JP2006251085A - 液晶表示素子用スペーサ及び液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子用スペーサ及び液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】ギャップ精度を上げるために貼り合わせ時の圧力が高い場合でも配向膜の突き破りを起こさずギャップ精度が良好で、かつスペーサの周囲に光抜けがなく高品位な表示性能を有する液晶表示素子が得られる液晶表示素子用スペーサ、及びそれを用いた液晶表示素子を提供する。
【解決手段】基材微粒子表面に重合体からなる被覆層が形成されてなる液晶表示素子用スペーサであって、前記基材微粒子は、粒子径の10%が変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が5000〜15000N/mm2 であり、前記被覆層は、厚さが0.075〜0.2μmである液晶表示素子用スペーサ、好ましくはSTN型液晶表示素子用である液晶表示素子用スペーサ、好ましくは基材微粒子は黒色着色剤を含有する液晶表示素子用スペーサ、該液晶表示素子用スペーサを用いてなる液晶表示素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、ギャップ精度を上げるために貼り合わせ時の圧力が高い場合でも配向膜の突き破りを起こさずギャップ精度が良好で、かつスペーサの周囲に光抜けがなく高品位な表示性能を有する液晶表示素子が得られる液晶表示素子用スペーサ、及びそれを用いた液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は二枚の透明基板間に液晶を挟持して構成され、透明基板間の間隔の大きさ(ギャップ)を均一かつ一定に保つためにスペーサと呼ばれる粒子径の揃った微粒子をギャップ制御材として使用している。
一般的な液晶表示素子について、その要部断面図を図1に示す。図1に示すように、液晶表示素子10は、偏光シート1が一面に設けられ、偏光シート1が設けられた面と反対の面に絶縁膜3、透明電極4及び配向膜5が順次積層され、配向膜5が対向するように設置された一対の透明基板2と、対向する配向膜5の間に狭持された液晶表示素子用スペーサ7と配向膜5との間に注入された液晶6と、周辺に形成されたシール材8とを構成要素としている。また、液晶表示素子10は、液晶表示素子用スペーサ7を散布した基板に、スペーサが散布されていない他の基板を、配向膜5が対向するように設置し、これらの基板の周囲に、シール材8を用いて周辺部に接着層を形成し、液晶表示素子用スペーサを散布した基板とスペーサが散布されていない基板とを貼り合わせ、液晶6をこれら基板間に注入して作製する。このとき、ギャップ精度を上げるためには、一般的に、硬いスペーサを用いて、貼り合わせ時の圧力を高くすることが行われる。
このような硬いスペーサについては、スペーサの粒子径の10%が変位したときの圧縮弾性率(以下、10%K値ともいう)について好適な範囲が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、10%K値が20℃において750〜1500kgf/mm2 (7350〜14700N/mm2 )であるスペーサが開示されている。しかしながら、このような硬いスペーサを用いて、貼り合わせ時の圧力を高くして液晶表示素子の作製を行うと、スペーサが配向膜を突き破り表示性能が悪くなるという問題があった。
一方、液晶表示素子において、液晶とスペーサとの界面で液晶分子の配向が変則的になり、表示品質を低下させることがある。この様なスペーサ周辺の液晶分子の異常配向が起こると、スペーサは液晶表示素子の画素領域にも存在することから、スペーサの周囲に光抜けというバックライトからの光が透過する現象が生じ、コントラスト低下やホワイトスポットのような表示品質の低下を起こしていた。この様な異常配向による光抜け現象は、基板間に電圧を印加した際等に生じ、その後消えることはない。
この様な異常配向を防止する方法としては、表面に長鎖アルキル基を導入した表面被覆微粒子が報告されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2には、表面に長鎖アルキル基が存在する重合体粒子とすることが開示されている。この方法では、アルキル基により液晶分子に垂直配向を持たせることにより、ある程度効果を示すことが知られている。しかしながら、基材微粒子の表面に長鎖アルキル基を導入した表面被覆微粒子では光抜け現象を少なくするために被覆層の厚さを増加していくと、スペーサ全体の硬さが十分でなくなったり、厚さバラツキが生じたりして、ギャップ精度が悪くなるという問題があった。
特許第3006934号公報 特開平8−328018号公報
本発明は、上記現状に鑑み、ギャップ精度を上げるために貼り合わせ時の圧力が高い場合でも配向膜の突き破りを起こさずギャップ精度が良好で、かつスペーサの周囲に光抜けがなく高品位な表示性能を有する液晶表示素子が得られる液晶表示素子用スペーサ、及びそれを用いた液晶表示素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、基材微粒子表面に重合体からなる被覆層が形成されてなる液晶表示素子用スペーサであって、前記基材微粒子は、粒子径の10%が変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が5000〜15000N/mm2 であり、前記被覆層は、厚さが0.075〜0.2μmである液晶表示素子用スペーサを提供する。
また、請求項2記載の発明は、STN型液晶表示素子用である請求項1記載の液晶表示素子用スペーサを提供する。
また、請求項3記載の発明は、基材微粒子は黒色着色剤を含有する請求項2記載の液晶表示素子用スペーサを提供する。
また、請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子用スペーサを用いてなる液晶表示素子を提供する。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明の液晶表示素子用スペーサは、基材微粒子表面に重合体からなる被覆層が形成されてなるものである。
本発明において、液晶表示素子用スペーサが、基材微粒子表面に重合体からなる被覆層が形成されていることにより、スペーサ周辺の液晶分子の異常配向が起こらずスペーサの周囲に光抜けがなく高品位な表示性能を有するものとなる。
本発明における、基材微粒子表面の被覆層を形成する重合体としては、特に限定されず、例えば、アルキル基を有する重合性単量体を重合して得られた重合体等が挙げられる。
上記アルキル基を有する重合性単量体としては、特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ラウリルポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ステアリルポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリオキシエチレン(メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで、メチル(メタ)アクリレートとは、メチルメタクリレート又はメチルアクリレートを意味する。なかでも、異常配向の原因となりうるイオン性基や水酸基、カルボキシル基等を分子中に有さないものが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記アルキル基を有する重合性単量体には、上記アルキル基を有する重合性単量体と共重合可能なその他の単量体を加えて共重合させてもよい。その他の単量体としては、特に限定されず、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のフッ素含有モノマー;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン鎖含有モノマー等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アルキル基を有する重合性単量体としては、液晶のスペーサ表面への異常配向を防止するためには炭素数10〜22の長鎖アルキル基を有する重合性単量体を含有するのが好ましい。
上記長鎖アルキル基の炭素数が10未満であると配向規制力が弱くなり光抜け防止能が不十分となることがある。炭素数が22を超えると静電気凝集により粒子の流動性が悪くなり、散布性不良や凝集粒子が発生することがある。
本発明において、基材微粒子表面を被覆している重合体を形成する全単量体中に含まれる炭素数10〜22の長鎖アルキル基を有する重合性単量体の量としては、20〜80重量%であることが好ましい。20重量%未満であると異常配向防止能が不十分となることがあり、80重量%を超えると粒子の流動性が悪くなり、散布性不良や凝集粒子の発生をきたすことがある。
本発明においては、上記基材微粒子は、粒子径の10%が変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が5000〜15000N/mm2 であることが必要である。基材微粒子の10%K値が5000〜15000N/mm2であることにより、基材微粒子が硬く、良好なギャップ精度が得られやすい。また、基材微粒子が硬くても、その表面に形成されている被覆層が緩衝剤の役割を果たすことにより、ギャップ精度を上げるために貼り合わせ時の圧力が高い場合でも配向膜の突き破りを起こさずギャップ精度が良好になる。
基材微粒子の10%K値が5000N/mm2 未満であると、被覆層が形成されたスペーサで十分なギャップ精度を得ることが困難なことがあり、15000N/mm2を超えると、被覆層の緩衝剤効果だけでは十分でなく配向膜の突き破りが発生することがある。
次に、上記したK値について説明する。
ランダウーリフシッツ理論物理学教程「弾性理論」(東京図書1972年発行)42頁によれば、半径がそれぞれR、R’の二つの弾性球体が接触した際、hは次式により与えられる。
h=F2/3 [D2 (1/R+1/R’)]1/3 …(1)
D=(3/4)[(1−σ2 )/E+(1−σ'2 )/E’] …(2)
ここに、hはR+R’と両球の中心間の距離の差、Fは圧縮力、E、E’は二つの弾性球体の弾性率、σ、σ'は弾性球のポアッソン比を表す。
一方、球を剛体の板の上に置いて、かつ両側から圧縮する場合、R’→∞、E≫E’とすると、近似的に次式が得られる。
F=(21/2 /3)(S3/2 )(E・R1/2)(1−σ2 ) …(3)
ここに、Sは圧縮変形量を表す。この式を変形すると容易に次式が得られる。
K=E/(1−σ2 ) …(4)
よって、K値を表す式:
K=(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2 …(5)が得られる。
このK値は、球体の硬さを普遍的かつ定量的に表すものである。このK値を用いることにより、基材微粒子の好適な硬さを定量的、かつ一義的に表すことが可能となる。
次に、K値の測定法について説明する。
20℃において、平滑表面を有する鋼板の上に基材微粒子を散布し、その中から1個の基材微粒子を選ぶ。測定は、微小圧縮試験機(島津製作所製、「PCT−200型」)を用いて、ダイヤモンド製の直径50μmの円柱の平滑な端面で基材微粒子を圧縮することにより行う。なお、圧縮速度は定負荷速度圧縮方式で行い(2.646mN/秒の割合で荷重を増加)、試験荷重は最大荷重98mNとする。この際、圧縮荷重を電磁力として電気的に検出し、圧縮変位を作動トランスによる変位として電気的に検出する(図2)。図2から、基材微粒子の10%圧縮変形における荷重値、圧縮変位を求める。(5)式から、図3に示すようなK値と圧縮歪を求める。但し、圧縮歪は、圧縮変位を基材微粒子の粒子径で割った値を%で表したものである。
本発明における基材微粒子としては、特に限定されず、無機材料であってもよいし、有機材料であってもよい。上記有機材料としては、例えば、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を重合させて得られる樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なかでも、基材微粒子の10%K値を考えれば、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を重合させて得られる樹脂が好ましい。
上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体は、非架橋性単量体であってもよく、架橋性単量体であってもよいが、少なくとも20重量%以上が架橋性単量体であることが好ましい。
上記非架橋性単量体としては、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;メチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
上記架橋性単量体としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリアリル(イソ)シアヌレート;ジビニルベンゼン等が挙げられる。
上記基材微粒子の重合方法は特に限定されず、通常の懸濁重合、シード重合等の汎用の重合方法を用いることができる。
上記基材微粒子の平均粒子径は、1〜30μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましい。また、CV値(粒子径分布の標準偏差を平均粒子径で除して百分率とした値)は、10%以下であることが好ましく、1〜6%であることがより好ましい。
本発明においては、上記被覆層は、厚さが0.075〜0.2μmであることが必要である。被覆層の厚さが0.075μm未満であると、光抜けを防止する性能が不十分となったり、配向膜の突き破りを防ぐ緩衝剤効果が不十分となったりすることがあり、0.2μmを超えると、十分なギャップ精度を得ることが困難となったり、スペーサが凝集し易くなり散布性が不十分になったりすることがある。より好ましい被覆層の厚さは、0.08〜0.15μmである。
上記被覆層の厚さは、例えばベックマンコールター社製「マルチサイザー3」等の粒子径測定器により、スペーサ粒子径を測定し求めた平均粒子径と、同様にして測定し求めた基材微粒子の平均粒子径との差により算出できる。
本発明において、基材微粒子表面に重合体からなる被覆層を形成させる方法としては、特に限定されないが、例えば、還元性基を表面に有する基材微粒子に上記アルキル基を有する重合性単量体混合物を含浸後、酸化剤を反応させて基材微粒子表面にラジカルを発生させ、そのラジカルを起点として基材微粒子表面に重合体からなる被覆層を形成させる方法等が挙げられる。
上記還元性基としては、例えば、水酸基、チオール基、アルデヒド基、メルカプト基、アミノ基等が挙げられる。
上記酸化剤としては、例えば、セリウム塩、過硫酸塩等が挙げられる。
上記還元性基を表面に有する基材微粒子としては、例えば、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を重合させて得られる樹脂であって、上記還元性基を有する重合性単量体を構成成分として含有するもの等が挙げられる。
上記還元性基を有する重合性単量体としては、特に限定されず、例えば、ビニルアルコール、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシフタル酸、モノ[2(メタ)アクリロイルオキシエチル]アシッドホスフェート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体等が挙げられる。
このような構成からなる本発明の液晶表示素子用スペーサは、STN型液晶表示素子に好適に用いられる。特に、高いコントラストを必要とするカラー表示用のSTN型液晶表示素子により好適に用いられる。
STN型液晶表示素子用である本発明の液晶表示素子用スペーサもまた、本発明の一つである。
本発明の液晶表示素子用スペーサがSTN型液晶表示素子用に用いられる場合には、本発明における基材微粒子は、黒色着色剤を含有することが好ましい。上記黒色着色剤により着色されていることにより、液晶表示素子が黒表示の際にバックライトからの光がスペーサを透過し難くなり、コントラストが向上し易い。上記黒色着色剤としては、例えば、カーボンブラック、分散染料、酸性染料、塩基性染料、金属酸化物等が挙げられる。
本発明の液晶表示素子用スペーサを用いてなる液晶表示素子もまた、本発明の一つである。
上記液晶表示素子は、例えば、図1に示した一般的な液晶表示素子の構成とすることができる。
上記液晶表示素子は、例えば、以下の方法を用いて作製することができる。
まず、偏光シート1が一面に設けられた2枚の透明基板2の偏光シート1が設けられた面と反対側の面に、SiO2 等からなる絶縁膜3を形成し、絶縁膜3の上にITO等からなる透明電極4をフォトリソグラフィーによりパターンニングして形成する。その後、それぞれの透明電極4上に、ポリイミド等からなる配向膜5を形成し、1枚の透明基板2の配向膜5上に液晶表示素子用スペーサ7を散布する。
その後、液晶表示素子用スペーサ7を散布した基板に、スペーサが散布されていない他の基板を、配向膜5が対向するように設置し、これらの基板の周囲に、シール材8を用いて周辺部に接着層を形成し、液晶表示素子用スペーサを散布した基板とスペーサが散布されていない基板とを貼り合わせ、更に液晶6をこれら基板間に注入することにより液晶セルを作製し、得られた液晶セルに配線を設けることにより液晶表示素子10を作製する。
上記液晶表示素子用スペーサを基板上に散布する際の散布密度は、10〜1000個/mm2 が好ましい。10個/mm2 未満であると、液晶表示素子のギャップが均一にならない場合があり、1000個/mm2を超えると、液晶表示素子用スペーサの存在により液晶表示素子のコントラストが低下することがある。
本発明の液晶表示素子用スペーサは、上述の構成よりなるので、ギャップ精度を上げるために貼り合わせ時の圧力が高い場合でも配向膜の突き破りを起こさずギャップ精度が良好で、かつスペーサの周囲に光抜けがなく高品位な表示性能を有する液晶表示素子を提供することができる。
また、本発明の液晶表示素子用スペーサは、STN型液晶表示素子、なかでも特に高いコントラストを必要とするノーマリブラック表示モードのカラー表示のSTN型液晶表示素子に使用されるスペーサとして優れており、異常配向による光抜け現象がなく、高コントラストの表示性能を発現できる。
更に、本発明の液晶表示素子は、本発明の液晶表示素子用スペーサを用いてなるので、配向膜の突き破りを起こさずギャップ精度が良好で、かつスペーサの周囲に光抜けがなく高品位な表示性能を有する。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
〔基材微粒子の作製〕
ポリビニルアルコールの3%水溶液800重量部に、ジビニルベンゼン100重量部、過酸化ベンゾイル2重量部の混合液を加え、ホモジナイザーにて攪拌して粒度調整を行った。その後、攪拌しながら窒素気流下にて、90℃まで昇温して、15時間反応を行った。得られた基材微粒子を熱イオン交換水及びメタノールにて洗浄後、分級操作を行った。得られた基材微粒子Aは、平均粒子径5.00μm、CV値3%であった。
得られた基材微粒子Aについて、島津製作所製微小圧縮試験機「PCT−200型」を用いて20℃における10%K値を求めた。これらの結果を表1に示した。
〔基材微粒子表面に被覆層の形成〕
セパラブルフラスコに、上記操作で作製した基材微粒子A100gを加え、1回目の反応として、ジメチルスルホキシド200g、(メタ)アクリル酸エステルモノマー混合物270gを加え、撹拌した。このとき、(メタ)アクリル酸エステルモノマー混合物270gには、ステアリルアクリレート189g(70重量%)、メチルメタクリレート81g(30重量%)を加えた。次に、反応系に窒素ガスを導入し、30℃にて3時間撹拌した。これに1Nの硝酸水溶液で調製した0.1モル/Lの硝酸第二セリウムアンモニウム溶液50gを添加し10時間反応させた。反応終了後、得られた微球体をテトラヒドロフランにて洗浄し、真空乾燥器にて、減圧乾燥を行い、表面に重合処理されて重合体からなる被覆層が形成された微球体を得た。
次に、2回目の反応(被覆層の形成)を、1回目の反応を行った後の基材微粒子に、1回目と同様に行った。
次に、3回目の反応(被覆層の形成)を、2回目の反応を行った後の基材微粒子に、1回目と同様に行った。
反応終了後、得られた微球体をテトラヒドロフランにて洗浄し、真空乾燥器にて、減圧乾燥を行い、表面に重合処理されて重合体からなる被覆層が形成された微球体を得た。得られた微球体を液晶表示素子用スペーサとした。なお、基材微粒子表面の被覆層形成前後でベックマンコールター社製「マルチサイザー3」により粒子径の測定を行い、粒子径の変化から被覆層の厚さを求めた。
得られた液晶表示素子用スペーサを用いて、STN型液晶表示素子を作製し、光抜けの状態(液晶の配向状態)及びギャップ精度を、下記の評価方法を用いて評価した。これらの結果を表1に示した。
(1)光抜けの状態
一対の透明ガラス板(150mm×150mm 厚さ1.1mm)の一面に、CVD法によりSiO2 膜を蒸着した後、SiO2 膜の表面全体にスパッタリングによりITO膜を形成して得たITO膜付きガラス基板に、スピンコート法によりポリイミド配向膜(日産化学社製、SE−150)を配置し、280℃で90分間焼成することによりポリイミド配向膜を形成した。このガラス板にラビング処理を行った後、上記基板のうちの、一枚の基板の配向膜側に、得られた液晶表示素子用スペーサを乾式散布機(日清エンジニアリング社製)を用いて1mm2当たり100〜200個となるように散布した。もう一方の基板の周辺に周辺シール剤を形成した後、スペーサを散布した基板とラビング方向が90°になるように対向配置させ、両者を貼り合わせた後、160℃で90分間処理してシール剤を硬化させ、空セル(液晶の入ってない画面)を作製した。得られた空セルに、STN型液晶(メルク社製、ZLI−2293)を注入した後、注入口を接着剤で塞いでSTN型液晶表示素子を作製し、更に、120℃で30分間熱処理した。
このようにして得られたSTN型液晶表示素子をノーマリブラック表示モードになるように配置した偏光フィルムで挟み込み、7V、17V、30V、又は50Vの電圧を印加した後、顕微鏡で200倍に拡大した写真を撮り光抜けの状態(液晶の配向状態)を観察し、以下の基準で評価した。
◎:スペーサ周囲に液晶の異常配向発生がない。
○:スペーサ周囲のごく一部に液晶の異常配向発生。
△:スペーサ周囲の一部に液晶の異常配向発生。
×:スペーサ周囲の全周に液晶の異常配向発生。
(2)ギャップ精度
得られた液晶表示素子(液晶セル)を、液晶セルギャップ測定装置(オーク製作所製、「TFM−120AFT型」)を用いて、ギャップ値を調べた。
(実施例2)
実施例1の基材微粒子の作製において、ジビニルベンゼン100重量部にカーボンブラック5重量部を加えて基材微粒子を作製したこと以外は実施例1と同様にして基材微粒子Bを得た。得られた基材微粒子Bは、平均粒子径5.00μm、CV値3%であった。
得られた基材微粒子Bについて、実施例1と同様にして10%K値を求めた。これらの結果を表1に示した。
得られた基材微粒子Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして基材微粒子表面に被覆層の形成を行い液晶表示素子用スペーサを得た。また、実施例1と同様にして被覆層の厚さを求めた。更に、得られた液晶表示素子用スペーサを用いて、実施例1と同様にして、STN型液晶表示素子を作製し、光抜けの状態及びギャップ精度を評価した。これらの結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1の基材微粒子表面に被覆層の形成において、2回目及び3回目の反応を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして液晶表示素子用スペーサを得た。また、実施例1と同様にして被覆層の厚さを求めた。更に、得られた液晶表示素子用スペーサを用いて、実施例1と同様にして、STN型液晶表示素子を作製し、光抜けの状態及びギャップ精度を評価した。これらの結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例1において、基材微粒子表面に被覆層の形成を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして液晶表示素子用スペーサを得た。更に、得られた液晶表示素子用スペーサを用いて、実施例1と同様にして、STN型液晶表示素子を作製し、光抜けの状態及びギャップ精度を評価した。これらの結果を表1に示した。
Figure 2006251085
実施例1及び2で得られた液晶表示素子用スペーサは、スペーサ周囲のごく一部に液晶の異常配向発生があったものの、実用上は全く問題なかった。また、ギャップ精度も良好で高品位な表示性能が得られた。
一方、比較例1及び2で得られた液晶表示素子用スペーサは、一部に配向膜の突き破りに起因する異常光抜けも見られ、表示性能は劣っていた。
本発明によれば、ギャップ精度を上げるために貼り合わせ時の圧力が高い場合でも配向膜の突き破りを起こさずギャップ精度が良好で、かつスペーサの周囲に光抜けがなく高品位な表示性能を有する液晶表示素子が得られる液晶表示素子用スペーサ、及びそれを用いた液晶表示素子を提供できる。
一般的な液晶表示素子を模式的に示した図である。 荷重と基材微粒子の圧縮変位との関係を示すグラフである。 K値と基材微粒子の圧縮歪との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 偏光シート
2 透明基板
3 絶縁膜
4 透明電極
5 配向膜
6 液晶
7 液晶表示素子用スペーサ
8 シール材
10 液晶表示素子

Claims (4)

  1. 基材微粒子表面に重合体からなる被覆層が形成されてなる液晶表示素子用スペーサであって、
    前記基材微粒子は、粒子径の10%が変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が5000〜15000N/mm2 であり、
    前記被覆層は、厚さが0.075〜0.2μmであることを特徴とする液晶表示素子用スペーサ。
  2. STN型液晶表示素子用であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用スペーサ。
  3. 基材微粒子は黒色着色剤を含有することを特徴とする請求項2記載の液晶表示素子用スペーサ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子用スペーサを用いてなることを特徴とする液晶表示素子。
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