JP2001127019A - 金属用研磨液及びそれを用いた基板の研磨方法 - Google Patents

金属用研磨液及びそれを用いた基板の研磨方法

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JP2001127019A
JP2001127019A JP30866799A JP30866799A JP2001127019A JP 2001127019 A JP2001127019 A JP 2001127019A JP 30866799 A JP30866799 A JP 30866799A JP 30866799 A JP30866799 A JP 30866799A JP 2001127019 A JP2001127019 A JP 2001127019A
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copper
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JP30866799A
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Takeshi Uchida
剛 内田
Yasuo Kamigata
康雄 上方
Hiroki Terasaki
裕樹 寺崎
Yasushi Kurata
靖 倉田
Akiko Igarashi
明子 五十嵐
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いCMP速度を発現し、高平坦化、ディッ
シング量低減及びエロージョン量低減を可能とし、信頼
性の高い金属膜の埋め込みパタ−ン形成を可能とする金
属用研磨液及びそれを用いた基板の研磨方法を提供す
る。 【解決手段】 過酸化水素、リンゴ酸、ベンゾトリアゾ
ール、ポリアクリル酸アンモニウム及び水を含有する金
属用研磨液。金属用研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに
供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを
相対運動させて研磨する研磨方法において、上記の金属
用研磨液を用いて研磨する基板の研磨方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に半導体デバイ
スの配線工程における金属用研磨液及びそれを用いた研
磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路(以下LSIと記
す)の高集積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術
が開発されている。化学機械研磨(以下CMPと記す)
法もその一つであり、LSI製造工程、特に多層配線形
成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグ形成、
埋め込み配線形成において頻繁に利用される技術であ
る。この技術は、例えば米国特許第4944836号に
開示されている。
【0003】また、最近はLSIを高性能化するため
に、配線材料として銅合金の利用が試みられている。し
かし、銅合金は従来のアルミニウム合金配線の形成で頻
繁に用いられたドライエッチング法による微細加工が困
難である。そこで、あらかじめ溝を形成してある絶縁膜
上に銅合金薄膜を堆積して埋め込み、溝部以外の銅合金
薄膜をCMPにより除去して埋め込み配線を形成する、
いわゆるダマシン法が主に採用されている。この技術
は、例えば特開平2−278822号公報に開示されて
いる。
【0004】金属のCMPの一般的な方法は、円形の研
磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パ
ッド表面を金属用研磨液で浸し、基体の金属膜を形成し
た面を押し付けて、その裏面から所定の圧力(以下研磨
圧力と記す)を加えた状態で研磨定盤を回し、研磨液と
金属膜の凸部との機械的摩擦によって凸部の金属膜を除
去するものである。
【0005】CMPに用いられる金属用研磨液は、一般
には酸化剤及び固体砥粒からなっており必要に応じてさ
らに酸化金属溶解剤、保護膜形成剤が添加される。酸化
によって金属膜表面を酸化し、その酸化層を固体砥粒に
よって削り取るのが基本的なメカニズムと考えられてい
る。凹部の金属表面の酸化層は研磨パッドにあまり触れ
ず、固体砥粒による削り取りの効果が及ばないので、C
MPの進行とともに凸部の金属層が除去されて基体表面
は平坦化される。この詳細についてはジャ−ナル・オブ
・エレクトロケミカルソサエティ誌(Journal of Elect
rochemical Society)の第138巻11号(1991年
発行)の3460〜3464頁に開示されている。
【0006】CMPによる研磨速度を高める方法として
酸化金属溶解剤を添加することが有効とされている。固
体砥粒によって削り取られた金属酸化物の粒を研磨液に
溶解させてしまうと固体砥粒による削り取りの効果が増
すためであると解釈できる。但し、凹部の金属膜表面の
酸化層も溶解(以下エッチングと記す)されて金属膜表
面が露出すると、酸化剤によって金属膜表面がさらに酸
化され、これが繰り返されると凹部の金属膜のエッチン
グが進行してしまい、平坦化効果が損なわれることが懸
念される。これを防ぐためにさらに保護膜形成剤が添加
される。酸化金属溶解剤と保護膜形成剤の効果のバラン
スを取ることが重要であり、凹部の金属膜表面の酸化層
はあまりエッチングされず、削り取られた酸化層の粒が
効率良く溶解されCMPによる研磨速度が大きいことが
望ましい。
【0007】このように酸化金属溶解剤と保護膜形成剤
を添加して化学反応の効果を加えることにより、CMP
速度(CMPによる研磨速度)が向上すると共に、CM
Pされる金属層表面の損傷(ダメ−ジ)も低減される効
果が得られる。
【0008】しかしながら、従来の固体砥粒を含む金属
用研磨液を用いてCMPによる埋め込み配線形成を行う
場合には、(1)埋め込まれた金属配線の表面中央部分
が等方的に腐食されて皿の様に窪む現象(以下ディッシ
ングと記す)の発生、(2)固体砥粒に由来する研磨傷
(スクラッチ)の発生、(3)研磨後の基体表面に残留
する固体砥粒を除去するための洗浄プロセスが複雑であ
ること、(4)固体砥粒そのものの原価や廃液処理に起
因するコストアップ、等の問題が生じる。
【0009】ディッシングや研磨中の銅合金の腐食を抑
制し、信頼性の高いLSI配線を形成するために、グリ
シン等のアミノ酢酸又はアミド硫酸からなる酸化金属溶
解剤及びBTA(ベンゾトリアゾ−ル)を含有する金属
用研磨液を用いる方法が提唱されている。この技術は例
えば特開平8−83780号公報に記載されている。
【0010】銅または銅合金のダマシン配線形成やタン
グステン等のプラグ配線形成等の金属埋め込み形成にお
いては、埋め込み部分以外に形成される層間絶縁膜であ
る二酸化シリコン膜の研磨速度も大きい場合には、層間
絶縁膜ごと配線の厚みが薄くなるシニングが発生する。
その結果、配線抵抗の増加やパターン密度等により抵抗
のばらつきが生じるために、研磨される金属膜に対して
二酸化シリコン膜の研磨速度が十分小さい特性が要求さ
れる。そこで、酸の解離により生ずる陰イオンにより二
酸化シリコンの研磨速度を抑制することにより、研磨液
のpHをpKa−0.5よりも大きくする方法が提唱さ
れている。この技術は、例えば特許第2819196号
公報に記載されている。
【0011】一方、配線の銅或いは銅合金等の下層に
は、層間絶縁膜中への銅拡散防止のためにバリア層とし
て、タンタル、タンタル合金、窒化タンタル、その他の
タンタル化合物等が形成される。したがって、銅或いは
銅合金を埋め込む配線部分以外では、露出したバリア層
をCMPにより取り除く必要がある。しかし、これらの
バリア層導体膜は、銅或いは銅合金に比べ硬度が高いた
めに、銅または銅合金用の研磨材料の組み合わせでは十
分なCMP速度が得られない場合が多い。そこで、銅或
いは銅合金を研磨する第1工程と、バリア層導体を研磨
する第2工程からなる2段研磨方法が検討されている。
【0012】銅或いは銅合金を研磨する第1工程と、バ
リア層を研磨する第2工程からなる2段研磨方法では、
被研磨膜の硬度や化学的性質が異なるために、研磨液の
pH、砥粒及び添加剤等の組成物について、かなり異な
る性質のものが検討されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述のBTAの保護膜
形成効果は非常に高いため、エッチング速度のみならず
CMP速度をも顕著に低下させてしまう。従って、エッ
チング速度を十分に低下させ、且つCMP速度を低下さ
せないような金属用研磨液が望まれていた。また、バリ
ア層として用いられるタンタル、タンタル合金、窒化タ
ンタル、その他のタンタル化合物は、化学的に安定でエ
ッチングが難しく、硬度が高いために機械的な研磨も銅
または銅合金ほど容易ではない。そこで、砥粒の硬度を
上げた場合には、銅または銅合金に研磨キズが発生して
電気特性不良の原因になったり、砥粒の粒子濃度を高く
した場合には、二酸化シリコン膜の研磨速度が大きくな
ってしまいエロージョンが発生するという問題があっ
た。本発明は、高いCMP速度を発現し、高平坦化、デ
ィッシング量低減及びエロージョン量低減を可能とし、
信頼性の高い金属膜の埋め込みパタ−ン形成を可能とす
る金属用研磨液及びそれを用いた基板の研磨方法を提供
するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、過酸化水素、
リンゴ酸、ベンゾトリアゾール、ポリアクリル酸アンモ
ニウム及び水を含有する金属用研磨液である。また、金
属用研磨液のpHが、2〜5であると好ましい。そし
て、過酸化水素の濃度が、6〜10重量%であり、リン
ゴ酸の濃度が、0.07〜0.2重量%であり、ベンゾ
トリアゾールの濃度が、0.1〜0.5重量%であり、
ポリアクリル酸アンモニウムの固形分濃度が、0.01
〜0.08重量%であるとそれぞれ好ましい。また、ポ
リアクリル酸アンモニウムの重量平均分子量が、500
〜500000であることが好ましい。さらに、研磨さ
れる金属膜が、銅、銅合金及び銅または銅合金の酸化物
から選ばれる少なくとも1種を含むものであると好まし
い。そして、本発明は、金属用研磨液を研磨定盤上の研
磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研
磨パッドを相対運動させて研磨する研磨方法において、
上記のいずれかに記載の金属用研磨液を用いて研磨する
基板の研磨方法である。本発明の金属用研磨液を用いて
銅、銅合金及び銅または銅合金の酸化物から選ばれる少
なくとも1種の金属層を含む積層膜からなる金属膜を研
磨する工程によって少なくとも金属膜の一部を除去する
ことができる。本発明の基板の研磨方法は、研磨定盤の
研磨布上に前記の金属用研磨液を供給しながら、被研磨
膜を有する基板を研磨布に押圧した状態で研磨定盤と基
板を相対的に動かすことによって被研磨膜を研磨するこ
とができる。
【0015】本発明の金属用研磨液では、ベンゾトリア
ゾールとポリアクリル酸アンモニウムを組み合わせるこ
とにより、高CMP速度、高平坦化、ディッシング量低
減及びエロージョン量低減の効果を発現する金属用研磨
液を提供することができる。ベンゾトリアゾールは、銅
とキレ−ト錯体を生じやすく、その金属表面保護膜形成
効果は極めて強く、例えば金属用研磨液中に0.5重量
%以上を含ませると銅合金膜はエッチングはおろかCM
Pすらされなくなる。
【0016】これに対して本発明者等は、ベンゾトリア
ゾールとポリアクリル酸アンモニウムを併用することに
より、十分に低いエッチング速度を維持したまま、高い
CMP速度が得られることを見出した。しかもこのよう
な金属用研磨液を用いることにより、研磨液に固体砥粒
を含ませなくとも実用的なCMP速度での研磨が可能に
なることを見出した。これは従来の固体砥粒の摩擦によ
る削り取りの効果に対して研磨パッドの摩擦による削り
取りが発現されたためと考えられる。
【0017】エッチング速度の値としては、10nm/
min以下に抑制できれば好ましい平坦化効果が得られ
ることが分かった。CMP速度の低下が許容できる範囲
であればエッチング速度はさらに低い方が望ましく、5
nm/min以下に抑制できれば、例えば50%程度の
過剰CMP(金属膜をCMP除去するに必要な時間の
1.5倍のCMPを行うこと)を行ってもディッシング
は問題とならない程度に留まる。さらにエッチング速度
を1nm/min以下に抑制できれば、100%以上の
過剰CMPを行ってもディッシングは問題とならない。
本発明の金属用研磨液は、過酸化水素、リンゴ酸、ベン
ゾトリアゾール、ポリアクリル酸アンモニウム及び水を
含有するが、砥粒を添加することもできる。本発明の金
属用研磨液は、pHが2〜5になるように調整すること
が好ましい。pHが、2未満であるとエッチング速度が
大きくなり、5を超えて大きいとCMP速度が小さくな
る。pHは、ポリアクリル酸アンモニウム、酸、アルカ
リの添加量により調整することができ、例えば、アンモ
ニア、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムハ
イドライド等のアルカリ成分の添加により調整可能であ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明においては、表面に凹部を
有する基体上に銅、銅合金(銅/クロム等)を含む金属
膜を形成・充填する。この基体を本発明による金属用研
磨液を用いてCMPすると、基体の凸部の金属膜が選択
的にCMPされて、凹部に金属膜が残されて所望の導体
パタ−ンが得られる。本発明の金属用研磨液では、実質
的に固体砥粒を含まなくとも良く、固体砥粒よりもはる
かに機械的に柔らかい研磨パッドとの摩擦によってCM
Pが進むために研磨傷は劇的に低減される。本発明の金
属用研磨液は、過酸化水素、リンゴ酸、ベンゾトリアゾ
ール、ポリアクリル酸アンモニウム及び水を必須成分と
し、固体砥粒は実質的に含まれなくとも良いが、使用す
ることも可能である。
【0019】本発明の金属用研磨液を適用する金属膜と
しては、銅、銅合金及び銅または銅合金の酸化物(以下
銅合金という)から選ばれた少なくとも1種を含む積層
膜であると好ましい。
【0020】本発明で使用する過酸化水素の配合量は、
過酸化水素、リンゴ酸、ベンゾトリアゾール、ポリアク
リル酸アンモニウム及び水の総量100gに対して、
0.1〜24重量%とすることが好ましく、1〜17重
量%とすることがより好ましく、6〜10重量%とする
ことが特に好ましい。この配合量が、0.1重量%未満
では、金属の酸化が不十分でCMP速度が低く、24重
量%を超えると、研磨面に荒れが生じる傾向がある。
【0021】本発明で使用するリンゴ酸の配合量は、過
酸化水素、リンゴ酸、ベンゾトリアゾール、ポリアクリ
ル酸アンモニウム及び水の総量100gに対して0〜
0.7gとすることが好ましく、0.007〜0.35
gとすることがより好ましく、0.07g〜0.2gと
することが特に好ましい。この配合量が0.7gを超え
ると、エッチングの抑制が困難となる傾向がある。
【0022】本発明で使用するベンゾトリアゾールの配
合量は、過酸化水素、リンゴ酸、ベンゾトリアゾール、
ポリアクリル酸アンモニウム及び水の総量100gに対
して0.01〜2gとすることが好ましく0.03〜1
gとすることがより好ましく、0.1〜0.5gとする
ことが特に好ましい。この配合量が0.01g未満で
は、エッチングの抑制が困難となる傾向があり、2gを
超えるとCMP速度が低くなってしまう傾向がある。
【0023】本発明で使用するポリアクリル酸アンモニ
ウムの配合量は、過酸化水素、リンゴ酸、ベンゾトリア
ゾール、ポリアクリル酸アンモニウム及び水の総量10
0gに対して0.001〜0.3重量%とすることが好
ましく、0.003〜0.15重量%とすることがより
好ましく0.01〜0.08重量%とすることが特に好
ましい。この配合量が0.001重量%未満では、エッ
チング抑制において保護膜形成剤との併用効果が現れな
い傾向があり、0.3重量%を超えるとCMP速度が低
下してしまう傾向がある。ポリアクリル酸アンモニウム
の重量平均分子量は、500以上とすることが好まし
く、1000〜500000とすることがより好まし
く、2000〜50000とすることが特に好ましい。
重量平均分子量の上限は特に規定するものではないが、
溶解性の観点から500万以下である。重量平均分子量
が500未満では高いCMP速度が発現しない傾向にあ
る。
【0024】本発明の金属用研磨液を用いた基板の研磨
方法は、金属用研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給
し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対
運動させて研磨する研磨方法である。研磨する装置とし
ては、被研磨面を有する半導体基板等を保持するホルダ
ーと研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモー
タ等を取り付けてある)研磨定盤を有する一般的な研磨
装置が使用できる。研磨パッドとしては、一般的な不織
布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用で
き、特に制限がない。研磨条件には制限はないが、研磨
定盤の回転速度は基板が飛び出さないように200rp
m以下の低回転が好ましい。被研磨面(被研磨膜)を有
する半導体基板の研磨パッドへの押しつけ圧力が9.8
〜98.1KPa(100〜1000gf/cm2)で
あることが好ましく、研磨速度のウエハ面内均一性及び
パターンの平坦性を満足するためには、9.8から4
9.0KPa(100〜500gf/cm2)であるこ
とがより好ましい。研磨している間、研磨パッドには金
属用研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量
に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆わ
れていることが好ましい。研磨終了後の半導体基板は、
流水中で良く洗浄後、スピンドライヤ等を用いて半導体
基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させるこ
とが好ましい。
【0025】本発明は、ベンゾトリアゾールのみを用い
た金属用研磨液とは異なり、固体砥粒による強い機械的
摩擦に頼らなくとも、それよりもはるかに柔らかい研磨
パッドとの摩擦によってCMP平坦化が可能である金属
用研磨液を提供することができる。この金属用研磨液に
おいてはベンゾトリアゾールとポリアクリル酸アンモニ
ウムを併用したことにより、エッチングは抑制するが研
磨パッドによる摩擦に対しては金属表面保護膜として機
能せずにCMPが進行すると推定される。一般にCMP
においては研磨傷の発生の度合いは固体砥粒の粒径や粒
径分布や形状に依存し、絶縁膜の削れによる膜厚減少
(以下エロ−ジョンと記す)や平坦化効果の劣化はやは
り固体砥粒の粒径や研磨パッドの物理的性質に依存し、
金属膜特に銅膜表面にBTAを処理した場合、金属膜の
ディッシングは研磨パッドの硬さや研磨液の化学的性質
に依存すると考えられる。すなわち、硬い固体砥粒はC
MPの進行には必要ではあるが、CMPにおける平坦化
効果やCMP面の完全性(研磨傷等の損傷がないこと)
を向上させるためには望ましくない。平坦化効果は実際
には固体砥粒よりも柔らかい研磨パッドの特性に依存し
ていることが分かる。このことより、本発明では、固体
砥粒が無くともCMPの進行を実現させたという点で銅
合金のCMP、引いてはそれを用いた埋め込みパタ−ン
の形成に対しては極めて望ましいことが分かる。保護膜
形成剤の内、BTAを例として説明すると、銅合金膜表
面をBTAを含む液にさらすと銅(Cu)もしくはその
酸化物とBTAとの反応により、Cu(l)BTAまた
はCu(ll)BTAの構造を主骨格とするポリマ状錯化
合物皮膜を形成すると考えられる。この皮膜はかなり強
固で、BTA 1重量%を含む金属用研磨液を用いた場
合、当該研磨液に固体砥粒が含まれていたとしても、一
般にはほとんど研磨されない。また、本発明におけるポ
リアクリル酸アンモニウムを単独で金属用研磨液中で用
いた場合、特にエッチング速度の抑制が困難となり、保
護効果は十分でない。このように保護膜形成剤の種類に
応じて異なる種類の保護膜が形成されることは従来から
知られていたが、本発明で示したベンゾトリアゾールと
ポリアクリル酸アンモニウムの組み合わせであれば高い
CMP速度と低いエッチング速度を両立でき、しかも固
体砥粒による強い摩擦が不要となる。
【0026】
【実施例】 以下、実施例により本発明を具体的に説明
する。本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。(研磨液作製方法) DL−リンゴ酸(試薬特
級)0.15重量部に水70重量部を加えて溶解し、こ
れにベンゾトリアゾール0.2重量部を溶解したメタノ
−ル0.8重量部溶液を加えた。さらに重量平均分子量
が2000〜6000のポリアクリル酸アンモニウム
0.05重量部(固形分量)を加えた。最後に過酸化水
素水(試薬特級、30重量%水溶液)33.2重量部を
加えて得られたものを金属用研磨液とした。 (実施例1〜3及び比較例1〜3)表1に示した各種分
子量の保護膜形成剤を用いて配合した上記の金属用研磨
液を用いて、下記の研磨条件でCMPを行った。(研磨
条件) 基体:厚さ1μmの銅膜を形成したシリコン基
板 研磨パッド:IC1000(ロデ−ル社製商品名、
独立気泡を持つ発泡ポリウレタン樹脂 研磨圧力:2
0.6KPa(210gf/cm2) 基体と研磨定盤
との相対速度:36m/min(研磨品評価項目) CMP速度:銅膜のCMP前後での膜厚差を電気抵抗値
から換算して求めた。 エッチング速度:25℃、100rpmで攪拌した金属
用研磨液への浸漬前後の銅層厚差を電気抵抗値から換算
して求めた。 また、実際のCMP特性を評価するため、絶縁層中に深
さ0.5μmの溝を形成して公知のスパッタ法によって
銅膜を形成して公知の熱処理によって埋め込んだシリコ
ン基板についても基体として用いてCMPを行った。C
MP後の基体の目視、光学顕微鏡観察、及び電子顕微鏡
観察によりエロ−ジョン及び研磨傷発生の有無を確認し
た。その結果、何れの実施例、比較例でもエロ−ジョン
及び研磨傷の発生は見られなかった。実施例1〜3及び
比較例1〜3における、CMP速度及びエッチング速度
の評価結果を表1に示した。
【0027】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 項目 成分A 成分B 成分C CMP速度 エッチンク゛速度 (分子量MW) (nm/min) (nm/min) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例 1 リンコ゛酸 ヘ゛ンソ゛トリアソ゛ール ホ゜リアクリル酸アンモニウム 145 0.2 (2000) 実施例 2 リンコ゛酸 ヘ゛ンソ゛トリアソ゛ール ホ゜リアクリル酸アンモニウム 185 0.2 (6000) 実施例 3 リンコ゛酸 ヘ゛ンソ゛トリアソ゛ール ホ゜リアクリル酸アンモニウム 295 0.4 (25000) 比較例 1 リンコ゛酸 ヘ゛ンソ゛トリアソ゛ール (なし) 80 0.7 比較例 2 リンコ゛酸 (なし) ホ゜リアクリル酸アンモニウム 115 35.6 (6000) 比較例 3 リンコ゛酸 (なし) (なし) 145 50.6 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0028】比較例1に示したようにベンゾトリアゾー
ルのみ使用すると、CMP速度(研磨速度)が低下す
る。また、比較例2に示すようにポリアクリル酸アンモ
ニウムのみ使用すると、エッチング速度が高くなり、そ
の結果ディッシング量が大きくなる。また、ベンゾトリ
アゾールとポリアクリル酸アンモニウムの両者を用いな
い比較例3でもエッチング速度が高くなり、その結果デ
ィッシング量が大きくなる。これらに対し、実施例1〜
3に示したように、ベンゾトリアゾールとポリアクリル
酸アンモニウムを併用し、水溶性ポリマの重量平均分子
量が2000〜25000であると、エッチング速度が
低いのにも関わらず、CMP速度を大きくできて研磨時
間を短縮できる。しかも、ディッシング量が小さく、高
平坦化できる。
【0029】
【発明の効果】本発明の金属用研磨液は、ベンゾトリア
ゾールとポリアクリル酸アンモニウムを併用することに
より高いCMP速度を発現し信頼性の高い埋め込みパタ
−ンを形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺崎 裕樹 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社総合研究所内 (72)発明者 倉田 靖 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社総合研究所内 (72)発明者 五十嵐 明子 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社総合研究所内 Fターム(参考) 3C058 AA09 CB01 CB03 CB10 DA12 DA17

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過酸化水素、リンゴ酸、ベンゾトリアゾ
    ール、ポリアクリル酸アンモニウム及び水を含有する金
    属用研磨液。
  2. 【請求項2】 金属用研磨液のpHが、2〜5である請
    求項1に記載の金属用研磨液。
  3. 【請求項3】 過酸化水素の濃度が、6〜10重量%で
    ある請求項1または請求項2に記載の金属用研磨液。
  4. 【請求項4】 リンゴ酸の濃度が、0.07〜0.2重
    量%である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の
    金属用研磨液。
  5. 【請求項5】 ベンゾトリアゾールの濃度が、0.1〜
    0.5重量%である請求項1ないし請求項4のいずれか
    に記載の金属用研磨液。
  6. 【請求項6】 ポリアクリル酸アンモニウムの固形分濃
    度が、0.01〜0.08重量%である請求項1ないし
    請求項5のいずれかに記載の金属用研磨液。
  7. 【請求項7】 ポリアクリル酸アンモニウムの重量平均
    分子量が、500〜500000である請求項1ないし
    請求項6のいずれかに記載の金属用研磨液。
  8. 【請求項8】 研磨される金属膜が、銅、銅合金及び銅
    または銅合金の酸化物から選ばれる少なくとも1種を含
    むものである請求項1ないし請求項7のいずれかに記載
    の金属用研磨液。
  9. 【請求項9】 金属用研磨液を研磨定盤上の研磨パッド
    に供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッド
    を相対運動させて研磨する研磨方法において、請求項1
    ないし請求項8のいずれかに記載の金属用研磨液を用い
    て研磨する基板の研磨方法。
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