JP2001132929A - 溶融炉の排ガス処理方法および排ガス処理装置 - Google Patents

溶融炉の排ガス処理方法および排ガス処理装置

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JP2001132929A
JP2001132929A JP30947499A JP30947499A JP2001132929A JP 2001132929 A JP2001132929 A JP 2001132929A JP 30947499 A JP30947499 A JP 30947499A JP 30947499 A JP30947499 A JP 30947499A JP 2001132929 A JP2001132929 A JP 2001132929A
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JP
Japan
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exhaust gas
melting furnace
combustion chamber
dust
gas treatment
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JP30947499A
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English (en)
Inventor
Ryoji Samejima
良二 鮫島
Tomonobu Aso
知宣 麻生
Shinichi Yamaguchi
新一 山口
Yasuhiro Tanaka
泰宏 田中
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Kyocera Corp
Takuma Co Ltd
Original Assignee
Kyocera Corp
Takuma Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/30Technologies for a more efficient combustion or heat usage

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼室壁面へのダストの溶着や排ガス量およ
び補助燃料の増加を抑制して、溶融炉から排出される排
ガスを効率よく処理する。 【解決手段】 溶融炉2から排出されるダストおよび未
燃物を含む排ガスを高温フィルタ3で集塵し、その集塵
後の排ガスを燃焼室4で完全燃焼させる。この完全燃焼
させた排ガス中の酸性ガスおよび重金属類を湿式スクラ
バ5によって除去して、その排ガスを前記燃焼室4の熱
交換器5で加熱させた熱風により再加熱させて排出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばごみ焼却炉
や産業廃棄物焼却炉等から生成された焼却灰,飛灰等の
灰を溶融する際に発生するダストを含む排ガスを処理す
る溶融炉の排ガス処理方法および排ガス処理装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、都市ごみなどの焼却炉から排出さ
れる焼却残渣や飛灰等の減容化および無害化を図るた
め、焼却残渣等の溶融固化処理法が注目されている。焼
却残渣等は溶融固化することにより容積が1/2〜1/
3に減少するとともに、重金属等の有害物質の溶出防止
や溶融スラグの再利用、最終埋立処分場の延命等が可能
になるからである。
【0003】前述の焼却残渣等の溶融固化処理法として
は、プラズマアーク炉,アーク炉や電気抵抗炉等を用い
て電気エネルギーによって溶融固化する方法と、表面溶
融炉,旋回溶融炉やコークスベッド炉等を用いて燃料の
燃焼エネルギーによって溶融固化する方法とが多く利用
されている。このうち電気エネルギーを用いる方法は都
市ごみ焼却設備に発電設備が併置されている場合に、ま
た燃焼エネルギーを用いる方法は発電設備が併置されて
いない場合にそれぞれ多く採用されている。
【0004】図4には、従来のごみ焼却処理設備に併置
される直流アーク放電型黒鉛電極式のプラズマ溶融炉お
よびそのプラズマ溶融炉から排出される排ガス処理装置
(第1従来例の排ガス処理装置)の構成図が示されてい
る。
【0005】この従来例において、プラズマ溶融炉10
0は、コンテナ101内に貯留された焼却残渣や飛灰等
の被溶融物Aが供給装置102によってプラズマ溶融炉
本体103内に連続的に供給され、このプラズマ溶融炉
本体103内で1300℃〜1500℃に加熱されて順
次溶融スラグBとされ、スラグ水冷槽104に溢流する
ように構成されている。
【0006】前記プラズマ溶融炉本体103は、炉頂部
より垂直に挿入され、その先端と被溶融物Aとの間に一
定の距離を設けた黒鉛主電極105(−極)と、炉底に
設置された炉底電極106(+極)とを有し、両電極1
05,106間に直流電源装置107(容量約600〜
1000KW/T・被溶融物)の直流電圧(200〜3
50V)が印加されることにより、電流が流れてプラズ
マの発生源となるアークが発生するように構成されてい
る。また、前記プラズマ溶融炉本体103の炉頂部付近
には黒鉛スタート電極108が設けられており、溶融前
の被溶融物Aは導電性が低いため、まず前記黒鉛スター
ト電極108を溶融炉本体103内に挿入してこれを+
極とし、このスタート電極108と主電極105と間に
通電することにより被溶融物Aが溶融するのを待ち、そ
の後被溶融物Aの導電性が上昇した時点で前記スタート
電極108を炉底電極106に切換えるようにされてい
る。
【0007】前記プラズマ溶融炉本体103の内部は、
溶融スラグBや主電極105等の酸化を防止するために
還元性雰囲気に保持されており、そのためにPSA窒素
製造装置等の不活性ガス供給装置109から不活性ガス
(窒素ガス)Cが中空筒状に形成した主電極105およ
びスタート電極108の中空孔を通して、プラズマ溶融
炉103内へ連続的に供給されている。また、不活性ガ
スCを主電極105やスタート電極108の中空孔を通
して溶融炉本体103内に供給する構成とするのは、
プラズマ放電領域を濃厚な不活性ガスCにより充満させ
た方がプラズマアークの発生や安定性等の所謂プラズマ
放電性が良好になると考えられること、および黒鉛主
電極105や黒鉛スタート電極108の消耗がより少な
くなると考えられることなどの理由によるものである。
【0008】前記プラズマ溶融炉本体103の炉底は、
炉底冷却ファン110からの冷風により空冷され、これ
によって炉底電極106近傍の過度な温度上昇が防止さ
れている。また、溶融炉本体103そのものは約170
0℃の高温に耐える耐火材及びそれを覆う断熱材等によ
り構成されており、必要に応じて断熱材の外部に水冷ジ
ャケット(図示省略)が設けられている。
【0009】前記溶融炉本体103内へ供給された被溶
融物Aは、プラズマアーク放電による発生熱を供給され
ることにより、その溶融点(1200〜1300℃)を
超える1300〜1500℃の高温度にまで加熱され、
溶融される。すなわち、被溶融物Aの溶融によって、そ
の内部に存在した揮発成分(ダスト)や炭素の酸化によ
り起生した一酸化炭素等は排ガスDとなり、鉄等の金属
類やガラス、砂等の不燃性成分は溶融状態となり、流動
性を有する液体状の溶融スラグBが順次形成されてい
く。
【0010】前記排ガスDは、プラズマ溶融炉本体10
3炉頂部付近に形成される排ガス通路111を経て排ガ
ス処理装置112内に供給される。この排ガス処理装置
112は、前記ガス通路111を経て供給される排ガス
D中の未燃ガス(CO,H)を燃焼空気ファン114
により送入される燃焼用空気により完全に燃焼させる燃
焼室113と、この燃焼室113から排出される完全燃
焼した排ガスDを冷却水ポンプ121と冷却水を噴霧す
るノズル121aあるいは/および排ガス冷却ファン1
15aからの冷空気によって冷却させる減温塔115
と、この減温塔115を経て供給される排ガスD中の溶
融飛灰を捕捉するバグフィルタ116とを備え、このバ
グフィルタ116を通過する排ガスDを誘引通風機11
7により煙突118へ排出させるように構成されてい
る。また、前記バグフィルタ116で捕捉された溶融飛
灰Eは溶融飛灰コンベア119により飛灰だめ120へ
送られるようにされている。
【0011】また、図5には、第2従来例の排ガス処理
装置を説明するブロック図が示されている。この排ガス
処理装置130は、上流側から順にガス通路111を経
て供給される排ガスD中の未燃ガスを完全に燃焼させる
燃焼室131と、この燃焼室131から供給される排ガ
スDを水噴霧によって減温させる減温塔132と、この
減温塔132から排出される排ガスD中の溶融飛灰Eを
捕捉するバグフィルタ133とを備え、このバグフィル
タ133を通過する排ガスDが誘引通風機134の作用
により煙突から放出されるかもしくはごみ焼却炉設備に
送られるように構成されている。
【0012】図6には、第3従来例の排ガス処理装置を
説明するブロック図が示されている。この排ガス処理装
置140は、上流側から順にガス通路111を経て供給
される排ガスD中のダストを捕捉するとともに酸性ガス
処理を行う湿式スクラバ141と、この湿式スクラバ1
41から供給される排ガスD中の未燃ガスを完全に燃焼
させる燃焼室142と、この燃焼室142から供給され
る排ガスDを水噴霧あるいは/および冷空気混合によっ
て減温させる減温塔143とを備え、この減温塔143
から排出される排ガスDが誘引通風機144により煙突
へ排出されるかもしくはごみ焼却炉に送られるように構
成されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
プラズマ溶融炉100においては、プラズマ溶融炉本体
103内で被溶融物Aをプラズマアーク放電により溶融
させる際に低沸点を有する鉛,亜鉛やNaCl等の塩類
がガス状となって放出され、排ガスD内にダストとして
含有されており、この排ガスDを第1および第2従来例
の排ガス処理装置112,130の燃焼室113,13
1で燃焼させる際に高温になりすぎると、前記ダストが
溶融して燃焼室113,131壁面に付着してしまうと
いう問題点がある。この燃焼室113,131内の温度
上昇を抑制するために、前記燃焼室113,131内に
約1000℃以下の熱風を導入する必要があり、燃焼室
113,131から排出される排ガス量が多くなるとい
う問題点がある。また、前記燃焼室113,131内の
温度上昇を抑制するために、前記燃焼室113,131
を局部的に冷却することが考えられるが、装置構成が複
雑となり多大なコストがかかるという問題点がある。
【0014】一方、前記溶融炉100の下流側に湿式ス
クラバ141が設けられる第3従来例の排ガス処理装置
140(図6)においては、溶融炉100から排出され
た排ガスDが前記湿式スクラバ141によって酸性ガス
処理およびダストの捕捉が行われた後に、燃焼室142
にて完全燃焼するように構成されており、その燃焼室1
42壁面にダストが付着することがないため、高温で完
全燃焼が行われるが、溶融炉100から排出された高温
の排ガスDを一旦湿式スクラバ141にて冷却した後、
再び燃焼室142で完全燃焼させるように構成されてい
るため、燃焼室142に用いられる油、ガス等の補助燃
料が多大に必要となるという問題点がある。
【0015】また、前記溶融炉100から排出された排
ガスDが直接湿式スクラバ141にて処理され、その湿
式スクラバ141内に取り込まれるダスト等の量が多い
ため、湿式スクラバ141からそれらダスト等を取除く
際に多量の凝集剤や大型の濾過槽が必要となり、排水処
理の負荷が大きいという問題点がある。
【0016】本発明は、このような問題点を解消するた
めになされたもので、燃焼室壁面へのダストの溶着や排
ガス量および熱量の増加を抑制して、溶融炉から排出さ
れる排ガスを効率よく処理することができる溶融炉の排
ガス処理方法および排ガス処理装置を提供することを目
的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段および作用・効果】前述さ
れた目的を達成するために、第1発明による溶融炉の排
ガス処理方法は、溶融炉から発生するダストを含む排ガ
スをセラミックフィルタで集塵し、その集塵後の排ガス
を完全燃焼させることを特徴とするものである。
【0018】本発明においては、溶融炉から発生する排
ガスを高温のままセラミックフィルタに導入してダスト
等を除去し、そのセラミックフィルタから排出される排
ガスを完全燃焼するようにされている。このように排ガ
ス量が少ない時点でダストが捕捉されるので、集塵効率
を高めることができる。また、ダスト集塵後の排ガスを
1000℃以上の高温で完全燃焼させることができるた
め、ダイオキシン類を分解し、新たなダイオキシン類の
合成を抑制できるという効果を奏する。また、溶融炉か
ら発生する排ガスの温度を低下させることなく完全燃焼
させることができるため、熱損失を抑制でき、油,ガス
等の補助燃料を不要あるいは少量にできるという効果を
奏する。
【0019】次に、第2発明による溶融炉の排ガス処理
装置は、溶融炉から発生するダストを含む排ガスを処理
する溶融炉の排ガス処理装置において、前記溶融炉の下
流側に設置され、前記排ガスを集塵するセラミックフィ
ルタと、このセラミックフィルタの下流側に設置され、
集塵後の排ガスを完全燃焼させる燃焼室とを備えること
を特徴とするものである。
【0020】本発明においては、溶融炉から発生する排
ガスが高温のままセラミックフィルタに導入されてダス
ト等が除去され、このセラミックフィルタから排出され
た排ガスが燃焼室内に導入されて、その排ガス中の未燃
ガスが高温で完全燃焼される。
【0021】本発明によれば、排ガス量が少ない時点で
ダストが捕捉されるので、集塵面積を小さくできる。ま
た、排ガス中のダストが燃焼室内に導入される前にセラ
ミックフィルタによって除去されるので、ダストを燃焼
室壁面に付着させることなくダスト集塵後の排ガスを高
温で完全燃焼させることができる。したがって、炉の安
定運転が可能になるとともに、ダイオキシン類を完全分
解することができるいう効果を奏する。また、溶融炉か
ら発生する排ガスの温度を一旦低下させることなく完全
燃焼させることができるため、熱損失が少なく、溶融炉
から発生する排ガスを補助燃料なしに、あるいは少量の
補助燃料で処理できるという効果を奏する。
【0022】本発明においては、さらに、前記燃焼室の
下流部に設置され、その燃焼室内の熱を利用して空気の
加熱を行う熱交換器と、前記燃焼室の下流側に設置さ
れ、燃焼室から排出される排ガスの酸性ガス処理および
重金属類の捕捉を行う湿式スクラバと、前記湿式スクラ
バから排出される排ガスを前記熱交換器によって加熱さ
れた空気により再加熱する再加熱器とを備えるのが好ま
しい。
【0023】このような構成によれば、前記燃焼室にて
完全燃焼された排ガスが湿式スクラバに導入されて酸性
ガス処理および重金属類の捕捉が行われた後、前記燃焼
室の下流部に配置される熱交換器にて加熱された空気を
用いて再加熱器にて再加熱される。このようにダスト除
去および完全燃焼が行われた排ガスを湿式スクラバに導
入すれば、湿式スクラバに取り込まれる酸性ガス量およ
び重金属量を抑えることができるため、排水処理の負荷
を軽減でき装置構成をコンパクトにできるという効果を
奏する。また、前述のように燃焼室壁面への溶融ダスト
の付着が抑制されるため、その燃焼室内下流部に熱交換
器を設けることができる。また、前記湿式スクラバから
排出される排ガスは水分が飽和状態であるために再加熱
器にて再加熱する必要があるが、この再加熱に際して前
記熱交換器にて加熱された空気を用いることができるた
め、別の熱源を必要とせず、補助燃料の抑制を図ること
が可能となる。
【0024】第3発明による溶融炉の排ガス処理装置
は、溶融炉から発生するダストを含む排ガスを処理する
溶融炉の排ガス処理装置において、前記溶融炉の下流側
に前記排ガスを集塵するセラミックフィルタを設置する
とともに、このセラミックフィルタによる集塵後の排ガ
スをごみ焼却炉の燃焼室に導くことを特徴とするもので
ある。
【0025】本発明においては、溶融炉から発生する排
ガスを高温のままセラミックフィルタに導入してダスト
等を除去した後、このセラミックフィルタから排出され
た排ガスがごみ焼却炉の燃焼室に供給されて排ガス中の
未燃物が完全燃焼される。こうして新たな熱源および装
置を用いることなく、溶融炉から発生する排ガスを効率
よく処理できるとともに、ごみ焼却炉の焼却を助長する
ことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、本発明による溶融炉の排ガ
ス処理方法および排ガス処理装置の具体的な実施の形態
につき、図面を参照しつつ説明する。
【0027】図1には、本発明の第1実施例に係る溶融
炉の排ガス処理装置の構成図が示されている。
【0028】本実施例の排ガス処理装置1は、溶融炉2
から発生する排ガスの流路上流側から順に、前記排ガス
の集塵を行う高温フィルタ(セラミックフィルタ)3,
前記排ガスを完全燃焼させる燃焼室4,前記排ガス中の
酸性ガス処理および重金属類の捕捉を行う湿式スクラバ
5,この湿式スクラバ5通過後の排ガスを再加熱する再
加熱器6およびその再加熱器6通過後の排ガスを煙突ま
たはごみ焼却炉へ供給する誘引通風機7を備えている。
【0029】また、本実施例においては、前記燃焼室4
の下流部にその燃焼室内の熱を利用して高温空気を生成
する熱交換器8が設けられており、この熱交換器8内に
押込通風機9によって空気が導入され、前記熱交換器8
内を通過して得られる高温空気が前記再加熱器6に供給
されるように構成されている。
【0030】前記溶融炉2は、従来の溶融炉100と同
一構成であり、コンテナ内に貯留された焼却残渣や飛灰
などの被溶融物が供給装置によってプラズマ溶融炉本体
内に連続的に供給され、このプラズマ溶融炉本体内で1
300℃〜1500℃に加熱されて順次溶融スラグとさ
れ、スラグ水冷槽に溢流するように構成されている(図
4参照)。
【0031】前記プラズマ溶融炉本体内は不活性ガス
(窒素ガス)が供給されて還元性雰囲気に保持されてお
り、このプラズマ溶融炉本体内に供給された被溶融物は
プラズマアーク放電による発生熱を供給されることによ
り、その溶融点(1200℃〜1300℃)を超える1
300℃〜1500℃の高温度まで加熱されて溶融され
る。前記被溶融物の溶融時に、低沸点を有する鉛,亜鉛
やNaCl等の塩類がガス状となって放出されるダスト
と炭素の酸化により起生した一酸化炭素や水素等の未燃
ガスとが含まれる排ガスが発生し、この排ガスがプラズ
マ溶融炉本体の炉頂部付近に形成される排ガス通路を経
て前記高温フィルタ3に供給される。なお、前記プラズ
マ溶融炉本体から排出される排気ガスは、1000〜1
200℃の高温である。
【0032】前記高温フィルタ3は、炉材として図示さ
れない平板状(または中空円筒状)の多孔質のセラミッ
クが用いられており、このセラミックによって排ガス中
のダストが捕捉されるように構成されている。また、こ
の高温フィルタ3の下部にはダスト排出部3aが設けら
れており、前記セラミックに捕捉されたダストは急冷さ
れて排出される。
【0033】このように構成される排ガス処理装置1に
おいては、溶融炉2から排出される約1400℃の高温
で、かつダストおよび未燃ガス(CO,H)を含む排
ガスが排ガス通路を経て高温フィルタ3に供給され、こ
の高温フィルタ3を通過して排ガス中のダストが除去さ
れた後前記燃焼室4内に供給される。
【0034】この燃焼室4には約1200℃の燃焼用空
気が導入され、前記排ガスの未燃ガスを燃焼させる。前
記溶融炉2からの排出時に含有されていたダストは、前
工程(高温フィルタ3)にて除去されており、燃焼室4
の壁面に付着する恐れがないため、燃焼用空気の温度を
高温に設定して排ガスを完全燃焼させる。
【0035】こうしてダスト除去および完全燃焼された
排ガスは、燃焼室4下流部の熱交換器8にて減温された
後、湿式スクラバ5に導入される。この湿式スクラバ5
を通過した後の排ガスは、酸性ガスおよび重金属類が除
去されており、この排ガスが再加熱器6に供給される。
この再加熱器6内においては、前記排ガスは押込通風機
9によって導入され前記熱交換器8にて加熱された熱風
と混合されて昇温し、誘引通風機7により煙突(図示省
略)またはごみ焼却炉(図示省略)への排出ライン10
に導出される。なお、前記湿式スクラバ5を通過して排
出される排ガスは、水分が飽和状態で含有されているた
め前記再加熱器6によって昇温させて、例えば煙突から
放出させる際に白煙が発生しないようにされている。
【0036】本実施例によれば、溶融炉2から排出され
た排ガス中のダストは燃焼室4に導入される前に除去さ
れるため、燃焼室4の壁面へダストが付着する恐れがな
くなり、その燃焼室4内で高い燃焼温度で完全燃焼させ
ることができるため、ダイオキシン類の生成を極めて低
くまたは皆無にすることができる。
【0037】また、前記燃焼室4内の燃焼温度が高く設
定されることにより、燃焼用空気の吹き込み量を減少さ
せることができる。表1には、本実施例の排ガス処理装
置1と従来の排ガス処理装置100とにおける排ガス量
の比較表が示されている。
【表1】
【0038】表1から明らかに、本実施例の排ガス処理
装置1では燃焼用空気の吹き込みのみで排ガスを完全燃
焼させることができるのに対して、従来の排ガス処理装
置100では燃焼室内の温度上昇を抑制するため約10
00℃以下の熱風(温度上昇抑制用熱風)が極めて多く
導入されている。したがって、本実施例の排ガス処理装
置1においては燃焼室4から排出される排ガス量を従来
の排ガス処理装置の排ガス量と比較して極端に減量させ
ることができる。このため、燃焼室4の下流側に設けら
れる湿式スクラバ5での処理量が少なくなるため、湿式
スクラバの小型化を図ることができる。
【0039】また、本実施例によれば、排ガス中のダス
ト捕捉のために溶融炉から高温で排出される排ガスを冷
却させる必要がなく、高温状態で排ガス中のダストを除
去して燃焼室4内で排ガスを完全燃焼させることができ
るため、排ガス処理に必要とされる熱量を大幅に減少さ
せることができるという効果を奏する。
【0040】さらに、本実施例によれば、排ガス量が最
も少ない時点で高温フィルタ3にて集塵処理しているた
め、装置構成をコンパクトにすることができる。また、
ダスト排出部3aにて排出されるダストは、重金属類を
含み、これらを分離回収することが可能となる。
【0041】次に、第2実施例に係る排ガス処理装置に
ついて説明する。図2には、第2実施例の排ガス処理装
置の構成図が示されている。
【0042】本実施例の排ガス処理装置21は、第1実
施例と同一構造の溶融炉2から排出される排ガスの流路
上流側から順に、前記排ガスの集塵を行う高温フィルタ
(セラミックフィルタ)23,この高温フィルタ23通
過後の排ガスを完全燃焼させる燃焼室24,この燃焼室
24通過後の排ガスの温度を水噴霧あるいは/および冷
空気混合により低下させる減温塔25およびその減温塔
25通過後の排ガスを煙突またはごみ焼却炉へ供給する
誘引通風機26を備えている。また、前記燃焼室24の
下流部には、その燃焼室24内の熱を利用して高温空気
を生成する熱交換器27が設けられ、この熱交換器27
に押込通風機28によって導入されて得られる高温空気
が燃焼用空気として前記燃焼室24の上流部に供給され
るように構成されている。なお、前記高温フィルタ23
は、前記第1実施例と同一構造のものが用いられてい
る。
【0043】このように構成される排ガス処理装置21
においては、第1実施例と同様に溶融炉22から排出さ
れる1000〜1200℃の高温で、かつダストや未燃
ガス(CO,H)を含む排ガスが排ガス通路を経て高
温フィルタ23に供給され、この高温フィルタ23を通
過してダストが除去された後の排ガスが前記燃焼室24
内に供給される。
【0044】この燃焼室4の上流部には、その下流部に
設置される熱交換器27から得られる約200〜400
℃の燃焼用空気が導入され、前記排ガスの未燃ガスを燃
焼させる。前記溶融炉2からの排出時に含有されていた
ダストは、前工程(高温フィルタ3)にて除去されてお
り、燃焼室4の壁面に付着する恐れがないため、燃焼排
ガスの温度を高温に設定して排ガスを完全燃焼させる。
【0045】こうしてダスト除去および完全燃焼された
排ガスは、燃焼室4下流部の熱交換器8にて減温される
とともに、前記減温塔25にて減温された後、誘引通風
機26により煙突(図示省略)またはごみ焼却炉(図示
省略)への排出ライン29に導出される。
【0046】本実施例によれば、第1実施例と同様に、
排ガス量の最も少ない時点で高温フィルタ23にて集塵
処理しているため、装置構成をコンパクトにできる。ま
た、ダスト除去された後の排ガスを燃焼室24内で高温
で完全燃焼できるため、燃焼室24から排出される排ガ
ス量を減少させることができるとともに、熱量の減少を
図ることができる。さらに、ダイオキシン類の生成を極
めて低くまたは皆無にすることができる。
【0047】次に、第3実施例に係る排ガス処理装置3
1は、図3にその構成図が示されるように、第1実施例
と同一構造の溶融炉2から排出される排ガスの流路下流
側に、前記排ガスの集塵を行う高温フィルタ33が設け
られ、この高温フィルタ33の下流側が排出ライン34
を介してごみ焼却炉の燃焼室(図示省略)に連結されて
いる。なお、前記高温フィルタ33は、前記第1実施例
と同一構造のものが用いられている。
【0048】このように構成される排ガス処理装置31
において、第1実施例と同様に溶融炉22から排出され
る1000〜1200℃の高温で、かつダストや未燃ガ
ス(CO,H)を含む排ガスが排ガス通路を経て高温
フィルタ23に供給され、この高温フィルタ23を通過
してダストが除去された後の排ガスがごみ焼却炉の燃焼
室に供給されて、未燃ガスが完全燃焼される。
【0049】本実施例によれば、第1実施例と同様に、
排ガス量の最も少ない時点で効率よく集塵処理すること
ができるとともに、ダスト除去された後の排ガスをごみ
焼却炉に導出するため、コンパクトな構成で熱損失を最
小限にして、溶融炉2から排出された排ガスを効率よく
処理できるとともに、ごみ焼却炉の焼却を助長するとい
う効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例に係る排ガス処理
装置の構成図である。
【図2】図2は、第2実施例に係る排ガス処理装置の構
成図である。
【図3】図3は、第3実施例に係る排ガス処理装置の構
成図である。
【図4】図4は、従来の溶融炉および第1従来例の排ガ
ス処理装置の構成図である。
【図5】図5は、第2従来例の排ガス処理装置の構成図
である。
【図6】図6は、第3従来例の排ガス処理装置の構成図
である。
【符号の説明】
1,21,31 排ガス処理装置 2 溶融炉 3,23,33 高温フィルタ(セラミックフィル
タ) 3a ダスト排出部 4,24 燃焼室 5 湿式スクラバ 6 再加熱器 7,26 誘引通風機 8,27 熱交換器 9,28 押込通風機 10,29 排出ライン 25 減温塔
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月8日(1999.12.
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】また、前記燃焼室4内の燃焼温度が高く設
定されることにより、燃焼用空気の吹き込み量を減少さ
せることができる。表1には、本実施例の排ガス処理装
置1と従来の排ガス処理装置100とにおける排ガス量
の比較表が示されている。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 麻生 知宣 兵庫県尼崎市金楽寺町2丁目2番33号 株 式会社タクマ内 (72)発明者 山口 新一 鹿児島県国分市山下町1番1号 京セラ株 式会社鹿児島国分工場内 (72)発明者 田中 泰宏 鹿児島県国分市山下町1番1号 京セラ株 式会社鹿児島国分工場内 Fターム(参考) 3K061 NB21 3K070 DA06 DA27 DA45 DA50 DA52 3K078 AA05 BA02 BA21 BA22 CA02 CA21 CA24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融炉から発生するダストを含む排ガス
    をセラミックフィルタで集塵し、その集塵後の排ガスを
    完全燃焼させることを特徴とする溶融炉の排ガス処理方
    法。
  2. 【請求項2】 溶融炉から発生するダストを含む排ガス
    を処理する溶融炉の排ガス処理装置において、 前記溶融炉の下流側に設置され、前記排ガスを集塵する
    セラミックフィルタと、 このセラミックフィルタの下流側に設置され、集塵後の
    排ガスを完全燃焼させる燃焼室とを備えることを特徴と
    する溶融炉の排ガス処理装置。
  3. 【請求項3】 さらに、前記燃焼室の下流部に設置さ
    れ、その燃焼室内の熱を利用して空気の加熱を行う熱交
    換器と、前記燃焼室の下流側に設置され、燃焼室から排
    出される排ガスの酸性ガス処理および重金属類の捕捉を
    行う湿式スクラバと、前記湿式スクラバから排出される
    排ガスを前記熱交換器によって加熱された空気により再
    加熱する再加熱器とを備える請求項2に記載の排ガス処
    理装置。
  4. 【請求項4】 溶融炉から発生するダストを含む排ガス
    を処理する溶融炉の排ガス処理装置において、前記溶融
    炉の下流側に前記排ガスを集塵するセラミックフィルタ
    を設置するとともに、このセラミックフィルタによる集
    塵後の排ガスをごみ焼却炉の燃焼室に導くことを特徴と
    する溶融炉の排ガス処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006023052A (ja) * 2004-07-09 2006-01-26 Takuma Co Ltd 灰溶融炉の排ガス処理方法およびその処理設備
JP2017194225A (ja) * 2016-04-21 2017-10-26 株式会社神鋼環境ソリューション 廃棄物処理設備及びそれを用いた廃棄物処理方法

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