JP2004276511A - 液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法に関し、例えばサーマル方式によるインクジェットプリンタに適用して、蓄熱層の膜厚を十分に確保しても、配線パターンの断線を防止することができるようにする。
【解決手段】本発明は、半導体素子22、23と配線パターン25とをプラグ24により接続する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、半導体素子22、23と配線パターン25とをプラグ24により接続する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法に関し、例えばサーマル方式によるインクジェットプリンタに適用することができる。本発明は、半導体素子と配線パターンとをプラグにより接続することにより、蓄熱層の膜厚を十分に確保しても、配線パターンの断線を防止することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像処理等の分野において、ハードコピーのカラー化に対するニーズが高まってきている。このニーズに対して、従来、昇華型熱転写方式、溶融熱転写方式、インクジェット方式、電子写真方式及び熱現像銀塩方式等のカラーコピー方式が提案されている。
【0003】
これらの方式のうちインクジェット方式は、液体吐出ヘッドであるプリンタヘッドに設けられたノズルから記録液(インク)の液滴を飛翔させ、記録対象に付着してドットを形成するものであり、簡易な構成により高画質の画像を出力することができる。このインクジェット方式は、ノズルからインク液滴を飛翔させる方法の相違により、静電引力方式、連続振動発生方式(ピエゾ方式)及びサーマル方式に分類される。
【0004】
これらの方式のうちサーマル方式は、インクの局所的な加熱により気泡を発生し、この気泡によりインクをノズルから押し出して印刷対象に飛翔させる方式であり、簡易な構成によりカラー画像を印刷することができるようになされている。
【0005】
このようなサーマル方式によるプリンタヘッドは、インクを加熱する発熱素子が発熱素子を駆動するロジック集積回路による駆動回路と共に一体に半導体基板上に形成される。これによりこの種のプリンタヘッドにおいては、発熱素子を高密度に配置して確実に駆動できるようになされている。
【0006】
すなわちこのサーマル方式のプリンタにおいて、高画質の印刷結果を得るためには、発熱素子を高密度で配置する必要がある。具体的に、例えば600〔DPI〕相当の印刷結果を得るためには、発熱素子を42.333〔μm〕間隔で配置することが必要になるが、このように高密度で配置した発熱素子に個別の駆動素子を配置することは極めて困難である。これによりプリンタヘッドでは、半導体基板上にスイッチングトランジスタ等を作成して集積回路技術により対応する発熱素子と接続し、さらには同様に半導体基板上に作成した駆動回路により各スイッチングトランジスタを駆動することにより、簡易かつ確実に各発熱素子を駆動できるようになされている。
【0007】
このためプリンタヘッドは、半導体基板上に酸化シリコンによる素子分離領域が形成され、この素子分離領域により絶縁分離された領域にスイッチングトランジスタ等の半導体素子が形成される。プリンタヘッドは、例えば特許第3262595号に提案されているように、このような素子分離領域が半導体基板であるシリコン基板の熱酸化処理により作成されるようになされている。
【0008】
プリンタヘッドは、さらに層間絶縁膜が形成され、この層間絶縁膜上にタンタル、タンタルナイトライド、タンタルアルミ等により発熱素子が形成される。プリンタヘッドは、このようにして作成される素子分離領域と層間絶縁膜とが、発熱素子の熱を下層のシリコン基板に伝搬しないように、発熱素子からの熱伝搬を低減する蓄熱層として機能するようになされ、これにより発熱素子の熱によりインクを効率良く加熱するようになされている。なおこのような素子分離領域、層間絶縁膜の厚みにおいては、熱伝導率を考慮した場合、素子分離領域、層間絶縁膜全体の厚みとして少なくとも1.3〔μm〕必要であることが知られている(W.G.Hawkins 他、IEEE IEDM 1995 P.959−962)。
【0009】
すなわち図7は、この種のプリンタヘッドにおける発熱素子近傍の構成を示す断面図である。プリンタヘッド1は、シリコン基板2上の半導体素子4、5の作成領域にシリコン窒化膜が積層され、このシリコン窒化膜をマスクにしてシリコン基板2が熱酸化され、これによりこれらの領域以外の領域にフィールド酸化膜による素子分離領域(LOCOS: Local Oxidation Of Silicon )3が形成される。続いてプリンタヘッド1は、半導体素子4、5が作成され、1層目の層間絶縁膜6が積層された後、半導体素子4、5上の層間絶縁膜6が除去されてコンタクトホール7が作成される。
【0010】
続いてプリンタヘッド1は、配線パターン材料層が堆積され、この配線パターン材料層が所定形状に加工されて1層目の配線パターン8(Al)が作成される。続いてプリンタヘッド1は、2層目の層間絶縁膜9が積層され、この上層にタンタル、タンタルナイトライド、タンタルアルミ等により発熱素子10が形成される。さらにプリンタヘッド1は、層間絶縁膜9に開口を形成してビアホール11が作成され、アルミニューム等により2層目の配線パターン材料層が堆積され、この配線パターン材料層が所定形状に加工されて2層目の配線パターン12(2Al)が作成される。プリンタヘッド1は、この2層目の配線パターン12と1層目の配線パターン8とにより半導体素子4、5と発熱素子10とが接続される。
【0011】
続いてプリンタヘッド1は、窒化シリコン、炭化シリコン等による絶縁保護層13が積層され、タンタルによる耐キャビテーション層14が形成され、さらに所定部材が配置されることにより、インク液室、インク流路及びノズルが作成される。
【0012】
プリンタヘッド1は、このようにして作成されたインク流路によりインク液室にインクが導かれた後、半導体素子4、5の駆動により発熱素子10が発熱し、インク液室のインクを局所的に加熱する。プリンタヘッド1は、この加熱により、このインク液室に気泡を発生してインク液室の圧力を増大させ、ノズルよりインクを押し出して印刷対象に飛翔させるようになされている。
【0013】
このように構成されるプリンタヘッド1においては、1層目の層間絶縁膜6により1層目の配線パターン8が絶縁されるようになされ、また2層目の層間絶縁膜9により配線パターン8と2層目の配線パターン12とが絶縁されるようになされている。プリンタヘッド1は、通常、このような1層目の層間絶縁膜6が厚さ0.5〜0.6〔μm〕程度により作成され、2層目の層間絶縁膜9が厚さ0.8〜1.2〔μm〕程度により作成されるようになされている。
【0014】
【特許文献1】
特許3262595号
【非特許文献1】
W.G.Hawkins 他、IEEE IEDM 1995 P.959−962
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで図7に示すプリンタヘッド1においては、2層目の層間絶縁膜9を開口して作成されるビアホール11を介して2層目の配線パターン12が1層目の配線パターン8に接続される。このため2層目の配線パターン12は、このビアホール11による段差の部分に作成されることになり、プリンタヘッド1においては、この段差により2層目の配線パターン12が断線し易くなる問題がある。
【0016】
プリンタヘッド1においては、このような配線パターン12の断線を防止する1つの方法として、2層目の層間絶縁膜9の厚みを薄くして段差を小さくする方法が考えられる。
【0017】
しかしながらプリンタヘッド1においては、2層目の層間絶縁膜9を薄くすると、ビアホール11における配線パターン12の断線を防止できるものの、2層目の層間絶縁膜9を薄くした分発熱素子10からの熱伝搬を十分に低減し得ず、これにより発熱素子10の熱によりインクを効率良く加熱できない欠点がある。
【0018】
なおプリンタヘッド1においては、2層目の層間絶縁膜9を薄くするために1層目の配線パターン8を薄くする方法も考えられるが、このように1層目の配線パターン8の厚みを薄くすると、却ってコンタクトホール7でこの1層目の配線パターン8が断線し易くなる。因みにこのようなコンタクトホール7における配線パターン8は、通常、厚さ0.8〜1.0〔μm〕により作成されて断線しないようになされている。
【0019】
これに対して特開2001−130003号公報に開示の構成においては、ビアホールの側壁をテーパー化することにより、又はビアホールの開口径を10〜15〔μm〕に設定することにより、段差を緩やかにする方法が提案されている。しかしながらこの方法においては、配線パターンの断線を防止することができるものの、実際上、半導体素子4、5を高密度に配置することが困難になる欠点がある。
【0020】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、蓄熱層の膜厚を十分に確保しても、配線パターンの断線を防止することができる液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法を提案しようとするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため請求項1の発明においては、液室に保持した液体を加熱する発熱素子と、発熱素子に半導体素子を接続する配線パターンと、配線パターンを介して発熱素子を駆動する半導体素子とが所定の基板上に一体に保持されて、発熱素子の駆動により所定のノズルより液体の液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドに適用して、配線パターンと半導体素子とがプラグにより接続されてなるようにする。
【0022】
また請求項4の発明においては、液体吐出ヘッドに設けられた発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出装置に適用して、液体吐出ヘッドが、液室に保持した液体を加熱する発熱素子と、発熱素子に半導体素子を接続する配線パターンと、配線パターンを介して発熱素子を駆動する半導体素子とが所定の基板上に一体に保持され、配線パターンと半導体素子とがプラグにより接続されてなるようにする。
【0023】
また請求項5の発明においては、液室に保持した液体を加熱する発熱素子と、発熱素子に半導体素子を接続する配線パターンと、配線パターンを介して発熱素子を駆動する半導体素子とが所定の基板上に一体に保持されて、発熱素子の駆動により所定のノズルより液体の液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドの製造方法に適用して、配線パターンと半導体素子とをプラグにより接続する。
【0024】
請求項1の構成によれば、液室に保持した液体を加熱する発熱素子と、発熱素子に半導体素子を接続する配線パターンと、配線パターンを介して発熱素子を駆動する半導体素子とが所定の基板上に一体に保持されて、発熱素子の駆動により所定のノズルより液体の液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドに適用して、配線パターンと半導体素子とがプラグにより接続されてなることにより、蓄熱層の膜厚を十分に確保しても、配線パターンの断線を防止することができる液体吐出ヘッドを作成することができる。
【0025】
これにより請求項4、請求項5の構成によれば、蓄熱層の膜厚を十分に確保しても、配線パターンの断線を防止することができる液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法を提供することができる。
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0026】
(1)第1の実施の形態
(1−1)第1の実施の形態の構成
図1は、第1の実施の形態に係るプリンタに適用されるプリンタヘッドを示す断面図である。プリンタヘッド21は、トランジスタ22、23が形成された後、これらのトランジスタ22、23上にプラグ24が形成され、さらにこのプラグ24の上層に配線パターン25が形成される。
【0027】
すなわち図2(A)に示すように、プリンタヘッド21は、ウエハによるシリコン基板26が洗浄された後、リソグラフィー工程によりトランジスタ22、23を形成する所定領域がマスクされる。続いてプリンタヘッド21は、ドライエッチング工程により素子分離領域27を作成する領域が厚さ0.4〜0.6〔μm〕によりエッチング処理され、これにより深さ0.4〜0.6〔μm〕による溝(以下トレンチと呼ぶ)が形成される。
【0028】
続いてプリンタヘッド21は、このトレンチにシリコン酸化膜を埋め込んで素子分離領域27が作成される。具体的にプリンタヘッド21は、CVD(Chemical Vapor Deposition )法によりこのトレンチが完全に埋まる膜厚によりシリコン酸化膜が成膜され、さらにCMP(Chemical Mechanical Polish)法によりトレンチ以外の部位に成膜されたシリコン酸化膜が研磨除去される。これらによりプリンタヘッド21は、トレンチ構造による素子分離領域27が膜厚0.4〜0.6〔μm〕により作成される。
【0029】
プリンタヘッド21は、このようにして素子分離領域27が作成されることにより、熱処理工程により素子分離領域を作成した場合に発生するフィールド酸化膜における裾引き部(いわゆるバーズビークである)の発生を回避するようになされ、その分集積度を向上できるようになされている。またプリンタヘッド21は、トランジスタ22、23が形成される領域についてはフィールド酸化膜の食い込みが防止され、これによりシリコン基板26における欠陥の発生を防止するようになされている。
【0030】
プリンタヘッド21は、続いてシリコン基板26が洗浄された後、トランジスタ形成領域にタングステンシリサイド/ポリシリコン/熱酸化膜構造のゲートが作成される。さらにソース・ドレイン領域を形成するためのイオン注入工程、熱処理工程によりシリコン基板26が処理され、MOS(Metal−Oxide−Semiconductor )型によるトランジスタ22、23等が作成される。なおここでトランジスタ22は、25〔V〕程度の耐圧を有するMOS型ドライバートランジスタであり、発熱素子の駆動に供するものである。これに対してトランジスタ23は、このドライバートランジスタを制御する集積回路を構成するトランジスタであり、5〔V〕の電圧により動作するものである。なおこの実施の形態においては、ゲート/ドレイン間に低濃度の拡散層が形成され、その部分で加速される電子の電界を緩和することで耐圧を確保してドライバートランジスタ22が形成されるようになされている。
【0031】
このようにしてシリコン基板26上にトランジスタ22、23が作成されると、続いてプリンタヘッド21は、CVD法によりリンが添加されたシリコン酸化膜であるPSG(Phosphorus Silicate Glass )膜、ボロンとリンが添加されたシリコン酸化膜であるBPSG(Boron Phosphorus Silicate Glass )膜28が膜厚0.1〔μm〕、1.0〜2.0〔μm〕により順次堆積される。プリンタヘッド21は、これらにより蓄熱層として十分な膜厚により、より具体的には図7について上述した構成に比して約2〜3倍の膜厚により1層目の層間絶縁膜28が形成され、これにより発熱素子の熱をインク液室に効率良く伝搬するようになされている。
【0032】
続いてフォトリソグラフィー工程の後、C4 F8 /CO/O2 /Ar系ガスを用いたリアクティブイオンエッチング法によりシリコン半導体拡散層(ソース・ドレイン)上にコンタクトホール29が作成される。
【0033】
続いて図2(B)に示すように、プリンタヘッド21は、希フッ酸により洗浄された後、スパッタリング法により、膜厚0.05〔μm〕によるチタンコンタクトメタル膜、膜厚0.07〜0.1〔μm〕による窒化チタンバリアメタル膜30が順次堆積される。続いてランプアニール装置において、100%の窒素ガス雰囲気中で600〜700度、30〜120秒間の熱処理が実施され、これによりプリンタヘッド21は、チタンコンタクトメタル膜が安定化されてコンタクト抵抗が低減され、さらに窒化チタンバリアメタル膜30の結晶粒界を介した拡散防止性が向上される。
【0034】
続いて図3(C)に示すように、プリンタヘッド21は、コンタクトホール29が埋まるまで、CVD法により膜厚0.5〜1.0〔μm〕によるプラグ材料層31が堆積され、この実施の形態では、図3(D)に示すように、このコンタクトホール29以外の部位のプラグ材料層31を除去することによりプラグ24が作成される。
【0035】
ここでプラグ24は、トランジスタ22、23と配線パターン25とを接続するために配線パターン25の前工程において、コンタクトホール29に埋め込まれる接続用の導体である。このためプラグ24は、電気伝導率の高い材料により作成される。またこの実施の形態においては、蓄熱層として機能する1層目の層間絶縁膜28にコンタクトホール29が作成されることにより、トランジスタ22、23への通電により断線困難な材料により作成される。
【0036】
具体的にこの場合、プラグ材料層31にはタングステンを適用する。このタングステンにおいては、配線パターンを構成する材料であるアルミニュームと同等の電気伝導率を有する材料であり、かつアルミニュームに比して断線困難な材料である。これによりプリンタヘッド21では、蓄熱層として機能する1層目の層間絶縁膜28の膜厚を十分に確保し、さらには配線パターン25の膜厚を薄くしても、コンタクトホール29におけるプラグ24、配線パターン25の断線を防止するようになされている。
【0037】
より具体的にプリンタヘッド21は、CVD装置内のチェンバーに搭載された後、初めに6フッ化タングステンガス(WF6 )、シランガス(SiH4 )の導入により6フッ化タングステンガスがシランガスにより還元され、窒化チタンバリアメタル膜30上にタングステン膜が成膜される。続いてシランガスに代えて、水素ガス(H2 )の導入により6フッ化タングステンガスが水素ガスにより還元され、窒化チタンバリアメタル膜30上に成膜されたタングステン膜を核にしてタングステン膜が気相成長する。これによりプリンタヘッド21は、コンタクトホール29にタングステン膜が堆積されてなるプラグ材料層31が形成される。なおこの実施の形態においては、シリコン基板26を400〜450度に加熱してこれらプラグ材料層31を成膜した。
【0038】
続いてプリンタヘッド21は、エッチバック法により、コンタクトホール29に堆積された部位を除くタングステン膜31がSF6 等のフッ素系ガスによりエッチング処理され、さらにコンタクトホール29に堆積された部位を除くチタンコンタクトメタル膜、窒化チタンバリアメタル膜30がCl2 等の塩素系ガスによりエッチング処理され、これらによりタングステンによりプラグ24が作成される。なおプラグ24においては、このようにエッチバック法により余剰な部位を除去して作成する場合に限らず、CMP法により余剰な部位を研磨除去してプラグ24を作成するようにしてもよく、この場合、プラグ材料層31、チタンコンタクトメタル膜及び窒化チタンバリアメタル膜30を酸化溶解する研磨剤を用いることが考えられる。
【0039】
続いてプリンタヘッド21は、図4(E)に示すように、配線パターン材料層が成膜された後、配線パターン材料層の余剰な部位が除去されて1層目の配線パターン25が作成される。プリンタヘッド21は、この配線パターン25がプラグ24に接続され、これにより配線パターン25の膜厚を従来に比して薄くしても十分な信頼性を確保するようになされている。
【0040】
具体的にプリンタヘッド21は、スパッタリング法により膜厚0.02〔μm〕によるチタン、膜厚0.02〔μm〕による窒化チタン、膜厚0.005〔μm〕によるチタン、シリコンが1〔at%〕添加されたアルミニュームが膜厚0.4〜0.5〔μm〕により順次堆積される。さらに続いてプリンタヘッド21は、膜厚0.005〔μm〕によるチタン、反射防止膜である窒化酸化チタンが膜厚0.025〔μm〕により順次堆積され、これらにより配線パターン材料層が成膜される。さらに続いてプリンタヘッド21は、フォトリソグラフィー工程、ドライエッチング工程により、成膜された配線パターン材料層が選択的に除去され、これにより上層側から見て、膜厚0.025〔μm〕による窒化酸化チタン、膜厚0.005〔μm〕によるチタン、膜厚0.4〜0.5〔μm〕によるシリコンが1〔at%〕添加されたアルミニューム、膜厚0.005〔μm〕によるチタン、膜厚0.02〔μm〕による窒化チタン、膜厚0.02〔μm〕によるチタンからなる1層目の配線パターン25が作成される。プリンタヘッド21は、このようにして作成された1層目の配線パターン25とプラグ24とにより駆動回路を構成するMOS型トランジスタ23を接続してロジック集積回路が形成される。
【0041】
続いてプリンタヘッド21は、TEOS(テトラエトキシシラン:Si(OC2 H5 )4 )を原料ガスとしたCVD法により層間絶縁膜であるシリコン酸化膜が堆積される。続いてプリンタヘッド21は、SOG(Spin On Glass )を含む塗布型シリコン酸化膜の塗布とフッ素系ガスを用いたエッチバック法とにより、シリコン酸化膜が平坦化され、これらの工程が2回繰り返されて1層目の配線パターン25と続く2層目の配線パターンとを絶縁する2層目の層間絶縁膜32が膜厚0.6〜1.0〔μm〕によるシリコン酸化膜により形成される。因みにこのような層間絶縁膜32の平坦化においては、SOGの塗布を省略し、TEOSを用いたCVD法によりシリコン酸化膜を堆積した後、CMP法により研磨除去して平坦化するようにしてもよい。
【0042】
続いてプリンタヘッド21は、フォトリソグラフィー工程、CHF3 /CF4 /Arガスを用いたドライエッチング工程により層間絶縁膜32に開口を形成してビアホール34が作成され、この実施の形態では、1層目の層間絶縁膜28の膜厚を厚くした分、2層目の層間絶縁膜32の膜厚を薄くして1層目の層間絶縁膜28の膜厚が2層目の層間絶縁膜32の膜厚より厚く形成され、これによりこのビアホール34の段差を小さくし、この段差の部分における配線パターンの断線を防止するようになされている。
【0043】
続いて図4(F)に示すように、プリンタヘッド21は、シリコン基板26が洗浄された後、スパッタリング装置内のスパッタ成膜チェンバーに搭載され、スパッタリング法により膜厚0.08〔μm〕によるタンタル膜が堆積され、これによりシリコン基板26上に抵抗体膜が形成される。
【0044】
続いてプリンタヘッド21は、感光性樹脂であるフォトレジストが塗布されて露光装置に搬送され、所定形状を描画してなるマスクがシリコン基板26上に載置されて紫外線が照射される。さらにプリンタヘッド21は、現像液に浸漬されて紫外線の照射を受けた部位が溶解され、これにより抵抗体膜上に発熱素子作成領域がマスクされる。続いてプリンタヘッド21は、BCl3 /Cl2 ガスを用いたドライエッチング工程により、余剰な抵抗体膜が除去されてタンタルによる発熱素子35が作成される。
【0045】
続いてプリンタヘッド21は、スパッタリング装置内のスパッタ成膜チェンバーに搭載され、ターゲットにアルミニュームを用いてスパッタリング処理され、これにより膜厚0.3〜0.6〔μm〕による配線パターン材料層が成膜される。
【0046】
続いてプリンタヘッド21は、シリコン基板26上にフォトレジストが塗布され、所定形状を描画してなるマスクが載置されて露光装置により露光される。さらにプリンタヘッド21は、現像液に浸漬されて露光された部位が溶解され、これによりインクを加熱する発熱素子35の部位を除く配線パターン作成領域がマスクされる。さらに続いてBCl3 /Cl2 ガスを用いたドライエッチング工程により、配線パターンの作成領域以外の余剰な配線パターン材料層が除去され、これによりこれらの部位で2層目の配線パターン36が作成される。プリンタヘッド21は、このようにして作成された2層目の配線パターン36により、電源用の配線パターン、アース用の配線パターンが作成され、またドライバートランジスタ23を発熱素子35に接続する配線パターン36が作成される。
【0047】
続いてプリンタヘッド21は、フォトリソグラフィー工程によりインクを加熱する発熱素子35の部位がマスクされ、燐酸−硝酸−酢酸からなる薬液を用いたウエットエッチング工程によりこの部位の配線パターン36がエッチング処理され、これによりインクを加熱する部位の発熱素子35のみが露出される。
【0048】
続いてプリンタヘッド21は、流水により洗浄されて乾燥された後、図5(G)に示すように、CVD法により膜厚300〜400〔nm〕による窒化シリコンが堆積されて絶縁保護層37が形成される。なおここで絶縁保護層37は、2層目の配線パターン36を絶縁する層であり、また発熱素子35とインクとの直接の接触を防止する層である。
【0049】
続いてプリンタヘッド21は、熱処理炉において、4%の水素を添加した窒素ガス(フォーミングガス)の雰囲気中で、又は100%の窒素ガス雰囲気中で、400度、60分間の熱処理が実施される。これによりプリンタヘッド21は、トランジスタ22、23の動作が安定化され、さらに1層目の配線パターン25と2層目の配線パターン36との接続が安定化されてコンタクト抵抗が低減される。
【0050】
プリンタヘッド21は、続いてDCマグネトロン・スパッタリング装置内のスパッタ成膜チェンバーに搭載された後、スパッタリング法によりβ−タンタルによる耐キャビテーション層材料膜が膜厚200〔nm〕により堆積される。続いてプリンタヘッド21は、フォトレジスト工程により所望の形状にパターニングされ、BCl3 /Cl2 ガスを用いたドライエッチング工程により耐キャビテーション層材料膜がエッチング処理され、これにより耐キャビテーション層38が形成される。なおここで耐キャビテーション層38は、インクの発泡、消泡を繰り返す毎に発生するキャビテーションによる機械的な衝撃を緩和する層であり、これにより下層の発熱素子35の断線を防止するようになされている。
【0051】
プリンタヘッド21は、続いて図1に示すように、有機系樹脂によるドライフィルム41が圧着により配置された後、インク液室44、インク流路に対応する部位が取り除かれ、その後硬化され、これによりインク液室44の隔壁、インク流路の隔壁等が作成される。
【0052】
また続いて各チップにスクライビングされた後、ノズルプレート42が積層される。ここでノズルプレート42は、発熱素子35の上に微小なインク吐出口であるノズル43を形成するように所定形状に加工された板状部材であり、ドライフィルム41上に接着により保持される。これによりプリンタヘッド21は、ノズル43、インク液室44、このインク液室44にインクを導くインク流路等が形成されて作成される。
【0053】
プリンタヘッド21は、このようなインク液室44が紙面の奥行き方向に連続するように形成され、これによりラインヘッドを構成するようになされている。
【0054】
(1−2)第1の実施の形態の動作
以上の構成において、プリンタヘッド21は、半導体基板であるシリコン基板26に素子分離領域27が作成されて半導体素子であるトランジスタ22、23が作成された後、絶縁層28により絶縁されてプラグ24が作成され、1層目の配線パターン25が作成される。また続いて絶縁層32により絶縁されて発熱素子35が作成された後、2層目の配線パターン36が作成される。また続いて絶縁保護層37が作成された後、熱処理により配線パターン間、配線パターンと発熱素子等との間の接続が安定化され、耐キャビティーション層38、インク液室44、ノズル43が順次形成されて作成される(図1〜図5)。
【0055】
このプリンタは、このようにして作成されたプリンタヘッド21のインク液室44にインクが導かれ、トランジスタ22、23による発熱素子35の駆動により、インク液室44に保持したインクが加熱されて気泡が発生し、この気泡によりインク液室44内の圧力が急激に増大する。プリンタでは、この圧力の増大によりインク液室44のインクがノズル43からインク液滴として飛び出し、このインク液滴が対象物である用紙等に付着する。
【0056】
プリンタでは、このような発熱素子35の駆動が間欠的に繰り返され、これにより所望の画像等が対象物に印刷される。しかしてプリンタヘッド21においては、このような発熱素子35の駆動による熱伝導が、素子分離領域27と1層目及び2層目の層間絶縁膜28及び32とにより低減され、これにより発熱素子35の熱がインク液室44に効率良く伝搬される。
【0057】
この実施の形態に係るプリンタヘッド21においては、このような蓄熱層として機能する1層目の層間絶縁膜28が、図7について上述した構成に比して約2〜3倍の膜厚により作成される。このためプリンタヘッド21では、この層間絶縁膜28を開口して作成されるコンタクトホール29にトランジスタ22、23と1層目の配線パターン25との接続用の導体であるプラグ24がタングステンにより作成される。このタングステンにおいては、配線パターンを構成する材料であるアルミニュームに比してトランジスタ22、23への通電により断線困難な材料である。これによりプリンタヘッド21では、蓄熱層として機能する1層目の層間絶縁膜28の膜厚を十分に確保し、さらに配線パターン25の膜厚を薄くしても、コンタクトホール29におけるプラグ24、1層目の配線パターン25の断線を防止することができる。
【0058】
またプリンタヘッド21では、1層目の配線パターン25がこのプラグ24に接続されることにより、従来に比して薄い膜厚により配線パターン25が作成され、またその分2層目の層間絶縁膜33の膜厚においても従来に比して薄い膜厚により作成される。これによりプリンタヘッド21では、この層間絶縁膜32を開口して作成されるビアホール34による段差を小さくすることができ、この段差による2層目の配線パターン36の断線を防止することができる。
【0059】
(1−3)第1の実施の形態の効果
以上の構成によれば、半導体素子であるトランジスタと配線パターンとをプラグにより接続することにより、蓄熱層の膜厚を十分に確保しても、配線パターンの断線を防止することができる。
【0060】
またこのプラグが、配線パターンの構成材料であるアルミニュームに比して、トランジスタへの通電により断線困難な材料であるタングステンにより形成されることにより、コンタクトホールにおけるプラグ、このプラグに接続する配線パターンの断線を防止することができる。
【0061】
また配線パターンが、第1の層間絶縁膜を間に挟んでトランジスタの上層に形成される第1の配線パターンと、第2の層間絶縁膜を間に挟んで第1の配線パターンの上層に形成される第2の配線パターンとにより構成され、この第1の層間絶縁膜の膜厚が、第2の層間絶縁膜の膜厚に比して厚く形成されることにより、第2の層間絶縁膜を開口して作成されるビアホールによる段差を小さくすることができ、この段差による第2の配線パターンの断線を防止することができる。
【0062】
(2)第2の実施の形態
図6は、第2の実施の形態に係るプリンタに適用されるプリンタヘッドを示す断面図である。このプリンタヘッドにおいては、トレンチ構造による素子分離領域に代えて、フィールド酸化膜による素子分離領域により形成される。なおこの実施の形態においては、この素子分離領域に関する作成工程を除いて第1の実施の形態のプリンタヘッドと同一に構成されることにより、同一の構成においては、対応する符号を付して示し、説明は省略する。
【0063】
すなわちプリンタヘッド51は、ウエハによるシリコン基板56が洗浄された後、シリコン窒化膜(Si3 N4 )が堆積される。続いてプリンタヘッド51は、リソグラフィー工程、リアクティブエッチング工程によりシリコン基板56が処理され、これによりトランジスタ22、23を形成する所定領域以外の領域よりシリコン窒化膜が取り除かれる。これらによりプリンタヘッド51には、シリコン基板56上のトランジスタを形成する領域にシリコン窒化膜が形成される。
【0064】
続いてプリンタヘッド51は、熱酸化工程によりシリコン窒化膜が除去された領域にシリコン酸化膜が形成され、このシリコン酸化膜によりトランジスタを分離するための素子分離領域57が形成される。
【0065】
続いてプリンタヘッド51は、シリコン基板56が洗浄された後、トランジスタ22、23、1層目の層間絶縁膜28、プラグ24が順次作成される。
【0066】
この実施の形態のように、シリコン基板56の熱酸化処理により素子分離領域57を作成した後、プラグ24を作成するようにしても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0067】
(3)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、タンタルにより発熱素子を形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これに代えてタンタルナイトライド(TaNX )、タンタルアルミ(TaAl)等のタンタル化合物により発熱素子を形成する場合にも広く適用することができる。
【0068】
また上述の実施の形態においては、タングステンによりプラグを形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、半導体素子への通電により断線困難でかつ導体であれば、種々の材料をプラグの材料に広く適用することができる。
【0069】
また上述の実施の形態においては、本発明をプリンタヘッドに適用してインク液滴を飛び出させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、インク液滴に代えて各種染料の液滴、保護層形成用の液滴等を用いる液体吐出ヘッド、さらには液滴が試薬等であるマイクロディスペンサー、各種測定装置、各種試験装置、液滴がエッチングより部材を保護する薬剤である各種のパターン描画装置等に広く適用することができる。
【0070】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、半導体素子と配線パターンとをプラグにより接続することにより、蓄熱層の膜厚を十分に確保しても、配線パターンの断線を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るプリンタヘッドを示す断面図である。
【図2】図1のプリンタヘッドの作成工程の説明に供する断面図である。
【図3】図2の続きを示す断面図である。
【図4】図3の続きを示す断面図である。
【図5】図4の続きを示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るプリンタヘッドを示す断面図である。
【図7】従来のプリンタヘッドにおける発熱素子をその周辺構成と共に示す断面図である。
【符号の説明】
1、21、51……プリンタヘッド、2、26、56……シリコン基板、3、27、57……素子分離領域、4、5、22、23……トランジスタ、8、12、25、36……配線パターン、10、35……発熱素子、24……プラグ
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法に関し、例えばサーマル方式によるインクジェットプリンタに適用することができる。本発明は、半導体素子と配線パターンとをプラグにより接続することにより、蓄熱層の膜厚を十分に確保しても、配線パターンの断線を防止することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像処理等の分野において、ハードコピーのカラー化に対するニーズが高まってきている。このニーズに対して、従来、昇華型熱転写方式、溶融熱転写方式、インクジェット方式、電子写真方式及び熱現像銀塩方式等のカラーコピー方式が提案されている。
【0003】
これらの方式のうちインクジェット方式は、液体吐出ヘッドであるプリンタヘッドに設けられたノズルから記録液(インク)の液滴を飛翔させ、記録対象に付着してドットを形成するものであり、簡易な構成により高画質の画像を出力することができる。このインクジェット方式は、ノズルからインク液滴を飛翔させる方法の相違により、静電引力方式、連続振動発生方式(ピエゾ方式)及びサーマル方式に分類される。
【0004】
これらの方式のうちサーマル方式は、インクの局所的な加熱により気泡を発生し、この気泡によりインクをノズルから押し出して印刷対象に飛翔させる方式であり、簡易な構成によりカラー画像を印刷することができるようになされている。
【0005】
このようなサーマル方式によるプリンタヘッドは、インクを加熱する発熱素子が発熱素子を駆動するロジック集積回路による駆動回路と共に一体に半導体基板上に形成される。これによりこの種のプリンタヘッドにおいては、発熱素子を高密度に配置して確実に駆動できるようになされている。
【0006】
すなわちこのサーマル方式のプリンタにおいて、高画質の印刷結果を得るためには、発熱素子を高密度で配置する必要がある。具体的に、例えば600〔DPI〕相当の印刷結果を得るためには、発熱素子を42.333〔μm〕間隔で配置することが必要になるが、このように高密度で配置した発熱素子に個別の駆動素子を配置することは極めて困難である。これによりプリンタヘッドでは、半導体基板上にスイッチングトランジスタ等を作成して集積回路技術により対応する発熱素子と接続し、さらには同様に半導体基板上に作成した駆動回路により各スイッチングトランジスタを駆動することにより、簡易かつ確実に各発熱素子を駆動できるようになされている。
【0007】
このためプリンタヘッドは、半導体基板上に酸化シリコンによる素子分離領域が形成され、この素子分離領域により絶縁分離された領域にスイッチングトランジスタ等の半導体素子が形成される。プリンタヘッドは、例えば特許第3262595号に提案されているように、このような素子分離領域が半導体基板であるシリコン基板の熱酸化処理により作成されるようになされている。
【0008】
プリンタヘッドは、さらに層間絶縁膜が形成され、この層間絶縁膜上にタンタル、タンタルナイトライド、タンタルアルミ等により発熱素子が形成される。プリンタヘッドは、このようにして作成される素子分離領域と層間絶縁膜とが、発熱素子の熱を下層のシリコン基板に伝搬しないように、発熱素子からの熱伝搬を低減する蓄熱層として機能するようになされ、これにより発熱素子の熱によりインクを効率良く加熱するようになされている。なおこのような素子分離領域、層間絶縁膜の厚みにおいては、熱伝導率を考慮した場合、素子分離領域、層間絶縁膜全体の厚みとして少なくとも1.3〔μm〕必要であることが知られている(W.G.Hawkins 他、IEEE IEDM 1995 P.959−962)。
【0009】
すなわち図7は、この種のプリンタヘッドにおける発熱素子近傍の構成を示す断面図である。プリンタヘッド1は、シリコン基板2上の半導体素子4、5の作成領域にシリコン窒化膜が積層され、このシリコン窒化膜をマスクにしてシリコン基板2が熱酸化され、これによりこれらの領域以外の領域にフィールド酸化膜による素子分離領域(LOCOS: Local Oxidation Of Silicon )3が形成される。続いてプリンタヘッド1は、半導体素子4、5が作成され、1層目の層間絶縁膜6が積層された後、半導体素子4、5上の層間絶縁膜6が除去されてコンタクトホール7が作成される。
【0010】
続いてプリンタヘッド1は、配線パターン材料層が堆積され、この配線パターン材料層が所定形状に加工されて1層目の配線パターン8(Al)が作成される。続いてプリンタヘッド1は、2層目の層間絶縁膜9が積層され、この上層にタンタル、タンタルナイトライド、タンタルアルミ等により発熱素子10が形成される。さらにプリンタヘッド1は、層間絶縁膜9に開口を形成してビアホール11が作成され、アルミニューム等により2層目の配線パターン材料層が堆積され、この配線パターン材料層が所定形状に加工されて2層目の配線パターン12(2Al)が作成される。プリンタヘッド1は、この2層目の配線パターン12と1層目の配線パターン8とにより半導体素子4、5と発熱素子10とが接続される。
【0011】
続いてプリンタヘッド1は、窒化シリコン、炭化シリコン等による絶縁保護層13が積層され、タンタルによる耐キャビテーション層14が形成され、さらに所定部材が配置されることにより、インク液室、インク流路及びノズルが作成される。
【0012】
プリンタヘッド1は、このようにして作成されたインク流路によりインク液室にインクが導かれた後、半導体素子4、5の駆動により発熱素子10が発熱し、インク液室のインクを局所的に加熱する。プリンタヘッド1は、この加熱により、このインク液室に気泡を発生してインク液室の圧力を増大させ、ノズルよりインクを押し出して印刷対象に飛翔させるようになされている。
【0013】
このように構成されるプリンタヘッド1においては、1層目の層間絶縁膜6により1層目の配線パターン8が絶縁されるようになされ、また2層目の層間絶縁膜9により配線パターン8と2層目の配線パターン12とが絶縁されるようになされている。プリンタヘッド1は、通常、このような1層目の層間絶縁膜6が厚さ0.5〜0.6〔μm〕程度により作成され、2層目の層間絶縁膜9が厚さ0.8〜1.2〔μm〕程度により作成されるようになされている。
【0014】
【特許文献1】
特許3262595号
【非特許文献1】
W.G.Hawkins 他、IEEE IEDM 1995 P.959−962
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで図7に示すプリンタヘッド1においては、2層目の層間絶縁膜9を開口して作成されるビアホール11を介して2層目の配線パターン12が1層目の配線パターン8に接続される。このため2層目の配線パターン12は、このビアホール11による段差の部分に作成されることになり、プリンタヘッド1においては、この段差により2層目の配線パターン12が断線し易くなる問題がある。
【0016】
プリンタヘッド1においては、このような配線パターン12の断線を防止する1つの方法として、2層目の層間絶縁膜9の厚みを薄くして段差を小さくする方法が考えられる。
【0017】
しかしながらプリンタヘッド1においては、2層目の層間絶縁膜9を薄くすると、ビアホール11における配線パターン12の断線を防止できるものの、2層目の層間絶縁膜9を薄くした分発熱素子10からの熱伝搬を十分に低減し得ず、これにより発熱素子10の熱によりインクを効率良く加熱できない欠点がある。
【0018】
なおプリンタヘッド1においては、2層目の層間絶縁膜9を薄くするために1層目の配線パターン8を薄くする方法も考えられるが、このように1層目の配線パターン8の厚みを薄くすると、却ってコンタクトホール7でこの1層目の配線パターン8が断線し易くなる。因みにこのようなコンタクトホール7における配線パターン8は、通常、厚さ0.8〜1.0〔μm〕により作成されて断線しないようになされている。
【0019】
これに対して特開2001−130003号公報に開示の構成においては、ビアホールの側壁をテーパー化することにより、又はビアホールの開口径を10〜15〔μm〕に設定することにより、段差を緩やかにする方法が提案されている。しかしながらこの方法においては、配線パターンの断線を防止することができるものの、実際上、半導体素子4、5を高密度に配置することが困難になる欠点がある。
【0020】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、蓄熱層の膜厚を十分に確保しても、配線パターンの断線を防止することができる液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法を提案しようとするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため請求項1の発明においては、液室に保持した液体を加熱する発熱素子と、発熱素子に半導体素子を接続する配線パターンと、配線パターンを介して発熱素子を駆動する半導体素子とが所定の基板上に一体に保持されて、発熱素子の駆動により所定のノズルより液体の液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドに適用して、配線パターンと半導体素子とがプラグにより接続されてなるようにする。
【0022】
また請求項4の発明においては、液体吐出ヘッドに設けられた発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出装置に適用して、液体吐出ヘッドが、液室に保持した液体を加熱する発熱素子と、発熱素子に半導体素子を接続する配線パターンと、配線パターンを介して発熱素子を駆動する半導体素子とが所定の基板上に一体に保持され、配線パターンと半導体素子とがプラグにより接続されてなるようにする。
【0023】
また請求項5の発明においては、液室に保持した液体を加熱する発熱素子と、発熱素子に半導体素子を接続する配線パターンと、配線パターンを介して発熱素子を駆動する半導体素子とが所定の基板上に一体に保持されて、発熱素子の駆動により所定のノズルより液体の液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドの製造方法に適用して、配線パターンと半導体素子とをプラグにより接続する。
【0024】
請求項1の構成によれば、液室に保持した液体を加熱する発熱素子と、発熱素子に半導体素子を接続する配線パターンと、配線パターンを介して発熱素子を駆動する半導体素子とが所定の基板上に一体に保持されて、発熱素子の駆動により所定のノズルより液体の液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドに適用して、配線パターンと半導体素子とがプラグにより接続されてなることにより、蓄熱層の膜厚を十分に確保しても、配線パターンの断線を防止することができる液体吐出ヘッドを作成することができる。
【0025】
これにより請求項4、請求項5の構成によれば、蓄熱層の膜厚を十分に確保しても、配線パターンの断線を防止することができる液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法を提供することができる。
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0026】
(1)第1の実施の形態
(1−1)第1の実施の形態の構成
図1は、第1の実施の形態に係るプリンタに適用されるプリンタヘッドを示す断面図である。プリンタヘッド21は、トランジスタ22、23が形成された後、これらのトランジスタ22、23上にプラグ24が形成され、さらにこのプラグ24の上層に配線パターン25が形成される。
【0027】
すなわち図2(A)に示すように、プリンタヘッド21は、ウエハによるシリコン基板26が洗浄された後、リソグラフィー工程によりトランジスタ22、23を形成する所定領域がマスクされる。続いてプリンタヘッド21は、ドライエッチング工程により素子分離領域27を作成する領域が厚さ0.4〜0.6〔μm〕によりエッチング処理され、これにより深さ0.4〜0.6〔μm〕による溝(以下トレンチと呼ぶ)が形成される。
【0028】
続いてプリンタヘッド21は、このトレンチにシリコン酸化膜を埋め込んで素子分離領域27が作成される。具体的にプリンタヘッド21は、CVD(Chemical Vapor Deposition )法によりこのトレンチが完全に埋まる膜厚によりシリコン酸化膜が成膜され、さらにCMP(Chemical Mechanical Polish)法によりトレンチ以外の部位に成膜されたシリコン酸化膜が研磨除去される。これらによりプリンタヘッド21は、トレンチ構造による素子分離領域27が膜厚0.4〜0.6〔μm〕により作成される。
【0029】
プリンタヘッド21は、このようにして素子分離領域27が作成されることにより、熱処理工程により素子分離領域を作成した場合に発生するフィールド酸化膜における裾引き部(いわゆるバーズビークである)の発生を回避するようになされ、その分集積度を向上できるようになされている。またプリンタヘッド21は、トランジスタ22、23が形成される領域についてはフィールド酸化膜の食い込みが防止され、これによりシリコン基板26における欠陥の発生を防止するようになされている。
【0030】
プリンタヘッド21は、続いてシリコン基板26が洗浄された後、トランジスタ形成領域にタングステンシリサイド/ポリシリコン/熱酸化膜構造のゲートが作成される。さらにソース・ドレイン領域を形成するためのイオン注入工程、熱処理工程によりシリコン基板26が処理され、MOS(Metal−Oxide−Semiconductor )型によるトランジスタ22、23等が作成される。なおここでトランジスタ22は、25〔V〕程度の耐圧を有するMOS型ドライバートランジスタであり、発熱素子の駆動に供するものである。これに対してトランジスタ23は、このドライバートランジスタを制御する集積回路を構成するトランジスタであり、5〔V〕の電圧により動作するものである。なおこの実施の形態においては、ゲート/ドレイン間に低濃度の拡散層が形成され、その部分で加速される電子の電界を緩和することで耐圧を確保してドライバートランジスタ22が形成されるようになされている。
【0031】
このようにしてシリコン基板26上にトランジスタ22、23が作成されると、続いてプリンタヘッド21は、CVD法によりリンが添加されたシリコン酸化膜であるPSG(Phosphorus Silicate Glass )膜、ボロンとリンが添加されたシリコン酸化膜であるBPSG(Boron Phosphorus Silicate Glass )膜28が膜厚0.1〔μm〕、1.0〜2.0〔μm〕により順次堆積される。プリンタヘッド21は、これらにより蓄熱層として十分な膜厚により、より具体的には図7について上述した構成に比して約2〜3倍の膜厚により1層目の層間絶縁膜28が形成され、これにより発熱素子の熱をインク液室に効率良く伝搬するようになされている。
【0032】
続いてフォトリソグラフィー工程の後、C4 F8 /CO/O2 /Ar系ガスを用いたリアクティブイオンエッチング法によりシリコン半導体拡散層(ソース・ドレイン)上にコンタクトホール29が作成される。
【0033】
続いて図2(B)に示すように、プリンタヘッド21は、希フッ酸により洗浄された後、スパッタリング法により、膜厚0.05〔μm〕によるチタンコンタクトメタル膜、膜厚0.07〜0.1〔μm〕による窒化チタンバリアメタル膜30が順次堆積される。続いてランプアニール装置において、100%の窒素ガス雰囲気中で600〜700度、30〜120秒間の熱処理が実施され、これによりプリンタヘッド21は、チタンコンタクトメタル膜が安定化されてコンタクト抵抗が低減され、さらに窒化チタンバリアメタル膜30の結晶粒界を介した拡散防止性が向上される。
【0034】
続いて図3(C)に示すように、プリンタヘッド21は、コンタクトホール29が埋まるまで、CVD法により膜厚0.5〜1.0〔μm〕によるプラグ材料層31が堆積され、この実施の形態では、図3(D)に示すように、このコンタクトホール29以外の部位のプラグ材料層31を除去することによりプラグ24が作成される。
【0035】
ここでプラグ24は、トランジスタ22、23と配線パターン25とを接続するために配線パターン25の前工程において、コンタクトホール29に埋め込まれる接続用の導体である。このためプラグ24は、電気伝導率の高い材料により作成される。またこの実施の形態においては、蓄熱層として機能する1層目の層間絶縁膜28にコンタクトホール29が作成されることにより、トランジスタ22、23への通電により断線困難な材料により作成される。
【0036】
具体的にこの場合、プラグ材料層31にはタングステンを適用する。このタングステンにおいては、配線パターンを構成する材料であるアルミニュームと同等の電気伝導率を有する材料であり、かつアルミニュームに比して断線困難な材料である。これによりプリンタヘッド21では、蓄熱層として機能する1層目の層間絶縁膜28の膜厚を十分に確保し、さらには配線パターン25の膜厚を薄くしても、コンタクトホール29におけるプラグ24、配線パターン25の断線を防止するようになされている。
【0037】
より具体的にプリンタヘッド21は、CVD装置内のチェンバーに搭載された後、初めに6フッ化タングステンガス(WF6 )、シランガス(SiH4 )の導入により6フッ化タングステンガスがシランガスにより還元され、窒化チタンバリアメタル膜30上にタングステン膜が成膜される。続いてシランガスに代えて、水素ガス(H2 )の導入により6フッ化タングステンガスが水素ガスにより還元され、窒化チタンバリアメタル膜30上に成膜されたタングステン膜を核にしてタングステン膜が気相成長する。これによりプリンタヘッド21は、コンタクトホール29にタングステン膜が堆積されてなるプラグ材料層31が形成される。なおこの実施の形態においては、シリコン基板26を400〜450度に加熱してこれらプラグ材料層31を成膜した。
【0038】
続いてプリンタヘッド21は、エッチバック法により、コンタクトホール29に堆積された部位を除くタングステン膜31がSF6 等のフッ素系ガスによりエッチング処理され、さらにコンタクトホール29に堆積された部位を除くチタンコンタクトメタル膜、窒化チタンバリアメタル膜30がCl2 等の塩素系ガスによりエッチング処理され、これらによりタングステンによりプラグ24が作成される。なおプラグ24においては、このようにエッチバック法により余剰な部位を除去して作成する場合に限らず、CMP法により余剰な部位を研磨除去してプラグ24を作成するようにしてもよく、この場合、プラグ材料層31、チタンコンタクトメタル膜及び窒化チタンバリアメタル膜30を酸化溶解する研磨剤を用いることが考えられる。
【0039】
続いてプリンタヘッド21は、図4(E)に示すように、配線パターン材料層が成膜された後、配線パターン材料層の余剰な部位が除去されて1層目の配線パターン25が作成される。プリンタヘッド21は、この配線パターン25がプラグ24に接続され、これにより配線パターン25の膜厚を従来に比して薄くしても十分な信頼性を確保するようになされている。
【0040】
具体的にプリンタヘッド21は、スパッタリング法により膜厚0.02〔μm〕によるチタン、膜厚0.02〔μm〕による窒化チタン、膜厚0.005〔μm〕によるチタン、シリコンが1〔at%〕添加されたアルミニュームが膜厚0.4〜0.5〔μm〕により順次堆積される。さらに続いてプリンタヘッド21は、膜厚0.005〔μm〕によるチタン、反射防止膜である窒化酸化チタンが膜厚0.025〔μm〕により順次堆積され、これらにより配線パターン材料層が成膜される。さらに続いてプリンタヘッド21は、フォトリソグラフィー工程、ドライエッチング工程により、成膜された配線パターン材料層が選択的に除去され、これにより上層側から見て、膜厚0.025〔μm〕による窒化酸化チタン、膜厚0.005〔μm〕によるチタン、膜厚0.4〜0.5〔μm〕によるシリコンが1〔at%〕添加されたアルミニューム、膜厚0.005〔μm〕によるチタン、膜厚0.02〔μm〕による窒化チタン、膜厚0.02〔μm〕によるチタンからなる1層目の配線パターン25が作成される。プリンタヘッド21は、このようにして作成された1層目の配線パターン25とプラグ24とにより駆動回路を構成するMOS型トランジスタ23を接続してロジック集積回路が形成される。
【0041】
続いてプリンタヘッド21は、TEOS(テトラエトキシシラン:Si(OC2 H5 )4 )を原料ガスとしたCVD法により層間絶縁膜であるシリコン酸化膜が堆積される。続いてプリンタヘッド21は、SOG(Spin On Glass )を含む塗布型シリコン酸化膜の塗布とフッ素系ガスを用いたエッチバック法とにより、シリコン酸化膜が平坦化され、これらの工程が2回繰り返されて1層目の配線パターン25と続く2層目の配線パターンとを絶縁する2層目の層間絶縁膜32が膜厚0.6〜1.0〔μm〕によるシリコン酸化膜により形成される。因みにこのような層間絶縁膜32の平坦化においては、SOGの塗布を省略し、TEOSを用いたCVD法によりシリコン酸化膜を堆積した後、CMP法により研磨除去して平坦化するようにしてもよい。
【0042】
続いてプリンタヘッド21は、フォトリソグラフィー工程、CHF3 /CF4 /Arガスを用いたドライエッチング工程により層間絶縁膜32に開口を形成してビアホール34が作成され、この実施の形態では、1層目の層間絶縁膜28の膜厚を厚くした分、2層目の層間絶縁膜32の膜厚を薄くして1層目の層間絶縁膜28の膜厚が2層目の層間絶縁膜32の膜厚より厚く形成され、これによりこのビアホール34の段差を小さくし、この段差の部分における配線パターンの断線を防止するようになされている。
【0043】
続いて図4(F)に示すように、プリンタヘッド21は、シリコン基板26が洗浄された後、スパッタリング装置内のスパッタ成膜チェンバーに搭載され、スパッタリング法により膜厚0.08〔μm〕によるタンタル膜が堆積され、これによりシリコン基板26上に抵抗体膜が形成される。
【0044】
続いてプリンタヘッド21は、感光性樹脂であるフォトレジストが塗布されて露光装置に搬送され、所定形状を描画してなるマスクがシリコン基板26上に載置されて紫外線が照射される。さらにプリンタヘッド21は、現像液に浸漬されて紫外線の照射を受けた部位が溶解され、これにより抵抗体膜上に発熱素子作成領域がマスクされる。続いてプリンタヘッド21は、BCl3 /Cl2 ガスを用いたドライエッチング工程により、余剰な抵抗体膜が除去されてタンタルによる発熱素子35が作成される。
【0045】
続いてプリンタヘッド21は、スパッタリング装置内のスパッタ成膜チェンバーに搭載され、ターゲットにアルミニュームを用いてスパッタリング処理され、これにより膜厚0.3〜0.6〔μm〕による配線パターン材料層が成膜される。
【0046】
続いてプリンタヘッド21は、シリコン基板26上にフォトレジストが塗布され、所定形状を描画してなるマスクが載置されて露光装置により露光される。さらにプリンタヘッド21は、現像液に浸漬されて露光された部位が溶解され、これによりインクを加熱する発熱素子35の部位を除く配線パターン作成領域がマスクされる。さらに続いてBCl3 /Cl2 ガスを用いたドライエッチング工程により、配線パターンの作成領域以外の余剰な配線パターン材料層が除去され、これによりこれらの部位で2層目の配線パターン36が作成される。プリンタヘッド21は、このようにして作成された2層目の配線パターン36により、電源用の配線パターン、アース用の配線パターンが作成され、またドライバートランジスタ23を発熱素子35に接続する配線パターン36が作成される。
【0047】
続いてプリンタヘッド21は、フォトリソグラフィー工程によりインクを加熱する発熱素子35の部位がマスクされ、燐酸−硝酸−酢酸からなる薬液を用いたウエットエッチング工程によりこの部位の配線パターン36がエッチング処理され、これによりインクを加熱する部位の発熱素子35のみが露出される。
【0048】
続いてプリンタヘッド21は、流水により洗浄されて乾燥された後、図5(G)に示すように、CVD法により膜厚300〜400〔nm〕による窒化シリコンが堆積されて絶縁保護層37が形成される。なおここで絶縁保護層37は、2層目の配線パターン36を絶縁する層であり、また発熱素子35とインクとの直接の接触を防止する層である。
【0049】
続いてプリンタヘッド21は、熱処理炉において、4%の水素を添加した窒素ガス(フォーミングガス)の雰囲気中で、又は100%の窒素ガス雰囲気中で、400度、60分間の熱処理が実施される。これによりプリンタヘッド21は、トランジスタ22、23の動作が安定化され、さらに1層目の配線パターン25と2層目の配線パターン36との接続が安定化されてコンタクト抵抗が低減される。
【0050】
プリンタヘッド21は、続いてDCマグネトロン・スパッタリング装置内のスパッタ成膜チェンバーに搭載された後、スパッタリング法によりβ−タンタルによる耐キャビテーション層材料膜が膜厚200〔nm〕により堆積される。続いてプリンタヘッド21は、フォトレジスト工程により所望の形状にパターニングされ、BCl3 /Cl2 ガスを用いたドライエッチング工程により耐キャビテーション層材料膜がエッチング処理され、これにより耐キャビテーション層38が形成される。なおここで耐キャビテーション層38は、インクの発泡、消泡を繰り返す毎に発生するキャビテーションによる機械的な衝撃を緩和する層であり、これにより下層の発熱素子35の断線を防止するようになされている。
【0051】
プリンタヘッド21は、続いて図1に示すように、有機系樹脂によるドライフィルム41が圧着により配置された後、インク液室44、インク流路に対応する部位が取り除かれ、その後硬化され、これによりインク液室44の隔壁、インク流路の隔壁等が作成される。
【0052】
また続いて各チップにスクライビングされた後、ノズルプレート42が積層される。ここでノズルプレート42は、発熱素子35の上に微小なインク吐出口であるノズル43を形成するように所定形状に加工された板状部材であり、ドライフィルム41上に接着により保持される。これによりプリンタヘッド21は、ノズル43、インク液室44、このインク液室44にインクを導くインク流路等が形成されて作成される。
【0053】
プリンタヘッド21は、このようなインク液室44が紙面の奥行き方向に連続するように形成され、これによりラインヘッドを構成するようになされている。
【0054】
(1−2)第1の実施の形態の動作
以上の構成において、プリンタヘッド21は、半導体基板であるシリコン基板26に素子分離領域27が作成されて半導体素子であるトランジスタ22、23が作成された後、絶縁層28により絶縁されてプラグ24が作成され、1層目の配線パターン25が作成される。また続いて絶縁層32により絶縁されて発熱素子35が作成された後、2層目の配線パターン36が作成される。また続いて絶縁保護層37が作成された後、熱処理により配線パターン間、配線パターンと発熱素子等との間の接続が安定化され、耐キャビティーション層38、インク液室44、ノズル43が順次形成されて作成される(図1〜図5)。
【0055】
このプリンタは、このようにして作成されたプリンタヘッド21のインク液室44にインクが導かれ、トランジスタ22、23による発熱素子35の駆動により、インク液室44に保持したインクが加熱されて気泡が発生し、この気泡によりインク液室44内の圧力が急激に増大する。プリンタでは、この圧力の増大によりインク液室44のインクがノズル43からインク液滴として飛び出し、このインク液滴が対象物である用紙等に付着する。
【0056】
プリンタでは、このような発熱素子35の駆動が間欠的に繰り返され、これにより所望の画像等が対象物に印刷される。しかしてプリンタヘッド21においては、このような発熱素子35の駆動による熱伝導が、素子分離領域27と1層目及び2層目の層間絶縁膜28及び32とにより低減され、これにより発熱素子35の熱がインク液室44に効率良く伝搬される。
【0057】
この実施の形態に係るプリンタヘッド21においては、このような蓄熱層として機能する1層目の層間絶縁膜28が、図7について上述した構成に比して約2〜3倍の膜厚により作成される。このためプリンタヘッド21では、この層間絶縁膜28を開口して作成されるコンタクトホール29にトランジスタ22、23と1層目の配線パターン25との接続用の導体であるプラグ24がタングステンにより作成される。このタングステンにおいては、配線パターンを構成する材料であるアルミニュームに比してトランジスタ22、23への通電により断線困難な材料である。これによりプリンタヘッド21では、蓄熱層として機能する1層目の層間絶縁膜28の膜厚を十分に確保し、さらに配線パターン25の膜厚を薄くしても、コンタクトホール29におけるプラグ24、1層目の配線パターン25の断線を防止することができる。
【0058】
またプリンタヘッド21では、1層目の配線パターン25がこのプラグ24に接続されることにより、従来に比して薄い膜厚により配線パターン25が作成され、またその分2層目の層間絶縁膜33の膜厚においても従来に比して薄い膜厚により作成される。これによりプリンタヘッド21では、この層間絶縁膜32を開口して作成されるビアホール34による段差を小さくすることができ、この段差による2層目の配線パターン36の断線を防止することができる。
【0059】
(1−3)第1の実施の形態の効果
以上の構成によれば、半導体素子であるトランジスタと配線パターンとをプラグにより接続することにより、蓄熱層の膜厚を十分に確保しても、配線パターンの断線を防止することができる。
【0060】
またこのプラグが、配線パターンの構成材料であるアルミニュームに比して、トランジスタへの通電により断線困難な材料であるタングステンにより形成されることにより、コンタクトホールにおけるプラグ、このプラグに接続する配線パターンの断線を防止することができる。
【0061】
また配線パターンが、第1の層間絶縁膜を間に挟んでトランジスタの上層に形成される第1の配線パターンと、第2の層間絶縁膜を間に挟んで第1の配線パターンの上層に形成される第2の配線パターンとにより構成され、この第1の層間絶縁膜の膜厚が、第2の層間絶縁膜の膜厚に比して厚く形成されることにより、第2の層間絶縁膜を開口して作成されるビアホールによる段差を小さくすることができ、この段差による第2の配線パターンの断線を防止することができる。
【0062】
(2)第2の実施の形態
図6は、第2の実施の形態に係るプリンタに適用されるプリンタヘッドを示す断面図である。このプリンタヘッドにおいては、トレンチ構造による素子分離領域に代えて、フィールド酸化膜による素子分離領域により形成される。なおこの実施の形態においては、この素子分離領域に関する作成工程を除いて第1の実施の形態のプリンタヘッドと同一に構成されることにより、同一の構成においては、対応する符号を付して示し、説明は省略する。
【0063】
すなわちプリンタヘッド51は、ウエハによるシリコン基板56が洗浄された後、シリコン窒化膜(Si3 N4 )が堆積される。続いてプリンタヘッド51は、リソグラフィー工程、リアクティブエッチング工程によりシリコン基板56が処理され、これによりトランジスタ22、23を形成する所定領域以外の領域よりシリコン窒化膜が取り除かれる。これらによりプリンタヘッド51には、シリコン基板56上のトランジスタを形成する領域にシリコン窒化膜が形成される。
【0064】
続いてプリンタヘッド51は、熱酸化工程によりシリコン窒化膜が除去された領域にシリコン酸化膜が形成され、このシリコン酸化膜によりトランジスタを分離するための素子分離領域57が形成される。
【0065】
続いてプリンタヘッド51は、シリコン基板56が洗浄された後、トランジスタ22、23、1層目の層間絶縁膜28、プラグ24が順次作成される。
【0066】
この実施の形態のように、シリコン基板56の熱酸化処理により素子分離領域57を作成した後、プラグ24を作成するようにしても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0067】
(3)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、タンタルにより発熱素子を形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これに代えてタンタルナイトライド(TaNX )、タンタルアルミ(TaAl)等のタンタル化合物により発熱素子を形成する場合にも広く適用することができる。
【0068】
また上述の実施の形態においては、タングステンによりプラグを形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、半導体素子への通電により断線困難でかつ導体であれば、種々の材料をプラグの材料に広く適用することができる。
【0069】
また上述の実施の形態においては、本発明をプリンタヘッドに適用してインク液滴を飛び出させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、インク液滴に代えて各種染料の液滴、保護層形成用の液滴等を用いる液体吐出ヘッド、さらには液滴が試薬等であるマイクロディスペンサー、各種測定装置、各種試験装置、液滴がエッチングより部材を保護する薬剤である各種のパターン描画装置等に広く適用することができる。
【0070】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、半導体素子と配線パターンとをプラグにより接続することにより、蓄熱層の膜厚を十分に確保しても、配線パターンの断線を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るプリンタヘッドを示す断面図である。
【図2】図1のプリンタヘッドの作成工程の説明に供する断面図である。
【図3】図2の続きを示す断面図である。
【図4】図3の続きを示す断面図である。
【図5】図4の続きを示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るプリンタヘッドを示す断面図である。
【図7】従来のプリンタヘッドにおける発熱素子をその周辺構成と共に示す断面図である。
【符号の説明】
1、21、51……プリンタヘッド、2、26、56……シリコン基板、3、27、57……素子分離領域、4、5、22、23……トランジスタ、8、12、25、36……配線パターン、10、35……発熱素子、24……プラグ
Claims (5)
- 液室に保持した液体を加熱する発熱素子と、前記発熱素子に半導体素子を接続する配線パターンと、前記配線パターンを介して前記発熱素子を駆動する前記半導体素子とが所定の基板上に一体に保持されて、前記発熱素子の駆動により所定のノズルより前記液体の液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドにおいて、
前記配線パターンと前記半導体素子とがプラグにより接続された
ことを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記プラグが、タングステンにより形成された
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。 - 前記配線パターンが、
第1の層間絶縁膜を間に挟んで前記半導体素子の上層に形成された第1の配線パターンと、
第2の層間絶縁膜を間に挟んで前記第1の配線パターンの上層に形成された第2の配線パターンとであり、
前記第1の層間絶縁膜の膜厚が、前記第2の層間絶縁膜の膜厚に比して厚く形成された
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。 - 液体吐出ヘッドに設けられた発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出装置において、
前記液体吐出ヘッドが、
液室に保持した液体を加熱する前記発熱素子と、前記発熱素子に半導体素子を接続する配線パターンと、前記配線パターンを介して前記発熱素子を駆動する前記半導体素子とが所定の基板上に一体に保持され、
前記配線パターンと前記半導体素子とがプラグにより接続された
ことを特徴とする液体吐出装置。 - 液室に保持した液体を加熱する発熱素子と、前記発熱素子に半導体素子を接続する配線パターンと、前記配線パターンを介して前記発熱素子を駆動する前記半導体素子とが所定の基板上に一体に保持されて、前記発熱素子の駆動により所定のノズルより前記液体の液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドの製造方法において、
前記配線パターンと前記半導体素子とをプラグにより接続する
ことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
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