbtおよび調整車接線摩擦抵抗Frtが、接線研削
力Fgtと釣り合うことによって円筒状基体110は調
整車104と同周速で回転し、研削加工が行われる。こ
のときFgt<(Frt+Fbt)の関係が成立してい
る。
【0006】センタレス研削盤100では研削砥石回転
中心112’と調整車回転中心114’とを結ぶ直線上
に円筒状基体回転中心116を位置させず、前記直線の
上方に円筒状基体回転中心116を位置させることが知
られている。各回転中心112’,114’,116を
同一直線上に存在させると、研削後の円筒状基体110
の断面が、角から対辺までの長さが一定の図形、すなわ
ち3角形,5角形等の奇数角形になりやすく、前記直線
の上方に円筒状基体回転中心116を位置させれば、研
削後の円筒状基体110の断面は、1辺が研削砥石10
2と調整車104との間隙である奇数角形を形成し、円
筒状基体回転中心116の前記直線からのずれ量hが大
きいほどそれは多角形となり、より真円に近づくからで
ある。このときの前記ずれ量hは、一般にセンターハイ
ト量と呼ばれる。上記理論は、光洋機械工業株式会社
「センタレス研削 基本理論」、ミクロン精密株式会社
「心無研削加工」等の文献に詳細に記載されている。
【0007】しかしながら、このセンターハイト量hを
大きくすると法線研削力Fgnと調整車法線方向反力F
rnとが、円筒状基体110をブレード108から遠ざ
ける方向に働くと同時に、調整車法線方向反力Frnが
小さくなるので、調整車法線方向反力Frnと、調整車
104−円筒状基体110間の摩擦係数μと、の積で表
される調整車接線摩擦抵抗Frtも小さくなる。そして
接線研削力Fgtと、ブレード滑り抵抗Fbtおよび調
整車接線摩擦抵抗Frtと、の関係がFgt>(Frt
+Fbt)となったときに、円筒状基体110と調整車
104との間に滑りが生じて、円筒状基体110の回転
が不安定となるいわゆる「ビビリ現象」が生じて、研削
後の円筒状基体110の真円度が低下してしまう。
【0008】以上のメカニズムより、センタレス研削加
工による被加工物たる円筒状基体の真円度は、調整車−
円筒状基体間の摩擦係数μによって決定されるセンター
ハイト量hで制限されてしまうという問題が生じてい
た。調整車の摩擦係数を向上させる手段の一例に、調整
車表面の結合材にゴムを使用する手段が知られている。
これは既に一般に市販されている手段ではあるが、電子
写真感光体用基体、あるいは電子写真現像スリーブ等の
高精度が望まれる分野では、より一層の真円度向上が望
まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、調整車の摩擦係数を向上させ、ビビリ現象を伴
わずにセンターハイト量を大きくし、研削加工後の円筒
状基体の真円度をより一層向上させ得るセンタレス研削
盤および研削加工方法方法を提供することにあり、ま
た、かかる精密な真円度を有する研削加工済み円筒状基
体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明により達成される。すなわち本発明は、 <1> 周動可能な円柱状の研削砥石と、該研削砥石に
離隔かつ対向して設けられた周動可能な円柱状の調整車
と、該調整車および前記研削砥石の間に研削液を供給し
得る研削液供給手段と、を備えたセンタレス研削盤であ
って、前記調整車の周面に、前記調整車の周動方向に実
質的に沿った溝が形成されてなることを特徴とするセン
タレス研削盤である。
【0011】<2> 調整車の周面に形成された溝が、
前記調整車の周面において螺旋状の形状を描いているこ
とを特徴とする<1>に記載のセンタレス研削盤であ
る。
【0012】<3> 調整車の周面に形成された溝のピ
ッチが、0.3〜30mmの範囲であることを特徴とす
る<1>または<2>に記載のセンタレス研削盤であ
る。
【0013】<4> 調整車の周面に形成された溝の深
さが、0.05〜0.5mmの範囲であることを特徴と
する<1>〜<3>のいずれか1に記載のセンタレス研
削盤である。
【0014】<5> 調整車の周面に形成された溝の幅
が、0.05〜5mmの範囲であることを特徴とする<
1>〜<4>のいずれか1に記載のセンタレス研削盤で
ある。
【0015】<6> 調整車の周面に形成された溝と、
前記調整車の周動方向と、の為す角が、3°以内である
ことを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1に記載の
センタレス研削盤である。
【0016】<7> <1>〜<6>のいずれか1に記
載のセンタレス研削盤を用い、該センタレス研削盤の調
整車および研削砥石の間に円筒状基体を配置し、研削液
供給手段から研削液を供給しつつ、前記調整車を前記研
削砥石に対向する部分において上方向に、および、前記
研削砥石を前記調整車に対向する部分において下方向
に、それぞれ回転させることにより、前記円筒状基体を
研削加工することを特徴とする円筒状基体の研削加工方
法である。
【0017】<8> <7>に記載の円筒状基体の研削
加工方法により、表面の研削加工が為されたことを特徴
とする研削加工済み円筒状基体である。
【0018】
【発明の実施の形態】まず、本発明のセンタレス研削盤
および研削加工方法方法について、好ましい実施形態を
挙げて詳細に説明する。本発明の実施形態のセンタレス
研削盤は、図1に示す構成と同様のセンタレス研削盤1
00であって、調整車104の周面に、調整車104の
周動方向(矢印A方向)に実質的に沿った溝が形成され
てなることを特徴とするものである。したがって、本実
施形態においても、装置全体としての説明は、図1を用
いて行うこととする。
【0019】図1において、センタレス研削盤100
は、周動可能な円柱状の研削砥石102と、研削砥石1
02に離隔かつ対向して設けられた周動可能な円柱状の
調整車104と、調整車104および研削砥石102の
間に研削液(クーラント)を供給し得る研削液供給パイ
プ(研削液供給手段)106と、から構成され、研削砥
石102と調整車104との間に配置された研削対象で
ある円筒状基体110は、ブレード108により位置が
保持されている。
【0020】図3に、本実施形態における調整車104
の斜視図を、図4に、本実施形態における調整車104
の正面図を、それぞれ示す。調整車104の周面には、
調整車104の周動方向に実質的に沿った、すなわち調
整車回転軸114と略直交する溝118が設けられてい
る。
【0021】センタレス研削盤100を用いた研削加工
方法、すなわち本発明の研削加工方法は、研削液供給パ
イプ106から研削液を供給しつつ、調整車104を調
整車回転軸114を軸として矢印A方向に、研削砥石1
02を研削砥石回転軸112を軸として矢印C方向に、
研削砥石102の方を高速回転でそれぞれ周動させる
と、調整車104の周動回転に従動して矢印B方向に回
転する円筒状基体110と研削砥石102との周動速度
の差から、円筒状基体110の表面が研削砥石102に
より研削されるものである。
【0022】このように溝118が設けられた調整車1
04を用いたセンタレス研削盤100により円筒状基体
110を研削すると、ビビリ現象を伴わずにセンターハ
イト量hを大きくすることができ、研削後の円筒状基体
の真円度をより一層向上させることができる。すなわち
本発明によれば、ビビリ現象を生じさせるセンターハイ
ト量hを著しく大きくすることができるため、センター
ハイト量hを大きくすることで達成できる真円度向上効
果を、ビビリ現象により相殺されること無く、高いレベ
ルで実現することができる。その理由について以下に説
明する。
【0023】研削加工時に研削液を供給するセンタレス
研削盤において、調整車の真円度と、センターハイト量
hとが研削後の円筒状基体の真円度に、大きな影響を与
える。通常、調整車は、結合材としてゴムを使用してお
り、ツルーイングやドレッシング時に、ドレッサの切込
量を大きくするとゴムの弾性変形により設定切込量と実
切込量との差が大きくなり、調整車の真円度が悪化して
しまう。このため、10μm以下の小さな切込量でツル
ーイングおよびドレッシングを行うのが通常である。
【0024】しかし、このような調整車を用いた場合に
は、研削加工時に研削液供給パイプ(研削液供給手段)
から供給される潤滑性や洗浄性に優れる研削液(クーラ
ント)が、円筒状基体と、前記調整車との間に介在し、
両者間の摩擦係数μが小さくなってしまう。質量の小さ
い円筒状基体、特に0.5kg以下の薄肉円筒状基体で
は、該円筒状基体が、前記調整車表面にできた研削液の
膜表面に浮いてしまい、摩擦係数μ低下現象が顕著に現
れる。
【0025】そこで通常のツルーイングおよびドレッシ
ングを行って調整車の真円度を得た後に、あるいは、ツ
ルーイングもしくはドレッシングに先立って、図3に示
すように調整車104の周面に、調整車104の周動方
向に実質的に沿った溝118を設ければ、円筒状基体1
10と調整車104との間の研削液の逃げ場が確保さ
れ、かつ排水され、調整車104−円筒状基体110間
の摩擦係数μの低下を抑制することができる。その結
果、センターハイト量hを大きく確保することができ、
研削後の円筒状基体110の真円度を著しく向上させる
ことができるものと考えられる。
【0026】本実施形態において、溝118は、調整車
104の周面において螺旋状の形状を描いている。すな
わち、溝118は、連続的に調整車104の周面を周回
しており1本につながっている。このように溝118を
螺旋状とすることで、溝118が周面に設けられた調整
車104、ひいては本発明のセンタレス研削盤100を
簡便に作製することができる。つまり、通常のツルーイ
ングおよびドレッシングを行って調整車104の真円度
を得た後に、あるいは、ツルーイングもしくはドレッシ
ングに先立って、調整車104に溝118を形成するた
めの切削刃を、調整車104に当接、かつ、調整車10
4の長手方向に移動させつつ、調整車104を調整車回
転軸114を軸として回転させることにより、簡便に溝
118が周面に設けられた調整車104を作製すること
ができる。なお、溝118を形成するための切削刃とし
ては、前記ドレッシング用のドレッサを兼用することも
できる。
【0027】なお、溝118は勿論1本の螺旋状の形状
を描かなくても、その効果に何ら影響はなく、調整車1
04の周面1周で1つのリングを描く形状の溝118が
並列で形成されても、あるいは、溝118が複数本の螺
旋状の形状を描くものであってもよい。
【0028】溝118のピッチ(調整車104の長手方
向における隣接する溝同士の周期、図4におけるP)と
しては、0.3〜30mmの範囲であることが好まし
い。前記ピッチが0.3mm未満であると、調整車10
4の円筒状基体110との接触表面積が減少し、円筒状
基体110をグリップする力が弱まり、本発明の目的に
対して逆効果となってしまう場合がある。
【0029】一方、前記ピッチが30mmを超えると、
溝118による研削液の排水効果が十分に発揮されない
場合がある。また、調整車104の周面において螺旋状
の形状を描くように溝118を形成する本実施形態にあ
っては、その溝加工が技術的に困難な状態となり、高コ
スト化につながる。さらに、溝118を有する調整車1
04をその後ドレッシングする際の処理も技術的に困難
な状態となり、当該ドレッシング装置の価格の向上を伴
ってしまう場合がある。
【0030】溝118の形状としては、その断面形状が
V字型、上部開口のコの字型、上部が広がった上部開口
のコの字型、U字型、半円形等、本発明は何れの形状で
あってもよい。図5に、溝118の断面形状を示す拡大
断面図を示す。図5(A)は、断面形状がV字型の溝1
18を示すものであり、図5(B)は、断面形状が上部
開口のコの字型の溝118を示すものである。なお、図
5(A)および図5(B)において、120は、ツルー
イングおよび/またはドレッシングにより形成された1
0μm以下の微小の表面凹凸を示すものであり、溝11
8の大きさとは絶対的に異なるものである。
【0031】溝118の深さ(溝118の断面形状が、
図5(A)のようにその開口部における位置により深さ
が異なる場合には、最深部d)としては、0.05〜
0.5mmの範囲であることが好ましい。
【0032】溝118の深さが0.05mm未満である
と、溝118による研削液の排水効果が小さくなり、本
発明の目的を満足できなくなる場合がある。一方、溝1
18の深さが0.5mmを超えると、その溝加工が技術
的に困難な状態となり、高コスト化につながる。
【0033】溝118の幅(溝118の断面形状が、図
5(A)のようにその開口部と内部とで幅が異なる場合
には、開口部の幅w)としては、0.05〜5mmの範
囲であることが好ましい。溝118の幅が0.05mm
未満であると、溝118による研削液の排水効果が小さ
くなり、本発明の目的を満足できなくなる場合がある。
一方、溝118の幅が5mmを超えると、その溝加工が
技術的に困難な状態となり、高コスト化につながる。
【0034】溝118と、調整車104の周動方向と、
の為す角(図4における角θ)としては、3°以内であ
ることが好ましい。前記角が3°を超えると、その溝加
工が技術的に困難な状態となり、高コスト化につなが
る。
【0035】本発明のセンタレス研削盤および研削加工
方法は、質量の小さい円筒状基体、特に0.5kg以下
の薄肉管に適用すると特に有効である。これは、質量の
大きな円筒状基体は、その自重の効果により調整車法線
方向反力Frtを確保し易く、センターハイト量を大き
く取ることが比較的容易であるのに対し、質量の小さい
円筒状基体は調整車法線方向反力Frtを確保しにく
く、本発明の如く調整車に溝を設けることにより初めて
センターハイト量を大きく取ることが可能となるためで
ある。勿論、質量の大きな円筒状基体にあっても、本発
明を適用することにより、より一層大きなセンターハイ
ト量を取ることができ、研削後の円筒状基体の真円度を
より一層向上させることができる。
【0036】本発明のセンタレス研削盤を用いた、本発
明の研削加工方法により研削加工した円筒状基体は、真
円度が極めて高いものとなるが、微視的に見るとその表
面には、調整車に設けられた溝に由来するうねりが発生
している。このうねりは、勿論円筒状基体の真円度を損
なうようなものではないが、精密な測定により検出する
ことができる。
【0037】かかる表面のうねりを測定するには、JI
S B 0610に規定されているろ波うねり平均山間
隔を適用する。測定は、円筒状基体の長手方向に行う。
ろ波うねり平均山間隔を測定することにより、逆に、調
整車の周面に設けられた溝のピッチを求めることができ
る。すなわち、調整車の周面に形成された溝のピッチ
が、本発明に好ましい0.3〜30mmの範囲であれ
ば、研削加工済み円筒状基体のろ波うねり平均山間隔も
0.3〜30mmの範囲となる。
【0038】本発明のセンタレス研削盤を用いた、本発
明の研削加工方法により研削加工した円筒状基体は、近
年軽薄短小化が望まれている電子写真感光体用基体、電
子写真用現像スリーブ、あるいは、電子写真用定着ロー
ルに採用することによって、より真円度の高い精密なこ
れら部材を提供することができる。
【0039】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。 「実施例1」 (被研削加工対象たる円筒状基体)被研削加工対象たる
円筒状基体として、ステンレスパイプ(SUS304、
外径φ30.2mm、内径φ28.0mm、長さ340
mm、質量0.27kg)を準備した。
【0040】(センタレス研削盤)センタレス研削盤と
して光洋機械工業株式会社製KC400を用意し、これ
に下記研削砥石および調整車をセットした。 ・研削砥石:株式会社ノリタケカンパニーリミテド製G
C150、外径φ610×幅405×内径φ304.8
(mm) ・調整車:株式会社ノリタケカンパニーリミテド製A1
20R3R30、外径φ330×幅405×内径φ20
3.2(mm)
【0041】また、研削砥石用ドレッサとして単石ダイ
ヤ2カラットを、調整車用ドレッサとして単石ダイヤ1
カラットを用いた。使用した研削液(クーラント)は株
式会社ノリタケカンパニーリミテド製ノリタケクールT
R―7B111を水道水30倍で希釈したものを用い
た。
【0042】(センタレス研削盤の準備)研削砥石を周
速45m/sで回転させ、ドレッサ切込5μm、トラバ
ース速度2.5mm/sで、研削砥石のドレッシングを
行った。次に調整車を周速0.86m/sで回転させ、
ドレッサ切込5μm、トラバース速度0.33mm/s
で、調整車のドレッシングを行った。さらに調整車の円
筒状基体との接触面に溝を設けるため、調整車の回転を
維持したまま、ドレッサ切込0.1mm、トラバース速
度2mm/sで調整車表面を一度だけトラバースした。
【0043】研削砥石および調整車の回転を停止させ、
調整車周面の形状をテーラーホブソン(株)製レプリカ
キット(112/727)に転写させ、当該形状を明伸
工機(株)製表面粗度計SAS2010にて測定したと
ころ、断面がV字型で、深さ0.1mm、幅0.12m
mの溝が、2.4mmのピッチで調整車周面に形成され
ていることが確認された。なお、当該溝と、前記調整車
の周動方向と、の為す角は0.21゜であった。
【0044】(研削加工)研削砥石を周速45m/s
で、調整車を周速0.86m/sで、それぞれ回転さ
せ、研削液を供給しながらブレード上に前記円筒状基体
を載せた。この時のセンターハイト量hは4mmとし
た。また、研削砥石と調整車との間隙は31.0mmで
あった。
【0045】さらに、調整車を以下に示す手順で移動・
保持し、前記円筒状基体の研削処理を行った。なお、
「切込移動」とは、調整車を研削砥石方向に近づけるこ
とを指す。 1.000mm/sの速度で0.7秒切込移動(調整
車と円筒状基体とは非接触、急速接近) 0.050mm/sの速度で5.0秒切込移動(2.
0秒後に調整車と円筒状基体とが接触) 0.005mm/sの速度で10秒切込移動 研削砥石と調整車とを間を一定に保ち10秒間(いわ
ゆるスパークアウト)
【0046】以上のようにして研削加工された研削加工
済み円筒状基体は、ろ波うねり平均山間隔が2.4mm
であり、両端を支持し、回転させたときに生じる中央部
の上下の振れ間隔(以下、単に「中央部フレ」とい
う。)が34μmであり、また、東京精密株式会社製真
円度測定器rondcom52B/750で中央部の真
円度を測定したところ30μmであった。
【0047】さらにセンターハイト量hを8mm、12
mm、16mm、および20mmで上記同様にして研削
加工を行った。各研削加工済み円筒状基体は、いずれも
ろ波うねり平均山間隔が2.4mmであった。また、中
央部フレおよび真円度を上記同様に測定した結果を、下
記表1に示す。
【0048】(電子写真感光体の製造および画質評価)
上記のようにして得られた各研削加工済み円筒状基体の
表面に、以下に示すようにして電子写真感光体用の感光
層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた各電
子写真感光体を試作品の電子写真装置(富士ゼロックス
株式会社製、レーザプリンタ Laser Press
4410)にそれぞれ組み込み、テストパターンを画出
しすることにより、画質のむらを官能的に評価した。評
価基準は以下の通りである。
【0049】 ○:ムラが確認できない。 △:よく見るとムラが確認できる。 ×:ムラが目立つ。 結果を下記表1に示す。
【0050】(1)下引き層の形成 各研削加工済み円筒状基体の表面に、下記組成の塗布液
Aを浸漬法により塗布し、150℃にて10分間乾燥
し、乾燥膜厚が1.0μmの下引き層を形成した。 [塗布液Aの組成] ・下記構造式(1)で表されるジルコニウム化合物:2
0重量部 ・下記構造式(2)で表されるシランカップリング剤:
2重量部 ・下記構造式(3)で表されるポリビニルブチラール樹
脂:2重量部 ・1−ブタノール:70重量部
【0051】
【化1】
【0052】(2)電荷発生層の形成 下記組成の混合液を1mmφのガラスビーズを用いたサ
ンドミルで5時間分散して得られた塗布液Bを、前記下
引き層の上に浸漬法により塗布し、100℃にて10分
間乾燥し、乾燥膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成し
た。[塗布液Bの組成] ・クロルガリウムフタロシアン:5重量部 ・下記構造式(4)で表される塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体:5重量部 ・酢酸n−ブチル:200重量部
【0053】
【化2】
【0054】(3)電荷輸送層の形成 前記電荷発生層の上に、下記組成の塗布液Cを浸漬法に
より塗布し、120℃にて60分間乾燥し、乾燥膜厚が
25μmの電荷輸送層を形成した。 [塗布液Cの組成] ・下記構造式(5)で表される電荷輸送物質:1重量部 ・下記構造式(6)で表されるポリカーボネイト樹脂:
1重量部 ・モノクロルベンゼン:2重量部 ・テトラヒドロフラン:4重量部
【0055】
【化3】
【0056】
【表1】
【0057】「実施例2」 (被研削加工対象たる円筒状基体)被研削加工対象たる
円筒状基体として、ステンレスパイプ(SUS304、
外径φ18.2mm、内径φ16.0mm、長さ333
mm、質量0.16kg)を準備した。
【0058】(センタレス研削盤)センタレス研削盤
は、実施例1と同一のものを使用した。 (センタレス研削盤の準備)実施例1の(センタレス研
削盤の準備)において、調整車の円筒状基体との接触面
に溝を設けるためのトラバースの条件を、トラバース速
度4mm/sとしたこと以外は、実施例1と同様にして
各種操作を行い、実施例2に供するセンタレス研削盤を
準備した。
【0059】実施例1と同様にして調整車周面の形状を
確認したところ、断面がV字型で、深さ0.1mm、幅
0.12mmの溝が、4.8mmのピッチで調整車周面
に形成されていることが確認された。なお、当該溝と、
前記調整車の周動方向と、の為す角は0.4゜であっ
た。
【0060】(研削加工)実施例1と同様にして、セン
ターハイト量hを4mm、8mm、12mm、16m
m、および20mmの各条件に振って、研削加工を行っ
た。各研削加工済み円筒状基体は、いずれもろ波うねり
平均山間隔が4.8mmであった。また、中央部フレお
よび真円度を上記同様に測定した結果を、下記表2に示
す。
【0061】(電子写真感光体の製造および画質評価)
上記のようにして得られた各研削加工済み円筒状基体を
用いて、実施例1と同様にして、電子写真感光体をそれ
ぞれ製造し、かつ画質評価を行った。結果を下記表2に
示す。
【0062】
【表2】
【0063】「比較例1」実施例1において、(センタ
レス研削盤の準備)で調整車の円筒状基体との接触面に
溝を設けるためのトラバースを行わなかった(すなわ
ち、調整車に溝を設けなかった)こと以外は、実施例1
と同様にして各種操作を行い、被研削加工対象たる円筒
状基体およびセンタレス研削盤の準備、研削加工を行っ
た。ただし、センターハイト量hを12mm、16m
m、および20mmで研削しようとしたところ、ビビリ
現象が発生し、評価に値しないものとなってしまったた
め、これら条件については、以降の操作を省略した。
【0064】センターハイト量hが4mmおよび8mm
の研削加工済み円筒状基体について、ろ波うねり平均山
間隔を測定しようとしたところ、双方ともろ波うねり曲
線が確認されなかった。当該研削加工済み円筒状基体に
ついて、中央部フレおよび真円度を実施例1と同様に測
定した結果を、下記表3に示す。さらに、上記のように
して得られた各研削加工済み円筒状基体を用いて、実施
例1と同様にして、電子写真感光体をそれぞれ製造し、
かつ画質評価を行った。結果を下記表3に示す。
【0065】
【表3】
【0066】「実施例3」実施例1において、調整車周
面に設けた溝が、断面がV字型、深さ0.1mm、幅
0.12mm、ピッチ0.32mmで、かつ、当該溝
と、前記調整車の周動方向と、の為す角が0.027゜
となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして各
種操作を行い、被研削加工対象たる円筒状基体およびセ
ンタレス研削盤の準備、研削加工を行った。
【0067】得られた各研削加工済み円筒状基体につい
て、ろ波うねり平均山間隔を測定したところ、いずれも
0.32mmであった。当該研削加工済み円筒状基体に
ついて、中央部フレおよび真円度を実施例1と同様に測
定した結果を、下記表4に示す。さらに、上記のように
して得られた各研削加工済み円筒状基体を用いて、実施
例1と同様にして、電子写真感光体をそれぞれ製造し、
かつ画質評価を行った。結果を下記表4に示す。
【0068】
【表4】
【0069】「実施例4」実施例1において、調整車周
面に設けた溝が、断面がV字型、深さ0.1mm、幅
0.12mm、ピッチ29mmで、かつ、当該溝と、前
記調整車の周動方向と、の為す角が2.51゜となるよ
うにしたこと以外は、実施例1と同様にして各種操作を
行い、被研削加工対象たる円筒状基体およびセンタレス
研削盤の準備、研削加工を行った。
【0070】得られた各研削加工済み円筒状基体につい
て、ろ波うねり平均山間隔を測定したところ、いずれも
29mmであった。当該研削加工済み円筒状基体につい
て、中央部フレおよび真円度を実施例1と同様に測定し
た結果を、下記表5に示す。さらに、上記のようにして
得られた各研削加工済み円筒状基体を用いて、実施例1
と同様にして、電子写真感光体をそれぞれ製造し、かつ
画質評価を行った。結果を下記表5に示す。
【0071】
【表5】
【0072】「実施例5」実施例1において、調整車周
面に設けた溝が、断面がV字型、深さ0.055mm、
幅0.12mm、ピッチ2.4mmで、かつ、当該溝
と、前記調整車の周動方向と、の為す角が0.21゜と
なるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして各種
操作を行い、被研削加工対象たる円筒状基体およびセン
タレス研削盤の準備、研削加工を行った。
【0073】得られた各研削加工済み円筒状基体につい
て、ろ波うねり平均山間隔を測定したところ、いずれも
2.4mmであった。当該研削加工済み円筒状基体につ
いて、中央部フレおよび真円度を実施例1と同様に測定
した結果を、下記表6に示す。さらに、上記のようにし
て得られた各研削加工済み円筒状基体を用いて、実施例
1と同様にして、電子写真感光体をそれぞれ製造し、か
つ画質評価を行った。結果を下記表6に示す。
【0074】
【表6】
【0075】「実施例6」実施例1において、調整車周
面に設けた溝が、断面がV字型、深さ0.450mm、
幅0.12mm、ピッチ2.4mmで、かつ、当該溝
と、前記調整車の周動方向と、の為す角が0.21゜と
なるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして各種
操作を行い、被研削加工対象たる円筒状基体およびセン
タレス研削盤の準備、研削加工を行った。
【0076】得られた各研削加工済み円筒状基体につい
て、ろ波うねり平均山間隔を測定したところ、いずれも
2.4mmであった。当該研削加工済み円筒状基体につ
いて、中央部フレおよび真円度を実施例1と同様に測定
した結果を、下記表7に示す。さらに、上記のようにし
て得られた各研削加工済み円筒状基体を用いて、実施例
1と同様にして、電子写真感光体をそれぞれ製造し、か
つ画質評価を行った。結果を下記表7に示す。
【0077】
【表7】
【0078】「実施例7」実施例1において、調整車周
面に設けた溝が、断面がV字型、深さ0.1mm、幅
0.055mm、ピッチ2.4mmで、かつ、当該溝
と、前記調整車の周動方向と、の為す角が0.21゜と
なるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして各種
操作を行い、被研削加工対象たる円筒状基体およびセン
タレス研削盤の準備、研削加工を行った。
【0079】得られた各研削加工済み円筒状基体につい
て、ろ波うねり平均山間隔を測定したところ、いずれも
2.4mmであった。当該研削加工済み円筒状基体につ
いて、中央部フレおよび真円度を実施例1と同様に測定
した結果を、下記表8に示す。さらに、上記のようにし
て得られた各研削加工済み円筒状基体を用いて、実施例
1と同様にして、電子写真感光体をそれぞれ製造し、か
つ画質評価を行った。結果を下記表8に示す。
【0080】
【表8】
【0081】「実施例8」実施例1において、調整車周
面に設けた溝が、断面がV字型、深さ0.1mm、幅
0.450mm、ピッチ2.4mmで、かつ、当該溝
と、前記調整車の周動方向と、の為す角が0.21゜と
なるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして各種
操作を行い、被研削加工対象たる円筒状基体およびセン
タレス研削盤の準備、研削加工を行った。
【0082】得られた各研削加工済み円筒状基体につい
て、ろ波うねり平均山間隔を測定したところ、いずれも
2.4mmであった。当該研削加工済み円筒状基体につ
いて、中央部フレおよび真円度を実施例1と同様に測定
した結果を、下記表9に示す。さらに、上記のようにし
て得られた各研削加工済み円筒状基体を用いて、実施例
1と同様にして、電子写真感光体をそれぞれ製造し、か
つ画質評価を行った。結果を下記表9に示す。
【0083】
【表9】
【0084】「実施例9」実施例1において、調整車周
面に設けた溝が、断面がV字型、深さ0.1mm、幅
0.12mm、ピッチ2.4mmで、かつ、当該溝と、
前記調整車の周動方向と、の為す角が2.8゜となるよ
うにしたこと以外は、実施例1と同様にして各種操作を
行い、被研削加工対象たる円筒状基体およびセンタレス
研削盤の準備、研削加工を行った。
【0085】得られた各研削加工済み円筒状基体につい
て、ろ波うねり平均山間隔を測定したところ、いずれも
2.4mmであった。当該研削加工済み円筒状基体につ
いて、中央部フレおよび真円度を実施例1と同様に測定
した結果を、下記表10に示す。さらに、上記のように
して得られた各研削加工済み円筒状基体を用いて、実施
例1と同様にして、電子写真感光体をそれぞれ製造し、
かつ画質評価を行った。結果を下記表10に示す。
【0086】
【表10】
【0087】「実施例10」実施例1において、調整車
周面に設けた溝が、断面がV字型、深さ0.1mm、幅
0.12mm、ピッチ2.4mmで、かつ、当該溝と、
前記調整車の周動方向と、の為す角が0.5゜となるよ
うにしたこと以外は、実施例1と同様にして各種操作を
行い、被研削加工対象たる円筒状基体およびセンタレス
研削盤の準備、研削加工を行った。
【0088】得られた各研削加工済み円筒状基体につい
て、ろ波うねり平均山間隔を測定したところ、いずれも
2.4mmであった。当該研削加工済み円筒状基体につ
いて、中央部フレおよび真円度を実施例1と同様に測定
した結果を、下記表11に示す。さらに、上記のように
して得られた各研削加工済み円筒状基体を用いて、実施
例1と同様にして、電子写真感光体をそれぞれ製造し、
かつ画質評価を行った。結果を下記表11に示す。
【0089】
【表11】
【0090】「実施例11」実施例1において、(被研
削加工対象たる円筒状基体)で準備した被研削加工対象
たる円筒状基体を、ステンレスパイプ(SUS304、
外径φ30.2mm、内径26.0mm、長さ340m
m、質量0.49kg)としたこと以外は、実施例1と
同様にして各種操作を行い、被研削加工対象たる円筒状
基体およびセンタレス研削盤の準備、研削加工を行っ
た。
【0091】得られた各研削加工済み円筒状基体につい
て、ろ波うねり平均山間隔を測定したところ、いずれも
2.4mmであった。当該研削加工済み円筒状基体につ
いて、中央部フレおよび真円度を実施例1と同様に測定
した結果を、下記表12に示す。さらに、上記のように
して得られた各研削加工済み円筒状基体を用いて、実施
例1と同様にして、電子写真感光体をそれぞれ製造し、
かつ画質評価を行った。結果を下記表12に示す。
【0092】
【表12】
【0093】「比較例2」実施例1において、(被研削
加工対象たる円筒状基体)で準備した被研削加工対象た
る円筒状基体を、ステンレスパイプ(SUS304、外
径φ30.2mm、内径26.0mm、長さ340m
m、質量0.49kg)とし、(センタレス研削盤の準
備)で調整車の円筒状基体との接触面に溝を設けるため
のトラバースを行わなかった(すなわち、調整車に溝を
設けなかった)こと以外は、実施例1と同様にして各種
操作を行い、被研削加工対象たる円筒状基体およびセン
タレス研削盤の準備、研削加工を行った。ただし、セン
ターハイト量hを20mmで研削しようとしたところ、
ビビリ現象が発生し、評価に値しないものとなってしま
ったため、かかる条件については、以降の操作を省略し
た。
【0094】センターハイト量hが4mm、8mm、1
2mmおよび16mmの研削加工済み円筒状基体につい
て、ろ波うねり平均山間隔を測定しようとしたところ、
いずれもろ波うねり曲線が確認されなかった。当該研削
加工済み円筒状基体について、中央部フレおよび真円度
を実施例1と同様に測定した結果を、下記表13に示
す。さらに、上記のようにして得られた各研削加工済み
円筒状基体を用いて、実施例1と同様にして、電子写真
感光体をそれぞれ製造し、かつ画質評価を行った。結果
を下記表13に示す。
【0095】
【表13】
【0096】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、湿式加工
によるセンタレス研削盤において、調整車に研削液排水
用の溝を設けることで、調整車表面の摩擦係数を大きく
し、研削加工済み円筒状基体の真円度を向上させるべく
センターハイト量を大きくしてもビビリ現象を生じさせ
ないで研削加工することができ、その結果研削加工後の
円筒状基体の真円度をより一層向上させ得るセンタレス
研削盤および研削加工方法方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 センタレス研削盤の概略を示す断面図であ
る。
【図2】 図1のセンタレス研削盤における研削砥石、
調整車、ブレードの位置関係、および、研削中の円筒状
基体に作用する力を示す図である。
【図3】 本発明における調整車の一例を示す斜視図で
ある。
【図4】 図3の調整車の正面図である。
【図5】 本発明において調整車の周面に設けられる溝
の断面形状の例を示す拡大断面図であり、図5(A)は
断面形状がV字型の溝を示すものであり、図5(B)
は、断面形状が上部開口のコの字型の溝を示すものであ
る。
【符号の説明】
100:センタレス研削盤 102:研削砥石 104:調整車 106:研削液供給パイプ 108:ブレード 110:円筒状基体 112:研削砥石回転軸 112’:研削砥石回転中心 114:調整車回転軸 114’:調整車回転中心 116:円筒状基体回転中心 Fgn:法線研削力 Fgt:接線研削力 Frn:調整車法線方向反力 Frt:調整車接線摩擦抵抗 Fbn:ブレード法線方向反力 Fbt:ブレード滑り抵抗 h:センターハイト量

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周動可能な円柱状の研削砥石と、該研削
    砥石に離隔かつ対向して設けられた周動可能な円柱状の
    調整車と、該調整車および前記研削砥石の間に研削液を
    供給し得る研削液供給手段と、を備えたセンタレス研削
    盤であって、 前記調整車の周面に、前記調整車の周動方向に実質的に
    沿った溝が形成されてなることを特徴とするセンタレス
    研削盤。
  2. 【請求項2】 調整車の周面に形成された溝が、前記調
    整車の周面において螺旋状の形状を描いていることを特
    徴とする請求項1に記載のセンタレス研削盤。
  3. 【請求項3】 調整車の周面に形成された溝のピッチ
    が、0.3〜30mmの範囲であることを特徴とする請
    求項1または2に記載のセンタレス研削盤。
  4. 【請求項4】 調整車の周面に形成された溝の深さが、
    0.05〜0.5mmの範囲であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1に記載のセンタレス研削盤。
  5. 【請求項5】 調整車の周面に形成された溝の幅が、
    0.05〜5mmの範囲であることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1に記載のセンタレス研削盤。
  6. 【請求項6】 調整車の周面に形成された溝と、前記調
    整車の周動方向と、の為す角が、3°以内であることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載のセンタレ
    ス研削盤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1に記載のセン
    タレス研削盤を用い、該センタレス研削盤の調整車およ
    び研削砥石の間に円筒状基体を配置し、研削液供給手段
    から研削液を供給しつつ、前記調整車を前記研削砥石に
    対向する部分において上方向に、および、前記研削砥石
    を前記調整車に対向する部分において下方向に、それぞ
    れ回転させることにより、前記円筒状基体を研削加工す
    ることを特徴とする円筒状基体の研削加工方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の円筒状基体の研削加工
    方法により、表面の研削加工が為されたことを特徴とす
    る研削加工済み円筒状基体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008307627A (ja) * 2007-06-13 2008-12-25 Mitsui Seiki Kogyo Co Ltd ドラム型調整車の研磨装置
JP2010030003A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Ntn Corp センタレス研削用調整車ドラム
KR100956625B1 (ko) 2008-04-28 2010-05-11 (주)영흥산업 무단차 랙바제조 무심연삭기
CN111604728A (zh) * 2019-02-22 2020-09-01 博格华纳公司 对轴向槽应用螺旋扭曲的无心磨削

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