JP2001137933A - 孔型レス圧延における入側材料保持方法及び保持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 孔型レス圧延装置により角鋼、平鋼を圧延す
る際に被圧延材料の圧延ロールによる圧下不均一を防止
するようにした孔型レス圧延における入側材料保持装置
を提供する。 【解決手段】 孔型レス圧延ロールＲｖの入側近傍で被
圧延材料Ｗの上下方向をローラ５、７で保持して倒れを
防止する材料保持装置において、ローラの上流側に被圧
延材料の両側に配設された左右のガイド部材２６、２７
と、これらのガイド部材に設けられ被圧延材料の側部に
転動自在に圧接して水平方向に保持するガイドローラ２
８〜３１と、ガイド部材を支持するスライダ２１〜２４
と、これらスライダを被圧延材料の搬送方向と直交する
方向に水平に移動可能に支持するスライドシャフト１
７、１８と、スライダに連結され、左右のガイド部材を
同時に駆動してガイドローラを被圧延材料に当接又は離
隔させるリンク機構３１と、リンク機構を駆動するアク
チュエータ３２とを備えた構成としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、角鋼、平鋼の孔型
レス圧延における圧下不均一を防止するようにした孔型
レス圧延における入側材料保持方法及び保持装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】孔型レス圧延装置の垂直圧延機（Ｖｓ
ｔ）と水平圧延機（Ｈｓｔ）との間で被圧延材両を往復
させて角鋼、平鋼に圧延する場合、特に被圧延材料の垂
直圧延機の入側形状が横長（横／縦＞１.０）の場合に
は、被圧延材料の倒れを防止するために上下方向を圧延
ロール入側近傍でローラで保持することが必要である。

【０００３】図４は、孔型レス圧延機の特徴であるサイ
ズフリーを達成するために被圧延材料の倒れを防止する
圧延ワークガイド装置を示す。圧延ワークガイド装置１
は、垂直圧延ロールＲｖ、Ｒｖの被圧延材料Ｗの入側に
配設されている。この圧延ワークガイド装置１は、左右
の油圧モータ２、２によりスクリュウシャフト３、３を
回転させて上側の可動ガイド部材（可動フュールング）
４を水平に昇降可能とし、下側の固定ガイド部材６との
間に被圧延材料Ｗを貫通し、この被圧延材料Ｗが圧延ロ
ールＲｖ、Ｒｖに噛み込まれた時に可動ガイド部材４を
下降させ、可動ガイド部材４のガイドローラ５と固定ガ
イド部材６のガイドローラ７とにより被圧延材料Ｗを上
下方向に適度な圧力で押さえ付けて倒れを防止してい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、圧延ワーク
ガイド装置１により被圧延材料Ｗを上下方向に押さえ付
けた場合、上下のガイドローラ５、７間に挟まれた被圧
延材料Ｗにはスキュー効果による水平方向の力が作用
し、被圧延材料Ｗが左右何れか一方に逃げようとする。
例えば、図５に示すように被圧延材料Ｗがガイドローラ
５、７の搬送方向（２点鎖線で示す）に対して僅かな角
度でも左に振れるとスキュー角θを生じ、被圧延材料Ｗ
は、矢印Ｓで示す左方向のスキューによる摩擦力により
更に振れ方向（左方向）へ曲げ応力を受ける。そして、
被圧延材料Ｗが曲がるほど、スキュー角θが大きくな
り、加速度的に被圧延材料Ｗが左方向に強く曲げられ
る。

【０００５】この結果、被圧延材料Ｗの左側面の圧延ロ
ールＲｖとの接触面積Ｓが右側面の圧延ロールＲｖとの
接触面積Ｓ’よりも大きくなり、左、右の圧延ロールＲ
ｖ、Ｒｖによる圧下が不均一となり、圧延された被圧延
材料Ｗは、左右側面の仕上げ後形状の不均一、曲りが発
生する。本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、
孔型レス圧延装置により角鋼、平鋼を圧延する際に被圧
延材料の圧延ロールによる圧下不均一を防止するように
した孔型レス圧延における入側材料保持方法及び保持装
置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１の発明によれば、孔型レス圧延ロールの入側
近傍で被圧延材料の上下方向をローラにより保持して倒
れを防止する孔型レス圧延における入側材料保持方法に
おいて、前記ローラの上流側に前記被圧延材料の左右両
側を水平に保持する一対の水平方向保持ローラを配置
し、圧延時に前記被圧延材料に圧接させて横振れを抑え
ることを特徴とする。

【０００７】被圧延材料は、孔型レス圧延ロールの入側
近傍において上下方向をローラにより押さえ付けられて
倒れを防止される。このとき前記ローラ間に挟まれた被
圧延材料にはスキュー効果による水平方向の力が作用
し、左右何れか一方に逃げようとする。前記ローラの上
流側に被圧延材料の両側に配置した一対の水平方向保持
ローラにより被圧延材料を圧接保持して横振れを抑え、
被圧延材料に作用するスキュー角の発生を防止する。こ
れにより、圧延ロールによる被圧延材料の圧下の不均一
が防止される。

【０００８】請求項２の発明では、孔型レス圧延ロール
の入側近傍で被圧延材料の上下方向をローラにより保持
して倒れを防止する孔型レス圧延における入側材料保持
装置において、前記ローラの上流側に前記被圧延材料の
搬送方向に沿って両側に配設された左右一対のガイド部
材と、前記各ガイド部材に設けられ、前記被圧延材料の
側部に転動自在に圧接して水平方向に保持するガイドロ
ーラと、前記各ガイド部材を夫々少なくとも２箇所で支
持するスライダと、前記各スライダを前記被圧延材料の
搬送方向と直交する方向に水平に移動可能に支持するス
ライドシャフトと、前記各スライダに連結され、前記左
右のガイド部材を同時に駆動して前記ガイドローラを前
記被圧延材料の側部に当接又は離隔させるリンク機構
と、前記リンク機構を駆動するアクチュエータとを備え
たことを特徴とする。

【０００９】圧延ロールにより被圧延材料の圧延が開始
されると同時にアクチュエータがリンク機構を駆動して
スライダを介して左右一対のガイド部材を同時に被圧延
材料に向けて水平に移動させ、ガイドローラを被圧延材
料の側面に転動可能に圧接させる。これにより被圧延材
料がセンタリングされると共に水平方向の横動が抑えら
れる。被圧延材料は、圧延ロールの材料入側近傍に配置
された倒れ防止ローラの上流側において水平方向の横動
が抑えられることで、前記倒れ防止ローラによるスキュ
ー角の発生が抑えられる。これにより、圧延ロールによ
る被圧延材料の圧下の不均一が防止される。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
より詳細に説明する。図１は、本発明に係わる孔型レス
圧延における入側材料保持方法を実施する入側材料保持
装置を備えた圧延装置の概略構成を示す。図１おいて、
圧延装置１０は、垂直圧延機を示し、左右一対の垂直圧
延ロールＲｖ、Ｒｖの入側に被圧延材料Ｗの倒れを防止
するための圧延ワークガイド装置１が、出側に左右一対
の出口フンド１１が配設されており、圧延ワークガイド
装置１の上流側に本発明に係る入側材料保持装置１５が
配設されている。

【００１１】圧延ワークガイド装置１は、前述した図４
に示すように構成されており、圧延開始時に被圧延材料
Ｗの上下方向をガイドローラ５、７により保持して被圧
延材料Ｗの倒れを防止する。また、出口フンド１１、１
１は、圧延ロールＲｖ、Ｒｖにより圧延された被圧延材
料ＷのロールＲｖ、Ｒｖへの巻き付きを防止すると共に
両側面をローラ１２、１２により挟持して水平方向の曲
がりを防止して下流側に配置されている図示しない水平
圧延ロールに案内する。材料保持装置１５は、圧延ワー
クガイド装置１の入側において被圧延材料Ｗを圧接挟持
してセンタリングし、スキュー角の発生を防止する。こ
の材料保持装置１５は、垂直圧延機の前面サイドガイド
の１スパンに設けられている。

【００１２】図２及び図３に示すように材料保持装置１
５は、基盤１６上に強靱なスライドシャフト１７、１８
が所定の間隔を存して平行に且つ被圧延材料Ｗの搬送方
向に直交して配設され、各両端及び中央部が夫々軸受１
９、２０を介して基盤１６の上面から離隔して水平に固
定されている。スライドシャフト１７、１８には夫々ス
ライダ２１、２２、２３、２４が軸方向に摺動可能に装
着されており、一側のスライダ２１と２３にはガイド部
材２６が、他側のスライダ２２と２４にはガイド部材２
７が被圧延材料Ｗの搬送方向に沿って夫々載置固定され
ている。これらのガイド部材２６と２７は、平行に且つ
対向して水平に配置されている。

【００１３】ガイド部材２６、２７の各一端は、図２に
２点鎖線で示すように内側から外側に拡がるテーパ状に
形成されて被圧延材料Ｗの入側とされ、各他端は、被圧
延材料Ｗの出側とされている。ガイド部材２６、２７の
各出側及び略中央には、夫々水平方向保持ローラとして
のガイドローラ２８、２９、３０、３１が内側に臨んで
対向して配置され、且つ被圧延材料Ｗの搬送方向に沿っ
て回転可能に設けられている。これらのガイドローラ２
８〜３１は、被圧延材料Ｗの側面に圧接して転動し、該
被圧延材料Ｗを保持する。スライダ２１〜２４は、スラ
イドシャフト１７、１８の一側に配設された駆動機構３
０に連結されている。

【００１４】駆動機構３０は、リンク機構３１とアクチ
ュエータ例えば、油圧シリンダ３２とにより構成されて
いる。リンク機構３１のリンク３５、３６は、平面視略
Ｔ形をなし、スライドシャフト１７、１８の側方に水平
に配置され、水平部３５ａ、３６ａの中央が回転軸３
７、３８により基盤１６に水平に回動可能に軸支されて
いる。リンク３５、３６の水平部３５ａ、３６ａの各一
端は、ロッド４０、４１を介してスライダ２１、２３に
連結され、各他端は、ロッド４２、４３を介してスライ
ダ２２、２４に連結されている。そして、これらのリン
ク３５、３６の垂直部３５ｂ、３６ｂの各先端部がロッ
ド４４により連結されている。

【００１５】一方のリンク３６の回転軸３８にはリンク
４５の一端が固着されてリンク３６と一体に回動可能と
され、当該リンク４５の他端にはロッド４４と平行に配
置された油圧シリンダ３２のロッド３３の先端が連結さ
れている。スライドシャフト１７、１８の間には被圧延
材料Ｗを搬送するための搬送ローラ５０、５１が配設さ
れており、図示しない駆動用モータにより回転駆動され
る。これらの駆動用モータ、油圧シリンダ３２、及び圧
延ワークガイド装置１は、図示しない制御装置により、
圧延ロールＲｖ、Ｒｖと同期して制御される。

【００１６】以下に作用を説明する。図２に示すように
リンク機構３１は、油圧シリンダ３２が短縮している状
態において各リンク３５、３６が図示の位置に回動され
ており、ロッド４０、４１によりスライダ２１、２３が
押されてスライドシャフト１７、１８上を矢印Ｂ方向
（外方）に移動し、ロッド４２、４３によりスライダ２
２、２４が引っ張られてスライドシャフト１７、１８上
を矢印Ｃ方向（外方）に移動している。この状態におい
てガイド部材２６と２７との間隔は、最大となる。

【００１７】被圧延部材Ｗが搬送ローラ５０、５１によ
りガイド部材２６と２７との間を矢印Ａ方向に搬送さ
れ、その先端が圧延ワークガイド装置１を貫通して圧延
ロールＲｖ、Ｒｖに達し、圧延が開始されると同時に油
圧シリンダ３２が伸長してリンク３５、３６を図中反時
計方向に回動させる。これにより、スライダ２１、２３
がロッド４０、４１により引っ張られてスライドシャフ
ト１７、１８上を矢印Ｂ’方向（内方）に移動し、スラ
イダ２２、２４がロッド４２、４３により押されてスラ
イドシャフト１７、１８上を矢印Ｃ’方向（内方）に移
動する。これにより、ガイド部材２６、２７が中央に向
かって同時に平行に水平移動し、ガイドローラ２８〜３
１が被圧延材料Ｗの左右の側面に当接する。

【００１８】油圧シリンダ３２は、適正な圧力でガイド
ローラ２８〜３１を被圧延材料Ｗの両側面に圧接させ、
当該被圧延材料Ｗを水平方向に横動（横振れ）不能に、
且つ矢印Ａ方向に移動可能に保持する。この状態におい
て被圧延材料Ｗは、センタリングされて長手方向の中心
が圧延ロールＲｖ、Ｒｖ間の中心線上に一致する。同時
に圧延ワークガイド装置１のローラ６、７が被圧延材料
Ｗを上下方向から押さえ付けて倒れを防止する。

【００１９】被圧延材料Ｗは、圧延ワークガイド装置１
の入側において材料保持装置１５のガイドローラ２８〜
３１により両側部を圧接保持されてセンタリングされ、
且つ横動（横振れ）が抑えられていることで、圧延ワー
クガイド装置１の上、下のローラによるスキュー角の発
生が防止される。被圧延材料Ｗの両側面が直接接触して
転動するガイドローラ２８〜３１を支持するガイド部材
２６、２７を、強靱なスライドシャフト１７、１８上を
スライドするスライダ２１〜２４に固定することで、被
圧延材料Ｗから受ける曲げモーメントに耐えることがで
き、圧延ワークガイド装置１によるスキュー角の発生を
良好に防止することが出来る。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の発明に
よれば、圧延ロールの材料入側に設けられた被圧延材料
の倒れ防止ローラの上流側において水平方向の横振れを
抑えることで、被圧延材料に作用するスキュー角の発生
を防止することができ、圧延ロールによる被圧延材料の
圧下の不均一を防止することができ、左右両側面の仕上
げ後形状の不均一、曲がりを防止することができ、品質
の向上を図ることができる。

【００２１】請求項２の発明では、簡単な構成で被圧延
材料をセンタリングすると共に水平方向の横動を良好に
抑えることができ、倒れ防止ローラによるスキュー角の
発生を抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る孔型レス圧延における入側材料保
持装置を備えた圧延装置の概略構成図である。

【図２】図１に示す入側材料保持装置の一部切欠平面図
である。

【図３】図３に示す入側材料保持装置の矢線III−IIIに
沿う断面図である。

【図４】垂直圧延ロールの被圧延材料入側に設けられて
材料の倒れを防止する圧延ワークガイド装置の説明図で
ある。

【図５】図４に示す圧延ワークガイド装置によるスキュ
ー効果の説明図である。

【符号の説明】

１ 圧延ワークガイド装置 ５、７ ローラ １０ 圧延装置 １１ 出口フンド １５ 材料保持装置 １７、１８ スライドシャフト ２１〜２４ スライダ ２６、２７ ガイド部材 ２８〜３１ ガイドローラ（水平方向保持ローラ） ３０ 駆動機構 ３１ リンク機構 ３２ 油圧シリンダ（アクチュエータ） ３５、３６ Ｔ形リンク ４０〜４４ ロッド ４５ リンク Ｒｖ 圧延ロール（孔型レス圧延ロール） Ｗ 被圧延材料

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 孔型レス圧延ロールの入側近傍で被圧延
   材料の上下方向をローラにより保持して倒れを防止する
   孔型レス圧延における入側材料保持方法において、 前記ローラの上流側に前記被圧延材料の左右両側を水平
   に保持する一対の水平方向保持ローラを配置し、圧延時
   に前記被圧延材料に圧接させて横振れを抑えることを特
   徴とする孔型レス圧延における入側材料保持方法。
2. 【請求項２】 孔型レス圧延ロールの入側近傍で被圧延
   材料の上下方向をローラにより保持して倒れを防止する
   孔型レス圧延における入側材料保持装置において、 前記ローラの上流側に前記被圧延材料の搬送方向に沿っ
   て両側に配設された左右一対のガイド部材と、 前記各ガイド部材に設けられ、前記被圧延材料の側部に
   転動自在に圧接して水平方向に保持するガイドローラ
   と、 前記各ガイド部材を夫々少なくとも２箇所で支持するス
   ライダと、 前記各スライダを前記被圧延材料の搬送方向と直交する
   方向に水平に移動可能に支持するスライドシャフトと、 前記各スライダに連結され、前記左右のガイド部材を同
   時に駆動して前記ガイドローラを前記被圧延材料の側部
   に当接又は離隔させるリンク機構と、 前記リンク機構を駆動するアクチュエータとを備えたこ
   とを特徴とする孔型レス圧延における入側材料保持装
   置。