JP2001129475A - 複層塗装鋼板 - Google Patents
複層塗装鋼板Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 亜鉛系めっき鋼板または亜鉛−アルミニウム
系合金めっき鋼板の表面にポリアニリンおよび/または
その誘導体とリン酸とを含有する熱硬化型樹脂の下塗り
塗膜が形成された複層塗装鋼板において、下塗り塗膜の
塗膜密着性を改善したものを提供する。 【解決手段】 下塗り塗膜形成前に前記めっき鋼板の表
面にNiを0.6mg/m2以上付着させる。
系合金めっき鋼板の表面にポリアニリンおよび/または
その誘導体とリン酸とを含有する熱硬化型樹脂の下塗り
塗膜が形成された複層塗装鋼板において、下塗り塗膜の
塗膜密着性を改善したものを提供する。 【解決手段】 下塗り塗膜形成前に前記めっき鋼板の表
面にNiを0.6mg/m2以上付着させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛系めっき鋼板また
は亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼板の表面にポリア
ニリンおよび/またはその誘導体とリン酸とを含有する
熱硬化型樹脂の下塗り塗膜が形成された複層塗装鋼板に
おいて、下塗り塗膜の塗膜密着性を改善したものに関す
る。
は亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼板の表面にポリア
ニリンおよび/またはその誘導体とリン酸とを含有する
熱硬化型樹脂の下塗り塗膜が形成された複層塗装鋼板に
おいて、下塗り塗膜の塗膜密着性を改善したものに関す
る。
【0002】
【従来技術】家電製品や器物の部材で、塗装を施すもの
の製造は、素材に塗装鋼板を使用して、それらを加工す
る方法で多くの場合行われている。ここで、塗装鋼板と
しては、亜鉛系めっき鋼板や亜鉛−アルミニウム系合金
めっき鋼板にリン酸塩処理やクロメ−ト処理のような塗
装前処理を施すことにより、その表面に化成処理皮膜を
形成した後、その上に防錆顔料を含有する熱硬化型樹脂
の下塗り塗膜と着色顔料を含有する熱硬化型樹脂の上塗
り塗膜を順次形成した複層塗膜のものが一般に使用され
ている。
の製造は、素材に塗装鋼板を使用して、それらを加工す
る方法で多くの場合行われている。ここで、塗装鋼板と
しては、亜鉛系めっき鋼板や亜鉛−アルミニウム系合金
めっき鋼板にリン酸塩処理やクロメ−ト処理のような塗
装前処理を施すことにより、その表面に化成処理皮膜を
形成した後、その上に防錆顔料を含有する熱硬化型樹脂
の下塗り塗膜と着色顔料を含有する熱硬化型樹脂の上塗
り塗膜を順次形成した複層塗膜のものが一般に使用され
ている。
【0003】この塗装鋼板では、リン酸塩処理でもシ−
リングにクロム酸を使用するため、化成処理皮膜には通
常クロム化合物が含有されている。また、下塗り塗膜で
使用する防錆顔料も耐食性の良好なものを使用しようと
すると、クロム系のもの(例えば、クロム酸ストロンチ
ウム)になるので、下塗り塗膜にもクロム化合物が含ま
れている場合が多い。しかし、このような化成処理皮膜
や塗膜にクロム化合物の含まれているものは、環境問題
の高まりから、近年嫌われる傾向にある。
リングにクロム酸を使用するため、化成処理皮膜には通
常クロム化合物が含有されている。また、下塗り塗膜で
使用する防錆顔料も耐食性の良好なものを使用しようと
すると、クロム系のもの(例えば、クロム酸ストロンチ
ウム)になるので、下塗り塗膜にもクロム化合物が含ま
れている場合が多い。しかし、このような化成処理皮膜
や塗膜にクロム化合物の含まれているものは、環境問題
の高まりから、近年嫌われる傾向にある。
【0004】塗装鋼板にクロム化合物が含まれないよう
にするには、塗装前処理をシリカ系、リン酸塩系などの
非クロム系にして、クロム酸によるシ−リング処理を中
止し、また、下塗り塗膜の防錆顔料をシリカ系、変性シ
リカ系、モリブデン酸系、バナジン酸系、リン酸系など
に変更すればよいのであるが、塗装前処理がクロメ−ト
処理で、下塗り塗膜の防錆顔料がクロム系である場合よ
り塗膜密着性や耐食性が劣ってしまう。
にするには、塗装前処理をシリカ系、リン酸塩系などの
非クロム系にして、クロム酸によるシ−リング処理を中
止し、また、下塗り塗膜の防錆顔料をシリカ系、変性シ
リカ系、モリブデン酸系、バナジン酸系、リン酸系など
に変更すればよいのであるが、塗装前処理がクロメ−ト
処理で、下塗り塗膜の防錆顔料がクロム系である場合よ
り塗膜密着性や耐食性が劣ってしまう。
【0005】そこで、クロム化合物を使用しない塗装鋼
板として、化成処理皮膜を形成せずに、亜鉛系めっき鋼
板や亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼板の表面に防錆
顔料の代わりにポリアニリンおよび/またはその誘導体
とリン酸とを含有させた熱硬化型樹脂塗料により下塗り
塗膜を直接形成し、その上にさらに着色顔料を含有する
熱硬化型樹脂塗料により上塗り塗膜を形成したものが提
案されている(特開平8−92479号公報、同11−
21505号公報)。この塗装鋼板で複層塗装鋼板の耐
食性を従来のクロメ−ト処理の実施、クロム系防錆顔料
使用の場合に近づけるには、ポリアニリンおよび/また
はその誘導体の含有量を塗料樹脂100に対して20〜
100重量部、リン酸含有量を0.1〜70重量部にす
る必要があったが、ポリアニリンやその誘導体を含有さ
せると、下塗り塗膜の塗膜密着性が低下し、家電製品や
器物の部材製造に使用すると、塗膜剥離を起こす場合が
あった。
板として、化成処理皮膜を形成せずに、亜鉛系めっき鋼
板や亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼板の表面に防錆
顔料の代わりにポリアニリンおよび/またはその誘導体
とリン酸とを含有させた熱硬化型樹脂塗料により下塗り
塗膜を直接形成し、その上にさらに着色顔料を含有する
熱硬化型樹脂塗料により上塗り塗膜を形成したものが提
案されている(特開平8−92479号公報、同11−
21505号公報)。この塗装鋼板で複層塗装鋼板の耐
食性を従来のクロメ−ト処理の実施、クロム系防錆顔料
使用の場合に近づけるには、ポリアニリンおよび/また
はその誘導体の含有量を塗料樹脂100に対して20〜
100重量部、リン酸含有量を0.1〜70重量部にす
る必要があったが、ポリアニリンやその誘導体を含有さ
せると、下塗り塗膜の塗膜密着性が低下し、家電製品や
器物の部材製造に使用すると、塗膜剥離を起こす場合が
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、化成処理皮
膜を形成せずに、亜鉛系めっき鋼板または亜鉛−アルミ
ニウム系合金めっき鋼板の表面にポリアニリンおよび/
またはその誘導体とリン酸とを含有する熱硬化型樹脂塗
料により下塗り塗膜の形成された複層塗装鋼板におい
て、下塗り塗膜の塗膜密着性を改善したものを提供する
ものである。
膜を形成せずに、亜鉛系めっき鋼板または亜鉛−アルミ
ニウム系合金めっき鋼板の表面にポリアニリンおよび/
またはその誘導体とリン酸とを含有する熱硬化型樹脂塗
料により下塗り塗膜の形成された複層塗装鋼板におい
て、下塗り塗膜の塗膜密着性を改善したものを提供する
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の複層塗装鋼板
は、亜鉛系めっき鋼板または亜鉛−アルミニウム系合金
めっき鋼板の表面にポリアニリンおよび/またはその誘
導体とリン酸とを含有する塗料により下塗り塗膜の形成
された複層塗装鋼板において、下塗り塗膜形成前に前記
めっき鋼板の表面にNiを0.6mg/m2以上付着させ
ることを特徴としている。
は、亜鉛系めっき鋼板または亜鉛−アルミニウム系合金
めっき鋼板の表面にポリアニリンおよび/またはその誘
導体とリン酸とを含有する塗料により下塗り塗膜の形成
された複層塗装鋼板において、下塗り塗膜形成前に前記
めっき鋼板の表面にNiを0.6mg/m2以上付着させ
ることを特徴としている。
【0008】
【作用】本発明者らは、下塗り塗膜にポリアニリンとリ
ン酸とを含有する塗料を使用した複層塗装めっき鋼板の
耐食性を損なうことなく塗膜密着性を向上させる方法を
種々検討した結果、亜鉛系めっき鋼板または亜鉛−アル
ミニウム系合金めっき鋼板の表面にNiを付着させる塗
装前処理を施せばよいことを見いだしたのである。この
Ni付着による塗膜密着性改善効果はポリアニリンとリ
ン酸とを含有しない塗料の塗装に対して適用してもほと
んど得られないので、原理は不明であるが、塗料中のポ
リアニリンとリン酸が付着Niに関与して、塗膜密着性
を改善しているものと考えられる。Ni付着量は0.6
mg/m2未満であると、十分なる塗膜密着性が得られ
ない。しかし、Ni付着量が多くなって、例えば、10
00mg/m2(約0.1μm相当)より多くなると、塗
膜密着性はまた低下する。これはめっき鋼板表面大部分
がNiで覆われ、ポリアニリンとリン酸とが付着Niに
関与しなくなるためと考えられる。このため、Ni付着
量はNiが島状に付着する範囲に管理するのが好まし
い。めっき鋼板の表面にNiを付着させるには、めっき
鋼板をNi塩水溶液に浸漬するとか、その水溶液を塗布
もしくはスプレ−するとかして、乾燥すればよい。Ni
を付着させる前には必要に応じて脱脂、酸洗などの処理
を施し、Niを付着させた後は、非クロメ−ト系化成処
理を施してもよい。
ン酸とを含有する塗料を使用した複層塗装めっき鋼板の
耐食性を損なうことなく塗膜密着性を向上させる方法を
種々検討した結果、亜鉛系めっき鋼板または亜鉛−アル
ミニウム系合金めっき鋼板の表面にNiを付着させる塗
装前処理を施せばよいことを見いだしたのである。この
Ni付着による塗膜密着性改善効果はポリアニリンとリ
ン酸とを含有しない塗料の塗装に対して適用してもほと
んど得られないので、原理は不明であるが、塗料中のポ
リアニリンとリン酸が付着Niに関与して、塗膜密着性
を改善しているものと考えられる。Ni付着量は0.6
mg/m2未満であると、十分なる塗膜密着性が得られ
ない。しかし、Ni付着量が多くなって、例えば、10
00mg/m2(約0.1μm相当)より多くなると、塗
膜密着性はまた低下する。これはめっき鋼板表面大部分
がNiで覆われ、ポリアニリンとリン酸とが付着Niに
関与しなくなるためと考えられる。このため、Ni付着
量はNiが島状に付着する範囲に管理するのが好まし
い。めっき鋼板の表面にNiを付着させるには、めっき
鋼板をNi塩水溶液に浸漬するとか、その水溶液を塗布
もしくはスプレ−するとかして、乾燥すればよい。Ni
を付着させる前には必要に応じて脱脂、酸洗などの処理
を施し、Niを付着させた後は、非クロメ−ト系化成処
理を施してもよい。
【0009】本発明で塗膜密着性を改善できる亜鉛系め
っき鋼板としては、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっ
き鋼板、亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板、Zn−5%A
l合金めっき鋼板、Zn−6%Al−3%Mg合金めっ
き鋼板などが、また、亜鉛−アルミニウム系合金めっき
鋼板としては、Zn−55%Al合金めっき鋼板が挙げ
られる。
っき鋼板としては、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっ
き鋼板、亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板、Zn−5%A
l合金めっき鋼板、Zn−6%Al−3%Mg合金めっ
き鋼板などが、また、亜鉛−アルミニウム系合金めっき
鋼板としては、Zn−55%Al合金めっき鋼板が挙げ
られる。
【0010】また、下塗り塗膜形成用塗料に含有させる
ポリアニリン、その誘導体は、アニリンやその誘導体の
酸化重合体単体のみならず、特開平8−92479号公
報に記載のように、アクセプタ−型のド−パントでド−
プした導電性のものでもよい。このポリアニリンやその
誘導体は塗料樹脂100重量部に対して20重量部より
少ないと、耐食性が劣り、100重量部より多いと、め
っき鋼板表面にNiを付着させても、塗膜密着性が低下
してしまう。
ポリアニリン、その誘導体は、アニリンやその誘導体の
酸化重合体単体のみならず、特開平8−92479号公
報に記載のように、アクセプタ−型のド−パントでド−
プした導電性のものでもよい。このポリアニリンやその
誘導体は塗料樹脂100重量部に対して20重量部より
少ないと、耐食性が劣り、100重量部より多いと、め
っき鋼板表面にNiを付着させても、塗膜密着性が低下
してしまう。
【0011】さらに、リン酸は、特開平11−2150
5号公報に記載のように、めっき鋼板表面にリン酸塩皮
膜を形成できるものであればよく、例えば、正リン酸、
ポリリン酸、あるいはこれらの金属塩などである。この
リン酸含有量は塗料樹脂100重量部に対して0.1重
量部より少ないと、塗膜密着が劣り、70重量部より多
いと、塗膜性能が劣化する。
5号公報に記載のように、めっき鋼板表面にリン酸塩皮
膜を形成できるものであればよく、例えば、正リン酸、
ポリリン酸、あるいはこれらの金属塩などである。この
リン酸含有量は塗料樹脂100重量部に対して0.1重
量部より少ないと、塗膜密着が劣り、70重量部より多
いと、塗膜性能が劣化する。
【0012】下塗り塗膜形成用塗料の樹脂としては、エ
ポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエス
テル樹脂のように熱硬化性のものが好ましい。塗料には
ポリアニリンもしくはその誘導体とリン酸のほかに添加
剤を含有させることも可能である。例えば、体質顔料、
着色顔料、カップリング剤、無機ゾル(シリカゾル、ア
ルミナゾル、チタニアゾル、ジルコニアゾルなど)など
である。亜鉛系めっき鋼板への塗装は公知方法で行い、
焼き付け乾燥する。塗膜厚は乾燥塗膜厚で1〜20μ
m、好ましくは3〜10μmにするのが望ましい。1μ
mより薄いと、塗膜密着性、耐食性が不十分であり、2
0μmより厚くしても、塗膜性能は20μmの場合と変
わらない。
ポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエス
テル樹脂のように熱硬化性のものが好ましい。塗料には
ポリアニリンもしくはその誘導体とリン酸のほかに添加
剤を含有させることも可能である。例えば、体質顔料、
着色顔料、カップリング剤、無機ゾル(シリカゾル、ア
ルミナゾル、チタニアゾル、ジルコニアゾルなど)など
である。亜鉛系めっき鋼板への塗装は公知方法で行い、
焼き付け乾燥する。塗膜厚は乾燥塗膜厚で1〜20μ
m、好ましくは3〜10μmにするのが望ましい。1μ
mより薄いと、塗膜密着性、耐食性が不十分であり、2
0μmより厚くしても、塗膜性能は20μmの場合と変
わらない。
【0013】焼き付け乾燥した下塗り塗膜の上には、通
常、着色顔料を含有する上塗り塗膜を形成するが、この
塗膜も熱硬化型樹脂塗料を公知方法で塗装して、焼き付
け乾燥する方法で形成するのが望ましい。乾燥塗膜厚は
耐食性、加工性などを考慮すると、10〜20μmにす
るのが好ましい。
常、着色顔料を含有する上塗り塗膜を形成するが、この
塗膜も熱硬化型樹脂塗料を公知方法で塗装して、焼き付
け乾燥する方法で形成するのが望ましい。乾燥塗膜厚は
耐食性、加工性などを考慮すると、10〜20μmにす
るのが好ましい。
【0014】
【実施例】実施例1 板厚0.5mmの溶融亜鉛めっき鋼板[めっき付着量4
5g/m2(片面)]に脱脂処理、酸洗処理を施した
後、65℃のNi系表面調整剤[日本ペイント(株)製
NPコンディショナ−500]に0〜50秒浸漬して、
表面にNiを0.3〜100mg/m2付着させた。次
に、このめっき鋼板の表面に、エポキシ変性ポリエステ
ル樹脂100重量部に対してスルホン酸ド−プポリアニ
リンを60重量部、正リン酸を1重量部、酸化チタン粉
末を39重量部添加した下塗り塗料を乾燥塗膜厚で5μ
mになるように塗装して、215℃で50秒間焼き付け
乾燥した。その後、さらに着色顔料を含有する高分子ポ
リエステル上塗り塗料を乾燥塗膜厚で17μmになるよ
うに塗装して、230℃で50秒間焼き付け乾燥し、塗
装鋼板とした。また、上記下塗り塗料を下記のもののい
ずれか1種に変更した塗装鋼板も製造した。 (A)エポキシ変性ポリエステル樹脂100重量部に対
して正リン酸を1重量部と酸化チタン粉末を99重量部
とを添加したもの (B)エポキシ変性ポリエステル樹脂100重量部に対
してスルホン酸ド−プポリアニリンを60重量部と酸化
チタン粉末を20重量部とを添加したもの (C)エポキシ変性ポリエステル樹脂100重量部に対
して酸化チタン粉末を39重量部添加したもの 得られた塗装鋼板の下塗り塗膜組成と塗膜厚を表1に示
す。また、塗装鋼板に加工密着性試験、耐食性試験を次
の要領で実施した結果を表2に示す。
5g/m2(片面)]に脱脂処理、酸洗処理を施した
後、65℃のNi系表面調整剤[日本ペイント(株)製
NPコンディショナ−500]に0〜50秒浸漬して、
表面にNiを0.3〜100mg/m2付着させた。次
に、このめっき鋼板の表面に、エポキシ変性ポリエステ
ル樹脂100重量部に対してスルホン酸ド−プポリアニ
リンを60重量部、正リン酸を1重量部、酸化チタン粉
末を39重量部添加した下塗り塗料を乾燥塗膜厚で5μ
mになるように塗装して、215℃で50秒間焼き付け
乾燥した。その後、さらに着色顔料を含有する高分子ポ
リエステル上塗り塗料を乾燥塗膜厚で17μmになるよ
うに塗装して、230℃で50秒間焼き付け乾燥し、塗
装鋼板とした。また、上記下塗り塗料を下記のもののい
ずれか1種に変更した塗装鋼板も製造した。 (A)エポキシ変性ポリエステル樹脂100重量部に対
して正リン酸を1重量部と酸化チタン粉末を99重量部
とを添加したもの (B)エポキシ変性ポリエステル樹脂100重量部に対
してスルホン酸ド−プポリアニリンを60重量部と酸化
チタン粉末を20重量部とを添加したもの (C)エポキシ変性ポリエステル樹脂100重量部に対
して酸化チタン粉末を39重量部添加したもの 得られた塗装鋼板の下塗り塗膜組成と塗膜厚を表1に示
す。また、塗装鋼板に加工密着性試験、耐食性試験を次
の要領で実施した結果を表2に示す。
【0015】(1)1次および2次加工密着性試験 1次加工密着性は、20℃で0T180°曲げ加工を行
った後、加工部にセロテ−プを貼付て剥離するテ−プ剥
離を行い、次の基準で塗膜剥離状態を評価した。また、
2次加工密着性は塗装鋼板を沸騰水に2時間浸漬して、
常温常湿で乾燥した後、1次加工密着性と同様の試験を
行い、同様の基準で評価した。 記号 塗膜剥離状態 ◎ 加工部に異常がなかったもの ○ 塗膜に微小な剥離が1〜2点認められたもの △ 塗膜剥離が数点以上認められたもの ◇ 塗膜の大部分が剥離したもの × 塗膜が全面剥離したもの
った後、加工部にセロテ−プを貼付て剥離するテ−プ剥
離を行い、次の基準で塗膜剥離状態を評価した。また、
2次加工密着性は塗装鋼板を沸騰水に2時間浸漬して、
常温常湿で乾燥した後、1次加工密着性と同様の試験を
行い、同様の基準で評価した。 記号 塗膜剥離状態 ◎ 加工部に異常がなかったもの ○ 塗膜に微小な剥離が1〜2点認められたもの △ 塗膜剥離が数点以上認められたもの ◇ 塗膜の大部分が剥離したもの × 塗膜が全面剥離したもの
【0016】(2)耐食性試験 平板の上端を0T加工し、平板部にクロスカットを入れ
た塗装鋼板に対して、JIS Z 2371に準拠した
塩水噴霧試験を35℃で240時間施し、下バリ端面
部、クロスカット部、0T加工部の腐食状態を次の基準
で評価した。 (a)下バリ端面部 記号 腐食状態 ◎ フクレ幅が3mm以下のもの ○ フクレ幅が3mm超〜5mm以下のもの △ フクレ幅が5mm超〜10mm以下のもの × フクレ幅が10mm超のもの
た塗装鋼板に対して、JIS Z 2371に準拠した
塩水噴霧試験を35℃で240時間施し、下バリ端面
部、クロスカット部、0T加工部の腐食状態を次の基準
で評価した。 (a)下バリ端面部 記号 腐食状態 ◎ フクレ幅が3mm以下のもの ○ フクレ幅が3mm超〜5mm以下のもの △ フクレ幅が5mm超〜10mm以下のもの × フクレ幅が10mm超のもの
【0017】(b)クロスカット部 記号 腐食状態 ◎ フクレ幅が1.5mm以下のもの ○ フクレ幅が1.5mm超〜3mm以下のもの △ フクレ幅が3mm超〜5mm以下のもの × フクレ幅が5mm超のもの (c)0T加工部 記号 腐食状態 ◎ 塗膜にフクレまたは錆のなかったもの ○ 極小さな塗膜フクレまたは錆が1〜2点あったも
の △ 塗膜フクレまたは錆が数点以上あったもの ◇ 加工部の大部分に塗膜フクレや錆が発生したもの × 加工部全体に塗膜フクレや錆が発生したもの
の △ 塗膜フクレまたは錆が数点以上あったもの ◇ 加工部の大部分に塗膜フクレや錆が発生したもの × 加工部全体に塗膜フクレや錆が発生したもの
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】実施例2 実施例1において、溶融亜鉛めっき鋼板の代わりにZn
−55%Al合金めっき鋼板[板厚0.5mm、めっき
付着量60g/m2(片面)]を用いた。下塗り塗装、
上塗り塗装の塗料は実施例No.1〜5で使用したもの
と同一である。表3にNi付着量と塗装鋼板の加工密着
性、耐食性の各試験結果を表3に示す。
−55%Al合金めっき鋼板[板厚0.5mm、めっき
付着量60g/m2(片面)]を用いた。下塗り塗装、
上塗り塗装の塗料は実施例No.1〜5で使用したもの
と同一である。表3にNi付着量と塗装鋼板の加工密着
性、耐食性の各試験結果を表3に示す。
【0021】
【表3】
【0022】
【発明の効果】以上のように、亜鉛系めっき鋼板または
亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼板の表面にポリアニ
リンおよび/またはその誘導体とリン酸とを含有する塗
料により下塗り塗膜の形成された複層塗装鋼板におい
て、下塗り塗膜形成前に前記めっき鋼板の表面にNiを
0.6mg/m2以上付着させると、下塗り塗膜の塗膜密
着性が向上する。
亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼板の表面にポリアニ
リンおよび/またはその誘導体とリン酸とを含有する塗
料により下塗り塗膜の形成された複層塗装鋼板におい
て、下塗り塗膜形成前に前記めっき鋼板の表面にNiを
0.6mg/m2以上付着させると、下塗り塗膜の塗膜密
着性が向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 179/00 C09D 179/00 201/00 201/00 C23C 18/32 C23C 18/32 (72)発明者 坂井 哲男 千葉県市川市高谷新町7番地の1 日新製 鋼株式会社技術研究所塗装・複合材料研究 部内 Fターム(参考) 4D075 AB01 CA13 DB02 DB05 DB07 EB01 EC10 4F100 AA21H AB03A AB10A AB16D AB16E AB18A AB31A AK41 AK53 AK80B AK80C AL06 BA02 BA03 BA06 BA07 BA10B BA10C CA30 DE01H EH71A GB48 JL11 YY00D YY00E 4J038 DB001 DD001 DD221 DJ002 HA416 HA426 NA03 NA27 PA07 PA19 PC02 4K022 AA02 AA32 BA14 BA31 DA01 DA09 DB29 EA04
Claims (1)
- 【請求項1】 亜鉛系めっき鋼板または亜鉛−アルミ
ニウム系合金めっき鋼板の表面にポリアニリンおよび/
またはその誘導体とリン酸とを含有する塗料により下塗
り塗膜の形成された複層塗装鋼板において、下塗り塗膜
形成前に前記めっき鋼板の表面にNiを0.6mg/m2
以上付着させることを特徴とする複層塗装鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31638499A JP2001129475A (ja) | 1999-11-08 | 1999-11-08 | 複層塗装鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31638499A JP2001129475A (ja) | 1999-11-08 | 1999-11-08 | 複層塗装鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=18076495
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JP31638499A Withdrawn JP2001129475A (ja) | 1999-11-08 | 1999-11-08 | 複層塗装鋼板 |
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JP (1) | JP2001129475A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004209791A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Jfe Steel Kk | 環境調和性及び耐食性に優れたプレコート鋼板 |
JP2004209789A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Jfe Steel Kk | 環境調和性、摺動部耐塗膜剥離性及び耐食性に優れたプレコート鋼板 |
-
1999
- 1999-11-08 JP JP31638499A patent/JP2001129475A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2004209791A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Jfe Steel Kk | 環境調和性及び耐食性に優れたプレコート鋼板 |
JP2004209789A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Jfe Steel Kk | 環境調和性、摺動部耐塗膜剥離性及び耐食性に優れたプレコート鋼板 |
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