JP2007245639A - インクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】CR製法におけるメンブレン割れ不良の防止。
【解決手段】犠牲層102の膜厚を200〜2500Åに限定することによって、その上に堆積されるエッチングストップ層103の膜厚の、犠牲層の肩部での応力集中を緩和し、メンブレンへの応力を低下させる。また、犠牲層をAlを含む合金として、薄い膜厚で十分な効果を発揮させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体に外部からエネルギーを加えることによって、所望の液体を吐出するインクジェット記録ヘッド、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
熱等のエネルギーをインクに与えることで、気泡の発生を促し、この体積変化を利用して吐出口からインクを吐出し、これを記録媒体上に付着させて画像形成を行うインクジェット記録方法が知られている。インクジェット方式の中で、基板に対し垂直にインクを吐出するサイドシューター型(特開平9−011479)が提案されている。また、このヘッドの製法として、犠牲層を用いてインク供給口の形状を成型する方法(特開平10−181032)が開示されている。
これは、シリコン基板上に酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜を形成し、前記酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜上にインク吐出圧発生素子を形成し、前記シリコン基板表面にエッチング液に侵されやすい材料で薄膜を堆積しインク供給口の形状にパターン(エッチング犠牲層)を形成し、さらに前記供給口の形状のパターン上にエッチングストップ層を形成し、前記シリコン基板表面にインク供給口部を形成し、前記酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜形成面の裏面に開口部を設け、異方性エッチングによりインク供給口となる部分のシリコンを除去し、インク供給口部に残ったエッチングストップ層の酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜またはその混合物を除去する工程によって形成されていた。
特開平9−11479号公報 特開平10−181032号公報
従来のサイドシューター型のインクジェット記録ヘッドでは、エッチング犠牲層パターニング時に、断面が垂直になるような形状に形成していた。その上にエッチングストップ層203を堆積すると、図6のようにエッチング犠牲層202の肩に局所的にひずみの集中する部分が発生していた。そのため、異方性エッチングでシリコンウエハをエッチングして、犠牲層を取り去ると、図7のようにエッチングストップ層に亀裂が入り、エッチング液が進入して、インク流路形成樹脂204やノズル形成樹脂205が変質、変形してしまうことがあった。
上記のような問題点は、シリコン基板上に畜熱層として酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜などの絶縁膜を形成する工程、前記膜上にインク吐出圧発生素子を形成する工程、前記シリコン基板表面にエッチング液に侵されやすい材料で薄膜を堆積しインク供給口の形状にパターンを形成する工程、前記供給口の形状のパターン上に酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜またはその混合物のエッチングストップ層を形成する工程、前記酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜が形成された裏面に開口部を設け、異方性エッチングによりインク供給口となる部分のシリコンを除去する工程、インク供給口部に残ったエッチングストップ層の酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜またはその混合物を除去する工程を少なくとも含むインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、前記基板表面の供給口の形状の薄膜パターンの膜厚が2500Å以下であることを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法によって解決される。
[作用]
エッチング犠牲層の膜厚を薄くすることによって、その上に堆積されるエッチングストップ層の薄膜の、犠牲層の肩部での応力集中を緩和し、異方性エッチングにより下部の犠牲層が除去された後に、エッチングストップ層に亀裂が発生することを防止する。
最適な膜厚は、犠牲層膜厚と犠牲層材質、エッチングストップ層の膜厚と内部応力によって異なるが、おおむね犠牲層の膜厚が薄い方がエッチングストップ層の亀裂の発生確率は低下する。
しかしながら、従来用いられてきたポリシリコンの犠牲層では異方性エッチングに用いられるTMAHに対するエッチング性が低いため、犠牲層を薄くするとインク供給口を所望の形に形成することができなかった。薄い犠牲層は、エッチング性を高い金属材料等を用いることによって実現可能になった。
以上述べたように本発明によれば、エッチング犠牲層の膜厚を2500Å以下とすることによって、異方性エッチングを使ったインク供給口形成時のエッチングストップ層の割れの確率が飛躍的に低下して歩留まりが向上し、低温で安価なプロセスを使って高品位な印字が可能なインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
[実験]
以下に、本発明に関わる実験について述べる。図1は実験に用いたサンプルの断面構造を示したものである。5インチΦ、厚さ625μmのSi(100)ウエハ101の表面にAlCu膜を堆積し平面図3のようにパターニングして犠牲層102とした。犠牲層の形状は長方形で、幅150μm、長さ10mmとした。その上にプラズマCVDによるSiN膜を8000Å堆積してエッチングストップ層103とした。この時のSiN膜の成膜条件は、SiH4/NH3/N2=500/1500/6300sccm、圧力150mtorr、基板温度380℃、RF1700Wであった。単体の膜で測った膜応力は1.5×10exp−9dyne/cmであった。また基板の裏面には、熱酸化膜を平面図4のようにパターニングした異方性エッチング用パターンが形成してある。基板表面には耐アルカリ性のレジスト(OBC 東京応化製)106が塗布してある。
犠牲層の膜厚を200〜5000Åまで変化させたサンプルを、テトラ・メチル・アンモニウム・ハイドライド(TMAH)に浸せきして、裏面よりシリコンを異方性エッチングした。エッチング条件は、TMAH/H2O=21%、液温度83℃、エッチング時間は12時間であった。すると、図2のようにシリコンに開いた穴は最後には犠牲層に到達し、犠牲層をエッチングしてエッチングストップ層で止まる。
図5は、犠牲層の膜厚と、エッチングストップ層の亀裂発生確率を示したものである。膜厚が2500Å以下の時、亀裂の発生確率が急激に減少していて、膜厚が2000Å以下では発生確率はゼロになっていることが判った。
しかし、犠牲層の膜厚が200Å以下になると、TMAHの進入が困難になり、犠牲層がエッチングされずに残って、供給口が所望の形に形成されないという問題が発生した。
[実施態様例]
図8は本発明による実施態様例を示すインクジェット記録ヘッドの製造工程途中のヒーターボード基板の模式図である。基板としては(100)または(110)のSiウエハが用いられる。ウエハの表面にAlCu膜を堆積しパターニングして犠牲層303とした。犠牲層の平面形状は、Si(100)基板の場合は図3のように長方形で、Si(110)基板の場合は図9のように、狭角が70.5度の平行四辺形とする。また、犠牲層の膜厚は一般には3000Å以下、好ましくは2500Å、最適には2000Å以下である。
その上にスパッター、蒸着やプラズマCVDによって薄膜を堆積してエッチングストップ層304とした。このエッチンッグストップ層の膜厚は、一般には1000〜20000Å、好ましくは2000〜16000Å、最適には3000〜13000Åである。
犠牲層に隣接して、ヒーター305や配線306等が配置されている。
また基板の裏面には、耐アルカリ性の膜をパターニングしたエッチングパターン307が形成してあり、ここから異方性エッチングにより、表面の犠牲層へ向かって貫通口を開けインク供給口を形成する。
次に、本発明によるインクジェット記録ノズルのプロセスを図10〜28を使って順を追って説明する。
(1)基板面方位(110)のシリコン基板401に、例えば熱酸化やCVD法などで絶縁膜402を形成し、フォトリソ技術によって図10のようにインク供給口を設けるための所望のパターン403を形成する。
(2)AlやCu等の抵抗が低く、TMAH(テトラ・メチル・アンモニウム・ハイドライド)等の異方性エッチング用エッチャントに対するエッチング速度が大きな金属を堆積、パターニングして、下層配線404と犠牲層405を形成する。エッチング犠牲層は、裏面からエッチングが進行してエッチャントが犠牲層に到達するとSiウエハよりエッチングレートが格段に速いので短時間にエッチングされ、犠牲層パターンに対応した開口部を開けることができるものである。この時のパターンは基板に対して垂直にエッチング穴があくように、図9のように狭角が70.5度をなす平行四辺形とし、平行四辺形の長辺および短辺は(111)と等価の面に平行になるように配置する。
この時、犠牲層の膜厚は一般には3000Å以下、好ましくは2500Å、最適には2000Å以下である。
(3)基板表面上にエッチングストップ層406として、プラズマCVD法によって、SiNまたはSiON膜を堆積する。エッチングストップ層は、膜応力を調整するために2種以上の膜を積層しても良い。
積層されたエッチングストップ膜のトータルの膜厚は、一般には2000Å〜2μm、好ましくは3000〜15000Å、最適には4000〜13000Åである。また積層されたエッチングストップ膜のトータルの応力は、一般には2×10exp−9dyne/cm2以下、より好ましくは1.8×10exp−9dyne/cm2以下、最適には1.5×10exp−9dyne/cm2以下である。
(4)プラズマCVD等を使って、SiNやSiON、SiO2等の膜を堆積して層間絶縁膜407とする。さらに、層間絶縁膜にコンタクトホール408を形成する。
(5)インク供給口に合わせて、インク吐出圧力発生素子としてヒーター部409形成する。ヒーター材料としては、Ta、TaN、TaNSi等などの金属膜をスパッターや真空蒸着等によって堆積しパターニングする。さらに電力供給用の上層電極410としてAl、Mo、Ni,Cu等の金属膜を同様にして形成する。
(6)ヒーターには耐久性の向上を目的としてプラズマCVDでSiN膜411を堆積し保護膜とする。
(7)この上に、耐キャビテーション膜412としてスパッター法等でTaを堆積しパターニングする。この膜の膜厚は、好ましくは1000〜5000Å、さらに好ましくは2000〜4000Å、最適には2500〜3500Åである。
また、配線とヒーターの形成の順番等に特に制限がないのは言うまでもない。
(8)樹脂製のノズルの密着性を上げるためと、裏面をアルカリ性エッチャントから保護するために、耐食性の高い樹脂膜413を形成する。そして、ヒーター部とインク供給口部をパターニングする。
(9)インク流路確保のために、強アルカリや有機溶剤等で溶解可能な樹脂でパターン414を形成する。このパターンは、印刷法や感光性樹脂によるパターニング等で形成する。
(10)インク流路のパターンの上に、被覆樹脂層415を形成する。この被覆樹脂層は微細パターンを形成するので感光性レジストが望ましく、さらに流路を形成した樹脂層を除去する際のアルカリや溶剤等によって変形変質しない性質が必要である。
(11)次に流路の被覆樹脂層をパターニングして、ヒーター部409に対応したインク供給口416と電極の外部接続部を形成する。この後、被覆樹脂層を光や熱等によって硬化する。
(12)この基板のノズル形成面側を保護するためレジストで保護膜417を形成する。
(13)裏面のSiNまたはSiO2などをフォトリソ技術を使って、裏面のインク供給口のパターン部分418を除去しウエハ面を露出させる。このパターンの形状は、犠牲層とは鏡像関係になるように形成する。裏面のエッチングマスク膜の製法は、プラズマCVDに限定されるものではなく、LPCVD法や常圧CVD、熱酸化法などでも良い。
(14)次に裏面の平行四辺形の狭角の近傍部分(裏面の平面図28)に、エッチング先導孔419をあける。一般的には、レーザー加工などが用いられるが、放電加工、ブラスト等でも良い。
この先導孔は、エッチングストップ層に限りなく近くまであける。先導孔の深さは、一般には基板厚さの60%以上、好ましくは70%以上、最適には80%以上である。また、基板を貫通してはならない。この先導孔によって、平行四辺形の狭角から発生する斜めの(111)面が抑制される。
(15)この基板をアルカリ系エッチャント(KOH、TMAH、ヒドラジン等)に浸け、(111)面が出るように異方性エッチングすると、平面形状が平行四辺形((100)基板の場合長方形)の貫通穴が形成される。
(16)エッチングストップ層406のSiN等の膜をフッ酸等の薬液または、ドライエッチ等で部分的に除去してインク供給口を開口する。最後にインク流路形成材414を除去し、インクの流路420を確保する。
上記プロセスにおいて、基板の加工手順は特に限定されるものではなく、任意に選ぶことができる。
以下に、本発明によるインクジェット記録ヘッドの基板について説明する。
図8は本発明による実施態様例を示すインクジェット記録ヘッドの製造工程途中のヒーターボード基板の模式図である。基板として5インチΦSi(110)ウエハを用いた。ウエハの表面にAlCu膜を2000Å堆積し平面図10のようにパターニングして犠牲層303とした。犠牲層の平面形状は、狭角が70.5度の平行四辺形とした。犠牲層の幅は160μm、長さは8mmとした。
その上にSiN膜を8000Å堆積してエッチングストップ層304とした。この時のSiN膜の成膜条件は、SiH4/NH3/N2=500/1500/6300sccm、圧力150mtorr、基板温度380℃、RF1700Wであった。
犠牲層に隣接して、TaSiNのヒーター305とAlCuの配線306を配置した。
また基板の裏面には、酸化膜5000Åの上に耐アルカリ性の膜(HIMAL日立化成製)310を犠牲層と鏡像になるようにパターニングしてエッチングパターン307を形成した。
ここから異方性エッチングにより、表面の犠牲層へ向かって貫通口を開けインク供給口を形成する。
以下に、本発明によるインクジェット記録ヘッドの基板の他の実施例について説明する。
図29は本発明による実施態様例を示すインクジェット記録ヘッドの製造工程途中のヒーターボード基板の模式図である。基板として5インチΦSi(100)ウエハを用いた。ウエハの表面にAl膜を1000Å堆積し平面図3のようにパターニングして犠牲層とした。犠牲層の平面形状は、長方形とした。犠牲層の幅は100μm、長さは10mmとした。
その上にSiN膜を6000Å堆積してエッチングストップ層503とした。
犠牲層に隣接して、TaNのヒーター504とAlの配線505を配置した。
また基板の裏面には、プラズマSiN膜506を6000Å堆積し、その上に耐アルカリ性の膜(HIMAL日立化成製)507を平面図4のようにパターニングしたエッチングパターンが形成した。このパターンは、異方性エッチングによってウエハ断面にテーパーが付くことを考慮して、幅600μm、長さ11mmの長方形とした。
ここから異方性エッチングにより、表面の犠牲層へ向かって貫通口を開けインク供給口を形成する。
本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法について、図28〜41を使って順を追って説明する。
図30のように、厚さ630μmで5インチΦの(100)面のSiウエハ601を熱酸化して、SiO2層602を12000Å形成した。次に、SiO2をパターニングして供給口開口部603を形成した。スパッターでAl膜を500Å堆積した。フォトリソ技術によって図31のようにパターニングして犠牲層604と下層電極配線605を形成した。犠牲層の幅は120μm、長辺方向は15mmとした。
エッチングストップ層と層間絶縁膜を兼用した膜として、図32のようにプラズマCVDでSiON膜606を5000Å堆積した。さらに、プラズマCVDでSiN膜607を3000Å堆積した。
フォトリソ技術を使い、図33のように層間絶縁膜にコンタクトホール608を形成した。
さらに、スパッターにより、TaNを500ÅとAlを3000Å連続成膜しパターニングして、上層配線電極610とヒーター609を形成する。
感光性樹脂としてポリメチルイソプロペニルケトン(東京応化ODUR−1010)を20μm塗布してパターニングして、図35のようにインク流路型材611を形成した。さらに表1に示した感光性樹脂層612を12μm塗布しパタ−ニングして、図37のようにインク吐出口613を形成した。
ノズル形成面側を保護するために、ゴム系レジスト(東京応化製 OBC)で保護膜614を形成した。ノズルの裏面側のSiO2をパターニングして、裏面インク供給口615を形成した。このパターンは、幅620μm長さ16mmの長方形とした。
この基板を21%のTMAH水溶液に浸漬して異方性エッチングした。エッチャント温度は83℃、エッチング時間は15時間とした。これは基板の厚み630μmをジャストエッチする時間に対して10%のオーバーエッチ時間とした。
エッチングは図40のようにAlの犠牲層まで進み、エッチングストップ層606の前で止まっている。この時、エッチングストップ層に亀裂はなく、流路形成樹脂層611やノズル部612へのエッチング液の浸入は見られなかった。
次に、図41のようにエッチングストップ層のSiONとSiNをCDE法によって除去した。エッチング条件は、CF4/O2/N2=300/250/5sccm、RF800W、圧力250mtorrであった。
図42のように、乳酸メチル中で超音波を掛け樹脂411を除去して、インク流路616を形成した。最後に、図43のようにメチルイソブチルケトンに浸漬後、キシレン中で超音波を掛け保護膜を除去してインクジェット記録ヘッドが完成した。
このインクジェット記録ヘッドを使って、吐出周波数15KHzで印字テストを行ったが、15mm幅全域にわたって、印字のカスレ、濃度ムラ、インクの不吐出のない高品位な印字物が得られた。
[比較例1]
以下に、本発明の比較例を説明する。
ヒーター、電極、ノズル等の構成や形成方法は実施例1と同じ構造で、犠牲層の厚さを4000Åとした。
これ以降の工程は全て、実施例1と同様にした。
このインクジェット記録ヘッドを使って、吐出周波数15KHzで印字テストを行ったが、インク吐出されない白抜けの部分があった。ヘッドを観察してみると、樹脂製のノズルの一部に、エッチングストップ層の亀裂が原因と思われるアルカリによる浸蝕の後が見つかった。
以下に、本発明によるインクジェット記録ヘッドの他の製造方法について、順を追って説明する。
図10のように、厚さ780μm、幅150mm長さ330mmの(110)面のSiウエハ401の上を熱酸化して、SiO2層402を8000Å形成した。次に、SiO2をパターニングして供給口開口部403を形成した。スパッターでAlCu膜を800Å堆積した。この膜のCuの含有量は0.5%であった。フォトリソ技術によって図11のように(犠牲層の平面形状は図44のように平行四辺形にパターニングして)犠牲層405と下層電極配線404を形成した。犠牲層の幅は120μm、長辺方向は2mmで、隣接した犠牲層間のハリ420に相当する部分の幅は、60μmとした。犠牲層は、ハリを挟んで134本直列に並べた。
次に、エッチングストップ層として、プラズマCVDでSiN膜406を6000Å堆積した。
この時の成膜条件は、SiH4/NH3/N2= 500/1500/6300sccm、圧力1500mtorr、基板温度400℃、RF1700Wであった。
フォトリソ技術を使い、図12のように犠牲層405の周囲を覆うようにパターニングした後、層間絶縁膜407としてSiONを14000Å成膜した。この時の成膜パラメーターは、SiH4/N2O/N2=250/1200/4000sccm、圧力1500mtorr、基板温度380℃、RF1700W、組成比Si/O/N=37/61/2であった。
この後は、図13のように層間絶縁膜にコンタクトホール408を形成し、TaSiN(組成比44/43/13)を500ÅとAlを3000Å連続成膜してパターニングして、図14のようにヒーター409と上部配線410を形成した。
次にヒーター保護膜411として、プラズマCVDのSiNを3000Å堆積、パターニングした。成膜条件は、SiH4/NH3/N2= 180/480/2000sccm、圧力1500mtorr、基板温度320℃、RF1700Wであった。
さらに、インクの発泡によるキャビテーションからヒーターを保護するため、Taを3000Åをスパッターで堆積パターニングして、耐キャビテーション膜412を形成した。
樹脂製のノズルの密着性を上げるためと、裏面をアルカリエッチャントから保護するために、耐食性の高いポリエーテルアミド系樹脂膜(日立化成製 HIMAL)413を2μm塗布焼成して形成し、図17のようにヒーター部とインク供給口部をパターニングで露出させた。
感光性樹脂としてポリメチルイソプロペニルケトン(東京応化ODUR−1010)を20μm塗布してパターニングして、図18のようにインク流路形成材414を形成した。さらに表1に示した感光性樹脂415を10μm塗布しパタ−ニングして、図19のようにインク吐出口416を形成した。
ノズル形成面側を保護するために、ゴム系レジスト(東京応化製OBC)で保護膜417を形成した。ノズル形成された裏面の樹脂層とSiO2をパターンニングして、インク供給口418を形成した。この時のパターンは、図45のように表面の犠牲層とは鏡像関係になるような平行四辺形にした。そして、表面と同様にハリに相当する部分の幅を120μm設けた。
次に裏面のインク供給口パターン部の平行四辺形の窓の狭角に隣接した部分に、図45のようにYAGレーザーで非貫通のエッチング先導孔421を開けた。この時の穴の径は30〜35μm、深さは550〜730μmであった。
この基板を21%のTMAH水溶液に浸漬して異方性エッチングした。エッチャント温度は83℃、エッチング時間は9時間30分とした。これは基板の厚み780μmをジャストエッチする時間に対して10%のオーバーエッチ時間とした。
エッチングは図24のようにAlCuの犠牲層まで進み、エッチングストップ層406の前で止まっている。この時、エッチングストップ層に亀裂はなく、流路形成樹脂層414やノズル部415へのエッチング液の浸入は見られなかった。
次に、図25のようにエッチングストップ層のSiONとSiNをCDE法によって除去した。エッチング条件は、CF4/O2/N2=300/250/5sccm、RF800W、圧力250mtorrであった。
図26のようにメチルイソブチルケトンに浸漬後、キシレン中で超音波を掛け保護膜を除去して、乳酸メチル中で超音波を掛け樹脂414を除去して、インク流路422を形成しインクジェット記録ヘッドができた。
このインクジェット記録ヘッドを使って、吐出周波数10KHzで印字テストを行ったが、270mm幅全域にわたって、印字のカスレ、濃度ムラ、インクの不吐出のない高品位な印字物が得られた。
本発明によるインクジェット記録ヘッドのベース基板の断面を示す概略図 本発明によるインクジェット記録ヘッドのベース基板の異方性エッチング後の断面を示す概略図 本発明によるインクジェット記録ヘッドのベース基板の上面を示す概略図 本発明によるインクジェット記録ヘッドのベース基板の裏面を示す概略図 犠牲層の厚みと異方性エッチング後にエッチングストップ層に亀裂が発生する確率を示す図 従来技術を示す図 従来技術を示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程途中の基板断面を示す概略図 本発明によるインクジェット記録ヘッドのベース基板の上面を示す概略図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程途中の基板断面を示す概略図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図
符号の説明
101 Si基板
102 犠牲層
103 エッチングストップ層
104 エッチングマスク材
105 インク供給口開口部
106 耐アルカリ性レジスト
201 Si基板
202 犠牲層
203 エッチングストップ層
204 インク流路形成型材
205 ノズル形成樹脂
301 シリコンウエハ基板
302 絶縁膜
303 犠牲層
304 エッチングストップ層
305 ヒーター
306 電極
307 インク供給口パターン
308 絶縁膜
309 耐アルカリ性樹脂膜
401 Si基板
402 SiO2
403 供給口開口部
404 下層配線電極
405 犠牲層
406 エッチングストップ層
407 層間絶縁膜
408 コンタクトホール
409 ヒーター
410 上層配線
411 保護膜
412 耐キャビテーション膜
413 密着性向上用樹脂膜
414 インク流路形成材
415 ノズル形成材
416 吐出口
417 異方性エッチング用保護膜
418 裏面供給口
419 レーザー加工エッチング先導孔
420 ハリ
421 レーザー加工エッチング先導孔
422 インク流路
501 Si基板
502 犠牲層
503 エッチングストップ層
504 ヒーター
505 配線電極
506 エッチングマスク絶縁膜
507 耐アルカリ性樹脂膜
601 Si基板
602 絶縁膜
603 供給口開口部
604 犠牲層
605 下層配線電極
606 エッチングストップ層
607 層間絶縁膜
608 コンタクトホール
609 ヒーター
611 インク流路形成材
612 ノズル形成材
613 吐出口
614 エッチング用保護膜
615 裏面供給口
616 インク流路

Claims (4)

  1. シリコン基板上に畜熱層としての絶縁膜を形成する工程、前記膜上にインク吐出圧発生素子を形成する工程、前記シリコン基板表面にエッチング液に侵されやすい材料で薄膜を堆積しインク供給口の形状にパターンを形成する工程、前記供給口の形状のパターン上に酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜またはその混合物のエッチングストップ層を形成する工程、前記酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜が形成された裏面に開口部を設け、異方性エッチングによりインク供給口となる部分のシリコンを除去する工程、インク供給口部に残ったエッチングストップ層の酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜またはその混合物を除去する工程を少なくとも含むインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、前記基板表面の供給口の形状の薄膜パターンの膜厚が2500Å以下200Å以上であることを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  2. 前記基板表面の供給口の形状の薄膜は、AlまたはAlを含む合金であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  3. 前記基板表面の供給口の形状の薄膜は、AlとCuを含む合金であることを特徴とする請求項1乃至2記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  4. 前記異方性エッチングに用いるエッチング液はテトラ・メチル・アンモニウム・ハイドライド(TMAH)であることを特徴とする請求項1乃至3記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012133171A1 (ja) * 2011-03-31 2012-10-04 ブラザー工業株式会社 インク吐出ヘッドの製造方法及びインク吐出ヘッド
CN115584478A (zh) * 2022-09-27 2023-01-10 中国电子科技集团公司第五十五研究所 一种低缺陷密度外延薄膜的制备方法

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