JP2001130007A - プリンタ及びプリンタヘッドの製造方法 - Google Patents

プリンタ及びプリンタヘッドの製造方法

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JP2001130007A
JP2001130007A JP31062299A JP31062299A JP2001130007A JP 2001130007 A JP2001130007 A JP 2001130007A JP 31062299 A JP31062299 A JP 31062299A JP 31062299 A JP31062299 A JP 31062299A JP 2001130007 A JP2001130007 A JP 2001130007A
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cavitation
thermal head
layer
ink
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JP31062299A
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English (en)
Inventor
Takaaki Miyamoto
孝章 宮本
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Original Assignee
Sony Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/13Heads having an integrated circuit

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、プリンタ及びプリンタヘッドの製
造方法に関し、特にサーマルヘッドによるインクジェッ
トプリンタと、このサーマルヘッドの製造工程に適用し
て、生産性の低下を有効に回避して、十分にキャビテー
ション腐食を防止することができるようにする。 【解決手段】 本発明は、発熱素子25を構成する抵抗
膜より耐キャビテーション層31、絶縁層を順次配置
し、また発熱素子25と駆動素子24とを接続する配線
パターンのコンタクト30と同時に、耐キャビテーショ
ン層31を発熱素子の上に作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ及びプリ
ンタヘッドの製造方法に関し、特にサーマルヘッドによ
るインクジェットプリンタと、このサーマルヘッドの製
造工程に適用することができる。本発明は、発熱素子を
構成する抵抗膜より耐キャビテーション層、絶縁層を順
次配置することにより、また発熱素子と駆動素子とを接
続する配線パターンのコンタクトと同時に、耐キャビテ
ーション層を発熱素子の上に作成することにより、生産
性の低下を有効に回避して、十分にキャビテーション腐
食を防止することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】近年、画像処理等の分野においては、ハ
ードコピーのカラー化に対するニーズが高まっている。
このようなニーズに対して、従来、昇華型熱転写方式、
溶融熱転写方式、インクジェット方式、電子写真方式、
熱現像銀塩方式等のカラーハードコピー方式が提案され
ている。
【0003】これらの方式のうちインクジェット方式
は、記録ヘッドに設けられたノズルから記録液(イン
ク)の小滴を飛翔させ、記録対象に付着してドットを形
成するのもであり、簡単な構成により高画質の画像を出
力することができる。このインクジェット方式は、イン
クを飛翔させる方式の相違により、静電引力方式、連続
振動発生方式(ピエゾ方式)、サーマル方式(バブルジ
ェット方式)等に分類される。
【0004】これらの方式のうちサーマル方式は、イン
クの局所的な加熱により気泡を発生し、この気泡により
インクを吐出口から押し出して印刷対象に飛翔させる方
式であり、簡易な構成によりカラー画像を印刷すること
ができる。
【0005】このサーマル方式によるプリンタは、いわ
ゆるサーマルヘッドを用いて構成され、このサーマルヘ
ッドには、インクを加熱する発熱素子と、発熱素子を駆
動する駆動回路とが搭載されるようになされている。
【0006】図5は、このサーマルヘッドを部分的に示
す断面図である。サーマルヘッド1は、P型シリコン基
板2にトランジスターを分離する素子分離領域(LOC
OS:Local oxidation of silicon)3が形成され、こ
の素子分離領域3間に残されたトランジスターの形成領
域にゲート酸化膜等が作成されてMOS(Metal Oxide
Semiconductor )型のスイッチイングトランジスタ4が
形成される。
【0007】さらにサーマルヘッド1は、素子分離領域
3の所定箇所に、スパッタリング法によりHfB2 、T
aAl等が堆積され、又はCVD法によりポリシリコン
等の発熱素子材料が堆積され、これにより局所的に抵抗
膜が形成されて、この抵抗膜によりインクを加熱する発
熱素子5が作成される。
【0008】サーマルヘッド1は、これらスイッチイン
グトランジスタ4、発熱素子5にSiO2 、SiN等の
絶縁物が堆積された後、エッチング処理によりコンタク
トホールが作成され、このコンタクトホールにタングス
テン(W)によるコンタクト7が作成される。なおこの
コンタクト7においては、オーミックコンタクトを形成
するためのチタン、窒化チタンバリアメタルが事前に堆
積される。サーマルヘッド1は、これら所望のコンタク
ト7間を接続するように、Al等による配線パターン8
が作成され、これにより発熱素子5とこの発熱素子5を
駆動するスイッチイングトランジスタ4が接続される。
【0009】サーマルヘッド1は、続いてSiO2 、S
iN等の絶縁物が堆積されて絶縁層9が作成され、続い
て発熱素子5の上に、局所的にTa膜が設けられ、この
Ta膜により耐キャビテーション層10が作成される。
サーマルヘッド1は、続いて例えば炭素系樹脂によるド
ライフィルム11、オリフィスプレート12が順次積層
され、これらドライフィルム11、オリフィスプレート
12により発熱素子5の上に、オリフィスプレート12
側に微小な吐出口であるオリフィス13を有してなるイ
ンク液室14、このインク液室14にインクを導く流路
等が作成される。
【0010】サーマルヘッド1は、このインク液室14
にインクが導かれ、スイッチイングトランジスタ4のス
イッチイング動作により発熱素子5が発熱し、インクを
局所的に加熱する。サーマルヘッド1は、この加熱によ
り、このインク液室14の発熱素子5側面に核気泡が発
生し、核気泡が合体して膜気泡となって成長する。サー
マルヘッド1は、この気泡による圧力の増大により、オ
リフィス13よりインクを押し出して印刷対象に飛翔さ
せる。これによりサーマルヘッド1によるプリンタにお
いては、発熱素子5の間欠的な加熱により、順次インク
を印刷対象に付着して所望の画像を作成するようになさ
れている。
【0011】ところでサーマルヘッド1においては、発
熱素子5による加熱を停止すると、このようにして発生
した気泡が潰れ、このとき高い圧力が発生する。この高
い圧力は、発熱素子5に大きな衝撃力を与え、これが繰
り返されると発熱素子5は、激しい損傷を受け、最終的
には断線する(すなわちキャビテーション腐食であ
る)。このためサーマルヘッド1は、耐キャビテーショ
ン層10により発熱素子5へのこのような衝撃力の伝搬
を防止し、発熱素子5のキャビテーション腐食を防止す
るようになされている。なお、耐キャビテーション層と
しては質量が重く、内部圧縮応力が残留しており、かつ
材料疲労寿命が長い金属材料が有用であり、例えばW、
Mo膜が使用される場合もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで耐キャビテー
ション層10は、スパッタリング法により成膜され、こ
のスパッタリング法においては、ターゲットから飛来す
る粒子を基板に堆積して所望の膜が形成される。これに
よりスパッタリング法による成膜においては、基板の奥
まった箇所でターゲットから飛来する粒子が少なく、そ
の分他の部分に比して基板の奥まった箇所で膜厚が薄く
なる。特に、このような奥まった箇所で、かつコーナー
の部分にあっては、コーナーの壁面より成長する膜と、
奥まった底面より成長する膜とがぶつかり合い、これら
2つの膜による縫い目(シーム)が形成される。
【0013】これらにより従来のサーマルヘッド1にお
ける耐キャビテーション層10においては、奥まったコ
ーナー近傍で他の部分に比して膜厚が薄くなり、さらに
コーナーの部分ではシームが形成されることになる。こ
のように膜厚が薄くなり、さらにシームが形成されてな
る場合、耐キャビテーション層10は、他の部分に比し
てこのコーナーの部分で十分にキャビテーション腐食を
防止することが困難になり、結局、サーマルヘッド1に
おいては、このシームの部分を起点として発熱素子5が
断線破壊する問題がある。
【0014】この場合、耐キャビテーション層10の膜
厚の増大によりキャビテーション腐食を防止することが
可能となるが、これでは膜厚を増大した分、成膜に時間
を要すことになり、その分サーマルヘッドの生産性が劣
化することになる。
【0015】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、生産性の低下を有効に回避して、十分にキャビテー
ション腐食を防止することができるサーマルヘッドによ
るプリンタと、プリンタヘッドの製造方法を提案しよう
とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め請求項1の発明においては、プリンタに適用して、こ
のプリンタのサーマルヘッドにおいて、発熱素子を構成
する抵抗膜よりインクが保持される側に向かって、気泡
による発熱素子への損傷を低減する耐キャビテーション
層と、絶縁層とが順次形成されてなるようにする。
【0017】また請求項4の発明においては、サーマル
ヘッドの製造方法に適用して、発熱素子と駆動素子とを
接続する配線パターンのコンタクトを作成する際に、気
泡による発熱素子への損傷を低減する耐キャビテーショ
ン層を発熱素子の上に作成する。
【0018】請求項1の構成によれば、発熱素子を構成
する抵抗膜よりインクが保持される側に向かって、耐キ
ャビテーション層と、絶縁層とが順次形成されてなるこ
とにより、この耐キャビテーション層にあっては、配線
用のコンタクトを発熱素子に作成する際に、同時に作成
することができる。従って、その分、改めて発熱素子を
作成する場合に比して工程数を低減でき、これにより生
産性の低下を有効に回避することができる。また、この
耐キャビテーション層にあっては、絶縁層の下層、発熱
素子の上に作成されていることにより、必要に応じて第
2の耐キャビテーション層を絶縁層の上に作成する等に
より、従来に比して格段的にキャビテーション腐食を防
止することができ、この場合には従来のように改めて耐
キャビテーション層を作成する場合と同一の工程数で生
産することができる。また発熱素子の上に形成したこの
耐キャビテーション層だけで実用上十分にキャビテーシ
ョン腐食を防止することができる場合もあり、この場合
には、生産性の向上を優先することもできる。
【0019】また請求項4の構成によれば、発熱素子と
駆動素子とを接続する配線パターンのコンタクトを作成
する際に、耐キャビテーション層を発熱素子の上に作成
することにより、改めて発熱素子を作成する場合に比し
て工程数を低減でき、これにより生産性の低下を有効に
回避することができる。また、この耐キャビテーション
層にあっては、発熱素子の上に作成されていることによ
り、必要に応じて例えば絶縁層を介して耐キャビテーシ
ョン層を2層構造とする等により、従来に比して格段的
にキャビテーション腐食を防止することができ、この場
合には従来のように改めて耐キャビテーション層を作成
する場合と同一の工程数で生産することができる。また
発熱素子の上に形成したこの耐キャビテーション層だけ
で実用上十分にキャビテーション腐食を防止することが
できる場合もあり、この場合には生産性の向上を優先す
ることもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しながら本
発明の実施の形態を詳述する。
【0021】(1)第1の実施の形態 (1−1−1)第1の実施の形態の構成 図1及び図2は、サーマルヘッドの作成過程を示す断面
図である。この第1の実施の形態に係るプリンタにおい
ては、このサーマルヘッド21を用いて構成される。
【0022】このサーマルヘッド21は、始めに洗浄し
たP型シリコン基板22にトランジスターを分離する素
子分離領域23が形成される。ここでこの素子分離領域
23は、P型シリコン基板22上にシリコン窒化膜を椎
積した後、リソグラフィー工程、リアクティブイオンエ
ッチング工程によりシリコン窒化膜を部分的に取り除い
てパターニングし、このパターンニングによるパターン
を用いて熱酸化処理することにより作成される。
【0023】続いてサーマルヘッド21は、素子分離領
域23間に残されたトランジスターの形成領域にゲート
酸化膜等が作成されてMOS型のスイッチイングトラン
ジスタ24が形成される。このスイッチイングトランジ
スタ24の作成工程では、CVD法によりシリコン酸化
膜を所望の厚さまで堆積した後、エッチング法にてシリ
コン酸化膜を部分的に除去してパターニングする。さら
に洗浄工程の後、このパターンニングによるパターンを
用いてゲート酸化膜を形成し、ソースドレイン領域を形
成するためのイオン注入工程、熱処理工程を経てスイッ
チイングトランジスタ24が形成される。なおサーマル
ヘッド21は、このスイッチイングトランジスタ24に
加えて、スイッチイングトランジスタ24を駆動する集
積回路も併せてこの工程でシリコン基板22上に作成さ
れる。
【0024】続いてサーマルヘッド21は、発熱素子2
5が作成される。こので発熱素子25の作成工程では、
基板22を希フッ酸により洗浄した後、CVD法により
ポリシリコンを膜厚150〔nm〕により堆積する。続
いてイオン注入法により、P又はAsをポリシリコン中
に導入した後、800〜1000度により熱処理してポ
リシリコン中のP又はAsを活性化させ、ポリシリコン
層のシート抵抗値を0.2〜5kΩ/□に設定する。続
いてこの製造工程では、C12 系ガスを用いたリアクテ
ィブイオンエッチング法により、余剰のポリシリコンを
除去し、これによりポリシリコンによる発熱素子25を
作成する。
【0025】続いてサーマルヘッド21は、コンタクト
及び耐キャビテーション層が同時に作成される。この製
造工程では、始めにCVD法によりシリコン酸化膜26
を堆積し、研磨処理によりシリコン酸化膜を平坦化する
(図1(A))。
【0026】続いてこの製造工程では、フォトリソグラ
フィー工程、CFx系ガスを用いたリアクティブイオン
エッチングにより、シリコン半導体拡散層(ソース、ド
レイン)上に接続孔(コンタクトホール)27、発熱素
子25上のシリコン酸化膜に耐キャビテーション層を形
成するための溝孔28、さらにこのポリシリ発熱素子を
配線パターンに接続するためのコンタクトホール29が
作成される(図1(B))。
【0027】続いてこの製造工程では、希フッ酸により
基板22を洗浄した後、スパッタリング法により、オー
ミックコンタクトを形成するためのチタンを膜厚20
〔nm〕、窒化チタンバリアメタルを膜厚50〔nm〕
により順次堆積する。続いてWF6とH2ガスを主に用
いたCVD(化学気相成長)法によりコンタクトホール
27、29及び溝孔28が完全に埋まるまで膜厚400
〜800〔nm〕によりタングステン膜を堆積する。続
いてSF6系ガスによるエッチングによりシリコン酸化
膜上の余剰タングステン膜を除去し、さらに塩素系ガス
を用いたエッチングにより余剰の窒化チタン膜及びチタ
ン膜を除去し、コンタクトホール27、29及び溝孔2
8内のみにタングステン膜が残るようにする(図1
(C))。サーマルヘッド21は、これによりコンタク
トホール27、29にコンタクト30が作成され、また
発熱素子25の真上に形成された溝孔28に発熱素子2
5に接するように第2の耐キャビテーション層31が作
成される。
【0028】サーマルヘッド21は、続いてこれらコン
タクト30を接続する配線パターンが作成される。この
配線パターンの製造工程では、スパッタリング法によ
り、膜厚10〔nm〕のTi膜、膜厚50〔nm〕のT
iN膜、膜厚400〔nm〕のAl−0.5%Cu膜を
順次堆積する。続いてこの工程では、フォトリソグラフ
ィーによりパターニングし、BC13/C12/Ar系
ガスを用いたリアクティブイオンエッチングにより、A
l−0.5%Cu膜、TiN膜、Ti膜を順次エッチン
グする。サーマルヘッド21は、これらの処理により配
線パターン32が作成され、スイッチイングトランジス
タ24と発熱素子25とが接続される(図2(D))。
【0029】サーマルヘッド21は、続いて絶縁層が作
成された後、第2の耐キャビテーション層が作成され
る。この工程は、シリコン窒化膜/シリコン酸化膜を堆
積し、これにより絶縁層である保護層33を作成する。
さらに続いて、スパッタリングによりタングステン膜を
作成し、これによりインク液室14の底の部分を覆うよ
うに第2の耐キャビテーション層34が作成される(図
2(E))。
【0030】サーマルヘッド21は、続いて炭素系樹脂
によるドライフィルム35、オリフィスプレート36が
順次積層され、これらドライフィルム35、オリフィス
プレート36により発熱素子25の上に、オリフィス3
7を有してなるインク液室38、このインク液室38の
インクを導く流路等が作成される。
【0031】(1−2)第1の実施の形態の動作 以上の構成において、サーマルヘッド21は、P型シリ
コン基板22にスイッチイングトランジスタ24が作成
された後、発熱素子25が作成される(図1(A))。
さらにスイッチイングトランジスタ24と発熱素子25
とを接続する配線パターン32のコンタクト30を作成
する際に、コンタクトホール27、29の作成と同時
に、発熱素子25の真上のシリコン酸化膜に溝孔28が
作成され(図1(B))、さらにこのコンタクトホール
27、29にコンタクト30を作成する際に、併せて溝
孔28に第1の耐キャビテーション層31が作成される
(図1(C))。これによりこの第1の耐キャビテーシ
ョン層31にあっては、従来におけるサーマルヘッド2
1の製造工程に対して、何ら工程を増大することなく作
成される。
【0032】サーマルヘッド21は、その後、保護層3
3が作成された後、第2の耐キャビテーション層34が
作成され、インク液室38、このインク液室38のイン
クを導く流路等が作成される(図1(D)及び
(E))。これによりサーマルヘッド21は、従来と同
一の工程数により作成される。
【0033】このようにして作成されたサーマルヘッド
21は、スイッチイングトランジスタ24の動作により
発熱素子25が発熱すると、インク液室38に保持され
たインクが加熱されて気泡が発生し、この気泡によりオ
リフィス37からインクが押し出され、このインクが印
刷対象に飛翔してドットが印刷される。
【0034】サーマルヘッドでは、このようにして発生
した気泡が潰れる際に発生する高い圧力による衝撃力が
キャビテーション腐食を招くことになる。ところがこの
実施の形態に係るサーマルヘッド21では、発熱素子2
5の上に第1の耐キャビテーション層31が作成され、
さらに保護層33を間に挟んで、第2の耐キャビテーシ
ョン層34が作成されていることにより、結局、耐キャ
ビテーション層が2層構造により作成されていることに
なる。これにより第2の耐キャビテーション層34がキ
ャビテーション腐食により破壊されたとしても、第1の
耐キャビテーション層31によりキャビテーション腐食
を防止することができ、これにより従来に比してキャビ
テーション腐食を格段的に防止することができる。従っ
てその分、発熱素子25の寿命を従来に比して格段的に
延長することができる。
【0035】なおこのように第2の耐キャビテーション
層34がキャビテーション腐食により破壊された場合、
結果的に、第1の耐キャビテーション層31だけでキャ
ビテーション腐食を防止することになる。この点につい
て検討すると、第1の耐キャビテーション層31におい
ては、コンタクト30と同時に作成されることにより、
コンタクト30の作成に適用されるCVD(化学気相成
長)法により作成されることになる。ここでCVD法の
場合、スパッタリングによる場合に比して、短い時間で
膜厚を確保することができる。これによりこのサーマル
ヘッド21においては、従来のように改めて耐キャビテ
ーション層を作成する場合に比して、第1の耐キャビテ
ーション層31の膜厚を厚くすることができ、これによ
り第1の耐キャビテーション層31だけでも十分にキャ
ビテーション腐食を防止することができる。
【0036】(1−3)第1の実施の形態の効果 以上の構成によれば、発熱素子と駆動素子であるスイッ
チイングトランジスタとを接続する配線パターンのコン
タクトと同時に、耐キャビテーション層を発熱素子の上
に作成することにより、生産性の低下を有効に回避し
て、十分にキャビテーション腐食を防止することができ
る。
【0037】またこれにより抵抗膜よりインクが保持さ
れる側に向かって、耐キャビテーション層、絶縁層とを
順次形成することにより、生産性の低下を有効に回避し
て、十分にキャビテーション腐食を防止することができ
る。
【0038】また絶縁層を間に挟んでさらに第2の耐キ
ャビテーション層が形成されて耐キャビテーション層が
2層構造となっていることにより、一段と確実にキャビ
テーション腐食を防止することができる。
【0039】(2)第2の実施の形態 図3は、図2(E)との対比により本発明の第2の実施
の形態に係るプリンタに適用されるサーマルヘッドを示
す断面図である。この実施の形態ではタングステン
(W)に代えて、タンタルTaによりコンタクト、第1
及び第2の耐キャビテーション層が作成される。
【0040】すなわちこのサーマルヘッド41は、第1
の実施の形態について上述したと同様にしてスイッチイ
ングトランジスタ24、発熱素子25、コンタクトホー
ル、溝孔が作成される。
【0041】その後このサーマルヘッド41は、希フッ
酸により洗浄された後、スパックリングによりオーミッ
ク性コンタクトを形成するためのチタン膜が膜厚20
〔nm〕により作成され、続いて窒化チタン膜が膜厚5
0〔nm〕により作成される。続いてサーマルヘッド4
1は、イオン化スパッタ装置に配置され、このイオン化
スパッタ装置を用いたイオン化スパッタにより、コンタ
クトホール及び溝孔が完全に埋まるまでタンタル膜が堆
積される。
【0042】なおここでイオン化スパッタ法は、成膜し
たい材料粒子をイオン化させて基板に堆積させるスパッ
タリング法である。イオン化スパッタ法は、通常のスパ
ッタリング法による構成に加えて、別途、放電用コイル
が配置され、この放電用コイルにより生成される高密度
アルゴンプラズマ中をターゲットから飛び出したスパッ
タ粒子が通過する際に、このアルゴンプラズマとスパッ
タ粒子との衝突によりスパッタ粒子を電離させ、スパッ
タ粒子のイオン種を多数生成する。イオン化スパッタ法
は、このイオン種を電界により基板に垂直入射させるこ
とにより、基板の垂直方向の膜付着率を大幅に向上させ
るものである。
【0043】これにより図4(A)に示すように、サー
マルヘッド41は、基板の凹部であるコンタクトホール
及び溝孔が完全に埋まるようにタンタル膜が堆積され、
また他の部分についても同様にタンタル膜が堆積され
る。
【0044】続いてサーマルヘッド41は、所定のスラ
リーを用いた化学機械研磨(CMP)法による研磨によ
り、シリコン酸化膜上に堆積した余剰のタンタルが除去
され、これによりコンタクトホール、及び溝孔内のみに
タンタル膜が取り残される(図4(B))。これにより
サーマルヘッド41は、タンタルによるコンタクト42
及び第1の耐キャビテーション層45が作成される。
【0045】サーマルヘッド41は、続いて第1の実施
の形態について上述したと同様にして配線パターン3
2、絶縁層である保護層33が作成される。さらにサー
マルヘッド41は、スパッタリング法によりタンクルを
堆積して第2の耐キャビテーション層47が作成された
後、第1の実施の形態について上述したと同様にしてイ
ンク液室38、流路等が作成される。
【0046】この第2の実施の形態のように、第1及び
第2の耐キャビテーション層をタンタルにより構成して
も、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができ
る。
【0047】(3)他の実施の形態 なお上述の実施の形態においては、タングステン又はタ
ンタルにより耐キャビテーション層を構成する場合につ
いて述べたが、本発明はこれに限らず、Moにより構成
するようにしてもよい。
【0048】また上述の実施の形態においては、第1及
び第2の耐キャビテーション層によりキャビテーション
層を2層構造とする場合について述べたが、本発明はこ
れに限らず、膜厚等によっては、第1の耐キャビテーシ
ョン層だけでも実用上十分にキャビテーション腐食を防
止できることにより、第2の耐キャビテーション層を省
略するようにしてもよい。
【0049】また上述の実施の形態においては、ポリシ
リコンにより発熱素子を構成する場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、種々の抵抗膜により発熱素
子を構成する場合に広く適用することができる。
【0050】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、発熱素子
を構成する抵抗膜より耐キャビテーション層、絶縁層を
順次配置することにより、また発熱素子と駆動素子とを
接続する配線パターンのコンタクトと同時に、耐キャビ
テーション層を発熱素子の上に作成することにより、生
産性の低下を有効に回避して、十分にキャビテーション
腐食を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るプリンタに適
用されるサーマルヘッドの作成工程の説明に供する断面
図である。
【図2】図1の続きの工程の説明に供する断面図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るプリンタに適
用されるサーマルヘッドを示す断面図である。
【図4】図3のサーマルヘッドにおける耐キャビテーシ
ョン層の生成工程の説明に供する断面図である。
【図5】従来のサーマルヘッドを示す断面図である。
【符号の説明】
1、21、41……サーマルヘッド、2、22……シリ
コン基板、4、24……スイッチイングトランジスタ、
5、25……発熱素子、7、30……コンタクト、1
0、25、34、45、47……耐キャビテーション層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サーマルヘッドに配置された発熱素子の発
    熱によりインクに気泡を発生させ、所定の開口より前記
    インクを押し出して印刷対象に飛翔させるプリンタにお
    いて、 半導体基板上に局所的に形成された抵抗膜により前記発
    熱素子が形成され、 前記抵抗膜より前記インクが保持される側に向かって、
    前記気泡による前記発熱素子への損傷を低減する耐キャ
    ビテーション層と、絶縁層とが順次形成されてなること
    を特徴とするプリンタ。
  2. 【請求項2】前記発熱素子を駆動する駆動素子を前記半
    導体基板に搭載し、 前記耐キャビテーション層は、 前記駆動素子のコンタクトと同一の材料により形成され
    たことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
  3. 【請求項3】前記絶縁層の前記インク側に、第2の耐キ
    ャビテーション層が形成されてなることを特徴とする請
    求項1に記載のプリンタ。
  4. 【請求項4】発熱素子の発熱によりインクに気泡を発生
    させ、所定の開口より前記インクを押し出して印刷対象
    に飛翔させるサーマルヘッドの製造方法において、 半導体基板上に、前記発熱素子を駆動する駆動素子と前
    記発熱素子とを形成した後、 前記発熱素子と前記駆動素子とを接続する配線パターン
    のコンタクトを作成する際に、前記気泡による前記発熱
    素子への損傷を低減する耐キャビテーション層を前記発
    熱素子の上に作成することを特徴とするサーマルヘッド
    の製造方法。
  5. 【請求項5】前記耐キャビテーション層の上に、絶縁
    層、第2の耐キャビテーション層を順次形成することを
    特徴とする請求項4に記載のサーマルヘッドの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003019800A (ja) * 2001-07-09 2003-01-21 Sony Corp プリンタヘッド、プリンタ及びプリンタヘッドの製造方法

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