JP2014128923A - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体流路並びに液体流路壁の形状及び寸法を高精度に制御可能な液体吐出ヘッドの製造方法を提供すること。
【解決手段】液体吐出エネルギー発生素子を有する基板と、液体吐出口を有するオリフィスプレートと、該液体吐出口に連通する液体流路を形成するための、該基板及び該オリフィスプレートの間に配される液体流路壁とを有する液体吐出ヘッドの製造方法であり、(1)該液体吐出エネルギー発生素子を有する基板の表面のうちの、液体流路壁が形成される側の面を液体流路壁形成用材料で被覆し第1の層を形成する工程と、(2)該第1の層上にオリフィスプレートとなる第2の層を形成する工程と、(3)該第2の層に液体吐出口を形成する工程と、(4)該第2の層を介して該第1の層に液体流路壁のパターンを露光する工程と、(5)該パターンを現像して該液体流路壁を形成する工程とを有する液体吐出ヘッドの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録ヘッド等の液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
従来の液体吐出ヘッドの製造方法は、特許文献1に開示されているように、以下のように行われる。即ち、まず、発熱抵抗体等のエネルギー発生素子が形成された基板上に、液体流路形成用第1感光性材料層を形成し、この第1感光性材料層に液体流路壁パターンの露光を行うことで、潜像パターンを形成する。次いで、この露光後の第1感光性材料層上に更に第2感光性材料層を形成し、この第2感光性材料層に液体吐出口パターンの露光を行う。そして、第1感光性材料層及び第2感光性材料層の現像を行い、液体吐出口及び液体流路を形成する。
このように、従来の方法では、液体流路の作製に際し、露光によって潜像パターンを形成した後すぐにこの潜像パターンの現像を行うのではなく、他のプロセスを経た後に現像を行い、液体流路壁を形成している。このような従来の方法を潜像法と呼ぶ。
特開平4−216951号公報
しかしながら、上述した従来の方法では、露光によって潜像パターンを形成してから、このパターンを現像するまでの時間が長い傾向がある。このため、第1感光性材料層が例えばネガ型感光性材料層の場合、露光部で光酸発生剤から発生した酸が未露光部に拡散する等して、パターン形状が太くなってしまうことがあった。この潜像パターンの形状は、液体流路や液体流路壁の形状を規定するものであり、液体流路には、液体の吐出特性に大きな影響を与える発泡室も含まれる。このため、潜像パターン形状が太くなった場合には、液体流路及び液体流路壁を所望の寸法に形成できないことがあり、液体吐出ヘッドの液体吐出を制御できない場合があった。
よって、本発明の目的は、液体流路並びに液体流路壁の形状及び寸法を高精度に制御可能な液体吐出ヘッドの製造方法を提供することである。
本発明は、液体を吐出するためのエネルギーを発生する液体吐出エネルギー発生素子を有する基板と、液体を吐出するための液体吐出口を有するオリフィスプレートと、該液体吐出口に連通する液体流路を形成するための、該基板および該オリフィスプレートとの間に配される液体流路壁とを有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
(1)液体吐出エネルギー発生素子を有する基板の表面のうちの、液体流路壁が形成される側の面を、液体流路壁形成用材料で被覆し、第1の層を形成する工程と、
(2)該第1の層上に、オリフィスプレートとなる第2の層を形成する工程と、
(3)該第2の層に液体吐出口を形成する工程と、
(4)該第2の層を介して該第1の層に液体流路壁のパターンを露光する工程と、
(5)該パターンを現像して、該液体流路壁を形成する工程と
を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法である。
本発明によれば、液体流路並びに液体流路壁の形状及び寸法を高精度に制御可能な液体吐出ヘッドの製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法の一実施形態の各工程を時系列に説明するための模式的断面図である。 本発明の製造方法の他の実施形態の各工程を時系列に説明するための模式的断面図である。 本発明より得られる液体吐出ヘッドを一部破断した状態の模式的斜視図である。
本発明の製造方法によれば、従来の潜像法に比べ、液体流路及び液体流路壁を形成するための潜像パターンの露光から現像までの時間を短くすることが可能となるため、パターン形状が太くなりにくく、液体流路及び液体流路壁を高精度に形成可能である。
<液体吐出ヘッド>
本発明より得られる液体吐出ヘッドは、プリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサなどの装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業記録装置に搭載可能である。具体的には、この液体吐出ヘッドは、インクを記録媒体に吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドや、バイオチップ作製や電子回路印刷用途の液体吐出ヘッドとして使用することができる。また、この液体吐出ヘッドをインクジェット記録ヘッドとして用いることによって、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど種々の記録媒体に記録を行うことができる。
なお、本明細書内で用いられる「記録」とは、文字や図形などの意味を持つ画像を記録媒体に対して付与することだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を付与することも意味することとする。
さらに、「液体」とは、広く解釈されるべきものであり、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成、記録媒体の加工、あるいはインクまたは記録媒体の処理に供される液体を言うものとする。ここで、インクまたは記録媒体の処理としては、例えば、記録媒体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化による定着性の向上や、記録品位や発色性の向上、画像耐久性の向上などのことを言う。
まず、図3に、本発明によって製造された液体吐出ヘッドの一例の模式的斜視図を示す。この液体吐出ヘッドは、液体吐出エネルギー発生素子1を有する基板(吐出素子基板)と、液体吐出口6を有するオリフィスプレート7と、この液体吐出口に連通する液体流路10を形成するための液体流路壁9とを有する。この液体流路壁9は、上記吐出素子基板と、オリフィスプレートとの間に配される。
吐出素子基板に用いる基板2としては、例えば、シリコン基板、より具体的には、結晶方位が(100)面のシリコン単結晶基板を用いることができる。
液体吐出エネルギー発生素子1は、液体吐出ヘッドから液体(例えばインク)を吐出するためのエネルギーを発生できるものであればよいが、液体を微細液滴、例えば1pL等の液滴として吐出可能なエネルギーを発生できるものが望ましい。液体吐出エネルギー発生素子1としては、例えば、液体を沸騰させる電気熱変換素子(発熱抵抗体素子、ヒータ素子)や、体積変化により液体に圧力を与える圧電素子(ピエゾ素子、液体吐出圧力発生素子)などを用いることができる。具体的には、液体吐出エネルギー発生素子1は、Alなどからなる配線や、TaSiN、TaNに代表される高抵抗材料などで構成することができる。なお、液体吐出エネルギー発生素子1の数や配置は、作製する液体吐出ヘッドの構造に応じて適宜選択することができ、例えば、この素子1を複数、所定のピッチで2列並列させて、吐出素子基板のおもて面に設けることができる。なお、基板おもて面とは、基板の対向する2つの面のうちの、液体流路壁が形成される側の面を意味し、このおもて面に対向する面が裏面となる。
また、上記吐出素子基板には、液体流路10と連通しかつ液体を供給するための液体供給口11を有することができる。図3に示す液体吐出ヘッドでは、このヘッドの長手方向に沿って吐出口を等間隔に配置することにより形成した吐出口列を2列平行に配置しており、この2つの吐出口列の間に液体供給口11が設けられている。なお、この液体供給口11は、吐出素子基板を、基板面に対して垂直な方向に貫通しており、吐出素子基板のおもて面及び裏面において開口している。
また、基板2上(吐出素子基板表面)には、電極パッド(不図示)や、液体吐出エネルギー素子と電極パッドとを接続する配線(不図示)を有することもできる。さらに、この吐出素子基板は、液体吐出エネルギー発生素子1の上に、この素子をインク等の液体から保護する耐キャビテーション膜(不図示)を有していてもよい。この耐キャビテーション膜は、例えばTa、Irなどの金属からなることができ、この金属を吐出素子基板のおもて面に真空成膜(例えば蒸着やスパッタリング)することで形成することができる。
オリフィスプレートが有する液体吐出口6は、液体を吐出するためのものであり、例えば、図1(h)に示すように、液体吐出エネルギー発生素子1の上方(紙面上方)のオリフィスプレート部分に形成することができ、通常、1つの液体吐出ヘッドに複数形成される。
この液体吐出ヘッドを用いて、紙等の記録媒体に記録を行う場合、このヘッドの液体吐出口6が形成された面(吐出口面)を記録媒体の記録面に対面するように配置する。そして、液体供給口11を介して液体流路10内に充填された液体に、液体吐出エネルギー発生素子1によって発生するエネルギーが利用され、液体吐出口6から液滴を吐出させ、これを記録媒体に付着させることによって記録を行うことができる。
<液体吐出ヘッドの製造方法>
本発明の製造方法は、以下の工程を含む。
(1)液体吐出エネルギー発生素子を有する基板の表面のうちの、液体流路壁が形成される側の面を、液体流路壁形成用材料で被覆し、第1の層を形成する工程。
(2)前記第1の層上に、オリフィスプレートとなる第2の層を形成する工程。
(3)前記第2の層に液体吐出口を形成する工程。
(4)前記第2の層を介して前記第1の層に液体流路壁のパターンを露光する工程。
(5)前記パターンを現像して、液体流路壁を形成する工程。
なお、工程3において、前記第2の層に前記液体吐出口を形成する際に、前記第1の層及び前記第2の層を有する基板の少なくとも一部に光が照射されることができる。
また、工程2と、工程3との間に以下の工程6を有することができ、工程3と、工程4との間に、以下の工程7を有することができる。
(6)前記第2の層上に、この光による前記第1の層の感光を防ぐための、遮光材料からなる第3の層を形成する工程。
(7)前記第3の層を除去する工程。
さらに、工程5の後に、(8)前記液体吐出エネルギー発生素子を有する基板を貫通する液体供給口を形成する工程を有することもできる。
また、工程1の前に、基板上に、液体吐出エネルギー発生素子を形成する工程を有することもできる。
以下、図面を参照して、本発明の製造方法の各工程について詳しく説明する。なお、図1及び図2は、本発明の製造方法の異なる実施形態の各工程を説明するための模式的断面図(図3に示すA−A’断面に対応)である。
(工程1)
まず、基板2上に、発熱抵抗体(電気熱変換素子)等の液体吐出エネルギー発生素子1を所望の個数配置した吐出素子基板を用意する(図1(a))。この吐出素子基板は、基板2と、液体吐出エネルギー発生素子1とからなることができ、必要に応じて、上述した耐キャビテーション膜や、電極パッドや、配線等を有することができる。
次に、この吐出素子基板のおもて面(液体流路壁が形成される側の面)、具体的には、液体吐出エネルギー発生素子1と、基板2との表面を、液体流路壁形成用材料で被覆し、第1の層3を形成する(図1(b))。本発明では、液体流路壁を露光により作製するため、この液体流路壁形成用材料には、感光性材料(レジスト)を使用する。この感光性材料としては、液体吐出ヘッドの分野で公知のものを適宜使用することができるが、極めて高い感度が得られることから、化学増幅型の感光性材料を用いることが好ましい。また、感光性材料としては、流路壁としての安定性の点から、ネガ型の感光性材料を用いることが好ましい。化学増幅型のネガ型感光性材料は、添加剤(架橋剤や光酸発生剤等)の作用により重合(架橋)可能な化合物(樹脂)、架橋剤、及び光酸発生剤等を含むことができる。
酸等により重合可能な化合物としては、例えば、エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基及びプロぺニルエーテル基等の反応性官能基を有するカチオン重合可能な化合物を挙げることができる。
この中でも、感光性や液体流路壁に求められる特性の観点から、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。エポキシ基を有する化合物(エポキシ樹脂)としては、具体的には、例えば、脂環型エポキシ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニル型ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。このエポキシ樹脂としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート157S70や、大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:エピクロンN−865、ダイセル化学工業株式会社製、商品名:EHPE3150が市販品として入手できる。
架橋剤としては、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン等のメラミン化合物、尿素化合物、ジアゾニウム塩、イミノキノンジアジド等が挙げられる。
光酸発生剤としては、例えば、スルホン酸化合物及びその他のスルホン酸誘導体、ジアゾメタン化合物、スルホニウム塩化合物、ヨードニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、ジスルホン系化合物、ニトロベンジル化合物、ベンゾイントシレート化合物、鉄アレーン錯体、ハロゲン含有トリアジン化合物、アセトフェノン誘導体化合物、及びシアノ基含有オキシムスルホネート等を挙げることができる。
吐出素子基板のおもて面に、液体流路壁形成用材料を被覆する方法としては、例えば、この材料をドライフィルムの形態でラミネートする方法や、この材料をスピンコート等により塗布する方法を挙げることができる。
第1の層3の厚みは、作製する液体吐出ヘッドの液体流路の寸法に応じて適宜選択することができる。しかし、液体吐出エネルギー発生素子上に液体を配置させる役割を担う液体流路として適切に機能させる観点から、第1の層の厚さ(図1では、基板2の表面からの厚さ)は、5μm以上30μm以下であることが好ましい。
(工程2)
次に、前記第1の層3上に、オリフィスプレートとなる第2の層4を形成する(図1(c))。なお、本発明は、第2の層越しに第1の層を露光する製造方法であるため、この第2の層を構成する材料は、感光性を有さない非感光性材料であることが好ましい。なお、ある材料が感光性を有するか否かは、その材料に対して波長を変えながらパターン露光及び現像を行うことによって、その材料がパターニングされるか否かを確認することにより判定することができる。また、本発明は、第2の層越しに第1の層を露光する製造方法であるため、第2の層は、光を少なくとも一部透過する透明膜であることが好ましい。特に、第一層の加工精度の観点から、第2の層の紫外線透過率は高ければ高いほどよく、具体的には、紫外線透過率が80%以上の透明膜であることがより好ましい。なお、この紫外線透過率は、分光光度計により測定することができる。
以上より、第2の層は、紫外線透過率が80%以上である、非感光性材料の透明膜であることが特に好ましい。透明膜としては、例えば、SiO2膜、ZrO2膜、Ta25膜、Si34膜、及びAl23膜を挙げることができる。この中でも、最も紫外線領域の透過率が高い(透過率90%以上)ことから、第2の層は、SiO2膜であることが好ましい。
この第2の層は、例えば真空成膜(例えば、CVDやスパッタリング)にて形成することができる。なお、第2の層4の厚さ、即ち、オリフィスプレート7の厚さは、適宜設定することができるが、液体吐出性能の観点から、2μm以上10μm以下が好ましく、2μm以上5μm以下がより好ましい。
(工程3)
次に、前記第2の層4に液体吐出口6を形成し、オリフィスプレート7を作製する。具体的には、まず、この第2の層の表面に、例えば、ポジ型の感光性材料を塗布し、続いて、このポジ型感光性材料を露光及びPEB(PostExposureBake)し、さらに現像することによって、エッチングマスク5を形成する(図1(d))。このポジ型感光性材料としては、例えば、商品名:iP5700、東京応化製を用いることができる。
次に、前記エッチングマスク5を介して、第2の層を例えばドライエッチング加工することにより、この第2の層に吐出口6を形成する(図1(e))。このドライエッチングは、ECR(Electron Cyclotron Resonance)、ICP(Inductive Coupled Plasma)などのRIE(Reactive Ion Etching)装置を用いて行うことができる。なお、第1の層と第2の層とに用いる材料にもよるが、この第1の層が有機膜(例えばエポキシ樹脂層)であってかつ前記第2の層が無機膜(例えばSiO2膜)である場合は、第1の層をこのドライエッチング時のストップ層として用いることができる。さらに、吐出素子基板上に上述した耐キャビテーション膜を作製した場合は、この耐キャビテーション膜もこのドライエッチング時のストップ層として用いることができる。
なお、このような方法で液体吐出口を形成した場合、工程3では、光(電子線であっても良い)が、第1の層3及び第2の層4を有する基板の少なくとも一部(例えば、第1の層や第2の層)に照射されることになる。この光としては、例えば、エッチングマスク5を形成する際の露光や、ドライエッチングにより発生するプラズマの光等の吐出口形成時に発生する光を挙げることができる。このため、吐出口形成時に、この光によって、第1の層3が感光して硬化する場合がある。このように、第1の層が上記光によって硬化した場合は、ドライエッチングでこの硬化部分を除去することにより対処することができる。
しかしながら、上記硬化部分の除去工程を省略することができ、製造工程を一層短縮することができることから、工程2(図1(c))と工程3(図1(d)及び(e))との間に、以下の工程6(図2(d))を行い、第2の層4と、エッチングマスク5との間に、第3の層12を形成することが好ましい。そして、工程3(図2(e)及び(f))によって、エッチングマスク5を用いて、第3の層12を介して、第2の層4に液体吐出口6を形成する。なお、図2(a)〜(c)は、図1(a)〜(c)に相当し、図2(h)〜(j)は、図1(f)〜(h)に相当する。
(工程6)
工程1(図2(a)〜(b))及び工程2(図2(c))より得られる基板の第2の層4上に、上記光による第1の層3の感光を防ぐための、遮光材料からなる第3の層(遮光膜)12を形成する(図2(d))。この第3の層12は、例えば真空成膜によって形成することができる。この第3の層は、成膜および除去のしやすさの観点から金属からなることが好ましい。この金属としては、例えば、Al、Taが挙げられる。
第3の層の厚さは、成膜のしやすさから0.1μm(1000Å)以上が好ましく、除去のしやすさから0.2μm(2000Å)以下が好ましい。
この第3の層を形成することにより、上述した光により、流路壁となる第1の層を不必要に感光させないで済む。
なお、この第3の層が存在した状態では、第1の層を露光することができず、後述する工程4(第1の層のパターニング工程)を行うことができないため、上記工程6を行った場合には、工程3(図2(e)及び(f))と、工程4(図2(h)及び(i))との間に、以下の工程7(図2(g))を行う。
(工程7)
工程3により液体吐出口と同様の貫通孔が形成された第3の層を、例えば混酸を用いたウエットエッチングにより除去する(図2(g))。
(工程4)
次に、第2の層を介して第1の層に液体流路壁のパターン9aを露光する(図1(f)、図2(h))。具体的には、フォトマスク8を用いて、第1の層に対して、紫外線やDeep−UV光等の光を露光する。そして、必要に応じて、露光後ベーク(PEB)を行うことで、硬化した液体流路壁のパターン9bを得る(図1(g)、図2(i))。なお、例えば、第1の層の材料として、化学増幅型のネガ感光性材料を用いた場合は、PEBにより、露光部が硬化する。
(工程5)
次に、上記パターン9bを現像して、硬化されなかった部分(未硬化部分)を、吐出口6から現像により溶出し、液体流路壁9を形成する。現像に用いる現像液(薬液)は、第1の層の材質に応じて選択することができる。例えば、液体流路壁形成用材料として、化学増幅型の感光性エポキシ樹脂を用いた場合は、現像液として、キシレンを用いることができる。
(工程8)
次に、オリフィスプレート(吐出口面)上に、保護膜(不図示)を形成し、吐出素子基板の裏面に液体供給口用のエッチングマスク(不図示)を形成する。その後、例えばアルカリ溶液(例えばTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)溶液)を用いた異方性エッチングにより、吐出素子基板を貫通する液体供給11を形成する(図1(h)、図2(j))。なお、異方性エッチングにアルカリ溶液を用いる場合には、上記保護膜と、上記液体供給口用のエッチングマスクとは、アルカリ溶液に耐性のある材料を用いて作製する。この耐アルカリ性の材料としては、例えば、商品名:OBC(環化ゴム)、東京応化製を挙げることができる。
また、得られたノズル部材(オリフィスプレート及び液体流路壁)が形成された基板を熱硬化させることができ、さらに、この基板を、ダイシングソーなどにより分離切断、チップ化することができる。そして、液体吐出エネルギー発生素子1を駆動するための電気的接合を行い、液体供給のためのチップタンク部材を接続して、液体吐出ヘッドを完成させることができる。
以上のように、本発明では、液体流路を作製するに際して、液体流路壁パターンの露光から現像までの時間を短くすることができるため、パターン形状が太くなることを防ぐことができ、液体流路(発泡室を含む)並びに液体流路壁を所望の形状及び寸法に形成することができる。
(実施例1)
まず、図1(a)に示すように、基板2上に液体吐出エネルギー発生素子1を、基板2の長手方向に沿って2列配置し、吐出素子基板を作製した。
次に、図1(b)に示すように、この吐出素子基板の表面のうちの、液体流路壁が形成される側の面(おもて面)に、ネガ型の感光性材料である東京応化社製のTMMR(商品名)をスピンコートにより被覆し、基板2表面からの厚みが5μmの第1の層3を形成した(工程1)。
次に、図1(c)に示すように、この第1の層3上に、第2の層4として、非感光性材料の透明膜であるSiO2膜を、厚み3μmで真空成膜プラズマCVD法にて形成した(工程2)。このSiO2膜の紫外線透過率は95%であった。
次に、図1(d)に示すように、第2の層4の表面に、ポジ型の感光性材料である東京応化社の商品名:OFPRをスピンコートにより塗布し、続いて、露光量1J/cm2で露光し、商品名:NMD‐3(東京応化製)にて3分間現像を行うことにより、厚みが5μmのエッチングマスク5を形成した。
次に、図1(e)に示すように、このエッチングマスク5を介して第2の層に、RIE装置を用いたドライエッチング加工を行い、第2の層に液体吐出口6を形成した(工程3)。
次に、図1(f)及び(g)に示すように、フォトマスク8を用いて、第1の層3に対して、ステッパーにて4000J露光し、液体流路壁パターン9aを作製した後、PEBを90℃で行い、硬化した液体流路壁パターン9bを得た(工程4)。
次に、図1(h)に示すように、硬化されなかった部分をキシレンを用いて現像し、吐出口部分から溶出した(工程5)。そして、この基板の液体流路幅および液体流路壁をニコン社製の商品名:NEXIV(ネクシブ)にて測定し、設計値とほぼ同一寸法で液体流路幅および液体流路壁が形成されていることを確認した。
続いて、オリフィスプレート上に、アルカリ溶液に耐性のある東京応化社の商品名:OBCからなる保護膜(不図示)を形成し、吐出素子基板の裏面に、アルカリ溶液に耐性のある日立化成社の商品名:HIMALからなる液体供給口用のエッチングマスクを形成した。その後、アルカリ溶液として22質量%濃度のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)溶液を用いた異方性エッチングにより、吐出素子基板を貫通する液体供給口11を形成した(工程8)。
そして、最後に、得られた基板を200℃オーブンにて60分間熱硬化し、ノズル部材(オリフィスプレート及び液体流路壁)が形成された基板を作製した。続いて、この基板を、ダイシングソーなどにより分離切断、チップ化した。そして、液体吐出エネルギー発生素子1を駆動するための電気的接合を行った後、液体供給のためのチップタンク部材を接続して、液体吐出ヘッドが完成した。
(実施例2)
まず、図2(a)に示すように、基板2上に液体吐出エネルギー発生素子1を、基板2の長手方向に沿って2列配置し、吐出素子基板を作製した。
次に、図2(b)に示すように、この吐出素子基板の表面のうちの、液体流路壁が形成される側の面(おもて面)に、ネガ型の感光性材料である東京応化社製のTMMR(商品名)をスピンコートにより被覆し、基板2表面からの厚みが5μmの第1の層3を形成した(工程1)。
次に、図2(c)に示すように、この第1の層3上に、第2の層4として、非感光性材料の透明膜であるSiO2膜を、厚み3μmで真空成膜プラズマCVD法にて形成した(工程2)。このSiO2膜の紫外線透過率は95%であった。
次に、図2(d)に示すように、第2の層4の表面に、遮光材料であるALからなる第3の層(遮光膜)12をスパッタ法にて0.1μm(1000Å)の厚みで形成した(工程6)。
次に、図2(e)に示すように、第3の層12の表面に、ポジ型の感光性材料である東京応化社の商品名:OFPRをスピンコートにより塗布し、続いて、露光量1J/cm2で露光し、商品名:NMD−3(東京応化製)にて3分間現像を行うことにより、厚みが5μmのエッチングマスク5を形成した。
次に、図2(f)に示すように、このエッチングマスク5を介して、第2の層及び第3の層に、RIE装置を用いたドライエッチング加工を行い、第2の層に液体吐出口6を形成した(工程3)。
次に、図2(g)に示すように、液体吐出口と同様の貫通孔が形成された第3の層を、東京応化社製エッチング液C−6(商品名)を用いたウエットエッチングにより除去した(工程7)。
次に、図2(h)及び(i)に示すように、フォトマスク8を用いて、第1の層3に対して、ステッパーにて4000J露光し、液体流路壁パターン9aを作製した後、PEBを90℃で行い、硬化した液体流路壁パターン9bを得た(工程4)。
次に、図2(j)に示すように、硬化されなかった部分をキシレンを用いて現像し、吐出口部分から溶出した(工程5)。そして、この基板の液体流路幅および液体流路壁をニコン社製の商品名:NEXIV(ネクシブ)にて測定し、設計値とほぼ同一寸法で液体流路幅および液体流路壁が形成されていることを確認した。
続いて、オリフィスプレート上に、アルカリ溶液に耐性のある東京応化社の商品名:OBCからなる保護膜(不図示)を形成し、吐出素子基板の裏面に、アルカリ溶液に耐性のある日立化成社の商品名:HIMALからなる液体供給口用のエッチングマスクを形成した。その後、アルカリ溶液として22質量%濃度のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)溶液を用いた異方性エッチングにより、吐出素子基板を貫通する液体供給口11を形成した(工程8)。
そして、最後に、得られた基板を200℃オーブンにて60分間熱硬化し、ノズル部材(オリフィスプレート及び液体流路壁)が形成された基板を作製した。続いて、この基板を、ダイシングソーなどにより分離切断、チップ化した。そして、液体吐出エネルギー発生素子1を駆動するための電気的接合を行った後、液体供給のためのチップタンク部材を接続して、液体吐出ヘッドが完成した。
以上より、本発明では、従来と比較して、液体流路壁パターンの露光から現像までの時間を短くすることができるため、パターン形状が太くならず、従来の潜像法で形成した液体吐出ヘッドと比較して、液体流路壁並びに液体流路の形状及び寸法を厳密に制御した高精度の液体吐出ヘッドを作製することができた。
1:液体吐出エネルギー発生素子
2:基板
3:第1の層
4:第2の層
5:エッチングマスク
6:液体吐出口
7:オリフィスプレート
8:フォトマスク
9:液体流路壁
9a:液体流路壁のパターン
9b:硬化した液体流路壁のパターン
10:液体流路
11:液体供給口
12:第3の層(遮光膜)

Claims (8)

  1. 液体を吐出するためのエネルギーを発生する液体吐出エネルギー発生素子を有する基板と、
    液体を吐出するための液体吐出口を有するオリフィスプレートと、
    該液体吐出口に連通する液体流路を形成するための、該基板および該オリフィスプレートの間に配される液体流路壁と
    を有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    (1)液体吐出エネルギー発生素子を有する基板の表面のうちの、液体流路壁が形成される側の面を、液体流路壁形成用材料で被覆し、第1の層を形成する工程と、
    (2)該第1の層上に、オリフィスプレートとなる第2の層を形成する工程と、
    (3)該第2の層に液体吐出口を形成する工程と、
    (4)該第2の層を介して該第1の層に液体流路壁のパターンを露光する工程と、
    (5)該パターンを現像して、該液体流路壁を形成する工程と
    を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 工程3において、前記第2の層に前記液体吐出口を形成する際に、前記第1の層および該第2の層を有する基板の少なくとも一部に光が照射され、
    工程2と、工程3との間に、
    (6)該第2の層上に、該光による該第1の層の感光を防ぐための、遮光材料からなる第3の層を形成する工程を有し、
    工程3と、工程4との間に、
    (7)該第3の層を除去する工程を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 工程6において、前記第2の層上に、金属からなる前記第3の層を真空成膜で形成することを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記第3の層の厚さが、0.1μm以上0.2μm以下であることを特徴とする請求項2または3に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記液体流路壁形成用材料が、ネガ型感光性材料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 工程2において、前記第1の層上に、非感光性材料の透明膜である前記第2の層を真空成膜で形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 工程2おいて形成される前記第2の層の紫外線透過率が、80%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. 工程3において、ドライエッチングを利用して、前記第2の層に液体吐出口を形成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20160097025A (ko) * 2015-02-06 2016-08-17 세메스 주식회사 액 공급 유닛 및 이를 가지는 기판 처리 장치

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