JP2014069354A - インク吐出ヘッドの製造方法及びインク吐出ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズル内部の側壁への撥液材料の付着を確実に防止することができるインク吐出ヘッドの製造方法及びインク吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】基板のインクを吐出するためのエネルギー発生素子が設けられた一方の面に、インク流路となる犠牲層と、感光した部分が残るネガ型レジストによって前記犠牲層を囲んでインクを収容するインク室を区画するインク流路壁及び該インク流路壁と該犠牲層の上側にノズル層を形成するインク室壁形成工程と、前記インク流路壁及びノズル層を露光し現像することによって該ノズル層にインクを吐出する逆テーパ状のノズルを形成するノズル形成工程と、前記ノズルが形成された前記ノズル層上に撥液材料を前記一方の面に対して略垂直に衝突させて撥液層を形成する撥液層形成工程と、前記撥液層を硬化した後、前記犠牲層及び該犠牲層上に形成された撥液層を除去する除去工程と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】基板のインクを吐出するためのエネルギー発生素子が設けられた一方の面に、インク流路となる犠牲層と、感光した部分が残るネガ型レジストによって前記犠牲層を囲んでインクを収容するインク室を区画するインク流路壁及び該インク流路壁と該犠牲層の上側にノズル層を形成するインク室壁形成工程と、前記インク流路壁及びノズル層を露光し現像することによって該ノズル層にインクを吐出する逆テーパ状のノズルを形成するノズル形成工程と、前記ノズルが形成された前記ノズル層上に撥液材料を前記一方の面に対して略垂直に衝突させて撥液層を形成する撥液層形成工程と、前記撥液層を硬化した後、前記犠牲層及び該犠牲層上に形成された撥液層を除去する除去工程と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、インクジェットプリンタ等に用いられるインク吐出ヘッドの製造方法及びインク吐出ヘッドに関するものである。
従来より、インクジェットプリンタ等に用いられるインク吐出ヘッドの製造方法及びインク吐出ヘッドに関して種々提案されている。
例えば、ノズル孔を有するインクジェットヘッドの表面を撥水性を有する感光性樹脂材料により被覆し、感光性樹脂材料層を形成する。次いで、ノズル孔の周辺部に対応する部分以外は、活性エネルギー線を通過しない所定の形状パターンを有するフォトマスクをセットして、パターン露光し、現像を行う。これにより、ノズル孔の周辺部のみに撥水性を有する感光性樹脂材料層が現像されるように構成されたインクジェットヘッドのノズル面撥水処理方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
例えば、ノズル孔を有するインクジェットヘッドの表面を撥水性を有する感光性樹脂材料により被覆し、感光性樹脂材料層を形成する。次いで、ノズル孔の周辺部に対応する部分以外は、活性エネルギー線を通過しない所定の形状パターンを有するフォトマスクをセットして、パターン露光し、現像を行う。これにより、ノズル孔の周辺部のみに撥水性を有する感光性樹脂材料層が現像されるように構成されたインクジェットヘッドのノズル面撥水処理方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、例えば、感光性樹脂材料によりノズル層を塗布して乾燥した後、撥水性を有する感光性樹脂材料を被覆して撥水層を形成する。次いで、ノズルの吐出口部分を遮光したフォトマスクを介して、ノズル層及び撥水層を同時に露光し、現像を行う。これにより、ノズルの吐出口部分に対応する撥水層とノズル層を同時にパターニングして、吐出口を形成するように構成されたインクジェット記録ヘッドの製造方法がある(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、前記した特許文献1に記載されたインクジェットヘッドのノズル面撥水処理方法では、露光時のアライメントずれにより、ノズル孔の輪郭と撥水膜形成部が正確に一致せず、吐出口近傍で撥水性能が不均一になり、印字品位が低下する虞がある。また、撥水性を有する感光性樹脂材料層の形成時に、ノズル内部の側壁に撥水性を有する感光性樹脂材料が付着し、インク吐出性能に悪影響を及ぼす虞がある。
また、前記した特許文献2に記載されたインクジェット記録ヘッドの製造方法では、ノズル層と撥水層のそれぞれの露光感度の違いや、ノズル層と撥水層の二層を同時に露光するため、所望の解像度を得るのが難しいという問題がある。また、ノズル層の感光性樹脂材料の加熱(ベーク)は、露光、現像が可能な程度にとどめておく必要があるため、撥水層形成後も高温の加熱(ベーク)が難しく、現像時にノズル層と基板との密着性が低下する虞がある。
更に、前記した特許文献1に記載されたインクジェットヘッドのノズル面撥水処理方法及び前記した特許文献2に記載されたインクジェット記録ヘッドの製造方法では、撥水性を有する感光性樹脂材料を使用する必要があるため、製造コストの上昇、及び撥水層を形成する樹脂材料の選択幅が制限されるという問題がある。
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、感光性を有しない撥液材料が使用できると共に、ノズル内部の側壁への撥液材料の付着を確実に防止することができるインク吐出ヘッドの製造方法及びインク吐出ヘッドを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため請求項1に係るインク吐出ヘッドの製造方法は、インクを吐出するために用いられるエネルギーを発生するエネルギー発生素子が一方の面に設けられた板状の基板を準備する準備工程と、前記一方の面に、インク流路となる犠牲層と、感光した部分が残るネガ型レジストによって前記犠牲層を囲んでインクを収容するインク室を区画するインク流路壁及び該インク流路壁と該犠牲層の上側にノズル層を形成するインク室壁形成工程と、前記インク流路壁及びノズル層を露光し現像することによって該ノズル層にインクを吐出する逆テーパ状のノズルを形成するノズル形成工程と、前記ノズルが形成された前記ノズル層上に撥液材料を前記一方の面に対して略垂直に衝突させて撥液層を形成する撥液層形成工程と、前記撥液層を硬化した後、前記犠牲層及び該犠牲層上に形成された撥液層を除去する除去工程と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2に係るインク吐出ヘッドの製造方法は、請求項1に記載のインク吐出ヘッドの製造方法において、前記ノズル形成工程は、前記ノズル層のインクが吐出される側の面である吐出面における前記ノズルの最小径に対応する部分での露光量が、前記ノズル層のインク流路側の面である流路面における前記ノズルの最大径に対応する部分での露光量よりも小さくなるように露光することを特徴とする。
また、請求項3に係るインク吐出ヘッドの製造方法は、請求項2に記載のインク吐出ヘッドの製造方法において、前記ノズル形成工程は、前記ノズルの吐出側の最小径に対応する部分が遮光されると共に、前記最小径に対応する部分から、前記最大径に対応する部分に向かって露光光の透過率が徐々に大きくなる透過率分布をもつグレースケールマスクを介して、前記インク流路壁及びノズル層を露光することを特徴とする。
また、請求項4に係るインク吐出ヘッドの製造方法は、請求項2に記載のインク吐出ヘッドの製造方法において、前記ノズル形成工程は、前記ノズルのインク流路側の最大径に対応する部分から前記ノズルの吐出側の最小径に対応する部分まで段階的にそれぞれ遮光された複数のフォトマスクを介して、前記インク流路壁及びノズル層を段階的に遮光して露光する露光工程と、前記露光工程で露光した後、前記インク流路壁及びノズル層を現像する現像工程と、を有し、前記露光工程における露光量は、前記ノズルの最大径に対応する部分が遮光されたフォトマスクから該ノズルの最小径に対応する部分が遮光されたフォトマスクまで遮光部分の大きい順に段階的に小さくなるように設定されていることを特徴とする。
また、請求項5に係るインク吐出ヘッドの製造方法は、請求項4に記載のインク吐出ヘッドの製造方法において、前記露光工程における露光量は、前記インク流路壁及びノズル層を厚さ方向に全て感光する露光量以上から前記ノズル層を厚さ方向に全て感光する感光閾値以下の露光量まで遮光部分の大きい順に段階的に小さくなるように設定されていることを特徴とする。
また、請求項6に係るインク吐出ヘッドの製造方法は、請求項4に記載のインク吐出ヘッドの製造方法において、前記露光工程は、前記ノズルのインク流路側の最大径に対応する部分が遮光された第1フォトマスクを介して前記インク流路壁及びノズル層を露光する第1露光工程と、前記ノズルの吐出側の最小径に対応する部分が遮光された第2フォトマスクを介して前記インク流路壁及びノズル層を露光する第2露光工程と、を有し、前記第2露光工程の露光量は、前記第1露光工程の露光量よりも小さいことを特徴とする。
また、請求項7に係るインク吐出ヘッドの製造方法は、請求項6に記載のインク吐出ヘッドの製造方法において、前記第1露光工程の露光量は、前記インク流路壁及びノズル層を厚さ方向に全て感光する露光量以上であって、前記第2露光工程の露光量は、前記ノズル層を厚さ方向に全て感光する感光閾値以下の露光量であることを特徴とする。
また、請求項8に係るインク吐出ヘッドの製造方法は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のインク吐出ヘッドの製造方法において、前記撥液層形成工程は、前記ノズル層の上に前記撥液材料を液体微粒子にして吹き付けて前記撥液層を形成することを特徴とする。
更に、請求項9に係るインク吐出ヘッドの製造方法は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のインク吐出ヘッドの製造方法において、前記インク室壁形成工程は、前記犠牲層が前記エネルギー発生素子を含むように形成し、前記ノズル形成工程は、前記ノズルを前記エネルギー発生素子に対向するように形成することを特徴とする。
また、請求項10に係るインク吐出ヘッドは、板状の基板と、前記基板の一方の面に設けられてインクを吐出するために用いられるエネルギーを発生するエネルギー発生素子と、前記エネルギー発生素子を含み、前記基板の一方の面に形成されてインクを収容するインク室を区画するインク流路壁及び該インク流路壁の上側に形成されたノズル層を有するインク室壁部と、前記ノズル層に形成されて前記インク室に収容されたインクを吐出する逆テーパ状のノズルと、前記ノズル層上に撥液材料が積層されて形成された撥液層と、を備え、前記撥液層は、前記ノズル層のインクが吐出される側の面において、撥液材料が前記ノズルのインクが吐出される吐出口を囲む面上にのみ積層されて、前記ノズルの逆テーパ状の側壁部に積層されていないことを特徴とする。
請求項1に係るインク吐出ヘッドの製造方法及び請求項10に係るインク吐出ヘッドでは、ノズル層に逆テーパ状のノズルを形成した後、ノズル層上に撥液材料を基板の一方の面に対して略垂直に衝突させて撥液層を形成するため、ノズル内部の逆テーパ状の側壁部に撥液材料が付着することを確実に防止することができる。また、ノズルの吐出口周囲を撥液層で確実に被覆することができ、インク吐出性能の安定化を図ることができる。
また、感光性を有しない撥液材料で撥液層を形成することができ、製造コストの低減化を図ることができる。また、逆テーパ状のノズルを形成後、インク流路壁及びノズル層を高温で加熱(ベーク)して、基板との密着性を高めた後、ノズル層の上に撥液層を形成することができる。
また、請求項2に係るインク吐出ヘッドの製造方法では、ネガ型レジストによって形成されたノズル層のノズルの最小径に対応する部分での露光量が、ノズル層のノズルの最大径に対応する部分での露光量よりも小さくなるように露光する。これにより、ノズル層のノズルの最小径に対応する部分での硬化深さは、ノズル層のノズルの最大径に対応する部分での硬化深さよりも浅くなるため、ノズル層に逆テーパ状のノズルを確実に形成することができる。
また、請求項3に係るインク吐出ヘッドの製造方法では、グレースケールマスクを介して、インク流路壁及びノズル層を露光し現像することによって、逆テーパ状のノズルを1回の露光で迅速に形成することができる。
また、請求項4に係るインク吐出ヘッドの製造方法では、複数のフォトマスクを介して、段階的に遮光すると共に、露光量を遮光部分の大きい順に段階的に小さくなるように設定してインク流路壁及びノズル層を露光した後、現像することによって、逆テーパ状のノズルを形成することができる。
また、請求項5に係るインク吐出ヘッドの製造方法では、露光工程における露光量は、インク流路壁及びノズル層を厚さ方向に全て感光する露光量以上からノズル層を厚さ方向に全て感光する感光閾値以下の露光量まで遮光部分の大きい順に段階的に小さくなるように設定することによって、逆テーパ状のノズルを高精度に形成することができる。
また、請求項6に係るインク吐出ヘッドの製造方法では、第1露光工程と第2露光工程でインク流路壁及びノズル層を露光した後、現像することによって、逆テーパ状のノズルを迅速に形成することができる。
また、請求項7に係るインク吐出ヘッドの製造方法では、第1露光工程の露光量は、インク流路壁及びノズル層を厚さ方向に全て感光する露光量以上であって、第2露光工程の露光量は、ノズル層を厚さ方向に全て感光する感光閾値以下の露光量に設定することによって、逆テーパ状のノズルを高精度に形成することができる。
また、請求項8に係るインク吐出ヘッドの製造方法では、ノズル層の上に撥液材料を液体微粒子にして吹き付けて撥液層を形成することによって、ノズル内部の逆テーパ状の側壁部への撥液材料の付着を確実に防止することができる。
更に、請求項9に係るインク吐出ヘッドの製造方法では、ノズルをエネルギー発生素子に対向するように形成することができ、インク吐出性能の向上を図ることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明に係るインク吐出ヘッド及びインク吐出ヘッドの製造方法について具体化した第1実施形態及び第2実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、第1実施形態に係るインク吐出ヘッド1の概略構成について図1及び図2に基づいて説明する。尚、以下の説明において、図1の上方向、下方向が、それぞれインク吐出ヘッド1の上方向、下方向である。
以下、本発明に係るインク吐出ヘッド及びインク吐出ヘッドの製造方法について具体化した第1実施形態及び第2実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、第1実施形態に係るインク吐出ヘッド1の概略構成について図1及び図2に基づいて説明する。尚、以下の説明において、図1の上方向、下方向が、それぞれインク吐出ヘッド1の上方向、下方向である。
[インク吐出ヘッド1の概略構成]
図1及び図2に示すように、インク吐出ヘッド1は、インクを吐出する複数のノズル2が、所定のピッチで一方向に2列に並んで形成されている。各ノズル2は、それぞれインク室3に連通し、上端部の吐出口が最小径の円形で、インク室3側の下端部が最大径の円形になる逆テーパ状に形成されている。各インク室3内には、インクを吐出するためのエネルギー発生素子として機能するヒータ5がそれぞれ設けられ、保護膜6が積層されてノズル2に対応する部分に耐キャビテーション膜7が形成されている。
図1及び図2に示すように、インク吐出ヘッド1は、インクを吐出する複数のノズル2が、所定のピッチで一方向に2列に並んで形成されている。各ノズル2は、それぞれインク室3に連通し、上端部の吐出口が最小径の円形で、インク室3側の下端部が最大径の円形になる逆テーパ状に形成されている。各インク室3内には、インクを吐出するためのエネルギー発生素子として機能するヒータ5がそれぞれ設けられ、保護膜6が積層されてノズル2に対応する部分に耐キャビテーション膜7が形成されている。
また、インク供給口8が、インク吐出ヘッド1の下面からシリコン製の基板11の表裏面を上下方向に貫通して、2列のヒータ5の間に開口し、各インク室3へインクが供給される。各インク室3に供給されたインクは、ヒータ5の加熱によりその一部が気泡となって、インク室3内のインクを押し出し、ノズル2から吐出される。
図2に示すように、インク吐出ヘッド1の層構造は、各ヒータ5を駆動する駆動回路12等が形成された基板11と、ヒータ5と、インク室部15と、撥水層16(撥液層)とから主に構成されている。インク室部15は、基板11の一方の面(例えば、上面)に形成される。インク室部15は、基板11から上方に立設されてインク室3を区画するインク流路壁17と、このインク流路壁17の上端から横方向に延出されてインク流路の天井部を形成するノズル層18とから構成されている。
インク流路壁17は各ヒータ5及び各耐キャビテーション膜7を囲み、エポキシ樹脂からなる密着層21を介してヒータ5上に形成された保護膜6に接合されている。また、ノズル層18に形成された各ノズル2は、ヒータ5のほぼ真上に設けられている。尚、インク流路壁17は、ヒータ5及びインク供給口8を全周に渡って囲む態様であっても、一部や一辺が開口した状態で囲む態様であっても、どちらでも差し支えない。
撥水層16は、撥液材料の一例であるフッ素樹脂等の非感光性樹脂で形成され、ノズル層18の上端面において、各ノズル2の吐出口を囲む面上にのみ積層されて、各ノズル2の逆テーパ状の側壁部2Aには積層されていない。基板11は、結晶方位が<100>面のシリコンからなる。但し、結晶方位は<100>面に限定されるわけではなく、例えば、<110>面等の他の結晶方位でもよい。各ヒータ5は、上下に電極22が積層され、駆動回路12から駆動電流が供給され発熱駆動される。また、両側縁部の各電極22上には、駆動回路12に対して駆動信号や電力を供給するための電極パッド23が形成されている。
[インク吐出ヘッド1の製造方法]
以下、インク吐出ヘッド1の製造方法を図3乃至図11に基づいて説明する。
先ず、図3に示すように、シリコン製の基板11の上に駆動回路12を形成し、この駆動回路12の両側縁部に各電極22を形成する。続いて、プラズマCVD(Chmical Vapor Deposition)法を用いて、駆動回路12等の上側に、絶縁膜25となる酸化シリコン(SiO2)や窒化シリコン(SiNx)を、1μm〜5μmの厚さになるように形成する。また、基板11の裏面の全面に、酸化膜26となる酸化シリコン(SiO2)を、プラズマCVD、若しくは、駆動回路12を形成する工程中の熱酸化により1μm〜5μmの厚さになるように形成する。
以下、インク吐出ヘッド1の製造方法を図3乃至図11に基づいて説明する。
先ず、図3に示すように、シリコン製の基板11の上に駆動回路12を形成し、この駆動回路12の両側縁部に各電極22を形成する。続いて、プラズマCVD(Chmical Vapor Deposition)法を用いて、駆動回路12等の上側に、絶縁膜25となる酸化シリコン(SiO2)や窒化シリコン(SiNx)を、1μm〜5μmの厚さになるように形成する。また、基板11の裏面の全面に、酸化膜26となる酸化シリコン(SiO2)を、プラズマCVD、若しくは、駆動回路12を形成する工程中の熱酸化により1μm〜5μmの厚さになるように形成する。
続いて、絶縁膜25の上に、スパッタリング法によって、ヒータ5の発熱抵抗体となるタンタルアルミニウム(Ta−Al)を30nm〜100nmの厚さに形成し、その後、ヒータ5の電極22となるアルミ銅(Al−Cu)を200nm〜1000nmの厚さに形成する。そして、フォトリソグラフィ法によって、タンタルアルミニウム層とアルミ銅層とを予め定められた形状にパターニングする。タンタルアルミニウム層とアルミ銅層は、ドライエッチングによって同時に配線パターンの形状が形成される。
その後、フォトリソグラフィ法によって、ヒータ5の配置部分等をパターニングする。ヒータ5の配置部分等に対応するアルミ銅層は、ウエットエッチングにより除去されて、ヒータ5の配置部分をパターニングした形状が形成される。
更に、プラズマCVD法によって、保護膜6となる窒化シリコン(SiNx)を200nm〜1000nmの厚さに形成する。その後、保護膜6の上に、スパッタリング法によって、耐キャビテーション膜7となるタンタル(Ta)を100nm〜500nmの厚さに形成する。そして、フォトリソグラフィ法によって、タンタル膜及び保護膜6をパターニングする。耐キャビテーション膜7及び電極パッド23の配置部分に対応する保護膜6は、ドライエッチングによって除去する。続いて、メッキバンプ等によって、電極パッド23を形成する。
次に、図4に示すように、保護膜6の上に、例えば、スピンコートによって、密着層21となるエポキシ樹脂をベースとして感光した部分が残るネガ型レジスト(例えば、日本化薬株式会社製の光硬化エポキシ樹脂SU−8等である。)を1μm〜3μmの厚さに形成し、加熱(以下、「ベーク」という。)により乾燥する。そして、フォトリソグラフィ法によって、密着層21に対応する予め定められた形状にパターニングし、密着層21を形成する。その後、高温でベークにより硬化させ、基板との密着性を高める。
次に、図5に示すように、保護膜6の上に、例えば、スピンコートによって、犠牲層27となる感光した部分が溶解するポジ型レジスト(例えば、東京応化工業株式会社製のPMERP−LA900PM等である。)を10μm〜20μmの厚さに形成し、ベークにより乾燥する。そして、フォトリソグラフィ法により、ポジ型レジストをインク流路となる形状にパターニングした後、弱アルカリ水溶液で現像して犠牲層27を形成する。
次に、図6に示すように、犠牲層27の上に、例えば、スピンコートによって、ネガ型レジスト(例えば、日本化薬株式会社製の光硬化エポキシ樹脂SU−8等である。)を犠牲層27の上端面から10μm〜20μmの厚さになるように形成して、ベークにより乾燥させ、インク流路壁17及びノズル層18となるインク室形成層28を保護膜6の全面を覆うように形成する。従って、ノズル層18の厚さは、犠牲層27の上端面から10μm〜20μmの厚さに形成される。
次に、図7に示すように、グレースケールマスク31をインク室形成層28の上に載置し、紫外線露光を行って、各インク室部15と各ノズル2をパターニングする。このグレースケールマスク31は、インク室部15よりも外側の部分を遮光する遮光部31Aと、各ノズル2の吐出口側の最小径に対応する部分を遮光する遮光部31Bと、この遮光部31Bの外周から各ノズル2のインク室3側の最大径に対応する部分に向かって露光光の透過率が徐々に大きくなる透過率分布をもつように形成されたグラデーション部31Cとから構成されている。
ここで、インク室形成層28を形成するネガ型レジストの感光閾値をA1(mJ/cm2)、露光波長における吸収係数をα(μm-1)、ノズル層18の厚さをT1(μm)、犠牲層27の厚さをT2(μm)とした場合には、ノズル層18の厚さT1が感光する露光量Pは、
P=A1×exp(α×T1)・・・(1)
であり、インク室形成層28を形成するネガ型レジストの全厚さ(T1+T2)が感光する露光量Qは、
Q=A1×exp{α×(T1+T2)}・・・(2)
である。
P=A1×exp(α×T1)・・・(1)
であり、インク室形成層28を形成するネガ型レジストの全厚さ(T1+T2)が感光する露光量Qは、
Q=A1×exp{α×(T1+T2)}・・・(2)
である。
従って、グラデーション部31Cにおける露光量は、遮光部31Bの外周部が感光閾値A1(mJ/cm2)以下で、この遮光部31Bの外周から各ノズル2のインク室3側の最大径に対応する部分に向かって露光量が徐々に大きくなり、各ノズル2のインク室3側の最大径に対応する部分が、ノズル層18を厚さ方向に全て感光する露光量、つまり、上記(1)式で表される露光量P以上になるように設定されている。また、グラデーション部31Cの半径方向外側における、光透過部分の露光量は、上記(2)式で表される露光量Q以上になるように設定されている。
これにより、インク室形成層28の各遮光部31Bに対応する部分、つまり、各ノズル2の吐出口側の最小径に対応する部分は、紫外線が遮光され、感光されない。また、インク室形成層28の各グラデーション部31Cに対応する部分は、各ノズル2の吐出口側の最小径に対応する部分の外周から各ノズル2のインク室3側の最大径に対応する部分に向かって、紫外線によって感光される深さが徐々に深くなる。そして、各グラデーション部31Cの外周に対応する部分、つまり、各ノズル2のインク室3側の最大径に対応する部分は、犠牲層27に達する深さまで紫外線によって感光される。
また、インク室形成層28のグラデーション部31Cの外周に対応する部分から、遮光部31Aの内周に対応する部分までは、犠牲層27及び密着層21に達する深さまで紫外線によって感光される。更に、インク室形成層28の遮光部31Aに対応する部分は、紫外線が遮光され、感光されない。
次に、図8に示すように、インク室形成層28をキシレンを用いて現像した後、100℃前後でベークすることによって、犠牲層27を囲んでインク室3を区画するインク流路壁17、及びこのインク流路壁17と犠牲層27との上側にノズル層18が形成される。従って、基板11の上面に、インク流路壁17及びノズル層18から構成されたインク室部15が形成される。また、上端部の吐出口が最小径の円形で、犠牲層27側の下端部が最大径の円形になる逆テーパ状に形成された各ノズル2がノズル層18に形成される。
次に、図9に示すように、ノズル層18の上に、スプレーコートによって、フッ素樹脂を液体微粒子にして、基板11の上面に対して略垂直に吹き付け、30nm〜200nmの厚さに形成して、ベークにより硬化する。これにより、ノズル層18の上面にフッ素樹脂が吹き付けられて、撥水層16が形成されると共に、各ノズル2の最小径の部分に対応する犠牲層27の上面にフッ素樹脂が吹き付けられて、各撥水膜32が形成される。従って、各ノズル2の逆テーパ状の側壁部2Aには、フッ素樹脂による撥水層は形成されない。
尚、フッ素樹脂に限らず、感光性を有する撥水材料を液体微粒子にして、ノズル層18の上に、スプレーコートによって、基板11の上面に対して略垂直に吹き付け、30nm〜200nmの厚さに形成して、紫外線露光、ベークにより硬化するようにしてもよい。
次に、図10に示すように、基板11の下面の酸化膜26上に、例えば、スピンコートによって、ポジ型レジスト(例えば、東京応化工業株式会社製のOFPR−800等である。)を1μm程度の厚さに形成し、ベークにより硬化する。そして、フォトリソグラフィ法により、ポジ型レジストをインク供給口8に対応する形状に現像してパターニングした後、酸化膜26をドライエッチング、またはウエットエッチング等によってインク供給口8に対応する形状にパターニングした後、ポジ型レジストを除去する。
続いて、水酸化カリウム(KOH)水溶液やテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液等のアルカリ溶液を用いたウエットエッチングによって、酸化膜26から基板11の上面に向かってSi異方性エッチング(化学的エッチング)を行う。基板11の異方性は<100>又は<110>であるため、基板11の裏面から進行するSi異方性エッチングは、基板11の上面に形成された絶縁膜25に容易に到達し、インク供給口8が形成される。その後、ドライエッチング等により、インク供給口8の上に位置する絶縁膜25、保護膜6を除去する。
次に、図11に示すように、全体をアセトンやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等の有機溶剤に浸すことによって、犠牲層27を有機溶剤に溶解させ、各撥水膜32と共にインク供給口8から流出させて除去し、乾燥する。これにより、インク室部15内に、各インク室3及び各インク室3とインク供給口8とを連通するインク流路が形成される。その後、基板11をダイシングソーなどによって切断分離することによって、インク吐出ヘッド1がチップ化される。
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係るインク吐出ヘッド1の製造方法では、グレースケールマスク31を介して、保護膜6及び犠牲層27の上に形成されたインク室形成層28を紫外線露光し、キシレンを用いて現像した後、100℃前後でベークする。これにより、ネガ型レジストによってインク流路壁17、及びこのインク流路壁17と犠牲層27との上側にノズル層18が形成できると共に、当該ノズル層18に、逆テーパ状に形成された複数のノズル2を1回の露光で迅速に形成することができる。また、各ノズル2をヒータ5に対向するように容易に形成することができ、インク吐出性能の向上を図ることができる。
また、逆テーパ状の各ノズル2をノズル層18に形成した後、スプレーコートによって、フッ素樹脂を液体微粒子にして、基板11の上面に対して略垂直に吹き付けて、ノズル層18上に撥水層16を形成する。これにより、各ノズル2は、逆テーパ状に形成されているため、各ノズル2の吐出口に入ったフッ素樹脂の液体微粒子を、全て直下の犠牲層27上に衝突させて撥水膜32を形成し、各ノズル2の側壁部2Aに撥水材料であるフッ素樹脂が付着することを確実に防止することができる。従って、各ノズル2の側壁部2Aにフッ素樹脂を付着させることなく、各ノズル2の吐出口周囲を撥水層16で確実に被覆することができ、インク吐出性能の安定化を図ることができる。
また、感光性を有しないフッ素樹脂等の撥水材料で撥水層16を形成することができ、製造コストの低減化を図ることができる。また、逆テーパ状の各ノズル2を形成後、インク流路壁17及びノズル層18を高温でベークして、密着層21を介して基板11との密着性を高めた後、ノズル層18の上に撥水層16を形成することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るインク吐出ヘッド41について図12乃至図14に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図11の第1実施形態に係るインク吐出ヘッド1の構成等と同一符号は、第1実施形態に係るインク吐出ヘッド1の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
次に、第2実施形態に係るインク吐出ヘッド41について図12乃至図14に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図11の第1実施形態に係るインク吐出ヘッド1の構成等と同一符号は、第1実施形態に係るインク吐出ヘッド1の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第2実施形態に係るインク吐出ヘッド41の構成及び製造方法は、第1実施形態に係るインク吐出ヘッド1の構成及び製造方法とほぼ同じである。但し、図12及び図13に示すように、第2実施形態に係るインク吐出ヘッド41の製造方法は、グレースケールマスク31に替えて、第1フォトマスク42と第2フォトマスク43を用いてインク室形成層28を紫外線露光して、インク流路壁17、ノズル層18及び各ノズル2を形成する点で、異なっている。
(インク吐出ヘッド41の製造方法)
第1フォトマスク42と第2フォトマスク43を用いてインク室形成層28を紫外線露光して、ネガ型レジストによってインク流路壁17、及びこのインク流路壁17と犠牲層27との上側にノズル層18を形成すると共に、当該ノズル層18に、逆テーパ状に形成された複数のノズル2を形成する製造工程について図12乃至図14に基づいて説明する。
第1フォトマスク42と第2フォトマスク43を用いてインク室形成層28を紫外線露光して、ネガ型レジストによってインク流路壁17、及びこのインク流路壁17と犠牲層27との上側にノズル層18を形成すると共に、当該ノズル層18に、逆テーパ状に形成された複数のノズル2を形成する製造工程について図12乃至図14に基づいて説明する。
(第1露光工程)
先ず、図12に示すように、第1フォトマスク42をインク室形成層28の上に載置し、紫外線露光を行って、各インク室部15を構成するインク流路壁17と各ノズル2を形成する部分を除いたノズル層18をパターニングする(第1露光工程)。この第1フォトマスク42は、インク室部15よりも外側の部分を遮光する遮光部42Aと、各ノズル2のインク室3側の最大径に対応する部分を遮光する遮光部42Bとから構成されている。また、光透過部分の露光量は、上記(2)式で表される露光量Q以上になるように設定されている。
先ず、図12に示すように、第1フォトマスク42をインク室形成層28の上に載置し、紫外線露光を行って、各インク室部15を構成するインク流路壁17と各ノズル2を形成する部分を除いたノズル層18をパターニングする(第1露光工程)。この第1フォトマスク42は、インク室部15よりも外側の部分を遮光する遮光部42Aと、各ノズル2のインク室3側の最大径に対応する部分を遮光する遮光部42Bとから構成されている。また、光透過部分の露光量は、上記(2)式で表される露光量Q以上になるように設定されている。
これにより、インク室形成層28の各遮光部42Bに対応する部分、つまり、各ノズル2のインク室3側の最大径に対応する部分は、紫外線が遮光され、感光されない。また、インク室形成層28の各遮光部42Bの外周に対応する部分から、遮光部42Aの内側に対応する部分までは、犠牲層27及び密着層21に達する深さまで紫外線によって感光される。更に、インク室形成層28の遮光部42Aに対応する部分は、紫外線が遮光され、感光されない。
次に、図13に示すように、第2フォトマスク43をインク室形成層28の上に載置し、紫外線露光を行って、各インク室部15を構成するノズル層18と各ノズル2をパターニングする(第2露光工程)。この第2フォトマスク43は、インク室部15よりも外側の部分を遮光する遮光部43Aと、各ノズル2の吐出口側の最小径に対応する部分を遮光する遮光部43Bとから構成されている。また、光透過部分の露光量は、ノズル層18を厚さ方向に全て感光する露光量以下、つまり、上記(1)式で表される露光量P以下になるように設定されている。
これにより、インク室形成層28の各遮光部43Bに対応する部分、つまり、各ノズル2の吐出口側の最小径に対応する部分は、紫外線が遮光され、感光されない。また、インク室形成層28の各遮光部43Bの外周に対応する部分から、遮光部43Aの内側に対応する部分までは、上記(1)式で表される露光量P以下で一様に感光される。
つまり、各ノズル2の吐出口側の最小径に対応する部分から、各ノズル2のインク室3側の最大径に対応する部分までは、上記(1)式で表される露光量P以下で露光されているため、感光している部分が犠牲層27まで達しない。一方、各ノズル2のインク室3側の最大径に対応する部分より外側は、犠牲層27に達する深さまで紫外線によって感光される。
また、インク室形成層28の第1フォトマスク42の各遮光部42Bの外周に対応する部分、つまり、各ノズル2のインク室3側の最大径に対応する部分から、第2フォトマスク43の遮光部43Aの内周に対応する部分までは、犠牲層27及び密着層21に達する深さまで紫外線によって既に感光されている。更に、インク室形成層28の遮光部43Aに対応する部分は、紫外線が遮光され、感光されない。
次に、図14に示すように、インク室形成層28をキシレンを用いて現像した後、100℃前後でベークすることによって、犠牲層27を囲んでインク室3を区画するインク流路壁17、及びこのインク流路壁17と犠牲層27との上側にノズル層18が形成される。従って、基板11の上面に、インク流路壁17及びノズル層18から構成されたインク室部15が形成される。また、上端部の吐出口が最小径の円形で、犠牲層27側の下端部が最大径の円形になる逆テーパ状に形成された各ノズル2がノズル層18に形成される。
以上詳細に説明した通り、第2実施形態に係るインク吐出ヘッド41の製造方法では、第1フォトマスク42を介して、保護膜6及び犠牲層27の上に形成されたインク室形成層28を上記(2)式で表される露光量Q以上で紫外線露光する。そして、第2フォトマスク43を介して、インク室形成層28を上記(1)式で表される露光量P以下で紫外線露光し、キシレンを用いて現像した後、100℃前後でベークする。
これにより、ネガ型レジストによってインク流路壁17、及びこのインク流路壁17と犠牲層27との上側にノズル層18が形成できると共に、当該ノズル層18に、逆テーパ状に形成された複数のノズル2を2回の露光で迅速に形成することができる。また、各ノズル2をヒータ5に対向するように容易に形成することができ、インク吐出性能の向上を図ることができる。
また、上記第1実施形態に係るインク吐出ヘッド1と同様に、逆テーパ状の各ノズル2をノズル層18に形成した後、スプレーコートによって、フッ素樹脂を液体微粒子にして、基板11の上面に対して略垂直に吹き付けて、ノズル層18上に撥水層16を形成する。これにより、各ノズル2は、逆テーパ状に形成されているため、各ノズル2の吐出口に入ったフッ素樹脂の液体微粒子を、全て直下の犠牲層27上に衝突させて撥水膜32を形成し、各ノズル2の側壁部2Aに撥水材料であるフッ素樹脂が付着することを確実に防止することができる。従って、各ノズル2の側壁部2Aにフッ素樹脂を付着させることなく、各ノズル2の吐出口周囲を撥水層16で確実に被覆することができ、インク吐出性能の安定化を図ることができる。
また、感光性を有しないフッ素樹脂等の撥水材料で撥水層16を形成することができ、製造コストの低減化を図ることができる。また、逆テーパ状の各ノズル2を形成後、インク流路壁17及びノズル層18を高温でベークして、密着層21を介して基板11との密着性を高めた後、ノズル層18の上に撥水層16を形成することができる。
尚、本発明は前記第1実施形態及び第2実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、第1フォトマスク42と第2フォトマスク43との間に、各ノズル2に対向する遮光部分が、遮光部42Bから遮光部43Bまで段階的に小さくなるように形成された1枚以上のフォトマスクを設定するようにしてもよい。そして、第1フォトマスク42を介して、上記(2)式で表される露光量Q以上で紫外線露光する。その後、各ノズル2のインク室3側の最大径に対応する部分から、各ノズル2の吐出側の最小径に対応する部分が遮光された第2フォトマスク43まで、段階的にそれぞれ遮光された2枚以上のフォトマスクを介して、上記(1)式で表される露光量P以下で紫外線露光し、現像するようにしてもよい。
更に、各ノズル2のインク室3側の最大径に対応する部分から、各ノズル2の吐出側の最小径に対応する部分が遮光された第2フォトマスク43まで、各ノズル2に対応する遮光部分の大きい順に、露光量を上記(1)式で表される露光量Pから段階的に小さくなるように設定してもよい。これにより、各ノズル2の吐出口側の最小径に対応する部分から、各ノズル2のインク室3側の最大径に対応する部分に向かって、紫外線によって感光される深さを段階的に深くすることができ、逆テーパ状の各ノズル2を高精度に形成することができる。
1、41 インク吐出ヘッド
2 ノズル
2A 側壁部
3 インク室
5 ヒータ
11 基板
15 インク室部
16 撥水層
17 インク流路壁
18 ノズル層
27 犠牲層
31 グレースケールマスク
42 第1フォトマスク
43 第2フォトマスク
2 ノズル
2A 側壁部
3 インク室
5 ヒータ
11 基板
15 インク室部
16 撥水層
17 インク流路壁
18 ノズル層
27 犠牲層
31 グレースケールマスク
42 第1フォトマスク
43 第2フォトマスク
Claims (10)
- インクを吐出するために用いられるエネルギーを発生するエネルギー発生素子が一方の面に設けられた板状の基板を準備する準備工程と、
前記一方の面に、インク流路となる犠牲層と、感光した部分が残るネガ型レジストによって前記犠牲層を囲んでインクを収容するインク室を区画するインク流路壁及び該インク流路壁と該犠牲層の上側にノズル層を形成するインク室壁形成工程と、
前記インク流路壁及びノズル層を露光し現像することによって該ノズル層にインクを吐出する逆テーパ状のノズルを形成するノズル形成工程と、
前記ノズルが形成された前記ノズル層上に撥液材料を前記一方の面に対して略垂直に衝突させて撥液層を形成する撥液層形成工程と、
前記撥液層を硬化した後、前記犠牲層及び該犠牲層上に形成された撥液層を除去する除去工程と、
を備えたことを特徴とするインク吐出ヘッドの製造方法。 - 前記ノズル形成工程は、前記ノズル層のインクが吐出される側の面である吐出面における前記ノズルの最小径に対応する部分での露光量が、前記ノズル層のインク流路側の面である流路面における前記ノズルの最大径に対応する部分での露光量よりも小さくなるように露光することを特徴とする請求項1に記載のインク吐出ヘッドの製造方法。
- 前記ノズル形成工程は、前記ノズルの吐出側の最小径に対応する部分が遮光されると共に、前記最小径に対応する部分から、前記最大径に対応する部分に向かって露光光の透過率が徐々に大きくなる透過率分布をもつグレースケールマスクを介して、前記インク流路壁及びノズル層を露光することを特徴とする請求項2に記載のインク吐出ヘッドの製造方法。
- 前記ノズル形成工程は、
前記ノズルのインク流路側の最大径に対応する部分から前記ノズルの吐出側の最小径に対応する部分まで段階的にそれぞれ遮光された複数のフォトマスクを介して、前記インク流路壁及びノズル層を段階的に遮光して露光する露光工程と、
前記露光工程で露光した後、前記インク流路壁及びノズル層を現像する現像工程と、
を有し、
前記露光工程における露光量は、前記ノズルの最大径に対応する部分が遮光されたフォトマスクから該ノズルの最小径に対応する部分が遮光されたフォトマスクまで遮光部分の大きい順に段階的に小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項2に記載のインク吐出ヘッドの製造方法。 - 前記露光工程における露光量は、前記インク流路壁及びノズル層を厚さ方向に全て感光する露光量以上から前記ノズル層を厚さ方向に全て感光する感光閾値以下の露光量まで遮光部分の大きい順に段階的に小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項4に記載のインク吐出ヘッドの製造方法。
- 前記露光工程は、
前記ノズルのインク流路側の最大径に対応する部分が遮光された第1フォトマスクを介して前記インク流路壁及びノズル層を露光する第1露光工程と、
前記ノズルの吐出側の最小径に対応する部分が遮光された第2フォトマスクを介して前記インク流路壁及びノズル層を露光する第2露光工程と、
を有し、
前記第2露光工程の露光量は、前記第1露光工程の露光量よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載のインク吐出ヘッドの製造方法。 - 前記第1露光工程の露光量は、前記インク流路壁及びノズル層を厚さ方向に全て感光する露光量以上であって、
前記第2露光工程の露光量は、前記ノズル層を厚さ方向に全て感光する感光閾値以下の露光量であることを特徴とする請求項6に記載のインク吐出ヘッドの製造方法。 - 前記撥液層形成工程は、前記ノズル層の上に前記撥液材料を液体微粒子にして吹き付けて前記撥液層を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のインク吐出ヘッドの製造方法。
- 前記インク室壁形成工程は、前記犠牲層が前記エネルギー発生素子を含むように形成し、
前記ノズル形成工程は、前記ノズルを前記エネルギー発生素子に対向するように形成することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のインク吐出ヘッドの製造方法。 - 板状の基板と、
前記基板の一方の面に設けられてインクを吐出するために用いられるエネルギーを発生するエネルギー発生素子と、
前記エネルギー発生素子を含み、前記基板の一方の面に形成されてインクを収容するインク室を区画するインク流路壁及び該インク流路壁の上側に形成されたノズル層を有するインク室壁部と、
前記ノズル層に形成されて前記インク室に収容されたインクを吐出する逆テーパ状のノズルと、
前記ノズル層上に撥液材料が積層されて形成された撥液層と、
を備え、
前記撥液層は、前記ノズル層のインクが吐出される側の面において、撥液材料が前記ノズルのインクが吐出される吐出口を囲む面上にのみ積層されて、前記ノズルの逆テーパ状の側壁部に積層されていないことを特徴とするインク吐出ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012215165A JP2014069354A (ja) | 2012-09-27 | 2012-09-27 | インク吐出ヘッドの製造方法及びインク吐出ヘッド |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012215165A JP2014069354A (ja) | 2012-09-27 | 2012-09-27 | インク吐出ヘッドの製造方法及びインク吐出ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=50745039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012215165A Pending JP2014069354A (ja) | 2012-09-27 | 2012-09-27 | インク吐出ヘッドの製造方法及びインク吐出ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014069354A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110869213A (zh) * | 2017-07-10 | 2020-03-06 | 柯尼卡美能达株式会社 | 喷墨头、喷墨记录装置及喷墨头的制造方法 |
-
2012
- 2012-09-27 JP JP2012215165A patent/JP2014069354A/ja active Pending
Cited By (1)
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CN110869213A (zh) * | 2017-07-10 | 2020-03-06 | 柯尼卡美能达株式会社 | 喷墨头、喷墨记录装置及喷墨头的制造方法 |
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