JP2001133788A - 液晶表示装置用スペーサ及び液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置用スペーサ及び液晶表示装置

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JP2001133788A
JP2001133788A JP31266399A JP31266399A JP2001133788A JP 2001133788 A JP2001133788 A JP 2001133788A JP 31266399 A JP31266399 A JP 31266399A JP 31266399 A JP31266399 A JP 31266399A JP 2001133788 A JP2001133788 A JP 2001133788A
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和志 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶の配向を乱す等の液晶に悪影響を与える
ことなく、高品位な表示性能を有し、かつ、乾式散布性
に優れスペーサ凝集に起因する表示ムラのない液晶表示
装置用スペーサ及びその液晶表示装置用スペーサを用い
た液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 イソボルニル基、ノルボルニル基、t−
ブチルシクロヘキシル基及びアダマンチル基からなる群
より選択される少なくとも1種の置換基と、炭素数が1
0〜22の長鎖アルキル基とを微粒子の表面に有する液
晶表示装置用スペーサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置用ス
ペーサ及びその液晶表示装置用スペーサを用いた液晶表
示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、一般に配向層を形成し
た透明電極基板をスペーサを介して所定の間隙に対向配
置し、周辺をシール後、その間隙に液晶を注入し、注入
口を封止して製造される。
【0003】例えばTN(ツイステッドネマティック)
モードの液晶表示装置は、図1に示されるように、1対
の基板8、10とこの基板8と10との間に封入された
ネマティック液晶11と、基板8、10の周囲に充填さ
れたシール部材1と、基板8、10の表面に被覆された
偏光シート12、13とを構成材料とし、上記1対の基
板8、10間のギャップを一定に保持するために、基板
8、10間にはスペーサ9が配置されている。
【0004】上記基板8、10は、ガラス透明基板2、
5の片面にITO膜からなる透明電極3、6のパターン
を形成し、この透明電極3、6及び透明基板2、5の表
面にポリイミド膜等からなる配向制御膜4、7を被覆す
ることにより得られる。上記配向制御膜4、7にはラビ
ングによって配向制御処理が施される。この液晶表示装
置において、スペーサは2枚の基板の間隙を一定に保つ
ために用いられるが、このスペーサは、液晶中において
化学的に安定に、かつ、液晶の配向を乱すことなく存在
すること等が要求される。
【0005】しかしながら、上記スペーサを使用して作
製された液晶表示装置は、電気的な若しくは物理的な衝
撃等、又は、その他の事由により、スペーサの界面にお
いて、光抜けと呼ばれる液晶の配向異常が発生するとい
う問題点があった。このような異常配向が生じると、液
晶表示装置のコントラストを低下させ、表示品位を著し
く損なうことがある。
【0006】従来、上記配向異常を防止する方法として
は、スペーサ界面において、液晶分子に充分な垂直配向
性を持たせる方法が知られている。特開平6−1171
9号公報には架橋重合体微粒子の表面に長鎖アルキル基
を有するスペーサが提案されている。
【0007】上記方法では液晶分子に垂直配向性をもた
せることにより、STN(スーパーツイステッドネマテ
ィック)型液晶表示装置においては効果を示すが、TF
T液晶に代表されるTN型液晶表示装置やIPS型液晶
装置には効果が不充分であった。またハンマーで叩く等
の振動衝撃を与えると異常配向防止効果が弱いため液晶
の配向が乱れ、光抜けの増大等の不具合を生じた。
【0008】一方、液晶表示装置は通常、スペーサを基
板上に単粒子状に均一に散布し、この基板を用いて作製
される。しかし、一般に長鎖アルキル基を主体として構
成された分子鎖は、長鎖アルキル側鎖のために柔軟な骨
格の分子鎖となり、このような分子鎖をスペーサ表面に
形成した場合、表面層のガラス転移温度(Tg)が低い
ため、粘着性を有するスペーサとなる。この場合、その
粘着性のため凝集が生じやすく、単粒子状に均一に散布
されることが困難となり、これに起因する表示ムラが発
生する。更には散布機のノズルや配管中で詰まりを生じ
るといった問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、液晶の配向を乱す等の液晶に悪影響を与えることな
く、高品位な表示性能を有し、かつ、乾式散布性に優
れ、スペーサ凝集に起因する表示ムラのない液晶表示装
置用スペーサ及びその液晶表示装置用スペーサを用いた
液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、イソボルニル
基、ノルボルニル基、t−ブチルシクロヘキシル基及び
アダマンチル基からなる群より選択される少なくとも1
種の置換基と、炭素数が10〜22の長鎖アルキル基と
を微粒子の表面に有する液晶表示装置用スペーサであ
る。以下に、本発明を詳述する。
【0011】本発明の液晶表示装置用スペーサは、微粒
子の表面に、イソボルニル基、ノルボルニル基、t−ブ
チルシクロヘキシル基及びアダマンチル基からなる群よ
り選択される少なくとも1種の置換基と、炭素数が10
〜22の長鎖アルキル基とを有する。上記イソボルニル
基は、下記式(I)で表されるイソボルニル基を有する
ものであり、いずれかの水素が炭素数1〜4のアルキル
基に置換されていてもよい。
【0012】
【化1】
【0013】上記ノルボルニル基は、下記式(II)で
表されるノルボルニル基を有するものであり、いずれか
の水素が炭素数1〜4のアルキル基に置換されていても
よい。
【0014】
【化2】
【0015】上記t−ブチルシクロヘキシル基は、下記
式(III)を有するものであり、t−ブチル基の置換
位置はシクロヘキサン基の2〜4位のいずれであっても
よい。
【0016】
【化3】
【0017】上記アダマンチル基は、下記式(IV)で
表される1−アダマンチル基又は下記式(V)で表され
る2−アダマンチル基を有するものであり、いずれかの
水素が炭素数1〜4のアルキル基に置換されていてもよ
い。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】本発明の液晶表示装置用スペーサでは、炭
素数が10〜22の長鎖アルキル基は垂直配向性を有す
ることからスペーサ表面への液晶の異常配向防止に寄与
し、上記イソボルニル基、ノルボルニル基、t−ブチル
シクロヘキシル基及びアダマンチル基は、高Tgを付与
することにより微粒子の合着凝集を防止し乾式散布性を
向上させる。更にはイソボルニル基、ノルボルニル基、
t−ブチルシクロヘキシル基及びアダマンチル基からな
る群より選択される少なくとも1種の置換基と炭素数が
10〜22の長鎖アルキル基とを共存させることにより
異常配向防止性がより強くなり振動衝撃が加わっても異
常配向を生じにくくなる。この理由としては定かではな
いが、脂環基による立体効果のため液晶分子が長鎖アル
キル基の鎖間に配位しやすくなるためと推測される。
【0021】本発明の液晶表示装置用スペーサは、微粒
子の表面に、イソボルニル基、ノルボルニル基、t−ブ
チルシクロヘキシル基及びアダマンチル基からなる群よ
り選択される少なくとも1種の置換基と、炭素数が10
〜22の長鎖アルキル基とを導入して得られる。
【0022】本発明の液晶表示装置用スペーサの製造に
用いられる微粒子の材料としては特に限定されず、無機
材料であっても、有機材料であってもよい。上記無機材
料としては特に限定されず、例えば、珪酸ガラス、ホウ
珪酸ガラス、鉛ガラス、曹達石灰ガラス、アルミナ、ア
ルミナシリケート等が挙げられる。
【0023】しかし、微粒子の材料として無機材料を使
用する場合、液晶と熱膨張率が大きく異なるため温度変
化に追従しきれず低温発泡等の不良を生じることがあ
る。このため液晶と熱膨張率が大きく変わらない有機材
料を用いることが好ましい。
【0024】上記有機材料としては特に限定されない
が、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体の重合体
等が好適に用いられる。更に、微粒子は本発明の液晶表
示装置用スペーサのコア粒子として機能することから、
その機械的強度を考えれば、エチレン性不飽和基を有す
る重合性単量体を重合して得られる微粒子であって、そ
のエチレン性不飽和基を有する重合性単量体は、少なく
とも20重量%が、2個以上のエチレン性不飽和基を有
する重合性単量体であることが好ましい。
【0025】上記2個以上のエチレン性不飽和基を有す
る重合性単量体としては特に限定されず、例えば、テト
ラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テト
ラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラ
メチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロール
トリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリアリル
(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジ
ビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリ
ルアミド等が挙げられる。
【0026】上記微粒子は、上記2個以上のエチレン性
不飽和基を有する重合性単量体のみからなるものであっ
てもよく、2個以上のエチレン性不飽和基を有する重合
性単量体とその他のエチレン性不飽和基を有する重合性
単量体とを共重合して得られるものであってもよい。上
記その他の重合性単量体としては特に限定されず、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量
体、メチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレ
ート類等が挙げられる。上記2個以上のエチレン性不飽
和基を有する重合性単量体及びその他のエチレン性不飽
和基を有する重合性単量体は単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。
【0027】上記微粒子の重合方法としては特に限定さ
れず、例えば、エチレン性不飽和基を有する重合性単量
体をラジカル重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法
等、公知の方法を用いることができる。
【0028】微粒子は、平均粒径が0.1〜100μm
であることが好ましい。より好ましくは、1〜10μm
である。微粒子は無色透明でもよく、必要に応じて、適
当な手法により着色されていてもよい。
【0029】本発明の液晶表示装置用スペーサの製造方
法において、微粒子の表面に、イソボルニル基、ノルボ
ルニル基、t−ブチルシクロヘキシル基及びアダマンチ
ル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基
と、炭素数が10〜22の長鎖アルキル基とを含有させ
る方法としては特に限定されないが、例えば、上記微粒
子の表面にグラフト重合体からなる被覆層(以下、グラ
フト重合層という)を形成して置換基を導入する方法が
好適に用いられる。
【0030】上記グラフト重合層の形成に用いられる重
合性単量体としては、重合可能なエチレン性の不飽和基
を有し、かつ、イソボルニル基、ノルボルニル基、t−
ブチルシクロヘキシル基及びアダマンチル基からなる群
より選択される少なくとも1種の置換基又は炭素数が1
0〜22の長鎖アルキル基を少なくとも1つ分子中に含
有する単量体であれば使用可能である。
【0031】上記炭素数が10〜22の長鎖アルキル基
を有する重合性単量体としては特に限定されず、例え
ば、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)ア
クリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル
(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレ
ート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メ
タ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、ラウロキシポリプロピレ
ングリコール(メタ)アクリレート、ステアロキシポリ
プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ラウリル
ビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等が挙げら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。
【0032】上記イソボルニル基及び/又はノルボルニ
ル基を有する重合性単量体としては特に限定されず、例
えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニ
ル(メタ)アクリレート、イソボルニルビニルエーテル
等が挙げられる。
【0033】また、イソボルニル基及び/又はノルボル
ニル基を有する化合物と重合可能なエチレン性の不飽和
基を有する化合物とを反応結合させても、イソボルニル
基及び/又はノルボルニル基を有する重合性単量体が得
られる。上記イソボルニル基及び/又はノルボルニル基
を有する化合物及び重合可能なエチレン性の不飽和基を
有する化合物の組合せとしては、例えば、イソボルネオ
ール又はノルボルネオールと(メタ)アクリル酸クロラ
イド、イソボルニルアミン又はノルボルニルアミンとグ
リシジル(メタ)アクリレート、イソボルニルカルボン
酸クロライド又はノルボルニルカルボン酸クロライドと
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、イソボル
ニルイソシアネート又はノルボルニルイソシアネートと
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。
【0034】上記t−ブチルシクロヘキシル基を有する
重合性単量体としては特に限定されず、例えば、4−t
−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3−t
−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−t
−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブ
チルシクロヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。
【0035】また、t−ブチルシクロヘキシル基を有す
る化合物と重合可能なエチレン性の不飽和基を有する化
合物とを反応結合させても、t−ブチルシクロヘキシル
基を有する重合性単量体が得られる。上記t−ブチルシ
クロヘキシル基を有する化合物及び重合可能なエチレン
性の不飽和基を有する化合物の組合せとしては、例え
ば、t−ブチルシクロヘキサノールと(メタ)アクリル
酸クロライド、t−ブチルシクロヘキシルアミンとグリ
シジル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシ
ルカルボン酸クロライドと2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルイソシア
ネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等
が挙げられる。
【0036】上記アダマンチル基を有する重合性単量体
としては特に限定されず、例えば、1−アダマンチル
(メタ)アクリレート、2−アダマンチル(メタ)アク
リレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アク
リレート、1−アダマンチルビニルエーテル等が挙げら
れる。
【0037】また、特開平11−212265号公報に
開示されているように、アダマンチル基を有する化合物
と重合可能なエチレン性の不飽和基を有する化合物とを
反応結合させても、アダマンチル基を有する重合性単量
体が得られる。上記アダマンチル基を有する化合物及び
重合可能なエチレン性の不飽和基を有する化合物の組合
せとしては、例えば、1−(又は2−)アダマンタノー
ルと(メタ)アクリル酸クロライド、1−(又は2−)
アダマンチルアミンとグリシジル(メタ)アクリレー
ト、1−(又は2−)アダマンチルカルボン酸クロライ
ドと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−
(又は2−)アダマンチルイソシアネートと2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0038】上記イソボルニル基、ノルボルニル基、t
−ブチルシクロヘキシル基及びアダマンチル基からなる
群より選択される少なくとも1種の置換基を有する重合
性単量体は単独で用いてもよく、2種以上を併用しても
よい。
【0039】上記イソボルニル基、ノルボルニル基、t
−ブチルシクロヘキシル基及びアダマンチル基からなる
群より選択される少なくとも1種の置換基を有する重合
性単量体、又は、炭素数が10〜22の長鎖アルキル基
を有する重合性単量体の使用量としては、特に限定され
ず、本発明の液晶表示装置用スペーサの効果が発現され
る程度に使用すればよい。また、イソボルニル基、ノル
ボルニル基、t−ブチルシクロヘキシル基及びアダマン
チル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換
基、又は、炭素数が10〜22の長鎖アルキル基のいず
れも有さないその他の重合性単量体を、本発明の効果を
損なわない程度に使用して共重合してもよい。
【0040】上記その他の重合性単量体としては特に限
定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル
(メタ)アクリル酸エステル;トリフルオロエチル(メ
タ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メ
タ)アクリレート等のフッ素含有単量体;メトキシポリ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポ
リプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニル
フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト等のポリオキシアルキレン鎖を有する単量体;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエス
テル系単量体;エチルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル系単量体;マレイン酸エステル、イタコン酸エステル
等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0041】上記の各種重合性単量体を用いて、微粒子
の表面にグラフト重合層を形成させる方法としては特に
限定されないが、微粒子表面にグラフト重合層を形成で
きること、即ち、微粒子表面に官能基が存在することが
必要である。
【0042】上記官能基として微粒子表面に還元性基が
存在する場合は、酸化剤を反応させて微粒子表面にラジ
カルを発生させ、このラジカルを起点として上記の各種
重合性単量体を重合させグラフト重合層を形成する方法
が挙げられる。上記還元性基としては、例えば、水酸
基、チオール基、アミノ基、アルデヒド基、メルカプト
基等が挙げられる。
【0043】上記酸化剤としては、例えば、セリウム
塩、過硫酸塩、過酸化水素、ジメチルアニリン、過ヨウ
素酸塩、過マンガン酸塩、アルキルホウ素等が挙げられ
る。なかでも、セリウム塩が好適である。上記セリウム
塩としては4価であれば特に限定されず、例えば、硫酸
セリウム、硝酸セリウム、硫酸セリウムアンモニウム、
硝酸セリウムアンモニウム、ピロリン酸セリウムアンモ
ニウム、ヨウ化セリウム等が挙げられる。
【0044】表面に還元性基を有する上記微粒子を用い
て微粒子表面にグラフト重合層を形成する方法として
は、例えば、表面に還元性基を有する微粒子を溶媒中に
分散させ、これに上記の各種重合性単量体及び上記セリ
ウム塩を添加し重合反応を行う。このとき重合系の反応
速度を速めるために硝酸等の酸や塩を添加して、pHを
6以下に調整することができる。
【0045】微粒子表面にグラフト重合層を生成させる
別の方法として、例えば、微粒子表面の官能基と反応可
能であって、かつ、重合性の二重結合を有する化合物
を、微粒子表面の官能基と反応させて、表面に二重結合
を導入した微粒子を得た後、この微粒子を各種重合性単
量体の存在下で重合開始剤を作用させグラフト重合反応
を行う方法が挙げられる。
【0046】微粒子表面の官能基と重合性の二重結合を
有する化合物の官能基との組合せとしては特に限定され
ないが、例えば、水酸基、アミノ基等の活性水素を含有
する官能基とイソシアネート基、カルボン酸のハロゲン
化物、アルコキシル基、エポキシ基等の官能基の組合せ
等が挙げられる。なお、本発明の液晶表示装置用スペー
サの製造方法において、グラフト重合層の形成方法とし
ては、上述の方法に限定されるものではない。
【0047】また、微粒子の表面に官能基がない場合で
あっても、あらかじめ微粒子の表面に活性水素を有する
重合性単量体を共重合させ、この重合性単量体のグラフ
ト重合層を形成し、その後、活性水素と反応する官能基
を有し、かつ、イソボルニル基、ノルボルニル基、t−
ブチルシクロヘキシル基及びアダマンチル基からなる群
より選択される少なくとも1種の置換基又は炭素数が1
0〜22の長鎖アルキル基を有する化合物を反応させて
微粒子の表面に置換基を導入してもよい。
【0048】上記活性水素を有する重合性単量体として
は、重合可能なエチレン性の不飽和基と反応活性を有す
る水素原子とを有する単量体であれば特に限定されず、
例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、マレイン酸、フタル酸等のカルボキシル基を有する
単量体;ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、アリルアルコール等の水酸基を有する単量体;
グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有す
る単量体;(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルム
アミド、N−ビニルアセトアミド、N−イソプロピル
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド等のアミド基を有する単量体;ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、アリルアミン
等のアミノ基を有する単量体等が挙げられる。
【0049】上記活性水素と反応する官能基を有し、か
つ、イソボルニル基、ノルボルニル基、t−ブチルシク
ロヘキシル基及びアダマンチル基からなる群より選択さ
れる少なくとも1種の置換基又は炭素数が10〜22の
長鎖アルキル基を有する化合物としては特に限定され
ず、例えば、ラウロイルイソシアネート、ステアリルイ
ソシアネート、イソボルニルイソシアネート、ノルボル
ニルイソシアネート、t−ブチルシクロヘキシルイソシ
アネート、1−(又は2−)アダマンチルイソシアネー
ト等のイソシアネート類;ラウロイルクロライド、ステ
アロイルクロライド、イソボルニルカルボン酸クロライ
ド、ノルボルニルカルボン酸クロライド、t−ブチルシ
クロヘキシルカルボン酸クロライド、1−(又は2−)
アダマンチルカルボン酸クロライド等の酸ハロゲン化
物;ラウリルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジ
ルエーテル、イソボルニルグリシジルエーテル、ノルボ
ルニルグリシジルエーテル、t−ブチルシクロヘキシル
グリシジルエーテル、1−(又は2−)アダマンチルグ
リシジルエーテル等のエポキシ類;ラウリルトリクロロ
シラン、ラウリルトリメトキシシラン、ラウリルトリエ
トキシシラン、ステアリルトリクロロシラン、ステアリ
ルトリメトキシシラン、ステアリルトリエトキシシラ
ン、イソボルニルトリクロロシラン、ノルボルニルトリ
クロロシラン、t−ブチルシクロヘキシルトリクロロシ
ラン、1−(又は2−)アダマンチルトリクロロシラン
等の有機シラン化合物;ラウリルアミン、ステアリルア
ミン、イソボルニルアミン、ノルボルニルアミン、t−
ブチルシクロヘキシルアミン、1−(又は2−)アダマ
ンチルアミン等のアミン類;ラウリン酸、ステアリン
酸、イソボルニルカルボン酸、ノルボルニルカルボン
酸、t−ブチルシクロヘキシルカルボン酸、1−(又は
2−)アダマンチルカルボン酸等の有機酸及びそれらの
酸無水物等が挙げられる。
【0050】本発明の液晶表示装置用スペーサの製造方
法において、上述のように微粒子表面にグラフト重合層
を形成して炭素数が10〜22の長鎖アルキル基を導入
する場合、炭素数が10〜22の長鎖アルキル基を有す
る単量体の含量は、グラフト重合層を形成する際の全単
量体のうち、5〜95重量%であることが好ましく、よ
り好ましくは10〜90重量%である。5重量%未満で
は得られた微粒子を液晶表示装置用スペーサとして使用
した際に、液晶の異常配向を抑制できず液晶表示装置の
画質低下につながることがある。95重量%を超えると
グラフト重合層のTg点が低くなりすぎ、微粒子表面が
粘着性を帯びるため粒子の合着凝集が生じ、乾式散布時
にスペーサを単粒子状かつ均一に散布することができ
ず、液晶層の厚みの精密な制御が困難になり画質の低下
につながることがある。
【0051】同様にイソボルニル基、ノルボルニル基、
t−ブチルシクロヘキシル基及びアダマンチル基からな
る群より選択される少なくとも1種の置換基を有する単
量体の含量は、グラフト重合層を形成する際の全単量体
のうち、5〜95重量%であることが好ましく、より好
ましくは10〜90重量%である。5重量%未満ではグ
ラフト重合層のTg点が低くなりすぎ、乾式散布性が悪
くなる。95重量%を超えると液晶の異常配向を抑制す
るのが困難となる。
【0052】本発明の液晶表示装置用スペーサにおい
て、微粒子表面のイソボルニル基、ノルボルニル基、t
−ブチルシクロヘキシル基及びアダマンチル基からなる
群より選択される少なくとも1種の置換基と、炭素数が
10〜22の長鎖アルキル基の存在比率は、例えば上述
のように微粒子表面にグラフト重合層を形成する場合で
は、イソボルニル基、ノルボルニル基、t−ブチルシク
ロヘキシル基及びアダマンチル基からなる群より選択さ
れる少なくとも1種の置換基を含有する単量体重量/炭
素数が10〜22の長鎖アルキル基を含有する単量体重
量は、1/50〜50/1が好ましく、より好ましくは
1/10〜10/1である。上記範囲外では異常配向防
止性の増強効果が得られない。
【0053】本発明の液晶表示装置用スペーサの力学強
度は10%K値が250〜1000であることが好まし
い。250未満では、粒子の強度が充分でないため、液
晶表示装置を組む際にスペーサが破壊されて適切なギャ
ップが出ない。1000を超えると、表示装置に組み込
んだ際に、基板上の配向膜を傷つけてしまい表示異常が
発生する。
【0054】なお本明細書において10%K値とは、特
開平6−503180号公報に準拠して微小圧縮試験器
(島津製作所社製、PCT−200)を用いてダイヤモ
ンド製の直径50μmの円柱の平滑端面で得られたスペ
ーサの微粒子を圧縮硬度0. 27g/秒、最大試験過重
10gで圧縮し、下記の式より求める値をいう。 K=(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2 F:微粒子の10%圧縮変形における荷重値(kg) S:微粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm) R:微粒子の半径(mm)
【0055】本発明2の液晶表示装置は配向膜及び透明
電極が配置された2枚のガラス基板が本発明1の液晶表
示装置用スペーサを介して対向され、上記ガラス基板間
に液晶が封入されてなる液晶表示装置である。本発明2
の液晶表示装置は本発明1の液晶表示装置用スペーサを
用いて、常法により作製される。
【0056】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。なお実施例中の液晶異常配向の評価、乾式
散布性の評価及びグラフト重合層厚みの測定は次のよう
に行った。
【0057】(液晶異常配向の評価)液晶の配位がそれ
ぞれSTN型液晶表示装置、TN型液晶表示装置、IP
S型液晶表示装置の指標になるよう、以下の3種類のモ
ードの簡易セルを作製して評価を行った。
【0058】STNモードセル 一対の透明ガラス板(150mm×150mm)の一面
に、CVD法によりSiO2 膜を蒸着した後、SiO2
膜の表面全体にスパッタリングによりITO膜を形成し
て得たITO膜付きガラス基板に、スピンコート法によ
りポリイミド中間体(東レ社製、LP−64)を形成
し、280℃で90分間焼成することによりポリイミド
配向膜を形成した。このガラス板にラビング処理を行っ
た。
【0059】次に、上記基板のうちの一枚の基板の配向
膜側に、合成した微粒子をスペーサとして乾式散布機
(日清エンジニアリング社製、DISPA−μR)を用
いて1mm2 当たり100〜200個になるよう散布し
た。他方の基板の周辺に周辺シール剤(主剤:SE45
00、硬化剤:T、HAVEN CHEMICAL社
製)を形成した後、ラビング方向(ツイスト角)が24
0°になるように対向配置させ、両者を貼り合わせた。
この後、160℃で90分間処理してシール材を硬化さ
せ、空セルを作製した。得られた空セルに、STN型液
晶(メルク社製、S−811)を注入した後、注入口を
接着剤で塞いで液晶セルを作製し、更に、120℃で3
0分間熱処理した。
【0060】このようにして得られた液晶セルをノーマ
リブラック表示モードになるように2枚の偏光フィルム
で挟み込み、5Vの電圧を印加しながら顕微鏡で200
倍に拡大した写真をとり、光抜けの状態と、肉眼により
表示ムラを観察した。続いて、この液晶セルの端部を頭
部がゴム製の槌で100回強く叩き、光抜けの状態と表
示ムラが増大するかどうかを同様にして観察した。
【0061】TNモードセル STNセルと同様にして得たITO付きの一対の透明ガ
ラス板に、スピンコート法によりポリイミド配向膜(日
産化学社製、SE−7210)を配置し、同様に焼成し
た後ラビング処理を行った。次に、合成した微粒子をス
ペーサとしてSTNセルと同様にして散布し、ラビング
方向が90°になるように対向配置させ、同様のシール
剤を用いて両者を貼り合わせた。この後、160℃で9
0分間処理してシール材を硬化させ、空セルを作製し
た。得られた空セルに、TN型液晶(メルク社製、ML
C−6222)を注入した後、注入口を接着剤で塞いで
液晶セルを作製し、更に、120℃で30分間熱処理し
た。
【0062】このようにして得られた液晶セルをノーマ
リホワイト表示モードになるようクロスニコルに配置し
た偏光フィルムで挟み込み、7Vの電圧を印加しながら
顕微鏡を用いてSTNセルと同様に光抜け及び表示ムラ
を観察した。
【0063】IPSモードセル TNセルと同様にして得たポリイミド配向膜を形成させ
たITO膜なしの一対のガラス板に、ラビング処理を行
い、合成した微粒子をスペーサとしてSTNセルと同様
にして散布し、ラビング方向が180°になるように対
向配置させ、同様のシール剤を用いて両者を貼り合わせ
た。この後、160℃で90分間処理してシール材を硬
化させ、空セルを作製した。得られた空セルに、カイラ
ル剤を含んでいないIPS型液晶(チッソ社製、JC−
5014)を注入した後、注入口を接着剤で塞いで液晶
セルを作製し、更に、120℃で30分間熱処理した。
【0064】このようにして得られた液晶セルをノーマ
リブラック表示モードになるようクロスニコルに配置し
た偏光フィルムで挟み込み、電圧印加せずに顕微鏡を用
いてSTNセルと同様に光抜け及び表示ムラを観察し
た。
【0065】(乾式散布性の評価)得られたスペーサを
乾式散布機を用いて1mm2 当たり100〜200個に
なるようガラス板に散布し、任意の10カ所(1mm
2 )におけるスペーサ散布数と5個以上の凝集塊数とを
計数し、1mm2 当たりの平均散布数と平均凝集発生数
とを求めた。
【0066】(グラフト重合層の厚みの測定)得られた
スペーサを、コールターカウンタにより解析して粒子径
を求め、同様にして求めたグラフト重合前のコア粒子の
粒子径との差違により算出した。
【0067】実施例1 (コア粒子1の作製)けん化度が87.9%のポリビニ
ルアルコール(日本合成化学工業社製、GH−20)の
3%水溶液800重量部(以下、部という)に、テトラ
メチロールメタンテトラメタクリレート60部、ジビニ
ルベンゼン40部、過酸化ベンゾイル2部の混合液を加
えてホモジナイザーにて撹拌して粒度調整を行った。そ
の後撹拌しながら窒素気流下にて80℃まで昇温し、1
5時間反応を行ったのち、熱イオン交換水及びメタノー
ルにて洗浄後分級操作を行いコア粒子1(平均粒径5.
06μm、CV値=2.90%)を得た。このコア粒子
1の10%K値を前述の方法により測定したところ62
0であった。TOF−SIMSにて表面分析を行ったと
ころ、表面にポリビニルアルコール由来のOH基が確認
された。
【0068】(スペーサの作製)ジメチルホルムアミド
40部、イソボルニルメタクリレート10部、ステアリ
ルメタクリレート10部及び上記操作によって得られた
コア粒子1を3部加えて、ソニケーターにより充分分散
させたのち、均一に撹拌を行った。窒素雰囲気下これに
2Nの硝酸水溶液で調整した0.1mol/Lの硝酸第
二セリウムアンモニウム溶液5部を添加し30℃にて8
時間グラフト重合した。重合終了後反応液を取り出し、
3μmのメンブランフィルターにて粒子と反応液とを濾
別した。この粒子をTHF及びメタノールで充分洗浄し
た後、真空乾燥機で室温にて減圧乾燥を行った。得られ
た粒子のグラフト重合層の厚みは、0.03μmであっ
た。この粒子をスペーサとして用いて上記3モードによ
る異常配向評価を行った。結果を表1に示す。なお、こ
の粒子の流動性は良好であり、平均散布数は169、平
均凝集発生数は0.3であった。
【0069】実施例2 (スペーサの作製)実施例1においてイソボルニルメタ
クリレートの代わりにノルボルニルメタクリレートを用
いたこと以外は同様にして操作を行い、グラフト重合層
の厚み0.03μmの粒子を得た。この粒子をスペーサ
として用いて上記3モードによる異常配向評価を行っ
た。結果を表1に示す。なお、この粒子の流動性は良好
であり、平均散布数は171、平均凝集発生数は0.3
であった。
【0070】実施例3 (スペーサの作製)トルエン30部に実施例1で得られ
たコア粒子1を3部分散させた分散液に、ジラウリン酸
ジブチル錫0.1部を加え、80℃に昇温した後、撹拌
下でメタクロイルオキシエチルイソシアネート3部を滴
下し、このまま8時間反応させた。その後3μmのメン
ブランフィルターにて粒子と反応液とを濾別し、トルエ
ンで充分洗浄した後、真空乾燥機で室温にて減圧乾燥を
行った。得られた微粒子3部、イソボルニルメタクリレ
ート4部、ステアリルメタクリレート4部、メチルメタ
クリレート2部、過酸化ベンゾイル0.1部をトルエン
20部に充分分散させた後、窒素雰囲気下で撹拌しなが
ら60℃で8時間グラフト重合した。得られた粒子をト
ルエンで充分洗浄した後、真空乾燥機で室温にて減圧乾
燥を行い、グラフト重合層の厚み0.04μmの粒子を
得た。この粒子をスペーサとして用いて上記3モードに
よる異常配向評価を行った。結果を表1に示す。なお、
この粒子の流動性は良好であり、平均散布数は165、
平均凝集発生数は0.4であった。
【0071】実施例4 (スペーサの作製)ジメチルホルムアミド20部、イソ
プロパノール20部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート10部、イソボルニルメタクリレート10部及び実
施例1で得られたコア粒子1を3部加えて、ソニケータ
ーにより充分分散させたのち、均一に撹拌を行った。窒
素雰囲気下これに2Nの硝酸水溶液で調整した0.1m
ol/Lの硝酸第二セリウムアンモニウム溶液5部を添
加し30℃にて8時間グラフト重合した。重合終了後反
応液を取り出し、3μmのメンブランフィルターにて粒
子と反応液とを濾別した。得られた微粒子をTHF及び
メタノールで充分洗浄した後、真空乾燥機で室温にて減
圧乾燥を行った。得られた微粒子3部をTHF30部に
再度分散させ、トリエチルアミン3部を加え、60℃に
昇温した後、撹拌下でステアリル酸クロライド3部を滴
下し、このまま10時間反応させた。その後3μmのメ
ンブランフィルターにて粒子と反応液とを濾別し、TH
F及びメタノールで充分洗浄した後、真空乾燥機で室温
にて減圧乾燥を行い、グラフト重合層の厚み0.03μ
mの粒子を得た。この粒子をスペーサとして用いて上記
3モードによる異常配向評価を行った。結果を表1に示
す。なお、この粒子の流動性は良好であり、平均散布数
は158、平均凝集発生数は0.4であった。
【0072】実施例5 (スペーサの作製)ジメチルホルムアミド40部、グリ
シジルメタクリレート10部、ステアリルメタクリレー
ト10部及び実施例1で得られたコア粒子1を3部加え
て、ソニケーターにより充分分散させたのち、均一に撹
拌を行った。窒素雰囲気下これに2Nの硝酸水溶液で調
整した0.1mol/Lの硝酸第二セリウムアンモニウ
ム溶液5部を添加し30℃にて8時間グラフト重合し
た。重合終了後反応液を取り出し、3μmのメンブラン
フィルターにて粒子と反応液とを濾別した。得られた微
粒子をメタノールで充分洗浄した後、真空乾燥機で室温
にて減圧乾燥を行った。得られた微粒子3部をトルエン
30部に再度分散させ、塩化アルミニウム0.1部を加
え、110℃に昇温した後、撹拌下でイソボルネオール
3部の混合液を滴下し、このまま10時間反応させた。
その後3μmのメンブランフィルターにて粒子と反応液
とを濾別し、THFで充分洗浄した後、真空乾燥機で室
温にて減圧乾燥を行って、グラフト重合層の厚み0.0
3μmの粒子を得た。この粒子をスペーサとして用いて
上記3モードによる異常配向評価を行った。結果を表1
に示す。なお、この粒子の流動性は良好であり、平均散
布数は156、平均凝集発生数は0.5であった。
【0073】実施例6 (スペーサの作製)ジメチルホルムアミド40部、4−
t−ブチルシクロヘキシルメタクリレート10部、ステ
アリルメタクリレート10部及び実施例1で得られたコ
ア粒子1を3部加えて、ソニケーターにより充分分散さ
せたのち、均一に撹拌を行った。窒素雰囲気下これに2
Nの硝酸水溶液で調整した0.1mol/Lの硝酸第二
セリウムアンモニウム溶液5部を添加し30℃にて8時
間グラフト重合した。重合終了後反応液を取り出し、3
μmのメンブランフィルターにて粒子と反応液とを濾別
した。得られた粒子をTHF及びメタノールで充分洗浄
した後、真空乾燥機で室温にて減圧乾燥を行い、グラフ
ト重合層の厚み0.03μmの粒子を得た。この粒子を
スペーサとして用いて上記3モードによる異常配向評価
を行った。結果を表1に示す。なお、この粒子の流動性
は良好であり、平均散布数は170、平均凝集発生数は
0.4であった。
【0074】実施例7 (スペーサの作製)THF30部に実施例1で得られた
コア粒子1を3部を分散させた分散液に、トリエチルア
ミン3部を加え、60℃に昇温した後、撹拌下でアクリ
ル酸クロライド3部を滴下し、このまま8時間反応させ
た。その後3μmのメンブランフィルターにて粒子と反
応液とを濾別し、THF及びメタノールで充分洗浄した
後、真空乾燥機で室温にて減圧乾燥を行った。得られた
微粒子3部、4−t−ブチルシクロヘキシルメタクリレ
ート4部、ステアリルメタクリレート4部、メチルメタ
クリレート2部、過酸化ベンゾイル0.1部をトルエン
20部に充分分散させた後、窒素雰囲気下で撹拌しなが
ら60℃で8時間グラフト重合した。得られた粒子をト
ルエンで充分洗浄した後、真空乾燥機で室温にて減圧乾
燥を行い、グラフト重合層の厚み0.04μmの粒子を
得た。この粒子をスペーサとして用いて上記3モードに
よる異常配向評価を行った。結果を表1に示す。なお、
この粒子の流動性は良好であり、平均散布数は177、
平均凝集発生数は0.3であった。
【0075】実施例8 (スペーサの作製)ジメチルホルムアミド40部、グリ
シジルメタクリレート10部、ステアリルメタクリレー
ト10部及び実施例1で得られたコア粒子1を3部加え
て、ソニケーターにより充分分散させたのち、均一に撹
拌を行った。窒素雰囲気下これに2Nの硝酸水溶液で調
整した0.1mol/Lの硝酸第二セリウムアンモニウ
ム溶液5部を添加し30℃にて8時間グラフト重合し
た。重合終了後反応液を取り出し、3μmのメンブラン
フィルターにて粒子と反応液とを濾別した。得られた微
粒子をTHF及びメタノールで充分洗浄した後、真空乾
燥機で室温にて減圧乾燥を行った。得られた微粒子3部
をトルエン30部に再度分散させ、110℃に昇温した
後、撹拌下で4−t−ブチルシクロヘキシル酢酸3部を
滴下し、このまま24時間反応させた。その後3μmの
メンブランフィルターにて粒子と反応液とを濾別し、ト
ルエンとアセトンで充分洗浄した後、真空乾燥機で室温
にて減圧乾燥を行って、グラフト重合層の厚み0.03
μmの粒子を得た。この粒子をスペーサとして用いて上
記3モードによる異常配向評価を行った。結果を表1に
示す。なお、この粒子の流動性は良好であり、平均散布
数は151、平均凝集発生数は0.5であった。
【0076】実施例9 (スペーサの作製)ジメチルホルムアミド40部、1−
アダマンチルメタクリレート10部、ラウリルメタクリ
レート10部及び実施例1で得られたコア粒子1を3部
加えて、ソニケーターにより充分分散させたのち、均一
に撹拌を行った。窒素雰囲気下これに2Nの硝酸水溶液
で調整した0.1mol/Lの硝酸第二セリウムアンモ
ニウム溶液5部を添加し30℃にて8時間グラフト重合
した。重合終了後反応液を取り出し、3μmのメンブラ
ンフィルターにて粒子と反応液とを濾別した。得られた
粒子をTHF及びメタノールで充分洗浄した後、真空乾
燥機で室温にて減圧乾燥を行い、グラフト重合層の厚み
0.04μmの粒子を得た。この粒子をスペーサとして
用いて上記3モードによる異常配向評価を行った。結果
を表1に示す。なお、この粒子の流動性は良好であり、
平均散布数は176、平均凝集発生数は0.3であっ
た。
【0077】実施例10 (スペーサの作製)実施例9においてラウリルメタクリ
レートの代わりにステアリルメタクリレートを用いたこ
と以外は同様にして操作を行い、グラフト重合層の厚み
0.02μmの粒子を得た。この粒子をスペーサとして
用いて上記3モードによる異常配向評価を行った。結果
を表1に示す。なお、この粒子の流動性は良好であり、
平均散布数は180、平均凝集発生数は0.3であっ
た。
【0078】実施例11 (スペーサの作製)実施例9においてラウリルメタクリ
レートの代わりにステアリルメタクリレートを、1−ア
ダマンチルメタクリレートの代わりに2−アダマンチル
メタクリレートを用いたこと以外は同様にして操作を行
い、グラフト重合層の厚み0.02μmの粒子を得た。
この粒子をスペーサとして用いて上記3モードによる異
常配向評価を行った。結果を表1に示す。なお、この粒
子の流動性は良好であり、平均散布数は173、平均凝
集発生数は0.3であった。
【0079】実施例12 (スペーサの作製)実施例9においてラウリルメタクリ
レートの代わりにステアリルメタクリレートを、1−ア
ダマンチルメタクリレートの代わりに2−メチル−2−
アダマンチルメタクリレートを用いたこと以外は同様に
して操作を行い、グラフト重合層の厚み0.02μmの
粒子を得た。この粒子をスペーサとして用いて上記3モ
ードによる異常配向評価を行った。結果を表1に示す。
なお、この粒子の流動性は良好であり、平均散布数は1
79、平均凝集発生数は0.3であった。
【0080】実施例13 (スペーサの作製)実施例9において1−アダマンチル
メタクリレート10部、ラウリルメタクリレート10部
の代わりに1−アダマンチルメタクリレート8部、ステ
アリルメタクリレート8部、メチルメタクリレート4部
を用いたこと以外は同様にして操作を行い、グラフト重
合層の厚み0.03μmの粒子を得た。この粒子をスペ
ーサとして用いて上記3モードによる異常配向評価を行
った。結果を表1に示す。なお、この粒子の流動性は良
好であり、平均散布数は169、平均凝集発生数は0.
4であった。
【0081】実施例14 (スペーサの作製)トルエン30部に実施例1で得られ
たコア粒子1を3部を分散させた分散液に、ジラウリン
酸ジブチル錫0.1部を加え、80℃に昇温した後、撹
拌下でメタクロイルオキシエチルイソシアネート3部を
滴下し、このまま8時間反応させた。その後3μmのメ
ンブランフィルターにて粒子と反応液とを濾別し、トル
エンで充分洗浄した後、真空乾燥機で室温にて減圧乾燥
を行った。得られた微粒子3部、2−メチル−2−アダ
マンチルメタクリレート4部、ステアリルメタクリレー
ト4部、メチルメタクリレート2部、過酸化ベンゾイル
0.1部をトルエン20部に充分分散させた後、窒素雰
囲気下で撹拌しながら60℃で8時間グラフト重合し
た。得られた微粒子をトルエンで充分洗浄した後、真空
乾燥機で室温にて減圧乾燥を行い、グラフト重合層の厚
み0.04μmの粒子を得た。この粒子をスペーサとし
て用いて上記3モードによる異常配向評価を行った。結
果を表1に示す。なお、この粒子の流動性は良好であ
り、平均散布数は168、平均凝集発生数は0.4であ
った。
【0082】実施例15 (スペーサの作製)ジメチルホルムアミド20部、イソ
プロパノール20部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート10部、ステアリルメタクリレート10部及び実施
例1で得られたコア粒子1を3部加えて、ソニケーター
により充分分散させたのち、均一に撹拌を行った。窒素
雰囲気下これに2Nの硝酸水溶液で調整した0.1mo
l/Lの硝酸第二セリウムアンモニウム溶液5部を添加
し30℃にて8時間グラフト重合した。重合終了後反応
液を取り出し、3μmのメンブランフィルターにて粒子
と反応液とを濾別した。得られた微粒子をTHF及びメ
タノールで充分洗浄した後、真空乾燥機で室温にて減圧
乾燥を行った。得られた粒子3部をTHF30部に再度
分散させ、トリエチルアミン3部を加え、60℃に昇温
した後、撹拌下で1−アダマンチルカルボン酸クロライ
ド3部を滴下し、このまま10時間反応させた。その後
3μmのメンブランフィルターにて粒子と反応液とを濾
別し、THF及びメタノールで充分洗浄した後、真空乾
燥機で室温にて減圧乾燥を行って、グラフト重合層の厚
み0.03μmの粒子を得た。この粒子をスペーサとし
て用いて上記3モードによる異常配向評価を行った。結
果を表1に示す。なお、この粒子の流動性は良好であ
り、平均散布数は148、平均凝集発生数は0.5であ
った。
【0083】実施例16 (スペーサの作製)イオン交換水80部、グリセロール
モノメタクリレート10部、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート10部及び実施例1で得られたコア粒子1を
3部加えて、ソニケーターにより充分分散させたのち、
均一に撹拌を行った。窒素雰囲気下これに2Nの硝酸水
溶液で調整した0.1mol/Lの硝酸第二セリウムア
ンモニウム溶液5部を添加し30℃にて8時間グラフト
重合した。重合終了後反応液を取り出し、3μmのメン
ブランフィルターにて粒子と反応液とを濾別した。得ら
れた微粒子をメタノールで充分洗浄した後、真空乾燥機
で室温にて減圧乾燥を行った。得られた微粒子3部をT
HF30部に再度分散させ、ジラウリン酸ジブチル錫
0.1部を加え、60℃に昇温した後、撹拌下で1−ア
ダマンチルイソシアネート(アルドリッチ社製)2部と
ステアリルイソシアネート2部との混合液を滴下し、こ
のまま10時間反応させた。その後3μmのメンブラン
フィルターにて粒子と反応液とを濾別し、THFで充分
洗浄した後、真空乾燥機で室温にて減圧乾燥を行って、
グラフト重合層の厚み0.03μmの粒子を得た。この
粒子をスペーサとして用いて上記3モードによる異常配
向評価を行った。結果を表1に示す。なお、この粒子の
流動性は良好であり、平均散布数は144、平均凝集発
生数は0.5であった。
【0084】実施例17 (コア粒子2の作製)実施例9においてジビニルベンゼ
ン40部の代わりにグリセロールジメタクリレート40
部を用いたこと以外は同様にして操作を行った。得られ
た微粒子を熱イオン交換水及びメタノールにて洗浄後分
級操作を行い、コア粒子2(平均粒径=4.95μm、
CV値=3.0%)を得た。この微粒子の10%K値は
580であり、TOF−SIMSにて表面分析を行った
ところ、表面にグリセロールジメタクリレートとポリビ
ニルアルコール由来のOH基が確認された。
【0085】(スペーサの作製)ジメチルホルムアミド
40部、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート
8部、ステアリルメタクリレート8部、メチルメタクリ
レート4部及び上記操作によって得られたコア粒子2を
3部加えて、ソニケーターにより充分分散させたのち、
均一に撹拌を行った。これを実施例9と同様な操作を行
いグラフト重合層の厚み0.06μmの粒子を得た。こ
の粒子をスペーサとして用いて上記3モードによる異常
配向評価を行った。結果を表1に示す。なお、この時の
粒子の流動性は良好であり、平均散布数は165、平均
凝集発生数は0.3であった。
【0086】実施例18 (スペーサの作製)THF30部に実施例17で得られ
たコア粒子2を3部分散させた分散液に、トリエチルア
ミン3部を加え、60℃に昇温した後、撹拌下でメタク
リル酸クロライド3部を滴下し、このまま10時間反応
させた。その後3μmのメンブランフィルターにて粒子
と反応液とを濾別し、THF及びメタノールで充分洗浄
した後、真空乾燥機で室温にて減圧乾燥を行った。得ら
れた微粒子3部、2−メチル−2−アダマンチルメタク
リレート4部、ステアリルメタクリレート4部、メチル
メタクリレート2部、過酸化ベンゾイル0.1部をTH
F20部に充分分散させた後、窒素雰囲気下で撹拌しな
がら60℃で8時間グラフト重合した。得られた粒子を
THFで充分洗浄した後、真空乾燥機で室温にて減圧乾
燥を行い、グラフト重合層の厚み0.07μmの粒子を
得た。この粒子をスペーサとして用いて上記3モードに
よる異常配向評価を行った。結果を表1に示す。なお、
この粒子の流動性は良好であり、平均散布数は171、
平均凝集発生数は0.4であった。
【0087】比較例1 実施例1で得られたコア粒子1をそのままスペーサとし
て用いて上記3モードによる異常配向評価を行った。結
果を表1に示す。なお、この粒子の流動性は良好であ
り、平均散布数は184、平均凝集発生数は0.1であ
った。
【0088】比較例2 (スペーサの作製)実施例1において、ステアリルメタ
クリレートの代わりにメチルメタクリレートを用いたこ
と以外は同様にして操作を行いグラフト重合層の厚み
0.03μmの粒子を得た。この粒子をスペーサとして
用いて上記3モードによる異常配向評価を行った。結果
を表1に示す。なお、この粒子の流動性は良好であり、
平均散布数は171、平均凝集発生数は0.2であっ
た。
【0089】比較例3 (スペーサの作製)実施例1においてイソボルニルメタ
クリレートの代わりにメチルメタクリレートを用いたこ
と以外は同様にして操作を行いグラフト重合層の厚み
0.03μmの粒子を得た。この粒子をスペーサとして
用いて上記3モードによる異常配向評価を行った。結果
を表1に示す。なお、この粒子の流動性は良好であり、
平均散布数は179、平均凝集発生数は0.3であっ
た。
【0090】比較例4 (コア粒子3の作製)実施例1においてテトラメチロー
ルメタンテトラメタクリレート60部、ジビニルベンゼ
ン40部の代わりにジビニルベンゼン15部、スチレン
85部を用いたこと以外は同様にして操作を行った。得
られた微粒子を熱イオン交換水及びメタノールにて洗浄
後分級操作を行いコア粒子3(平均粒径=5.23μ
m、CV値=3.0%)を得た。この微粒子の10%K
値は200であり、TOF−SIMSにて表面分析を行
ったところ、表面にポリビニルアルコール由来のOH基
が確認された。
【0091】(スペーサの作製)ジメチルホルムアミド
40部、イソボルニルメタクリレート10部、ステアリ
ルメタクリレート10部及び上記操作によって得られた
コア粒子3を3部加えて、ソニケーターにより充分分散
させたのち、均一に撹拌を行った。窒素雰囲気下これに
2Nの硝酸水溶液で調整した0.1mol/Lの硝酸第
二セリウムアンモニウム溶液5部を添加し30℃にて8
時間グラフト重合した。その後、実施例1と同様にして
操作を行いグラフト重合層の厚み0.03μmの粒子を
得た。この粒子をスペーサとして用いて上記3モードに
よる異常配向評価を行ったところ、初期は良好であった
が衝撃付与後はセルギャップ変化やスペーサ割れが生じ
評価不能であった。結果を表1に示す。なお、この粒子
の流動性は良好であり、平均散布数は175、平均凝集
発生数は0.3であった。
【0092】比較例5 (スペーサの作製)実施例6においてステアリルメタク
リレートの代わりにメチルメタクリレートを用いたこと
以外は同様にして操作を行いグラフト重合層の厚み0.
03μmの粒子を得た。この粒子をスペーサとして用い
て上記3モードによる異常配向評価を行った。結果を表
1に示す。なお、この粒子の流動性は良好であり、平均
散布数は172、平均凝集発生数は0.4であった。
【0093】比較例6 (スペーサの作製)実施例6において4−t−ブチルシ
クロヘキシルメタクリレートの代わりにメチルメタクリ
レートを用いたこと以外は同様にして操作を行いグラフ
ト重合層の厚み0.03μmの粒子を得た。この粒子を
スペーサとして用いて上記3モードによる異常配向評価
を行った。結果を表1に示す。なお、この粒子の流動性
は良好であり、平均散布数は166、平均凝集発生数は
0.4であった。
【0094】比較例7 (スペーサの作製)ジメチルホルムアミド40部、4−
t−ブチルシクロヘキシルメタクリレート10部、ステ
アリルメタクリレート10部及び比較例2で得られたコ
ア粒子3を3部加えて、ソニケーターにより充分分散さ
せたのち、均一に撹拌を行った。窒素雰囲気下これに2
Nの硝酸水溶液で調整した0.1mol/Lの硝酸第二
セリウムアンモニウム溶液5部を添加し30℃にて8時
間グラフト重合した。その後、実施例6と同様にして操
作を行いグラフト重合層の厚み0.03μmの粒子を得
た。この粒子をスペーサとして用いて上記3モードによ
る異常配向評価を行ったところ、初期は良好であったが
衝撃付与後はセルギャップ変化やスペーサ割れが生じ評
価不能であった。結果を表1に示す。なお、この粒子の
流動性は良好であり、平均散布数は171、平均凝集発
生数は0.3であった。
【0095】比較例8 (スペーサの作製)実施例9においてラウリルメタクリ
レートの代わりにメチルメタクリレートを用いたこと以
外は同様にして操作を行い、グラフト重合層の厚み0.
03μmの粒子を得た。この粒子をスペーサとして用い
て上記3モードによる異常配向評価を行った。結果を表
1に示す。なお、この粒子の流動性は良好であり、平均
散布数は184、平均凝集発生数は0.2であった。
【0096】比較例9 (スペーサの作製)実施例9において1−アダマンチル
メタクリレートの代わりに2−アダマンチルメタクリレ
ートを、ラウリルメタクリレートの代わりにメチルメタ
クリレートを用いたこと以外は同様にして操作を行い、
グラフト重合層の厚み0.03μmの粒子を得た。この
粒子をスペーサとして用いて上記3モードによる異常配
向評価を行った。結果を表1に示す。なお、この粒子の
流動性は良好であり、平均散布数は174、平均凝集発
生数は0.2であった。
【0097】比較例10 (スペーサの作製)実施例9において1−アダマンチル
メタクリレートの代わりに2−メチル−2−アダマンチ
ルメタクリレートを、ラウリルメタクリレートの代わり
にメチルメタクリレートを用いたこと以外は同様にして
操作を行い、グラフト重合層の厚み0.03μmの粒子
を得た。この粒子をスペーサとして用いて上記3モード
による異常配向評価を行った。結果を表1に示す。な
お、この粒子の流動性は良好であり、平均散布数は18
0、平均凝集発生数は0.2であった。
【0098】比較例11 (スペーサの作製)実施例9において1−アダマンチル
メタクリレート10部、ラウリルメタクリレート10部
の代わりにステアリルメタクリレート20部を用いたこ
と以外は同様にして操作を行い、グラフト重合層の厚み
0.03μmの粒子を得た。この粒子をスペーサとして
用いて上記3モードによる異常配向評価を行った。結果
を表1に示す。なお、この粒子の流動性は非常に悪く、
平均散布数は111と少なく、平均凝集発生数は1.8
であった。
【0099】比較例12 (スペーサの作製)トルエン30部に比較例2で得られ
たコア粒子3を3部分散させた分散液に、ジラウリン酸
ジブチル錫0.1部を加え、80℃に昇温した後、撹拌
下でメタクロイルオキシエチルイソシアネート3部を滴
下し、このまま8時間反応させた。その後3μmのメン
ブランフィルターにて粒子と反応液とを濾別し、トルエ
ンで充分洗浄した後、真空乾燥機で室温にて減圧乾燥を
行った。得られた微粒子3部、2−メチル−2−アダマ
ンチルメタクリレート4部、ステアリルメタクリレート
4部、メチルメタクリレート2部、過酸化ベンゾイル
0.1部をTHF20部に充分分散させた後、窒素雰囲
気下で撹拌しながら60℃で8時間グラフト重合した。
得られた粒子をTHFで充分洗浄した後、真空乾燥機で
室温にて減圧乾燥を行い、グラフト重合層の厚み0.0
5μmの粒子を得た。この粒子をスペーサとして用いて
上記3モードによる異常配向評価を行ったところ、初期
は良好であったが衝撃付与後はセルギャップ変化やスペ
ーサ割れが生じ評価不能であった。結果を表1に示す。
なお、この粒子の流動性は良好であり、平均散布数は1
73、平均凝集発生数は0.3であった。
【0100】比較例13 (スペーサの作製)ドデシルトリエトキシシラン1部を
溶かしたヘキサン100部に実施例1で得られたコア粒
子1を10部加え充分に分散させた後、撹拌しながら4
5℃で1時間反応させた後濾過した。この粒子を140
℃の乾燥機中で1時間加熱することにより有機シラン化
合物による被膜を表面に有する、被覆層の厚み0.01
μmの粒子を得た。この粒子をスペーサとして用いて上
記3モードによる異常配向評価を行った結果を表1に示
す。なお、この粒子の流動性は良好であり、平均散布数
は177、平均凝集発生数は0.2であった。
【0101】
【表1】
【0102】表中の記載は、以下のとおりである。 ◎:光抜け、表示ムラが全く発生なし ○:光抜け、表示ムラの発生がほとんどないか、あって
もごく僅か △:光抜け、表示ムラが少し発生 ×:大きく光抜け、表示ムラが発生 −:評価不能
【0103】
【発明の効果】本発明の液晶表示装置用スペーサは、S
TN型、TN型TFT、及びIPS型TFT液晶表示装
置に適した、乾式散布性の優れた液晶表示装置用スペー
サであり、液晶の異常配向を与えることがなく、スペー
サ凝集に起因する表示ムラのない高品位な表示性能を保
持する液晶表示装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のスペーサを用いたTN(ツイステッドネ
マティック)モードの液晶表示装置の概略図である。
【符号の説明】
1 シール部材 2、5 ガラス透明基板 3、6 透明電極 4、7 配向制御膜 8、10 基板 9 スペーサ 11 ネマティック液晶 12、13 偏光シート
フロントページの続き (72)発明者 落谷 幸雄 滋賀県甲賀郡水口町泉1259 積水化学工業 株式会社内 Fターム(参考) 2H089 LA03 LA07 MA04X MA05X NA10 PA08 QA15 QA16 RA05 RA10 TA09 2H090 HB08Y HB13Y HD14 KA05 KA08 LA02 MA01 MB01 4J026 AA17 AA18 AA45 AA46 AA50 AA56 AA61 BA25 BA26 BA27 BA39 BA43 BA50 CA02 CA03 CA04 DA03 DB03 DB13 DB20 FA02 FA07 GA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソボルニル基、ノルボルニル基、t−
    ブチルシクロヘキシル基及びアダマンチル基からなる群
    より選択される少なくとも1種の置換基と、炭素数が1
    0〜22の長鎖アルキル基とを微粒子の表面に有するこ
    とを特徴とする液晶表示装置用スペーサ。
  2. 【請求項2】 イソボルニル基、ノルボルニル基、t−
    ブチルシクロヘキシル基及びアダマンチル基からなる群
    より選択される少なくとも1種の置換基と、炭素数が1
    0〜22の長鎖アルキル基とは、微粒子の表面のグラフ
    ト重合層に含有されることを特徴とする請求項1記載の
    液晶表示装置用スペーサ。
  3. 【請求項3】 微粒子は、エチレン性不飽和基を有する
    重合性単量体を重合させて得られる微粒子であって、前
    記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体は、少なく
    とも20重量%が、2個以上のエチレン性不飽和基を有
    する重合性単量体であることを特徴とする請求項1又は
    2記載の液晶表示装置用スペーサ。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の液晶表示装置
    用スペーサを用いることを特徴とする液晶表示装置。
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