JP2008083571A - 液晶表示素子用スペーサ及び液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子用スペーサ及び液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】光抜けや糸状ドメインの発生を防ぎ、液晶の配向を乱すことなく高品位な表示性能の液晶表示素子を得ることができる液晶表示素子用スペーサ、及び、該液晶表示素子用スペーサを用いてなる液晶表示素子を提供する。
【解決手段】基材微粒子と、前記基材微粒子の表面の全部又は一部に形成された被覆層とを有する液晶表示素子用スペーサであって、前記被覆層は、下記一般式(1)からなる液晶表示素子用スペーサ。
[化1]
Figure 2008083571

nは4〜19の自然数である。
【選択図】なし

Description

本発明は、光抜けや糸状ドメインの発生を防ぎ、液晶の配向を乱すことなく高品位な表示性能の液晶表示素子を得ることができる液晶表示素子用スペーサ、及び、該液晶表示素子用スペーサを用いてなる液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は二枚のガラス基板間に液晶を挟持して構成されており、ガラス基板間の間隔の大きさ(ギャップ)を均一かつ一定に保つためにギャップ制御材としてスペーサと呼ばれる粒子径の揃った微粒子が使用されている。
液晶表示素子では、液晶とスペーサとの界面で液晶分子がスペーサの表面に沿って配向してしまい、スペーサ周辺で配向膜によって規制された液晶分子の配向が変則的になることがあった。このようなスペーサ周辺での液晶分子の異常な配向が起こると、スペーサの周囲に「光抜け」と呼ばれるバックライトからの光が透過する現象が生じ、コントラスト低下や「ホワイトスポット」と呼ばれる表示品質の低下を起こしていた。このような異常配向による光抜け現象は、基板間に電圧を印加した際等に生じ、その後液晶表示素子の電源を落としても消えることはない。
液晶分子のスペーサ周囲での異常配向を防止する方法として、例えば、特許文献1には、微球体の表面を有機シラン化合物により被覆することが開示されている。この方法によれば、スペーサ表面に存在する有機シラン化合物によって液晶分子はスペーサ表面に対して垂直に配向するようになるため、異常配向をある程度抑制することができる。
しかしながら、微球体の材質と有機シラン化合物の分子構造との組み合わせによっては何ら効果を示さないことがあった。
特に、初期状態の表示性能においては光抜けの少ない良好な特性を有するスペーサであっても、STN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子に対してスペーサを用いる場合は、液晶表示素子に外力が加わり基板間のギャップが変化するとスペーサとスペーサとを直線上に結ぶ「糸状ドメイン」と呼ばれる糸状の光の透過が発生するという問題があった。
特開昭64−59212号公報
本発明は、上記現状に鑑み、光抜けや糸状ドメインの発生を防ぎ、液晶の配向を乱すことなく高品位な表示性能の液晶表示素子を得ることができる液晶表示素子用スペーサ、及び、該液晶表示素子用スペーサを用いてなる液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は、基材微粒子と、上記基材微粒子の表面の全部又は一部に形成された被覆層とを有する液晶表示素子用スペーサであって、上記被覆層は、下記一般式(1)からなる液晶表示素子用スペーサである。
以下に本発明を詳述する。
Figure 2008083571
nは4〜19の自然数である。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特にSTN型液晶表示素子に発生する糸状ドメインは、スペーサとスペーサとを直線で結ぶように生じていることを確認し、この糸状ドメインはスペーサとスペーサとを直線で結ぶように液晶分子が異常配向しているため発生することを見出した。糸状ドメインと呼ばれる異常配向が生じる理由は、以下の通りであると考えられる。
すなわち、従来の表面処理を施したスペーサを用いた液晶表示素子は、通常、複数のスペーサを介して形成された一対の基板間に液晶が封入された液晶セルに偏光板等を貼り付けることで製造されており、液晶分子は、液晶セルを作製した段階では所望の状態、すなわち、スペーサの周囲ではスペーサ表面に対して垂直方向に配向し、スペーサから離れている箇所では配向膜による規制力に従って配向している。
しかし、偏光板等の貼り付けは、ローラー等で押圧力を加えながら行われるため、このとき加えられる押圧力によって配向膜の規制力に従って配向した液晶分子に流れが生じてその配向状態に乱れが発生する。スペーサから充分に離れた部分の液晶分子は、ローラー等からの押圧力が除去されると、配向膜の規制力に従って所定の配向状態に戻る。一方、スペーサ近傍の液晶分子は、ローラー等からの押圧力が除去されても、配向膜の配向規制力よりも強いスペーサ表面の垂直配向規制力に支配され配向膜の規制力に従った所定の配向状態に戻らず異常な方向に配向したままスペーサとスペーサとを直線状に結んでいると思われる。したがって、糸状ドメインはスペーサ表面の強い垂直配向規制力により発生すると思われる。
そこで、本発明者らは、更に鋭意検討した結果、液晶表示素子用スペーサとして、基材微粒子の表面に所定の構造からなる被覆層が形成されたものを用いることにより、特にSTN型液晶表示素子を製造した場合であっても、液晶とスペーサとの界面、及び、スペーサ間において液晶の異常配向を生じさせることがなく、光抜け及び糸状ドメインの発生を防止でき、表示品質に優れたものとすることができるということを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の液晶表示素子用スペーサは、基材微粒子と、上記基材微粒子の表面の全部又は一部に形成された被覆層とを有する。
上記基材微粒子を構成する材料としては特に限定されず、無機材料であってもよいし、有機材料であってもよい。
上記有機材料としては特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を重合させて得られる樹脂、ジビニルベンゼン/ポリエステル樹脂、ジビニルベンゼン/スチレン樹脂、ジビニルベンゼン/アクリル酸エステル樹脂、ジアクリルフタレート樹脂等が挙げられる。
上記無機材料としては特に限定されず、例えば、ケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、ソーダ石灰ガラス、アルミナ、アルミナシリケートガラス等が挙げられる。
上記基材微粒子は、上記有機材料のみ又は上記無機材料のみからなるものであってもよいし、上記有機材料と無機材料との複合構造を有するものであってもよい。なかでも、製造した本発明の液晶表示素子用スペーサが液晶表示素子の基板上に形成された配向膜を傷つけない適度の硬度を有し、熱膨張や熱収縮による厚みの変化に追随しやすいことから有機材料のみからなることが好ましい。
上記基材微粒子の平均粒子径としては特に限定されないが、好ましい下限は1μm、好ましい上限は20μmである。1μm未満であると、本発明の液晶表示素子用スペーサを用いて製造する液晶表示素子のセルギャップが狭くなりすぎ、表示品質に優れる液晶表示素子を得ることができないことがあり、20μmを超えると、製造した液晶表示素子のセルギャップが不均一となることがある。より好ましい上限は10μmである。
なお、上記基材微粒子の平均粒子径は、光学顕微鏡、電子顕微鏡、コールタカウンター等を用いて計測した粒子径を統計的に処理して求めることができる。
また、上記基材微粒子は、その大きさが揃っていることが好ましく、具体的には、上記基材微粒子の粒子径のCV値は、10%以下であることが好ましい。10%を超えると、本発明の液晶表示素子用スペーサを用いて液晶表示素子を製造すると、セルギャップが不均一となり表示画面の品質が劣るものとなることがある。
上記被覆層は、下記一般式(1)からなる。
このような組成からなる被覆層を有する本発明の液晶表示素子用スペーサを用いて液晶表示素子を製造した場合、光抜けが生じることがない。特にSTN型液晶表示素子の製造に用いた場合、本発明の液晶表示素子用スペーサは、従来の表面処理スペーサでは異常配向を生じるような押圧力がローラー等で加えられても、押圧力が除去されると配向膜の規制力に従って所定の配向状態に戻り、液晶表示素子に糸状ドメインが生じることがほとんどない。糸状ドメインが発生したとしても、超音波等により処理を行うことで糸状ドメインのない元の状態にすることができる。
なお、下記一般式(1)で表される構造としては、フルオロアルキル基が直鎖状であってもよいし、分鎖状であってもよい。
Figure 2008083571
nは自然数であり、下限が4、上限が19である。nが4未満であると、充分に光抜けを抑制することが難しくまた糸状ドメインを防止することも難しくなる。また、nが19を超えると、上記化学式で表される構造を形成させるための原料化合物が常温で固体となることがあり反応性が低下してしまったり、あるいはアルキル鎖長が長くなりすぎてもやや溶剤に溶けなくなったりしてしまうため、基材微粒子との反応性が悪くなる。好ましい下限は6、好ましい上限は17である。
上記被覆層の厚さとしては特に限定されず、基材微粒子の粒子径や、使用する被覆層を構成する材料の種類や組成等を考慮して適宜決定されるが、好ましい下限は5nm、好ましい上限は200nmである。5nm未満であると、異常配向を防止する性能が不充分なことがあり、本発明の液晶表示素子用スペーサを用いて液晶表示素子を製造したときに、本発明の液晶表示素子用スペーサ表面付近の液晶分子が基板に対して垂直方向に配向して光抜けを生じることがある。200nmを超えると、本発明の液晶表示素子用スペーサ同士の合着が起こりやすく、また、液晶表示素子を製造した際に被覆層の変形による本発明の液晶表示素子用スペーサの粒子径の変動が大きくなり、セルギャップの不均一化につながることがある。より好ましい下限は10nm、より好ましい上限は100nmである。
上記基材微粒子の表面に上記被覆層を形成させる方法としては特に限定されず、例えば、有機材料を用いて基材微粒子を作成する際に、分散助剤としてポリビニルアルコールを用いた場合には、基材微粒子の表面にポリビニルアルコールが存在することとなるため、このポリビニルアルコール由来の水酸基と、適当な化合物(以下、被覆層形成化合物ともいう)とを反応させることで、上記被覆層を上記一般式(1)からなるものとすることができる。
ここで、上記分散助剤であるポリビニルアルコールは、一部は有機材料の架橋構造に絡み合い取れにくくなり、また、一部は上記基材微粒子の表面の多点で吸着するため、基材微粒子の表面に存在することとなる。
なお、上記基材微粒子の表面にポリビニルアルコールが存在しているとは、基材微粒子を加熱しながら充分に洗浄した後であっても洗浄除去されないことをいう。
また、基材微粒子を作成する際にポリビニルアルコールを用いていない場合には、基材微粒子の表面に適当な反応性官能基を導入し、上記反応性官能基と被覆層形成化合物とを反応させることで、上記被覆層を上記一般式(1)からなるものとすることができる。
ここで、上記被覆層は、基材微粒子の表面に直接形成させてもよいが、本発明の液晶表示素子用スペーサを用いてなる液晶表示素子が初期状態での光抜けがより少ないことから、上記基材微粒子の表面にヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)等の水酸基等の反応性官能基を有するアクリル系単量体を導入した後、上記被覆層を形成させることが好ましい。更に、湿式散布性を良好なものとするために、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(PEG)等のアクリル系単量体も導入した後、上記被覆層を形成させてもよい。
具体的な方法としては特に限定されず、基材微粒子にヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)やメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(PEG)等のアクリル系単量体を含浸後、酸化剤としてセリウム塩、過硫酸塩等を反応させて上記基材微粒子の表面にラジカルを発生させ、上記ラジカルを起点としてアクリル系単量体を重合させ、アクリル系重合体の官能基、例えば、水酸基と上記一般式(1)の官能基とを反応させて、上記一般式(1)からなる被覆層を形成させる方法等が挙げられる。
上記被覆層形成化合物としては、上記一般式(1)で示される構造を有するものであれば特に限定されないが、基材微粒子表面の反応性官能基との反応性に優れることから、例えば、パーフルオロペンタノイルクロライド、パーフルオロヘキサノイルクロライド、パーフルオロヘプタノイルクロライド、パーフルオロオクタノイルクロライド、パーフルオロノナノイルクロライド、パーフルオロデカノイルクロライド、パーフルオロウンデカノイルクロライド、パーフルオロドデカノイルクロライド、パーフルオロテトラデカノイルクロライド、パーフルオロヘキサデカノイルクロライド、パーフルオロオクタデカノイルクロライド等のC2n+1COCl(nは4〜19)等が好適に用いられる。なかでも、高い効果が得られることからC19COClが好適である。なお、上記一般式(1)で示される構造はフルオロアルキル基が直鎖状であってもよいし、分鎖状であってもよい。
また、垂直配向規制力のバランスをとる目的で、これらの化合物に対してラウロイルクロライドや、パルミトイルクロライド、ステアロイルクロライド等を併用してもよい。
なお、上記フルオロカルボン酸クロライド以外に、フルオロカルボン酸ブロマイドやフルオロカルボン酸無水物なども好適に用いられる。
本発明の液晶表示素子用スペーサを用いてなる液晶表示素子もまた、本発明の1つである。
本発明の液晶表示素子が特にSTN型液晶表示素子である場合には、本発明の液晶表示素子用スペーサを用いてなるため、光抜けの発生と糸状ドメインの発生とを防止することができる。
本発明の液晶表示素子において、本発明の液晶表示素子用スペーサの1mmあたりの配置密度としては特に限定されないが、好ましい下限が10個/mm、好ましい上限が1000個/mmである。10個/mm未満であると、セルギャップが均一にならない場合があり、1000個/mmを超えると、液晶表示素子用スペーサの存在により液晶表示素子のコントラストが低下することがある。
このような本発明の液晶表示素子は、上述した本発明の液晶表示素子用スペーサを用いる以外は、従来公知の方法と同様の方法で製造することができる。
本発明によれば、光抜けや糸状ドメインの発生を防ぎ、液晶の配向を乱すことなく高品位な表示性能の液晶表示素子を得ることができる液晶表示素子用スペーサ、及び、該液晶表示素子用スペーサを用いてなる液晶表示素子を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
3重量%ポリビニルアルコール水溶液800重量部に、ジビニルベンゼン100重量部、過酸化ベンゾイル2重量部を加え、ホモジナイザーにて攪拌して粒度調整を行った。その後、攪拌しながら窒素気流下にて80℃まで昇温し15時間反応を行い、微粒子を得た。得られた微粒子を熱イオン交換水及びメタノールにて洗浄後、分級操作を行うことにより基材微粒子を得た。得られた基材微粒子は、平均粒子径6.0μm、CV値5%であった。
セパラブルフラスコに得られた基材微粒子100g、イオン交換水500g、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)150g、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(PEG)(エチレンオキサイドの平均付加モル数n=10)150gを加え攪拌した。次に、反応系に窒素ガスを導入し、30℃にて3時間攪拌した。これに1Nの硝酸水溶液で調製した0.1mol/Lの硝酸第二セリウムアンモニウム溶液200gを添加し5時間反応させることにより微球体Aを得た。
得られた微球体A100gを乾燥終了後テトラヒドロフラン1000mLに分散しトリエチルアミン50gを加えた後、窒素気流下においてC19COClを60g滴下し、60℃3時間反応させることにより微球体Bを得た。反応終了後、微球体Bをメタノール1000mLに分散し、孔径3μmのメンブレンフィルターで濾過した。真空乾燥器により減圧乾燥を行うことで、被覆層が形成された液晶表示素子用スペーサを得た。
(実施例2)
19COClを60g加える代わりに、C19COClを40g、ラウロイルクロライドを20g加えたこと以外は、実施例1と同様にして液晶表示素子用スペーサを作製した。
(比較例1)
19COClを60gを加える代わりに、ラウロイルクロライド60gを加えたこと以外は、実施例1と同様にして液晶表示素子用スペーサを作製した。
(比較例2)
実施例1と同様にして微球体Aを作製し、反応終了後、微球体Aをメタノール1000mLに分散し、孔径3μmのメンブレンフィルターで濾過した。真空乾燥器により減圧乾燥を行うことで、液晶表示素子用スペーサを得た。
(比較例3)
3重量%ポリビニルアルコール水溶液800重量部に、ジビニルベンゼン100重量部、過酸化ベンゾイル2重量部を加え、ホモジナイザーにて攪拌して粒度調整を行った。その後、攪拌しながら窒素気流下にて80℃まで昇温し15時間反応を行い、微粒子を得た。得られた微粒子を熱イオン交換水及びメタノールにて洗浄後、分級操作を行うことにより基材微粒子を得た。得られた基材微粒子は、平均粒子径6.0μm、CV値5%であった。
セパラブルフラスコに得られた基材微粒子100g、イオン交換水500g、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)300gを加え攪拌した。次に、反応系に窒素ガスを導入し、30℃にて3時間攪拌した。これに1Nの硝酸水溶液で調製した0.1mol/Lの硝酸第二セリウムアンモニウム溶液200gを添加し5時間反応させることにより微球体を得た。
反応終了後、微球体をメタノール1000mLに分散し、孔径3μmのメンブレンフィルターで濾過した。真空乾燥器により減圧乾燥を行うことで、液晶表示素子用スペーサを得た。
<評価>
実施例1〜2及び比較例1〜3で得られた液晶表示素子用スペーサについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)表面層の組成
飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)を用い、得られた液晶表示素子用スペーサのうち、面積0.2μmの任意の箇所を厚さ方向に0.01μm程度の最外表面を分析し、検出される質量スペクトルのカウント数から表面を構成する重合体における各組成の割合を算出した。
(2)光抜けの有無
一対の透明ガラス板(150mm×150mm)の一面に、CVD法によりSiO膜を蒸着した後、SiO膜の表面全体にスパッタリングによりITO膜を形成して得たITO膜付きガラス基板に、スピンコート法によりポリイミド配向膜(日産化学社製、「SE −150」)を配置し、280℃で90分間焼成することによりポリイミド配向膜を形成した。このガラス板にラビング処理を行った後、基板のうちの、一方の基板の配向膜側に、得られた液晶表示素子用スペーサを、純水とイソプロパノールとを等体積混合した液に分散させて、スペーサ濃度が1重量%となるように分散液を調整し、この分散液を、散布装置を用いて1mmあたり100〜200個となるよう散布した。他方の基板の周辺部に枠状にシール剤を塗工した後、両者を貼り合わせ、160℃で90分間処理してシール剤を硬化させ、空セルを作製した。得られた空セルに、STN型液晶(メルク社製、「ZL I−2293」)を注入した後、注入口を接着剤で塞いでSTN型液晶表示素子を作製し、更に、120℃で30分間熱処理した。
このようにして得られたSTN型液晶表示素子をノーマリブラック表示モードになるように配置した偏光フィルムで挟み込み、この状態(初期状態)を顕微鏡で200倍に拡大した写真と、30Vの電圧を印加しながら顕微鏡で200倍に拡大した写真とを撮り、光抜けの状態(液晶の配向状態)を観察し、光抜けが少なかったものを○、光抜けが多かったものを×とした。
(3)糸状ドメインの有無
(2)で得られたSTN型液晶表示素子の表面に粘着テープを貼り付けて、その後手で素早く引き剥がした後、粘着テープを引き剥がした部分の任意の位置における10mm角の範囲を顕微鏡で観察し、認められた糸状ドメインの発生個数を調べた。
Figure 2008083571
本発明によれば、光抜けや糸状ドメインの発生を防ぎ、液晶の配向を乱すことなく高品位な表示性能の液晶表示素子を得ることができる液晶表示素子用スペーサ、及び、該液晶表示素子用スペーサを用いてなる液晶表示素子を提供することができる。

Claims (2)

  1. 基材微粒子と、前記基材微粒子の表面の全部又は一部に形成された被覆層とを有する液晶表示素子用スペーサであって、前記被覆層は、下記一般式(1)からなることを特徴とする液晶表示素子用スペーサ。
    Figure 2008083571
    nは4〜19の自然数である。
  2. 請求項1記載の液晶表示素子用スペーサを用いてなることを特徴とする液晶表示素子。
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