JP2001130423A - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置

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JP2001130423A
JP2001130423A JP31464099A JP31464099A JP2001130423A JP 2001130423 A JP2001130423 A JP 2001130423A JP 31464099 A JP31464099 A JP 31464099A JP 31464099 A JP31464099 A JP 31464099A JP 2001130423 A JP2001130423 A JP 2001130423A
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worm
bearing
power steering
housing
electric power
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JP31464099A
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Shinji Naruse
信治 成瀬
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KYB Corp
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Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイヤ側から外力が入った場合に生ずるラト
ル音の内、ベアリング自身の遊びに起因するラトル音の
発生を防止することは勿論、簡単な構成でウォームとウ
ォームホイールとの噛合状態に起因するラトル音の発生
をも低減することができる電動式パワーステアリング装
置を提供すること。 【解決手段】 操舵力をアシストするアシスト力を伝達
する歯車状のウォームホイール92と、そのウォームホ
イール92と噛合された状態で電気的に駆動される歯車
状のウォーム93と、そのウォーム93の一端または両
端に配設されたベアリング2a,2bとを備えており、
そのベアリング2a,2bを前記ウォーム93側へ付勢
する第1付勢手段(弾性部材)3を備えていることを特
徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、電動式パワース
テアリング装置に関し、特に、外力が入った場合に発生
する所謂「ラトル音」(「衝撃音」及び「叩き音」の意
味をも含むものとする。以下、同じ。)の内、ベアリン
グ自身の遊び(ガタ)に起因するラトル音の発生を防止
することができ、更には、ウォームとウォームホイール
との噛合状態に起因するラトル音の発生を低減すること
もできる電動式パワーステアリング装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】 パワーステアリング装置は、車輌(自
動車)に搭載され、操舵力をアシストするステアリング
システムであり、操舵者の操舵力の軽減を主たる目的と
している。このパワーステアリング装置の中には、構成
部品が少なくて済み、小型で軽量な電動式パワーステア
リング装置(以下、「EPS」と称する。)がある。
【0003】図2は、一従来例であるEPS91の部分
断面図である。図2に示すように、EPS91には、操
舵力をアシストするアシスト力を伝達する歯車状のウォ
ームホイール92と、そのウォームホイール92と噛合
(2つの噛形状のものが噛み合うこと。以下、同じ。)
された状態で回転(正逆方向に円運動すること。以下、
同じ。)する歯車状のウォーム93と、そのウォーム9
3を駆動する電動モータ94と、かかるウォーム93を
収容するハウジング95と、そのハウジング95内にウ
ォーム93を位置決め固定する固定部材96と、かかる
ウォーム93の回転を円滑にするためのベアリング97
とを備えている。
【0004】このEPS91によれば、電動モータ94
が回転すると、その電動モータ94により、ウォーム9
3が回転される。ウォーム93が回転されると、そのウ
ォーム93と噛合されたウォームホイール92が回転さ
れる。ウォームホイール92が回転されると、そのウォ
ームホイール92の回転が図示しないラック軸に伝達さ
れるのである。このようにして操舵者による操舵力をア
シストすることにより、操舵者の操舵力を軽減すること
ができるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、通
常、かかるベアリング97は外輪97aと転動体97b
と内輪97cとによって構成されており、外輪97aと
転動体97bとの間、又は転動体97bと内輪97cと
の間に遊び(ガタ)が存在する。このため、タイヤ側か
ら外力が入ると、その外力により、ウォームホイール9
2が回転され、更にはウォーム93が軸方向へ移動され
るので、外輪97aと転動体97bとが、又は転動体9
8bと内輪97cとが衝突してしまうという問題点があ
った。即ち、タイヤ側から外力が入った場合に、外輪9
7aと転動体97bとの衝突、又は転動体97bと内輪
97cとの衝突に起因するラトル音が発生してしまうと
いう問題点があった。
【0006】また、前記したようにウォーム93は固定
部材96によりハウジング95内に位置決め固定されて
いるが、設計上の理由により、ウォーム93の歯面とウ
ォームホイール92の歯面との間には、バックラッシュ
(「Buckrash」、噛み合う歯車の歯面間の遊び)が存在
する。このため、同様にして、タイヤ側から外力が入る
と、その外力により、ウォームホイール92が回転し、
このウォームホイール92の歯面とウォーム93の歯面
とが衝突してしまう。即ち、タイヤ側から外力が入った
場合に、ウォームホイール92の歯面とウォーム93の
歯面との衝突に起因するラトル音が発生してしまうとい
う問題点があった。
【0007】更には、前記した両ラトル音により、車室
内(操舵者が乗車する空間)の静粛性が損なわれてしま
うという問題点があった。
【0008】次に、第2従来例のEPS191について
説明する。図3は、第2従来例のEPS191の部分断
面図である。図3に示すように、第2従来例のEPS1
91は、ウォームホイール192と、ウォーム193
と、ベアリング194と、ハウジング195と、スナッ
プリング196と、電動モータ197と、間座198
と、ネジ部材199と、ロックナット200とを備えて
いる。
【0009】ウォームホイール192は、操舵力をアシ
ストするアシスト力を伝達するものであり、歯車状に形
成されている。ウォーム193は、ウォームホイール1
92と噛合された状態で電気的に駆動されるものであ
り、歯車状に形成されている。このウォーム193及び
ウォームホイール192は、ウォーム193の軸とウォ
ームホイール192の軸とが互いに直角となるように配
設されている。
【0010】ベアリング194は、ウォーム193の回
転を円滑にするためのものであり、第1ベアリング19
4aと、第2ベアリング194bとによって構成されて
いる。この第1ベアリング194aは、ハウジング底壁
195a側(ハウジング195内に設けられた空間の底
壁195a側)に配設されており、第2ベアリング19
4bは、電動モータ197側に配設されている。ハウジ
ング195は、ウォーム193、ウォームホイール19
2、ベアリング194及び間座198を収容するもので
あり、スナップリング196は、ハウジング195内に
ウォーム193、ベアリング194及び間座198を位
置決め固定するものである。
【0011】電動モータ197は、操舵者の操舵力に応
じた電流に基づいて回転することにより、ウォーム19
3を駆動するものである。この電動モータ197の出力
軸は、ウォーム193に直結されている。間座198
は、ベアリング194の外輪をウォーム193側へ押圧
(圧して押さえ付けること)するものであり、略円盤状
に形成されている。ネジ部材199は、間座198を押
止(押さえ止めること)するものであり、ハウジング1
95に設けられたネジ穴に螺合(ネジ作用ではめるこ
と)されている。ロックナット200は、ネジ部材19
9がハウジング195から抜けてしまうことを防止する
ためのものであり、ネジ部材199に螺合されている。
【0012】このように構成されることによって、外力
が入った場合においても、両ベアリング194a,19
4b自身に遊びが発生してしまうことを防止することが
できる、即ち、これらに起因するラトル音が発生してし
まうことを防止することができるのである。
【0013】しかしながら、ラトル音を防止するため
に、ネジ部材199、間座198、ロックナット200
といった別部材が必要となるので、部品点数が増加して
しまうという問題点があり、組付工数も増大してしまう
という問題点もあった。また、長年の使用により各部材
間に遊びが発生した場合には、再度、ネジ部材199に
よる調整作業が必要となってしまうという問題点があっ
た。更には、ウォーム193の歯面とウォームホイール
192の歯面との衝突に起因してラトル音が発生してし
まうことを低減することができないという問題点があっ
た。
【0014】そこで、案出されたのが本発明であって、
タイヤ側から外力が入った場合に生ずるラトル音の内、
ベアリング自身の遊びに起因するラトル音の発生を防止
することは勿論、簡単な構成でウォームとウォームホイ
ールとの噛合状態に起因するラトル音の発生をも低減す
ることができる電動式パワーステアリング装置を提供す
ることを目的をしている。
【0015】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するた
めに請求項1記載の電動式パワーステアリング装置は、
操舵力をアシストするアシスト力を伝達する歯車状のウ
ォームホイールと、そのウォームホイールと噛合された
状態で電気的に駆動される歯車状のウォームと、そのウ
ォームの一端または両端に配設されたベアリングとを備
えており、更に、前記ベアリングを前記ウォーム側へ付
勢する第1付勢手段を備えているものである。
【0016】この請求項1記載の電動式パワーステアリ
ング装置によれば、ウォームが電気的に駆動されると、
そのウォームにより、そのウォームと噛合されたウォー
ムホイールが回転させられる。このウォームの回転は、
ベアリングにより、円滑とされるのである。ここで、通
常、ベアリングは外輪と転動体と内輪とによって構成さ
れており、外輪と転動体との間、又は転動体と内輪との
間に遊び(ガタ)がある。このため、タイヤ側から外力
が入ると、その外力により、外輪と転動体とが、又は転
動体と内輪とが衝突して、いわゆるラトル音が発生す
る。
【0017】一方、前記したようにウォームとウォーム
ホイールとが噛合されているが、設計上の理由により、
ウォームの歯面とウォームホイールの歯面との間にはバ
ックラッシュ(「buckrash」、噛み合う歯車の歯面間の
遊び)が存在する。このため、タイヤ側から入力される
外力により、ウォームの歯面とウォームホイールの歯面
との衝突に起因するラトル音も発生する。
【0018】しかしながら、第1付勢手段により、ベア
リングがウォーム側へ付勢されるので、タイヤ側から外
力が入った場合においても、外輪と転動体との衝突また
は転動体と内輪との衝突に起因するラトル音が発生して
しまうことが防止され、更には、ウォームの歯面とウォ
ームホイールの歯面との衝突に起因するラトル音が発生
してしまうことが低減される。
【0019】請求項2記載の電動式パワーステアリング
装置は、請求項1記載の電動式パワーステアリング装置
において、第1付勢手段は、ベアリングの外輪のみを付
勢するようにされているものである。
【0020】この請求項2記載の電動式パワーステアリ
ング装置によれば、請求項1記載の電動式パワーステア
リング装置と同様に作用する上、第1付勢手段により、
ベアリングの外輪のみが付勢されると、外輪を介して転
動体が付勢され、転動体を介して内輪が付勢され、内輪
を介してウォームが付勢される。即ち、外輪と転動体と
の間、及び転動体と内輪との間に遊びが発生してしまう
ことが防止される。また、第1付勢手段により、ベアリ
ングの外輪のみが付勢されるので、外輪と転動体との衝
突または転動体と内輪との衝突に起因するラトル音の発
生が防止され、しかも、ウォームの回転も阻害されな
い。
【0021】請求項3記載の電動式パワーステアリング
装置は、操舵力をアシストするアシスト力を伝達する歯
車状のウォームホイールと、そのウォームホイールと噛
合された状態で電気的に駆動される歯車状のウォーム
と、そのウォームを収容するハウジングと、そのハウジ
ング内から前記ウォームが抜けないように固定する固定
部材とを備えており、更に、前記ハウジングの内壁と前
記ウォームとの間、又は前記ウォームと前記固定部材と
の間に配設され、前記ウォームを其の軸方向へ付勢する
第2付勢手段を備えているものである。
【0022】この請求項3記載の電動式パワーステアリ
ング装置によれば、ウォームが電気的に駆動されると、
そのウォームにより、そのウォームと噛合されたウォー
ムホイールが回転させられる。ここで、固定部材によ
り、ハウジング内にウォームが位置決め固定される一
方、第2付勢手段により、ベアリングがウォーム側へ付
勢される。このように固定部材によってハウジング内に
ウォームが位置決め固定されているが、設計上の理由に
よりウォームの歯面とウォームホイールの歯面との間に
はバックラッシュ(「buckrash」、噛み合う歯車の歯面
間の遊び)が存在する。このため、タイヤ側から外力が
入ると、その外力により、ウォームの歯面とウォームホ
イールの歯面とが衝突して、いわゆる「ラトル音」が発
生してしまう。しかしながら、ハウジングの内壁とウォ
ームとの間、又はウォームと固定部材との間に配設され
た第2付勢手段によりウォーム側が其の軸方向(即ち、
ウォームの軸方向)へ付勢されるので、タイヤ側から外
力が入ることによりウォームとウォームホイールとが衝
突した場合においても、ウォームとウォームホイールと
の衝突に起因するラトル音の発生が低減される。
【0023】請求項4記載の電動式パワーステアリング
装置は、請求項1から3のいずれかに記載の電動式パワ
ーステアリング装置において、ウォームを収容するハウ
ジングを備えており、第1付勢手段または第2付勢手段
は、そのハウジング内に形成された空間の断面形状と略
同一形状に形成され、前記ハウジング内の空間の底壁と
当接するように配設されているものである。
【0024】この請求項4記載の電動式パワーステアリ
ング装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の
電動式パワーステアリング装置と同様に作用する上、ハ
ウジング内に設けられた空間の断面形状と略同一形状に
形成された第1付勢手段または第2付勢手段が其のハウ
ジング内の空間の底壁(以下、便宜に応じて「ハウジン
グ底壁」と称する。)と当接するように配設されている
ので、本電動式パワーステアリング装置を組み立てる場
合、第1付勢手段または第2付勢手段をハウジング内の
空間に挿入した後に、ベアリング、ウォーム及び固定部
材を組み付ける作業が容易とされる。即ち、本電動式パ
ワーステアリング装置の組立が容易とされる。
【0025】請求項5記載の電動式パワーステアリング
装置は、請求項1から4のいずれかに記載の電動式パワ
ーステアリング装置において、第1付勢手段または第2
付勢手段は、弾性材によって構成されているものであ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例に
ついて、添付図面を参照して説明する。なお、第1従来
例のEPS91と同一の部分には同一の符号を付して其
の説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
【0027】図1は、本発明の一実施例であるEPS1
の部分断面図である。図1に示すように、EPS1は、
ウォームホイール92と、ウォーム93と、ベアリング
2と、ハウジング95、弾性部材3と、カシメ部材4
と、ボルト部材5とを備えている。
【0028】ベアリング2は、ウォーム93の回転を円
滑にするためのものであり、第1ベアリング2aと、第
2ベアリング2bとを備えている。第1ベアリング2a
及び第2ベアリング2bは共にハウジング95内に配設
されており、第1ベアリング2aはハウジング底壁(ハ
ウジング95内に設けられた空間Aの底壁)95a側
に、第2ベアリング2bは電動モータ94側にそれぞれ
配設されている。かかる第1ベアリング2aは、外輪2
a1と転動体2a2と内輪2a3とによって構成されて
おり、一方、第2ベアリング2bも、外輪2b1と転動
体2b2と内輪2b3とによって構成されている。第1
ベアリング2aの内輪2a3及び第2ベアリング2bの
内輪2b3は、ウォーム93のフランジに当接されてお
り、ウォーム93は、第1ベアリング2aと第2ベアリ
ング2bとの間に位置決め固定されている。
【0029】カシメ部材4は、第2ベアリング2bの内
輪2bを位置決め固定するものであり、第2ベアリング
2bと電動モータ94との間に配設されている。ボルト
部材5は、第2ベアリング2bの外輪2b1を位置決め
固定するものであり、カシメ部材4と同様に、第2ベア
リング2bと電動モータ94との間に配設されている。
このカシメ部材4及びボルト部材5により、ウォーム9
3、第1ベアリング2a及び第2ベアリング2bをハウ
ジング95内に位置決め固定することができるのであ
る。
【0030】弾性部材3は、第1ベアリング2aの外輪
2a1をウォーム93側へ付勢するものであり、弾性材
の一種であるゴム材から成り、全体が略円筒状に形成さ
れている。このように弾性部材3がゴム材から成るの
で、他の部材により弾性部材3を構成する場合に比べ
て、ラトル音の発生を防止するために製造コストが上昇
してしまうことを低く抑えることができるのである。
【0031】かかる弾性部材3は、第1ベアリング2a
とハウジング底壁95aとの間に圧縮された状態で配設
され、弾性部材3の一面が第1ベアリング2aの外輪2
a1の一面のみと当接されている。ここで「発明が解決
しようとする課題」の欄で説明したように、ウォーム9
3及び各ベアリング2a,2bは固定部材(即ち、カシ
メ部材4及びボルト部材5)によりによりハウジング9
5内に位置決め固定されているが、通常、ベアリング2
自身に遊び(具体的には、第1ベアリング2aの場合に
おいては、外輪2a1と転動体2a2との間、又は転動
体2a2と内輪2a3との間のうち少なくともいずれか
一の間にある遊びのこと。第2ベアリング2bについて
は、第1ベアリング2aと同様であるので、説明を省略
する。)が存在するため、その遊びに起因するラトル音
が発生してしまうという問題点があった。
【0032】しかしながら、弾性部材3により第1ベア
リング2aの外輪2a1がウォーム93側へ付勢されて
いるので、第1ベアリング2a自身に遊びが発生してし
まうことを防止することができることは勿論のこと、第
2ベアリング2b自身に遊びが発生してしまうことを防
止することもできるのである。従って、両ベアリング2
a,」2b自身の遊びに起因するラトル音が発生してし
まうことを防止することができるのである。
【0033】一方、ウォーム93の歯面とウォームホイ
ール92の歯面との間には、設計上の理由により、バッ
クラッシュ(「Buckrush」、噛み合う歯車の歯面間の遊
び)が存在する。このため、タイヤ側から外力が入る
と、その外力により、ウォーム93の歯面とウォームホ
イール92の歯面とが衝突し、その衝突に起因する「ラ
トル音」が発生してしまうという問題点があった。
【0034】しかしながら、前記したように弾性部材3
により第1ベアリング2aの外輪2a1がウォーム93
側へ付勢されているので、この付勢力に抗して移動する
方向の外力が入った場合には、その外部入力によりウォ
ーム93の歯面とウォームホイール92の歯面とが衝突
しても、弾性部材3が弾性変形する分ウォーム93が軸
方向に沿って弾性部材3側に移動する。従って、ウォー
ム93の歯面とウォームホイール92の歯面との衝突に
起因して発生するラトル音の音量を減衰することができ
る、即ち、かかる衝突に起因するラトル音の発生を低減
することができるのである。特に車輌が直進している場
合(「Buckrush」、噛み合う歯車の歯面間の遊び)に発
生する「ラトル音」の発生を、効果的に低減することが
できる。
【0035】更には、かかる両ラトル音の発生を防止し
たり低減したりすることにより、車室内(操舵者が乗車
する空間)の静粛性が損なわれてしまうことを防止する
ことができるのである。
【0036】なお、弾性部材3は、必ずしも、ゴム材に
より構成されるものに限られるものではなく、例えばバ
ネ材などにより構成されるようにしても良い。更には、
第1ベアリング2aをウォーム93側へ付勢する付勢部
材は、必ずしも、弾性部材3に限られるものではなく、
電気的、機械的、又は油圧的な機構をもつ部材(装置)
であっても良い。
【0037】次に、上記のように構成されたEPS1の
動作、及び組立方法について説明する。まず、EPS1
の動作について、説明する。電動モータ94が回転する
と、その電動モータ94により、ウォーム93が回転さ
れる。ウォーム93が回転されると、そのウォーム93
と噛合されたウォームホイール92が回転される。ウォ
ームホイール92が回転されると、そのウォームホイー
ル92の回転が図示しないラック軸(図示せず)に伝達
されるのである。このようにして操舵者による操舵力を
アシストすることができるのである。
【0038】一方、本EPS1によれば、弾性部材3に
より、第1ベアリング2aの外輪2a1がウォーム93
側へ付勢される。第1ベアリング2aの外輪2a1が付
勢されると、第1ベアリング2aの転動体2a2及び内
輪2a3を介して、ウォーム93のフランジが押圧され
る。フランジが押圧されると、ウォーム93が電動モー
タ94側へ付勢される。このウォーム93の両端に設け
られたフランジは第1ベアリング2a及び第2ベアリン
グ2bによって位置決め固定されており、更には、ウォ
ーム93、第1ベアリング2a、第2ベアリング2b及
び弾性部材3は、カシメ部材4及びボルト部材5により
位置決め固定されている。このため、ウォーム93が電
動モータ94側へ付勢されると、第1ベアリング2aの
外輪2a1と転動体2a2との間の遊び、及び転動体2
a2と内輪2a3との間の遊びが吸収されるのである。
また、第2ベアリング2bにおいても、第1ベアリング
2aと同様の理由により、第2ベアリング2bの外輪2
b1と転動体2b2との間の遊び、及び転動体2b2と
内輪2b3との間の遊びが吸収される。
【0039】ところで、車輌の走行中においては、タイ
ヤ側からラック軸(図示せず)を介してウォームホイー
ル92へ外力が伝達される。ウォームホイール92へ外
力が伝達されると、その外力により、ウォームホイール
92が回転する。ウォームホイール92が回転すると、
ウォームホイール92の歯面とウォーム93の歯面とが
噛合されているので、ウォーム93にはその軸方向に沿
って力が加わる。しかしながら、前記したように各ベア
リング2a,2bの外輪2a1,2b1と転動体2a
2,2b2との間の遊び、及び転動体2a2,2b2と
内輪2a3,2b3との間の遊びが吸収されるので、ウ
ォーム93の軸方向に沿って力が加わった場合において
も、即ちタイヤ側から外力が入った場合においても、各
ベアリング2a,2b自身の遊びに起因してラトル音が
発生してしまうことが防止される。
【0040】一方、ウォーム93の軸方向に沿って力が
加わると、ウォームホイール92の歯面とウォーム93
の歯面との間にはバックラッシュが存在するため、ウォ
ームホイール92の歯面とウォーム93の歯面とが衝突
される。この衝突の方向、即ちウォーム93に加わる力
の方向が弾性部材3による付勢力に抗する方向であれ
ば、弾性部材3が弾性変形する分ウォーム93が軸方向
に沿って弾性部材3側に移動される。このため、ウォー
ムホイール92とウォーム93との衝突エネルギーが吸
収され、ウォームホイール92とウォーム93との衝突
に起因して発生するラトル音の音量が減衰される。即
ち、かかる衝突に起因するラトル音の発生が低減され
る。
【0041】次に、EPS1の組立方法について説明す
る。まず、ハウジング95内の空間Aに、弾性部材3を
挿入する。この際、弾性部材3がハウジング底壁(ハウ
ジング95内の空間Aの底壁)95aと当接するように
配設する。弾性部材3の挿入後、第1ベアリング2aを
挿入する。第1ベアリング2aの挿入後、ウォーム93
に第2ベアリング2bを取り付ける。第2ベアリング2
bの取付後、カシメ部材4をウォームに固定する、カシ
メ部材4の固定後、ウォーム93を、ハウジング95内
の空間Aに挿入する。ウォーム93の挿入後、ボルト部
材5をハウジング95に螺合し、更には、ウォームホイ
ール92をウォーム93と噛合するように配設すると共
に、電動モータ94をハウジング95に固定する。
【0042】従って、第2従来例のEPS191の場合
に比べて、組み付ける部品の数が少ないので、組付工数
が増大してしまうことを防止することができ、また、E
PS1の組立に要する時間を短くすることができるので
ある。更には、長年使用した場合においても、煩雑な調
整作業を要してしまうことを防止することができるので
ある。
【0043】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察することができるもので
ある。
【0044】
【発明の効果】 請求項1記載の電動式パワーステアリ
ング装置によれば、第1付勢手段により、ベアリングが
ウォーム側へ付勢されるので、タイヤ側から外力が入っ
た場合においても、外輪と転動体との衝突、又は転動体
と内輪との衝突に起因するラトル音が発生してしまうこ
とを防止することができるという効果がある。また、ウ
ォームの歯面とウォームホイールの歯面との衝突に起因
するラトル音が発生してしまうことを低減することもで
きるという効果もある。即ち、車室内(操舵者が乗車す
る空間)の静粛性が損なわれてしまうことを防止するこ
とができるという効果がある。
【0045】請求項2記載の電動式パワーステアリング
装置によれば、請求項1記載の電動式パワーステアリン
グ装置の奏する効果に加え、更に、第1付勢手段によ
り、ベアリングの外輪のみがウォーム側へ付勢されるの
で、外輪と転動体との間、及び転動体と内輪との間に遊
びが発生してしまうことを防止することができるという
効果がある。よって、ラトル音が発生してしまうことを
防止することができ、しかも、ウォームの回転も阻害し
ない。
【0046】請求項3記載の電動式パワーステアリング
装置によれば、ハウジングの内壁とウォームとの間、又
はウォームと固定部材との間に配設された第2付勢手段
により、ウォームが其の軸方向へ付勢されるので、タイ
ヤ側から外力が入った場合においても、ウォームとウォ
ームホイールとの衝突に起因するラトル音が発生してし
まうことを低減することができるという効果がある。
【0047】請求項4記載の電動式パワーステアリング
装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の電動
式パワーステアリング装置の奏する効果に加え、更に、
ハウジング内に設けられた空間の断面形状と略同一形状
に形成された第1付勢手段または第2付勢手段が其のハ
ウジング内の空間の底壁と当接するように配設されてい
るので、本電動式パワーステアリング装置の組立を容易
とすることができるという効果がある。
【0048】請求項5記載の電動式パワーステアリング
装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の電動
式パワーステアリング装置の奏する効果に加え、更に、
第1付勢手段または第2付勢手段が弾性材によって構成
されているので、本電動式パワーステアリング装置を製
造するために製造コストが上昇してしまうことを低く抑
えることができるという効果がある。また、ラトル音の
発生を防止または低減することができるのにも拘わら
ず、部品点数が増加してしまうことを防止することがで
きるという効果があり、組付工数が増大してしまうとを
防止することができるという効果もある。更には、長年
使用した場合においても、煩雑な調整作業を要してしま
うことを防止することができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である電動式パワーステア
リング装置(EPS)の部分断面図である。
【図2】 第1従来例の電動式パワーステアリング装置
(EPS)の部分断面図である。
【図3】 第2従来例の電動式パワーステアリング装置
(EPS)の部分断面図である。
【符号の説明】
1 電動式パワーステアリング装置(EPS) 2 ベアリング(円滑部材) 2a 第1ベアリング(ベアリング) 2a1 外輪 2a2 転動体 2a3 内輪 2b 第2ベアリング(ベアリング) 2b1 外輪 2b2 転動体 2b3 内輪 3 弾性部材(第1付勢手段、及び第2付勢手段) 4 カシメ部材(固定部材の一部) 5 ボルト部材(固定部材の一部) 92 ウォームホイール 93 ウォーム 95 ハウジング 95a ハウジング底壁(底壁) A 空間

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵力をアシストするアシスト力を伝達
    する歯車状のウォームホイールと、そのウォームホイー
    ルと噛合された状態で電気的に駆動される歯車状のウォ
    ームと、そのウォームの一端または両端に配設されたベ
    アリングとを備えた電動式パワーステアリング装置にお
    いて、 前記ベアリングを前記ウォーム側へ付勢する第1付勢手
    段を備えていることを特徴とする電動式パワーステアリ
    ング装置。
  2. 【請求項2】 第1付勢手段は、ベアリングの外輪のみ
    を付勢するようにされていることを特徴とする請求項1
    記載の電動式パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 操舵力をアシストするアシスト力を伝達
    する歯車状のウォームホイールと、そのウォームホイー
    ルと噛合された状態で電気的に駆動される歯車状のウォ
    ームと、そのウォームを収容するハウジングと、そのハ
    ウジング内に前記ウォームを位置決め固定する固定部材
    とを備えた電動式パワーステアリング装置において、 前記ハウジングの内壁と前記ウォームとの間、又は前記
    ウォームと前記固定部材との間に配設され、前記ウォー
    ムを其の軸方向へ付勢する第2付勢手段を備えているこ
    とを特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  4. 【請求項4】 ウォームを収容するハウジングを備えて
    おり、 第1付勢手段または第2付勢手段は、そのハウジング内
    に形成された空間の断面形状と略同一形状に形成され、
    前記ハウジング内の空間の底壁と当接するように配設さ
    れていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに
    記載の電動式パワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 第1付勢手段または第2付勢手段は、弾
    性材によって構成されていることを特徴とする請求項1
    から4のいずれかに記載の電動式パワーステアリング装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102421654A (zh) * 2009-05-08 2012-04-18 Zf操作系统有限公司 转向机构中的蜗杆的支承装置

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