JP2001137283A - 体液吸収体 - Google Patents

体液吸収体

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JP2001137283A JP32331099A JP32331099A JP2001137283A JP 2001137283 A JP2001137283 A JP 2001137283A JP 32331099 A JP32331099 A JP 32331099A JP 32331099 A JP32331099 A JP 32331099A JP 2001137283 A JP2001137283 A JP 2001137283A
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村 勲 大
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上 修 井
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の体液吸収体は、体液を吸収する吸
水性層と該吸水性層の裏面に配置され吸水性層に吸水さ
れた体液の漏出を防止する防水体層とを少なくとも有す
る体液吸収体であって、該体液吸収体の表面が、上記不
織布を構成する水解性繊維について測定した乾燥時にお
ける該繊維の平均引き抜き摩擦抵抗を100%としたと
き、200重量%水分含有時の該繊維の平均引き抜き摩
擦抵抗が、乾燥時の平均引き抜き摩擦抵抗に対して、5
0%以上300%未満の範囲内にある水解性繊維の集合
に、多数の水解可能な交絡がランダムに形成されてなる
不織布から形成されていることを特徴としている。 【効果】本発明の体液吸収体を形成する不織布は、少量
の水分を含有した湿潤時においても充分な強度を有する
が大過剰の水には解繊するので、本発明の体液吸収体は
吸水性層を剥離して水解処理することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、湿潤時にも充分な強度を
有する水解性の不織布を用いた体液吸収体関する。さら
に詳しくは本発明は、排出された体液を含んだ湿潤時に
崩壊することなく、水洗トイレ等の多量の水では解繊す
る水解性を有する不織布を用いた、紙おむつ、尿取りパ
ット、生理用ナプキン、おりものシート、母乳パットな
どの体液吸収体吸収体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来、介護用品、尿取りパット、
生理用ナプキン、おむつ、清拭布など(以下これらを総
称して、「衛生用品」と記載することもある。)には布
等が使用されていたが、近時、布等に代わって紙、不織
布が使用されることが多くなってきている。こうした
紙、不織布からなる上記衛生用品は一回使い切りで衛生
的であり、非常に便利であることから、今後益々その需
要の増大が予想される。
【0003】こうした衛生用品は、例えば尿等の水分を
良好に吸収する必要がある。このため、こうした衛生用
品として使用される紙、不織布類は、吸水性が高く、水
分を含有しても形態を維持することが必要である。この
ため実際にこうした衛生用品を形成する紙、不織布類
は、耐水性を有し、水中でも開繊せず水に分散しないた
め、これらを使用したのちに水洗トイレなどに流して処
理することはできず、一般ゴミとして処理されていた。
【0004】しかしながら、一度使用された衛生用品は
体液等の汚物を含んでおり、使用後はできるだけ速やか
に処理することが望まれる。こうした使用後の衛生用品
を処理する方法として、水洗トイレに流して処理するこ
とができれば非常に好適である。このように衛生用品を
使用後に水洗トイレに流して処理するためには、衛生用
品が水中で解繊する水解性を有することが肝要である。
【0005】ところが、上述のように衛生用品は使用す
る段階では耐水性が必要であることから、使用された後
の衛生用品にも当然優れた耐水性があり、こうした優れ
た耐水性を有する衛生用品を水洗トイレに流して処理す
ることはできなかった。このように、衛生用品におい
て、使用時に必要となる耐水性と使用後に必要となる水
解性とは、相反する特性であり、両特性を有する衛生用
品の製造は非常に困難であるとされていた。
【0006】これに対して、特開平4−216889号
公報には、上水及び体液などに対して溶解しにくく、下
水に対して溶解しやすい、水崩壊性の不織布及びバイン
ダーが開示されている。この公報には、具体的に以下の
ような組成のバインダーが開示されている。エチレン性
不飽和カルボン酸あるいはその無水物と、架橋性単量体
と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを必須成分
とする平均分子量5000〜10000の共重合体であ
って、カルボキシル基を一価のアルカリで中和したバイ
ンダー。ここで架橋性不飽和単量体は、N−メチロール
(メタ)アクリルアミドまたはそのエーテル化合物であ
ることが示されている。
【0007】しかしながら、このバインダーは、カルボ
キシル基が一価のアルカリで中和されているために、含
水するとこの一価のアルカリ成分が解離し、この解離し
た一価のアルカリ成分は皮膚に対する刺激性を有してお
り、特に皮膚に直接長時間触れる衛生用品である紙おむ
つに使用するには問題があった。また、下水に対して崩
壊可能にするためには、上記の重合体の塩を用いる場合
には、形成される架橋構造の量および構造が極めて重要
な要素となり、こうした樹脂の溶解性を制御するための
架橋構造の形成は著しく難しい。
【0008】
【発明の目的】本発明は、吸収対象となる少量の水分で
ある体液を含んだ際には充分な強度を有し、大過剰の水
が存在する環境下では水解する不織布を用いた体液吸収
体を提供することを目的とする。さらに詳しくは本発明
は、上記のような特性を有する、紙おむつ、尿取りパッ
ト、生理用ナプキン、おりものシートなどの体液吸収体
を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明の体液吸収体は、体液を吸収する
吸水性層と該吸水性層の裏面に配置され吸水性層に吸水
された体液の漏出を防止する防水体層とを少なくとも有
する体液吸収体であって、該体液吸収体の表面が、上記
不織布を形成する水解性繊維について測定した乾燥時に
おける該繊維の捲縮弾性率を100%としたときに、2
00%の水分含有時の湿潤捲縮弾性率が、乾燥時の捲縮
弾性率に対して20%〜75%の範囲内にある水解性繊
維の集合に多数の水解可能な交絡がランダムに形成され
てなる不織布から形成されていることを特徴としてい
る。
【0010】そして、この体液吸収体において、体液吸
収体の表面が、上記不織布を構成する水解性繊維につい
て測定した乾燥時における該繊維の平均引き抜き摩擦抵
抗を100%としたとき、200重量%水分含有時の該
繊維の平均引き抜き摩擦抵抗が、乾燥時の平均引き抜き
摩擦抵抗に対して、50%以上300%未満の範囲内に
ある水解性繊維の集合に、多数の水解可能な交絡がラン
ダムに形成されてなる不織布から形成されていることが
好ましい。
【0011】本発明の体液吸収体の表面が、乾燥時にお
ける繊維の平均伸び率を100%としたとき、該繊維が
200重量%の水分を含有時の該繊維の平均伸び率が、
乾燥時の平均伸び率に対して100〜300%の範囲内
にあり、かつ、乾燥時における繊維の平均引張り強度を
100%としたとき、200重量%の水分を含有時の該
繊維の平均引張り強度が乾燥時の平均引張り強度に対し
て25〜200%の範囲内にある水解性繊維の集合に、
多数の水解可能な交絡がランダムに形成されてなる不織
布から形成されていることが好ましい。
【0012】そして、この体液吸収体において、体液吸
収体が人体と接触する面に上記不織布が配置されている
ことが好ましい。さらに、この体液吸収体の吸水性層
が、上記不織布と、この不織布で囲繞された吸水性単繊
維からなることが好ましい。本発明で体液吸収体を構成
する不織布の平均厚さは、0.1〜1.0mmの範囲内
にあることが好ましく、また、この不織布の目付は、2
〜80g/m2の範囲内にあることが好ましい。
【0013】さらに、ここで使用される不織布は、乾燥
時におけるMD方向の平均引張り強度が0.3〜10kg
fの範囲内にあり、かつ200重量%の水分を含有した
ときの該不織布のMD方向の平均引っ張り強度が0.2
〜6kgfの範囲内にあることが好ましい。また、このよ
うな不織布を構成する水解性繊維について測定した乾燥
時における該繊維の平均引き抜き摩擦抵抗を100%と
したとき、200重量%水分含有時の該繊維の平均引き
抜き摩擦抵抗が、乾燥時の平均引き抜き摩擦抵抗に対し
て、50%以上300%未満の範囲内にあり、この不織
布は、水解性繊維の平均長さが20mm以上であって、
該不織布を、該不織布の重量に対して100000重量
%以上の水に投入にして、30秒間以上振盪することに
より該不織布が繊維状に解繊して該繊維が水に分散する
ものであることが好ましい。
【0014】ここで使用される不織布には、水解性繊維
が15重量%以上の量で含有されていることが好まし
く、この場合に、水解性繊維以外の繊維の繊維長さは、
20mm未満であることが好ましい。本発明の体液吸収
体には、紙おむつ、尿取りパット、生理用ナプキン、お
りものシート、母乳パットなどがある。このような体液
吸収体を形成する不織布は水解性を有している。
【0015】従って、本発明の体液吸収体は、上記特定
の不織布を使用しており、防水体層からこの不織布を剥
離することにより、最も体液によって汚染されているこ
の不織布は大過剰の水と接触すると水解して処理するこ
とができるという特性を有している。従って、本発明の
体液吸収体は、この不織布部分を取り外して水解処理す
ることができ、他方、防水体層は、一般のごみとして処
理することができ、非常に衛生的である。
【0016】
【発明の具体的説明】次に、本発明の体液吸収体につい
て図面を参照しながら具体的に説明する。本出願人は、
特願平8−345226号明細書において、水溶解分散
性を有する不織布の繊維を特定のバインダー樹脂で接合
することによって、含水時に一価のアルカリ成分が解離
せず、通常は耐水性を示すがアルカリ領域では解繊する
不織布を得ており、従来の不織布用バインダーに起因す
る問題点を解決し、アルカリ水中での処理を可能にして
いる。しかしながら、不織布を中性領域の水洗トイレに
直接流して処理したいという更なる要望があった。
【0017】本発明で体液吸収体に使用される不織布
は、こうした要望に基づいて案出されたものであり、衛
生用品として使用する際の湿潤時にも充分な強度を有
し、かつ、多量の水には水解性を有するという特性を有
している。本発明の体液吸収体では、上記のような特定
の不織布を使用することにより、使用後の体液吸収体を
水洗処理可能にしている。
【0018】以下本発明の体液吸収体について図面を参
照しながら説明する。図2は、本発明の体液吸収体であ
る紙おむつの一例を示す斜視図であり、図3は図2のA
−A断面図である。図4は、尿取りパットの中央部の一
例を示す断面図である。図5は、生理用ナプキンの中央
部の一例を示す断面図である。図6は、おりものシート
の中央部の一例を示す断面図である。
【0019】本発明の体液吸収体は、体液を吸収する吸
水性層と該吸水性層の裏面に配置され吸水性層に吸水さ
れた体液の漏出を防止する防水体層とを有する。そし
て、この体液吸水性層の表面に特定の不織布が配置され
ている。本発明において不織布とは、規則的な糸の交差
を形成せず、多数の繊維が相互に不規則に係合すること
により形成された布状物である。また、不織布を形成す
る繊維は、一種類であっても、多種の繊維から構成され
ていてもよい。
【0020】本発明の体液吸収体を構成する不織布は水
解性を有する。ここでいう水解性とは、不織布が水中で
開繊し、水に分散することが可能な性質をいう。不織布
の水解性が低すぎる場合には、水中に不織布を投入した
際に解繊に長時間を要したり、部分的に解繊しないこと
があるため、不織布を水洗トイレなどの下水に流して処
理する際に、管がつまるなどの問題を生じる虞がある。
また、不織布の水解性が高すぎる場合には、使用される
までの間に不織布の形態が損なわれる虞がある。以下、
水解性を有する不織布について説明する。
【0021】本発明で使用される不織布は、乾燥時と2
00重量%湿潤時(繊維に対して200重量%の水分を
含有した時)との捲縮弾性率、平均伸び率の比、平均引
張り強度の比および好適には引抜摩擦抵抗値の比が特定
の範囲内にある水解性繊維を用いて形成されている。即
ち、本発明の体液吸収体の表面材である不織布を形成す
る水解性繊維について測定した乾燥時における該繊維の
捲縮弾性率を100%としたときに、200%の水分含
有時の湿潤捲縮弾性率が、乾燥時の捲縮弾性率に対して
20%〜75%の範囲内にある水解性繊維の集合に多数
の水解可能な交絡がランダムに形成されてなる不織布か
ら形成されている。
【0022】また、本発明で使用される不織布を形成す
る水解性繊維について乾燥時における平均伸び率を10
0%としたとき、この水解性繊維として、200重量%
の水分を含有した時の平均伸び率が、100〜300%
の範囲内にあり、好ましくは150〜200%の範囲内
にある繊維を使用する。即ち、この不織布を形成する乾
燥した繊維について予めその長さを測定し、この繊維に
荷重をかけて破断に至る直前の長さを測定してこの繊維
の乾燥時における伸び率を測定すると、この繊維の乾燥
時における平均伸び率は、その繊維太さによっても異な
るが、通常は5〜30%、好ましくは10〜20%の範
囲内になる。次いで、不織布を形成する繊維の重量に対
して200重量%の水分を含有させて同様にして測定し
た200重量%含水時における平均伸び率は、乾燥時に
対して100〜300%、好ましくは150〜200%
の範囲内の値を示すのである。200重量%含水時にお
ける平均伸び率が上記のような値を示すことにより、こ
のような繊維を用いて製造された不織布は、体液などの
少量の水分と接触しても形態の変化が少ない。
【0023】さらに、この不織布を形成する繊維につい
て乾燥時における引張り強度を100%としたときに、
200重量%の水分を含有した時の平均引張り強度を測
定すると、この乾燥時における平均引張り強度に対して
25〜200%、好ましくは25〜100%、特に好ま
しくは30〜50%の範囲内の値を示す。即ち、この不
織布を形成する繊維について乾燥時における平均引張り
強度を測定すると、その繊維太さによっても異なるが、
通常は1.0〜3.0g/d、好ましくは1.5〜2.0g
/dの引張り強度を有している。この平均引張り強度を1
00%としたときに、繊維重量に対して200重量%の
水分を含有させてこの繊維の平均引張り強度を測定する
と20〜200%、好ましくは25〜100%、特に好
ましくは30〜50%上記範囲内になる。このような2
00重量%含水時の平均引張り強度を有する繊維を用い
て不織布を形成することにより、例えば200重量%程
度の体液を吸収した場合であっても、良好な形態保持性
(不織布としての形態保持性)を有すると共に、この不
織布を引き剥がして大過剰の水(200重量%を遥かに
超える水)と接触させ、好ましくは攪拌、水流などによ
って外的に応力が加えられることにより、この不織布が
解繊して大過剰の水に単繊維として分散する。即ち、こ
の体液吸収体のうち、少なくとも不織布で形成した部分
は水洗処理することが可能になる。
【0024】ここでいう乾燥時とは、繊維あるいは不織
布に120℃の温風を当てて、この繊維あるいは不織布
に含有されている水分を実質的に全量除去することによ
り乾燥させた状態を指す。このように不織布を形成する
繊維は、乾燥時の繊維重量を100%としたとき、この
乾燥時の繊維重量に対して200重量%の水分を含有し
た場合であっても充分な引っ張り強度を示す。しかしな
がら、200重量%をはるかに超える多量の水、特に流
動する水と接触すると、湿潤時において上記のような引
張り強度を有する繊維は、水流などの物理的な応力によ
って解繊し、従って、この繊維から製造された不織布は
例えば水流中に投入することにより、良好な解繊性を示
すようになる。
【0025】このような不織布の水解性は、繊維の湿潤
時における引抜摩擦抵抗値を調整することによりさらに
良好になる。即ち、本発明で使用する不織布を形成する
繊維は、乾燥時における滑り抵抗を100%としたと
き、200重量%の水分を含有した時の平均引抜摩擦抵
抗(湿潤時滑り抵抗)は、この乾燥時における平均引抜
摩擦抵抗に対して、通常50%以上300%未満の範囲
内にある。さらに、この湿潤時平均摩擦抵抗が、乾燥時
の平均引抜摩擦抵抗に対して、75〜240%の範囲内
にあることが好ましい。このような乾燥時平均引抜摩擦
抵抗に対して湿潤時平均引抜摩擦抵抗の値を上記範囲内
にすることにより、この不織布が多量の水と接触した際
に、この不織布が解繊しやすくなる。
【0026】このようにして測定した不織布を形成する
繊維の乾燥時における平均引抜摩擦抵抗値は、繊維太さ
によっても異なるが1.5〜3デニールの繊維を用いて
測定すると、通常は0.3〜1.5g、好ましくは0.
5〜1.0gの範囲内にある。なお、本発明において、
不織布を形成する繊維の引抜摩擦抵抗は、図1に示すよ
うな繊維相互間の引抜摩擦抵抗測定装置を用いて測定し
た値である。
【0027】即ち、ここで使用される引抜摩擦抵抗測定
装置1は、上部固定基台10と、この上部固定基台10
に対して移動可能な下部移動基台20とを有している。
そしてこの上部固定基台10の下端部にはクリップ12
が設けられており、試験される繊維(上糸)40の両端
部を挟持して繊維のループ42を形成することができる
ようにされている。他方、下部移動基台20は、上部固
定基台10に対して下方に移動可能に形成されており、
この下部移動基台20の上端部には、試験される繊維
(下糸)50の一端部を挟持することができるようにク
リップ32が設けられている。この滑り抵抗を測定する
に際しては、2本の繊維(同一種類)を用意する。
【0028】そして、1本の繊維(上糸)40の両端部
を上記上部固定基台10にクリップ12に挟持してルー
プ42を形成し、他の一本の繊維(下糸)50の一端部
を下移動基台20のクリップ32に挟持させて固定する
と共に、この下糸50の他端を、上記上糸40によって
形成されているループ42に通し、さらにこの他端部に
200mgの重り55をくくりつける。
【0029】乾燥時の滑り抵抗を測定する場合には、上
記のように上糸40と下糸50とをセットし、下部移動
基台20を20mm/分の速度で下方に移動させ、この
とき生ずる上糸40と下糸50との間に生ずる引き抜き
抵抗値を測定し、この抵抗値を滑り抵抗とする。一方、
この装置には、上記上糸40および下糸50をセットし
た後、これらの上糸40と下糸50とを含浸することが
できる浴槽60が設けられており、この浴槽60に水あ
るいはアルカリ水などの液体62を充填して上糸40と
下糸50とを液に5分間含浸させた後、浴槽60を取り
外し、余剰の液体を除去した後、上記と同様にして下部
移動基台20を20mm/分の速度で下方に移動させ、
このとき生ずる上糸40と下糸50との間に生ずる引き
抜き抵抗値を測定ことにより、湿潤時における繊維の滑
り抵抗とする。
【0030】なお、上記のようにして測定した湿潤時の
繊維について、その重量を測定すると、この繊維の水分
含有率は乾燥繊維重量に対して200重量%でほぼ一定
する。本発明の不織布を形成する繊維は、さらに、通常
は20〜50mm以上、好ましくは35〜45mmの平
均単繊維長を有している。不織布を形成する繊維の単繊
維長が上記範囲内であると、不織布を形成する用途に用
いる場合に特に好適である。即ち、不織布の製造が容易
になると共に、大過剰の水が存在した場合に、各単繊維
が多数の交絡を有する不織布の形態から単繊維の形態に
なって水に分散しやすくなる。
【0031】さらにまた、この不織布を形成する繊維の
平均繊維径は、通常1.0〜5デニール、好ましくは
1.5〜5デニール、特に好ましくは1.6〜5デニー
ル、さらに好ましくは2〜5デニールである。この不織
布を形成する繊維は、上述した伸び率および引っ張り強
度を持つ繊維を使用することができ、例えば、再生セル
ロース、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
プロピレン(PP)、ポリ(メタ)アクリル酸などを原
料とすることができる。
【0032】この不織布を形成する繊維は、例えば、上
記のような原料繊維となる樹脂に例えばカチオン基およ
びアニオン基などの極性基を導入し、必要により他の樹
脂を添加して紡糸することにより製造することができ
る。例えば、従来から知られているレーヨンなどの水分
を吸収する繊維は200重量%吸水時における乾燥繊維
との比較における伸び率が上記のような範囲内になく、
また引張り強度も上記範囲内にはない。また、ポリオレ
フィン繊維のような繊維は、200重量%の吸水性を有
していない。
【0033】そして、特に湿潤繊維の引き抜き抵抗が上
記の範囲内にある繊維を用いて不織布を形成することに
より、この不織布を大過剰の水に投入すると短時間で解
繊して水洗処理が可能となる。しかもこのように水洗処
理しても水洗トイレなどの配管が詰まることがない。例
えば、本発明で使用される不織布50×50mmを大過剰
の水、例えば300mlの水に投入して、これをストロー
ク40mm、260rpmで10秒以上、好適には30秒
間以上振盪して、脚の部分の内径が10mm、脚長さが
130mmのロートに水と共に流し込むと、このような
繊維からなる不織布は15秒以内にこの脚部を通過す
る。即ち、上述のような特性を有する繊維を用いて形成
された不織布を大過剰の水に投入することにより、この
不織布は、水洗処理可能な程度まで解繊するため、水洗
処理によって繊維のつまりは生じない。即ち、上述のよ
うな繊維を用いて製造された不織布は、例えば水洗トイ
レに投入して処理することが可能であり、その際水洗ト
イレの管詰まりは生じない。
【0034】上記のような特性を有する水解性繊維を用
いて形成された不織布は、大過剰の水と接触し、好まし
くは攪拌あるいは水流などの外的応力を付与しながら大
過剰の水と接触することにより、良好に解繊すると共
に、少量の水が共存する環境においては、不織布の形態
を長期間維持することができる程度の形態保持性を有し
ている。即ち、本発明の体液吸収体を形成する不織布
は、湿潤時には、充分な強度を有しており、使用中の吸
湿では不織布が解繊して崩壊することはないが、流水下
などの大過剰の水中で容易に水解する。従来から市販さ
れている水解性不織布は、繊維長さを調整することによ
って水に対して分散可能にされていたが、上記詳述のよ
うに本発明で使用される不織布は、繊維の特性を選定す
ることにより、少量の水が存在する環境において良好な
形態保持性を確保すると共に、大過剰の水の存在下で解
繊するという特性を有するようにしている。
【0035】上記のような繊維で形成された不織布の厚
さは、通常0.1〜1.0mm、好ましくは0.1〜
0.6、特に好ましくは0.3〜0.6mmである。ま
た、この不織布の目付けは、通常は20〜80g/
2、好ましくは20〜40g/m2の範囲内にある。厚
さおよび目付が上記範囲にある不織布は、良好な吸水性
を示すと共に、大過剰の水と接触した場合に解繊しやす
い。
【0036】本発明で使用される不織布は、不織布を製
造するための従来の方法を利用して製造することができ
るが、特に本発明では、例えばウォータージェットパン
チ法(water jet punch)、特に好適にはスパンレース法
(spun lace)などを採用して製造した不織布を使用する
ことが望ましい。このような方法で製造された不織布
は、MD方向とCD方向とで強度が異なり、不織布の乾
燥時におけるMD方向の平均引張り強度は、通常は0.
3〜10kgf、好ましくは1〜5kgfの範囲内にあり、そ
して、不織布重量に対して200重量%の水を含有した
時のMD方向の平均引張り強度は通常は0.2〜6kg
f、好ましくは0.5〜2.5kgfの範囲内にある。さら
に、CD方向の引張り強度は、乾燥時および湿潤時共
に、MD方向の引張り強度よりも小さく、通常は、MD
方向の引張り強度の90〜5%程度、好ましくは50〜
10%程度になる。乾燥時および湿潤時におけるMD方
向およびCD方向の引張り強度に上記のような差のある
不織布は、少量の水が存在しても充分な強度を有すると
共に、多量の水が存在する状況下では短時間に解繊す
る。また、MD方向に強度が上記範囲内にあることによ
り、製造時に不織布が切れにくく、効率よく不織布を製
造することができる。
【0037】本発明で使用される不織布は、上記詳述し
た水解性繊維を用いてウエブを形成し、この水解性繊維
を含むウエブに高圧水(例えば、5〜100kg/cm2、好
ましくは10〜50kg/cm2程度の高圧水)を用いて交絡
を形成することにより製造することができる。特にスパ
ンレース(spun lace)方式で製造された不織布は、柔ら
かで強く、しかも毛羽が少なく、高い吸水性を有してい
る。
【0038】本発明で使用される不織布は、上記のよう
な水解性繊維から形成されているが、この不織布の特性
を損なわない範囲内で他の繊維と共に不織布を形成して
いてもよい。この場合、上記水解性繊維の含有率は通常
は15重量%以上、好ましくは40重量%以上、さらに
好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%
である。ここで上記水解性繊維と共に使用することがで
きる他の繊維の例としては、パルプ繊維、再生セルロー
ス繊維(例:ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨ
ン、キュブラ、鹸化アセテート)、ポリアミド繊維、ポ
リエステル繊維、ポリアクリル繊維。ポリウレタン繊
維、ポリオレフィン繊維などの合成繊維、天然繊維およ
び再生繊維を挙げることができる。このような繊維の中
でも再生セルロース繊維を使用することが好ましい。再
生セルロース繊維を使用することにより、不織布の風合
いおよび肌触りが著しく改善される。また、これらの繊
維の平均繊維長さは、通常は80mm以下、好ましくは
40mm以下、さらに好ましくは20mm以下であり、
さらにこのような繊維は通常は0.1mm以上、好まし
くは0.5mm以上の平均繊維長を有している。このよ
うな平均繊維長さを有する繊維を併用することにより、
不織布の水解性が著しく低下することがなく、また、不
織布の製造に問題を生ずることもない。
【0039】次に本発明の体液吸収体の具体的な物品で
ある紙おむつ、尿取りパット、生理用ナプキン、おりも
のシートなどについて順をおって説明する。これらの物
品は本発明の体液吸収体の好適な具体例であって、本発
明の体液吸収体が他の物品であってもよい。本発明の体
液吸収体である紙おむつ101は、図2および図3に示す
ように、便等に含まれる水分を吸収する吸水性層110
と、この吸水性層110に吸収された水分の漏出を防止す
るための防水体層118とを有している。
【0040】吸水性層110は、通常は短繊維からなる吸
収体本体116とこの吸収体本体116の表面に配置された上
記特定の不織布114と有している。この吸収体本体116
は、パルプ、再生セルロース、レーヨンなどの吸水性の
よい吸水性短繊維から形成されている。特に本発明の紙
おむつ101では、この吸収体本体116が不織布114によっ
て囲繞されていることが好ましい。ここで吸収体本体11
6を形成する吸水性短繊維の繊維長は、この吸収体本体1
16を含めて水解処理する場合には、通常は4mm以下、好
ましくは2mm未満に設定される。このような短繊維を用
いて吸収体本体116を形成することにより、使用後に、
この吸収体本体116および不織布114を防水体層118から
引き剥がして水解処理することが可能となる。ただし、
水解処理に際しては、便などが付着している不織布114
だけを剥離して処理することも可能であり、このような
使用態様においては、吸収体本体116を形成する繊維と
して上記のような短繊維を使用することを特に必要とす
るものではない。
【0041】防水体層118は、上記吸水性層110に吸収さ
れた尿、便に含まれる水分などの体液がこの紙おむつか
ら漏出するのを防止する層であり、こうした防水体層11
8は種々の素材で形成することができるが、例えば、非
透水性樹脂の薄層フィルムあるいはこうした非透水性の
樹脂で防水コートされた水不透過性積層体、プラスチッ
クでラミネートした紙などで形成されている。また、こ
の防水体層118には、上記吸水層110で吸収し切れなかっ
た水分を吸収するための高吸水層120を配置することが
できる。この高吸水層120は、例えば高吸水性アクリル
ポリマーなどを含有する層である。このような高吸水性
ポリマーな大量の水を吸収するとゲル化して水に対して
不溶性になるので、高吸水層120は、例えば、上記のよ
うにして吸水性層110を防水体層118から剥離して水解処
理する場合に、吸水性層110と共に防水体層118から剥離
されると、水解処理の際に水洗トイレなどの管詰まりの
原因となる。したがって、この高吸水層120は、防水体
層118の表面にこの防水体層118と一体に形成されている
ことが好ましい。
【0042】また、このような紙おむつには、必要によ
り横漏れ防止手段122を設けることができる。図2およ
び図3には、防水体層118の長さ方向の両縁部近傍にギ
ャザーが形成されるように、弾性部材122が防水体層118
に貼着されており、この弾性部材122によってギャザー
が形成され、股の部分にこの紙おむつ101がフィットし
て、横漏れを防止する態様が示されている。ここで横漏
れ防止に使用される弾性部材122は、ゴムなどであり、
水に対する水解性を示さないことから、水解処理されな
い防水体層118の表面に貼着することが好ましい。ま
た、この横漏れ防止手段には、図示していないが、防水
体層118の側縁部を紙おむつ101の内側に回りこませてこ
こに弾性部材を配置するなど種々の方法が知られてお
り、本発明では、こうした既に知れられている種々の方
法を採用することができる。
【0043】また、こうした紙おむつは、通常はオムツ
カバーの内側に配置されて使用されることから、オムツ
カバーからずれないように、防水体層118がオムツカバ
ー接触する面に、粘着剤(図示なし)を設けることもで
きる。このような紙おむつは、通常はオムツカバーに好
適には粘着剤で固定して乳幼児などの紙おむつを必要と
している人に装着する。
【0044】使用後、この紙おむつを取り外して、防水
体層118と吸収体本体110とを分離して、防水体層118は
通常のごみとして処理し、分離された吸収体本体110
は、例えば、水洗トイレなどに投入して水解させて処理
する。なお、上記のように本発明の紙おむつは、通常は
オムツカバーと共に使用されるが、この紙おむつをパン
ツ型にすることもでき、この場合には通常はオムツカバ
ーを使用する必要はない。このようなパンツ型の紙おむ
つは、たち歩きし始めた乳幼児、老人などに好適に使用
することができる。
【0045】また、本発明の紙おむつは、吸収体本体の
表面に上記特定の不織布からなるライナーを配置して使
用することもできる。このようにして使用されるライナ
ーには水分の逆戻り防止加工を施すことが好ましい。こ
のような逆戻り防止加工を施したライナーを介して本発
明の紙おむつを装着することにより、紙おむつが吸水し
た場合であっても、使用者は湿潤感が少なく、湿潤によ
る不快感が低減される。
【0046】このようなライナーは、上記詳述した特定
の不織布に部分的撥水性を付与する方法、裏面を起毛す
る方法など種種の方法により形成することができる。次
に本発明の体液吸収体の一態様である尿取りパットにつ
いて説明する。尿取りパットは、例えば老人性の失禁な
どによる少量の尿漏れを吸収するために主として使用さ
れるものであり、基本的には、図4に示すように、この
尿取りパット130は、防水体層148と吸水性層138との積
層体である。
【0047】この防水体層148は上記紙おむつにおける
防水体層と同様の素材で形成されている。そして、吸水
性層138は、この尿取りパット130が、比較的少量の尿を
吸収するものであることから、上記特定の不織布134か
ら形成されていてもよいし、また図4に示すように、パ
ルプなどの単繊維からなる綿状吸収体136と上記特定の
不織布から形成されていてもよい。また、この吸水性層
138を形成する不織布は、単層であってもよいし、複数
枚の不織布が積層されたものであってもよい。
【0048】さらに、この尿取りパット130は、ずれ防
止のために、下着に貼着できるように、防水体層148の
下着に対峙する面に粘着剤層146を形成することが好ま
しい。図4には、粘着剤層146が形成された態様が示さ
れているが、使用前には、この粘着剤層146の表面は、
剥離紙(図示なし)貼着されており、使用時にこの剥離
紙を剥がして、この尿取りパット130を下着に貼着して
使用する。
【0049】このような構成を有する尿取りパット130
は、使用後、不織布134と防水体層148とを剥離して、不
織布134を水洗トイレなどで水解させて処理し、防水体
層148は一般ごみとして処理する。この際、綿状吸収体1
36は、短繊維(例えば、平均繊維長4mm以下、好ましく
は2mm未満)で形成されている場合には、不織布134と
共に水解処理することが可能である。
【0050】本発明の体液吸収体である生理用ナプキン
150は、基本的には、図5に示すように、防水体層と158
と吸水性層168との積層体である。ここで防水体層158
は、紙おむつにおける防水体層と同等の素材で形成され
ている。こうした防水体層158に積層される吸水性層168
は、上述した特定の不織布166とから形成されている。
この吸水性層168を形成する不織布は、単層であっても
よいし、複数枚の不織布が積層されたものであってもよ
い。また、この防水体層168は、上記の不織布166と綿状
吸収体165から形成されていてもよい。即ち、吸収され
る体液量が少ない場合に使用する生理用ナプキンは、上
記不織布166を単層であるいは複数積層して使用するこ
とができる。また吸収される体液吸収量の多い場合ある
いは長時間着用している場合にはこの生理用ナプキンの
体液吸収許容量を多くする必要があり、こうした場合に
は、図5に示すように、綿状吸収体165を配置すること
が好ましい。本発明において綿状吸収体165を形成し、
この綿状吸収体165を不織布166と共に水解処理する場合
には、この綿状吸収体165を形成する繊維の繊維長さが
短いことが好ましく、通常は4mm以下、好ましくは2mm
未満とすることにより、この綿状吸収体165を不織布166
と共に水解処理することが可能になる。
【0051】また、このような生理用ナプキン150に
は、必要により長手方向の側縁部近傍に横漏れ防止手段
164を設けることが好ましい。この横漏れ防止手段164
は、例えば図5に示すように、不織布166の横縁部を防
水体層164に接着せずに自由端にして、生理用ナプキン
の長手方向の中心線に向かって折り曲げることにより形
成することができる。また、図示していないが、横漏れ
防止手段は、防水体層158などの水解性を有していない
素材に弾性部材を貼着して配置することによりギャザー
状に形成してもよい。
【0052】また、本発明の生理用ナプキンには、下着
などと接触する防水体層158面に、装着する生理用ナプ
キンの装着ずれを防止するために、粘着剤層156を形成
することが好ましい。なお、この粘着剤層156の表面に
は、剥離紙(図示なし)が貼着されており、本発明の生
理用ナプキンは、使用直前にこの剥離紙を撤去して使用
される。
【0053】このような生理用ナプキン150は、使用後
に、防水体層158と吸水性層168とを分離して、吸水性層
168を水洗トイレなどで水解処理する一方、防水体層158
は一般ごみとして処理する。また、上記と同様に、綿状
吸収体165が水解可能な短繊維で形成されている場合に
は、不織布166と共にこの綿状吸収体165も水解処理する
ことができる。
【0054】本発明の体液吸収体であるおりものシート
180は、図6に示すように、基本的には、防水体層188と
吸水性層198との積層体である。ここで防水体層188は、
紙おむつにおける防水体層と同等の素材で形成されてい
る。こうした防水体層188に積層される吸水性層198は、
上述した特定の不織布196から形成されている。この吸
水性層198を形成する不織布196は、単層であってもよい
し、複数枚の不織布が積層されたものであってもよい。
【0055】また、本発明のおりものシート180には、
が下着などと接触する防水体層188面に、装着するおり
ものシート180の装着ずれを防止するために、粘着剤層1
86を形成することが好ましい。なお、この粘着剤層156
の表面には、剥離紙(図示なし)が貼着されており、本
発明のおりものシート180は、使用直前にこの剥離紙を
撤去して使用される。
【0056】このようなおりものシート180は、使用後
に、防水体層188と吸水性層198とを分離して、吸水性層
198を水洗トイレなどで水解処理する一方、防水体層188
は一般ごみとして処理する。本発明の母乳パットは、少
なくとも表面層が、上記不織布で形成されている。この
母乳パットは、肌と接触する表面が上記不織布で形成さ
れており、この母乳パットの肌と接触する表面と反対の
表面には通常は防水性シートが配置されている。また、
この不織布と防水シートの間には、通常はパルプなどか
らなる吸収体が形成されている。この吸収体が上記不織
布で形成されていてもよい。
【0057】以上本発明の体液吸収体について、紙おむ
つ、尿取りパット、生理用ナプキン、おりものシート、
母乳パットを例にして詳細に説明したが、本発明の体液
吸収体は、上記説明した以外に種々改変することができ
る。例えば、水解処理する不織布を、防水体層から分離
しやすいように、不織布に長手方向に易分離手段として
ミシン線を形成することもできる。
【0058】また、本発明の体液吸収体としては、上記
例示して示した紙おむつ、尿取りパット、生理用ナプキ
ン、おりものシート以外にも、これと同等の構成を有
し、不織布を水解して処理する用途に使用することがで
きる。
【0059】
【発明の効果】本発明の体液吸収体は、上述した特定の
不織布を有しており、この不織布は、少量の水分を含有
した湿潤時においては充分な強度を有しており、他方、
大過剰の水と接触すると解繊して崩壊する。従って、本
発明の体液吸収体は、使用後にこの不織布からなる吸水
性層を、水解性を有していない防水体層から分離し、水
に投入することにより水解させて速やかに処理すること
ができる。
【0060】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。以下に示す実施例等で体液吸収体を形成す
るために作成された繊維および不織布の各物性は、以下
の方法によって測定あるいは評価を行った。
【0061】なお、本発明において、捲縮弾性率、伸び
率、引張り強度、引抜摩擦抵抗などの数値の平均値は、
特に限定しない限り、サンプル数5の平均値である。 [捲縮弾性率]JIS-L-1015の7.12の記載の基づいて、表面
が滑らかな紙に空間距離25mmの区分線をつくり、これ
に損なわれていない部分から採取した試料を1本づつ区
分内のはり付表に対して25±5%の緩みを持たせて両
端を接着剤ではりつけ固定して25mm当たりの捲縮数を
測定する。この試料を1本づつ、捲縮試験機のつかみに
取り付け、紙片を切断した後、試料に初荷重をかけた時
のつかみ間の距離(空間距離)(mm)を読みとり初荷重
をかけた時の長さaとした。次に1デニール当たり50
mgの荷重をかけた時の長さをもとめてbとした。次に
荷重を除き、2分間放置後初荷重をかけて長さを読み取
り、この値をcとした。次に記載する式から捲縮弾性率
(%)を求めた。
【0062】 捲縮弾性率(%)=[(b−c)/(b−a)]×100 200%含水時(湿潤時)の捲縮弾性率は上記のような
試料に筆で水分を充分に付着させて、上記と同様にして
測定した。 〔伸び率〕試験片とする繊維の長さを測定し、次いでこ
の繊維の両端部を伸び率測定装置にセットして通常の条
件に従って20mm/分間の速度で引っ張り破断に至る
までの長さを測定し、下記式(1)に基づいて伸び率を
測定した。
【0063】
【数1】
【0064】〔引張り強度〕試験片とする繊維を、市販
の引張り強度測定装置にセットして、この繊維に過重を
かけてこの繊維に順次荷重加えていって、この繊維が破
断に至ったときの最大荷重を測定して引張り強度とし
た。 〔引抜摩擦抵抗〕図1に示す繊維の引抜摩擦抵抗測定装
置1を用いて下記のようにして得られた繊維の滑り抵抗
値を求めた。この引抜摩擦抵抗測定装置1は、上部固定
基台10と、この上部固定基台10に対して移動可能な
下部移動基台20とを有している。そしてこの上部固定
基台10の下端部にはクリップ12が設けられており、
試験される繊維(上糸)40の両端部を挟持して繊維の
ループを形成することができるようにされている。他
方、下部移動基台20は、上部固定基台10に対して下
方に移動可能に形成されており、この下部移動基台20
の上端部には、試験される繊維(下糸)50の一端部を
挟持することができるようにクリップ32が設けられて
いる。この滑り抵抗を測定するに際しては、2本の繊維
(同一種類)を用意する。
【0065】そして、1本の繊維(上糸)40の両端部
を上記上部固定基台にクリップ12に挟持してループ4
2を形成し、他の一本の繊維(下糸)50の一端部を下
移動基台のクリップ32に挟持させて固定すると共に、
この下糸50の他端を、上記上糸40によって形成され
ているループ42に通し、さらにこの他端部に200m
gの重りをくくりつける。
【0066】乾燥時の滑り抵抗を測定する場合には、上
記のように上糸40と下糸50とをセットし、下部移動
基台20を20mm/分の速度で下方に移動させ、この
とき生ずる上糸と下糸との間に生ずる引き抜き抵抗値を
測定し、この抵抗値を滑り抵抗とする。一方、この装置
1には、上記上糸40および下糸50をセットした後、
これらの上糸40と下糸50とを含浸することができる
浴槽60が設けられており、この浴槽60に水などの液
体62を充填して上糸40と下糸50とを液体に5分間
含浸させた後、浴槽60を取り外し、余剰の液体62を
除去した後、上記と同様にして下部移動基台20を20
mm/分の速度で下方に移動させ、このとき生ずる上糸
40と下糸50との間に生ずる引き抜き抵抗値を測定こ
とにより、湿潤時における繊維の滑り抵抗とした。
【0067】なお、上記のようにして測定した湿潤時の
繊維について、その重量を測定すると、この繊維の水分
含有率は乾燥繊維重量に対して200重量%でほぼ一定
する。 〔繊維径〕レンチング社製、商品名:バイブロスコプを
用いて、振動法により単繊維の径(デニール)を求め
た。 〔厚さ〕アスカー中型測厚器を用いて、不織布10枚重
ねの厚さを測定し、1枚分の厚さを算出した。 〔繊維の平均長さ〕不織布を構成する繊維10本の長さ
を測定し、平均値を求めた。 〔水解性〕容量1リットルの分液ロートに水道水300
ミリリットルを入れ、さらに、この分液ロートに100
×100mmの不織布を入れ、すばやく振盪機(イワキ社
製KMシェイカーV-S)にセットし、ストローク40m
m260rpmにて30秒間振盪して、不織布を解繊させ
た。
【0068】これとは別に、上部の直径が145mm、斜
面の長さが130mm、脚部の内径が10mm、長さが13
0mmの三角ロートを用意し、上記のようにして振盪させ
ることにより解繊した不織布を水道水と共に、上記三角
ロートに移し、10秒以内に水道水が解繊した不織布と
共に三角ロートの脚部を通過してものを「水解性良好」
とし、水道水のみが脚部から排出され、繊維が三角ロー
ト内に残ったものを「水解性不十分」とした。水解性繊
維としては、「水解性良好」であることが好ましいが、
実際の水洗トイレによる処理ではトイレのつまりは殆ど
生じない。
【0069】
【実施例1】カチオン化セルロースと、ポリアクリル酸
ナトリウムとを1:1の重量比で混合したイオン性樹脂
30重量部とレーヨン70重量部とをビスコース溶液中
で均一に混合した。次いで、この混合物を凝固浴中に加
圧下に押し出して紡糸することにより、極性基を有する
高分子が30重量%練り込まれたレーヨン繊維を製造し
た。この繊維の平均繊維径は3.0デニールであり、平
均繊維長は38mmであった。
【0070】この繊維について、乾燥時、繊維重量に対
して200重量%の水分を含有した時の平均伸び率およ
び平均引張り強度を測定した。こうして得られた繊維に
ついて測定した乾燥時の捲縮数は22個/インチであっ
た。この繊維について乾燥時に測定した捲縮弾性率は7
8.3%であり、湿潤時の捲縮弾性率は56.4%であ
り、乾燥時の捲縮弾性率を100%とすると、湿潤時の
捲縮弾性率は、72.0%に相当する。
【0071】また、この繊維について測定した乾燥時の
平均引張り強度は2.11g/dであり、200重量%の
水分を含有した時の平均引張り強度は0.92g/dであ
った。この結果から、200重量%水分含有時の平均引
張り強度は、乾燥時の平均引張り強度の44%であっ
た。また、この繊維の乾燥時の平均伸び率は原糸に対し
て17%であるのに対して200重量%の水分を含有し
た時の平均伸び率は原糸に対して24%であった。この
結果から、200重量%水分含有時の平均伸び率は、乾
燥時の平均伸び率に対して140%に相当する。
【0072】さらに、この繊維について、図1に示す引
抜摩擦抵抗測定装置を用いて測定したところ、平均引剥
摩擦抵抗(引き抜きに要する力)は0.44gであっ
た。また、この繊維に200重量%の水分を含有させて
上記と同様にして測定した平均引抜摩擦抵抗は1.09
gであった。この200重量%含水時の繊維の平均引抜
摩擦抵抗は、乾燥時の平均引抜摩擦抵抗100%に対し
て250%であった。
【0073】上記のようにして得られた繊維を用いてウ
エブを形成し、スパンレース方式により不織布を製造し
た。このときの水圧を25kg/cm2に設定して、平均厚さ
0.5mm、目付40g/m2の不織布を製造した。この不
織布の乾燥時のMD方向の引張り強度は、3.19kgf
であり、CD方向の引張り強度は1.07kgfであっ
た。また、この不織布の200重量%水分含有時のMD
方向の引張り強度は、2.78kgfであり、CD方向の
引張り強度は0.84kgfであった。
【0074】上記の不織布から100×100mmの試験
片を切り出し、上記の上記の方法で水解性を測定したと
ころ、この不織布の水解性は、「水解性良好」であっ
た。別に平均繊維長さ2mmのパルプ10gを用意して、
このパルプを上記のようにして製造した不織布(100×1
00mm,重量0.4g)で囲繞して吸水体を形成した。このよ
うにして製造された吸水体を、中央部にアクリル系吸水
剤を含有する高吸水性吸水層が形成されたプラスチック
ラミネート紙製防水体層に貼着した。また、この防水体
層の吸水性層が貼着されていない側に、両面粘着テープ
を貼着した。
【0075】こうして製造された紙おむつに擬似尿を2
0ミリリットル(不織布とパルプの重量の190重量
%)含浸させて2時間放置したが、不織布の解繊は見ら
れなかった。2時間経過後、上記擬似尿を含有する紙お
むつから吸水性層を剥ぎ取り、300ミリリットルの水
に投入してガラス棒でゆっくり攪拌することにより、解
繊した。
【0076】また、上記と同様にして製造した紙おむつ
に擬似尿を含浸させた後、吸水性層を剥ぎ取り、水洗ト
イレに流す操作を繰り返し行ったが、水洗トイレの管つ
まりは発生しなかった。
【0077】
【実施例2】カチオン化セルロースと、ポリアクリル酸
ナトリウムの1:1の複合系50部とレーヨン50部と
を実施例1と同様の方法で練り込みし、水分解性高分子
50重量%練り込みレーヨンを得た。これを用いて、実
施例1と同様の方法で繊維を得た。この繊維の平均繊維
径は3.0デニール、平均繊維長は38mmであった。
【0078】こうして得られた繊維について乾燥時およ
び湿潤時の捲縮弾性率を測定し、乾燥時の捲縮弾性率を
100%としたときの湿潤時の捲縮弾性率は乾燥時の捲
縮弾性率の28.0%であった。また、この繊維につい
て測定した乾燥時の平均引張り強度は1.46g/dであ
り、200重量%の水分を含有した時の平均引張り強度
は0.49g/dであった。この結果から、200重量%
水分含有時の平均引張り強度は、乾燥時の引張り強度の
34%であった。
【0079】また、この繊維の乾燥時の平均伸び率は原
糸に対して14%であるのに対して200重量%の水分
を含有した時の平均伸び率は原糸に対して18%であっ
た。この結果から、200重量%水分含有時の平均伸び
率は、乾燥時の平均伸び率に対して130%に相当す
る。さらに、この繊維について、図1に示す引抜摩擦抵
抗測定装置を用いて測定したところ、平均引抜摩擦抵抗
(引き抜きに要する力)は1.35gであった。また、
この繊維に200重量%の水分を含有させて上記と同様
にして測定した平均引抜摩擦抵抗は1.14gであっ
た。この200重量%含水時の繊維の平均引抜摩擦抵抗
は、乾燥時に平均引抜摩擦抵抗100%に対して118
%であった。
【0080】この繊維を用いて実施例1と同様にして不
織布を製造した。この不織布の乾燥時のMD方向の引張
り強度は、5.07kgfであり、CD方向の引張り強度
は0.83kgfであった。また、この不織布の200重
量%水分含有時のMD方向の引張り強度は、2.07kg
fであり、CD方向の引張り強度は0.18kgfであっ
た。
【0081】上記の不織布から100×100mmの試験
片を切り出し、上記の上記の方法で水解性を測定したと
ころ、この不織布の水解性は、「水解性良好」であっ
た。別に平均繊維長さ2mmのパルプ10gを用意して、
このパルプを上記のようにして製造した不織布(100×1
00mm,重量0.4g)で囲繞して吸水体を形成した。このよ
うにして製造された吸水体をプラスチックラミネート紙
製防水体層に貼着した。また、この防水体層の吸水性層
が貼着されていない側に、両面粘着テープを貼着して生
理用ナプキンを製造した。
【0082】こうして製造された生理用ナプキンに擬似
血液を10ミリリットル(不織布とパルプの重量の96
重量%)含浸させて2時間放置したが、不織布の解繊は
見られなかった。2時間経過後、上記擬似血液を含有す
る生理用ナプキンから吸水性層を剥ぎ取り、300ミリ
リットルの水に投入してガラス棒でゆっくり攪拌するこ
とにより解繊した。
【0083】また、上記と同様にして製造した紙おむつ
に擬似血液を含浸させた後、吸水性層を剥ぎ取り、水洗
トイレに流す操作を繰り返し行ったが、水洗トイレの管
つまりは発生しなかった。
【0084】
【実施例3〜4】実施例1で製造した不織布を用いて、
図4に示す構成の尿取りパットおよび図6に示す構成の
おりものシートを製造した。これらに少量の擬似尿ある
いは擬似血液を含浸させたが、不織布の解繊は見られな
かった。また、これらの吸水性層を剥離して水洗トイレ
に流したが、水洗トイレの管詰まりは発生しなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明において、繊維の引抜摩擦抵抗
値を用いるの用いた装置を模式的に示す図である。
【図2】図2は、本発明の紙おむつの一例を示す斜視図
である。
【図3】図3は、上記図1におけるA-A断面図であ
る。
【図4】図4は、本発明の尿取りパット断面図である。
【図5】図5は、本発明の生理用ナプキンの一例を示す
断面図である。
【図6】図6は、本発明のおりものシートの一例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1・・・引抜摩擦抵抗測定装置 10・・・上部固定基台 12・・・クリップ 30・・・下部移動基台 32・・・クリップ 40・・・繊維(上糸) 42・・・ループ 50・・・下糸 55・・・重り 60・・・浴槽 62・・・液体 101・・・紙おむつ 110・・・吸水性層 114・・・不織布 116・・・吸収体本体 118・・・防水体層 120・・・高吸収層 122・・・横漏れ防止手段(弾性部材) 130・・・尿取りパット 134・・・不織布 136・・・綿状吸収体 138・・・防水体層 146・・・粘着剤層 148・・・吸水性層 150・・・生理用ナプキン 158・・・防水体層 156・・・粘着剤層 165・・・綿状吸収体 166・・・不織布 168・・・吸水性層 180・・・おりものシート 186・・・粘着剤層 188・・・防水体層 196・・・不織布 198・・・吸水性層
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Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体液を吸収する吸水性層と該吸水性層の
    裏面に配置され吸水性層に吸水された体液の漏出を防止
    する防水体層とを少なくとも有する体液吸収体であっ
    て、 該体液吸収体の表面が、上記不織布を形成する水解性繊
    維について測定した乾燥時における該繊維の捲縮弾性率
    を100%としたときに、200%の水分含有時の湿潤
    捲縮弾性率が、乾燥時の捲縮弾性率に対して20%〜7
    5%の範囲内にある水解性繊維の集合に多数の水解可能
    な交絡がランダムに形成されてなる不織布から形成され
    ていることを特徴とする体液吸収体。
  2. 【請求項2】 該体液吸収体の表面が、上記不織布を構
    成する水解性繊維について測定した乾燥時における該繊
    維の平均引き抜き摩擦抵抗を100%としたとき、20
    0重量%水分含有時の該繊維の平均引き抜き摩擦抵抗
    が、乾燥時の平均引き抜き摩擦抵抗に対して、50%以
    上300%未満の範囲内にある水解性繊維の集合に、多
    数の水解可能な交絡がランダムに形成されてなる不織布
    から形成されていることを特徴とする請求項第1項記載
    の体液吸収体。
  3. 【請求項3】 上記体液吸収体が人体と接触する面に上
    記不織布が配置されていることを特徴とする請求項第1
    項記載の体液吸収体。
  4. 【請求項4】上記体液吸収体の吸水性層が、上記不織布
    と該不織布で囲繞された吸水性単繊維からなることを特
    徴とする請求項第1項記載の体液吸収体。
  5. 【請求項5】 上記不織布の平均厚さが0.1〜1.0
    mmの範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載
    の体液吸収体。
  6. 【請求項6】 上記不織布の目付が2〜80g/m2の範
    囲内にあることを特徴とする請求項第1項または第4項
    記載の体液吸収体。
  7. 【請求項7】 上記不織布の乾燥時におけるMD方向の
    平均引張り強度が0.3〜10kgfの範囲内にあり、か
    つ200重量%の水分を含有したときの該不織布のMD
    方向の平均引っ張り強度が0.2〜6kgfの範囲内にあ
    ることを特徴とする請求項第1項記載の体液吸収体。
  8. 【請求項8】 上記不織布が、乾燥時における繊維の平
    均伸び率を100%としたとき、該繊維が200重量%
    の水分を含有時の該繊維の平均伸び率が、乾燥時の平均
    伸び率に対して100〜300%の範囲内にあり、か
    つ、乾燥時における繊維の平均引張り強度を100%と
    したとき、200重量%の水分を含有時の該繊維の平均
    引張り強度が乾燥時の平均引張り強度に対して25〜2
    00%の範囲内にある水解性繊維の集合に、多数の水解
    可能な交絡がランダムに形成されていることを特徴とす
    る請求項第1項記載の体液吸収体。
  9. 【請求項9】 上記不織布を構成する水解性繊維の平均
    長さが20mm以上であって、該不織布を該不織布の重
    量に対して100000重量%以上の水に投入にして、
    30秒間以上振盪することにより該不織布が繊維状に解
    繊して該繊維が水に分散することを特徴とする請求項第
    1項記載の体液吸収体。
  10. 【請求項10】 上記不織布に水解性繊維が15重量%
    以上の量で含有されていることを特徴とする請求項第1
    項乃至第9項記載の体液吸収体。
  11. 【請求項11】 上記不織布を形成する上記水解性繊維
    以外の繊維が、繊維長さ20mm未満の短繊維であるこ
    とを特徴とする請求項第10項記載の体液吸収体。
  12. 【請求項12】 上記不織布が、水解性を有することを
    特徴とする請求項1項記載の体液吸収体。
  13. 【請求項13】 上記体液吸収体が、紙おむつであるこ
    とを特徴とする請求項第1項乃至第12項のいずれかの
    項記載の体液吸収体。
  14. 【請求項14】 上記体液吸収体である紙おむつに横漏
    れ防止手段が形成されていることを特徴とする請求項第
    13記載の体液吸収体。
  15. 【請求項15】 上記体液吸収体である紙おむつの防水
    体層の裏面に、ずれ防止用粘着剤層が塗設されているこ
    とを特徴とする請求項第13項記載の紙おむつ。
  16. 【請求項16】 上記体液吸収体が、尿取りパットであ
    ることを特徴とする請求項第1項乃至第12項のいずれ
    かの項記載の体液吸収体。
  17. 【請求項17】 上記体液吸収体である尿取りパットの
    吸水性層が、上記不織布と、必要により短繊維パルプで
    形成されていることを特徴とする請求項第16項記載の
    体液吸収体。
  18. 【請求項18】 上記体液吸収体である尿取りパットの
    防水体層の裏面に、ずれ防止用粘着剤層が設けられてい
    ることを特徴とする請求項第16項記載の体液吸収体。
  19. 【請求項19】 上記体液吸収体が、生理用ナプキンで
    あることを特徴とする請求項第1項乃至第12項のいず
    れかの項記載の体液吸収体。
  20. 【請求項20】 上記体液吸収体である生理用ナプキン
    に横漏れ防止手段が形成されていることを特徴とする請
    求項第19項記載の体液吸収体。
  21. 【請求項21】 上記体液吸収体である生理用ナプキン
    の吸水性層が、上記不織布と、必要により吸水性短繊維
    で形成されていることを特徴とする請求項第19項記載
    の体液吸収体。
  22. 【請求項22】 上記体液吸収体である生理用ナプキン
    の防水体層の裏面に、ずれ防止用粘着剤層が塗設されて
    いることを特徴とする請求項第19項記載の体液吸収
    体。
  23. 【請求項23】 上記体液吸収体が、おりものシートで
    あることを特徴とする請求項第1項乃至第12項のいず
    れかの項記載の体液吸収体。
  24. 【請求項24】 上記体液吸収体であるおりものシート
    の吸水性層が、上記不織布で形成されていることを特徴
    とする請求項第23項記載の体液吸収体。
  25. 【請求項25】 上記体液吸収体であるおりものシート
    の防水体層の裏面に、ずれ防止用粘着剤層が設けられて
    いることを特徴とする請求項第23項記載の体液吸収
    体。
  26. 【請求項26】 上記体液吸収体である母乳パットの少
    なくとも表面層が、上記不織布で形成されていることを
    特徴とする請求項第1項乃至第12項のいずれかの項記
    載の体液吸収体。
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