JP2004167822A - 液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置に関し、例えばサーマル方式によるインクジェットプリンタに適用して、シリコン又は銅を添加したアルミニューム等を配線パターンに用いて信頼性を確保することができるようにする。
【解決手段】本発明は、エッチングストッパー層3を発熱素子2上に事前に作成し、このエッチングストッパー層3により配線パターン4のドライエッチングから発熱素子2を保護する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置に関し、例えばサーマル方式によるインクジェットプリンタに適用することができる。本発明は、エッチングストッパー層を発熱素子上に事前に作成し、このエッチングストッパー層により配線パターンのドライエッチングから発熱素子を保護することにより、シリコン又は銅を添加したアルミニューム等を配線パターンに用いて信頼性を確保することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像処理等の分野において、ハードコピーのカラー化に対するニーズが高まってきている。このニーズに対して、従来、昇華型熱転写方式、溶融熱転写方式、インクジェット方式、電子写真方式及び熱現像銀塩方式等のカラーコピー方式が提案されている。
【0003】
これらの方式のうちインクジェット方式は、液体吐出ヘッドであるプリンタヘッドに設けられたノズルから記録液(インク)の液滴を飛翔させ、記録対象に付着してドットを形成するものであり、簡易な構成により高画質の画像を出力することができる。このインクジェット方式は、ノズルからインク液滴を飛翔させる方法の相違により、静電引力方式、連続振動発生方式(ピエゾ方式)及びサーマル方式に分類される。
【0004】
これらの方式のうちサーマル方式は、インクの局所的な加熱により気泡を発生し、この気泡によりインクをノズルから押し出して印刷対象に飛翔させる方式であり、簡易な構成によりカラー画像を印刷することができるようになされている。
【0005】
このようなサーマル方式によるプリンタヘッドは、インクを加熱する発熱素子が発熱素子を駆動するロジック集積回路による駆動回路と共に一体に半導体基板上に形成される。これによりこの種のプリンタヘッドにおいては、発熱素子を高密度に配置して確実に駆動できるようになされている。
【0006】
すなわちこのサーマル方式のプリンタにおいて、高画質の印刷結果を得るためには、発熱素子を高密度で配置する必要がある。具体的に、例えば600〔DPI〕相当の印刷結果を得るためには、発熱素子を42.333〔μm〕間隔で配置することが必要になるが、このように高密度で配置した発熱素子に個別の駆動素子を配置することは極めて困難である。これによりプリンタヘッドでは、半導体基板上にスイッチングトランジスタ等を作成して集積回路技術により対応する発熱素子と接続し、さらには同様に半導体基板上に作成した駆動回路により各スイッチングトランジスタを駆動することにより、簡易かつ確実に各発熱素子を駆動できるようになされている。
【0007】
またサーマル方式によるプリンタにおいては、発熱素子による加熱によりインクに気泡が発生し、ノズルからインクが飛び出すと、この気泡が消滅する。これにより発砲、消砲を繰り返す毎にキャビテーションによる機械的な衝撃を受ける。さらにプリンタは、発熱素子の発熱による温度上昇と温度下降とが、短時間〔数μ秒〕で繰り返され、これにより温度による大きなストレスを受ける。
【0008】
このためプリンタヘッドは、タンタル、タンタルナイトライド、タンタルアルミ等により発熱素子が形成され、この発熱素子上に窒化シリコン、炭化シリコン等による絶縁保護層が形成され、この絶縁保護層により絶縁性が確保され、また発熱素子とインクとの直接の接触を防止するようになされている。さらにこの絶縁保護層の上層に、タンタル等により耐キャビテーション層が形成され、この耐キャビテーション層によりキャビテーションによる機械的な衝撃を緩和するようになされている。
【0009】
プリンタヘッドは、このような絶縁保護層、耐キャビテーション層の厚みを厚くすると、信頼性を向上することができるものの、その分、インクへの熱伝導率が低下することにより、インクを吐出するために必要な熱エネルギーが増大し、これにより消費電力が増大する。このためプリンタヘッドは、絶縁保護層、耐キャビテーション層の厚みを、少ない消費電力により発熱素子を駆動してインク液滴を安定に飛び出させる厚みにより作成するようになされている。
【0010】
すなわちプリンタヘッドは、半導体素子が作成されてなる半導体基板上に絶縁層(SiO )等が積層された後、タンタル、タンタルナイトライド、タンタルアルミ等により発熱素子が形成される。さらにアルミニューム等により配線パターンが形成され、この配線パターンにより半導体基板上に形成されてなる半導体素子等に発熱素子が接続される。プリンタヘッドは、さらに窒化シリコン、炭化シリコン等による絶縁保護層が厚さ0.2〜0.6〔μm〕により積層され、この上層に、正方晶構造であるβ−タンタルによる耐キャビテーション層が厚さ0.2〔μm〕程度により形成される。プリンタヘッドは、続いて所定部材を配置することにより、インク液室、インク流路及びノズルが作成される。
【0011】
プリンタヘッドは、このようにして作成されたインク流路によりインク液室にインクが導かれた後、半導体素子の駆動により発熱素子が発熱し、インク液室のインクを局所的に加熱する。プリンタヘッドは、この加熱により、このインク液室に気泡を発生してインク液室の圧力を増大させ、ノズルよりインクを押し出して印刷対象に飛翔させるようになされている。
【0012】
このようなプリンタヘッドにおいては、従来、半導体素子等と発熱素子とを接続する配線パターンの材料にアルミニューム(いわゆるピュアアルミである)が適用され、ドライエッチング工程とウエットエッチング工程とにより所定形状の配線パターンが形成される。具体的に例えば特開2001−130003号公報に開示されているように、スパッタリング法によりアルミニュームによる配線パターン材料層を堆積した後、フォトリソグラフィーパターニング工程、塩素系ガスを用いたドライエッチング工程により発熱素子上を除く部位について配線パターン材料層を加工し、これらの部位に配線パターンを形成する。さらに燐酸を主成分とする薬液を用いたウエットエッチング工程により発熱素子上の配線パターン材料層を除去し、これにより発熱素子を露出させるようになされている。
【0013】
このようなアルミニュームによる配線パターンにおいては、電流の導通により電子がアルミニューム原子に衝突し、その結果アルミニューム原子が移動する現象であるエレクトロマイグレーションが起こる。このためプリンタヘッドにおいては、十分な膜厚により配線パターンを作成し、エレクトロマイグレーションによる局所的な配線パターンの欠損を防止するようになされている。
【0014】
これに対して近年の半導体集積回路一般においては、配線パターンの材料にシリコン、銅等を添加したアルミニュームが適用される。このシリコン、銅等を添加したアルミニュームにおいては、アルミニュームの粒界中にシリコン、銅等が存在する状態であり、これら粒界中のシリコン、銅等がアルミニュームの粒界を補強し、エレクトロマイグレーションを防止するようになされている。
【0015】
【特許文献1】
特開2001−130003号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところでプリンタヘッドにおいても、シリコン、銅等を添加したアルミニュームを配線パターンの材料に適用することにより、信頼性を向上することができると考えられる。
【0017】
しかしながらプリンタヘッドにおいては、このようなシリコン、銅等を添加したアルミニュームを配線パターンの材料に適用する場合、図9(A)及び(B)に示すように、発熱素子を露出させる際のウエットエッチング工程において発熱素子上に残渣が残ってしまう。
【0018】
すなわちウエットエッチング工程で使用する燐酸系の薬液は、アルミニュームについては溶解することができるものの、シリコン、銅等については溶解することができない。これによりプリンタヘッドにおいては、発熱素子上にシリコン、銅等による残渣が発生する。このような残渣においては、半導体製造工程において最も避けなければならない発塵源である。これによりプリンタヘッドにおいては、配線パターンにシリコン、銅等を添加したアルミニュームを適用すると、却って信頼性が低下する問題がある。
【0019】
また従来の配線パターン作成工程においては、塩素系ガスによるドライエッチング工程と燐酸系の薬液によるウエットエッチング工程とを併用しなければならず、その分プリンタヘッドの製造に時間を要する問題もある。因みにこの問題は、特開2002−79679号公報においても指摘されている。
【0020】
なおこれらの問題を解決する1つの方法として、発熱素子上を除く部位の配線パターン材料層をドライエッチングする際に、同時に発熱素子上の配線パターン材料層を除去することが考えられるが、このようなドライエッチングに供する塩素系ガスにおいては、配線パターンのみならず、タンタル系材料からなる下層の発熱素子もエッチングしてしまう欠点がある。
【0021】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、シリコン又は銅を添加したアルミニューム等を配線パターンに用いて信頼性を確保することができる液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置を提案しようとするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため請求項1の発明においては、発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドの製造方法に適用して、所定の基板上に発熱素子材料膜を成膜する発熱素子材料膜の作成工程と、発熱素子の上層に、エッチングストッパー材料層を成膜するエッチングストッパー材料層の作成工程と、第1のエッチングガスによりドライエッチングして、発熱素子の形状によりエッチングストッパー材料層を選択的にパターニングする第1のドライエッチング工程と、第2のエッチングガスによりドライエッチングして、発熱素子材料膜を選択的にパターニングする第2のドライエッチング工程と、エッチングストッパー材料層の上層に、配線パターン材料層を形成する配線パターン材料層の作成工程と、配線パターン材料層を第3のエッチングガスによりドライエッチングして、配線パターンを作成する第3のドライエッチング工程とを有するようにする。
【0023】
また請求項4の発明においては、発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドに適用して、所定の基板上に発熱素子材料膜、エッチングストッパー材料層を順次成膜した後、エッチングストッパー材料層、発熱素子材料膜を順次パターニングして発熱素子が形成され、発熱素子の上層に配線パターン材料層を成膜した後、パターニングして発熱素子の配線パターンが形成され、エッチングストッパー材料層が、配線パターン、発熱素子のパターニングに供するエッチングガスによってはエッチング困難で、かつ所定のエッチングガスにより容易にエッチング可能な材料により形成されてなるようにする。
【0024】
また請求項6の発明においては、液体吐出ヘッドに設けられた発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出装置に適用して、液体吐出ヘッドが、所定の基板上に発熱素子材料膜、エッチングストッパー材料層を順次成膜した後、エッチングストッパー材料層、発熱素子材料膜を順次パターニングして発熱素子が形成され、発熱素子の上層に配線パターン材料層を成膜した後、パターニングして発熱素子の配線パターンが形成され、エッチングストッパー材料層が、配線パターン、発熱素子のパターニングに供するエッチングガスによってはエッチング困難で、かつ所定のエッチングガスにより容易にエッチング可能な材料により形成されてなるようにする。
【0025】
請求項1の構成によれば、液体吐出ヘッドの製造方法に適用して、所定の基板上に発熱素子材料膜を成膜する発熱素子材料膜の作成工程と、発熱素子の上層に、エッチングストッパー材料層を成膜するエッチングストッパー材料層の作成工程と、第1のエッチングガスによりドライエッチングして、発熱素子の形状によりエッチングストッパー材料層を選択的にパターニングする第1のドライエッチング工程と、第2のエッチングガスによりドライエッチングして、発熱素子材料膜を選択的にパターニングする第2のドライエッチング工程と、エッチングストッパー材料層の上層に、配線パターン材料層を形成する配線パターン材料層の作成工程と、配線パターン材料層を第3のエッチングガスによりドライエッチングして、配線パターンを作成する第3のドライエッチング工程とを有することにより、第3のドライエッチング工程により発熱素子を侵すことなく配線パターン材料層を除去することができる。これによりシリコン又は銅を添加したアルミニューム等を配線パターンに用いることができ、配線パターンに通電したときにエレクトロマイグレーションを防止することができる分、信頼性を確保することができる。
【0026】
これにより請求項4、請求項6の構成によれば、シリコン又は銅を添加したアルミニューム等を配線パターンに用いて信頼性を確保することができる液体吐出ヘッド及び液体吐出装置を提供することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0028】
(1)実施の形態の構成
図1は、本発明の実施の形態に係るプリンタに適用されるプリンタヘッドを示す断面図である。プリンタヘッド1は、発熱素子2の上層にエッチングストッパー層3が形成され、さらにこのエッチングストッパー層3の上層に、シリコンまたは銅を添加したアルミニュームによる配線パターン4が形成される。
【0029】
すなわち図2(A)に示すように、プリンタヘッド1は、ウエハによるシリコン基板5が洗浄された後、シリコン窒化膜(Si )が堆積される。続いてプリンタヘッド1は、リソグラフィー工程、リアクティブエッチング工程によりシリコン基板5が処理され、これによりトランジスタを形成する所定領域以外の領域よりシリコン窒化膜が取り除かれる。これらによりプリンタヘッド1には、シリコン基板5上のトランジスタを形成する領域にシリコン窒化膜が形成される。
【0030】
続いてプリンタヘッド1は、熱酸化工程によりシリコン窒化膜が除去されている領域に熱シリコン酸化膜が形成され、この熱シリコン酸化膜によりトランジスタを分離するための素子分離領域(LOCOS: Local Oxidation Of Silicon )6が膜厚500〔nm〕により形成される。なおこの素子分離領域6は、その後の処理により最終的に膜厚260〔nm〕に形成される。さらに続いてプリンタヘッド1は、シリコン基板5が洗浄された後、トランジスタ形成領域にタングステンシリサイド/ポリシリコン/熱酸化膜構造のゲートが作成される。さらにソース・ドレイン領域を形成するためのイオン注入工程、熱処理工程によりシリコン基板5が処理され、MOS(Metal−Oxide−Semiconductor )型によるトランジスタ7、8等が作成される。なおここでスイッチングトランジスタ7は、25〔V〕程度の耐圧を有するMOS型ドライバートランジスタであり、発熱素子の駆動に供するものである。これに対してスイッチングトランジスタ8は、このドライバートランジスタを制御する集積回路を構成するトランジスタであり、5〔V〕の電圧により動作するものである。なおこの実施の形態においては、ゲート/ドレイン間に低濃度の拡散層が形成され、その部分で加速される電子の電解を緩和することで耐圧を確保してドライバートランジスタ7が形成されるようになされている。
【0031】
このようにしてシリコン基板5上に、半導体素子であるトランジスタ7、8が作成されると、プリンタヘッド1は、続いてCVD(Chemical Vapor Deposition )法によりリンが添加されたシリコン酸化膜であるPSG(Phosphorus Silicate Glass )膜、ボロンとリンが添加されたシリコン酸化膜であるBPSG(Boron Phosphorus Silicate Glass)膜9が順次膜厚100〔nm〕、500〔nm〕により作成され、これにより全体として膜厚が600〔nm〕による1層目の層間絶縁膜が作成される。
【0032】
続いてフォトリソグラフィー工程の後、C /CO/O /Ar系ガスを用いたリアクティブイオンエッチング法によりシリコン半導体拡散層(ソース・ドレイン)上にコンタクトホール10が作成される。
【0033】
さらにプリンタヘッド1は、希フッ酸により洗浄された後、スパッタリング法により、膜厚30〔nm〕によるチタン、膜厚70〔nm〕による窒化酸化チタンバリアメタル、膜厚30〔nm〕によるチタン、シリコンが1〔at%〕添加されたアルミニューム、または銅が0.5〔at%〕添加されたアルミニュームが膜厚500〔nm〕により順次堆積される。続いてプリンタヘッド1は、反射防止膜である窒化酸化チタン(TiON)が膜厚25〔nm〕により堆積され、これらにより配線パターン材料が成膜される。さらに続いてプリンタヘッド1は、フォトリソグラフィー工程、ドライエッチング工程により、成膜された配線パターン材料が選択的に除去され、1層目の配線パターン11が作成される。プリンタヘッド1は、このようにして作成された1層目の配線パターン11により、駆動回路を構成するMOS型トランジスタ8を接続してロジック集積回路が形成される。
【0034】
続いてプリンタヘッド1は、TEOS(テトラエトキシシラン:Si(OC )を原料ガスとしたCVD法により層間絶縁膜であるシリコン酸化膜が堆積される。続いてプリンタヘッド1は、SOG(Spin On Glass )を含む塗布型シリコン酸化膜の塗布とエッチバックとにより、シリコン酸化膜が平坦化され、これらの工程が2回繰り返されて1層目の配線パターン11と続く2層目の配線パターンとを絶縁する膜厚440〔nm〕のシリコン酸化膜による2層目の層間絶縁膜12が形成される。
【0035】
プリンタヘッド1は、続いて図2(B)に示すように、反応性スパッタリング法により膜厚50〜100〔nm〕によりタンタルが堆積され、これによりシリコン基板5上に発熱素子材料膜13が形成される。さらに続いて図3(C)に示すように、反応性スパッタリング法により膜厚20〜50〔nm〕によりエッチングストッパー材料層14が堆積され、この実施の形態では、このエッチングストッパー材料層14のパターニングによりエッチングストッパー層3が作成される。
【0036】
ここでエッチングストッパー層3は、配線パターン4のドライエッチングから発熱素子2を保護する保護層である。このためエッチングストッパー材料層14は、配線パターン4のドライエッチングガスによりエッチング困難な材料により形成される。またこの実施の形態においては、下層の発熱素子2のパターニングに利用できるように、発熱素子2のドライエッチングによりエッチング困難であり、かつ発熱素子2をエッチング困難なドライエッチングガスにより容易にエッチング可能な材料により作成される。
【0037】
具体的にこの場合、エッチングストッパー材料層14には、タングステン(W)又はタングステンナイトライド(WN)を適用することができ、この実施の形態では、タングステンナイトライドを適用する。また配線パターン4のドライエッチングにおいては塩素系ガスを、エッチングストッパー層3のドライエッチングにおいてはフッ素系ガスを、発熱素子2のドライエッチングにおいては塩素系ガスをそれぞれ適用する。
【0038】
すなわち図7は、タングステンのフッ化物、塩化物、配線パターン4に用いる材料の1つであるアルミニュームのフッ化物、塩化物、発熱素子2に用いる材料の1つであるタンタルのフッ化物、塩化物の沸点をそれぞれ示す図表である。この図表によれば、タングステン、アルミニューム、タンタルの塩化物WCl 、AlCl 、TaCl においては、それぞれ沸点が275.6度、182.7度、242度であることにより、塩素系ガスによるドライエッチングは、アルミニューム、タンタルについてはエッチング可能であるものの、タングステンについてはエッチング困難であることが判る。
【0039】
またタングステン、アルミニューム、タンタルのフッ化物WF 、AlF 、TaF においては、それぞれ沸点が17.5度、1260度、229度であることにより、フッ素系ガスによるドライエッチングは、塩素系ガスとは逆にタングステンについてはエッチング可能であるものの、アルミニューム、タンタルについてはエッチング困難であることが判る。これによりこの実施の形態では、エッチングストッパー層3により配線パターン4のドライエッチングから発熱素子2を保護し、かつ発熱素子2のドライエッチングする際のマスクとしてエッチングストッパー層3を利用し、さらには発熱素子材料膜13をエッチング困難なフッ素系ガスによるドライエッチングにより容易にエッチングストッパー層3を作成するようになされている。
【0040】
またタングステンナイトライドにおいては、発熱素子2を構成するタンタルとほぼ比抵抗(200〜300〔μΩ−cm〕)が等しい。これによりプリンタヘッド1では、発熱素子2に通電した時にエッチングストッパー層3への電力集中を防止し、エッチングストッパー層3を作成したことによる発熱素子2の抵抗値の低下を有効に回避するようになされている。
【0041】
かくするにつきこの実施の形態においては、この発熱素子材料膜の成膜工程とエッチングストッパー材料層の成膜工程とを同一装置により実行するようになされ、これによりプリンタヘッド1の表面を大気に曝露することなく、発熱素子材料膜13の上層にエッチングストッパー材料層14を成膜するようになされている。
【0042】
具体的にプリンタヘッド1は、DCマグネトロン・スパッタリング装置内のスパッタ成膜チェンバーに搭載された後、初めにタンタルがターゲットに設定されたアルゴンガス雰囲気によりグロー放電が開始され、これによりタンタルによる発熱素子材料膜13が成膜される。
【0043】
プリンタヘッド1は、続いて大気曝露することなく、同一スパッタリング装置内の異なるスパッタ成膜チェンバーに搬送された後、タングステンがターゲットに設定されたアルゴン及び窒素による混合ガス雰囲気で直流スパッタリング処理され、これによりタンタル膜13の上層にタングステンナイトライドによるエッチングストッパー材料層14が成膜される。
【0044】
なおこの実施の形態では、成膜温度200〔度〕、直流印加電力2〜4〔kW〕により発熱素子材料膜13、エッチングストッパー材料層14を成膜した。また発熱素子材料膜13の成膜工程において、アルゴンガス流量は、25〔sccm〕に設定した。これに対してエッチングストッパー材料層14の成膜工程において、アルゴンガス流量、窒素ガス流量は、それぞれ25〔sccm〕、5〜25〔sccm〕に設定した。
【0045】
プリンタヘッド1は、続いて図3(D)に示すように、フォトリソグラフィー工程、パターニング工程、第1のエッチングガスであるフッ素系ガス(SF /O ガス)を用いたドライエッチング工程によりタングステンナイトライド膜が選択的にパターニングされ、これにより所定形状のエッチングストッパー層3が作成され、さらにはエッチングストッパー層3を除く部位において下層のタンタル膜13が露出される。
【0046】
続いてプリンタヘッド1は、第2のエッチングガスである塩素系ガス(BCl /Cl ガス)を用いたドライエッチング工程により露出したタンタル膜13が除去される。このときエッチングストッパー層3にあっては、塩素系ガスを用いたドライエッチングにより殆ど侵されないことにより、このエッチングストッパー層3が下層のタンタル膜13のマスクとして機能し、エッチングストッパー層3と同一形状により発熱素子2が作成される。なおこの実施の形態においては、正方形形状により発熱素子2、エッチングストッパー層3が形成されるようになされている。
【0047】
このようにして発熱素子2、エッチングストッパー層3が形成されると、続いてプリンタヘッド1は、フォトリソグラフィー工程、CHF /CF /Arガスを用いたドライエッチング工程により層間絶縁膜12に開口を形成してビアホール15が作成される。
【0048】
さらに図4(E)に示すように、プリンタヘッド1は、スパッタリング法により、膜厚200〔nm〕によるチタン、シリコンを1〔at%〕添加したアルミニューム、または銅を0.5〔at%〕添加したアルミニュームが膜厚600〔nm〕により順次堆積される。続いてプリンタヘッド1は、膜厚25〔nm〕による窒化酸化チタンが堆積され、これにより反射防止膜が形成される。これらによりプリンタヘッド1は、シリコン又は銅を添加したアルミニューム等による配線パターン材料層16が成膜される。
【0049】
続いて図5(F)に示すように、フォトリソグラフィー工程、第3のエッチングガスである塩素系ガス(BCl /Cl ガス)を用いたドライエッチング工程により成膜した配線パターン材料層16が選択的に除去され、2層目の配線パターン4が作成される。すなわちプリンタヘッド1は、BCl /Cl ガスによるプラズマ中の塩素ラジカル(Clラジカル)と、配線パターン材料層16の構成材料との反応により、塩化アルミニューム(AlCl )、塩化シリコン(SiCl )、塩化銅(CuCl)等の塩化物が生成される。プリンタヘッド1は、基板温度が200度以下に保持されてこれらの塩化物が揮発し、これにより余剰な配線パターン材料層16が除去されて配線パターン4が作成される。
【0050】
プリンタヘッド1は、このドライエッチング工程において、同時に発熱素子2上の配線パターン材料層16が除去され、下層のエッチングストッパー層3が露出する。これによりプリンタヘッド1は、BCl /Cl ガスによるプラズマ中にエッチングストッパー層3の表面が曝露され、塩素ラジカルとタングステンとの反応によりエッチングストッパー層3の表面に塩化物が生成される。この塩化物においては、塩化アルミニューム等に比して沸点が高く、プリンタヘッド1が保持された温度では揮発しにくい。これにより図8に示すように、プリンタヘッド1は、事前に作成されたエッチングストッパー層3が塩素系ガスを用いた配線パターンのドライエッチングにより殆ど侵されないことにより、このエッチングストッパー層3により下層の発熱素子2を保護することができ、配線パターン材料層16のみを発熱素子2上から除去することができるようになされている。
【0051】
なおこの実施の形態においては、このドライエッチング工程において、オーバーエッチングするように、配線パターン材料層16の膜厚に対するエッチング時間に対して1.2〜1.3倍の時間をエッチング時間に設定するようになされ、これにより余剰な配線パターン材料層16を確実に除去し、このような配線パターン材料層16が取り残されてなることによる配線パターン間のショートを十分に防止するようになされている。
【0052】
プリンタヘッド1は、このようにして作成された2層目の配線パターン4により、電源用の配線パターン、アース用の配線パターンが作成され、またドライバートランジスタ7を発熱素子2に接続する配線パターンが作成される。
【0053】
続いて図5(G)に示すように、プリンタヘッド1は、CVD法によりインク保護層、絶縁層として機能するシリコン窒化膜17が膜厚300〜400〔nm〕により堆積される。さらに熱処理炉において、4%の水素を添加した窒素ガスの雰囲気中で、又は100%の窒素ガス雰囲気中で、400度、60分間の熱処理が実施される。これによりプリンタヘッド1は、トランジスタ7、8の動作が安定化され、さらに1層目の配線パターン11と2層目の配線パターン4との接続が安定化されてコンタクト抵抗が低減される。
【0054】
プリンタヘッド1は、続いてDCマグネトロン・スパッタリング装置内のスパッタ成膜チェンバーに搭載された後、スパッタリング法によりβ−タンタルによる耐キャビテーション層18の材料膜が膜厚200〔nm〕により堆積される。続いて図6(H)に示すように、プリンタヘッド1は、フォトレジスト工程、BCl /Cl ガスを用いたドライエッチング工程により、耐キャビテーション層18の材料膜が所定形状によりエッチング処理され、これにより耐キャビテーション層18が形成される。
【0055】
プリンタヘッド1は、続いて図1に示すように有機系樹脂によるドライフィルム21が圧着により配置された後、インク液室24、インク流路に対応する部位が取り除かれ、その後硬化され、これによりインク液室24の隔壁、インク流路の隔壁等が作成される。
【0056】
また続いて各チップにスクライビングされた後、オリフィスプレート22が積層される。ここでオリフィスプレート22は、発熱素子2の上に微小なインク吐出口であるノズル23を形成するように所定形状に加工された板状部材であり、ドライフィルム21上に接着により保持される。これによりプリンタヘッド1は、ノズル23、インク液室24、このインク液室24にインクを導くインク流路等が形成されて作成される。
【0057】
プリンタヘッド1は、このようなインク液室24が紙面の奥行き方向に連続するように形成され、これによりラインヘッドを構成するようになされている。
【0058】
(2)実施の形態の動作
以上の構成において、プリンタヘッド1は、半導体基板であるシリコン基板5に素子分離領域6が作成されて半導体素子であるトランジスタ7、8が作成され、絶縁層9により絶縁されて1層目の配線パターン11が作成される。また続いてエッチングストッパー層3、発熱素子2が作成された後、2層目の配線パターン4が作成される。さらに絶縁保護層17が作成された後、熱処理により配線パターン間、配線パターンと発熱素子等との間の接続が安定化され、耐キャビテーション層18、インク液室24、ノズル23が順次形成されて作成される(図1〜図6)。
【0059】
このプリンタは、このようにして作成されたプリンタヘッド1のインク液室にインクが導かれ、トランジスタ7、8による発熱素子2の駆動により、インク液室24に保持したインクが加熱されて気泡が発生し、この気泡によりインク液室24内の圧力が急激に増大する。プリンタでは、この圧力の増大によりインク液室24のインクがノズル23からインク液滴として飛び出し、このインク液滴が対象物である用紙等に付着する。
【0060】
プリンタでは、このような発熱素子2の駆動が間欠的に繰り返され、これにより所望の画像等が対象物に印刷される。またプリンタヘッド1においては、この発熱素子2の間欠的な駆動により、インク液室24内において、気泡の発生、気泡の消滅が繰り返され、これにより機械的な衝撃であるキャビテーションが発生する。プリンタヘッド1では、このキャビテーションによる機械的な衝撃が耐キャビテーション層18により緩和され、これにより耐キャビテーション層18により発熱素子2が保護される。また絶縁保護層17、耐キャビテーション層18により発熱素子2へのインクの直接の接触が防止され、これによっても発熱素子2が保護される。
【0061】
この実施の形態に係るプリンタヘッド1においては、このような発熱素子2の駆動に係るトランジスタ7、8等を接続する1層目の配線パターン11、2層目の配線パターン4がシリコンまたは銅を添加したアルミニューム等により作成される。これによりプリンタヘッド1では、配線パターン11、4のエレクトロマイグレーションを防止することができ、その分信頼性を確保することができる。
【0062】
またプリンタヘッド1では、この2層目の配線パターン4が、ドライエッチングによる配線パターン材料層16のパターニングにより発熱素子2上に作成される。このためプリンタヘッド1では、塩素系ガスによる配線パターン4のドライエッチングから発熱素子2を保護するエッチングストッパー層3がタングステンナイトライドにより発熱素子2上に事前に作成される。このタングステンナイトライドにおいては、塩素系ガスによるドライエッチングによりエッチング困難な材料であり、かつフッ素系ガスによるドライエッチングにより容易にエッチング可能な材料である(図7)。これによりプリンタヘッド1では、このタングステンナイトライドによるエッチングストッパー材料層14のパターニングによりエッチングストッパー層3が作成され、さらに塩素系ガスにより発熱素子材料膜13をパターニングする際にエッチングストッパー層3がマスクとして利用され、これによりエッチングストッパー層3と同一形状の発熱素子2が作成される。
【0063】
プリンタヘッド1では、このようにして事前に作成されたエッチングストッパー層3により塩素系ガスによる配線パターン4のドライエッチングから発熱素子2が保護され(図8)、これにより発熱素子2を侵すことなく配線パターン材料層16のみを除去することができる。
【0064】
またこのような配線パターン4のドライエッチングにおいては、塩素系ガスを用いたドライエッチング工程により発熱素子2上の配線パターン材料層16を同時に除去することにより、従来に比して工程数を削減することができ、これによりプリンタヘッド1の製造に要する時間を短縮することができる。
【0065】
またこのような配線パターン4のドライエッチングにおいては、配線パターン材料層16の膜厚に対するエッチング時間に対して1.2〜1.3倍の時間をエッチング時間に設定してオーバーエッチングし、これにより余剰な配線パターン材料層16を確実に除去することができ、このような配線パターン材料層16が取り残されてなることによる配線パターン間のショートを十分に防止することができ、その分信頼性を確保することができる。
【0066】
またこのように発熱素子2の保護層として機能するエッチングストッパー層3に適用されるタングステンナイトライドにおいては、半導体製造プロセスで十分に実用実績のある材料であり、かつ既存の製造プロセスを利用するものであり、これにより製造プロセスにおいて、十分な信頼性を確保することができる。
【0067】
またこのエッチングストッパー層3に適用されるタングステンナイトライドにおいては、タンタルによる発熱素子2とほぼ比抵抗が等しく、これによりプリンタヘッド1では、発熱素子2に通電した時にエッチングストッパー層3への電力集中を防止し、エッチングストッパー層3を作成したことによる発熱素子2の抵抗値の低下を有効に回避することができる。
【0068】
(3)実施の形態の効果
以上の構成によれば、エッチングストッパー層を発熱素子上に事前に作成し、このエッチングストッパー層により配線パターンのドライエッチングから発熱素子を保護することにより、シリコン又は銅を添加したアルミニュームを配線パターンに用いることができ、これにより配線パターンのエレクトロマイグレーションを防止して十分な信頼性を確保することができる。
【0069】
すなわちこのエッチングストッパー層が、第1のエッチングガスにより容易にエッチング可能な材料であり、かつ第2及び第3のエッチングガスによりエッチング困難な材料により形成されることにより、第3のエッチングガスによる配線パターン材料層のドライエッチングから発熱素子を保護することができ、これにより発熱素子を侵すことなく配線パターン材料層のみを除去することができる。
【0070】
より具体的に、タングステンナイトライドによるエッチングストッパー材料層、タンタルによる発熱素子材料膜を成膜し、第1のエッチングガスであるフッ素系ガスによるドライエッチングによりパターニングしてエッチングストッパー層を作成し、このエッチングストッパー層をマスクとして第2のエッチングガスである塩素系ガスによるドライエッチングにより発熱素子材料膜をパターニングして発熱素子を作成した後、さらにシリコン又は銅を添加したアルミニュームによる2層目の配線パターン材料層を成膜し、第3のエッチングガスである塩素系ガスによるドライエッチングによりパターニングして配線パターンを作成することにより、配線パターンのドライエッチングにより発熱素子を侵すことなく配線パターン材料層のみを除去することができる。これによりシリコン又は銅を添加したアルミニュームを配線パターンに用いることができ、配線パターンに通電した時にエレクトロマイグレーションを防止することができる分、信頼性を確保することができる。
【0071】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、シリコン又は銅を添加したアルミニュームにより配線パターンを作成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、銅により配線パターンを作成する場合等、種々の材料を配線パターンの材料に広く適用することができる。
【0072】
また上述の実施の形態においては、タングステンナイトライドによりエッチングストッパー層を形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、タングステンナイトライドに代えてタングステンを適用する場合等、塩素系ガスによりエッチング困難な材料であり、かつフッ素系ガスにより容易にエッチング可能な材料であれば、種々の材料を広く適用することができる。なおタングステンを適用する場合、DCマグネトロン・スパッタリング装置によりタングステンをターゲットに設定したアルゴンガス雰囲気で直流スパッタリング処理し、これによりタングステンによるエッチングストッパー材料層を成膜する。さらにフォトリソグラフィー工程、パターニング工程、フッ素系ガスを用いたドライエッチング工程を経、これによりエッチングストッパー材料層を選択的にパターニングしてエッチングストッパー層を作成することができる。因みにこのようなエッチングストッパー材料層の成膜工程においては、例えば基板温度200〔℃〕、直流印加電力2〜4〔kW〕、アルゴンガス流量25〔sccm〕に設定して成膜することができる。
【0073】
また上述の実施の形態においては、配線パターン材料層、エッチングストッパー材料層、発熱素子材料膜をそれぞれ塩素系ガス、フッ素系ガス、塩素系ガスでエッチングする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これら配線パターン材料層、エッチングストッパー材料層、発熱素子材料膜を各工程で選択的にエッチングすることが可能な種々のドライエッチング用ガスを広く適用することができる。
【0074】
また上述の実施の形態においては、タンタルにより発熱素子を形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これに代えてタンタルナイトライド(TaN)、タンタルアルミ(TaAl)等のタンタル化合物により発熱素子を形成する場合に広く適用することができる。
【0075】
また上述の実施の形態においては、正方形形状により発熱素子、エッチングストッパー層を形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、折り返し形状により発熱素子、エッチングストッパー層を形成する場合等、種々の形状により発熱素子を形成する場合に広く適用することができる。
【0076】
また上述の実施の形態においては、スパッタリング法によりエッチングストッパー材料層を成膜する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、スパッタリング法に代えて、CVD法により成膜する場合に広く適用することができる。
【0077】
また上述の実施の形態においては、本発明をプリンタヘッドに適用してインク液滴を飛び出させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、インク液滴に代えて各種染料の液滴、保護層形成用の液滴等であるプリンタヘッド、さらには液滴が試薬等であるマイクロディスペンサー、各種測定装置、各種試験装置、液滴がエッチングより部材を保護する薬剤である各種のパターン描画装置等に広く適用することができる。
【0078】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、エッチングストッパー層を発熱素子上に事前に作成し、このエッチングストッパー層により配線パターンのドライエッチングから発熱素子を保護することにより、シリコン又は銅を添加したアルミニューム等を配線パターンに用いて信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るプリンタヘッドを示す断面図である。
【図2】図1のプリンタヘッドの作成工程の説明に供する断面図である。
【図3】図2の続きを示す断面図である。
【図4】図3の続きを示す断面図である。
【図5】図4の続きを示す断面図である。
【図6】図5の続きを示す断面図である。
【図7】エッチングストッパー層の材料の説明に供する図表である。
【図8】配線パターンのドライエッチングの説明に供する断面図である。
【図9】従来のプリンタヘッドにおける発熱素子をその周辺構成と共に示す断面図である。
【符号の説明】
1……プリンタヘッド、2……発熱素子、3……エッチングストッパー層、4、11……配線パターン、5……シリコン基板、7、8……トランジスタ、13……発熱素子材料膜、14……エッチングストッパー材料層、16……配線パターン材料層

Claims (6)

  1. 発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドの製造方法において、
    所定の基板上に前記発熱素子材料膜を成膜する発熱素子材料膜の作成工程と、前記発熱素子の上層に、エッチングストッパー材料層を成膜するエッチングストッパー材料層の作成工程と、
    第1のエッチングガスによりドライエッチングして、前記発熱素子の形状により前記エッチングストッパー材料層を選択的にパターニングする第1のドライエッチング工程と、
    第2のエッチングガスによりドライエッチングして、前記発熱素子材料膜を選択的にパターニングする第2のドライエッチング工程と、
    前記エッチングストッパー材料層の上層に、配線パターン材料層を形成する配線パターン材料層の作成工程と、
    前記配線パターン材料層を第3のエッチングガスによりドライエッチングして、配線パターンを作成する第3のドライエッチング工程とを有する
    ことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記エッチングストッパー材料層が、
    前記第1のエッチングガスにより容易にエッチング可能な材料であり、
    かつ前記第2及び第3のエッチングガスによりエッチング困難な材料により形成された
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記配線パターン材料層が、シリコンを添加したアルミニューム又は銅を添加したアルミニュームによる材料層であり、
    前記第1のエッチングガスが、フッ素系ガスであり、
    前記第2及び第3のエッチングガスが、塩素系ガスであり、
    前記発熱素子材料膜が、タンタル又はタンタル化合物による材料膜であり、
    前記エッチングストッパー材料層が、タングステンナイトライド又はタングステンによる材料層である
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドにおいて、
    所定の基板上に発熱素子材料膜、エッチングストッパー材料層を順次成膜した後、前記エッチングストッパー材料層、前記発熱素子材料膜を順次パターニングして前記発熱素子が形成され、
    前記発熱素子の上層に配線パターン材料層を成膜した後、パターニングして前記発熱素子の配線パターンが形成され、
    前記エッチングストッパー材料層が、
    前記配線パターン、前記発熱素子のパターニングに供するエッチングガスによってはエッチング困難で、
    かつ所定のエッチングガスにより容易にエッチング可能な材料により形成された
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  5. 前記配線パターン材料層が、シリコンを添加したアルミニューム又は銅を添加したアルミニュームによる材料層であり、
    前記発熱素子材料膜が、タンタル又はタンタル化合物による材料膜であり、
    前記エッチングストッパー材料層が、タングステンナイトライド又はタングステンによる材料層である
    ことを特徴とする請求項4に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 液体吐出ヘッドに設けられた発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出装置において、
    前記液体吐出ヘッドが、
    所定の基板上に発熱素子材料膜、エッチングストッパー材料層を順次成膜した後、前記エッチングストッパー材料層、前記発熱素子材料膜を順次パターニングして前記発熱素子が形成され、
    前記発熱素子の上層に配線パターン材料層を成膜した後、パターニングして前記発熱素子の配線パターンが形成され、
    前記エッチングストッパー材料層が、
    前記配線パターン、前記発熱素子のパターニングに供するエッチングガスによってはエッチング困難で、
    かつ所定のエッチングガスにより容易にエッチング可能な材料により形成された
    ことを特徴とする液体吐出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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