JP2001136877A - スピニングリールのロータ制動装置 - Google Patents

スピニングリールのロータ制動装置

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JP2001136877A
JP2001136877A JP32077499A JP32077499A JP2001136877A JP 2001136877 A JP2001136877 A JP 2001136877A JP 32077499 A JP32077499 A JP 32077499A JP 32077499 A JP32077499 A JP 32077499A JP 2001136877 A JP2001136877 A JP 2001136877A
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braking
brake
rotor
operating member
pressing
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JP32077499A
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English (en)
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Takeshi Ikuta
剛 生田
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Shimano Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制動位置に制動レバーを保持可能なロータ制
動装置において、保持された制動レバーによる制動力を
容易に調整できるようにする。 【解決手段】 スピニングリールのロータ制動機構は、
ロータ3の糸繰り出し方向の回転を制動する機構であっ
て、制動部20と、制動レバー21と、制動保持部22
と、制動力調整部23とを備えている。制動部は、リー
ル本体に回転自在に支持され、ロータの糸繰り出し方向
の回転にのみ連動して回転する。制動レバーは、リール
本体に揺動自在に装着され制動部に圧接して制動部を制
動可能である。制動保持部は、制動部を制動する制動位
置と制動部から離反する離反位置とに制動レバーを切換
可能でありかつ制動位置で保持可能である。制動力調整
部は、制動保持部による保持時の制動レバーの圧接力の
調整を外部から操作可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピニングリー
ル、特に、糸繰り出し方向に逆転したロータを制動可能
なレバーブレーキ型のスピニングリールに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、磯釣りを行う場合、釣り糸の送
り出しがスムーズになるように、あるいは、魚の警戒心
を刺激しないようにするために、比較的細い糸が使用さ
れる。このような細い糸はよれやすいため、また太い釣
り糸より強度が落ちるので魚の引きに応じて釣り糸の繰
り出し・巻取を行わなければならないため、レバーブレ
ーキ型のスピニングリールがしばしば使用される。レバ
ーブレーキ型のスピニングリールは、ロータを張力に応
じて逆転させて魚と簡単にやりとりすることができる。
【0003】この種のレバーブレーキ型のスピニングリ
ールにおいて、制動レバーを所定の制動状態を維持する
制動位置で保持するロータ制動装置が、特開平9−14
0303号公報に開示されている。このロータ制動装置
は、リール本体に回転自在に支持されロータの糸繰り出
し方向の回転にのみ連動して回転する制動部と、リール
本体に揺動自在に装着され制動部を制動可能な制動レバ
ー(制動操作部材の一例)と、制動レバーを制動位置で
保持する制動保持機構とを有している。制動レバーは、
コイルばねにより制動部から離反する離反位置側に付勢
されており、制動保持機構により制動部に接触する制動
位置側に押圧されている。
【0004】制動保持機構は、コイルばねにより離反位
置側に付勢された制動レバーを離反位置と制動位置との
間で切換可能であるとともに、制動位置で保持可能であ
る。制動保持機構は、スプール軸に平行な軸回りに揺動
する揺動部材と、揺動部材の先端に軸方向移動自在かつ
回転不能に装着された押圧部材と、押圧部材をコイルば
ねの付勢力に抗して制動レバー側に付勢するばね部材
と、押圧部材を揺動部材の揺動に応じて制動レバーに向
けて進退させるカム機構とを有している。揺動部材の内
部には、先端がばね部材に係止さればね部材の付勢力を
調整可能なネジ部材が設けられている。ネジ部材は、揺
動部材の端部からドライバーなどの工具を利用して回転
させることができる。
【0005】このスピニングリールでは、揺動部材を一
方向に揺動させると、ばね部材により付勢された押圧部
材がカム機構に案内され、制動レバーを制動位置に向け
て押圧しかつ制動位置で保持する。揺動部材を他方向に
揺動させると、押圧部材がばね部材の付勢力に抗してカ
ム機構により後退し、制動レバーがコイルばねにより付
勢されて離反位置に切り換わる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成では、
制動保持機構により制動位置に保持された制動レバーに
よる制動力を調整する場合、工具を利用してネジ部材を
回動させてばね部材の付勢力を調整する必要がある。こ
のため、制動保持機構により保持された制動レバーによ
る制動力を調整するのが困難である。
【0007】本発明の課題は、制動位置に制動操作部材
を保持可能なスピニングリールのロータ制動装置におい
て、制動位置に保持された制動操作部材による制動力を
容易に調整できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るスピニング
リールのロータ制動装置は、リール本体に回転自在に支
持されたロータの糸繰り出し方向の回転を制動する装置
であって、制動部と、制動操作部材と、制動保持手段
と、制動力調整手段とを備えている。制動部は、リール
本体に回転自在に支持され、ロータの糸繰り出し方向の
回転にのみ連動して回転する部材である。制動操作部材
は、リール本体に移動自在に装着され制動部に圧接して
制動部を制動可能な部材である。制動保持手段は、制動
部を制動する制動位置と制動部から離反する離反位置と
に制動操作部材を切換可能でありかつ制動位置で保持可
能な手段である。制動力調整手段は、制動保持手段によ
る保持時の制動操作部材の圧接力の調整を外部から操作
可能な手段である。
【0009】この制動装置では、制動保持手段により制
動操作部材を離反位置に切り換えると、制動部が制動さ
れずロータが糸繰り出し方向の回転可能な自由回転状態
になる。この状態て制動操作部材を操作すると制動部に
制動操作部材が圧接しロータが制動される。一方、制動
保持手段により制動操作部材を制動位置に切り換える
と、制動操作部材が制動位置で保持され制動部が所定の
圧接力で制動される。このときの圧接力の調整は制動力
調整手段により外部から操作可能である。ここでは、制
動保持手段により制動位置に保持された制動操作部材の
圧接力の調整を外部から操作可能であるので、工具を用
いることなく圧接力を調整できる。このため、制動位置
に保持された制動操作部材による制動力を容易に調整で
きる。
【0010】発明2に係るスピニングリールのロータ制
動装置は、発明1に記載の装置において、制動操作部材
は、リール本体に揺動自在に装着されている。この場合
には、制動操作部材をリール本体に揺動軸を介して揺動
可能に支持するだけで制動操作部材を移動させることが
でき、制動操作部材の支持構造が簡素になる。発明3に
係るスピニングリールのロータ制動装置は、発明1又は
2に記載の装置において、制動保持手段は、制動操作部
材を離反位置側に付勢する第1付勢部材と、リール本体
に所定範囲で揺動自在に装着されリール本体の外部から
操作可能な操作部材と、操作部材の一方向の揺動に応じ
て第1付勢部材の付勢力に抗して制動操作部材を離反位
置から制動位置に向けて移動させるように進出し他方の
揺動に応じて後退する押圧機構とを有する。この場合に
は、操作部材を一方向に揺動させると、押圧機構が進出
して制動操作部材を制動位置に移動させ制動位置で保持
する。この状態から操作部材を他方向に揺動させると、
押圧機構が後退して第1付勢部材により制動操作部材が
離反位置に戻る。
【0011】発明4に係るスピニングリールのロータ制
動装置は、発明3に記載の装置において、押圧機構は、
操作部材に揺動方向に回転不能かつ軸方向に移動自在に
装着され先端が制動操作部材に当接する第1押圧部材
と、第1押圧部材を操作部材と離反する方向に付勢する
第2付勢部材と、第2付勢部材により付勢され操作部材
とともに揺動する第1押圧部材をその揺動に応じて進退
させるための第1カム機構とを有する。この場合には、
操作部材を一方向に揺動させると、第2付勢部材によっ
て付勢された第1押圧部材が一方向に揺動する。そし
て、第1カム機構により進出して制動操作部材を押圧し
て制動位置で保持する。他方向に揺動させると、第1カ
ム機構により第2付勢部材の付勢力に抗して第1押圧部
材が後退し、制動操作部材が離反位置に戻る。
【0012】発明5に係るスピニングリールのロータ制
動装置は、発明4に記載の装置において、制動力調整手
段は、第2付勢部材の付勢力をリール本体の外部から調
整可能な調整部材を有している。この場合には、外部か
ら調整可能な調整部材により第2付勢部材の付勢力を調
整すると、制動位置に保持された制動操作部材を押圧す
る押圧力が変化する。このため、制動操作部材による制
動力を外部から簡単に調整できる。
【0013】発明6に係るスピニングリールのロータ制
動装置は、発明5に記載の装置において、調整部材は、
操作部材に螺合して軸方向に移動するネジ部と、ネジ部
の一端に操作部材から露出して設けられネジ部とともに
回転可能な操作部と、ネジ部の他端に設けられ第2付勢
部材の一端が係止された係止部とを有する。この場合に
は、操作部を回転させるとネジ部により調整部材が操作
部材に対して進退し、その先端に係止された第2付勢部
材の付勢力を変更できる。これにより、ねじを用いた簡
単な構成で制動力の調整が可能になる。
【0014】発明7に係るスピニングリールのロータ制
動装置は、発明3に記載の装置において、押圧機構は、
操作部材と接離する方向にリール本体に移動自在に装着
され先端が制動操作部材に当接する第2押圧部材と、操
作部材の揺動に応じて第2押圧部材を操作部材と接離す
る方向に移動させる移動機構とを有する。この場合に
は、操作部材を揺動させると第2押圧部材が操作部材と
接離する方向に移動して制動操作部材を押圧し、制動操
作部材を制動位置と離反位置との間で揺動させる。ここ
では、操作部材の揺動によって押圧部材を移動させて制
動操作部材の位置を切り換えているので、揺動途中の移
動位置で制動力の調整を行え、制動操作部材の切換と制
動力の調整とをひとつの操作部材で行える。
【0015】発明8に係るスピニングリールのロータ制
動装置は、発明7に記載の装置において、移動機構は、
操作部材と第2押圧部材との間に配置されリール本体に
操作部材と接離する方向に移動自在に装着された移動部
材と、操作部材と移動部材との間に配置され、操作部材
の一方向の揺動に応じて移動部材を操作部材から離反す
る方向に移動させる第2カム機構と、第2押圧部材と移
動部材との間に配置され第2押圧部材を第1付勢部材の
付勢力に抗して押圧可能な第3付勢部材とを有し、操作
部材の一方向の揺動に応じて操作部材と離反する方向に
移動部材が移動することにより第3付勢部材の第1押圧
力が第1付勢部材による第2押圧力より小さい状態から
大きい状態に変化する。
【0016】この場合には、操作部材を一方向に揺動操
作すると、第2カム機構によって移動部材が離反する方
向に移動し、第2押圧部材を押圧する第3付勢部材によ
る第1押圧力が第2押圧力より小さい状態から大きい状
態に変化する。第1押圧力が小さい状態では、制動操作
部材は、第2押圧力により離反位置側に押圧されるが、
第1押圧力が大きい状態になると、第2押圧力にうち勝
って第2押圧部材が制動操作部材を押圧して制動位置側
に移動させる。ここでは、操作部材の揺動操作によって
第3付勢部材の第1押圧力を第2押圧力に対して小さい
状態から大きい状態に変化させることにより、制動操作
部材の位置の切換及び保持を行っているので、第2押圧
力より大きい状態の第1押圧力を調整することにより、
1つの操作部材によって制動操作部材の切換保持と、保
持時の制動力の調整とを行える。
【0017】発明9に係るスピニングリールのロータ制
動装置は、発明7又は8に記載の装置において、制動力
調整手段は、操作部材を所定範囲内の揺動の間で複数の
位置で位置決めする位置決め手段を有する。この場合に
は、操作部材の揺動位置を位置決めすることにより、移
動機構の位置決めを行っているので、位置決め構造が容
易である。
【0018】発明10に係るスピニングリールのロータ
制動装置は、発明8に記載の装置において、制動力調整
手段は、操作部材の揺動に応じて変化する第1押圧力が
第2押圧力より大きい状態で第1押圧力を複数段階で調
整可能な調整機構を有している。この場合には、第2押
圧力より大きい状態の第1押圧力を複数段階で調整可能
であるので、1つの操作部材によって制動操作部材の切
換保持と、保持時の制動力の調整とを行える。
【0019】発明11に係るスピニングリールのロータ
制動装置は、発明10に記載の装置において、調整機構
は、操作部材の所定範囲内の揺動の間に移動部材を複数
の位置で位置決めする位置決め手段を有する。この場合
には、移動部材を複数の位置で位置決めすることによ
り、第3付勢部材の第1押圧力を変化させて保持時の制
動力を調整することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕 〔全体構成〕図1に示す本発明の一実施形態によるスピ
ニングリールは、ハンドル1を備えたリール本体2と、
リール本体2の前部に回転自在に支持されたロータ3
と、ロータ3の前部に配置され釣り糸を巻き取るスプー
ル4とを備えている。
【0021】リール本体2はボディ2aを有しており、
その上部にはスピニングリールを釣り竿に取り付けるた
めの取付部2bが形成されている。取付部2bの上面は
釣り竿に密着する取付面2cとなっている。ボディ2a
の内部には、ロータ3を回転させるためのロータ駆動機
構5と、ロータ3を制動するためのロータ制動機構6
と、スプール4を回転軸芯Xに沿って前後方向に移動さ
せてスプール4に釣り糸を均一に巻き取るためのオシレ
ーティング機構7とが設けられている。
【0022】ロータ3は、円筒部3aと、円筒部3aの
側方に互いに対向して設けられた第1アーム部3b及び
第2アーム部3cとを有している。円筒部3aの前壁3
dの中央部には貫通孔3eを有するボス部3fが形成さ
れている。この貫通孔3eにスプール軸8及びピニオン
ギヤ12(後述)が貫通している。第1アーム部3bの
先端と第2アーム部3cの先端部との間には、揺動自在
にベールアーム9が設けられている。
【0023】スプール4は、ロータ3の第1アーム部3
bと第2アーム部3cとの間に配置されており、スプー
ル軸8の先端にドラグ機構(図示せず)を介して装着さ
れている。スプール4は、外周に釣り糸が巻かれる糸巻
き胴部4aと、糸巻き胴部4aの後部に一体成形された
スカート部4bと、糸巻き胴部4aの前端に固定された
フランジ部4cとを有している。スプール軸8は、オシ
レーティング機構7により前後方向に移動可能である。
【0024】ロータ駆動機構5は、ハンドル1が固定さ
れたハンドル軸10とともに回転するマスターギヤ11
と、このマスターギヤ11に噛み合うピニオンギヤ12
とを有している。ハンドル軸10は、リール本体2に回
転自在に支持されている。ピニオンギヤ12は筒状に形
成されており、その前部12aはロータ3中心部を貫通
してスプール4側に延びている。
【0025】〔ロータ制動機構の構成〕ロータ制動機構
6は、ロータの逆転を制動する制動部20と、ボディ2
aに揺動自在に装着され、制動部20を制動操作するた
めの制動レバー21と、制動レバー21を制動位置に保
持する制動保持部22と、制動保持部22の保持力を調
整するための制動力調整部23とを有している。、制動
部20は、リール本体2に回転自在に支持され、ロータ
3の糸繰り出し方向の回転にのみ連動して回転する。制
動部20は、図1及び図2に示すように、制動レバー2
1の圧接により制動される制動部本体31と、制動部本
体31をロータ3の糸繰り出し方向の回転にのみ連動し
て回転させるワンウェイクラッチ32とを有している。
【0026】制動レバー21は、ボディ2aと取付部2
bとの境界部分において、ボディ2aに支持軸33によ
り回転自在に支持されており、かつコイルばね34によ
り矢印A方向(図1の反時計回り)に付勢されている。
制動レバー21は、支持軸33から湾曲して斜め上方に
延びる操作レバー部21aを有しており、支持軸33か
ら湾曲して斜め下方に延びる先端には、制動作用部21
bが設けられている。
【0027】制動部本体31は、図2及び図3に示すよ
うに、ロータ3の内周側にロータ3と同芯に配置された
制動円筒40と、制動円筒40を揺動自在かつ回動不能
に支持する回転円筒41と、ボディ2aに取り付けられ
た制動シュー42とを有している。制動円筒40は有底
円筒形状であり、その周部の先端の摺接部40aが制動
シュー42と制動レバー21の制動作用部21bとの間
に配置される。制動円筒40は、その中心部に内方に折
れ曲がった支持面40cを有している。支持面40c
は、円筒形状である。制動円筒40の底面40bには、
十字状の係合溝43が形成されている。この係合溝43
は支持面40cの端部まで延びている。
【0028】回転円筒41は、前端がワンウェイクラッ
チ32によってロータ3の糸繰り出し方向の回転には一
体で回転し、巻取時にはロータ3の回転力が作用しない
ように支持され、後端が軸受44によってボディ2aに
回転自在に支持されている。回転円筒41の中間部外周
には、支持面40cを支持するための自在継手部45が
設けられている。自在継手部45は、回転円筒41にね
じ込まれ外周面に球面の一部が形成された回転リング部
45aと、回転リング部45aの周面から十字状に外方
に突出する円柱状の4つの係合突起45bとを有してい
る。この係合突起45bが係合溝43に係合しかつ支持
面40cが回転リング部45aに支持されることで、制
動円筒40が回転円筒41に回転不能かつ揺動自在に支
持される。
【0029】回転リング部45aの両側には、図4に示
すように、1対のバネ受けリング46が接触して配置さ
れている。右側のバネ受けリング46と軸受44との間
及び左側のバネ受けリング46とワンウェイクラッチ3
2との間には、制動円筒40の先端を、制動シュー42
と制動レバー21の制動作用部21bとに接触しない所
定の姿勢に維持するための円錐コイルばね47が圧縮状
態で配置されている。
【0030】このように、制動円筒40が回転不能かつ
揺動自在に回転円筒41に支持されているので、制動レ
バー21により制動をかけたときには制動円筒40が図
2に2点鎖線で示す位置に傾く。しかし、制動円筒40
が回転円筒41に揺動自在に支持されているので制動時
に回転円筒41やピニオンギヤ12に曲げモーメントが
作用せずこれらがコゼにくくなり、ロータ3の回転に影
響を及ぼさず回転が重くなりにくい。
【0031】ワンウェイクラッチ32は外輪遊転型のも
のであり、図5に示すように、ロータ3の円筒部3aの
内周面に回転不能に連結された外輪50と、ロータ制動
機構6の回転円筒41の外周面に回転不能に連結された
内輪51と、外輪50と内輪51との間に配置された円
柱状の転動ローラ52と、転動ローラ52を付勢する与
圧バネ53とを有している。
【0032】外輪50は円筒リング形状であり、内輪5
1の外周には、丸みを帯びた鋸歯状の凹凸部51aが形
成されている。凹凸部51aは、傾斜がきつい第1傾斜
面51cと、それより傾斜がゆるい押圧面である第2傾
斜面51dとを有している。この第2傾斜面51dと外
輪50との間に転動ローラ52が挟まれると外輪50か
ら内輪51に回転力が伝達される。転動ローラ52の直
径は、凹凸部51aの凸部と外輪50の内周との隙間
(最小隙間)より大きく、凹凸部51aの凹部と外輪5
0の内周との隙間(最大隙間)より小さい。凹凸部51
aの両側部には転動ローラ52を案内するための案内壁
51bが形成されており、転動ローラ52は、案内壁5
1b間で凹部を移動可能である。なお、与圧バネ53
は、転動ローラ52を最小隙間方向に付勢するものであ
り、この実施形態では外輪遊転型のためそのバネ力をあ
まり強くする必要はない。
【0033】このワンウェイクラッチ32では、ロータ
3が図5に矢印で示す時計回り(糸繰り出し方向)に回
転すると、与圧バネ53により付勢された転動ローラ5
2が第2傾斜面51dを最小隙間方向に移動して外輪5
0に圧接し、ロータ3の回転力が外輪50、転動ローラ
52を介して内輪51に伝達されロータ3と回転円筒4
1とを一体回転させる。また、逆に反時計回り(糸巻取
方向)に回転すると転動ローラ52が与圧バネ53の付
勢力に抗して最大隙間方向に移動し、転動ローラ52が
外輪50から離脱して外輪50だけが空転し、ロータ3
の回転力は回転円筒41には伝達されない。ここでは、
外輪遊転型のワンウェイクラッチ32を用いたので、逆
転時に高速回転するほど転動ローラ52が遠心力により
外方に付勢され外輪50との圧接力が強まり、制動開始
時の動作が安定するとともに係合中に転動ローラ52が
外輪50から離脱しにくくなる。また、逆回転時に与圧
バネ53にその付勢力に抗する力が作用しないので、与
圧バネ53を強くする必要がない。このため、正転時の
回転が重くならない。
【0034】制動保持部22は、制動レバー21を図6
に示す離反位置と図7に示す制動位置との間で切換可能
でありかつ制動位置で制動レバー21を保持可能であ
る。制動保持部22は、制動操作部材を離反位置側に付
勢する前述したコイルばね34と、ボディ2aの後部に
所定範囲で揺動自在に装着されリール本体の外部から操
作可能な操作部材60と、操作部材の一方向の揺動に応
じてコイルばね34の付勢力に抗して制動レバー21を
離反位置から制動位置に向けて移動させるように進出し
他方の揺動に応じて後退する押圧機構24とを有してい
る。
【0035】押圧機構24は、操作部材60に揺動方向
に回転不能かつ軸方向に移動自在に装着され先端が制動
操作部材に当接する押圧部材61と、押圧部材61を操
作部材60と離反する方向に付勢する調整ばね62と、
調整ばね62により付勢され操作部材60とともに揺動
する押圧部材61をその揺動に応じて進退させるための
カム機構25とを有している。
【0036】操作部材60は、ボディ2aの後部に回動
自在に支持された棒状の軸部63aと、軸部63aの後
端部にねじ込み固定されたレバー部63bとを有してい
る。操作部材60はレバー部63bにより後方から見て
左45度(図6の位置)と右45度(図7の位置)との
間で90度揺動する。軸部63a軸芯部には調整穴63
cが形成されている。調整穴63cの後端側内周面に
は、雌ネジ部63dが形成されている。調整穴63cの
先端には、軸部63a径方向に貫通する長円溝63fが
形成されている。また、後端部外周面には、レバー部6
3bを装着するための雄ネジ部63eが形成されてい
る。操作部材60の軸部63aの先端には押圧部材61
との結合用のスプライン歯60aが形成されている。
【0037】押圧部材61は、先端に制動レバー21に
形成された当接面21cに当接可能な当接部61aを有
している。当接部61aは、ボディ2aに軸方向に移動
自在に支持されている。また、押圧部材61は、当接部
61aに連なる大径部61bを有している。大径部61
bの中心部には、操作部材60のスプライン歯60aに
係合するスプライン溝61cが形成されている。大径部
61bの外周面には、径方向に突出する円柱状のカム突
起61dが設けられている。このカム突起61dは、ボ
ディ2aに形成された傾斜カム66に沿って移動するよ
うに配置されている。このカム突起61dと傾斜カム6
6とによりカム機構25が構成され、カム突起61d
が、操作部材60の揺動および調整ばね62の付勢力に
より傾斜カム66にそって移動することで、押圧部材6
1が軸方向に進退する。
【0038】調整ばね62は、制動力調整部23と押圧
部材61との間で操作部材60の軸部63aの外周側に
圧縮状態で配置されている。調整ばね62は、押圧部材
61を進出する方向(図6左方)に付勢する。この調整
ばね62のばね力を制動力調整部23により調整するこ
とで、制動保持部22による制動レバー21の制動位置
での保持時の制動力を調整可能である。
【0039】制動力調整部23は、制動保持部22によ
る保持時の制動レバー21の圧接力の調整を外部から操
作可能なものである。制動力調整部23は、調整穴63
cに装着された調整部材64を有している。調整部材6
4は、操作部材60に螺合して軸方向に移動するネジ軸
64aと、ネジ軸64aの後端にレバー部63bの後端
部から露出して設けられ、ネジ軸64aとともに回転可
能な操作部64bと、ネジ軸の先端に当接する係止ピン
65とを有している。ネジ軸64aは、調整穴63cに
形成された雌ネジ部63dに螺合しており、操作部64
bの回動により軸方向に進退する。操作部64bは、ネ
ジ軸64aと一体形成されており、外部から手で操作可
能なダイヤル形状になっている。係止ピン65は、長円
溝63fに長手方向に移動自在に装着されており、図示
しない抜け止め手段により抜け止めされている。係止ピ
ン65の両端は操作部材60の軸部63aから径方向外
方に突出しており、ワッシャ状のばね受け62aを介し
て調整ばね62の後端に接触している。調整部材64に
より係止ピン65を軸方向に前後に移動させることで調
整ばね62のばね長さが変化しバネ強さ(押圧部材61
への付勢力)を調整できる。
【0040】〔リールの操作及び動作〕キャスティング
時には、ベールアーム9を糸開放姿勢側に倒し、釣り竿
を振り出すことにより、スプール4の外周に巻かれた釣
り糸が繰り出される。釣り糸巻き上げ時には、ベールア
ーム9を糸巻取姿勢に戻す。この状態でハンドル1を回
転させると、この回転力はハンドル軸10、マスターギ
ヤ11を介してピニオンギヤ12に伝達される。このピ
ニオンギヤ12に伝達された回転力は、ピニオンギヤ前
部12aを介してロータ3に伝達される。このとき、ロ
ータ3は、糸巻取方向に回転するので、この回転力は、
前述したようにワンウェイクラッチ32により回転円筒
41には伝達されない。また、ピニオンギヤ12が回転
すると図示しない中間ギヤによりその回転がオシレーテ
ィング機構7に伝達され、スプール軸が前後方向に往復
移動する。
【0041】ロータ3を逆転(糸繰り出し方向の回転)
させて魚とやりとりするときには、レバー部63bを左
45度に揺動させて制動解除状態にする。レバー部63
bを右45度から左45に揺動すると、カム突起61d
が傾斜カム66に沿って後退し、押圧部材61が後退す
る。そして、制動レバー21がコイルばね34によって
離反位置まで復帰する。この状態で制動レバー21を操
作し魚とのやりとりを行う。釣り糸が魚により引かれて
ロータ3が逆転すると、前述したように、その回転力が
ワンウェイクラッチ32を介して回転円筒41に伝達さ
れ、さらに自在継手部45を介して制動円筒40に伝達
され、制動円筒40がロータ3と一体で回転する。そし
て、制動レバー21を図1の矢印Aと逆方向に揺動操作
すると、制動作用部21bが制動円筒40の摺接部40
aを押圧し、制動円筒40を図2に2点鎖線で示す位置
に傾け、摺接部40aを制動シュー42に圧接する。こ
の結果、逆転するロータ3に制動力が作用する。この制
動レバー21に加える力を加減することで制動力を調整
してロータ3の逆転量を任意に調整できる。また、この
とき、制動円筒40が回転円筒41に自在継手部45に
より揺動自在に支持されているので、ピニオンギヤ12
にそれをコゼようとする力が作用せず、ロータ3の回転
が重くなることがない。また、外輪遊転型のワンウェイ
クラッチ32を用いているので、ロータ3の回転が逆転
して高速回転しても、高速回転するほど転動ローラ52
と外輪50との圧接力が強まり、制動開始時の動作が安
定する。
【0042】釣り場を移動するときやリールを収納する
ときには、レバー部63bを左45度から右45度に揺
動させて、制動保持部22を前進させる。レバー部63
bを揺動すると、軸部63aが回動しスプライン結合さ
れた押圧部材61も回動する。押圧部材61が回動する
と、その大径部61bの外周面に設けられたカム突起6
1dが傾斜カム66に沿って前方に移動し、押圧部材6
1が前進して当接部61aの先端が制動レバー21の当
接面21cに当接して制動レバー21を制動位置に押圧
する。制動レバー21が制動位置に配置されると、前述
した制動時の動作と同様にして制動円筒40が制動され
る。レバー部63bを右45度に位置すると押圧部材6
1は、進出状態に維持され制動レバー21も制動位置に
保持される。この時の制動力は、操作部64bを手でつ
まんで回動させ、調整部材64のねじ込み位置を変更し
て調整ばね62の付勢力を調整することで任意に変更で
きる。ここでは、レバー部63bを右45度に配置した
状態で魚がかかってもロータ3が完全にロックしないの
で、釣り糸に無理な力が作用しない。
【0043】〔実施形態2〕前述した実施形態1に代え
て、図8に示すような構成の制動保持部22aでもよ
い。この制動保持部22aは、ボディ2aの後端にスプ
ール軸8と平行に配置され、回転自在に支持された操作
部材70と、操作部材70の先端に回転不能かつ軸方向
に移動自在にスプライン結合された傾斜カム71と、操
作部材70と偏芯して配置され、ボディ2aに移動自在
に支持された押圧部材72とを有している。操作部材7
0の軸部73a後端にはレバー部73bが回転不能に取
り付けられており、操作部材70はレバー部73bの操
作により右45度と左45度(図8の位置)との間で9
0度揺動する。操作部材70の軸芯部には、制動力調整
部23の調整部材74がねじ込まれている。調整部材7
4は、ネジ軸74aと操作部74bとを有し、調整部材
74のネジ軸74aの先端は傾斜カム71の内部に当接
している。傾斜カム71は円柱状の部材であり、その先
端部には傾斜面71aと平坦面71bとが形成されてい
る。押圧部材72の後端部は、制動レバー21に付勢さ
れて常に傾斜面71a又は平坦面71bに当接してい
る。また、押圧部材72の後端部には抜け止め用のフラ
ンジ75が装着されている。この実施形態では、調整部
材74のネジ込み量により押圧部材72の進出位置を任
意に調整でき、これにより、制動レバー21の保持時の
押圧力を調整できる。
【0044】この制動保持部22aでは、レバー部73
bを左45度から右45度に揺動させて、制動保持部2
2aを前進させる。レバー部73bを揺動させると、操
作部材60が回動スプライン結合された傾斜カム71も
揺動する。傾斜カム71が揺動すると、傾斜面71aに
当接した押圧部材72が揺動に連れて前進し、その先端
が制動レバー21の当接面21cを押圧し、制動レバー
21を制動位置に揺動させる。制動レバー21を制動位
置に揺動すると、前述した制動時の動作と同様にして制
動円筒40が制動される。レバー部73bを右45度に
位置すると、押圧部材72は傾斜カム71の平坦面71
bに当接して進出状態に維持され制動レバー21も制動
位置に保持される。このときの制動位置は、調整部材7
4のねじ込み量により任意に変更できる。
【0045】逆にレバー部73bを右45度から左45
度に揺動すると、制動レバー21が図示しない付勢部材
によって離反位置まで復帰し、押圧部材72が傾斜カム
71に沿って後退する。この実施形態でも前述した実施
形態1と同様な効果が得られる。 〔実施形態3〕前記実施形態1及び2では、ネジにより
調整ばねの付勢力を調整するとともに、カム機構により
押圧部材を進退させたが、実施形態3では、カム機構に
より調整ばねの付勢力を調整しかつ押圧部材を進退させ
る。なお、実施形態3において、実施形態1及び2と同
一又は同等の部材については、同一の符号を記してい
る。また、以下の説明では、構成が大きく異なるロータ
制動機構6の説明のみを行う。
【0046】図9において、実施形態3によるロータ制
動機構6は、ロータ3の円筒部3aの内部に配置された
制動部20と、制動部20を制動操作するための制動レ
バー21と、制動レバー21を制動位置で保持するため
の制動保持部22と、制動保持部22の制動位置での圧
接力を調整するための制動力調整部23とを有してい
る。
【0047】制動部20は、図10に示すように、制動
レバー21により制動される制動部本体31と、制動部
本体31をロータ3の糸繰り出し方向の回転にのみ連動
して回転させるワンウェイクラッチ32とを有してい
る。制動レバー21は、図9に示すように、ボディ2a
と取付部2bとの境界部分において、ボディ2aに支持
軸33により回転自在に支持されており、かつコイルば
ね34により図9の反時計回りに付勢されている。制動
レバー21は、支持軸33から湾曲して取付部2cに沿
って延びる操作レバー部21aを有しており、支持軸3
3から湾曲して斜め下方に延びる先端には、制動作用部
21bが設けられている。また、操作レバー部21aの
途中から前方に延びる押圧操作部21dを有している。
押圧操作部21dは、合成樹脂製であり、ロータ3の回
転から指を守るカバー部としての機能も有しており、そ
の先端は、ベールアーム9より先端側に延びている。
【0048】制動部本体31は、図10に示すように、
ロータ3の内周側にロータ3と同芯に配置された制動円
筒40と、制動円筒40を揺動自在かつ回動不能に支持
する回転円筒41と、ボディ2aに取り付けられた制動
シュー42とを有している。制動円筒40は薄肉の有底
円筒形状の金属製円筒であり、その周部の先端の摺接部
40aが制動シュー42と制動レバー21の制動作用部
21bとの間に配置される。
【0049】回転円筒41は、大径部41aと小径部4
1bとを有する段付きの金属製円筒部材であり、大径部
41aに制動円筒40の内周部に噛み合う外歯部41c
が形成されている。この外歯部41cにワンウェイクラ
ッチ32及び制動円筒40が回転不能に係止されてい
る。大径部41aの内側には、ピニオンギア12との間
に軸受48が配置されている。小径部の外側にはボディ
2aとの間に軸受44が配置されている。このため、回
転円筒41は、前部が軸受48によりピニオンギア12
に回転自在に支持され、後部が軸受44によりボディ2
aに回転自在に支持されている。また、回転円筒41
は、ワンウェイクラッチ32によりロータ3の糸繰り出
し方向の回転には一体で回転し、巻き取り時にはロータ
3の回転力が作用しないようにロータ3に連結されてい
る。
【0050】制動円筒40とワンウェイクラッチ32と
の間には傾動した制動円筒40を元の姿勢に戻すための
円錐コイルばね47が配置されている。また、制動円筒
40と軸受44との間には制動円筒40を位置決めする
ためのフランジ49が嵌め込まれている。制動シュー4
2は、ボディ2aの先端に制動円筒40を外側から覆う
ようにボディ2aと一体で形成された円筒形状のドラム
部2dに着脱自在に装着されている。制動シュー42
は、ドラム部2dの制動レバー21の制動作用部21b
に対向する位置に装着されている。
【0051】ワンウェイクラッチ32は外輪遊転型のも
のであり、ロータ3の円筒部3aの内周面に回転不能に
外輪が連結され、内輪が回転円筒41に回転不能に連結
されている。制動保持部22は、前述したコイルばね3
4と、ボディ2aの後部に所定範囲で揺動自在に装着さ
れボディ2aの外部から操作可能な操作部材60と、操
作部材60の一方向の揺動に応じてコイルばね34の付
勢力に抗して制動レバー21を離反位置から制動位置に
向けて移動させるように進出し他方の揺動に応じて後退
する押圧機構24とを有している。
【0052】操作部材60は、ボディ2aの後部に回動
自在に支持された棒状の軸部63aと、軸部63aの後
端部に一体形成されたレバー部63bとを有している。
操作部材60はレバー部63bの操作により後方から見
て左45度(図11の位置)と右45度(図12の位
置)との間で90度揺動する。押圧機構24は、操作部
材60と接離する方向にリール本体に移動自在に装着さ
れ、先端が前記制動操作部材に当接する押圧部材80
と、操作部材60の揺動に応じて押圧部材80を操作部
材と接離する方向に移動させる移動機構81とを有して
いる。
【0053】押圧部材80は、棒状の部材であり、ボデ
ィ2aに支持され先端が制動レバー21の当接面21c
に当接する当接部80aと、当接部80aの後部に一体
形成された鍔部80bと、鍔部80bの後部から後方に
延びるガイド部80cとを有している。移動機構81
は、操作部材60と押圧部材80との間に配置された移
動部材82と、移動部材82と操作部材60との間に配
置されたカム機構83と、押圧部材80と移動部材82
との間に配置された調整ばね84とを有している。移動
部材82は、ボディ2aに回転不能かつスプール軸8に
沿う軸方向に操作部材60と接離自在に装着されてい
る。移動部材82の軸芯にはガイド穴82aが形成され
ており、ガイド穴82aに押圧部材80のガイド部80
cが軸方向移動自在に案内されている。移動部材82の
後端面には、操作部材60の軸部63aに挿入されるガ
イド部82bが突出して形成されている。カム機構83
は、操作部材60の右45度から左45度の方向の揺動
に応じて移動部材82を操作部材60から離反する方向
に移動させる機構である。カム機構83は、操作部材6
0の軸部63aの先端に山形に突出して形成されたカム
突起83aと、移動部材82のガイド部82bが突出す
る後端面に山形に凹んで形成されたカム凹部83bとを
有している。調整ばね84は、押圧部材80をコイルば
ね34の付勢力に抗して押圧可能なコイルばねであり、
ガイド部80cの外周側に押圧部材80の鍔部80bと
移動部材82の先端部との間に両者に当接して圧縮状態
で配置されている。
【0054】この押圧機構24では、操作部材60の左
45度から右45の方向の揺動に応じて操作部材60と
離反する方向に移動部材82が移動することにより調整
ばね84が圧縮し、その第1押圧力がコイルばね34に
よる第2押圧力より小さい状態から大きい状態に変化す
る。これにより、制動レバー21の揺動位置が図12に
示す離反位置から図11に示す制動位置に切り換えられ
る。
【0055】制動力調整部23は、操作部材60を90
度の揺動範囲内で複数の位置で位置決めする位置決め機
構85を有している。位置決め機構85は、ボディ2a
の操作部材60装着部分の周囲に揺動方向に間隔を隔て
て形成された凹穴86と、凹穴86に向けて進退するよ
うにレバー部63bに収納された位置決めピン87と、
位置決めピン87を凹穴86側に付勢するコイルばね8
8とを有している。位置決めピン87は、操作部材60
のレバー部63bの軸部63aとの境界部分の端面に形
成された凹穴に進退自在に収納されている。位置決めピ
ン87は、軸方向の中間部に大径の鍔部87aを有して
おり、コイルばね88は、位置決めピン87の鍔部87
aと凹穴の底部とに当接して圧縮状態で配置されてい
る。
【0056】このような構成の制動力調整部23では、
レバー部63bを操作して操作部材60を左45度から
右45度の方向に揺動させると、移動部材82が前進
し、調整ばね84が圧縮し、圧縮により生じる第1押圧
力がコイルばね34による第2押圧力より大きくなった
時点で調整ばね84を介して押圧部材80が前進する。
これにより制動レバー21が制動位置に揺動する。制動
位置に揺動すると、押圧部材80はそれ以上移動しな
い。そして、さらに操作部材60が揺動すると、調整ば
ね84がさらに圧縮されて第1押圧力が大きくなり、制
動レバー21が摺接部40aに圧接する力、つまり制動
力が大きくなる。そして、操作部材60が左45度の位
置に揺動すると、制動力が最大になる。そしてその間に
操作部材60を位置決め機構85により位置決めするこ
とにより、制動位置での制動力を調整できる。この実施
形態3では、制動力の調整と制動レバーの位置の切換及
び保持とをひとつの操作部材60でできるので制動操作
が容易になる。
【0057】また、押圧部材80を調整ばね84を介し
て押圧しているので、操作部材60を左45度位置に配
置しても、制動レバー21の押圧操作部21dにより制
動レバー21を押圧操作すると、制動レバー21を離反
位置に移動させることができる。このため、ロータ3を
僅かの間だけ自由回転状態にしたいときに便利である。
【0058】〔他の実施形態〕(a)前記実施形態で
は、カム機構により押圧部材や移動部材を進退させた
が、ネジ機構やその他の揺動運動を直線運動に変換する
機構を用いてもよい。(b)前記実施形態3では、操作
部材の位置決め機構にピンを用いたが、位置決め機構は
ピン方式に限定されず、セレーションや放射状の溝など
による凹凸構造の位置決め機構や位置決め爪などの種々
の位置決め機構を採用してもよい。また、操作部材を位
置決めせずに、カム機構で位置決めしてもよい。さらに
押圧部材や移動部材で位置決めしてもよい。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、制動保持手段により制
動位置に保持された制動操作部材の圧接力の調整を外部
から操作可能であるので、工具を用いることなく圧接力
を調整できる。このため、制動位置に保持された制動操
作部材による制動力を容易に調整できる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用したスピニングリー
ルの一部破断側面図。
【図2】制動部の要部拡大断面図。
【図3】制動部本体の一部破断斜視図。
【図4】継手部の拡大断面図。
【図5】ワンウェイクラッチの一部断面図。
【図6】制動保持部の要部拡大断面図。
【図7】制動保持部の動作を説明する要部拡大断面図。
【図8】実施形態2の図7に相当する図。
【図9】実施形態3の図1に相当する図。
【図10】実施形態3のロータ制動機構の要部拡大断面
図。
【図11】実施形態3の図7に相当する図。
【図12】実施形態3の図6に相当する図。
【符号の説明】
1 ハンドル 3 ロータ 6 ロータ制動機構 20 制動部 21 制動レバー 22 制動保持部 23 制動力調整部 24 押圧機構 25,83 カム機構 34 コイルばね(第1付勢部材) 60,70 操作部材 61,72,80 押圧部材 62,84 調整ばね 64 調整部材 64a ネジ軸 64b 操作部 81 移動機構 82 移動部材 85 位置決め機構

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リール本体に回転自在に支持されたロータ
    の糸繰り出し方向の回転を制動するスピニングリールの
    ロータ制動装置であって、 前記リール本体に回転自在に支持され、前記ロータの糸
    繰り出し方向の回転にのみ連動して回転する制動部と、 前記リール本体に移動自在に装着され前記制動部に圧接
    して前記制動部を制動可能な制動操作部材と、 前記制動部に圧接する制動位置と前記制動部から離反す
    る離反位置とに前記制動操作部材を切換可能でありかつ
    前記制動位置で保持可能な制動保持手段と、 前記制動保持手段による保持時の前記制動操作部材の圧
    接力の調整を外部から操作可能な制動力調整手段と、を
    備えたスピニングリールのロータ制動装置。
  2. 【請求項2】前記制動操作部材は、前記リール本体に揺
    動自在に装着されている、請求項1に記載のスピニング
    リールのロータ制動装置。
  3. 【請求項3】前記制動保持手段は、前記制動操作部材を
    前記離反位置側に付勢する第1付勢部材と、前記リール
    本体に所定範囲で揺動自在に装着され前記リール本体の
    外部から操作可能な操作部材と、前記操作部材の一方向
    の揺動に応じて前記第1付勢部材の付勢力に抗して前記
    制動操作部材を前記離反位置から前記制動位置に向けて
    移動させるように進出し他方の揺動に応じて後退する押
    圧機構とを有する、請求項1又は2に記載のスピニング
    リールのロータ制動装置。
  4. 【請求項4】前記押圧機構は、前記操作部材に揺動方向
    に回転不能かつ軸方向に移動自在に装着され先端が前記
    制動操作部材に当接する第1押圧部材と、前記第1押圧
    部材を前記操作部材と離反する方向に付勢する第2付勢
    部材と、前記第2付勢部材により付勢され前記操作部材
    とともに揺動する前記第1押圧部材をその揺動に応じて
    進退させるための第1カム機構とを有する、請求項3に
    記載のスピニングリールのロータ制動装置。
  5. 【請求項5】前記制動力調整手段は、前記第2付勢部材
    の付勢力を前記リール本体の外部から調整可能な調整部
    材を有している、請求項4に記載のスピニングリールの
    ロータ制動装置。
  6. 【請求項6】前記調整部材は、前記操作部材に螺合して
    前記軸方向に移動するネジ部と、前記ネジ部の一端に前
    記操作部材から露出して設けられ前記ネジ部とともに回
    転可能な操作部と、前記ネジ部の他端に設けられ前記第
    2付勢部材の一端が係止された係止部とを有する、請求
    項5に記載のスピニングリールのロータ制動装置。
  7. 【請求項7】前記押圧機構は、前記操作部材と接離する
    方向に前記リール本体に移動自在に装着され先端が前記
    制動操作部材に当接する第2押圧部材と、前記操作部材
    の揺動に応じて前記第2押圧部材を前記操作部材と接離
    する方向に移動させる移動機構とを有する、請求項3に
    記載のスピニングリールのロータ制動装置。
  8. 【請求項8】前記移動機構は、前記操作部材と前記第2
    押圧部材との間に配置され前記リール本体に前記操作部
    材と接離する方向に移動自在に装着された移動部材と、
    前記操作部材と前記移動部材との間に配置され、前記操
    作部材の一方向の揺動に応じて前記移動部材を前記操作
    部材から離反する方向に移動させる第2カム機構と、前
    記第2押圧部材と前記移動部材との間に配置され前記第
    2押圧部材を前記第1付勢部材の付勢力に抗して押圧可
    能な第3付勢部材とを有し、前記操作部材の前記一方向
    の揺動に応じて前記操作部材と離反する方向に前記移動
    部材が移動することにより前記第3付勢部材の第1押圧
    力が前記第1付勢部材による第2押圧力より小さい状態
    から大きい状態に変化する、請求項7に記載のスピニン
    グリールのロータ制動装置。
  9. 【請求項9】前記制動力調整手段は、前記操作部材を所
    定範囲内の揺動の間で複数の位置で位置決めする位置決
    め手段を有する、請求項7又は8に記載のスピニングリ
    ールのロータ制動装置。
  10. 【請求項10】前記制動力調整手段は、前記操作部材の
    揺動に応じて変化する前記第1押圧力が前記第2押圧力
    より大きい状態で前記第1押圧力を複数段階で調整可能
    な調整機構を有している、請求項8に記載のスピニング
    リールのロータ制動装置。
  11. 【請求項11】前記調整機構は、前記操作部材の所定範
    囲内の揺動の間に前記移動部材を複数の位置で位置決め
    する位置決め手段を有する、請求項10に記載のスピニ
    ングリールのロータ制動装置。
JP32077499A 1999-11-11 1999-11-11 スピニングリールのロータ制動装置 Pending JP2001136877A (ja)

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