JP2001132401A - 可変容量型斜板式液圧回転機 - Google Patents

可変容量型斜板式液圧回転機

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JP2001132401A
JP2001132401A JP31745599A JP31745599A JP2001132401A JP 2001132401 A JP2001132401 A JP 2001132401A JP 31745599 A JP31745599 A JP 31745599A JP 31745599 A JP31745599 A JP 31745599A JP 2001132401 A JP2001132401 A JP 2001132401A
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swash plate
contact surface
inclination angle
piston
casing
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JP31745599A
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Takeshi Kobayashi
剛 小林
Hitoshi Kagiwada
均 鍵和田
Takashi Niitome
隆志 新留
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容量の異なる液圧回転機を製作するときの作
業性を向上させる。 【解決手段】 斜板13の当接面13Cを、平滑面13
Bに対し一定の傾斜角度をもったくさび状の傾斜面に形
成し、平滑面13Bに対する当接面13Cの傾斜角度を
第1,第2の支持面4A,4Bの傾斜角度よりも小さく
設定する。これにより、斜板13の当接面13Cを加工
して平滑面13Bに対する傾斜角度を変化させるだけ
で、斜板13の傾転角度を微妙に異ならせることができ
る。この場合、斜板13はケーシングに比較して重量が
小さく取扱いが容易であるため、斜板13の当接面13
Cに高精度な加工を施すことができ、微妙に容量の異な
る複数種類の液圧回転機を容易に製作することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル等の建設機械に油圧ポンプ、油圧モータ等として好適
に用いられる可変容量型斜板式液圧回転機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の建設機械に油
圧ポンプ、油圧モータ等として用いられる可変容量型斜
板式液圧回転機は、ケーシングと、該ケーシング内に回
転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転す
るように前記ケーシング内に設けられ周方向に離間して
軸方向に伸長する複数のシリンダが形成されたシリンダ
ブロックと、該シリンダブロックの各シリンダに往復動
可能に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストンの端
部に装着されたシューと、表面側に該各シューが摺動す
る平滑面が形成されると共に裏面側に当接面が形成さ
れ、所定の支点を傾転中心として傾転可能に設けられた
斜板と、該斜板を傾転させる傾転制御ピストンと、前記
斜板の当接面に対向して前記ケーシングに設けられ、前
記支点の位置を境として斜板の当接面を支持する第1の
支持面と第2の支持面とが凸形状に形成された傾転制御
面とにより大略構成されている(例えば、特開平6−2
13140号公報等)。
【0003】そして、この種の可変容量型斜板式液圧回
転機は、傾転制御ピストンによって斜板を傾転させるこ
とにより、油圧ポンプとして用いる場合には吐出容量を
可変とし、油圧モータとして用いる場合にはトルク、回
転数を可変とすることができる構成となっている。
【0004】ところで、上述した従来技術による可変容
量型斜板式液圧回転機は、斜板の平滑面と当接面とを平
行に形成しているため、傾転制御面に設けた第1,第2
の支持面の傾斜角度に応じて斜板の傾転角度が定まる構
成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、上述の従
来技術による可変容量型斜板式液圧回転機は、ケーシン
グの壁面に設けた傾転制御面の第1,第2の支持面の傾
斜角度に応じて斜板の傾転角度が定まる構成であるた
め、容量の異なる複数種類の液圧回転機を製作する場合
には、第1,第2の支持面の傾斜角度を異ならせる必要
がある。
【0006】しかし、例えば微妙に容量が異なる複数種
類の液圧回転機を製作する場合には、ケーシング側の第
1,第2の支持面の傾斜角度を、例えば0.1度程度の
一定角度毎に変更するといった高精度な加工を行う必要
があるが、ケーシングは形状、重量等が大きく取扱いが
面倒であるため、また、第1,第2の支持面がケーシン
グの壁面に設けられており使用できる加工機が限られて
しまうため、第1,第2の支持面に対する高精度な加工
を行うのが難しいという問題がある。
【0007】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、容量の異なる液圧回転機を製作するとき
の作業性を向上することができるようにした可変容量型
斜板式液圧回転機を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明は、ケーシングと、該ケーシング内に回転
可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転する
ように前記ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸
方向に伸長する複数のシリンダが形成されたシリンダブ
ロックと、該シリンダブロックの各シリンダに往復動可
能に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストンの端部
に装着されたシューと、表面側に該各シューが摺動する
平滑面が形成されると共に裏面側に当接面が形成され、
所定の支点を傾転中心として傾転可能に設けられた斜板
と、該斜板を傾転させる傾転制御ピストンと、前記斜板
の当接面に対向して前記ケーシングに設けられ、前記支
点の位置を境として前記斜板の当接面を支持する第1の
支持面と第2の支持面とが凸形状に形成された傾転制御
面とを備えてなる可変容量型斜板式液圧回転機に適用さ
れる。
【0009】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記斜板の当接面は前記平滑面に対し一定の傾
斜角度βをもったくさび状の傾斜面に形成し、前記平滑
面に対する該当接面の傾斜角度βを、前記回転軸と直交
する方向に対する前記第1,第2の支持面の傾斜角度α
1,α2よりも小さく設定する構成としたことにある。
【0010】このように構成したことにより、斜板の当
接面を加工して平滑面に対する傾斜角度βを変化させる
だけで斜板の傾転角度を微妙に異ならせることができ
る。この場合、斜板はケーシングに比較して重量が小さ
く取扱いが容易であるため、この斜板の当接面に高精度
な加工を施すことができる。
【0011】請求項2の発明は、支点は各ピストンの押
圧合力の作用点よりも該ピストンの縮小側に位置して斜
板と傾転制御面との間に設け、前記傾転制御ピストンは
前記支点よりも前記ピストンの伸長側に位置して設ける
構成としたことにある。
【0012】このように構成したことにより、例えば傾
転制御ピストンによる押圧力が小さいときには、各シリ
ンダから斜板に作用する押圧合力によって、斜板を最大
傾転位置に保持することができる。また、傾転制御ピス
トンによる押圧力が大きくなると、各シリンダから斜板
に作用する押圧合力に抗して、斜板を最小傾転位置に保
持することができる。
【0013】請求項3の発明は、第1,第2の支持面の
傾斜角度α1,α2は5〜20度の範囲に設定し、斜板
の当接面の傾斜角度βは0.05〜5度の範囲に設定す
る構成としたことにある。
【0014】このように構成したことにより、斜板の平
滑面に対する当接面の傾斜を可及的に小さくすることが
でき、斜板に各ピストンからの押圧合力が作用したとき
に、斜板の当接面と平行な方向に作用する分力を小さく
することができる。このため、この分力によって支点に
作用する荷重を小さくし、該支点の寿命を延ばすことが
できる。
【0015】請求項4の発明は、第1,第2の支持面の
傾斜角度α1,α2は回転軸と直交する方向に対して1
〜5度毎に異なる角度をもって形成し、斜板の当接面の
傾斜角度βは平滑面に対して0.05〜1.5度毎に異
なる角度をもって形成する構成としたことにある。
【0016】このように構成したことにより、第1,第
2の支持面の傾斜角度α1,α2を比較的大きな角度
(1〜5度)毎に異ならせた複数種類のケーシングを製
作し、当接面の傾斜角度βを微小な角度(0.05〜
1.5度)毎に異ならせた複数種類の斜板を製作し、こ
れら複数種類のケーシングと斜板とを適宜に組合わせて
容量の異なる液圧回転機を製作することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明による可変容量型斜
板式液圧回転機の実施の形態を、油圧モータに適用した
場合を例に挙げ、図1ないし図8を参照しつつ詳細に説
明する。
【0018】まず、図1ないし図6は本発明による第1
の実施の形態を示し、図中、1は油圧モータのケーシン
グで、該ケーシング1は、筒部2Aと底部2Bとにより
有底筒状に形成されたケーシング本体2と、該ケーシン
グ本体2の開口端側を施蓋するリアケーシング3とによ
り構成されている。そして、ケーシング本体2の底部2
Bには、後述の回転軸5を挿通するための回転軸挿通穴
2Cと、後述の傾転ピストン15が挿嵌されるシリンダ
成形部2Dと、後述の継手14が嵌合する半球状の2個
の凹陥部2E(1個のみ図示)とが設けられている。
【0019】4はケーシング本体2の底部2B内壁面に
形成された傾転制御面で、該傾転制御面4は、後述する
斜板13の当接面13Cを支持することにより該斜板1
3の傾転角度を規定するものである。そして、傾転制御
面4は、継手14の位置(支点の位置)を境として第1
の支持面4Aと第2の支持面4Bとに区分され、これら
第1,第2の支持面4A,4Bの境界部が斜板13側に
向けて凸形状に形成されている。
【0020】ここで、図5に示すように、第1の支持面
4Aは、継手14の中心Oを通り回転軸5と直交する方
向に延びる直線A−Aに対して角度α1だけ、リアケー
シング3から離間する方向に傾斜し、第2の支持面4B
は、直線A−Aに対して角度α2だけ、リアケーシング
3に接近する方向に傾斜している。そして、これら第1
の支持面4Aの傾斜角度α1、第2の支持面4Bの傾斜
角度α2は、それぞれ5〜20度の範囲内に設定されて
いる。
【0021】5はケーシング1内に回転可能に設けられ
た回転軸で、該回転軸5の一端側はケーシング本体2の
底部2Bに設けられた軸受6によって支持され、他端側
はリアケーシング3に設けられた軸受7によって支持さ
れている。
【0022】8は回転軸5にスプライン結合された状態
でケーシング1内に設けられ、回転軸5と一体的に回転
するシリンダブロックで、該シリンダブロック8は、後
述の切換弁板10に摺接する摺接面8Aを有している。
また、シリンダブロック8には、周方向に離間して軸方
向に伸長する複数(通常は奇数個)のシリンダ9,9,
…が回転軸5の周囲に穿設され、各シリンダ9は、シリ
ンダブロック8の摺接面8A側に開口するシリンダポー
ト9Aを有している。
【0023】10はリアケーシング3とシリンダブロッ
ク8との間に位置してリアケーシング3に固定された切
換弁板で、該切換弁板10は、シリンダブロック8の各
シリンダ9と間欠的に連通する一対の給排ポート10A
(一方のみ図示)を有し、該給排ポート10Aは、リア
ケーシング3に形成された給排通路に連通している。
【0024】11,11,…はシリンダブロック8の各
シリンダ9内にそれぞれ摺動可能に挿嵌された複数(2
本のみ図示)のピストンで、該各ピストン11は、切換
弁板10側から給排される圧油によってシリンダ9内を
往復動するものである。
【0025】12,12,…はシリンダ9から突出した
各ピストン11の突出側の端部に揺動可能に設けられた
複数のシューで、該各シュー12は、後述する斜板13
の平滑面13B上を摺動するものである。
【0026】13はケーシング本体2の傾転制御面4と
シリンダブロック8との間に設けられた斜板で、該斜板
13は、図2ないし図4に示すように、中央部に回転軸
挿通穴13Aが設けられた中空の円板状に形成され、斜
板13の表面側(シリンダブロック8側)は、シュー1
2が摺動する平滑面13Bとなり、該平滑面13Bの反
対側となる裏面側は、傾転制御面4の第1,第2の支持
面4A,4Bに当接する当接面13Cとなっている。ま
た、斜板13の裏面側には、継手14が嵌合する半球状
の凹陥部13D,13Dが回転軸挿通穴13Aを挟んで
設けられ、さらに、傾転制御ピストン16が当接するピ
ストン当接面13Eが設けられている。そして、斜板1
3は、各凹陥部13Dに嵌合した継手14を中心とし
て、図2に示す最大傾転位置と図3に示す最小傾転位置
との間で傾転するものである。
【0027】ここで、斜板13の当接面13Cは、平滑
面13B(継手14の中心Oを通り平滑面13Bに平行
して延びる直線B−B)に対し、一定の傾斜角度βをも
って斜板13の傾転方向にくさび状に傾斜した傾斜面と
して形成されている。これにより、斜板13は、傾転制
御面4の第1の支持面4A側が薄肉となり第2の支持面
4B側が厚肉となっている。そして、斜板13は、図2
に示すように、当接面13Cが傾転制御面4の第1の支
持面4Aに当接したときには最大傾転位置に保持され、
図3に示すように、当接面13Cが傾転制御面4の第2
の支持面4Bに当接したときには最小傾転位置に保持さ
れる構成となっている。
【0028】ここで、斜板13の平滑面13Bに対する
当接面13Cの傾斜角度βは、傾転制御面4の第1の支
持面4Aの傾斜角度α1よりも小さく(β<α1)、か
つ傾転制御面4の第2の支持面4Bの傾斜角度α2より
も小さく(β<α2)なるように、0.05〜5度の範
囲に設定されている。
【0029】14,14はケーシング本体2と斜板13
との間に設けられた支点としての2個の継手(1個のみ
図示)で、該各継手14は、例えば鋼球等により構成さ
れ、ケーシング本体2側に設けられた凹陥部2E,2E
と、斜板13に設けられた凹陥部13D,13Dとに嵌
合することにより、斜板13をケーシング本体2に対し
て傾転可能に支持するものである。
【0030】ここで、図5に示すように、油圧モータの
作動時に各ピストン11から斜板13に作用する押圧力
の合力(押圧合力)をFとすると、継手14は、この押
圧合力Fの作用点よりも各ピストン11が縮小する側に
片寄らせた位置に設けられている。
【0031】15はケーシング本体2のシリンダ成形部
2D内に摺動可能に挿嵌された傾転制御ピストンで、該
傾転制御ピストン15は、各継手14よりも各ピストン
11が伸長する側に片寄らせた位置に、斜板13の当接
面13Cと対向した状態で設けられ、その先端側は斜板
13のピストン当接面13Eに当接している。そして、
傾転制御ピストン15は、油通路16を通じてシリンダ
成形部2D内に給排される圧油により該シリンダ成形部
2D内を摺動し、斜板13を傾転させるものである。
【0032】そして、傾転制御ピストン15がシリンダ
成形部2D内に引込んでいるときには、斜板13は、各
ピストン11の押圧合力Fにより、当接面13Cを傾転
制御面4の第1の支持面4Aに当接させた最大傾転位置
(図2の位置)に保持される。
【0033】一方、シリンダ成形部2D内に高圧の圧油
が供給され、傾転制御ピストン15がシリンダ成形部2
Dから突出したときには、斜板13は、傾転制御ピスト
ン15に押圧されることにより、各ピストン11の押圧
合力Fに抗して当接面13Cを傾転制御面4の第2の支
持面4Bに当接させた最小傾転位置(図3の位置)に保
持される構成となっている。
【0034】本実施の形態による油圧モータは上述の如
き構成を有するもので、以下、その作動について説明す
る。
【0035】まず、切換弁板10の給排ポート10A等
を通じてシリンダブロック8の各シリンダ9内に圧油が
供給されることにより、シリンダ9内に挿嵌されたピス
トン11が斜板13側に伸長する。そして、ピストン1
1に設けたシュー12が、斜板13の平滑面13Bを押
圧しつつ該平滑面13Bに沿って周方向に滑動すること
により、各ピストン11がシリンダブロック8と共に回
転し、このシリンダブロック8にスプライン結合された
回転軸5が回転することにより、油圧モータとして作動
する。
【0036】ここで、継手14は、油圧モータの作動時
に各ピストン11から斜板13に作用する押圧合力Fの
作用点よりも、各ピストン11が縮小する側に片寄らせ
た位置に設けられているため、シリンダ成形部2D内の
圧力が低いときには、斜板13に作用する各ピストン1
1の押圧合力Fにより、斜板13は、図2に示すよう
に、第1の当接面13Cを傾転制御面4の第1の支持面
4Aに当接させた状態で安定する。
【0037】これにより、斜板13が最大傾転位置に保
持され、このときの斜板13の最大傾転角度γ1は、図
5に示すように、傾転制御面4の第1の支持面4Aの傾
斜角度α1と、斜板13の当接面13Cの傾斜角度βと
の和として下記数1によって表される。
【0038】
【数1】γ1=α1+β
【0039】このように、斜板13が最大傾転角度γ1
となることにより、各ピストン11のストロークが最大
となって回転軸5が高トルクで低速回転する。
【0040】一方、シリンダ成形部2D内に高圧の圧油
が供給され、傾転制御ピストン15がシリンダ成形部2
Dから突出したときには、斜板13は、図3に示すよう
に、傾転制御ピストン15に押圧されることにより、各
ピストン11の押圧合力Fに抗して当接面13Cを傾転
制御面4の第2の支持面4Bに当接させた状態で安定す
る。
【0041】これにより、斜板13が最小傾転位置に保
持され、このときの斜板13の最小傾転角度γ2は、図
6に示すように、傾転制御面4の第2の支持面4Bの傾
斜角度α2と、斜板13の当接面13Cの傾斜角度βと
の和として下記数2によって表される。
【0042】
【数2】γ2=α2+β
【0043】このように、斜板13が最小傾転角度γ2
となることにより、各ピストン11のストロークが最小
となって回転軸5が低トルクで高速回転する。
【0044】ここで、例えば傾転制御面4の第1の支持
面4Aの傾斜角度α1を17度とし、第2の支持面4B
の傾斜角度α2を10度とし、斜板13の当接面13C
の傾斜角度βを0.5度とすると、斜板13の最大傾転
角度γ1は、上述の数1によりγ1=17.5度とな
り、斜板13の最小傾転角度γ2は、上述の数2により
γ2=10.5度となる。
【0045】次に、例えば傾転制御面4の第1の支持面
4Aの傾斜角度α1を1度だけ変化させて18度とし、
第2の支持面4Bの傾斜角度α2を1度だけ変化させて
11度とし、斜板13の当接面13Cの傾斜角度βを
0.5度とした場合には、斜板13の最大傾転角度γ1
は、上述の数1により18.5度となり、斜板13の最
小傾転角度γ2は、上述の数2により11.5度とな
る。
【0046】このように、第1,第2の支持面4A,4
Bの傾斜角度α1,α2を、1〜5度の比較的大きな角
度、例えば1度毎に異ならせることにより、ケーシング
本体2に設けられた第1,第2の支持面4A,4Bに対
する加工を容易にし、斜板13の最大傾転角度γ1と最
小傾転角度γ2とを比較的大きく異ならせることができ
る。
【0047】次に、例えば斜板13の当接面13Cの傾
斜角度βを0.1度だけ変化させて0.6度とし、傾転
制御面4の第1の支持面4Aの傾斜角度α1を17度と
し、第2の支持面4Bの傾斜角度α2を10度とした場
合には、斜板13の最大傾転角度γ1は、上述の数1に
より17.6度となり、斜板13の最小傾転角度γ2
は、上述の数2により10.6度となる。
【0048】このように、斜板13の当接面13Cの傾
斜角度βを、0.05〜1.5度の微小な角度、例えば
0.1度毎に異ならせることにより、斜板13の最大傾
転角度γ1と最小傾転角度γ2とを微妙に異ならせるこ
とができる。
【0049】この場合、斜板13は、傾転制御面4が形
成されたケーシング本体2に比較して全体の形状、重量
等が小さく取扱いが容易であるため、加工機等を用いて
斜板13の当接面13Cに対する高精度な加工を行うこ
とができ、回転数、トルク等が微妙に異なる複数種類の
油圧モータを製作するときの作業性を向上させることが
できる。
【0050】かくして、本実施の形態によれば、第1,
第2の支持面4A,4Bの傾斜角度α1,α2を、1〜
5度の比較的大きな角度単位で異ならせた複数種類(例
えば、2〜3種類)のケーシング本体2と、当接面13
Cの傾斜角度βを0.05〜1.5度の微小な角度単位
で異ならせた複数種類(例えば、10〜14種類)の斜
板13とを適宜に組合わせることにより、回転数、トル
ク等の異なる複数種類の油圧モータを容易に製作するこ
とができる。
【0051】また、本実施の形態によれば、斜板13の
当接面13Cの傾斜角度βを、傾転制御面4の第1,第
2の支持面4A,4Bの傾斜角度α1,α2よりも小さ
く設定することにより、平滑面13Bに対する当接面1
3Cの傾斜が可及的に小さくなるように構成している。
【0052】これにより、図5に示すように、油圧モー
タの作動時に斜板13に各ピストン11からの押圧合力
Fが作用したときに、斜板13の当接面13Cと平行な
方向に作用する分力fを小さくすることができる。この
ため、当該分力fによって継手14に作用する荷重を小
さくし、継手14の寿命を延ばすことができるので、長
期に亘って斜板13を安定して傾転させることができ、
油圧モータの信頼性を高めることができる。
【0053】次に、図7は本発明による第2の実施の形
態を示し、本実施の形態の特徴は、ケーシングの傾転制
御面に設けた第2の支持面の傾斜方向を、第1の実施の
形態によるものとは逆にしたことにある。なお、本実施
の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要
素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0054】図中、21は上述した第1の実施の形態に
よる傾転制御面4に代えて本実施の形態に適用した傾転
制御面で、該傾転制御面21は、第1の実施の形態によ
る傾転制御面4とほぼ同様に、継手14の位置を境とし
て第1の支持面21Aと第2の支持面斜板21Bとに区
分され、これら第1,第2の支持面21A,21Bの境
界部が斜板13側に向けて凸形状に形成されている。
【0055】ここで、第1の支持面21Aは、第1の実
施の形態による傾転制御面4の第1の支持面4Aと同様
に、直線A−Aに対して角度α1だけリアケーシング3
から離間する方向に傾斜している。
【0056】しかし、第2の支持面21Bは、第1の実
施の形態による第2の支持面4Bとは逆に、直線A−A
に対して角度α2だけリアケーシング3から離間する方
向に傾斜する構成となっている。
【0057】本実施の形態は上述の如き構成を有するも
ので、本実施の形態においても、上述した第1の実施の
形態と同様に、第1,第2の支持面21A,21Bの傾
斜角度α1,α2を、1〜5度の比較的大きな角度単位
で異ならせた複数種類(例えば、2〜3種類)のケーシ
ング本体2と、当接面13Cの傾斜角度βを0.05〜
1.5度の微小な角度単位で異ならせた複数種類(例え
ば、10〜14種類)の斜板13とを適宜に組合わせる
ことにより、回転数、トルク等の異なる複数種類の油圧
モータを容易に製作することができる。
【0058】なお、上述した各実施の形態では、斜板1
3の当接面13Cを、平滑面13B(直線B−B)に対
して傾斜角度βだけ傾斜させることにより、斜板13
を、傾転制御面4の第1の支持面4A側が薄肉となり第
2の支持面4B側が厚肉となるように形成した場合を例
に挙げている。しかし、本発明はこれに限るものではな
く、例えば図8に示す変形例のように、斜板13の当接
面13Cを、平滑面13B(直線B−B)に対して図5
に示す方向とは逆方向に傾斜角度βだけ傾斜させること
により、斜板13を、傾転制御面4の第1の支持面4A
側が厚肉となり第2の支持面4B側が薄肉となるように
形成してもよい。
【0059】また、上述した実施の形態では、可変容量
型斜板式液圧回転機として油圧モータを例に挙げて説明
したが、本発明はこれに限らず、例えば可変容量型斜板
式の油圧ポンプにも適用することができる。
【0060】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、斜板の当接面を、平滑面に対し一定の傾斜角度β
をもったくさび状の傾斜面に形成し、該当接面の平滑面
に対する傾斜角度βをケーシング側に設けた第1,第2
の支持面の傾斜角度α1,α2よりも小さく設定する構
成としたので、斜板の当接面を加工して平滑面に対する
傾斜角度βを変化させることにより、斜板の傾転角度を
微妙に異ならせることができる。このため、重量の大き
なケーシングに設けた第1,第2の支持面に対する加工
を不用にでき、ケーシングに比較して重量が小さく取扱
いが容易な斜板の当接面に高精度な加工を施すことによ
り、微妙に容量の異なる複数種類の液圧回転機を容易に
製作することができる。
【0061】また、請求項2の発明によれば、支点はピ
ストンの押圧合力の作用点よりも該ピストンの縮小側に
位置して斜板と傾転制御面との間に設け、傾転制御ピス
トンは前記支点よりも前記ピストンの伸長側に位置して
斜板に対向するように設ける構成としたので、斜板は、
各ピストンから作用する押圧合力と傾転制御ピストンか
ら作用する押圧力とにより、支点を中心として最大傾転
位置と最小傾転位置との間で傾転することができる。
【0062】また、請求項3の発明によれば、第1,第
2の支持面の傾斜角度α1,α2を5〜20度の範囲に
設定し、斜板の当接面の傾斜角度βを0.05〜5度の
範囲に設定する構成としたので、斜板の平滑面に対する
当接面の傾斜を可及的に小さくすることができ、斜板に
各ピストンからの押圧合力が作用したときに、斜板の当
接面と平行な方向に作用する分力を小さくすることがで
きる。このため、この分力によって支点に作用する荷重
を小さくし、該支点の寿命を延ばすことができるので、
長期に亘って斜板を安定して傾転させることができ、液
圧回転機の信頼性を高めることができる。
【0063】さらに、請求項4の発明によれば、第1,
第2の支持面の傾斜角度α1,α2は回転軸と直交する
方向に対して1〜5度毎に異なる角度をもって形成し、
斜板の当接面の傾斜角度βは平滑面に対して0.05〜
1.5度毎に異なる角度をもって形成する構成としたの
で、第1,第2の支持面の傾斜角度α1,α2が比較的
大きな角度毎に異なる複数種類のケーシングを製作する
と共に、当接面の傾斜角度が微小な角度毎に異なる複数
種類の斜板を製作し、これら複数種類のケーシングと斜
板とを適宜に組合わせることにより、容量の異なる複数
種類の液圧回転機を製作することができる。この場合、
斜板はケーシングに比較して全体の形状、重量等が小さ
く取扱いが容易であるため、例えば加工機等を用いて当
接面に高精度な加工を行うことにより、微妙に容量の異
なる複数種類の液圧回転機を容易に製作することがでが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による可変容量型斜
板式の油圧モータを示す縦断面図である。
【図2】図1中の傾転制御面、斜板、傾転制御ピストン
等を斜板が最大傾転位置となった状態で示す拡大断面図
である。
【図3】傾転制御面、斜板、傾転制御ピストン等を斜板
が最小傾転位置となった状態で示す図2と同様位置の拡
大断面図である。
【図4】斜板を示す斜視図である。
【図5】第1,第2の支持面の傾斜角度、当接面の傾斜
角度、斜板の最大傾転角度等を示す要部拡大断面図であ
る。
【図6】第1,第2の支持面の傾斜角度、当接面の傾斜
角度、斜板の最小傾転角度等を示す要部拡大断面図であ
る。
【図7】第2の実施の形態による傾転制御面等を示す図
5と同様の要部拡大断面図である。
【図8】斜板の当接面の変形例を示す図5と同様位置の
拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 4,21 傾転制御面 4A,21A 第1の支持面 4B,21B 第2の支持面 5 回転軸 8 シリンダブロック 9 シリンダ 11 ピストン 12 シュー 13 斜板 13B 平滑面 13C 当接面 14 継手(支点) 15 傾転制御ピストン α1 第1の支持面の傾斜角度 α2 第2の支持面の傾斜角度 β 斜板の当接面の傾斜角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新留 隆志 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 3H070 AA01 BB04 CC31 DD32 3H084 AA08 AA15 AA16 AA45 AA51 BB23 CC33

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、該ケーシング内に回転可
    能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するよ
    うに前記ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方
    向に伸長する複数のシリンダが形成されたシリンダブロ
    ックと、該シリンダブロックの各シリンダに往復動可能
    に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストンの端部に
    装着されたシューと、表面側に該各シューが摺動する平
    滑面が形成されると共に裏面側に当接面が形成され、所
    定の支点を傾転中心として傾転可能に設けられた斜板
    と、該斜板を傾転させる傾転制御ピストンと、前記斜板
    の当接面に対向して前記ケーシングに設けられ、前記支
    点の位置を境として前記斜板の当接面を支持する第1の
    支持面と第2の支持面とが凸形状に形成された傾転制御
    面とを備えてなる可変容量型斜板式液圧回転機におい
    て、 前記斜板の当接面は前記平滑面に対し一定の傾斜角度β
    をもったくさび状の傾斜面に形成し、前記平滑面に対す
    る該当接面の傾斜角度βを、前記回転軸と直交する方向
    に対する前記第1,第2の支持面の傾斜角度α1,α2
    よりも小さく設定する構成としたことを特徴とする可変
    容量型斜板式液圧回転機。
  2. 【請求項2】 前記支点は前記各ピストンの押圧合力の
    作用点よりも該ピストンの縮小側に位置して前記斜板と
    前記傾転制御面との間に設け、前記傾転制御ピストンは
    前記支点よりも前記ピストンの伸長側に位置して設ける
    構成としてなる請求項1に記載の可変容量型斜板式液圧
    回転機。
  3. 【請求項3】 前記第1,第2の支持面の傾斜角度α
    1,α2は5〜20度の範囲に設定し、前記斜板の当接
    面の傾斜角度βは0.05〜5度の範囲に設定する構成
    としてなる請求項1または2に記載の可変容量型斜板式
    液圧回転機。
  4. 【請求項4】 前記第1,第2の支持面の傾斜角度α
    1,α2は前記回転軸と直交する方向に対して1〜5度
    毎に異なる角度をもって形成し、前記斜板の当接面の傾
    斜角度βは前記平滑面に対して0.05〜1.5度毎に
    異なる角度をもって形成する構成としてなる請求項1,
    2または3に記載の可変容量型斜板式液圧回転機。
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