JP2007253472A - インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐キャビテーション膜のTa表面に反射抑止膜を堆積することにより、ネガ型のノズル形成樹脂の吐出口形成部にひさし状の障害物の発生を抑制し、高品位な印字が可能なインクジェット記録ヘッドを提供する。
【解決手段】ネガ型のノズル形成樹脂110の吐出口形成部にひさし状の障害物が発生しないように、耐キャビテーション膜108上に、反射抑止膜109を設ける。より詳しくは、Ta膜の表面を陽極酸化して、TaOx膜を堆積させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体に外部からエネルギーを加えることによって、所望の液体を吐出するインクジェット記録ヘッド、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
熱等のエネルギーをインクに与えることで、気泡の発生を促し、この体積変化を利用して吐出口からインクを吐出し、これを記録媒体上に付着させて画像形成を行うインクジェット記録方法が知られている。インクジェット方式の中で、基板に対し垂直にインクを吐出するサイドシューター型(特開平4−10940)が提案されている。従来のサイドシューター型のインクジェット記録ヘッドでは、ヒーター上にTaの保護膜を形成し、キャビテーションによる衝撃からヒーターを保護していた。
特開平4−10940号公報
このTaの保護膜上に、ネガ型のレジストを使ってノズルを形成しようとすると、マスクで覆われて本来露光されない筈の吐出口の下面に、Ta表面で反射した光が回り込んで、吐出口の下部のレジストを感光させて、吐出口をふさぐように薄膜が形成されてしまうという問題が発生することがあった。
この現象を図を使って説明する。図3のようにヒーターボード上に、インク流路の型材301を塗布しパターニングして、次に図4のようにノズル形成樹脂302を塗布しプリベークする。更に図5のようにノズル形成用のマスク303をアライメントした上で、ディープUV光304によって露光する。この時、金属のヒーター保護膜306上面で反射したUV光305によって、本来露光されないマスクのインク吐出口パターン直下の部分にわずかにUV光が当たってしまう。このため、図6のように吐出口下面にひさし状の樹脂残り307が発生することもあった。これは、インクの吐出の障害となる。
上記のような問題点は、基板にインク吐出圧力発生素子が設けられ、インク吐出圧力発生素子に対向するプレート側に吐出口が配されて、該吐出口を形成するプレートが光感光性のレジストにより形成されて、熱によりインク内に気泡を発生させて該吐出口基板に垂直にインクを吐出するインクジェット記録ヘッドであって、ヒーターの上部に金属の保護膜が設けられていて、該金属製保護膜上に反射抑止膜が積層されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
(作用)
一般に反射抑止膜は、入射光の膜下面での反射を膜上面での内部反射と干渉させて減衰させるものである。この時、下面反射光と上面反射光の位相を反対にするために、膜厚と波長の間に次のような関係式が成り立つように設計する。
2nd=λ/2
下面に金属膜がある場合、金属膜表面で位相がずれるので、位相のズレ分(Δd)を補正すると以下のような関係式が成り立つ。
2n(d+Δd)=λ/2
この関係式を満たすような、n(屈折率)とd(膜厚)の反射抑止膜を金属膜上に積層すれば、金属膜による反射は大幅に減衰する。
以上述べたように本発明によれば、耐キャビテーション膜のTa表面に反射抑止膜を堆積することにより、ネガ型のノズル形成樹脂の吐出口形成部にひさし状の障害物の発生を抑制することが可能になり、高品位な印字が可能なインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
[実験1]
以下に、本発明に係わる実験について述べる。
サイドシューター型インクジェットで用いられているノズル形成樹脂は、表1に示したような組成で、露光にはキヤノン製MPAの365,405nmにピークのある光源を用いている。そこでこの光源での反射抑止膜の最適膜厚を検討した。
Figure 2007253472
Siウエハ上に、スパッターでTaを5000Å堆積し、陽極酸化によって酸化膜を形成し、その上に流路形成樹脂(東京応化ODUR−1010)を10μm塗布した。図7は分光光度計で測定した、酸化膜であるTa2O5の膜厚と反射光の強度の関係を示したものである。260Å、1130Å、1960Å、4150Å、5010Å、5850Å、6700Å付近で反射が極小値を持つことが判った。
[実験2]
図8〜10は、実験1と同じノズル形成樹脂と流路形成樹脂を用いてサイドシューター型インクジェット記録ヘッドの工程の途中を再現したものである。Siウエハ401上に、ヒーター保護膜のTa402の表面に陽極酸化によるTa2O5403を膜厚を変化させて形成してからパターニングし、屈折率1.49のポジ型レジストでインク供給流路404を形成し、屈折率1.45のネガ型レジスト405を用いてノズルを形成した時の工程フローを示した。実験1と同じUV光406を用いて露光量は3Jで、現像液はメチルイソブチルケトン(MIBK):キシレン=2:3で、現像時間は70秒とした。吐出口のマスクパターン407は22μmΦとした。
この時、Ta2O5の膜厚と発生したひさしの長さの関係を示したものが図11である。Ta2O5の膜厚が反射光が極小を持つ付近で、ひさしの発生が抑制されていることが判った。
[実施態様例]
図1〜2は本発明による実施態様例を示すインクジェット記録ヘッドのヒーターボード基板の模式図である。基板としては図1のように(100)または図2のように(110)のSiウエハが用いられる。
インク供給口111に隣接して、絶縁膜102上に金属配線103、105、ヒーター106、層間絶縁膜104が配置されている。ヒーター上にはSiN、SiO等絶縁膜を堆積され保護膜107としている。さらに、耐キャビテーション膜108として、Ta等の金属を堆積しパターニングする。そして、この金属膜上に、レジスト露光時の反射を防止するための、反射抑止膜109を堆積する。反射抑止膜としては、Taを陽極酸化したTa2O5が最も簡便ではあるが、SiN、SiO2、SiON、TiO2、フッ化物等の透明な膜が適用可能である。
さらに、インク供給の流路上に感光性のノズル形成樹脂110で吐出口111を形成した。
次に、本発明によるインクジェット記録ノズルのプロセスを図12〜32を使って順を追って説明する。
(1)基板面方位(110)のシリコン基板501に、例えば熱酸化やCVD法などで絶縁膜502を形成し、フォトリソ技術によって図12(平面図 図31)のようにインク供給口を設けるための所望のパターン503を形成する。
(2)AlやCu等の抵抗が低く、TMAH(テトラ・メチル・アンモニウム・ハイドライド)等の異方性エッチング用エッチャントに対するエッチング速度が大きな金属を堆積、パターニングして、下層配線504と犠牲層505を形成する。エッチング犠牲層は、裏面からエッチングが進行してエッチャントが犠牲層に到達するとSiウエハよりエッチングレートが格段に速いので短時間にエッチングされ、犠牲層パターンに対応した開口部を開けることができるものである。この時のパターンは基板に対して垂直にエッチング穴があくように、狭角が70.5度をなす平行四辺形とし、平行四辺形の長辺および短辺は(111)と等価の面に平行になるように配置する。
(3)基板表面上にエッチングストップ層506として、プラズマCVD法によって、SiNまたはSiON膜を堆積する。エッチングストップ層は、膜応力を調整するために2種以上の膜を積層しても良い。
積層されたエッチングストップ膜のトータルの膜厚は、一般には2000Å〜2μm、好ましくは3000〜15000Å、最適には4000〜13000Åである。また積層されたエッチングストップ膜のトータルの応力は、一般には2×10exp―9dyne/cm2以下、より好ましくは1.8×10exp―9dyne/cm2以下、最適には1.5×10exp―9dyne/cm2以下である。
(4)プラズマCVD等を使って、SiNやSiON、SiO2等の膜を堆積して層間絶縁膜507とする。さらに、層間絶縁膜にコンタクトホール508を形成する。
(5)インク供給口に合わせて、インク吐出圧力発生素子としてヒーター部509形成する。ヒーター材料としては、Ta、TaN、TaNSi等などの金属膜をスパッターや真空蒸着等によって堆積しパターニングする。さらに電力供給用の上層電極510としてAl、Mo、Ni,Cu等の金属膜を同様にして形成する。
また、配線とヒーターの形成の順番等に特に制限がないのは言うまでもない。
(6)ヒーターには耐久性の向上を目的としてプラズマCVDでSiN膜511を堆積し保護膜とする。
(7)この上に、耐キャビテーション膜512としてスパッター法等でTa等の機械的強度の高い金属膜を堆積し図19のようにパターニングする。この膜の膜厚は、好ましくは1000〜5000Å、さらに好ましくは2000〜4000Å、最適には2500〜3500Åである。
(8)さらに露光時の反射を防止するため、耐キャビテーション膜上に透明の反射抑止膜513を堆積する。この時の反射抑止膜の膜厚は、理想的には、
2n(d+Δd)=λ/2
n(屈折率)d(膜厚)Δd(反射時の位相のズレ分)λ(光源の波長)
の関係を満たすように設計するのが望ましい。ここで、光源の波長は短波長ではないし、また完全に反射を防止できなくても反射光が弱まれば吐出口のひさしは抑制できるので、反射抑止膜は計算上の理想的な膜厚から多少ずれてもかまわない。
また反射抑止膜の膜厚があまり厚いと、ヒーターによるインク吐出を繰り返すことにより一部が剥がれて耐キャビテーション膜上に段差を発生し、インクの発泡が不安定になる可能性がある。膜厚としては、望ましくは3000Å以下である。
反射抑止膜の堆積法としては、耐キャビテーション膜のTaを陽極酸化する方法が最も簡便であるが、スパッターや蒸着法によって薄膜を堆積しても良い。これを、耐キャビテーション膜を覆うようにパターニングする。パターニングは、耐キャビテーション膜と同時に行っても良い。
(9)樹脂製のノズルの密着性を上げるためと、裏面をアルカリ性エッチャントから保護するために、耐食性の高い樹脂膜514を形成する。そして、ヒーター部とインク供給口部をパターニングする。
(10)インク流路確保のために、強アルカリや有機溶剤等で溶解可能な樹脂でパターン515を形成する。このパターンは、印刷法や感光性樹脂によるパターニング等で形成する。
(11)インク流路のパターンの上に、被覆樹脂層516を形成する。この被覆樹脂層は微細パターンを形成するので感光性レジストが望ましく、さらに流路を形成した樹脂層を除去する際のアルカリや溶剤等によって変形変質しない性質が必要である。
(12)次に流路の被覆樹脂層をパターニングして、ヒーター部509に対応したインク吐出口517を形成する。この時の露光々源は前述したλに近い波長である。この後、被覆樹脂層を光や熱等によって硬化する。
(13)この基板のノズル形成面側を保護するためレジストで保護膜518を形成する。
(14)裏面の樹脂層とSiNまたはSiO2などをフォトリソ技術を使って、裏面のインク供給口のパターン部分519を除去しウエハ面を露出させる。このパターンの形状は、犠牲層とは鏡像関係になるように形成する。裏面のエッチングマスク膜の製法は、プラズマCVDに限定されるものではなく、LPCVD法や常圧CVD、熱酸化法などでも良い。
(15)次に裏面の平行四辺形の狭角の近傍部分(裏面の平面図32)に、エッチング先導孔520をあける。一般的には、レーザー加工などが用いられるが、放電加工、ブラスト等でも良い。
この先導孔は、エッチングストップ層に出来る限り近くまであける。先導孔の深さは、一般には基板厚さの60%以上、好ましくは70%以上、最適には80%以上である。また、基板を貫通してはならない。この先導孔によって、平行四辺形の狭角から発生する斜めの(111)面が抑制される。
(16)この基板をアルカリ系エッチャント(KOH、TMAH、ヒドラジン等)に浸け、(111)面が出るように異方性エッチングすると、平面形状が平行四辺形((100)基板の場合長方形)の貫通穴が形成される。
(17)エッチングストップ層506のSiN等の膜をフッ酸等の薬液または、ドライエッチ等で部分的に除去してインク供給口を開口する。最後にインク流路形成材515を除去し、図30のようにインクの流路を確保する。
上記プロセスにおいて、基板の加工手順は特に限定されるものではなく、任意に選ぶことができる。
図1は本発明による実施例を示すインクジェット記録ヘッドの断面の模式図である。基板101はSi(100)ウエハである。ウエハの表面にSiO2で絶縁膜102を形成し、AlCu膜を堆積しパターニングして下層配線電極103を形成している。さらに、SiNで層間絶縁膜104を形成し、スルーホールを介してAlCuの上層電極105とTaSiNのヒーター106を接続した。
このヒーター上にSiN膜を3000Å堆積し保護膜107とした。さらに、耐キャビテーション膜108として、Taを3000Å堆積しパターニングした。そして、この金属膜上に、インク供給口用の感光性樹脂露光時の反射を防止するための、反射抑止膜としてTa2O5 ,109を260Å堆積した。さらに、インク供給の流路110およびインク吐出口111を感光性樹脂で形成した。
このインクジェット記録ヘッドを使って、吐出周波数18KHzで印字テストを行ったが、15mm幅全域にわたって、印字のカスレ、濃度ムラ、インクの不吐出のない高品位な印字物が得られた。
図2は本発明による他の実施例を示すインクジェット記録ヘッドの断面の模式図である。基板201はSi(110)ウエハである。ウエハの表面にSiO2で絶縁膜202を形成し、AlCu膜を堆積しパターニングして下層配線電極203を形成している。さらに、SiNで層間絶縁膜204を形成し、スルーホールを介してAlCuの上層電極305とTaNのヒーター206を接続した。
このヒーター上にSiN膜を3000Å堆積し保護207とした。さらに、耐キャビテーション膜208として、Taを3000Å堆積しパターニングした。そして、この金属膜上に、インク供給口用の感光性樹脂露光時の反射を防止するための、反射抑止膜としてMgF,209を370Å堆積した。さらに、インク供給の流路210およびインク吐出口211を感光性樹脂で形成した。
このインクジェット記録ヘッドを使って、吐出周波数18KHzで印字テストを行ったが、15mm幅全域にわたって、印字のカスレ、濃度ムラ、インクの不吐出のない高品位な印字物が得られた。
次に、本発明によるインクジェット記録ノズルのプロセスの実施例を図12〜34を使って順を追って説明する。
図12のように、厚さ780μm、幅150mm長さ330mmの(110)面のSiウエハ501の上を熱酸化して、SiO2層502を8000Å形成した。次に、SiO2をパターニングして供給口開口部503を形成した。スパッターでAlCu膜を3000Å堆積した。この膜のCuの含有量は0.5%であった。フォトリソ技術によって図13のように(犠牲層の平面形状は図33のように、狭角が70.5度をなす平行四辺形にパターニングして)犠牲層505と下層電極配線504を形成した。犠牲層の幅は120μm、長辺方向は2mmで、隣接した犠牲層間のハリ521に相当する部分の幅は、60μmとした。犠牲層は、ハリを挟んで134本直列に並べた。
次に、エッチングストップ層として、プラズマCVDでSiN膜を8000Å堆積した。
この時の成膜条件は、SiH4/NH3/N2= 500/1500/6300sccm、圧力1500mtorr、基板温度400℃、RF1700Wであった。
フォトリソ技術を使い、図14のように犠牲層505の周囲を覆うようにパターニング506した後、層間絶縁膜507としてSiONを15000Å成膜した。この時の成膜パラメーターは、SiH4/N2O/N2= 250/1200/4000sccm、圧力1500mtorr、基板温度400℃、RF1700W、組成比Si/O/N=37/61/2であった。
この後は、図15のように層間絶縁膜にコンタクトホール508を形成し、TaSiN(組成比44/43/13)を500ÅとAlを3000Å連続成膜してパターニングして、図16のようにヒーター509と上部配線510を形成した。
次にヒーター保護膜511として、プラズマCVDのSINを3000Å堆積、パターニングした。成膜条件は、SiH4/NH3/N2= 180/480/2000sccm、圧力1500mtorr、基板温度300℃、RF1700Wであった。
この上に、スパッター法でTa膜512を3000Å堆積し、さらにTaの表面を陽極酸化して、T2O5膜513を260Å形成した。この時の溶媒は、水:エチレングリコール=3:7で酒石酸アンモニウムを1%溶解した。酸化の際の電流は2mA/cm2で、酸化の時間は3分であった。
Taと酸化膜をCDE(ケミカルドライエッチ)で同時にパターニングして耐キャビテーション膜を形成した。
樹脂製のノズルの密着性を上げるためと、裏面をアルカリ性エッチャントから保護するために、耐食性の高いポリエーテルアミド系樹脂膜(日立化成HIMAL)514を2μm塗布焼成して、図20のようにヒーター部とインク供給口部をパターニングで露出させた。
感光性樹脂としてポリメチルイソプロペニルケトン(東京応化ODUR−1010)を20μm塗布してパターニングして、図21のようにインク流路形成材515を形成した。さらに表1に示した感光性樹脂516を10μm塗布しパタ−ニングして、図22のようにインク吐出口517を形成した。
ノズル形成面側を保護するために、ゴム系レジスト(東京応化製OBC)で保護膜518を形成した。ノズル形成された裏面のHIMALとSiO2をパターンニングして、インク供給口519を形成した。この時のパターンは、表面の犠牲層とは鏡像関係になるような平行四辺形にした。そして、表面と同様にハリに相当する部分522の幅を120μm設けた。
次に裏面のインク供給口パターン部の平行四辺形の窓の狭角に隣接した部分に、図34のようにYAGレーザーで非貫通のエッチング先導孔520を開けた。この時の穴の径は30〜35μm、深さは550〜730μmであった。
この基板を21%のTMAH水溶液に浸漬して異方性エッチングした。エッチャント温度は83℃、エッチング時間は9時間とした。これは基板の厚み780μmをジャストエッチする時間に対して10%のオーバーエッチ時間とした。
エッチングは図27のようにAlCuの犠牲層まで進み、エッチングストップ層506の前で止まった。
次に、図28のようにエッチングストップ層のSiNをCDE法によって除去した。エッチング条件は、CF4/O2/N2=300/250/5sccm、RF800W、圧力250mtorrであった。
図30のようにメチルイソブチルケトンに浸漬後、キシレン中で超音波を掛け保護膜を除去して、乳酸メチル中で超音波を掛け樹脂515を除去して、インク流路523を形成しインクジェット記録ヘッドが完成した。このヘッドの吐出口を観察したところ、吐出口下面のひさし発生は見られなかった。
このインクジェット記録ヘッドを使って、吐出周波数10KHzで印字テストを行ったが、270mm幅全域にわたって、印字のカスレ、濃度ムラ、インクの不吐出のない高品位な印字物が得られた。
本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法について、図35〜50を使って順を追って説明する。
図35のように、厚さ625μmで5インチΦの(100)面のSiウエハ601を熱酸化して、SiO2層602を14000Å形成した。次に、SiO2をパターニングして供給口開口部603を形成した。スパッターでAl膜を3000Å堆積した。フォトリソ技術によって図36のようにパターニングして犠牲層604と下層電極配線605を形成した。犠牲層は図50のように長方形で、幅は120μm、長辺方向は15mmとした。
エッチングストップ層と層間絶縁膜を兼用した膜として、図37のようにプラズマCVDでSiON膜606を3000Å堆積した。さらに、プラズマCVDでSiN膜607を3000Å堆積した。
フォトリソ技術を使い、図38のように層間絶縁膜にコンタクトホール608を形成した。
さらに、スパッターにより、TaNを500ÅとAlを3000Å連続成膜しパターニングして、上層配線電極610とヒーター609を形成する。
次にヒーター保護膜611として、プラズマCVDのSINを2400Å堆積、パターニングした。成膜条件は、SiH4/NH3/N2= 180/480/2000sccm、圧力1500mtorr、基板温度300℃、RF1700Wであった。
この上に、スパッター法でTa膜612を2500Å堆積し、さらにTa2O5をスパッターして1200Å堆積して反射抑止膜613とした。
Taと酸化膜をCDE(ケミカルドライエッチ)で同時にパターニングして耐キャビテーション膜614を形成した。
樹脂製のノズルの密着性を上げるために、耐食性の高いポリエーテルアミド系樹脂膜(日立化成HIMAL)615を2μm塗布焼成して、図43のようにヒーター部とインク供給口部をパターニングで露出させた。
感光性樹脂としてポリメチルイソプロペニルケトン(東京応化ODUR−1010)を20μm塗布してパターニングして、インク流路型材616を形成した。さらに表1に示した感光性樹脂層617を10μm塗布しパタ−ニングして、図44のようにインク吐出口618を形成した。
ノズル形成面側を保護するために、ゴム系レジスト(東京応化製 OBC)で保護膜619を形成した。ノズルの裏面側のSiO2をパターニングして、裏面インク供給口620を形成した。このパターンは、幅760μm長さ16mmの長方形とした。
この基板を22%のTMAH水溶液に浸漬して異方性エッチングした。エッチャント温度は83℃、エッチング時間は16時間とした。これは基板の厚み625μmをジャストエッチする時間に対して10%のオーバーエッチ時間とした。
エッチングは図46のようにAlの犠牲層まで進み、エッチングストップ層606の前で止まっている。
次に、図47のようにエッチングストップ層のSiONとSiNをCDE法によって除去した。エッチング条件は、CF4/O2/N2=300/250/5sccm、RF800W、圧力250mtorrであった。
保護膜を除去した後、図49のように、乳酸メチル中で超音波を掛け流路形成樹脂616を除去して、インク流路621を形成した。
このインクジェット記録ヘッドを使って、吐出周波数15KHzで印字テストを行ったが、15mm幅全域にわたって、印字のカスレ、濃度ムラ、インクの不吐出のない高品位な印字物が得られた。
(比較例1)
以下に、本発明の比較例を説明する。
ヒーター、電極、ノズル等の構成や形成方法は実施例4と同じ構造で、耐キャビテーション膜のTa表面に反射抑止膜を設けない構造とした。これ以降の工程は全て実施例4と同様にした。
このインクジェット記録ヘッドを使って、吐出周波数15KHzで印字テストを行ったが、インク吐出されない白抜けの部分があった。ヘッドを観察してみると、樹脂製のノズルの吐出口の一部に、ひさし状のものが見つかった。
(比較例2)
以下に、本発明の他の比較例を説明する。
ヒーター、電極、ノズル等の構成や形成方法は実施例4と同じ構造で、耐キャビテーション膜のTa表面に反射抑止膜の膜厚を1200Å、1900Å、2600Åと3種類に変化させたサンプルを作製した。これ以降の工程は全て実施例4と同様にした。
このインクジェット記録ヘッドを使って、吐出周波数15KHzで印字テストを行ったところ、反射抑止膜が2600Åのヘッドは10exp8回の吐出後に、インク吐出が安定しないムラの部分があった。ヘッドを観察してみると、耐キャビテーション膜の上の反射抑止膜の一部が剥がれて、残存部分が変色していた。他のヘッドでは、反射抑止膜が全て剥離して無くなっていて、Taの耐キャビテーション膜がむき出しになっていた。
本発明によるインクジェット記録ヘッドの基板を示す概略図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドの基板を示す概略図。 従来の問題点を示す図。 従来の問題点を示す図。 従来の問題点を示す図。 従来の問題点を示す図。 膜厚を変えたときのTa2O5とレジスト境界面での反射率。 本発明に関わる、反射抑止膜厚とネガレジストのひさしの発生の関係を調べるための実験方法。 本発明に関わる、反射抑止膜厚とネガレジストのひさしの発生の関係を調べるための実験方法。 本発明に関わる、反射抑止膜厚とネガレジストのひさしの発生の関係を調べるための実験方法。 Ta2O5膜厚とネガレジストのひさしの発生の関係を示す図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。 本発明の実施例を示す工程図。
符号の説明
101 Si(100)基板
102 絶縁膜
103 下層配線
104 層間絶縁膜
105 上層配線
106 ヒーター
107 ヒーター保護膜
108 耐キャビテーション膜
109 反射抑止膜
110 ノズル形成樹脂
111 インク吐出口
112 インク供給口
201 Si(110)基板
202 絶縁膜
203 下層配線
204 層間絶縁膜
205 上層配線
206 ヒーター
207 ヒーター保護膜
208 耐キャビテーション膜
209 反射抑止膜
210 樹脂膜
211 ノズル形成樹脂
212 インク吐出口
301 インク流路形成樹脂
302 ノズル形成樹脂
303 吐出口露光マスク
304 UV光
305 反射光
306 Ta膜
307 吐出口ひさし
401 基板
402 Ta膜
403 Ta2O5膜
404 流路形成樹脂
405 ノズル形成樹脂
406 UV光
407 マスク
501 Si基板
502 絶縁膜
503 インク供給口パターン
504 下層配線
505 犠牲層
506 エッチングストップ層
507 層間絶縁膜
508 コンタクトホール
509 ヒーター
510 上層配線
511 ヒーター保護膜
512 耐キャビテーション膜
513 反射抑止膜
514 ポリエーテルアミド樹脂膜
515 流路形成樹脂
516 ノズル形成樹脂
517 インク吐出口
518 保護膜
519 インク供給口パターン
520 レーザー先導孔
521 ハリ
522 ハリ裏面
523 インク流路
601 Si基板
602 絶縁膜
603 インク供給口パターン
604 犠牲層
605 下層配線
606 エッチングストップ層兼層間絶縁膜
607 エッチングストップ層兼層間絶縁膜
608 コンタクトホール
609 ヒーター
610 上層配線
611 ヒーター保護膜
612 Ta膜
613 反射抑止膜
614 耐キャビテーション膜
615 ポリエーテルアミド樹脂膜
616 流路形成樹脂
617 ノズル形成樹脂
618 インク吐出口
619 保護膜
620 インク供給口パターン
621 インク流路

Claims (6)

  1. 基板にインク吐出圧力発生素子が設けられ、インク吐出圧力発生素子に対向するプレート側に吐出口が配されて、該吐出口を形成するプレートが光感光性のネガ型レジストにより形成されて、熱によりインク内に気泡を発生させて該吐出口基板に垂直にインクを吐出するインクジェット記録ヘッドであって、ヒーターの上部に金属の保護膜が設けられていて、該金属製保護膜上に反射抑止膜が積層されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記反射抑止膜は、450nm以下の波長を減光することを特徴とする請求項第1項記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記金属製保護膜は、TaまたはTaを含む合金であることを特徴とする請求項第1項記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記反射抑止膜は、Taの酸化膜であることを特徴とする請求項第1項記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 前記反射抑止膜の膜厚は、3000Å以下であることを特徴とする請求項第1項記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 感光性樹脂によってインクを吐出する吐出口が形成され、該吐出口とインクを吐出するための吐出エネルギー発生素子が基板上面に形成されて、該吐出口に連通するインク流路と前記インク流路にインクを供給するスルーホールからなるインク供給口がシリコン基板に形成されているインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、
    (a)前記基板にインクを吐出するための吐出エネルギー発生素子を形成する工程、
    (b)該吐出エネルギー発生素子上に保護膜を形成する工程(c)該保護膜上に金属製の耐キャビテーション膜を形成する工程(d)該耐キャビテーション膜上に反射抑止膜を形成する工程有することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009166493A (ja) * 2007-12-21 2009-07-30 Canon Inc 液体吐出ヘッドの製造方法
JP2014046543A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Brother Ind Ltd インク吐出ヘッドの製造方法

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