JP2001125222A - 熱現像感光材料 - Google Patents

熱現像感光材料

Info

Publication number
JP2001125222A
JP2001125222A JP30377999A JP30377999A JP2001125222A JP 2001125222 A JP2001125222 A JP 2001125222A JP 30377999 A JP30377999 A JP 30377999A JP 30377999 A JP30377999 A JP 30377999A JP 2001125222 A JP2001125222 A JP 2001125222A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
silver
silver halide
photosensitive
photosensitive material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30377999A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Goto
賢治 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP30377999A priority Critical patent/JP2001125222A/ja
Priority to EP00122247A priority patent/EP1094361A1/en
Priority to US09/691,309 priority patent/US6468720B1/en
Publication of JP2001125222A publication Critical patent/JP2001125222A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photographic Developing Apparatuses (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱現像処理装置で処理してもカブリ上昇の問
題のない、硬調な画像が得られる熱現像感光材料を提供
する。 【解決手段】 感光性ハロゲン化銀、有機銀塩、銀イオ
ン用還元剤、硬調化剤及びバインダーを含有し、ライン
スピードが15mm/秒以上の自動熱現像機で現像処理
されたときの階調(γ)が6以上である熱現像感光材
料、前記ラインスピードが21mm/秒以上であるこ
と、感光性ハロゲン化銀を含有する感光性層が溶媒単位
重量当たりの60%以上が水である塗布液を塗布して形
成されたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はどの様な現像処理装
置で熱現像してもカブリの上昇を招かない熱現像感光材
料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来印刷製版や医療の分野では、画像形
成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題とな
っており、近年では環境保全、省スペースの観点からも
処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー
・イメージセッターやレーザー・イメージャーにより効
率的な露光が可能で、高解像度で鮮明な黒色画像を形成
することができる写真用途の光熱写真材料に関する技術
が必要とされている。この技術として、例えば、米国特
許第3,152,904号、同3,487,075号及
びD.モーガン(Morgan)による「ドライシルバ
ー写真材料(Dry Silver Photogra
phic Materials)」(Handbook
of Imaging Materials,Mar
cel Dekker,Inc.第48頁,1991)
等に記載されているように、支持体上に有機銀塩、感光
性ハロゲン化銀粒子、還元剤及びバインダーを含有する
熱現像感光材料が知られている。
【0003】これらの熱現像感光材料は、熱現像処理に
て写真画像を形成するもので、還元可能な銀源(有機銀
塩)、感光性ハロゲン化銀、還元剤及び必要に応じて銀
の色調を抑制する色調剤を通常(有機)バインダーマト
リックス中に分散した状態で含有している。該熱現像感
光材料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、8
0〜150℃)に加熱することで現像される。加熱する
ことで有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との
間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元
反応は露光でハロゲン化銀に発生した潜像の触媒作用に
よって促進される。露光領域中の有機銀塩の反応によっ
て生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と
対照をなし、画像の形成がなされる。この反応過程は、
外部から水等の処理液を供給することなしで進行する。
【0004】また、印刷製版用としては硬調な画像を得
られる感光材料が必要であり、その硬調化技術として米
国特許第5,545,505号や同5,464,738
号に記載されているような硬調化剤を使用することが知
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところでヒドラジン誘
導体や4級オニウム塩の様な硬調化剤を含有する熱現像
感光材料は、熱現像処理装置で処理する際、特にライン
スピードが遅い装置で熱現像すると著しいカブリを生ず
る問題がある。
【0006】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、熱現像処理装置で処理してもカブ
リ上昇の問題のない、硬調な画像が得られる熱現像感光
材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、感
光性ハロゲン化銀、有機銀塩、銀イオン用還元剤、硬調
化剤及びバインダーを含有し、ラインスピードが15m
m/秒以上の自動熱現像機で現像処理されたときの階調
(γ)が6以上である熱現像感光材料、前記ラインスピ
ードが21mm/秒以上であること、感光性ハロゲン化
銀を含有する感光性層が溶媒単位重量当たりの60%以
上が水である塗布液を塗布して形成されたこと、によっ
て達成される。
【0008】即ち本発明者は、現像部に搬入される速度
が速く、急激に温度上昇しても硬調性を得られる様な熱
現像感光材料は、カブリの問題も生じず、逆にラインス
ピードが早い自動現像機を用いるとγが低い感光材料で
はカブリが上昇することを見出し本発明に至った。
【0009】本発明の様なγが得られる感光材料の処方
は、感光性ハロゲン化銀、有機銀塩、銀イオン用還元
剤、硬調化剤、更に必要に応じてカブリ防止剤及びバイ
ンダー等の構成素材の組み合わせを吟味して実験的に決
めることができる。そして本発明のγが得られる感光材
料をもって始めて、どの様な熱現像処理装置で処理して
もカブリ上昇の問題なく、硬調な画像を得ることができ
る。
【0010】以下、本発明を詳述する。
【0011】ハロゲン化銀は光センサーとして機能する
ものである。平均粒子サイズは小さい方が好ましく、
0.1μm以下、より好ましくは0.01μm〜0.1
μm、特に0.02μm〜0.08μmが好ましい。こ
こでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体或
いは八面体のいわゆる正常晶である場合には、ハロゲン
化銀粒子の稜の長さをいう。又、正常晶でない場合、例
えば球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合には、ハロ
ゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をい
う。またハロゲン化銀は単分散であることが好ましい。
ここでいう単分散とは、下記式で求められる単分散度が
40以下をいう。更に好ましくは30以下であり、特に
好ましくは0.1以上20以下となる粒子である。
【0012】単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の
平均値)×100 ハロゲン化銀粒子の形状については、特に制限はない
が、ミラー指数〔100〕面の占める割合が高いことが
好ましく、この割合が50%以上、更には70%以上、
特に80%以上であることが好ましい。またもう一つの
好ましいハロゲン化銀の形状は、平板粒子である。ここ
でいう平板粒子とは、投影面積の平方根を粒径rμmと
して垂直方向の厚みをhμmとした場合のアスペクト比
=r/hが3以上のものをいう。その中でも好ましくは
アスペクト比が3以上50以下である。また粒径は0.
1μm以下であることが好ましく、さらに0.01μm
〜0.08μmが好ましい。
【0013】ハロゲン組成としては特に制限はなく、塩
化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化
銀のいずれであってもよい。写真乳剤は酸性法、中性
法、アンモニア法等のいずれの方法を用いて調製しても
よく、又可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形
成としては、片側混合法、同時混合法、それらの組合せ
等のいずれを用いてもよい。このハロゲン化銀はいかな
る方法で画像形成層に添加されてもよく、このときハロ
ゲン化銀は還元可能な銀源に近接するように配置する。
又、ハロゲン化銀は有機酸銀とハロゲンイオンとの反応
による有機酸銀中の銀の一部又は全部をハロゲン化銀に
変換することによって調製してもよいし、ハロゲン化銀
を予め調製しておき、これを有機銀塩を調製するための
溶液に添加してもよく、又はこれらの方法の組み合わせ
も可能であるが、後者が好ましい。一般にハロゲン化銀
は有機銀塩に対して0.75〜30重量%の量で含有す
ることが好ましい。
【0014】本発明に用いられるハロゲン化銀には、周
期表の6族から11族に属する金属イオンを含有するこ
とが好ましい。上記の金属としては、W、Fe、Co、
Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、P
t、Auが好ましい。
【0015】感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フ
ロキュレーション法等、当業界で知られている方法の水
洗により脱塩することができる。また感光性ハロゲン化
銀粒子は化学増感されていることが好ましい。好ましい
化学増感法としては当業界でよく知られているように硫
黄増感法、セレン増感法、テルル増感法、金化合物や白
金、パラジウム、イリジウム化合物等の貴金属増感法や
還元増感法を用いることができる。
【0016】本発明において有機銀塩は還元可能な銀源
であり、還元可能な銀イオン源を含有する有機酸及びヘ
テロ有機酸の銀塩、特に長鎖(10〜30、好ましくは
15〜25の炭素原子数)の脂肪族カルボン酸及び含窒
素複素環が好ましい。配位子が、4.0〜10.0の銀
イオンに対する総安定定数を有する有機又は無機の銀塩
錯体も有用である。好適な銀塩の例は、Researc
h Disclosure第17029及び29963
に記載されている。好ましい銀源はベヘン酸銀、アラキ
ジン酸銀及びステアリン酸銀である。
【0017】有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と
錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正
混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−12764
3号に記載されている様なコントロールドダブルジェッ
ト法等が好ましく用いられる。
【0018】有機銀粒子の平均粒径は0.2〜1.2μ
mであることが好ましく、さらに好ましくは0.35〜
1μmである。また有機銀粒子は単分散であることが好
ましく、好ましくは単分散度が1〜30である。
【0019】感光材料の失透を防ぐためには、ハロゲン
化銀及び有機銀塩の総量は、銀量に換算して1m2当た
り0.5g〜2.2gであることが好ましい。
【0020】好適な還元剤の例は、米国特許第3,77
0,448号、同第3,773,512号、同第3,5
93,863号、及びResearch Disclo
sure第17029及び29963に記載されてい
る。中でも特に好ましい還元剤はヒンダードフェノール
類である。ヒンダードフェノール類としては下記一般式
(A)で表される化合物が挙げられる。
【0021】
【化1】
【0022】式中、Rは水素原子、又は炭素原子数1〜
10のアルキル基(例えば、−C49、2,4,4−ト
リメチルペンチル)を表し、R′及びR″は炭素原子数
1〜5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、t−ブ
チル)を表す。
【0023】一般式(A)で表される化合物の具体例を
以下に示す。ただし、本発明は、以下の化合物に限定さ
れるものではない。
【0024】
【化2】
【0025】
【化3】
【0026】前記一般式(A)で表される化合物を始め
とする還元剤の使用量は好ましくは銀1モル当り1×1
-2〜10モル、特に1×10-2〜1.5モルである。
【0027】本発明の熱現像感光材料は硬調化剤を含有
し、硬調化剤としては、本発明のγを得るにあたって、
以下のものが好ましい。
【0028】下記一般式〔H〕で表されるヒドラジン誘
導体。
【0029】
【化4】
【0030】式中、A0はそれぞれ置換基を有してもよ
い脂肪族基、芳香族基、複素環基又は−G0−D0基を、
0はブロッキング基を表し、A1、A2はともに水素原
子、又は一方が水素原子で他方はアシル基、スルホニル
基又はオキザリル基を表す。ここで、G0は−CO−
基、−COCO−基、−CS−基、−C(=NG11
−基、−SO−基、−SO2−基又は−P(O)(G1
1)−基を表し、G1は単なる結合手、−O−基、−S−
基又は−N(D1)−基を表し、D1は脂肪族基、芳香族
基、複素環基又は水素原子を表し、分子内に複数のD1
が存在する場合、それらは同じであっても異なってもよ
い。D0は水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、
アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル
チオ基、アリールチオ基を表す。
【0031】一般式〔H〕において、A0で表される脂
肪族基は好ましくは炭素数1〜30のものであり、特に
炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が好
ましく、例えば、メチル基、エチル基、t−ブチル基、
オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基が挙げら
れ、これらは更に適当な置換基(例えば、アリール基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ア
リールチオ基、スルホキシ基、スルホンアミド基、スル
ファモイル基、アシルアミノ基、ウレイド基等)で置換
されていてもよい。
【0032】一般式〔H〕において、A0で表される芳
香族基は、単環又は縮合環のアリール基が好ましく、例
えば、ベンゼン環又はナフタレン環が挙げられ、A0
表される複素環基としては、単環又は縮合環で窒素、硫
黄、酸素原子から選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子
を含む複素環が好ましく、例えば、ピロリジン環、イミ
ダゾール環、テトラヒドロフラン環、モルホリン環、ピ
リジン環、ピリミジン環、キノリン環、チアゾール環、
ベンゾチアゾール環、チオフェン環、フラン環が挙げら
れ、A0で表される−G0−D0基において、G0は−CO
−基、−COCO−基、−CS−基、−C(=NG
11)−基、−SO−基、−SO2−基又は−P(O)
(G11)−基を表す。G1は単なる結合手、−O−
基、−S−基又は−N(D1)−基を表し、D1は脂肪族
基、芳香族基、複素環基又は水素原子を表し、分子内に
複数のD1が存在する場合、それらは同じであっても異
なってもよい。D0は水素原子、脂肪族基、芳香族基、
複素環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表し、好ましい
0としては水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ア
ミノ基等が挙げられる。A0の芳香族基、複素環基及び
−G0−D0基は置換基を有していてもよい。A0として
特に好ましいものはアリール基及び−G0−D0基であ
る。
【0033】又、一般式〔H〕において、A0は耐拡散
基又はハロゲン化銀吸着基を少なくとも一つ含むことが
好ましい。耐拡散基としては、カプラー等の不動性写真
用添加剤にて常用されるバラスト基が好ましく、バラス
ト基としては、写真的に不活性であるアルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、フェニル基、
フェノキシ基、アルキルフェノキシ基等が挙げられ、置
換基部分の炭素数の合計は8以上であることが好まし
い。
【0034】一般式〔H〕において、ハロゲン化銀吸着
促進基としては、チオ尿素、チオウレタン基、メルカプ
ト基、チオエーテル基、チオン基、複素環基、チオアミ
ド複素環基、メルカプト複素環基、或いは特開昭64−
90439号に記載の吸着基等が挙げられる。
【0035】一般式〔H〕において、B0はブロッキン
グ基を表し、好ましくは−G0−D0基であり、G0は−
CO−基、−COCO−基、−CS−基、−C(=NG
11)−基、−SO−基、−SO2−基又は−P(O)
(G11)−基を表す。好ましいG0としては−CO−
基、−COCO−基が挙げられ、G1は単なる結合手、
−O−基、−S−基又は−N(D1)−基を表し、D1
脂肪族基、芳香族基、複素環基又は水素原子を表し、分
子内に複数のD1が存在する場合、それらは同じであっ
ても異なってもよい。D0は水素原子、脂肪族基、芳香
族基、複素環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表し、好ま
しいD0としては水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、アミノ基等が挙げられる。A1、A2はともに水素原
子、又は一方が水素原子で他方はアシル基(アセチル
基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基等)、スル
ホニル基(メタンスルホニル基、トルエンスルホニル基
等)、又はオキザリル基(エトキザリル基等)を表す。
【0036】次に一般式〔H〕で表される化合物の具体
例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0037】
【化5】
【0038】
【化6】
【0039】
【化7】
【0040】
【化8】
【0041】
【化9】
【0042】
【化10】
【0043】
【化11】
【0044】下記一般式(H−1)で表されるヒドラジ
ン誘導体。
【0045】
【化12】
【0046】式中、R11、R12及びR13はそれぞれ独立
に置換もしくは無置換のアリール基またはヘテロアリー
ル基を表す。R14はヘテロ環オキシ基、ヘテロアリール
チオ基を表す。A1、A2はともに水素原子或いは一方が
水素原子で他方がアルキルスルホニル基、オキザリル基
又はアシル基を表す。
【0047】一般式(H−1)におけるR11、R12及び
13がいずれもフェニル基であることが好ましい。
【0048】以下に、一般式(H−1)で表される化合
物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0049】
【化13】
【0050】
【化14】
【0051】
【化15】
【0052】下記一般式(H−2)又は一般式(H−
3)で表されるヒドラジン誘導体。
【0053】
【化16】
【0054】式中、R21は置換もしくは無置換のアルキ
ル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。R22
は水素、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ
アリールアミノ基を表す。A1、A2はともに水素原子或
いは一方が水素原子で他方がアルキルスルホニル基、オ
キザリル基又はアシル基を表す。
【0055】
【化17】
【0056】式中、G31,G32は−(CO)p−基、−
C(=S)−、スルホニル基、スルホキシ基、−P(=
O)R33−基又はイミノメチレン基を表し、pは1又は
2の整数を表し、R33はアルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオ
キシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アミ
ノ基を表す。R31、R32は一価の置換基を表す。但し、
31がスルホニル基のとき、G32はカルボニル基ではな
い。A1、A2はともに水素原子或いは一方が水素原子で
他方がアルキルスルホニル基、オキザリル基又はアシル
基を表す。
【0057】一般式(H−3)において、好ましくはG
31とG32がいずれもカルボニル基、またはいずれもスル
ホニル基であること。
【0058】一般式(H−3)において、更に好ましく
はR31,R32の少なくとも一つが、−O−C49(t)
であること。
【0059】以下に、一般式(H−2)及び(H−3)
で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0060】
【化18】
【0061】
【化19】
【0062】
【化20】
【0063】
【化21】
【0064】下記一般式(H−4)で表されるヒドラジ
ン誘導体。
【0065】
【化22】
【0066】式中、R41、R42及びR43はそれぞれ独立
に置換もしくは無置換のアリール基またはヘテロアリー
ル基を表す。R44、R45は無置換または置換アルキル基
を表す。A1、A2はともに水素原子或いは一方が水素原
子で他方がアルキルスルホニル基、オキザリル基又はア
シル基を表す。
【0067】以下に、一般式(H−4)で表される化合
物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0068】
【化23】
【0069】また、下記一般式(A−1)から一般式
(A−5)で表される化合物も本発明に係る硬調化剤と
して用いることができる。
【0070】
【化24】
【0071】一般式(A−1)において、R51はアルキ
ル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、
アミド基、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ
基、アリールチオ基、アニリノ基またはヘテロ環基を表
す。
【0072】一般式(A−2)において、R61,R62
水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ア
ラルキル基、脂肪族または芳香族ヘテロ環基、環状脂肪
族基を表す。
【0073】一般式(A−3)において、R71はヒドロ
キシアルキル基を表し、R72、R73はそれぞれ独立に、
水素原子、アルキル基、−(CH2)n−N−R74(R
75)(nは1〜10の整数、R74,R75はそれぞれ独立
に水素原子、アルキル基)を表す。
【0074】一般式(A−4)において、R81はヒドラ
ジノ基、アルキルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウレ
イド基、オキシカルボニルアミノ基、アルキニル基また
は無置換のアミノ基を表す。R82は水素原子、アルキル
基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Xは水素原
子、アルキル基、カルバモイル基またはオキシカルボニ
ル基を表す。R81とR82とが結合して5員から7員の環
を形成してもよい。
【0075】一般式(A−5)において、EWDは電子
吸引性基を表し、R91、R92およびR93はそれぞれ水素
原子または1価の置換基を表す。但し、R92およびR93
のうちの少なくとも1つは1価の置換基である。EWD
で表される電子吸引性基は、ハメットの置換規定数σp
値が正の値を取りうる置換基のことであり、シアノ基、
アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスル
ホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、ハロゲン
原子、パーフルオロアルキル基、アシル基、ホルミル
基、スルホリル基、カルボキシ基又はその塩、スルホ基
又はその塩、飽和若しくは不飽和のヘテロ環基、アルケ
ニル基、アルキニル基、アシルオキシ基、アシルチオ
基、スルホニルオキシ基、又はこれら電子吸引性基で置
換されたアリール基等が挙げられる。これらの基は置換
基を有していてもよい。
【0076】以下に一般式(A−1)〜(A−5)で表
される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるも
のではない。
【0077】
【化25】
【0078】
【化26】
【0079】
【化27】
【0080】
【化28】
【0081】これら化合物の添加量は、ハロゲン化銀1
モル当たり1×10-8〜1モル程度、好ましくは1×1
-7〜1×10-1モルである。これらは公知の方法で感
光材料中に添加できる。
【0082】また本発明の熱現像感光材料には、米国特
許第5,545,505号に記載のヒドロキシルアミン
化合物、アルカノールアミン化合物やフタル酸アンモニ
ウム化合物、米国特許第5,545,507号に記載の
ヒドロキサム酸化合物、米国特許第5,558,983
号に記載のN−アシル−ヒドラジン化合物、米国特許第
5,545,515号に記載のアクリロニトリロ化合
物、米国特許第5,937,449号に記載のベンズヒ
ドロールやジフェニルフォスフィンやジアルキルピペリ
ジンやアルキル−β−ケトエステルなどの水素原子ドナ
ー化合物、などの硬調化剤を添加することもできる。
【0083】本発明の熱現像感光材料に好適なバインダ
ーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマ
ー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルム
を形成する媒体、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、ポ
リ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロー
ス、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチ
レート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプ
ン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル
酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コ
ポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン
−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエ
ン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビ
ニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポ
リ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹
脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、
ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、
セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。親水
性でも疎水性でもよいが、本発明においては、熱現像後
のカブリを低減させるために、疎水性透明バインダーを
使用することが好ましい。好ましいバインダーとして
は、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セ
ルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタンなどがあげ
られる。その中でもポリビニルブチラール、セルロース
アセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエ
ステルは特に好ましく用いられる。
【0084】またもう一つの好ましいバインダーとして
は、水系溶媒(水溶媒)に可溶または分散可能で、25
℃、60%RHにおける平衡含水率が2重量%以下のポ
リマーである。
【0085】このようなポリマーを用いると、30重量
%以上の水を含有する水溶媒を塗布溶媒に用いた感光層
の塗設ができる。上記の平衡含水率が2重量%をこえる
と高湿雰囲気下での保存によるカブリが上昇してしま
う。上記ポリマーが可溶または分散可能である水系溶媒
とは、水または水に70重量%以下の水混和性の有機溶
媒を混合したものである。水混和性の有機溶媒として
は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プ
ロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソル
ブ系、酢酸エチル、ジメチルホルミアミドなどを挙げる
ことができる。なお、ポリマーが熱力学的に溶解してお
らず、いわゆる分散状態で存在している系の場合にも、
ここでは水系溶媒という言葉を使用する。
【0086】本発明において「25℃、60%RHにお
ける平衡含水率」とは、25℃、60%RHの雰囲気下
で調湿平衡にあるポリマーの重量W1と25℃で絶乾状
態にあるポリマーの重量W0を用いて以下のように表す
ことができる。
【0087】25℃、60%RHにおける平衡含水率=
{(W1−W0)/W0}×100(重量%) 実際の測定は後記実施例に示すようにして行うことがで
きる。上記ポリマーは、前述の水系溶媒に可溶または分
散可能で25℃、60%RHにおける平衡含水率が2重
量%以下であれば特に制限はない。これらのポリマーの
うち、水系溶媒に分散可能なポリマーは特に好ましい。
分散状態の例としては、ポリマー固体の微粒子が分散し
ているラテックスやポリマー分子が分子状態またはミセ
ルを形成して分散しているものなどがあるが、いずれも
好ましい。上記ポリマーの25℃、60%RHにおける
平衡含水率は2重量%以下であることが必要であるが、
好ましくは0.01重量%以上1.5重量%以下、さら
に好ましくは0.02重量%以上1重量%以下が望まし
い。
【0088】上記ポリマーとしては、例えばアクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル
樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ゴム系樹脂(例えばSBR
樹脂やNBR樹脂)、酢酸ビニル樹脂、ポリオレフィン
樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などがある。ポリマー
としては単一のモノマーが重合したホモポリマーでもよ
いし、2種以上のポリマーが重合したコポリマーでもよ
い。ポリマーとしては直鎖状のものでも枝分かれしたも
のでもよい。さらにポリマー同士が架橋されているもの
でもよい。ポリマーの分子量としては重量平均分子量M
wが1000〜1000000、好ましくは3000〜
500000のものが望ましい。分子量が1000未満
のものは一般に塗布後の皮膜強度が小さく、感光層のヒ
ビ割れなどの不都合が生ずる場合がある。
【0089】本発明において、感光層の主バインダーに
使用できる上記ポリマーの具体例としては、以下のよう
なものがある。
【0090】P−1 −(MMA)50−(EA)45
(AA)5−のラテックス(Mw=3万) P−2 −(2EHA)30−(MMA)50−(St)15
−(MAA)5−のラテックス(Mw=5万) P−3 −(BR)50−(St)47−(AA)3−のラ
テックス(Mw=1万) P−4 −(BR)40−(DVB)10−(St)45
(MAA)5−のラテックス(Mw=5万) P−5 −(VC)70−(MMA)25−(AA)5−の
ラテックス(Mw=1.5万) P−6 −(VDC)60−(MMA)30−(EA)5
(MAA)5−のラテックス(Mw=8万) 上記において、略号は以下に示すモノマーから誘導され
る構成単位を表し、数値は重量%である。
【0091】MMA:メチルメタクリレート、EA:エ
チルアクリレート、AA:アクリル酸、2EHA:2−
エチルヘキシルアクリレート、St:スチレン、MA
A:メタクリル酸、BR:ブタジエン、DVB:ジビニ
ルベンゼン、VC:塩化ビニル、VDC:塩化ビニリデ
ンまたこのようなポリマーは市販もされていて以下のよ
うなものが利用できる。例えばアクリル樹脂としては、
セビアンA−4635、46583、4601(以上ダ
イセル化学工業(株)製)、Nipol LX811、
814、820、821、857(以上日本ゼオン
(株)製)など、ポリエステル樹脂としては、FINE
TEX ES650、611、679、675、52
5、801、850(以上大日本インキ化学(株)
製)、WDsize WHS(イーストマンケミカル
製)など、ポリウレタン樹脂としては、HYDRAN
AP10、20、30、40、101H、HYDRAN
HW301、310、350(以上大日本インキ化学
(株)製)など、塩化ビニリデン樹脂としては、L50
2、L513、L123c、L106c、L111、L
114(以上旭化成工業(株)製)など、塩化ビニル樹
脂としては、G351、G576(以上日本ゼオン
(株)製)など、ポリオレフィン樹脂としては、ケミパ
ールS−120、S−300、SA−100、A−10
0、V−100、V−200、V−300(以上三井石
油化学(株)製)などがある。本発明においては、バイ
ンダーはこれらのポリマーを単独で用いてもよいし、2
種類以上ブレンドして用いてもよい。
【0092】また感光材料の表面を保護したり擦り傷を
防止するために,感光性層の外側に非感光性層を有する
ことができる。これらの非感光性層に用いられるバイン
ダーは感光性層に用いられるバインダーと同じ種類でも
異なった種類でもよい。
【0093】本発明の熱現像感光材料には、塗布助剤と
して各種の界面活性剤を用いることができる。その中で
もフッ素系界面活性剤が、帯電特性を改良したり、斑点
状の塗布故障を防ぐために好ましく用いられる。
【0094】本発明の熱現像感光材料は、必要に応じて
銀の色調を抑制する色調剤を含有できる。採用できる好
適な色調剤の例はResearch Disclosu
re第17029号に開示されている。また現像を抑制
あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感効率を
向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためな
どにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化
合物を含有させることができる。
【0095】本発明の熱現像感光材料中にはかぶり防止
剤が含まれて良い。
【0096】本発明の熱現像感光材料には増感色素が使
用できる。本発明に使用される有用な増感色素は例えば
Research Disclosure Item1
7643IV−A項(1978年12月p.23)、同I
tem1831X項(1978年8月p.437)に記
載もしくは引用された文献に記載されている。特に各種
スキャナー光源の分光特性に適した分光感度を有する増
感色素を有利に選択することができる。
【0097】各種の添加剤は感光層、非感光層、又はそ
の他の形成層のいずれに添加しても良い。本発明の熱現
像感光材料には例えば、酸化防止剤、安定化剤、可塑
剤、紫外線吸収剤、被覆助剤等を用いても良い。これら
の添加剤及び上述したその他の添加剤はResearc
h Disclosure Item17029(19
78年6月p.9〜15)に記載されている化合物を好
ましく用いることができる。
【0098】本発明で用いられる支持体は、現像処理後
に所定の光学濃度を得るため、及び現像処理後の画像の
変形を防ぐためにプラスチックフィルム(例えば、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ナイロン、セルローストリアセテート、ポリエチレ
ンナフタレート)であることが好ましい。また熱処理し
たプラスチック支持体を用いることもできる。
【0099】その中でも好ましい支持体としては、ポリ
エチレンテレフタレート(以下PETと略す)及びシン
ジオタクチック構造を有するスチレン系重合体を含むプ
ラスチック(以下SPSと略す)の支持体が挙げられ
る。
【0100】熱現像処理は、例えばレーザーを用いて露
光した感光材料を熱により現像する。熱現像の加熱手段
としては導電性の発熱体層を有する形態、ハロゲンラン
プ、特開昭61−145544号記載の発熱体等を用い
ることができる。
【0101】具体的な形態としては、1)一定温度のオ
ーブンの中に所定時間入れておく方法、2)一定温度に
保たれたオーブン内を一定速度で搬送する方法、3)一
定温度に加熱した媒体(金属ローラー、シリコンゴム、
ウレタンゴム、紙、フッ素処理媒体等)に所定時間の接
触させる方法等であれば特に制限はない。また、この現
像部とは別に現像部前もしくは後にプレヒート部を有し
てもかまわない。この場合も前者同様に1)〜3)記載
の条件が不可欠である。
【0102】現像部、プレヒート部の温度を一定に制御
する為に温度制御機構があることが好ましい。温度制御
するには、サーモスタット等で温度管理し調整すること
が好ましい。また、温度フィードバックシステムがあっ
てもよい。このフィードバックは、随時若しくは時間ご
と、日間ごとに情報をフィードバックすることが好まし
いが、これらは使用するオペレーターによって自由に調
整すればよい。
【0103】加熱時の好ましい温度は、30℃〜150
℃の範囲であり、現像部の好ましい温度範囲は100〜
150℃で、より好ましくは100〜140℃である。
プレヒート部の温度範囲は100〜120℃がより好ま
しく、100〜115℃が更に好ましい。加熱部の処理
時間は1〜60秒が好ましく、5〜50秒がより好まし
い。現像部の好ましい処理時間範囲は3〜30秒で、5
〜30秒が更に好ましい。プレヒート部の好ましい処理
時間範囲は3〜30秒で、5〜25秒が更に好ましい。
また全処理時間が20〜80秒であることが好ましく、
より好ましくは、30〜70秒である。
【0104】この様な熱現像を行う上で感光材料に張力
を掛けないことが好ましいが、10kg/cm2以下で
あれば特に制限はない。張力を掛けすぎると感光材料の
寸法が変化して問題になってしまうので注意が必要であ
る。
【0105】熱現像処理装置は、露光システムと一体に
なっていても良くそのときはブリッジ等によって搬送系
が一体になっている。現像部のほかに上記記載のように
現像部の前にプレヒート部を有することも可能である。
現像部の後には熱現像感光材料の現像進行を抑制するた
め、または支持体のカールを制御するために冷却部を有
することも可能である。冷却部を有する場合その温度は
10〜80℃の範囲であることが好ましく、より好まし
くは20〜60℃の範囲である。ラインスピードは21
mm/秒〜50mm/秒が好ましい。
【0106】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0107】実施例1 (乳剤1の調製)水900ml中にイナートゼラチン
7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35
℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水
溶液370mlと(96/4)のモル比の臭化カリウム
と沃化カリウムを含む水溶液を、pAg7.7に保ちな
がらコントロールドダブルジェット法で10分掛けて添
加した。その後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,
3a,7−テトラザインデン0.3gを添加しNaOH
でpHを5に調整して平均粒子サイズ0.06μm、投
影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率86%の
立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤
を用いて凝集沈降させ脱塩処理を行った後、フェノキシ
エタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5
に調整した。その後60℃に昇温してチオ硫酸ナトリウ
ムを2mg添加し100分間熟成した後に38℃に冷却
して化学増感を終了し、ハロゲン化銀乳剤1を得た。
【0108】(有機脂肪酸銀乳剤の調製)水300ml
中にベヘン酸10.6gを入れ90℃に加熱溶解し、十
分撹拌した状態で1Nの水酸化ナトリウム31.1ml
を添加し、そのままの状態で1時間放置した。その後3
0℃に冷却し、1Nのリン酸7.0mlを添加して十分
撹拌した状態でN−ブロモこはく酸イミド0.01gを
添加した。その後、あらかじめ調製したハロゲン化銀粒
子ベヘン酸に対して銀量として10モル%となるように
40℃に加温した状態で撹拌しながら添加した。さらに
1N硝酸銀水溶液25mlを2分間かけて連続添加し、
そのまま撹拌した状態で1時間放置した。
【0109】この乳剤に酢酸エチルに溶解したポリビニ
ルブチラールを添加して十分撹拌した後に静置し、ベヘ
ン酸銀粒子とハロゲン化銀粒子を含有する酢酸エチル相
と水相に分離した。水相を除去した後、遠心分離にてベ
ヘン酸銀粒子とハロゲン化銀粒子を採取した。その後東
ソー(株)社製合成ゼオライトA−3(球状)20gと
イソプロピルアルコール22ccを添加し1時間放置し
た後濾過した。更にポリビニルブチラール3.4gとイ
ソプロピルアルコール23ccを添加し35℃にて高速
で十分撹拌して分散し有機脂肪酸銀乳剤の調製を終了し
た。
【0110】 (感光層組成) 有機脂肪酸銀乳剤 1.75g(銀で)/m2 ピリジニウムヒドロブロミドペルブロミド 1.5×10-4mol/m2 臭化カルシウム 1.8×10-4mol/m2 2−(4−クロロベンゾイル)安息香酸 1.5×10-3mol/m2 増感色素 4.2×10-6mol/m2 2−メルカプトベンズイミダゾール 3.2×10-3mol/m2 2−トリブロモメチルスルホニルキノリン 6.0×10-4mol/m2 硬調化剤 表1に示す 溶媒には、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール
を適宜用いた。
【0111】
【化29】
【0112】(表面保護層組成)表面保護層塗布液を下
記のように調製した。
【0113】 セルロースアセテート 4g/m2 1,1ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5 −トリメチルヘキサン 4.8×10-3mol/m2 フタラジン 3.2×10-3mol/m2 4−メチルフタル酸 1.6×10-3mol/m2 テトラクロロフタル酸 7.9×10-4mol/m2 テトラクロロフタル酸無水物 9.1×10-4mol/m2 二酸化珪素(粒径2μm) 20mg/m2 溶媒には、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール
を適宜用いた。
【0114】(バッキング層組成)バッキング層塗布液
を下記の如く調製した。
【0115】 セルロースアセテート 4g/m2 染料−A 0.06g/m 染料−B 0.018g/m2 二酸化珪素(粒径10μm) 50mg/m2 溶媒には、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール
を適宜用いた。
【0116】
【化30】
【0117】上記組成で二軸延伸された厚さ120μm
のポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、乾燥
して塗布試料を得た。得られた試料は露光・現像処理し
感度、硬調度(ガンマ)、カブリ(Dmin)を比較し
た。
【0118】(感度)780nmレーザー感光計で露光
した後、写真材料120℃で10秒間現像処理した。現
像済み試料の濃度を光学濃度計(コニカ社製:PDA−
65)で測定し試料1の濃度3における感度を100と
した相対感度で評価した。
【0119】(ガンマ)上記現像済み試料の濃度0.1
と3.0の正接を以てガンマとした。
【0120】6未満のガンマ値では使用不可能である。
【0121】(Dmin)未露光の現像済み試料をX−
Rite社製:361T透過濃度計を用いてUV濃度を
測定した結果を表1に示す。
【0122】
【表1】
【0123】実施例2 (乳剤2の調製)水700mlにフタル化ゼラチン22
g及び臭化カリウム30mgを溶解して温度35℃にて
pHを5.0に合わせた後、硝酸銀18.6gを含む水
溶液159mlと臭化カリウムと沃化カリウムを92:
8のモル比で含む水溶液をpAg7.7に保ちながらコ
ントロールダブルジェット法で10分間かけて添加し
た。ついで、硝酸銀55.4gを含む水溶液476ml
と六塩化イリジウム酸二カリウムを9μモル/Lと臭化
カリウムを1モル/Lで含む水溶液をpAg7.7に保
ちながらコントロールダブルジェット法で30分かけて
添加した。その後、pHを下げて凝集沈降させ脱塩処理
をし、フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.
9、pAg8.2に調整し沃臭化銀粒子(沃素含量コア
8モル%、平均2モル%、平均サイズ0.05μm、投
影面積変動係数8%、(100)面比率79%の立方体
粒子)の調製を終えた。
【0124】こうして得たハロゲン化銀粒子を60℃に
昇温して、銀1モル当たり色素1を60mg、色素2を
30mg、2−メルカプト−5−メチルベンゾイミダゾ
ールを2g、4−クロロベンゾフェノン−2−カルボン
酸21.5g添加した後に、チオ硫酸ナトリウム85μ
モルと2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルジ
フェニルフォスフィンセレニドを11μモル、15μモ
ルのテルル化合物1、塩化金酸3.4μモル、チオシア
ン酸260μモルを添加し、化学熟成した後30℃に急
冷して目的のハロゲン化銀乳剤2を得た。
【0125】(有機酸銀乳剤の調製)ステアリン酸1.
3g、アラキジン酸0.5g、ベヘン酸8.5g、蒸留
水300mlを90℃で15分間混合し、激しく撹拌し
ながら1N−NaOH水溶液31.1mlを15分かけ
て添加した後、30℃に降温した。次に、1N−リン酸
水溶液7mlを添加し、より激しく撹拌しながらN−ブ
ロモスクシンイミド0.02gを添加した。さらに、1
N−硝酸銀水溶液25mlを2分かけて添加し、そのま
ま90分間撹拌し続けた。その後、吸引濾過で固形分を
濾別し、固形分を濾水の伝導度が30μS/cmになる
まで水洗した。
【0126】この後真空乾燥して有機酸銀の固体を得
た。この固体10gに10重量%のヒドロキシプロピル
セルロース水溶液40gを添加し、さらに過臭化臭化ピ
リジニウム0.1mモルと、臭化カルシウム2水和物
0.15モルを添加して、そこにあらかじめ調製したハ
ロゲン化銀粒子をハロゲン化銀量が2.5mモルとなる
ように添加し、0.5mmZrO2のビーズミルを用い
たメディア分散機で4000psiで分散して平均粒径
約1μmのハロゲン化銀/有機酸銀の水分散物を得た。
なお、粒子の投影面積、厚み、個数、単分散度の測定
は、塗膜形成した後の資料を用い、バインダーを除去し
た後に、無作為に500個の粒子をレプリカ法で電子顕
微鏡観察して測定した結果を用いている。
【0127】(感光層塗布液の調製)別途、フェニルチ
オスルホン酸を10mg、5−トリブロモメチルスルホ
ニル−2−メチルチアジアゾール8g、2−トリブロモ
メチルスルホニルベンゾチアゾール6g、1,1−ビス
(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,
5,5−トリメチルヘキサン150g、4,6−ジトリ
クロロメチル−2−フェニルトリアジン5g、2gのジ
スルフィド化合物1、テトラクロロフタル酸5gにヒド
ロキシプロピルセルロース水溶液(10重量%)250
gを混合し、ホモジナイザーで分散して上記化合物の水
分散物を得た。硬調化剤には表2に示すものを使用し
た。
【0128】この分散物10.3gを上記水分散物50
gと混合して、さらに前述のバインダーP−3を10
g、p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを3m
g加え、そこに蒸留水を加え200mlの塗布液を調製
した。なお、PVAはポリビニルアルコールである。な
お、上記において用いた添加化合物は以下に示すもので
ある。
【0129】
【化31】
【0130】 (表面保護層塗布液の調製) 石灰処理ゼラチン 4g フタラジン(5wt% 水/メタノール=1/1(重量比)溶液で添加) 480mg 4−メチルフタル酸ナトリウム塩(4%水溶液で添加) 240mg ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径5μm) 80mg C715COONa 20mg p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg 蒸留水を加えて100mlにした。
【0131】 (バック層塗布液の調製) バインダー(P−3) 15g 蒸留水 1000g p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 30mg エポキシ化合物(ナガセ化成工業(株)製、デイナコールEX313) 100mg 染料a 50mg 染料b 110mg 染料c 40mg 染料d 50mg ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径5μm) 20mg
【0132】
【化32】
【0133】上記のような組成で塗布して得られた試料
について実施例1と同様に評価を行った。
【0134】以上の結果を表2に示す。
【0135】
【表2】
【0136】
【発明の効果】本発明の熱現像感光材料によれば、熱現
像処理装置で処理してもカブリ上昇の問題を招かず、硬
調な画像が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性ハロゲン化銀、有機銀塩、銀イオ
    ン用還元剤、硬調化剤及びバインダーを含有し、ライン
    スピードが15mm/秒以上の自動熱現像機で現像処理
    されたときの階調(γ)が6以上であることを特徴とす
    る熱現像感光材料。
  2. 【請求項2】 前記ラインスピードが21mm/秒以上
    であることを特徴とする請求項1に記載の熱現像感光材
    料。
  3. 【請求項3】 感光性ハロゲン化銀を含有する感光性層
    が溶媒単位重量当たりの60%以上が水である塗布液を
    塗布して形成されたことを特徴とする請求項1又は2に
    記載の熱現像感光材料。
JP30377999A 1999-10-21 1999-10-26 熱現像感光材料 Pending JP2001125222A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30377999A JP2001125222A (ja) 1999-10-26 1999-10-26 熱現像感光材料
EP00122247A EP1094361A1 (en) 1999-10-21 2000-10-18 Processing method of photothermographic material
US09/691,309 US6468720B1 (en) 1999-10-21 2000-10-18 Processing method of photothermographic material

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30377999A JP2001125222A (ja) 1999-10-26 1999-10-26 熱現像感光材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001125222A true JP2001125222A (ja) 2001-05-11

Family

ID=17925194

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30377999A Pending JP2001125222A (ja) 1999-10-21 1999-10-26 熱現像感光材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001125222A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000112064A (ja) 熱現像画像記録材料
JP2002023302A (ja) 熱現像記録材料とその処理方法
JP2000199936A (ja) 熱現像感光材料
JP2001125222A (ja) 熱現像感光材料
JP2003241335A (ja) 熱現像写真感光材料
JPH1165021A (ja) 感光性熱現像画像記録材料
JP2006133818A (ja) 熱現像記録材料
JP3907851B2 (ja) 熱現像記録材料
JP3281623B2 (ja) 熱現像画像記録材料の現像処理方法および熱現像画像記録材料
JP4403644B2 (ja) 熱現像感光材料およびその処理方法
JP3652674B2 (ja) 熱現像記録材料
JP2004317938A (ja) 熱現像感光材料
JP2003121964A (ja) 熱現像感光材料及びその処理方法
JP2001013623A (ja) 熱現像感光材料の現像方法
JP2000155383A (ja) 熱現像材料
JP2001013621A (ja) 製版フィルム材料
JP2000137307A (ja) 熱現像感光材料
JP2001013619A (ja) 熱現像感光材料
JP2001066728A (ja) 熱現像感光材料とそれを用いた画像形成方法
JP2003167309A (ja) 熱現像写真感光材料
JP2004163660A (ja) 熱現像写真感光材料
JP2002023300A (ja) 熱現像感光材料およびその画像形成方法
JP2005017581A (ja) 熱現像感光材料
JP2002049125A (ja) 熱現像感光材料及びその処理方法
JP2004046183A (ja) 熱現像記録材料