JP2001135554A - 電気二重層キャパシタ並びに電極及びその製造方法 - Google Patents
電気二重層キャパシタ並びに電極及びその製造方法Info
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Abstract
もに、電流密度が増加しても静電容量低下を小さくする
ことができる電気二重層キャパシタ並びに電極及びその
製造方法を提供する。 【解決手段】 炭素粉末、導電材料及びバインダー等か
らなる粉末体と、該粉末体を担持する集電体と、を有す
る電気二重層キャパシタ用電極において、粉末体は、V
GCF(気相成長炭素繊維)を添加する。VGCFは、
直径が0.05μm〜0.1μmで、そして、長さが5
μm〜20μmである。
Description
シタ並びに電極及びその製造方法であり、特に添加物に
特徴を有する炭素粉末を使用する電気二重層キャパシタ
並びに電極及びその製造方法に関する。
性炭と電解液の界面にできる電気二重層の静電容量を利
用した電気二重層キャパシタが知られている。耐電圧、
最高使用温度は、電解液の分解電圧・温度に依存してお
り、定格電圧は数Vと低いが、ファラッドオーダの静電
容量が容易に得られることから、電池の代わりとして半
導体メモリ(D−RAM)のバックアップ用等の低電流
密度の用途に多く用いられるようになっており、最近で
は、もっと電流密度の高い用途、例えば車載鉛蓄電池の
代わり、にも使用することが研究されている。
従来、活性炭素粉末を焼結固形化やテフロンバインダー
で複合化して製造していた。また、電気二重層キャパシ
タ用電極に添加物を混合することが提案されており、活
性炭素繊維を使用するものは、特開昭63−22601
9号公報、同様に気相成長炭素繊維(VGCF)を使用
するものは、特開平9−171946号公報、特開平1
1−121301号公報などが知られている。
野において、炭素粉末にVGCFを混合することについ
ては、十分な検討がなされておらず、0.5重量%程度
を炭化前に添加することや、集電極表面に擦り込む又は
電極表面に塗布すること等が知られているが、電気二重
層キャパシタ用電極に積極的に添加することについて
は、研究されていなかった。
加による効果改善について、リチウム電池の分野では実
証済みであり、熱伝導を活かした放熱性改善が知られて
いる。通常、熱伝導は工業的には金属の銅が最良とされ
ている。この銅材料の特性は、400W/m・K(ワッ
ト/メートル・ケルビン)である。一方、VGCFは、
異方性を持っており、そして、その形状結晶性から熱伝
導が非常によい。そのため、方向性を無視して等方的に
分散させたものでも、約800〜1000W/m・Kの
特性を持つ。これは上記銅の2〜2.5倍以上の特性で
ある。これを電極内部に分散させたり、集電材料に接触
させたりすることで、電極内部に発生するジュール熱を
容易に金属集電材料に伝えることが出来る。これにより
局部的な発熱を押さえることが出来、電解液の劣化が防
止できる。この事は添加していないものと比較して、充
放電による発熱改善、及び特性寿命の延命(約2倍)が
行える。
問題を解決するものであり、電極シートの強度及び導電
性を改善するとともに、電流密度が増加しても静電容量
低下を小さくすることができる電気二重層キャパシタ並
びに電極及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
電材料及びバインダー等からなる粉末体と、該粉末体を
担持する集電体と、を有する電気二重層キャパシタ用電
極において、前記粉末体は、VGCFを添加する電気二
重層キャパシタ用電極である。
0.05μm〜0.1μmで、そして、長さが5μm〜
20μmである電気二重層キャパシタ用電極である。
とVGCFの長さとの比は、1対1〜3対1である電気
二重層キャパシタ用電極である。
は、粉末体に対し1重量%〜30重量%である電気二重
層キャパシタ用電極である。
バインダー等からなる粉末体と該粉末体を担持する集電
体とを有する電極と、電解液と、セパレータと、を備え
る電気二重層キャパシタにおいて、前記電極の粉末体
は、VGCFを添加する電気二重層キャパシタである。
びバインダー等を混合した粉末体とし、該粉末体を集電
体に担持させて電気二重層キャパシタ用電極を製造する
方法において、前記粉末体にVGCFを添加し、そし
て、ロール圧延してシート化する電気二重層キャパシタ
用電極の製造方法である。
0.05μm〜0.1μmで、そして、長さが5μm〜
20μmである電気二重層キャパシタ用電極の製造方法
である。
VGCFの長さとの比は、1対1〜3対1である電気二
重層キャパシタ用電極の製造方法である。
は、1重量%〜30重量%である電気二重層キャパシタ
用電極の製造方法である。
する。本発明の電気二重層キャパシタ並びに電極及びそ
の製造方法の実施例について説明する。
層キャパシタ用電極は、活性炭100に対してカーボン
ブラック12及びテフロンバインダー10を添加して混
練して粉末体とし、これをロール圧延してシート化して
電極とする。活性炭は、素材によって抵抗値等に方向性
が出るので、ここで用いたピッチ系の活性炭は、比表面
積約1500m2/gに調整され、比重約0.4、粒子
径15μmである。そして、活性炭にVGCF(気相成
長繊維)を添加する。用いるVGCFはアスペクト比が
100以上あるものである。直径は約0.05〜0.1
μmであり、そして、長さは5〜20μm程度である。
添加量は、粉末体に対し1重量%〜30重量%、特に2
重量%〜20重量%が好ましい。
おける電極シートの強度改善について、説明する。VG
CFの添加により、集電電極であるアルミ箔との接触が
改善され、そして、炭素粉末間の導電性を良好とするこ
とができる。以下、具体的に説明する。使用した電極の
シート厚さは、0.3mmであり、そして、VGCF2
重量%をカーボンブラックに置換えて添加した。電極シ
ートの強度改善についての特性は、以下の通りである。 ・VGCF添加有:20g/mm2 ・VGCF添加無:15g/mm2 このように、VGCFを添加することにより、添加無よ
り約33%改善されているのがわかる。
用電極における電極シートの導電性の改善について、説
明する。VGCFを添加すると、以下に示すように、添
加無より約22%低下させることができる。 ・VGCF添加有:3.5Ωcm ・VGCF添加無:4.5Ωcm
おける活性炭粒子径とVGCF添加の効果について、説
明する。各々の活性炭の粒子間は活性炭の粒度に左右さ
れる。したがって、ちょうど活性炭の間に橋渡しを行う
ことが適当になる粒子サイズが存在することになる。粒
子サイズを50%メジアンで、40、15、8μmとし
て、上記VGCF(長さ5〜20μm)を2重量%添加
置きかえで、各導電率を比較した。各シート厚さ0.3
mmである。得られた結果を以下に示す。 ・40μm:3.9Ωcm ・15μm:3.5Ωcm ・8μm:3.8Ωcm このように、繊維長さに対して約1〜3倍の粒子径が有
効に抵抗低減することが解った。
効果について、説明する。電気二重層キャパシタの電極
として、焼結固形化電極を使用すると、電極そのものの
オーミックな抵抗は低く、テフロンバインダーシート電
極の約10分の1になる。しかし、拡散抵抗分の増加が
激しく、使用電流密度が増加すると静電容量密度の低下
が顕著となる。したがって、テフロンバインダーシート
電極が活きてくるわけであるが、シート化によるオーミ
ック抵抗の改善が必要になる。厚さ0.3mmの電極の
静電容量特性を電流密度で比較する。電流密度2、1
0、20、50mA/cm2について、以下に示す。 *電流密度 2mA/cm2 10 20 50 ・VGCF添加有 テフロンバインダー シート電極 14F/cc 13 12 11 ・VGCF添加無 テフロンバインダー シート電極 14F/cc 12 10 8 ・焼結電極 15F/cc 10 8 2 以上の測定結果に示すように、VGCFを添加したテフ
ロンバインダーシート電極は、電流密度の増加しても、
静電容量の減少の程度が少なくなっていることがわか
る。これは、放電時のIRドロップが改善されたことを
意味している。
て、ボロン等のイオンドープ(0.5重量%)をして抵
抗成分を改善したものは、なお好ましい結果を得ること
ができる。これにより、充放電サイクル特性は改善され
る。
ァイバーとしての分散効果が発現する。具体的には、フ
ァイバー複合材料と同じように曲げ対応力が出てくるこ
とである。これにより、巻き上げて電極構成する時にフ
ァイバーによる巻き反力が生じ、セパレータの安定した
固定化が行える。
と、を備える電気二重層キャパシタにおける接触抵抗に
ついて、説明する。上記熱伝導及び低抵抗特性等を活か
すためには、キャパシタ構成部材のつなぎ部分における
接触抵抗の改善が好ましい。キャパシタの構成部材の接
触抵抗は、車などの低抵抗を望まれる部分では、充放電
特性に大きく影響する。そして、従来、集電材料にエッ
チングアルミ箔を用いていた。この集電材料とターミナ
ル金属(これもアルミニウム)をリードタブと呼ばれる
アルミ片でつなぐ。この時に、機械的にカシメや超音波
による接合等を行っている。しかし、アルミニウムの不
動体膜の破壊には限界があるようである。この部分にV
GCFが混在するように接合加工前に加工部位にVGC
Fを塗布するなどでコートする。VGCFは、ミクロに
は円柱状である、したがって接触部分に介在するとVG
CFは破壊することなく、押し付け力で不動体膜をVG
CFが破壊し、金属質とVGCFが直接接触することが
できる。VGCFは、炭素の構造で低抵抗方向が円柱の
周囲に存在するのでアルミ酸化膜に比べて非常に小さな
抵抗になる。具体的には、VGCFを混入させた電極を
集電アルミに接着もしくは密着させる。これに、電極製
造時にパルスなどの通電加熱で水分除去を行いながら、
VGCFを優先的に集電材と局部熔着させる。次に、先
ほどのリードタブを取り付ける部分の電極をスクレープ
するなどして取り除く。VGCFは集電材に熔着されて
いるために、活性炭とテフロンなどのバインダー成分の
みが除去される。ここに上記したようにタブ接合を行え
ばよい。VGCFと集電アルミの密着性が向上している
のは、ESRが低減していることからも明らかである。
導電性を改善するとともに、電流密度が増加しても静電
容量低下を小さくすることができる電気二重層キャパシ
タ並びに電極及びその製造方法を得ることができる。
Claims (9)
- 【請求項1】 炭素粉末、導電材料及びバインダー等か
らなる粉末体と、該粉末体を担持する集電体と、を有す
る電気二重層キャパシタ用電極において、 前記粉末体は、VGCFを添加することを特徴とする電
気二重層キャパシタ用電極。 - 【請求項2】 請求項1記載の電気二重層キャパシタ用
電極において、 上記VGCFは、直径が0.05μm〜0.1μmで、
そして、長さが5μm〜20μmであることを特徴とす
る電気二重層キャパシタ用電極。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の電気二重層キャ
パシタ用電極において、 上記炭素粉末の粒子径とVGCFの長さとの比は、1対
1〜3対1であることを特徴とする電気二重層キャパシ
タ用電極。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電
気二重層キャパシタ用電極において、 上記VGCFの添加量は、粉末体に対し1重量%〜30
重量%であることを特徴とする電気二重層キャパシタ用
電極。 - 【請求項5】 炭素粉末、導電材料及びバインダー等か
らなる粉末体と該粉末体を担持する集電体とを有する電
極と、電解液と、セパレータと、を備える電気二重層キ
ャパシタにおいて、 前記電極の粉末体は、VGCFを添加することを特徴と
する電気二重層キャパシタ。 - 【請求項6】 炭素粉末、導電材料及びバインダー等を
混合した粉末体とし、該粉末体を集電体に担持させて電
気二重層キャパシタ用電極を製造する方法において、 前記粉末体にVGCFを添加し、そして、ロール圧延し
てシート化することを特徴とする電気二重層キャパシタ
用電極の製造方法。 - 【請求項7】 請求項6記載の電気二重層キャパシタ用
電極の製造方法において、 上記VGCFは、直径が0.05μm〜0.1μmで、
そして、長さが5μm〜20μmであることを特徴とす
る電気二重層キャパシタ用電極の製造方法。 - 【請求項8】 請求項7記載の電気二重層キャパシタ用
電極の製造方法において、 上記炭素粉末の粒子径とVGCFの長さとの比は、1対
1〜3対1であることを特徴とする電気二重層キャパシ
タ用電極の製造方法。 - 【請求項9】 請求項6〜8のいずれか1項に記載の電
気二重層キャパシタ用電極の製造方法において、 上記VGCFの添加量は、1重量%〜30重量%である
ことを特徴とする電気二重層キャパシタ用電極の製造方
法。
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