JP2001137688A - 多管式反応器 - Google Patents

多管式反応器

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JP2001137688A
JP2001137688A JP2000264570A JP2000264570A JP2001137688A JP 2001137688 A JP2001137688 A JP 2001137688A JP 2000264570 A JP2000264570 A JP 2000264570A JP 2000264570 A JP2000264570 A JP 2000264570A JP 2001137688 A JP2001137688 A JP 2001137688A
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reactor
reaction
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gas
catalyst
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Yukihiro Matsumoto
行弘 松本
Masakatsu Mori
正勝 森
Masaji Kitaura
正次 北浦
Osamu Momo
治 百々
Michio Tanimoto
道雄 谷本
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 反応器内の熱媒の温度分布の低減およびホッ
トスポットの発生を抑制する。 【解決手段】 複数の反応管404を内蔵し、反応器シ
ェルに導入された熱媒の移動方向の変更が可能な邪魔板
を備える反応器401において、反応管を配列しない空
間部を中央に備え、外周部と中央部との間に少なくとも
一つ以上の熱媒の循環通路431a〜431cを有する
ことを特徴とする多管式反応器、および前記の反応器を
用いて接触気相酸化する(メタ)アクリル酸および/ま
たは(メタ)アクロレインの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の反応管を内
蔵し、反応器シェルに導入された熱媒(熱媒体)の移動
方向の変更が可能な邪魔板を備える多管式反応器および
その反応器を用い接触気相酸化して(メタ)アクリル酸
および/または(メタ)アクロレインを製造する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】多管式反応器では、反応管束の外側(シ
ェル側)に熱媒を充填して循環させるとともに、反応原
料を反応管内に供給して反応を遂行し、その際に発生す
る熱を上記熱媒により除去することで所定の反応条件を
維持するものである。
【0003】図1は従来の多管式反応器の代表例を示
す。図1において、プロピレンなどの反応原料と空気を
混合した原料ガスは、原料ガス導入口2から反応器1に
供給され、触媒3の充填された反応管4内を流下し、反
応管内で部分的に酸化されて反応生成物となった後、生
成ガス排出口5より排出されている。
【0004】この時、反応熱を除去する為に反応器シェ
ル側に充填された熱媒は、反応器のシェル側の下部に形
成された環状導管12の複数の開口部から導入されて、
反応原料ガスの軸方向の流れに対し向流に流され反応熱
を除去した後に、環状導管10の複数の開口部より系外
に排出される。なお、反応器シェル内には、邪魔板7
a,7b,7cを付設することで熱媒の流路を変え水平
断面での温度差を低減し、熱媒が反応器シェル内をでき
るだけ均一に流れ、全反応管の温度を同程度に保てるよ
うに構成されている。
【0005】特に、プロピレンなどの接触気相酸化で
は、極めて多量の発熱をともなう反応を高温で行うもの
であり、しばしば局所的に異常高温帯が生ずる。このた
め、従来の多管式反応器を用いた接触気相酸化反応で
は、プロピレンなどの反応原料濃度を低く抑えたり、反
応温度を低下させるなどの対策がとられていたが、充分
満足できるものとはいえなかった。
【0006】そこで、反応器内の温度分布を少なくする
ことが、工業的規模での接触気相酸化反応では求められ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであって、反応器内の温度分布を少な
くするとともに、目的生成物の収率を向上できる反応器
およびその反応器を用いた(メタ)アクリル酸および/
または(メタ)アクロレインの製造方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の反応管
を内蔵し、反応器シェルに導入された熱媒の移動方向の
変更が可能な邪魔板を備える反応器において、反応管を
配列しない空間部を中央に備え、外周部と中央部との間
に少なくとも一つ以上の熱媒の循環通路を有することを
特徴とする多管式反応器によって達成される。
【0009】また、本発明の目的は、前記の反応器を用
いて接触気相酸化で(メタ)アクリル酸および/または
(メタ)アクロレインを製造する方法によって達成され
る。
【0010】本発明の技術範囲は、特許請求の範囲の各
請求項に記載された文言に限定されることなく、当業者
がそれらから容易に置き換えられる範囲にもおよぶ。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用される多管式反応器
は、複数の反応管を内蔵し、反応器シェルに導入された
熱媒の移動方向の変更が可能な邪魔板を備え、熱媒をシ
ェル内を循環させながら、原料ガス導入口から原料ガス
を導入し、反応管内で反応を行い、生成ガス排出口から
生成物を排出する形式のものであれば特に限定されず、
熱媒を導入(供給)または排出する複数のノズルを備え
る反応器、環状導管を備える反応器、反応器を上下のチ
ャンバーに区切る中間管板を備える反応器などの反応器
にも適用することができる。邪魔板は、穴あき円板と円
板が交互に配列されたものを使うことが好ましい。穴あ
き円板と円板との間隔は特に制限されず、例えば反応の
ホットスポットが接触気相酸化反応によって異なる場
合、ホットスポットの位置やホットスポットの温度変化
などに応じて適宜選択することができる。反応器におい
て、反応管を有する部分の反応器の横断面の形状として
は、特に限定はされないが、円形、多角形などが例示で
きる。
【0012】本発明において、循環通路とは、反応器の
上部管板と下部管板との間のシェル側であって、反応器
の横断面において反応器の外周部と中央部との間に反応
管を配列してない部分をいう。通常、循環通路は、上部
管板と下部管板との間にわたっている。本願では循環通
路は少なくとも一つ以上であるが、少なくとも二つ以上
有することが好ましい。ここで、外周部とは、反応器の
内壁と反応管(群)との間の空間部をいう。この循環通
路を熱媒は、反応器内に邪魔板が存在するためほぼ水平
に、反応器の外周部から中央部へまたは反応器の中央部
から外周部へ、反応管の存在する反応管領域に比べて、
優先的に進むことができる。循環通路が複数存在する場
合に、各循環通路の幅は、同一または異なった幅でもよ
いが、熱媒の流量の制御の容易さの点から実質的に同一
幅が好ましい。
【0013】少なくとも二つ以上の循環通路で分割され
た各反応管領域での反応管の本数の差が3%以内になる
ように、反応管を配列することが好ましい。3%を越え
ると、各反応管領域間での熱媒流量に分布を生じて温度
分布の差が生じ、反応の制御が難しくなるために好まし
くない。反応管領域での反応管の配列方法は、循環通路
ができなければ特に制限されるものではなく、規則的に
または不規則的に配列してもよい。なお、各反応管領域
での反応管本数の差とは、式{(各反応管領域における
反応管本数)/(反応管領域における平均反応管本数)
−1}×100の絶対値で規定される値である。
【0014】この循環通路の横断面積は、反応器横断面
積の全量に対し、0.5〜5%の範囲にあることが好ま
しい。ここで、循環通路の横断面積とは、同一幅の直線
であれば、{(D−d)/2}×B×Nで表される。た
だし、式中、反応器胴直径(内径)をD、中央直径(中
空径)をd、循環通路数をN、循環通路幅をB(ただ
し、B > (反応管ピッチ)−(反応管外径)の関係を
有する)という。反応器横断面積とは、反応器の全ての
横断面積{(π/4)D2}で、中央部、外周部および
循環通路と反応管の存在する領域の全てをいう。循環通
路の横断面積が0.5%未満であると、熱媒の循環通路
の循環量が少ないため、反応器内の熱媒の温度分布を十
分になくすことができず、一方、5%を越えると、熱媒
の循環通路の通過量が多すぎるため、循環通路付近の温
度が低く、それ以外の部分の温度が高いという温度分布
にむらが生じてしまうため好ましくない。中央直径
(d)と穴あき円板の穴径との関係は、反応管が穴あき
円板の内側に存在していてもよく、中央直径が穴あき円
板の穴の直径よりも小さい場合もある。
【0015】また、循環通路の数が、一反応器当たり、
1以上、好ましくは2以上、さらに好ましくは3〜6で
あることが望ましい。循環通路の数が少ないと、反応器
全体にわたって熱媒が循環通路を通過する効果が必ずし
も充分に得られず、反対に循環通路の数が多すぎると、
通常の反応管ピッチ(反応管と反応管との距離)に近づ
くため、熱媒の循環通路を通過する通過量が少なくな
り、反応管からの熱の影響が大きいために好ましくな
い。
【0016】従来、熱媒の循環通路を設けない方が、熱
媒は個々の反応管と接触しながら流れ、反応により発生
した熱を効率よく除去でき、反応器内の温度分布を均一
にできると考えられていた。しかしながら、意外にも、
循環通路を設けることにより、熱媒が循環通路を短時間
で通過することにより、反応器の中央部付近または外周
部付近の熱媒の温度を効率的に低下(または、反応管内
の温度が低い場合などには上昇)させることができ、そ
れにより、より反応器全体の温度分布を低減できるとと
ともに、目的生成物の収率の向上を図ることができる。
【0017】また、循環通路を除いて反応管の配列方法
は従来から行われている方法を採用できるが、通常、反
応管外径の1.2〜1.4倍の中心間隔で保持されるこ
とが好ましい。これにより、反応により発生した発熱を
熱媒を用いて容易に回収でき、スポット温度の低減にも
寄与することが可能である。穴あき円板型邪魔板および
円板型邪魔板などの邪魔板を用いる場合には、シェル中
央部に反応管を配列しない空間を有することが好まし
い。反応管を配列しない中央部が存在することにより、
反応熱の回収に用いる熱媒を十分に流すことができ、熱
媒の温度分布の低減を図ることが可能となるからであ
る。さらに、穴あき円板型邪魔板の内側には、穴あき円
板型邪魔板に支持されない反応管を配列してもよい。同
様に、円板型邪魔板の外側にも、円板型邪魔板に支持さ
れない反応管を配列してもよい。これにより、配列可能
な反応管数の増加を図ることができるからである。
【0018】次に、本願発明の内容を、反応器が一室な
場合において原料ガスがダウンフローで熱媒の(1)ア
ップフローと(2)ダウンフローおよび(3)反応器を
二つのチャンバーに区切った反応器を用いる場合に分け
て具体的に説明する。 (1)アップフロー 本発明においては、多管式の固定床反応器で接触気相酸
化反応を行うに当たり、反応器上部より供給されて反応
管内を下降する反応原料ガスに対して、熱交換用媒体
(熱媒)は反応器シェル側下部から供給することによ
り、反応原料ガスと熱媒を向流に流す。
【0019】図2は本発明にかかる多管式反応器の代表
例であって、反応器を縦に切断して熱媒の流れを示す説
明図である。図2において、反応原料と酸素含有ガスを
混合した原料ガスは、原料ガス導入口202より反応器201
に供給され、触媒203が充填された反応管204内を下降
し、反応管内で部分的に酸化されて反応生成物となった
のち、生成ガス排出口205から排出される。
【0020】熱媒は原料ガスと向流で、下部環状導管21
2を介してシェル219に供給され、反応熱を回収した後に
シェルの上部環状導管210から排出される。かかる環状
導管212、210は反応器外に環状に配設された導管であっ
て、全周にわたり間欠的に連通した開口部(図示せず)
を介して反応器の全周方向から均等に熱媒が供給または
排出されることが好ましい。
【0021】この際、該環状導管には、熱媒が貫通する
開口列を複数有することが好ましい。これを図3を用い
て説明すると、例えば環状導管310は複数の開口列A
1、A2等があり、各開口列の中心間隔Aは、各列毎に
同一でも異なっていてもよく、50〜500mm、より
好ましくは100〜400mm、特に好ましくは200
〜300mmである。該中心間隔Aが50mmを下回る
と、製作が困難となり、その一方500mmを越えると
反応管外に均一に熱媒を送り込むことが困難となるから
である。また、各開口列における開口数は少なくとも1
以上であり、図3では列A1は、開口数1個を示し、列
A2は2個、列Anは4個の場合を示す。この様に各開
口列に存在する開口数が異なるために、図3に示すよう
に、隣接する開口と開口との間隔は上記中心間隔Aと一
致しなくてもよい。また、開口幅Bは、該中心間隔の5
〜50%、より好ましくは10〜40%、特に好ましく
は20〜30%とする。開口幅が5%を下回ると環状導
管高さが高く大きくなり、その一方、50%を越えると
開口部高さが低く管の広域に亘り熱媒を送り込むことが
困難となるからである。さらに、開口長C/開口幅Bの
値は0.2〜20の範囲が好ましい。なお、中心間隔A
は、環状導管の全てにおいて同一である必要はなく、同
様に、開口幅Bも環状導管の全てにおいて同一である必
要はない。複数の開口を設けることで、より均一な熱媒
の排出入が可能となるからである。開口部の形状は、特
に制限されず、例えば円、長円、楕円、矩形などを例示
できる。
【0022】上部環状導管210においては、上記の反応
熱を回収した後の熱媒とともに、あらたな冷却された熱
媒を混合して循環装置220に導入する。冷却された冷却
熱媒(T1℃の供給量をW1とする)は、熱媒の供給時
に同伴しているガスを気液分離器214で除去し、ノズル2
18から排出したのち、上部環状導管210に供給すること
が好ましい。
【0023】循環装置220に入った熱媒の一部(排出
量:W1)は、その上部から反応器の系外にある熱媒槽
(図示せず)に送られ、残りの熱媒は軸流ポンプまたは
渦巻きポンプ等のポンプ221および/または撹拌翼を介
して反応器の下部環状導管212から反応器201に供給され
る(T2℃の循環量W2とする)。ここで、熱媒槽に送
られた熱媒は、必要によりポンプを介して熱交換器(図
示せず)に送られ、そこで熱を回収され、上記冷却熱媒
として再利用される。反応器の下部環状導管212に送ら
れた熱媒は、反応熱を回収した相対的に高温の熱媒に対
して冷却熱媒を混合して熱媒の温度を低下させてあるの
で、新たに反応管204から反応熱を回収することが可能
である。熱媒は、環状導管210、212に全周にわたり間欠
的に連通した開口部を介して、シェル219の全周方向か
ら均等に供給または排出されることが好ましい。環状導
管210、212を設けると、シェル219の全周から熱媒を排
出または供給できることから、シェル219内の熱媒の温
度の偏りを低減できるので好ましい。環状導管は、上部
および下部の一組だけでなく、さらに設けてもよい。
【0024】シェル219内において、熱媒は穴あき円板
と円板が交互に配置された環状型邪魔板207c,207b,
207aに沿って進行する。例えば、熱媒は、シェル219外
周部全体から中央部におよそ水平に進み、穴あき円板20
7cの設置されたところでは、その中央部を通過して上
昇し、その後、中央部から外周部全体におよそ水平状態
で向かい、さらに、円板207bの設置されたところで
は、シェル219の外周部を通過して上昇し、その後外周
部全体から中央部におよそ水平に進む。この方法が繰り
返される。穴あき円板と反応器との間に隙間があっても
よいが、シェル219内の熱媒の温度分布を低減する目的
からは隙間をなくすことが好ましい。
【0025】反応器201のシェル上部にガスが蓄積した
場合には、該ガスの存在によって熱の除去が不十分にな
ったり、熱媒温度の偏りが生ずるため、ガス排出導管21
6を利用して蓄積したガスをノズル(図示せず)などか
ら排除することが好ましい。
【0026】反応熱を回収した熱媒の排出は、反応器の
上部管板206aの上まで押し上げた後に、例えば循環装
置220の上部から反応器外部に抜き出すことで、反応器
シェル内の熱媒の満液状態を確保することができる。
【0027】循環通路を備える効果は、図4(図2の I
V−IV 線に沿う横断面図を示す)に示されるように、熱
媒は反応器401中央部から外周部461a,b,cに向かっ
ておよそ水平に流れるが、循環通路431a,431b,431
cを流れる熱媒は反応管領域462a,b,cを流れる熱
媒と比較すると外周部に到達する時間が短い。すなわ
ち、反応管領域を流れる熱媒は、それぞれの反応管404
と接触し反応で生じた熱を回収しながら徐々に高温にな
って外周部に到達する。それに対し、循環通路431a,4
31b,431cを通る熱媒は、反応管404との接触が少ない
ため、反応熱の回収が少なく、相対的に短時間で、相対
的に低温で外周部に到達することができる。そのため、
外周部において、循環通路431a,431b,431cを経由
した相対的に低温の熱媒が円周方向に移動し、反応管と
接触を繰り返して到着した相対的に高温の熱媒と混合し
て同一横断面における温度を均一化できる。
【0028】上記の例は、熱媒が反応器401の中心から
外周部に流れる場合について説明したが、熱媒が逆に反
応器401の外周部全体から中央部に流れる場合について
説明する。循環通路を流れる熱媒は、反応管領域を流れ
る熱媒と比較すると中央部に到達する時間が短い。すな
わち、反応管領域を流れる熱媒は、それぞれの反応管と
接触しながら反応で生じた熱を回収しながら徐々に高温
になって中央部に到達する。循環通路を流れる熱媒は、
反応管404との接触が少ないため、相対的に短時間で、
相対的に低温で中央部に到達する。そのため、中央部に
おいては、循環通路を流れた相対的に低温の熱媒と反応
管領域を流れた相対的に高温の熱媒が混合し、熱媒の流
れ方向における温度を均一化できる。ひいては、ホット
スポットの低減にも貢献できる。
【0029】循環通路部を流れる熱媒の流量は、特に制
限はされないが、反応器シェル内に流れる全流量に対
し、通常、2〜30%、好ましくは5〜20%となるよ
うに、循環通路部横断面積を決定することが望ましい。
【0030】また、原料ガス温度が、反応器入口部熱媒
の温度より低い場合には、反応を開始する温度に達する
まで熱媒温度がガスの昇温に使われて低下する。そのた
め、循環通路を流れる熱媒は、相対的に高温で中央部に
到達し、他方、反応管領域を流れる熱媒はそれぞれの反
応管と接触しガスの昇温に必要な熱を奪われながら徐々
に低温になって中央部に到達する。これらの熱媒が中央
部において混合され、上記と同様に熱媒の流れ方向にお
ける温度を均一化できる。
【0031】なお、上記のT2(反応器入口温度)−T
1(冷却熱媒温度)=15〜150℃、かつ、W1/W
2=2〜40%に設定すると、反応器入口部外周部(下
部環状導管)の熱媒温度の偏りを減少でき、均一な温度
で反応器シェル内部に供給することが可能であることか
ら、より好ましい。 (2)ダウンフロー 反応原料ガスを反応器上部から、(1)と同様に、供給
して接触気相酸化反応を行う際に、熱媒も反応管シェル
側上部より供給し、反応原料ガスと熱媒を並流で流す。
【0032】図5は、本発明にかかる多管式反応器の代
表例を示す概略断面の説明図であり、501は反応器、502
は原料ガス導入口、503は触媒、504は反応管、505は生
成ガス排出口、506aは上部管板、506bは下部管板、50
7a、507b、507cは邪魔板、509はシェル、540は熱媒
排出装置、541は熱媒排出口、542は熱媒排出ポット、54
3はノズル、551は冷熱媒導入管、552は熱媒排出管、553
はポンプ、554は熱媒導入管を示す。
【0033】反応原料と空気などを混合した原料ガス
は、原料ガス導入口502より反応器501に供給されて、触
媒503の充填された反応管504内を流下し、反応管内で酸
化されて反応生成物となった後、生成ガス排出口505よ
り排出される。
【0034】反応熱を回収した後の熱媒の一定量は、反
応器下部の熱媒排出口541より抜き取られて、反応器の
上部管板506aの上方に配設された熱媒排出ポット542を
介してノズル543から系外に排出される。
【0035】熱媒排出ポットにより系外に排出された熱
媒と同量の冷熱媒が、冷熱媒導入管551より供給され
る。これにより、反応器シェル内部での熱媒の満液状態
が確保される。上記冷熱媒と、熱媒排出管552より回収
された熱媒は、軸流ポンプまたは渦巻きポンプ等のポン
プ553および/または撹拌翼により混合されながら、上
方に汲み上げられ熱媒導入管554から反応器内に供給さ
れる。上記冷熱媒の供給量W1、供給温度T1は、上記
(1)と同様な範囲になるように訂正し、経時的な触媒
劣化に伴う反応温度の上昇にしたがって適宜調整すれば
よい。
【0036】なお、熱媒の反応シェル側への供給および
シェル側からの排出は、反応器の上部及び下部の外周部
に環状導管510、512各々配置され、全周に亘り間欠的に
連通した開口部を介して、反応器の全周方向から均等に
熱媒が供給または排出されることが望ましい。
【0037】反応管の配列は、実質的に図4に示されて
いるものと同じであり、反応器内の熱媒の温度の偏りを
防ぎ、ホットスポット温度の発生を抑制することもでき
る。
【0038】また、熱媒の反応器外部への抜き取り方法
としては、反応器シェル内部での熱媒による満液状態が
確保できればよいので、必ずしも上部管板506aまで押
し上げた後に、抜き取る必要はなく、反応器シェル側下
部の熱媒排出口541、またはその前後に背圧付き手段を
配設することで反応器を流下する熱媒に十分な背圧を付
与して、満液状態を確保してもよい。上記背圧付手段と
しては、抵抗オリフィス、弁、熱交換器等が例示でき
る。
【0039】更に、熱媒をシェルの上部から下部に流す
方法を採用する場合、熱媒の供給時に同伴して導入され
たガスが反応器シェル側内部に溜まりやすい。このシェ
ル側内部に貯まるガスについては、シェル内部より反応
器外周に施した配管及び中央部まで差し込んだ配管を介
して、熱媒排出ポットや熱媒循環装置の上方空間部に抜
き出すことが好ましい。この様なガス抜き出し用の導管
により、反応器内での除熱を不均一にして異常反応を引
き起こす要因となるシェル内部のガス溜まりの生成を防
止することができる。
【0040】例えば、図5に示すように、反応器のシェ
ル上部に配設したガス排出用導管544を反応器上部管板
面の上部に位置する熱媒排出ポット542に連通しガス排
出口545より排出するか、ガス排出用導管555を熱媒循環
装置550の上方空間部に連通させノズル556より排出すれ
ばよい。
【0041】図6はガス排出用導管の配設例を示したも
のであり、シェル609上部の外周に溜まるガスに関して
は、例えば、657のように上部管板606aに流路を形成し
て、反応器外に導通させてもよく、シェル609上部の中
央部に溜まるガスに関しては、上部管板606aの直下に
ガス排出用導管644を配設すればよい。また中央部のガ
スを抜くガス排出用導管744は、図7(a)に断面を示
すように円筒パイプであってもよく、また図7(b)に
示すように半割パイプであってもよい。後者の半割パイ
プの場合、上部管板706aへの溶接が容易であり、ガス
も抜きやすいので好ましい。
【0042】以上、原料ガスのダウンフローについて説
明したが、アップフローの場合についても同様に本発明
を適用できる。熱媒の流れ方向における温度が均一化で
きれば、原料ガス、熱媒のアップフロー、ダウンフロー
(向流、並流)は、特に制限はなくホットスポット温度
の発生を抑制でき、目的生成物の収率の向上、触媒寿命
の長期化が図ることができる。 (3)反応器を二つのチャンバーに区切った反応器 図8は本発明の反応器の縦断面の一例を示す説明図であ
って、反応器は二つのチャンバーA,Bを有する。横断
面形状が円形の反応器801の内部に多数の反応管804が装
填されており、各反応管はそれらの上端で上部管板807
aに、それらの下端で下部管板807bに、拡管法または
溶接などの公知の方法で固着されている。また、反応器
801の中央部においては、反応管804を配設せずに熱媒の
下から上への通路を設けて熱媒の移動を効率的に行うこ
とが好ましい。さらに、反応器801のシェル側は、反応
管804の上端および下端のほぼ中間位置にある中間管板8
08で上下に仕切られ、二つのチャンバーA,Bが構成さ
れている。
【0043】図9は、反応管と中間管板との断面の拡大
説明図である。反応管904と中間管板908とは、加熱、冷
却による伸び縮みを考慮すると、鋼鉄などの同一材料で
構成することが好ましい。
【0044】図8のチャンバーA,Bには、それぞれ熱
媒を横方向に分散させて横方向の温度分布を低減させる
ため、例えば、穴あき円板817a、817b、円板818a,8
18bおよび穴あき円板819a,819bが交互に設けられて
いる。
【0045】反応管804には、触媒を固定床として利用
し、反応目的に応じて触媒を充填してよく、例えば、プ
ロピレン含有ガスを二段接触気相酸化してアクリル酸を
製造するには、上流側触媒として、プロピレンを含有す
る原料ガスを気相酸化してアクロレインを製造するため
に一般的に使用される酸化触媒を使用することができ
る。同様に、下流側触媒についても特に制限はなく、二
段階接触気相酸化法により上流側で得られる主としてア
クロレインを含む反応ガスを気相酸化してアクリル酸を
製造するために一般的に用いられている酸化触媒を用い
ることができる。
【0046】上流側触媒としては前記アクリル酸製造用
の前段触媒を、下流側触媒としては前記アクリル酸製造
用の後段触媒を用いることができる。
【0047】なお、上流側触媒層および下流側触媒層を
構成する触媒は、それぞれ単一な触媒である必要はな
く、例えば活性の異なる複数種の触媒を用いて順に充填
し、または必要により触媒の一部を不活性担体などの不
活性材料で希釈してもよい。下記に述べるその他の触媒
についても同様である。
【0048】また、触媒の形状についても特に限定され
ず、ラシヒリング状、球状、円柱状、リング状などとす
ることができ、成形方法も担持成形、押し出し成形、打
錠成形などを用いることができ、更に耐火用担体にこれ
らの触媒物質を担持させた形態のものも有用である。
【0049】触媒を充填する前に、反応管804下端に触
媒の落下防止用に金網や受器814が設置される。触媒の
充填前に必要により反応に不活性な耐火物を充填し、上
流側触媒を反応管804に充填する。次に、下流側触媒を
充填する。上流側触媒と下流側触媒との間には、反応に
不活性な耐火物を充填してもよい。
【0050】図8においては、触媒の充填は図面を見や
すくするために省略してある。図9は1本の反応管に関
する触媒の充填例の一例を示す概略断面図である。図9
において、Bチャンバー領域の下部に不活性耐火物92
2、上流側触媒921、その上部から中間管板908を経由し
てAチャンバー領域まで不活性耐火物922、残りのAチ
ャンバー領域に下流側触媒923を充填されている。例え
ば、Bチャンバーの温度がAチャンバーよりも高い場
合、原料ガスは上流側触媒921で部分酸化したのち、不
活性耐火物922の部位で冷却され、その後、下流側触媒9
23の部位で冷却された温度を維持してさらに部分酸化し
て目的生成物を生成する。すなわち、Aチャンバー領域
において、不活性耐火物922の部位が冷却層に、下流側
触媒923が反応層に相当することとなる。
【0051】不活性耐火物としては、α−アルミナ、ア
ランダム、ムライト、カーボランダム、ステンレススチ
ール、炭化珪素、ステアタイト、陶器、磁器、鉄および
各種セラミックなどを挙げることができる。
【0052】不活性耐火物は、例えば粒状であり、不活
性耐火物層全体にわたり必ずしも均一に充填されている
必要はないが、反応ガスの効果的な冷却のためには、不
活性耐火物層全体にわたり、実質的に均一に充填するこ
とが好ましい。粒状以外の形状の不活性耐火物の場合も
同様である。
【0053】不活性耐火物層の作用機能の一つは、Aチ
ャンバー温度がBチャンバー温度より低い場合、上流側
触媒からの生成物含有ガスを急冷して下流側触媒層にお
ける酸化反応に好適な温度範囲までに反応ガスの温度を
調整させる点にある。このため、不活性耐火物層は、上
記のような作用機能を十分に発揮できる程度の長さを有
するように設ける必要がある。
【0054】したがって、本発明においては、不活性耐
火物層は上流側触媒層からの反応ガスを下流側触媒層に
適した温度まで冷却するに十分な長さとし、しかも上流
側触媒層の出口部の触媒および下流側触媒層の入口部の
触媒がともに中間管板からの熱影響を実質的に受けない
ように配置する。本発明では、チャンバー間の熱媒移動
が緩和され、熱影響が少なくできるため、不活性耐火物
層の長さを短縮することもできる。したがって、触媒層
を充填した反応管の長さ、すなわち反応器の長さを短縮
することも可能である。
【0055】具体的には、不活性耐火物層の長さを、不
活性耐火物層から下流側触媒層に入る反応ガスの温度、
すなわち下流側触媒層入口部における反応ガスの温度
が、(熱媒を原料または生成ガスと並流で流す場合に、
熱媒入口温度+15℃)以下となるように、冷却用に十
分な長さとすればよい。
【0056】不活性耐火物層の他の作用機能は、上流側
反応層からの反応ガスが通過する際に、反応ガス中に含
まれる不純物、例えばアクリル酸の製造の場合、上流側
触媒から昇華したモリブデン成分、副生物としてのテレ
フタル酸などの高沸点物などの付着による圧力損失の防
止のほかに、これら不純物が直接下流側触媒層に入り、
その触媒性能の劣化を防止する点にある。この作用機能
のみのためには、不活性耐火物の空隙率を低くすればよ
いが、あまり低くすると圧力損失が大きくなって好まし
くない。したがって、本発明においては、不活性耐火物
層の空隙率を、通常、40〜99.5%、好ましくは4
5〜99%とする。なお、本発明の「空隙率」とは、下
記式により定義される: 空隙率(%)={(X−Y)/X}×100 ここで、 X:不活性耐火物層の容積、 Y:不活性耐火物の実容積(実容積とは、例えばリング
の場合には、その中央空間部を除いた実体容積を意味す
る)。
【0057】上記空隙率が40%未満の場合には圧力損
失が大きくなり、一方、99.5%を越えると不純物の
捕捉機能の低下とともに反応ガスの冷却機能も低下して
好ましくない。
【0058】不活性耐火物は原料ガスの予熱のために上
流側触媒の入口部に挿入すれば、生成物の収率の向上に
つながることから好ましい。
【0059】図8において、反応の原料ガスは、反応器
801の下部から供給し、触媒に接触させ生成物を得て、
生成物を含むガスを反応器上部から排出する。反応ガス
の供給方法は、触媒の充填順序を変更することで、反応
器の上部から供給することも可能である。
【0060】チャンバーAでは、反応器シェル821の外
周に設けられた、反応器シェル821と導通する複数の開
口部を備える環状導管809aの熱媒導出口812aから排出
された熱媒は、熱交換器815aにより冷却される。冷却
された熱媒は渦巻きポンプ、軸流ポンプなどの公知のポ
ンプ816aを利用して、熱媒入口811aを経て、反応器シ
ェル821の外周に設けられた、反応器シェル821と導通す
る複数の開口部を備える環状導管810aから反応器801の
チャンバーAに導入される。反応器801内では、熱媒は
反応器の内周部のほぼ全周からシェル821内に入り、反
応管804束と接触しながら、反応が発熱反応の場合には
発生した熱を回収しながら、反応器の中心に向かい、穴
あき円板819aの穴あき部で上昇する。さらに、熱媒は
円板に沿ってほぼ水平に、上記と同様に反応管804束と
接触しながら反応熱を回収して、反応器内周部のほぼ全
域に向かって進み、円板818aの外周部で上昇する。以
下、この方法を繰り返して反応器シェル821の外周に設
けられた環状導管809aに進む。穴あき円板と反応器と
の間に隙間があってもよいが、反応器内の熱媒の温度分
布を低減する目的からは隙間をなくすることが好まし
い。
【0061】チャンバーBにおいても、チャンバーAと
同様に熱媒が循環する。熱媒の循環方法は、必要によ
り、ABのいずれか又は双方を逆方向で循環させること
も可能である。しかし、ポンプ816abを保護する点か
ら、熱媒が熱交換器815abを経て相対的に低温になっ
た後に、ポンプ816abを通過することが好ましい。チ
ャンバーAで用いられているものには番号の終わりにa
を、チャンバーBで用いられるものには番号の終わりに
bを付してあるが、番号が同じであれば同一の機能、用
途を示す。
【0062】なお、本発明で使用しうる熱媒としては、
一般的に熱媒に用いられている溶融塩やダウサム等のフ
ェニルエーテル系熱媒等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0063】このような反応器は、接触気相酸化反応、
例えば、プロピレンからアクロレイン;イソブチレン、
t−ブタノールおよびメチル−t−ブチルエーテルの少
なくとも一つからメタクロレイン;ベンゼンから無水マ
レイン酸;ブタンから無水マレイン酸;キシレンおよび
/またはナフタレンから無水フタル酸;アクロレインか
らアクリル酸;メタクロレインからメタクリル酸の製造
に好ましく、特に(メタ)アクリル酸および/または
(メタ)アクロレインの製造に好適である。
【0064】本発明でプロピレン含有ガスを二段接触気
相酸化反応してアクリル酸を製造するには、例えば上流
側触媒として、プロピレンを含有する原料ガスを気相酸
化してアクロレインを製造するに一般的に使用される酸
化触媒を使用することができる。同様に、下流側触媒に
ついても特に制限はなく、二段階接触気相酸化法により
上流側によって得られる主としてアクロレインを含む反
応ガスを気相酸化してアクリル酸を製造するに一般的に
用いられる酸化触媒を用いることができる。
【0065】上流側触媒としては、一般式Moa−Bi
b−Fec−Ad−Be−Cf−Dg−Ox(式中、M
o、Bi、Feはそれぞれモリブデン,ビスマスおよび
鉄を表し、Aはニッケルおよびコバルトから選ばれる少
なくも一種の元素を表し、Bはアルカリ金属およびタリ
ウムから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、Cはリ
ン、ニオブ、マンガン、セリウム、テルル、タングステ
ン、アンチモンおよび鉛からなる群より選ばれた少なく
とも1種の元素を表し、Dはケイ素、アルミニウム、ジ
ルコニウムおよびチタニウムからなる群より選ばれた少
なくとも1種の元素、Oは酸素を表し、a、b、c、
d、e、f、gおよびxは、それぞれMo、Bi、F
e、A、B、C、DおよびOの原子比を表し、a=12
としたとき、b=0.1〜10、c=0.1〜10、d
=2〜20、e=0.001〜5、f=0〜5、g=0
〜30であり、xは各元素の酸化状態により定まる値で
ある)で示されるものが例示できる。
【0066】また、下流側触媒としては、一般式Moa
−Vb−Wc−Cud−Ae−Bf−Cg−Ox(式
中、Moはモリブデン、Vはバナジウム、Wはタングス
テン、Cuは銅、Aはアンチモン、ビスマス、スズ、ニ
オブ、コバルト、鉄、ニッケルおよびクロムから選ばれ
る少なくも一種の元素を表し、Bはアルカリ金属、アル
カリ土類金属およびタリウムから選ばれる少なくとも1
種の元素を表し、Cはケイ素、アルミニウム、ジルコニ
ウムおよびセリウムから選ばれた少なくとも1種の元素
を表し、Oは酸素を表し、a、b、c、d、e、f、g
およびxは、それぞれMo、V、W、Cu、A、B、C
およびOの原子比を表し、a=12としたとき、b=2
〜14、c=0〜12、d=0.1〜5、e=0〜5、
f=0〜5、g=0〜20であり、xは各元素の酸化状
態により定まる値である)で示されるものが例示でき
る。
【0067】本発明でイソブチレン、t−ブタノール、
メチル−t−ブチルエーテルを二段接触気相酸化反応で
メタクリル酸を得る場合に使用する触媒としては、例え
ば上流側触媒としてイソブチレン等を含有する原料ガス
を気相酸化反応してメタクロレインを製造するに一般的
に使用される酸化触媒を使用することができる。同様
に、下流側触媒についても特に制限はなく、二段階接触
気相酸化法により上流側によって得られる主としてメタ
クロレインを含む反応ガスを気相酸化してメタクリル酸
を製造するに一般的に用いられている酸化触媒を用いる
ことができる。
【0068】具体的には、上流側触媒として、一般式M
oa−Wb−Bic−Fed−Ae−Bf−Cg−Dh
−Oxで表されるものが好ましい(式中、Mo、W、B
iはそれぞれモリブデン,タングステンおよびビスマス
を表し、Feは鉄を表し、Aはニッケルおよび/または
コバルトを表し、Bはアルカリ金属、アルカリ土類金属
およびタリウムから選ばれる少なくとも1種の元素を表
し、Cはリン、テルル、アンチモン、スズ、セリウム、
鉛、ニオブ、マンガンおよび亜鉛からなる群より選ばれ
た少なくとも1種の元素を表し、Dはシリコン、アルミ
ニウム、チタニウムおよびジルコニウムからなる群より
選ばれた少なくとも1種の元素を表し、Oは酸素を表
す。また、a、b、c、d,e、f,g,hおよびx
は、それぞれMo,W、Bi,Fe,A、B、C、Dお
よびOの原子数を表し、a=12としたとき、b=0〜
10、c=0.1〜10、d=0.1〜20、e=2〜
20、f=0.001〜10、g=0〜4、h=0〜3
0、およびxは各々の元素の酸化状態によって定まる数
値をとる。) また、下流側触媒は、モリブデンおよびリンを主成分と
して含有する1種または2種以上の酸化物触媒であれ
ば、特に限定はされないが、たとえば、リンモリブデン
酸系ヘテロポリ酸あるいはその金属塩が好ましく、一般
式Moa−Pb−Ac−Bd−Ce−Df−Oxで表されるも
のが好ましい。(式中、Moはモリブデンを表し、Pは
リンを表し、Aはヒ素、アンチモン、ゲルマニウム、ビ
スマス、ジルコニウムおよびセレンからなる群の中から
選ばれた少なくとも1種の元素を表し、Bは銅、鉄、ク
ロム、ニッケル、マンガン、コバルト、スズ、銀、亜
鉛、パラジウム、ロジウムおよびテルルからなる群の中
から選ばれた少なくとも1種の元素を表し、Cはバナジ
ウム、タングステンおよびニオブからなる群の中から選
ばれた少なくとも1種の元素を表し、Dはアルカリ金
属、アルカリ土類金属およびタリウムからなる群の中か
ら選ばれた少なくとも1種の元素を表し、Oは酸素を表
す。また、a、b、c、d、e、fおよびxはそれぞれ
Mo、P、A、B、C、DおよびOの原子比を表し、a
=12と固定した時、b=0.5〜4、c=0〜5、d
=0〜3、e=0〜4、f=0.01〜4およびxは各
々の元素の酸化状態により定まる数値である。) また、触媒の形状についても特に限定されず、球状、円
柱状、円筒状などとすることができ、成形方法も担持成
形、押し出し成形、打錠成形などが採用でき、更に耐火
用担体にこれらの触媒物質を担持させた形態のものも有
用である。
【0069】プロピレンやイソブチレンの分子状酸素に
よる気相接触酸化反応の条件は、従来公知の方法で行う
ことができる。例えばプロピレンを例にとれば、原料ガ
ス中のプロピレン濃度は3〜15容量%、プロピレンに
対する分子状酸素の比は1〜3であり、残りは窒素、水
蒸気、酸化炭素、プロパンなどである。
【0070】分子状酸素の供給源としては空気が有利に
用いられるが、必要により酸素富化空気、純酸素を用い
ることもでき、ワンパス法あるいはリサイクル法が用い
られる。反応温度は250℃〜450℃、反応圧力は常
圧から5気圧、空間速度500〜3000h-1(ST
P)の範囲で行うことが好ましい。
【0071】また、イソブチレンの気相接触酸化反応の
場合には、原料ガス中のイソブチレン濃度は1〜10容
量%、イソブチレンに対する分子状酸素の濃度は3〜2
0容量%であり、水蒸気を0〜60容量%、残りは窒
素、水蒸気、酸化炭素などである。分子状酸素の供給源
としては空気が有利に用いられるが、必要により酸素富
化空気、純酸素を用いることもできる。反応温度は、2
50〜450℃、反応圧力は常圧から5気圧、空間速度
300〜5000h-1(STP)の範囲で行うことが好
ましい。
【0072】次いで、アクリル酸を生成させるために上
記酸化物触媒(下流側触媒)をシェル内の管束部の各管
に充填した熱交換型多管式第2反応器内に、前記の上流
側反応で得られたアクロレイン含有ガスに必要に応じて
2次空気、2次酸素または水蒸気を追加してなる混合ガ
スを、反応温度(反応器熱媒温度)100〜380℃、
好ましくは150〜350℃および空間速度300〜
5,000hr-1(STP)で供給し、下流側反応させ
て、アクリル酸を得るようにする。
【0073】また、メタクリル酸を生成させるためにモ
リブデンおよびリンを含有する酸化物触媒(下流側触
媒)をシェル内の管束部の各管に充填した熱交換型多管
式第2反応器内に、前記の上流側反応で得られたメタク
ロレイン含有ガスに必要に応じて2次空気、2次酸素ま
たは水蒸気を追加してなる混合ガスを、反応温度(反応
器熱媒温度)100〜380℃、好ましくは150〜3
50℃および空間速度300〜5,000hr-1(ST
P)で供給し、下流側反応させて、メタクリル酸を得る
ようにする。
【0074】なお、本発明の反応器を用いて、ベンゼン
またはブタン含有ガスを原料ガスとして公知の触媒及び
反応系によって無水マレイン酸を、キシレンおよび/ま
たはナフタレン含有ガスを原料ガスとして公知の触媒及
び反応系によって無水フタル酸を製造することもでき
る。
【0075】
【実施例】以下、本発明の望ましい実施例を具体的に説
明する。ただし、それによって本発明はそれらの実施例
のみに限定されるものでないことはいうまでもない。
【0076】実施例1 図2、4は本願発明の一実施態様である反応器を示す図
面である。下記表1には、反応器の特性を示す。ここ
で、3個の反応管領域の反応管の本数はそれぞれ、21
23:2123:2123であり、反応管の差は0%で
あった。循環通路の横断面積は、反応器横断面積に対
し、2.4%であった{式= 100×[((3400−
500)/2)(50)(3)] /(π/4・(340
0)2)}。
【0077】かかる反応器の反応管にアクロレインから
主としてアクリル酸を得る触媒を9.4m3充填し、ア
クロレイン5vol%、酸素5vol%、水蒸気17v
ol%,窒素等73vol%からなる原料ガスを触媒接
触時間が2.5秒となるように投入した。なお、ここで
用いた触媒は、一般に知られている方法に準じて下記組
成物(酸素を除く)で表される触媒を調製した: Mo1251Cu2.2Sb0.2
【0078】この触媒は、次の方法で得た:純水500
L(リットル)を加熱、撹拌しながらモリブデン酸アン
モニウム100kg、パラタングステン酸アンモニウム
12.7kgおよびメタバナジン酸アンモニウム27.
6kgを添加・溶解させた。この液に、別に硝酸銅25
kgおよび三酸化アンチモン1.4kgを純水50Lに
添加した液を加えた。更に、この混合液に平均粒径5m
mのシリカ−アルミナ担体350kgを加え、蒸発乾固
させて触媒成分を担体に担持させた後、400℃で6時
間焼成して触媒を得た。これを繰り返すことで所定の触
媒量を得た。
【0079】また、シェル側に硝酸カリウム50重量
%、亜硝酸ナトリウム50重量%からなる熱媒を入口温
度270℃で2700m3/hの軸流ポンプで循環させ
た。上部および下部の環状導管の開口部の数はそれぞれ
50個であった。そのさい、T1=220℃、T2=2
70℃、W1=81m3/h、W2=2700m3/hで
あった。
【0080】同一高さにおける熱媒水平方向の温度差最
大値は2℃であった。反応の結果、アクロレイン反応率
は99.2%、アクリル酸選択率は95.1%であっ
た。
【0081】
【表1】
【0082】*)正三角形配列比較例1 循環通路がない以外は、実施例1と同じ反応器、同一条
件で実施した。
【0083】同一高さにおける熱媒水平方向温度差の最
大値は5℃であった。
【0084】反応の結果、アクロレイン反応率は99.
0%、アクリル酸選択率は92.8%であった。
【0085】実施例2 図8に示すような、1本の反応管の長さが6500m
m、内径25mm、外径29mmの鋼鉄製の反応管63
69本を有し、中間管板がその中間の高さにある竪型多
管式反応器を用いて、プロピレンの酸化によるアクリル
酸の合成を行った。原料ガス組成は、プロピレン7.0
容量%、酸素12.6容量%、水蒸気10.0容量%、
窒素などからなる不活性ガス70.4容量%であった。
【0086】図8、9は本願発明の一実施態様である反
応器を示す図面である。下記表1には、反応器の特性を
示す。ここで、3個の反応管領域の反応管の本数はそれ
ぞれ、2123:2123:2123であり、反応管の
差は0%であった。循環通路の横断面積は、反応器横断
面積に対し、2.4%であった{式= 100×[((3
400−500)/2)(50)(3)] /(π/4・
(3400)2)}。
【0087】上流側触媒は、一般に知られている方法に
準じて下記組成物(酸素を除く)で表される触媒を調製
した: Mo12,Bi1.2,Fe1.2,Co5,W0.5,Si1,K
0.06
【0088】この触媒は、次の方法で得た:純水150
L(リットル)を加熱撹拌しながらモリブデン酸アンモ
ニウム100kg、パラタングステン酸アンモニウム
6.3kgを溶解した。この液に、別に硝酸コバルト6
8.7kgを100Lの純水に、硝酸第二鉄22.9k
gを30Lの純水に、硝酸ビスマス27.5kgを濃硝
酸6Lを加えた純水30Lに溶解させた後、混合して調
製した硝酸塩水溶液を滴下した。引き続き、20質量%
シリカゾル溶液14.2kgおよび硝酸カリウム0.2
9kgを15Lの純水に溶解した溶液を加えた。このよ
うにして得られた懸濁液を加熱撹拌して蒸発乾固した
後、乾燥粉砕した。得られた粉体を直径5mmの円柱状
に成型し、460℃で6時間空気流通下焼成して触媒を
得た。これを繰り返すことで所定の触媒量を得た。
【0089】下流側触媒は、実施例1と同じ触媒を用い
た。
【0090】チャンバーAにおいて、シェル側に硝酸カ
リウム50重量%、亜硝酸ナトリウム50重量%からな
る熱媒を、下部から上部へ、入口温度270℃で270
0m 3/hの軸流ポンプで循環させた。上部および下部
の環状導管の開口部の数はそれぞれ50個であった。そ
のさい、T1=220℃、T2=270℃、W1=97
3/h、W2=2700m3/hであった。
【0091】また、チャンバーBにおいて、シェル側に
硝酸カリウム50重量%、亜硝酸ナトリウム50重量%
からなる熱媒を、下部から上部へ、入口温度315℃で
3800m3/hの軸流ポンプで循環させた。上部およ
び下部の環状導管の開口部の数はそれぞれ50個であっ
た。そのさい、T1=220℃、T2=305℃、W1
=48m3/h、W2=3800m3/hであった。
【0092】同一高さにおける熱媒水平方向の温度差最
大値は2℃であった。反応の結果、プロピレン反応率は
97.3%、アクリル酸選択率は90.5%であった。
【0093】
【表2】
【0094】*)正三角形配列比較例2 循環通路がない以外は、実施例2と同じ反応器、同一条
件で実施した。
【0095】同一高さにおける熱媒水平法温度差の最大
値は5℃であった。
【0096】反応の結果、プロピレン反応率は97.1
%、アクリル酸選択率は89.0%であった。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、反応器の中央部と外周
部との間に循環通路を設けることにより、反応器内部の
熱媒温度を偏りを抑制し、目的生成物の収率を向上させ
ることができる。
【0098】本発明の反応器を用いれば、熱媒の温度分
布の偏りを抑制できるので、特に(メタ)アクリル酸お
よび/または(メタ)アクロレインの製造方法の製造の
好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の多管式反応器を示す概略説明図である。
【図2】本発明の反応器の一例を説明するための概略断
面図である。
【図3】本発明の環状導管の開口部の一例を説明するた
めの概略説明図である。
【図4】図2で示される III−III に沿う反応器におけ
る循環通路の概略説明図である。
【図5】本発明のその他の反応器の一例を説明するため
の概略断面図である。
【図6】ガス排出用導管の配設例を示す一部破断した断
面図である。
【図7】(a)および(b)はガス排出用導管の形状例
を示す説明図である。
【図8】本発明の2チャンバー式接触気相酸化反応器の
縦断面の一例の説明図である。
【図9】図8において、1本の反応管に関する触媒の充
填例の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1、201、401、501、801反応器 2、202、502原料ガス導入口 3、203、503触媒 4、204、404、504、804、904反応管 5、205、505生成ガス排出口 6a、206a、506a、606a、706a、807a上部管板 6b、206b、506b、807b下部管板 7a、207a,507a、817a、817b穴あき円板(邪魔
板) 7b、207b、407b、507b、818a、818b円板(邪魔
板) 7c、207c、507c、819a、819b穴あき円板(邪魔
板) 808、908中間管板 10、210、310、510、809a、809b上部環状導管 12、212、512、810a、810b下部環状導管 214気液分離器 814受器 431a,431b,431c循環通路 540熱媒排出装置 541熱媒排出口 542熱媒排出ポット
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 45/35 C07C 45/35 47/22 47/22 C G 51/225 51/225 51/235 51/235 57/05 57/05 (72)発明者 北浦 正次 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 百々 治 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 谷本 道雄 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の反応管を内蔵し、反応器シェルに
    導入された熱媒の移動方向の変更が可能な邪魔板を備え
    る反応器において、反応管を配列しない空間部を中央に
    備え、外周部と中央部との間に少なくとも一つ以上の熱
    媒の循環通路を有することを特徴とする多管式反応器。
  2. 【請求項2】 少なくとも二つ以上の循環通路で分割さ
    れた各反応管領域での反応管本数の差が3%以内になる
    ように配列することを特徴とする請求項1記載の反応
    器。
  3. 【請求項3】 循環通路部の横断面積が、反応器横断面
    積に対し、0.5〜5%である請求項1または請求項2
    記載の反応器。
  4. 【請求項4】 循環通路の数が3〜6である請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の反応器。
  5. 【請求項5】 さらに、少なくとも二つ以上の環状導管
    を備え、前記反応器シェルに前記熱媒を供給および/ま
    たは排出する請求項1〜4のいずれか1項に記載の反応
    器。
  6. 【請求項6】 さらに、循環装置を備え、熱媒を前記環
    状導管に供給しまたは前記別の環状導管から熱媒を受け
    る請求項5に記載の反応器。
  7. 【請求項7】 該反応器シェル内を反応管の長さ方向に
    対して2個以上の閉空間に仕切る一枚以上の遮蔽板を有
    することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記
    載の反応器。
  8. 【請求項8】 (メタ)アクリル酸および/または(メ
    タ)アクロレインを接触気相酸化反応で製造するために
    用いられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1
    項に記載の反応器。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の反
    応器を用い接触気相酸化して(メタ)アクリル酸および
    /または(メタ)アクロレインを製造する方法。
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