JP2001131574A - 油脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

油脂組成物及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チョコレートと、焼き菓子類、ナッツ類、ク
リーム類の中から選ばれた1種又は2種以上とを組み合
わせてなる複合菓子におけるマイグレーションを防止
し、マイグレーションに起因する低温ブルーム耐性に優
れ、口どけの優れたチョコレートとすることができる油
脂組成物及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 2−オレオジ飽和トリグリセリド(SU
S)含有量が50重量%以上、2−オレオパルミトアラ
キジン(POA)含有量が0.5重量%以上、三飽和ト
リグリセリド(S3)含有量が2重量%以下、ジヒドロ
キシ脂肪酸含有トリグリセリド(DHTG)含有量が
0.01重量%以上であることを特徴とする油脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油脂組成物及びその
製造方法に関するものであり、特にカカオバター代用脂
として使用することができる油脂組成物及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、クッキー、ビスケット等の焼き菓子類やナッツ類、
クリーム類等とチョコレートとを組み合わせた複合菓子
においては、流通過程や保存中に、焼き菓子類の表面が
白い粉をふき斑点状になる白色化現象(ブルーム現象)
がしばしば発生し、また、チョコレートの軟化、ブルー
ム現象を伴う場合があり、このような現象を生じると商
品価値が著しく低下する。このような現象は、焼き菓子
類やナッツ類、クリーム類中に含まれる液状油脂成分の
チョコレートへの移行(いわゆる「マイグレーション」
現象)とそれに伴うチョコレート中の油脂結晶の成長に
よって引き起こされるものと推定されている。
【0003】従来、このような現象を抑制するための方
法として、特公昭61−47491号公報、特開昭64
−60325号公報、特開平4−66045号公報、特
開昭63−126457号公報及び特開平7−2649
83号公報では、固体脂量を増やしたり、油脂の固化速
度を調節したり、トランス酸や特定の油脂を一定量使用
することにより、油脂結晶を微細化することで固液分離
を抑制し、その結果、液状油脂の自由度を下げて液状油
脂成分の移行を防止しようとするような提案がなされて
いる。
【0004】しかしながら、いずれの方法も、マイグレ
ーション防止効果は充分なものでなく、そしてマイグレ
ーションに起因する低温ブルームに対する方策も何ら示
されていない。また、マイグレーション耐性を上げるた
めに、高融点成分を添加する等の提案がなされている
が、口溶け等の食感を犠牲にするものが多い。
【0005】従って、本発明の目的は、チョコレート
と、焼き菓子類、ナッツ類、クリーム類の中から選ばれ
た1種又は2種以上とを組み合わせてなる複合菓子にお
けるマイグレーションを防止し、マイグレーションに起
因する低温ブルーム耐性に優れ、口どけの優れたチョコ
レートとすることができる油脂組成物及びその製造方法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明らは、検討の結
果、上記目的は下記に示す油脂組成物及びその製造方法
によって達成し得ることを知見した。
【0007】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、2−オレオジ飽和トリグリセリド(SUS)含有量
が50重量%以上、2−オレオパルミトアラキジン(P
OA)含有量が0.5重量%以上、三飽和トリグリセリ
ド(S3)含有量が2重量%以下、ジヒドロキシ脂肪酸
含有トリグリセリド(DHTG)含有量が0.01重量
%以上であることを特徴とする油脂組成物を提供するも
のである。
【0008】また、本発明の油脂組成物の好ましい製造
方法として、2−オレオジパルミチン(POP)含有量
が20〜55重量%、2−オレオステアリルアラキジン
(StOA)含有量が5〜20重量%、ジヒドロキシ脂
肪酸含有トリグリセリド(DHTG)含有量が0.01
〜5重量%である油脂を、1,3−位置特異性を有する
リパーゼを用いてエステル交換反応させ、該エステル交
換反応の反応率を30〜95%に制御し、得られたエス
テル交換油を溶剤分別又はドライ分別で分別して軟部油
を得ることを特徴とする油脂組成物の製造方法を提供す
るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の油脂組成物は、上述のように、2−オレオジ飽
和トリグリセリド(SUS)含有量が50重量%以上、
2−オレオパルミトアラキジン(POA)含有量が0.
5重量%以上、三飽和トリグリセリド(S3)含有量が
2重量%以下、ジヒドロキシ脂肪酸含有トリグリセリド
(DHTG)含有量が0.01重量%以上である。
【0010】本発明の油脂組成物は、SUS含有量が5
0重量%以上、好ましくは60重量%以上、さらに好ま
しくは70重量%以上である。SUS含有量が50重量
%よりも少ないとカカオバター代用脂として用いたとき
カカオ脂との相溶性が悪いので好ましくない。
【0011】また、本発明の油脂組成物では、1位と3
位の飽和脂肪酸残基の鎖長が4炭素以上異なるSUSを
油脂組成物中、好ましくは0.5重量%以上、さらに好
ましくは1.0重量%以上含有させるのがよい。
【0012】本発明の油脂組成物は、POA含有量が
0.5重量%以上、好ましくは1.0重量%以上、さら
に好ましくは1.5重量%以上である。
【0013】POA含有量が0.5重量%以上である
と、次のような効果を有する。チョコレート中に微細
結晶ネットワーク構造を形成することにより、チコレー
トと焼き菓子類、ナッツ類及びクリーム類を組み合わせ
た複合菓子において、焼き菓子類、ナッツ類及びクリー
ム類中の液状油成分のチョコレート中への移行を最小限
に抑制する。焼き菓子類、ナッツ類及びクリーム類か
らの液状油成分がチョコレートに少量移行し、チョコレ
ートのSUS結晶が液状油へ溶解し、15〜20℃に製
品が保管された際も、SUSが再結晶化する際に、SU
Sが微細結晶化することにより低温ブルームを防止する
効果を発揮する。なお、POAはSUSと同等の融点、
構造であるため、チョコレートの作業性及び食感に何ら
悪影響を及ばさない。
【0014】本発明の油脂組成物は、S3含有量が2重
量%以下、好ましくは1.5重量%以下、さらに好まし
くは1重量%以下である。S3含有量が2重量%よりも
多いとチョコレートに使用したときチョコレートの口ど
けが悪くなるので好ましくない。
【0015】本発明の油脂組成物は、DHTG含有量が
0.01重量%以上、好ましくは0.1〜5重量%、さ
らに好ましくは0.3〜5重量%である。DHTGが
0.01重量%よりも少ないとマイグレーション抑制効
果が不十分なので好ましくない。
【0016】次に、本発明の油脂組成物の製造方法につ
いて説明する。本発明の油脂組成物の製造方法は、2−
オレオジパルミチン(POP)含有量が20〜55重量
%、2−オレオステアリルアラキジン(StOA)含有
量が5〜20重量%、ジヒドロキシ脂肪酸含有トリグリ
セリド(DHTG)含有量が0.01〜5重量%である
油脂を、1,3−位置特異性を有するリパーゼを用いて
エステル交換反応させ、該エステル交換反応の反応率を
30〜95%に制御し、得られたエステル交換油を溶剤
分別又はドライ分別で分別して軟部油を得ることを特徴
とする。
【0017】本発明では、上述のように、2−オレオジ
パルミチン(POP)含有量が20〜55重量%、1,
3−ステアリルアラキジル−2−オレイン(StOA)
含有量が5〜20重量%、ジヒドロキシ脂肪酸含有トリ
グリセリド(DHTG)含有量が0.01〜5重量%で
ある油脂が原料として用いられる。好ましくはPOP含
有量が20〜40%、StOA含有量が8〜20重量
%、DHTG含有量が0.05〜4重量%である油脂、
さらに好ましくはPOP含有量が25〜40%、StO
A含有量が10〜20重量%、DHTG含有量が0.1
〜3重量%である油脂を用いるのがよい。
【0018】POP含有量が20重量%未満であった
り、StOAの含有量が5重量%未満である油脂では、
エステル交換して得られたエステル交換油のPOA含有
量が0.5重量%以上とならないので好ましくない。P
OP含有量が55重量%より多かったり、StOA20
重量%より多かったりする油脂では、エステル交換して
得られたエステル交換油を分別して得られた軟部油のS
3含有量が2重量%よりも多くなるので好ましくない。
DHTG含有量が0.01重量%未満であるとマイグレ
ーション抑制効果が不充分なので好ましくなく、5重量
%よりも多いとチョコレートに使用したときのチョコレ
ートの口どけが不良となるので好ましくない。
【0019】POPを20〜55重量%、StOAを5
〜20重量%、DHTGを0.01〜5重量%含有する
油脂としては、POP含有量が多いパーム油やチャイニ
ーズタロウ或いはこれらの分別油等と、StOA含有量
が多いサル脂或いはサル脂分別脂を混合することにより
得ることができるが、トリオレインと脂肪酸あるいは脂
肪酸エステルとの1,3選択的エステル交換反応によっ
ても製造することができる。
【0020】本発明で使用するリパーゼとしては、1,
3位特異性を有するリパーゼが用いられ、特にリゾープ
ス属、ムコール属、アスペルギルス属、アルカリゲネス
属及びフミコラ属からなる群より選ばれた1種又は2種
以上の1,3位特異性を有するリパーゼが好ましい。こ
れら以外の1,3位特異性を有しないリパーゼである例
えばキャンディダ属のリパーゼを用いた場合は、S3含
有量が多く、POA含有量が少ないエステル交換油とな
り、効率よく本発明の油脂組成物が得ることができない
ので好ましくない。
【0021】また、これらのリパーゼは、ケイソウ土、
シリカ、セラミック、活性炭、イオン交換樹脂等の担体
に固定化して用いるのが好ましい。
【0022】エステル交換反応は回分式、充填層型の連
続式いずれでも構わないが、連続式の方が効率的である
ので好ましい。
【0023】また、エステル交換反応は石油エーテル、
n−ヘキサン等の溶媒下で行うことができるが、反応後
に溶媒除去の行程が不要な無溶媒とするのが好ましい。
【0024】エステル交換に際し、POP含有量が20
〜55重量%、StOA含有量が5〜20重量%、DH
TG含有量が0.01〜5重量%である上記油脂の水分
は、0.1重量%以下とするのが好ましく、さらに好ま
しくは、0.05重量%以下である。水分が0.1重量
%よりも多いとエステル交換油の酸価、S3含有量、ジ
グリセリド(DG)含有量が多く、POA含有量が少な
いエステル交換油となり、効率よく本発明の油脂組成物
が得られにくい。
【0025】エステル交換反応時の温度は20〜80
℃、好ましくは30〜70℃、さらに好ましくは40〜
60℃であることが望ましい。20℃よりも低いと反応
速度が遅く、生産性が低いので好ましくなく、80℃よ
りも高いと上記リパーゼの活性低下が速くなるので好ま
しくない。
【0026】エステル交換反応の反応率は、反応平衡値
に対して30〜95%、好ましくは50〜95%、さら
に好ましくは70〜90%に制御する。30%未満では
POAの含有量が少ないエステル交換油となり、また9
5%を超えるとS3の含有量が多いエステル交換油とな
り、効率よく本発明の油脂組成物を得ることができない
ので好ましくない。
【0027】ここで、反応率(%)は次のようにして求
める。なお、ここにおいて、POStは、1,3−パル
ミチルステアリル−2−オレインである。 反応率(%)=〔(dPOP+dPOSt+dPOA+
dStOA)/(dPOPeq+dPOSteq+dP
OAeq+dStOAeq)〕×100 dPOP:(原料油POP含有量−反応油POP含有
量)の絶対値 dPOSt:(原料油POSt含有量−反応油POSt
含有量)の絶対値 dPOA:(原料油POA含有量−反応油POA含有
量)の絶対値 dStOA:(原料油StOA含有量−反応油StOA
含有量)の絶対値 dPOPeq:(原料油POP含有量−反応平衡時PO
P含有量)の絶対値 dPOSteq:(原料油POSt含有量−反応平衡時
POSt含有量)の絶対値 dPOAeq:(原料油POA含有量−反応平衡時PO
A含有量)の絶対値 dStOAeq:(原料油StOA含有量−反応平衡時
StOA含有量)の絶対値
【0028】充填層型でエステル交換反応を行う場合、
X=反応率/100、質量速度MV(/h)=油脂通液
速度/リパーゼ剤重量としたとき、酵素剤のエステル交
換活性K=ln{1/(1−X)}×MV と定義す
る。
【0029】これより設定質量速度MV’は、MV’=
K/{ln(1/(1−X’)} で求めることができ
る。
【0030】また、このときの酵素剤のエステル交換活
性は高いほど好ましく、3以上であれば実用的である。
【0031】回分式で行う場合は、リパーゼを油脂に対
して0.1〜10.0重量%添加し、撹拌速度100〜
500rpmで3時間〜3日反応させる。設定反応率に
達したら、酵素剤を濾過等で除去することで反応停止と
すればよい。
【0032】このようにエステル交換反応を行った後、
溶剤分別又はドライ分別によりS3を主成分とする高融
点部を除去する。このときドライ分別の方がコスト的に
好ましい。
【0033】溶剤分別の方法は、エステル交換油1重量
部に対して、アセトン等の溶剤を0.3〜0.7重量部
添加し、45〜50℃で完全に溶解後、冷却し(20〜
28℃)、結晶化後、濾過で結晶部を除去し、得られた
液状部を脱溶剤し、軟部油を得る。
【0034】ドライ分別は、エステル交換油を45〜5
5℃で完全に溶解後、冷却し(30〜38℃)、結晶化
後、濾過で結晶部を除去し、軟部油を得る。
【0035】このようにして得られた2−オレオジ飽和
トリグリセリド(SUS)含有量が50重量%以上、2
−オレオパルミトアラキジン(POA)含有量が0.5
重量%以上、三飽和トリグリセリド(S3)含有量が2
重量%以下、ジヒドロキシ脂肪酸含有トリグリセリド
(DHTG)の含有量が0.01重量%以上である本発
明の油脂組成物をカカオバター代用脂として使用する場
合には、本発明の油脂組成物のみをカカオバター代用脂
としてもよいが、カカオ脂、サル脂、シア脂、イリッペ
脂、マンゴー核油、コクム脂及びこれらの分別油、エス
テル交換油等の油脂を本発明の油脂組成物に配合しても
よい。この場合、本発明の油脂組成物100重量部に対
し、カカオ脂、サル脂、シア脂、イリッペ脂、マンゴー
核油、コクム脂及びこれらの分別油、エステル交換油等
の油脂を好ましくは600重量部以下、更に好ましくは
250重量部以下配合して、カカオバター代用脂として
もよい。
【0036】また、本発明の油脂組成物からなるカカオ
バター代用脂は、チョコレートに用いられる。この場合
には、該カカオバター代用脂の配合量は、チョコレート
の全配合成分100重量部に対し、好ましくは5〜35
重量部である。
【0037】そして、このカカオバター代用脂を用いて
得られたチョコレートは、複合菓子におけるマイグレー
ションを抑制し、マイグレーションに起因する低温ブル
ーム耐性に優れ、かつ、口どけの優れたものとなる。
【0038】この複合菓子としては、チョコレートと、
焼き菓子類、ナッツ類及びクリーム類の中から選ばれた
1種又は2種以上とを組み合わせたものである。
【0039】また、本発明の油脂組成物は、チョコレー
ト以外にも、練り込み用油脂及びクリーム用油脂等に適
した製菓用油脂の用途に用いられる。
【0040】
【実施例】以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説
明する。
【0041】[実施例1]POP含有量が30重量%、
StOA含有量が10重量%、DHTG含有量が0.5
重量%、水分含有量が0.02重量%である油脂を、ム
コールミーハイ起源のリパーゼ(エステル交換活性K=
2.8)を充填し45℃に保ったカラムに通し、エステ
ル交換反応を行った。通液量は反応率が80%となるよ
うに、質量速度MV=1.7とすることにより調整し
た。得られたエステル交換油は50℃に完全に溶解後、
32℃に冷却し結晶化後、濾過し軟部油を得た。軟部油
は常法通り精製して、SUS含有量が85重量%、PO
A含有量が5重量%、1位と3位の飽和脂肪酸基の炭素
数差が4以上であるSUS(以下、SnUSn+4<とい
う)含有量が5.6重量%、DHTG含有量が0.5重
量%、S3含有量が1.1重量%である油脂組成物を得
た。
【0042】[実施例2]実施例1で得られた油脂25
重量%とパーム中融点部75重量%を配合してSUS含
有量が90重量%、POA含有量が1.3重量%、Sn
USn+4<含有量が1.4重量%、DHTG含有量が0.
13重量%、S3含有量が1.2重量%である油脂組成
物を得た。
【0043】[比較例1]MV=12.0とすることに
より、反応率を20%とした以外は、実施例1と同様の
方法にてSUS含有量が85重量%、POA含有量が
0.3重量%、SnUSn+4<含有量が0.3重量%、D
HTG含有量が0.3重量%、S3含有量が0.7重量
%である油脂組成物を得た。
【0044】[比較例2]MV=0.5とすることによ
り反応率を100%とした以外は、実施例1と同様の方
法にてSUS含有量が70重量%、POA含有量が5.
1重量%、Sn USn+4<含有量が5.7重量%、DHT
G含有量が0.5重量%、S3含有量が2.7重量%で
ある油脂組成物を得た。
【0045】[比較例3]POP含有量が10重量%、
StOA含有量が10重量%、DHTG含有量が3重量
%である油脂を用いた以外は、実施例1と同様な方法に
てSUS含有量が85重量%、POA含有量が0.1重
量%、Sn USn+4<含有量が0.1重量%、DHTG含
有量が3重量%、S3含有量が2.7重量%である油脂
組成物を得た。
【0046】[比較例4]POP含有量が60重量%、
StOA含有量が3重量%、DHTG含有量が0.00
5重量%である油脂を用いた以外は、実施例1と同様な
方法にてSUS含有量が85重量%、POA含有量が
0.1 重量%、Sn USn+4<含有量が0.1重量%、D
HTG含有量が0.005重量%、S3含有量が2.5
重量%である油脂組成物を得た。
【0047】〔試験例1〕実施例1〜2及び比較例1〜
4で得られた油脂組成物を用いて、表1の配合で常法に
よりチョコレートを製造した。
【0048】
【表1】
【0049】表1の配合で製造したチョコレートを溶か
し、表2の配合で常法により製造したクッキーを埋没さ
せ、クッキー1重量部に対しチョコレート3重量部の割
合のチョコレートクッキーを得た。得られたチョコレー
トクッキーを、20℃に12時間放置し、そして28℃
に12時間放置するサイクルを繰返す放置テストを、1
カ月間行った。1カ月後のチョコレートクッキーについ
て、次のような評価を行った。結果を表3に示した。
【0050】クッキーの表面状態は、放置テスト前のも
のと同等であれば良好とし、放置テスト前のものと比
べ、白色化していれば不良とした。
【0051】クッキー中の油分の移行率は、 〔(放置テスト前のクッキーの油分−1カ月後のクッキ
ーの油分)/(放置テスト前のクッキーの油分)〕×1
00 の式で得られた値である。クッキーの油分はCEM社製
の油分水分計で測定した。
【0052】チョコレートの口どけは、10名のパネラ
ーにより官能評価を行った。
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】表3の結果が示すように、実施例1及び2
の油脂組成物を用いた場合には、クッキーからチョコレ
ートへの液状油の移行が抑制されているので、クッキー
の白色化を防止し、かつ、チョコレートの口どけが良好
である。
【0056】〔試験例2〕実施例1〜2及び比較例1〜
4の油脂組成物を用い、表1の配合で常法により得られ
たたチョコレートをシェルとし、市販のピーナッツクリ
ームをセンターとして、シェル2重量部に対し、ピーナ
ッツクリーム1重量部の割合のシェルタイプチョコレー
トを得た。
【0057】このシェルタイプチョコレートを20℃及
び25℃で1カ月放置したものについて、次のような評
価を行った。結果を表4に示した。
【0058】低温ブルームは、20℃で1 カ月放置した
ものが、放置するまえの状態と同等であれば良好とし、
ピーナッツの回りが白色化すれば不良とした。
【0059】シェル状態は、25℃で1カ月放置したも
のが、放置するまえの状態と同等であれば良好とし、シ
ェルが陥没しているものは不良とした。
【0060】シェル部分のチョコレートの口どけは、1
0名のパネラーにより官能評価を行った。
【0061】
【表4】
【0062】表4の結果が示すように、実施例1及び2
の油脂組成物を用いた場合には、センタークリームから
のシェルへの液状油の移行を抑制されているので、シェ
ルの陥没を防止し、低温ブルームの発生を防止し、かつ
チョコレートの口どけが良好である。
【0063】〔試験例3〕実施例1〜2及び比較例1〜
4の油脂組成物を用い、表1の配合で常法により得られ
たチョコレートを溶かし、約3mm角に切ったアーモン
ドをチョコレートに対して30重量%添加し、冷却し、
アーモンドチョコレートを製造した。
【0064】得られたアーモンドチョコレートを20℃
で1カ月放置した。1カ月放置したものについて次のよ
うな評価を行った。結果を表5に示した。
【0065】低温ブルームは放置する前の状態と同等で
あれば良好。アーモンドの回りがやや白色化したものを
やや不良、アーモンドの回りが白色化したものを不良と
した。
【0066】アーモンドチョコレートの口どけは、10
名のパネラーにより官能評価を行った。
【0067】
【表5】
【0068】表5の結果が示すように、実施例1及び2
の油脂組成物を用いた場合には、アーモンドに含まれる
液状油が、チョコレートヘ移行するのを抑制しているた
め、低温ブルームの発生を防止し、かつ、チョコレート
の口どけが良好である。
【0069】
【発明の効果】本発明の油脂組成物を使用したチョコレ
ートは、チョコレートと、焼き菓子類、ナッツ類、クリ
ーム類の中から選ばれた1種又は2種以上とを組み合わ
せてなる複合菓子におけるマイグレーションを抑制し、
マイグレーションに起因する低温ブルーム耐性に優れ、
口どけの優れたチョコレートを製造することができる。
また、本発明の製造方法によって、上記油脂組成物が生
産性をもって簡便に得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 7/64 C12P 7/64 (72)発明者 伊藤 大典 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 廣川 敏幸 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 山本 幸子 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 丸銭 詔司 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 Fターム(参考) 4B014 GB01 GB04 GG14 GP14 GY03 4B026 DC06 DG02 DL09 DP03 DX02 4B064 AD85 CA21 CA33 CB02 CC06 CE06 DA10 4H059 BA33 BA34 BB02 BB03 BB05 BB06 BB07 BC13 BC48 CA06 CA13 CA35 EA17 EA40

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−オレオジ飽和トリグリセリド(SU
    S)含有量が50重量%以上、2−オレオパルミトアラ
    キジン(POA)含有量が0.5重量%以上、三飽和ト
    リグリセリド(S3)含有量が2重量%以下、ジヒドロ
    キシ脂肪酸含有トリグリセリド(DHTG)含有量が
    0.01重量%以上であることを特徴とする油脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 2−オレオジパルミチン(POP)含有
    量が20〜55重量%、2−オレオステアリルアラキジ
    ン(StOA)含有量が5〜20重量%、ジヒドロキシ
    脂肪酸含有トリグリセリド(DHTG)含有量が0.0
    1〜5重量%である油脂を、1,3−位置特異性を有す
    るリパーゼを用いてエステル交換反応させ、該エステル
    交換反応の反応率を30〜95%に制御し、得られたエ
    ステル交換油を溶剤分別又はドライ分別で分別して軟部
    油を得ることを特徴とする油脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の油脂組成物を含有したカ
    カオバター代用脂。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のカカオバター代用脂を含
    有したチョコレート。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のチョコレートと、焼き菓
    子類、ナッツ類、クリーム類の中から選ばれた1種又は
    2種以上とを組み合わせてなる複合菓子。
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