JP2001179323A - 上反り防止装置及び上反り防止方法 - Google Patents

上反り防止装置及び上反り防止方法

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JP2001179323A
JP2001179323A JP36285599A JP36285599A JP2001179323A JP 2001179323 A JP2001179323 A JP 2001179323A JP 36285599 A JP36285599 A JP 36285599A JP 36285599 A JP36285599 A JP 36285599A JP 2001179323 A JP2001179323 A JP 2001179323A
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rolled material
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JP36285599A
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English (en)
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Teruo Sekiya
輝男 関谷
Iwao Nemoto
岩夫 根本
Masaji Shibata
正司 柴田
Daisuke Sawada
大助 澤田
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Hitachi Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Hitachi Ltd
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧延設備における上反り防止装置において、
コンパクト化を図り、また可逆式圧延設備に適用した場
合、圧延機からデスケーリングヘッダーおよびHMDま
での距離を短縮して圧延材の品質向上および生産効率の
向上を図る。 【解決手段】 上反り防止ガイド9が、その櫛形端部9
bを後面ストリッパーガイド8の櫛形端部8bと重ね配
置する構成にあり、後面ストリッパーガイド回動軸18
aと同軸的に配置する上反り防止ガイド回動軸18bを
介して回動可能に設置している。上反り防止ガイド9自
体の幅は後面ストリッパーガイド8の幅(もしくは圧延
材の最大板幅)よりも狭く形成されている。後面ストリ
ッパーガイド8に軸設する油圧シリンダ19を挟んで2
本の上反り防止ガイド用シリンダ21が上反り防止ガイ
ド9に対して設置されており、上反り防止ガイド9の出
側部分を後面ストリッパーガイド8と独立して回動制御
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上反り防止ガイド
により圧延材の上反りを矯正して圧延機周囲の装置類へ
の衝突を防止する上反り防止装置および上反り防止方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】圧延機の上下1対の圧延ロールにより1
枚の圧延材を圧延する場合、両圧延ロール間に回転速度
や圧延トルクに多少なりとも差が生じてしまうことか
ら、圧延直後の圧延材の先端部分には上反りまたは下反
りの変形が生じることがある。
【0003】これらの変形のうち、下反りの場合は圧延
材パス方向の前方先端部が常に搬送路面上に支持される
ため搬送作動に対しては特に支障がない。しかし、上反
りの場合は、圧延直後の搬送が進むにつれて前方先端部
が上昇し、圧延材の自重により上昇が止まって安定する
が、搬送路面上からある一定の高さで湾曲したまま搬送
路面上を移動することになるため、その上反り量が大き
いと圧延設備中の上方に位置する下流側の装置類に衝突
してこれらを損傷させるといった問題があった。
【0004】特に、また圧延入側においてできるだけ圧
延材表面付近で加圧流体の噴射ができるようデスケーリ
ングの噴射ヘッダーを低い位置に配置する必要のある熱
間圧延設備においては、そのような圧延材の上反りはデ
スケーリングの噴射ヘッダとの衝突損傷を起こす可能性
もあり、重大なものとなっている。したがって従来より
熱間圧延設備の圧延ロールのパス方向出側には、圧延材
前方端部の高さを押さえ込み圧延材の上反りを矯正する
上反り防止装置が設置されることが多い。
【0005】このような従来の上反り防止装置は、例え
ば特開平11−057832号公報に記載のように、ス
トリッパーガイドの出側に圧延材とほぼ同じ幅の平板で
構成する上反り防止ガイドを設置した構成となってい
る。この上反り防止ガイドはストリッパーガイド出側で
圧延材通路の高さを低く規制するものであり、そこを圧
延ロールによって上反りした圧延材が通過すると、前方
先端が上反り防止ガイド表面に対して摺接するとともに
上から押さえ込まれる状態となり、上反りが矯正され
る。
【0006】ここで、上反り防止装置は上反り防止ガイ
ドの使用時と不使用時で上下2段階に昇降作動する構成
となっているのが一般的である。また、特開昭58−8
1509号公報には、上反り防止ガイドを回動可能に支
持することでその先端を上下動するようになした上反り
防止装置が開示されており、当該先端部分を降下させた
位置で圧延機を通過させることにより、上反りを防止
し、通板性を向上させたものとなっている。
【0007】更に実際の圧延設備全体の構成としては、
圧延機周囲にその他の様々な装置が設置されている。ま
ず、圧延ロールの出側直後位置には圧延材のロール巻き
込み防止や圧延材へのロール潤滑剤の防水を目的とした
ストリッパーガイドが圧延ロールに押圧摺接させるよう
設置される。
【0008】また可逆式圧延設備においては、1回の圧
延が終了して(1回のパスが終了して)パス方向を切り
替えるタイミングを図るために圧延材の後方端部が圧延
設備から排出されたことを検知するよう光遮断検出器が
設置されている。この光遮断検出器として具体的には熱
間粗圧延にある圧延材に対して特に高い精度で検知でき
るようγ線を利用したHMD(Hot Metal D
etector)が用いられる場合が多い。
【0009】そして圧延設備中における以上の装置類の
配置順序については、まず上述したようにデスケーリン
グヘッダーが圧延材の上反り先端部と衝突損傷するのを
防ぐために上反り防止装置よりもパス方向の出側後方に
設置され、またさらにHMDは圧延材後端部がそれら装
置類全てを通過した時点を検出できるよう装置配列のう
ち最も後方に設置される。
【0010】つまり圧延ロールから出側方向に向けて、
ストリッパーガイド、上反り防止装置、デスケーリング
ヘッダー、HMDといった配置順序がそれぞれの使用目
的から変えることができないものとなっており、また特
に可逆式圧延設備の場合にはこれら装置が圧延ロールに
関して入出両側の前後方向対称に配置される構成となっ
ている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には次のような問題がある。まず、特開平11−
057832号公報や特開昭58−81509号公報に
記載の従来技術においては、ストリッパーガイドおよび
上反り防止装置は両方とも十分な機能効果が得られるよ
うそれぞれ圧延材パス方向の長さを十分に取る必要があ
るため、大きな設備長を占めるものとなっていた。
【0012】特に上反り防止ガイドが上下2段階の昇降
作動を行う上反り防止装置においては、その周囲に大き
な駆動機構を備える構成となり、近接するストリッパー
ガイドとその駆動機構との干渉を避けるために離間して
配置する必要があるため、設備長が更に増大する。
【0013】また可逆式圧延設備では、上反り防止装置
より外側に位置するデスケーリングヘッダーやHMDが
圧延ロールから離れた位置で両側に設置される構成とな
る。圧延材の表面に自然に生成する酸化物(以降、酸化
スケールという)のロール圧延を回避するために、デス
ケーリングヘッダーによるデスケーリング(流体の吹き
つけによる除去)はできるだけ圧延材の表面付近で且つ
圧延ロールによるかみ込みの直前に行うのが望ましい。
しかし、上記のようにデスケーリングヘッダーと圧延ロ
ールとの間が大きく離間することから、その間に生成す
る酸化スケールのかみ込みが避けられず、その分圧延材
の品質を低下させる。
【0014】さらに、可逆式圧延設備においてはHMD
と圧延ロールとの間が大きく離間しているため、圧延材
の後端部が圧延ロールから排出されてからパス方向を切
り替えて次の圧延が開始するまでのタイムラグ、つまり
圧延ロールの無駄時間が長くなって圧延作業効率が低下
するものとなり、実際の圧延ライン上で多くの枚数圧延
した場合にはこの差が累積して非常に大きな損失を生む
結果となっていた。
【0015】そのほか、通常の熱間圧延工程での粗圧延
においては、板厚がおよそ250mmから100mm程
度まで圧下され、その板厚の変化や材料特性によっても
その上反り量は変化するものとなり、また圧延速度によ
って上反り装置の上反り防止ガイドとの衝突による衝撃
の大きさが違ってくる。しかし従来では積極的にそれら
各々の条件に応じて適切に上反り矯正量を制御すること
はしていなかった。
【0016】本発明の第1の目的は、圧延機のパス方向
出側に上反り防止ガイドを設置することで通板をスムー
ズに行わせるもので、装置のコンパクト化を図ることで
圧延設備長の短縮化を可能とする上反り防止装置を提供
することにある。
【0017】本発明の第2の目的は、可逆式圧延設備に
適用した場合に圧延ロールからデスケーリングヘッダー
およびHMDまでの距離を短縮して圧延材の品質向上お
よび生産効率の向上を可能とする上反り防止装置を提供
することにある。
【0018】本発明の第3の目的は、各種圧延条件に応
じて適切にその矯正量を制御することでより効果的な上
反り防止機能を可能とする上反り防止装置及び上反り防
止方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】(1)上記第1の目的お
よび第2の目的を達成するために、本発明は、圧延機の
パス方向出側に回動可能に設置したストリッパーガイド
の圧延材搬送方向の直後位置に上反り防止ガイドを設置
した上反り防止装置において、上反り防止ガイドをその
先端部分が昇降するよう回動可能に支持すると共に、ス
トリッパーガイドの先端部分及び上反り防止ガイドの後
端部分にそれぞれ櫛形部分を設け、これら櫛形部分で先
端部分と後端部分を互いに重ね配置したものとする。
【0020】このように上反り防止ガイドを回動可能に
支持することによりパス方向に短縮した構成としながら
も効果的に上反りの矯正が可能となり、また上反り防止
ガイドの支持構造自体も簡素化されることからも、上反
り防止ガイドをストリッパーガイドに近接した配置で設
置することができ、もって設備長の短縮を図れる。さら
にそのストリッパーガイドと上反り防止ガイドを互いに
櫛形部分で重ね配置することによりさらにパス方向に短
縮した形態となり、且つ圧延材の前方先端をスムーズに
案内することができる。
【0021】また可逆式圧延に適用した場合には圧延ロ
ールからデスケーリングヘッダーおよびHMDまでの間
が近接することになり、無駄時間の短縮による生産性の
向上、および熱間粗圧延においては圧延材の品質の向上
が可能となる。
【0022】(2)上記第1の目的および第2の目的を
達成するために、本発明は、圧延機のパス方向出側に回
動可能に設置したストリッパーガイドの圧延材搬送方向
の直後位置に上反り防止ガイドを設置した上反り防止装
置において、上反り防止ガイドをストリッパーガイドの
回動支点軸に対し同軸的に回動可能に支持すると共に、
ストリッパーガイドの先端部分及び上反り防止ガイドの
後端部分にそれぞれ櫛形部分を設け、これら櫛形部分で
先端部分と後端部分を互いに重ね配置したものとする。
【0023】これにより上記(1)の作用が得られると
共に、上反り防止ガイドとストリッパーガイドを同軸的
に回動可能に配置することにより、全体の設備長がより
短縮される。
【0024】(3)上記(1)または(2)の上反り防
止装置において、好ましくは、前記上反り防止ガイドの
幅を圧延材の最大板幅より狭くし、前記上反り防止ガイ
ドの幅方向両端側に2つの固定ガイドを並設すると共
に、前記ストリッパーガイド用のアクチュエータの両側
に前記上反り防止用のアクチュエータを並設したものと
する。
【0025】これにより、矯正能力が高く、且つ圧延直
後の圧延材前方端部との衝突などにも十分耐えうる強度
の高い上反り防止装置が構成される。
【0026】(4)また上記第3の目的を達成するため
に、本発明は、上記(1)乃至(3)のいずれか1つに
記載の上反り防止装置において、上位計算機より与えら
れる圧延材の材質、板厚及び圧延速度から前記上反り防
止ガイドの作動の要否及びその昇降量を算出し、この算
出結果に基づき前記上反り防止ガイド用のアクチュエー
タを制御する演算手段を備えるものとする。
【0027】これにより、上反り防止ガイドと圧延材の
前方端部との衝突による損傷を最小とし、最も効果的な
上反りの矯正が可能となる。
【0028】(5)また上記第3の目的を達成するため
に、本発明は、圧延機のパス方向出側に設置した上反り
防止ガイドにより圧延材の上反りを防止する上反り防止
方法において、前記上反り防止ガイドをその先端部分が
昇降するよう可動的に支持し、上位計算機より与えられ
る圧延材の材質、板厚及び圧延速度により最適な上反り
矯正量を算出し、これに基づいて前記上反り防止ガイド
の昇降量を制御するものとする。
【0029】これにより、上反り防止ガイドと圧延材の
前方端部との衝突による損傷を最小とし、最も効果的な
上反りの矯正が可能な上反り防止方法が提供される。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形
態による上反り防止装置を備えた可逆式熱間粗圧延設備
のパス方向断面図であり、図2は図1のI−I線矢視断
面図であり、図3は図2のII−II線水平断面図を示すも
のである。
【0031】図1において、可逆式熱間粗圧延設備1に
は可逆圧延の第1パス方向(順パス方向)で見て粗圧延
機での入側に前面HMD2、前面デスケーリングヘッダ
ー3、エッジャーミル4、前面ストリッパーガイド5を
備えた圧延機7に対する前面ガイド装置6、圧延機7の
圧延ロール7aがこの順序で配置され、圧延機7の出側
に後面ストリッパーガイド8および上反り防止ガイド9
を備えた圧延機7に対する後面ガイド装置10、後面デ
スケーリングヘッダー11、後面HMD12がこの順序
で配置されている。
【0032】圧延材は搬送テーブルローラ13により搬
送され、上記装置類を通過する。前面HMD2および後
面HMD12は、それぞれ、発光器2a、12aと受光
器2b、12bとを有し、これらは光路が搬送路面に対
して垂直となるよう配置され、また受光器2b、12b
は比較的体積が小さいため、この受光器2b、12bを
上方に配置することにより前面ガイド装置6および後面
ガイド装置10が上側に設置していても前面HMD2お
よび後面HMD12を圧延ロール7に近接するよう配置
できるものとなる。
【0033】前面デスケーリングヘッダー3および後面
デスケーリングヘッダー11は最大板厚にある圧延材に
衝突せず、かつ最小板厚にある圧延材に十分近接して加
圧流体を噴射できる位置に設置されている。
【0034】エッジャーミル4は搬送テーブルローラ1
3により構成される圧延材搬送路の幅方向に対向する2
つの縦ローラで構成され、圧延材を板幅方向に圧延成形
する。
【0035】前面ガイド装置6は、圧延機7の第1パス
入側のハウジング部分7bに取り付けられたフレーム1
4を有し、このフレーム14には前面ストリッパーガイ
ド回動軸15が圧延ロール7aのロール軸方向と平行に
装架されており、この回動軸15に前面ストリッパーガ
イド5と一体の前面ストリッパーガイド支持部材5aが
回動可能に取り付けられ、さらに前面ストリッパーガイ
ド支持部材5aの反圧延ロール側端部とフレーム14の
上方部分との間に油圧シリンダ16の両端がピン結合さ
れている。油圧シリンダ16は圧延中、前面ストリッパ
ーガイド5の先端が常に上側圧延ロール7aに摺接する
よう前面ストリッパーガイド支持部材5aを押圧する。
また、上側圧延ロール7aの上下動や上側圧延ロール7
aのロール径の変動に対して油圧シリンダ16を作動さ
せ、前面ストリッパーガイド5の先端位置を調整する。
【0036】後面ガイド装置10は、圧延機7の第1パ
ス出側のハウジング部分7cに取り付けられたフレーム
17を有し、このフレーム17に後面ストリッパーガイ
ド8、上反り防止ガイド9及びそれらの周辺部材が設置
されている。
【0037】即ち、フレーム17には上側圧延ロール7
aのロール軸と平行に後面ストリッパーガイド回動軸1
8aが装架され、この後面ストリッパーガイド回動軸1
8aに後面ストリッパーガイド8と一体の後面ストリッ
パーガイド支持部材8aが回動可能に取り付けられ、後
面ストリッパーガイド支持部材8aの反圧延ロール側端
部とフレーム17の上方部分との間に油圧シリンダ19
の両端がピン結合され、これにより後面ストリッパーガ
イド8は前面ストリッパーガイドと同様、圧延中に、先
端部が常に圧延ロール7aの表面に摺接する構成となっ
ている。
【0038】また図3に示すように、上反り防止ガイド
8と一体に上反り防止ガイド支持部材9aが設けられ、
この上反り防止ガイド支持部材9aは上反り防止ガイド
回動軸18bに回動可能に取り付けられ、後面ストリッ
パーガイド回動軸18aと同軸的にフレーム17に装架
されている。上反り防止ガイド9は圧延ロール7a側の
端部、即ち後端部分に櫛形部分9bを有し、後面ストリ
ッパーガイド8は反圧延ロール側の端部、即ち先端部分
に同様な櫛形部分8bを有し、これら櫛形部分8b、9
bの一方の櫛部を他方の櫛部間凹所に挿入することによ
り櫛形部分8b、9bは互いに重ね配置されている。上
反り防止ガイド9の幅は後面ストリッパーガイド8の幅
(もしくは圧延材の最大板幅)よりも狭くなっており、
その両側にフレーム17と一体の固定ガイド20、20
が設置されている。
【0039】また図2に示すように、後面ストリッパー
ガイド8用の油圧シリンダ19は圧延材搬送路の幅方向
中央に位置し、これを挟んでその両側に2本の上反り防
止ガイド用の油圧シリンダ21、21が位置している。
これら上反り防止ガイド用の油圧シリンダ21は両端が
上反り防止ガイド支持部材9aの反圧延ロール側の端部
とフレーム17の上方部分との間にピン結合され、後述
する上反り防止ガイド位置制御装置25によって上反り
防止ガイド9の先端部分を後面ストリッパーガイド8と
独立して回動制御する構成となっている。
【0040】図4は本実施形態の上反り防止装置の制御
系の構成模式図であり、同図において、圧延開始前の時
点で上位CPU23から演算装置24に圧延材の材質及
び圧延スケジュール(各パス毎の板厚、圧延速度、温度
等の圧延条件)が与えられ、また予め記憶している経験
則データと比較・対応させることで各パスごとの上反り
量を計算し、この上反り量を基に上反り矯正量、つまり
図4に示すH寸法を演算し、更にこれを基に上反り防止
ガイド8の回動作動の要否判断、および作動する場合の
最も効果的な昇降量hが算出される。そして、それらの
算出結果が上記HMDの通過検出のタイミングに合わせ
て上反り防止ガイド位置制御装置25に出力され、上反
り防止ガイド用シリンダ21のストローク制御、ひいて
は上反り防止ガイド9の回動制御が行われる。例えばあ
るパスで演算した上反り量が増加する場合は、その上反
り量に応じて上反り矯正量Hを増加させる。つまり上反
り防止ガイド9の先端部分を上げ方向に動かし、昇降量
hを減らすよう回動制御する。またこの時点で演算装置
24は圧延機7に対しても圧下量制御を行う。
【0041】以上のように構成される可逆式熱間粗圧延
設備の作動について以下に説明する。まず、初パス(第
1パス)においては、その圧延作動が始まる前にすでに
上反り防止ガイド9が上記上反り防止ガイド位置制御装
置25によって最適位置に位置固定している状態にあ
り、その上で圧延機1の前面側に圧延材(スラブ)が搬
入されて圧延作動が始まる。そして搬入された圧延材の
先端が前面HMD2の光路を遮ることで圧延材の先端の
通過を検出し、前面デスケーリングヘッダー3より上下
両側から圧力水22が噴射され、圧延材表面の酸化スケ
ールが除去される。
【0042】次いで圧延材はエッジャーミル4により規
定の幅に幅圧延されるとともに側端面の整形がなされ、
前面ガイド装置6を通過した後、圧延ロール7aにより
所定の厚みに圧延され、送り出される。この圧延ロール
7aによる圧延時において、万が一圧延材がロール表面
に密着した場合でも、後面ストリッパーガイド8により
適切に剥離が行われる。
【0043】また圧延ロール7aによる圧延直後に圧延
材の先端部分に上反りが生じた場合には、後面ストリッ
パーガイド8の直後に位置する上反り防止ガイド9を予
め所定の回動量に設定して搬送路出口の高さを低く制限
しておくことで、上反りした圧延材先端部分の高さを押
さえ込み圧延材の上反りを矯正する。上反りが適切に矯
正された圧延材は上反り防止ガイド9のパス方向の出側
に配置した後面デスケーリングヘッダー11および後面
HMD12を衝突なく通過する。
【0044】その後、圧延が進み、圧延材の後方端部が
後面HMD12を通過した時点で圧延材全体の排出が検
出され、このタイミングに基づいて搬送テーブルローラ
13および圧延ロール7aの回転の反転によりパス方向
の切り替えが行われ、第2パスの圧延を開始する。
【0045】またこの時点で後方から前方に切り替わっ
た圧延材の端部は、その塑性のために若干の上反りを残
している可能性があるため、衝突を防止するよう上反り
防止ガイド9はパス方向の切り換えと同時に最も上方の
位置に上昇回動する。そしてこの逆パス方向の搬送にお
いては後面デスケーリングヘッダー11によって圧延前
のデスケーリングが行われる。
【0046】その後、逆パス方向の圧延が進み、圧延材
の後端が圧延設備より排出されたことを前面HMD2が
検出した時点で、再び順パス方向への切り替えと第3パ
スの圧延条件に最も適した上反り防止ガイド9の回動作
動が行われる。このようにしてHMDの検出と同期させ
たパス方向の反転を必要回数繰り返し、最終パス後、次
の圧延機に搬送される。
【0047】以上のように構成した本実施形態の上反り
防止装置においては、上反り防止ガイド9を回動作動さ
せて上反り矯正を行えることから、単に平板の上反り防
止ガイドを平行に固定した従来の構成と比較して、その
パス方向長さ(設備長)を短縮し、かつ十分な上反り矯
正機能を発揮することができる。
【0048】また多くの支持部材で支えられる固定式
や、大きな駆動機構を備える必要のある上下昇降作動式
の構成にあった従来の上反り防止装置と比較して、本実
施形態の上反り防止装置は上記のように回動制御により
作動する構成であり、上反り防止ガイド支持部材9aを
介して上反り防止ガイド回動軸18bと上反り防止ガイ
ド用シリンダ21のみによる簡便な支持構成となってい
るため後面ストリッパーガイド8に近接して設置でき
る。特に上反り防止ガイド9と後面ストリッパーガイド
8を同軸的に回動可能に配置したので全体の設備長がよ
りいっそう短縮される。
【0049】さらに、前述したようにこれら後面ストリ
ッパーガイド8と上反り防止ガイド9間はそれぞれの櫛
形部分8b、9bにより重ね配置されているため、上反
りしている圧延材のパス方向前方端部はこの2つの部材
の繋ぎ目でつかえることがなくスムーズに案内されるこ
とになる。またこれら2つの部材はともにそれぞれの機
能を果たすために十分なパス方向長さを有しながら、そ
れぞれ別個で設置していた従来の構成と比較して2つ合
わせた長さが大幅に短縮された形態となり、その分だけ
設備長を削減できることになる。
【0050】また、上述のように後面ストリッパーガイ
ド8と上反り防止ガイド9の2つ合わせた長さが従来よ
り大幅に短縮した形態にあることで、圧延ロール7aか
ら後面デスケーリングヘッダー11および後面HMD1
2までの距離が近接したものとなる。つまり同じ搬送速
度にありながら上記のパス方向の切り替えのタイミング
をより早く捕らえて且つより早く圧延機7にかみ込ませ
ることが可能となると同時に、できるだけ圧延直前に行
うべきとする、より理想的なデスケーリングが可能とな
り、無駄時間の短縮による生産性の向上、および熱間粗
圧延においては圧延材の品質の向上が可能となる。
【0051】また上反り防止ガイド9自体の幅は上反り
を押さえ込む機能を果たすのに十分な幅にありながら、
圧延材の最大板幅よりも狭く形成されていることから、
必要以上に圧延材の前方端部からの衝撃を受けることが
なく、さらに両側に固定ガイド20があり、また上反り
防止ガイド用シリンダ21を2つ設けていることから、
頑強かつ矯正支持力の高い構成となっている。
【0052】また圧延速度や圧延材の材質、板厚などの
圧延条件に基づいて上反り防止ガイド9の作動の要否及
びその回動昇降量を算出して制御することから、上反り
防止ガイド9と圧延材の前方端部との衝突による損傷を
最小とし、最も効果的な上反りの矯正が可能となる。
【0053】尚、上記本実施形態は後面側にのみ上反り
防止装置を配置した構成にあるが、勿論前面側にも対称
的に配置することは可能である。しかし前面側には設置
長さの長いエッジャーミル4が配置されているため、逆
パス方向から順パス方向へ切り替える時の時間短縮の効
果は後面ほど大きいものではなく、若干の上反り矯正効
果を享受できるのみであるため、この前面側における上
反り防止装置の設置は設備コスト等と見合わせて検討す
べきである。
【0054】また本実施形態では上反り防止ガイド9の
回動アクチュエータはシリンダで構成したが、本発明は
これに限定することなく、例えば電動制御によるウォー
ムジャッキ等のように十分な支持力を備えて任意の伸長
作動の可能な他のアクチュエータを用いて構成すること
も可能である。
【0055】また本実施形態では圧延材パス方向を切り
換えるタイミングを計るために圧延材の通過を検出する
センサーをγ線利用のHMD2、12で構成したが、こ
れに限定することなく他の波長の電磁波を利用する光遮
断検出器等で構成してもよい。しかし可逆式圧延機に適
用する場合には、上述したように生産効率に大きく影響
を与える関係上、その検出精度はできるだけ高いものを
利用するのが望ましい。
【0056】また本実施形態では後面ストリッパーガイ
ド回動軸18aと上反り防止ガイド回動軸18bとを全
く同軸的に配置した構成にあるが、本発明はこのように
厳密な同一軸上での配置に限定するものではなく、設備
長の短縮化を図る意味では多少ずれた配置としても問題
はない。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、圧延機のパス方向出側
に上反りガイドを設置して通板をスムーズに行わせる上
反り防止装置にあって、装置のコンパクト化を図ったこ
とにより圧延設備長の短縮が可能となる。
【0058】また本発明によれば、可逆式圧延設備に適
用した場合には圧延ロールからデスケーリングヘッダー
およびHMDまでの距離を短縮したことで圧延材の品質
向上および生産効率の向上が可能となる。
【0059】また本発明によれば、各種圧延条件に応じ
て適切に矯正量を制御したことでより効果的な上反り防
止機能が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の上反り防止装置を備えて実際的な実施
形態にある可逆式熱間粗圧延設備のパス方向断面図であ
る。
【図2】図1のI−I矢視で上反り防止装置の垂直断面
図である。
【図3】図2のII−II矢視で上反り防止装置の水平断面
図である。
【図4】上反り防止装置の制御系の構成模式図である。
【符号の説明】 1 可逆式熱間粗圧延設備 2 前面HMD 3 前面デスケーリングヘッダー 4 エッジャーミル 5 前面ストリッパーガイド 5a前面ストリッパーガイド支持部材 6 前面ガイド装置 7 圧延機 7a上側圧延ロール 7b第1パス入側のハウジング部分 7c第1パス出側のハウジング部分 8 後面ストリッパーガイド 8a後面ストリッパーガイド支持部材 8b 後面ストリッパーガイド櫛形部分 9 上反り防止ガイド 9a上反り防止ガイド支持部材 9b 上反り防止ガイド櫛形部分 10 後面ガイド装置 11 後面デスケーリングヘッダー 12 後面HMD 13 搬送テーブルローラ 14、17 フレーム 15 前面ストリッパーガイド回動軸 16 前面ストリッパーガイド用油圧シリンダ 18a 後面ストリッパーガイド回動軸 18b 上反り防止ガイド回動軸 19 後面ストリッパーガイド用油圧シリンダ 20 固定ガイド 21 上反り防止ガイド用シリンダ 22 圧力水 23 上位CPU 24 演算装置 25 上反り防止ガイド位置制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根本 岩夫 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立事業所内 (72)発明者 柴田 正司 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 澤田 大助 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧延機のパス方向出側に回動可能に設置し
    たストリッパーガイドの圧延材搬送方向の直後位置に上
    反り防止ガイドを設置した上反り防止装置において、 前記上反り防止ガイドをその先端部分が昇降するよう回
    動可能に支持すると共に、 前記ストリッパーガイドの先端部分及び前記上反り防止
    ガイドの後端部分にそれぞれ櫛形部分を設け、これら櫛
    形部分で前記先端部分と前記後端部分を互いに重ね配置
    したことを特徴とする上反り防止装置。
  2. 【請求項2】圧延機のパス方向出側に回動可能に設置し
    たストリッパーガイドの圧延材搬送方向の直後位置に上
    反り防止ガイドを設置した上反り防止装置において、 前記上反り防止ガイドを前記ストリッパーガイドの回動
    支点軸に対し同軸的に回動可能に支持すると共に、 前記ストリッパーガイドの先端部分及び前記上反り防止
    ガイドの後端部分にそれぞれ櫛形部分を設け、これら櫛
    形部分で前記先端部分と前記後端部分を互いに重ね配置
    したことを特徴とする上反り防止装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の上反り防止装置に
    おいて、 前記上反り防止ガイドの幅を圧延材の最大板幅より狭く
    し、前記上反り防止ガイドの幅方向両側に2つの固定ガ
    イドを並設すると共に、 前記ストリッパーガイド用のアクチュエータの両側に前
    記上反り防止用のアクチュエータを並設したことを特徴
    とする上反り防止装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか1項記載の上反
    り防止装置において、 上位計算機より与えられる圧延材の材質、板厚及び圧延
    速度から前記上反り防止ガイドの作動の要否及びその昇
    降量を算出し、この算出結果に基づき前記上反り防止ガ
    イド用のアクチュエータを制御する演算手段を備えるこ
    とを特徴とする上反り防止装置。
  5. 【請求項5】圧延機のパス方向出側に設置した上反り防
    止ガイドにより圧延材の上反りを防止する上反り防止方
    法において、 前記上反り防止ガイドをその先端部分が昇降するよう可
    動的に支持し、 上位計算機より与えられる圧延材の材質、板厚及び圧延
    速度により最適な上反り矯正量を算出し、これに基づい
    て前記上反り防止ガイドの昇降量を制御することを特徴
    とする上反り防止方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100758487B1 (ko) 2006-06-07 2007-09-12 주식회사 포스코 휨 발생된 압연소재 유도장치
KR101048473B1 (ko) 2009-07-03 2011-07-12 이은일 금형을 대체할 수 있는 가이드판 절곡성형장치
JP2012525259A (ja) * 2009-04-30 2012-10-22 エス・エム・エス・ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフト 入口ガイドと出口ガイドを備えた可逆ロールスタンド

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