JP2014046543A - インク吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク吐出口を設計通りに形成できるインク吐出ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】
基板201に設けられ、複数のヒータと、複数のヒータ上に設けられたインク流路CHと、インク流路CHに連通する複数のノズル孔110とを有するインク吐出ヘッド100の製造方法において、インク流路CHの側面を構成する流路壁203を形成する流路壁形成工程S2と、インク流路CHの底面及び流路壁203に反射防止膜206を形成する反射防止膜形成工程S3と、インク流路CHの中に犠牲層樹脂204を充填する充填工程S4と、インク流路CHの上部に、紫外線硬化性樹脂からなるカバー部207を形成するカバー部形成工程S6と、基板201に垂直な方向からカバー部207を露光する紫外線照射工程S7と、ノズル孔110を形成するノズル孔形成工程S8と、犠牲層樹脂204を除去する犠牲層除去工程S10とを含む。
【選択図】図5

Description

本発明は、インク吐出ヘッドの製造方法に関する。
従来より、フォトリソグラフィ法によりインク吐出口の形成を行う場合において、下地からの反射光の影響がなく安定したパターン形状にインク吐出口を形成するために、シリコン基板上に反射防止膜を形成するインク吐出ヘッドの製造方法が、特許文献1に記載されている。この製造方法では、この反射防止膜の上にインク流路となる型材料を形成し、この型材料周面にインク吐出部材となる被覆感光性樹脂を塗布する。その後、シリコン基板面に対して垂直方向からこの被覆感光性樹脂に露光し、現像を行い、インク吐出口を形成する。
特開2009−178906号公報
しかしながら、従来、露光時に、被覆感光性樹脂と型材料との界面となる流路壁の側面から反射した光がインク吐出口を形成する位置に当たると、インク吐出口が適切な形状に形成できず、インク吐出口が設計通りに形成できない問題があった。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、インク吐出口を設計通りに形成できるインク吐出ヘッドの製造方法を提供することにある。
この目的を達成するために、請求項1記載のインク吐出ヘッドの製造方法は、基板に設けられ、インクを吐出させる熱エネルギーを発生する複数のヒータと、複数のヒータ上に設けられたインク流路と、インク流路に連通する複数のインク吐出口とを有するインク吐出ヘッドの製造方法において、前記インク流路の側面を構成する流路壁を形成する工程と、前記インク流路の底面及び前記流路壁に反射防止膜を形成する工程と、前記インク流路の中に犠牲層樹脂を充填する工程と、前記インク流路の上部に、被覆感光性樹脂からなるカバー部を形成する工程と、前記基板に垂直な方向から前記カバー部を露光し、インク吐出口を形成する工程と、前記犠牲層樹脂を除去する工程とを含む。
請求項1記載のインク吐出ヘッドの製造方法によれば、インク流路の底面及び流路壁に反射防止膜を形成するため、露光時に流路壁の側面から反射した光がインク吐出口を形成する位置に当たることがない。したがって、露光時に流路壁の側面から反射した光による影響を受けることなく、インク吐出口を設計通りに形成できる。
また、請求項2記載のインク吐出ヘッドの製造方法は、前記基板に平行な方向に前記犠牲層樹脂及び前記反射防止膜の上部を切削して、その切削面を平坦化する工程を含む。
請求項2記載のインク吐出ヘッドの製造方法によれば、基板に平行な方向に犠牲層樹脂及び反射防止膜の上部を切削して、その切削面を平坦化するため、平坦な犠牲層樹脂及び反射防止膜の上に、基板に平行なカバー部を形成しやすくなる。
また、請求項3記載のインク吐出ヘッドの製造方法において、前記反射防止膜を形成する工程は、前記反射防止膜を30nmから100nmまでの範囲内の膜厚で形成する。
請求項3記載のインク吐出ヘッドの製造方法によれば、反射防止膜を30nmから100nmまでの範囲内の膜厚で形成するため、反射防止膜を30nmから100nmまでの範囲外の膜厚で形成した場合と比較して、露光時に反射防止膜からはね返る光の量を少なくできる。したがって、露光時に反射防止膜からはね返る光がインク吐出口を形成する位置に影響することを低減でき、設計通りの形状に一層正確に形成できる。
また、請求項4記載のインク吐出ヘッドの製造方法において、前記反射防止膜を形成する工程は、前記反射防止膜をスパッタ法により形成する。
請求項4記載のインク吐出ヘッドの製造方法によれば、反射防止膜をスパッタ法により形成するため、反射防止膜を均一に薄く、低温で早く、かつ、低コストで形成することができる。
また、請求項5記載のインク吐出ヘッドの製造方法は、反射防止膜を除去する工程を含む。
請求項5記載のインク吐出ヘッドの製造方法によれば、反射防止膜を除去するため、除去されずに残った反射防止膜が流路壁から剥がれてインク吐出口に詰まることを防止できる。
本発明によれば、露光時に流路壁の側面から反射した光による影響を受けることがないので、インク吐出口を設計通りの形状に形成できる。
本発明の実施形態にかかるインク吐出ヘッドの一例を示す模式的斜視図である。 図1に示すA−A線に従うインク吐出ヘッドの模式的断面図である。 本実施形態にかかるインク吐出ヘッドのヒータ形成工程S1を示す模式的断面図である。 本実施形態にかかるインク吐出ヘッドの流路壁形成工程S2を示す模式的断面図である。 本実施形態にかかるインク吐出ヘッドの反射防止膜形成工程S3を示す模式的断面図である。 本実施形態にかかるインク吐出ヘッドの犠牲層樹脂の充填工程S4を示す模式的断面図である。 本実施形態にかかるインク吐出ヘッドの平坦化工程S5を示す模式的断面図である。 本実施形態にかかるインク吐出ヘッドのカバー部形成工程S6を示す模式的断面図である。 本実施形態にかかるインク吐出ヘッドの紫外線照射工程S7を示す模式的断面図である。 本実施形態にかかるインク吐出ヘッドのノズル孔形成工程S8を示す模式的断面図である。 本実施形態にかかるインク吐出ヘッドのインク供給口形成工程S9を示す模式的断面図である。 本実施形態にかかるインク吐出ヘッドの犠牲層除去工程S10を示す模式的断面図である。 図9に示した紫外線照射工程S7の詳細を示す模式的断面図である。 図13に示した紫外線照射工程S7後のインク吐出ヘッドを示す模式的断面図である。 従来の紫外線照射工程を示す模式的断面図である。 図15に示した従来の紫外線照射工程後のインク吐出ヘッドを示す模式的断面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるインク吐出ヘッドの製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施形態)
(インク吐出ヘッドの構成)
図1を用いて、本発明の実施形態にかかるインク吐出ヘッドの構成について説明する。図1は、本発明の実施形態にかかるインク吐出ヘッドの一例を示す模式的斜視図である。図1において、インク吐出ヘッド100は、カバー部207に整列した複数のノズル孔110を有する。ノズル孔110のそれぞれは、図2で後述する個別に設けられたインク流路CHにそれぞれ連通する。図2は、図1に示すA−A線に従うインク吐出ヘッドの模式的断面図である。図2に示すインク吐出ヘッドは、インク吐出ヘッドの製造工程を終えた完成状態である。A−A断面は、図示上側鉛直方向からの断面で、複数のノズル孔110のうち、2つのノズル孔110を切断する断面の一例を示す。
インク流路CHは、図2に詳述する基板201上に形成された複数の層の上に形成された流路壁203及びカバー部207などによって区画形成される。インク流路CH内には、インクを吐出するための熱エネルギーを発生する発熱抵抗体202(図2参照)がそれぞれ設けられる。インク吐出ヘッド100の下面からインク流路CHへとつながるインク供給口120によって、インク供給口120にインクを供給する図示しないインクタンクからインク流路CHへとインクが供給される。インク流路CHに供給されたインクは、発熱抵抗体202の加熱によりその一部が気泡となる。この気泡によって押し出されたインク流路CH内のインクは、ノズル孔110から吐出する。
(インク吐出ヘッドの製造方法)
図2から図16を用いて、本実施形態にかかるインク吐出ヘッドの製造方法について説明する。図2から図12は、本実施形態にかかるインク吐出ヘッドの製造方法について各工程の一例を示す模式的断面図である。図13は、図9に示した紫外線照射工程S7の詳細を示す模式的断面図である。図14は、図13に示した紫外線照射工程S7後のインク吐出ヘッドを示す模式的断面図である。図15は、従来の紫外線照射工程を示す模式的断面図である。図16は、図15に示した従来の紫外線照射工程後のインク吐出ヘッドを示す模式的断面図である。
図3は、本実施形態にかかるインク吐出ヘッドのヒータ形成工程S1を示す模式的断面図である。ヒータ形成工程S1では、周知の形成方法によりヒータが形成される。シリコン製の基板201上に、蓄熱層302が10000Å程度の膜厚で形成され、形成された蓄熱層302の上に発熱抵抗体202と電極層303とが形成される。基板201の下面には、SiO2またはSiNなどの酸化物絶縁膜301が1000Åから10000Å程度の膜厚で形成される。発熱抵抗体202は、たとえば、TaNまたはTaAlなどを、200Åから1000Åまでの範囲内の厚みになるように、スパッタリング法によって発熱抵抗体202の形成位置に製膜することで形成される。
電極層303は、AlまたはAl合金を含み構成され、たとえば、500nm程度の厚さとなるように発熱抵抗体202上に形成される。周知の構成である電極パッド304が、電極層303に連結されて形成される。ドライバIC部306が、電極305に連結した状態で基板201内に埋設される。また、電極層303の上には、電極層303をインクから保護するための保護膜307が形成される。保護膜307の上には、インクを吐出する位置に、キャビテーションダメージから保護するための耐キャビテーション膜308が形成される。図示しない制御部から電気信号が、電極パッド304を介して、ドライバIC部306に伝わり、ドライバICが駆動する。図示しない電源部から、電圧が電極層303を介して発熱抵抗体202に印加される。ドライバIC部306を駆動することにより、インク吐出口110下の発熱抵抗体202に電流が流れて発熱し、インクが発砲することによりインク流路CHからインクの吐出が行われる。本実施形態における発熱抵抗体202及び電極層303は、本発明におけるヒータの一例に相当する。
図4は、本実施形態にかかるインク吐出ヘッドの流路壁形成工程S2を示す模式的断面図である。流路壁形成工程S2では、保護膜307の上に、耐キャビテーション膜308が形成された位置を囲うように流路壁203を形成する。流路壁203は、保護膜307上に塗布された密着層205の上面に形成される。密着層205は、シランカップリング材を混合した感光性エポキシ樹脂を含み構成される。流路壁203は、たとえば、感光性ポリイミドとエポキシ樹脂とを含み構成される。流路壁形成工程S2では、フォトリソグラフィー法などによって流路壁203を形成する。
図5は、本実施形態にかかるインク吐出ヘッドの反射防止膜形成工程S3を示す模式的断面図である。反射防止膜形成工程S3では、保護膜307の上面部、耐キャビテーション膜308の上面部、流路壁203の周囲を覆うように反射防止膜206を形成する。反射防止膜206は、酸化クロムを材料として形成される。また、反射防止膜206をスパッタ法により30nmから100nmまでの範囲内の膜厚で形成する。スパッタ法を用いることで、蒸着及びスピンコート法で反射防止膜206を形成するよりも、反射防止膜206を均一に薄く、低温で早く、かつ、低コストで形成することができる。また、反射防止膜206の膜厚を30nmから100nmまでの範囲内で形成することで、後述する紫外線照射工程S7において反射防止膜206からはね返る光の量を小さくすることができる。したがって、露光時に反射防止膜からはね返る光がインク吐出口を形成する位置に影響することを低減でき、設計通りの形状に一層正確に形成できる。
図6は、本実施形態にかかるインク吐出ヘッドの犠牲層樹脂の充填工程S4を示す模式的断面図である。犠牲層樹脂204の充填工程S4では、反射防止膜206、保護膜307、及び、電極パッド304の上に犠牲層樹脂204を充填する。犠牲層樹脂204は、アルカリ性の溶解液またはアセトンなどを含む溶解液に可溶な樹脂である。例えば、半硬化ポリイミド(例えば東レ株式会社の商品名セミコファイン)、ポリメチルイソプロペニルケトンを含む電離放射型のポジ型レジスト(例えば株式会社東京応化工業の商品名ODUR−1010)、メタクリル酸エステルとメタクリル酸との共重合を含む電離放射分解型のポジ型レジスト(例えばPMMA系共重合体)、または、旭有機材工業(株)製のEP4080G、EP4050Gなどのノボラック樹脂などが用いられる。
図7は、本実施形態にかかるインク吐出ヘッドの平坦化工程S5を示す模式的断面図である。平坦化工程S5では、研磨または切削による機械加工などによって、流路壁203、犠牲層樹脂204、及び、反射防止膜206の3つの加工面が同一の平坦面Kとなるように、流路壁203のインク吐出口が形成される側の端面が露出するまで除去する。
図8は、本実施形態にかかるインク吐出ヘッドのカバー部形成工程S6を示す模式的断面図である。カバー部形成工程S6では、平坦面K上に樹脂を塗布した後に乾燥させて15000nm程度の厚さのカバー部207を形成する。カバー部207は、たとえば、紫外線硬化性イミド、紫外線硬化性シリコン樹脂、または紫外線硬化性エポキシ等の紫外線硬化性樹脂などで、流路壁203及び犠牲層樹脂204上にスピンコート法などによって塗布される。
図9は、本実施形態にかかるインク吐出ヘッドの紫外線照射工程S7を示す模式的断面図である。紫外線照射工程S7では、まず、カバー部207の上方に、フォトマスク208を配置する。フォトマスク208は、紫外線209を透過しない複数のマスク部208aを有する。フォトマスク208の配置に際して、カバー部207の中でノズル孔部207aが形成される領域と、電極パッド304が配置される領域であって流路壁203より外側の領域とに、複数のマスク部208aが位置するように、フォトマスク208を配置する。そして、フォトマスク208を通して、紫外線209をカバー部207に向けて露光を行う。露光では、フォトマスク208に対向する位置から紫外線209(図13参照)をカバー部207に照射して、カバー部207を硬化させる。
具体的には、図13に示すように、紫外線照射工程S7によって照射される紫外線209は、マスク部208a以外のフォトマスク208を透過し、カバー部207を硬化させる。照射される紫外線209のうち、犠牲層樹脂204を透過する紫外線209の透過光401は、耐キャビテーション膜308上、及び、流路壁203の側面203bの反射防止膜206によって吸収される。したがって、耐キャビテーション膜308、及び流路壁203の側面203bなどによって透過光401が乱反射されることはない。特に透過光401が乱反射されやすい流路壁203の上面203aと側面203bとが交わる角部には、反射防止膜206が形成されているため、透過光401が乱反射されることはない。また、流路壁203の上面203aは平坦化されているため、透過光401が乱反射されることはない。保護膜307によって乱反射された反射光402は、反射防止膜206の内側に反射光402が吸収されるため、ノズル孔部207aに照射されることはない。つまり、透過光401及び反射光402がノズル孔部207aに照射されることがない。したがって、図14に示すように、ノズル孔110を、所望の形状に形成することができる。ノズル孔110は、真円に近いことが望ましい。本実施形態では、ノズル孔110が真円に近く、テーパ状に形成されることで設計通りの形状となる。テーパ状に形成される理由の1つは、紫外線209がカバー部207を透過していく深さに応じて、紫外線209が減衰し、透過する紫外線209がカバー部207と犠牲層樹脂204とが接する面に近づくにつれて、紫外線209の照射量が少なくなるためである。紫外線209の照射量が少ないほど、紫外線硬化性樹脂が硬化せずに溶解できる割合が多くなる。
また、従来のように紫外線反射による影響は、図15に示すように、照射される紫外線209のうち、犠牲層樹脂204を透過した後に、流路壁203の上面203aの角部及び側面203bにより乱反射してノズル孔部207aへ向かう紫外線209の反射光402が、ノズル孔部207aの斜線で示す部分(図15)に照射されてしまう。そのため照射されたノズル孔部207aの紫外線硬化性樹脂が硬化し、図16に示すようにノズル孔110に凸凹207bが形成され、ノズル孔110がいびつな形状となり所望の形状とはならず、ノズル孔110を設計通りの形状に形成することができないことがあった。ノズル孔110が設計通り形成されないと、吐出されるインクの量が減ってしまう問題、及び、吐出されたインクが想定した着弾位置から外れて着弾してしまう問題が発生する。
図10は、本実施形態にかかるインク吐出ヘッドのノズル孔形成工程S8を示す模式的断面図である。ノズル孔形成工程S8では、ノズル孔部207aを除去して、カバー部207にノズル孔110を形成する。具体的には、たとえば、ノズル孔形成工程S8は、ノズル孔部207a以外の位置が硬化したカバー部207をキシレンなどの現像液に浸して、硬化していないノズル孔部207aを除去する。換言すれば、ノズル孔形成工程S8は、現像液に対して不溶である紫外線熱硬化性樹脂であるカバー部207のうち硬化した部位と、犠牲層樹脂204とを残して、現像液に可溶であり硬化していない部位であるノズル孔部207aを除去する工程である。
図11は、本実施形態にかかるインク吐出ヘッドのインク供給口形成工程S9を示す模式的断面図である。インク供給口形成工程S9では、ウェットエッチングによって基板201の一部を除去することで、基板201の下側から犠牲層204側へ向けてインク供給口120を形成する。本実施形態では、たとえば、ウェットエッチングは、水酸化カリウム(KOH)水溶液、または、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いて行われる。具体的には、たとえば、基板201の下側の酸化物絶縁膜301上をフォトレジストで埋め、その後にフォトリソグラフィー法によりインク供給口120に相当する位置のフォトレジストを除去する。次にインク供給口120に相当する酸化物絶縁膜301をウェットエッチングする。その後、剥離液などによってフォトレジストを除去した後、インク供給口120に相当する位置以外に残存した酸化物絶縁膜301をエッチングマスクとして機能させることで、基板201を溶解除去する。
図12は、本実施形態にかかるインク吐出ヘッドの犠牲層除去工程S10を示す模式的断面図である。犠牲層除去工程S10では、犠牲層樹脂204を可溶とし、基板201、流路壁203、反射防止膜206及びカバー部207を不溶とする溶媒を用いて犠牲層樹脂204を除去する。具体的には、たとえば、犠牲層樹脂204の除去は、基板201、流路壁203、反射防止膜206及びカバー部207を不溶とする犠牲層溶解溶液(PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなど)に浸すことで行われる。
図2は、本実施形態にかかるインク吐出ヘッドの一例を示す模式的断面図であるが、インク吐出ヘッドの反射防止膜除去工程S11を示す模式的断面図でもある。反射防止膜除去工程S11では、反射防止膜206を除去する。具体的には、たとえば、反射防止膜206の除去は、ウェットエッチングにより行われる。
なお、本発明における各工程と、本実施形態の各工程とを関連付けて説明すると、図4に示した流路壁形成工程S2によって、本発明の流路壁を形成する工程の処理が実行される。図5に示した反射防止膜形成工程S3によって、本発明の反射防止膜を形成する工程の処理が実行される。図6に示した犠牲層樹脂の充填工程S4によって、本発明の犠牲層樹脂を充填する工程の処理が実行される。図7に示した平坦化工程S5によって、本発明の切削面を平坦化する工程の処理が実行される。図8に示したカバー部形成工程S6によって、本発明の被覆感光性樹脂からなるカバー部を形成する工程の処理が実行される。図9に示した紫外線照射工程S7及び図10に示したノズル孔形成工程S8によって、本発明のインク吐出口を形成する工程の処理が実行される。図12に示した犠牲層除去工程S10によって、本発明の犠牲層樹脂を除去する工程の処理が実行される。図2に示した反射防止膜除去工程S11によって、本発明の反射防止膜を除去する工程の処理が実行される。
以上説明したように、本実施形態によれば、保護膜307の上、耐キャビテーション膜308の上、流路壁203の上、及び、流路壁203の側面203bに紫外線を吸収する反射防止膜206を形成して、紫外線照射工程S7における紫外線209によりカバー部207におけるノズル孔部207aに紫外線209が照射されることを防ぐことができる。したがって、ノズル孔部207aは硬化されることなく除去できるため、ノズル孔110の形状の精度を保持することができる。
反射防止膜除去工程S11により、反射防止膜206がノズル孔部207a、カバー部207または流路壁203などの端面に残存することを防ぐことができる。
(変形例)
本実施形態では、反射防止膜206をスパッタ法により形成したが、本発明はこれに限られず、蒸着などにより反射防止膜206を形成してもよい。
本実施形態では、反射防止膜206を酸化クロム又は炭化ケイ素を材料として形成し、後に反射防止膜206を除去してインク吐出ヘッドを製造する方法を説明したが、遷移金属の酸化物、窒化ケイ素などを用いても良い。
本実施形態では、図10及び図12に示すように、ノズル孔部207aと、犠牲層樹脂204とを別々の工程で除去することとして説明したが、これに限ることはない。具体的には、ノズル孔部207aと、犠牲層樹脂204とを可溶な溶剤に基板201ごと浸して除去することとしてもよい。時間的にはノズル孔部207aが溶剤に溶解した後に、犠牲層樹脂204が溶解して、ノズル孔部207aと犠牲層樹脂204とが除去される。なお、ノズル孔部207aの材質は、感光性エポキシ樹脂を用い、犠牲層樹脂204の材質は、ノボラック樹脂を用い、溶解は、PGMEAを用いた。
また、上述した説明では、実施形態及び一部の変形例について別々の例として説明したが、これに限ることはない。すなわち、それぞれを組み合わせた構成として、実施形態及び一部の変形例を適宜組み合わせて利用してもよい。
100 インク吐出ヘッド
110 ノズル孔
CH インク流路
201 基板
202 発熱抵抗体
203 流路壁
203b 側面
204 犠牲層樹脂
206 反射防止膜
207 カバー部
207a ノズル孔部
307 保護膜
308 耐キャビテーション膜
S1 ヒータ形成工程
S2 流路壁形成工程
S3 反射防止膜形成工程
S4 埋め込み工程
S5 平坦化工程
S6 カバー部形成工程
S7 紫外線照射工程
S8 ノズル孔形成工程
S9 インク供給口形成工程
S10 犠牲層除去工程
S11 反射防止膜除去工程

Claims (5)

  1. 基板に設けられ、インクを吐出させる熱エネルギーを発生する複数のヒータと、複数のヒータ上に設けられたインク流路と、インク流路に連通する複数のインク吐出口とを有するインク吐出ヘッドの製造方法において、
    前記インク流路の側面を構成する流路壁を形成する工程と、
    前記インク流路の底面及び前記流路壁に反射防止膜を形成する工程と、
    前記インク流路の中に犠牲層樹脂を充填する工程と、
    前記インク流路の上部に、被覆感光性樹脂からなるカバー部を形成する工程と、
    前記基板に垂直な方向から前記カバー部を露光し、インク吐出口を形成する工程と、
    前記犠牲層樹脂を除去する工程とを含むことを特徴とするインク吐出ヘッドの製造方法。
  2. 請求項1に記載のインク吐出ヘッドの製造方法において、
    前記基板に平行な方向に前記犠牲層樹脂及び前記反射防止膜の上部を切削して、その切削面を平坦化する工程を含むことを特徴とするインク吐出ヘッドの製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のインク吐出ヘッドの製造方法において、
    前記反射防止膜を形成する工程は、前記反射防止膜を30nmから100nmまでの範囲内の膜厚で形成することを特徴とするインク吐出ヘッドの製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のインク吐出ヘッドの製造方法において、
    前記反射防止膜を形成する工程は、前記反射防止膜をスパッタ法により形成することを特徴とするインク吐出ヘッドの製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のインク吐出ヘッドの製造方法において、反射防止膜を除去する工程を含むことを特徴とするインク吐出ヘッドの製造方法。
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