JP2001124353A - 熱交換パネルおよびその製造方法 - Google Patents

熱交換パネルおよびその製造方法

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JP2001124353A
JP2001124353A JP30194199A JP30194199A JP2001124353A JP 2001124353 A JP2001124353 A JP 2001124353A JP 30194199 A JP30194199 A JP 30194199A JP 30194199 A JP30194199 A JP 30194199A JP 2001124353 A JP2001124353 A JP 2001124353A
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heat insulating
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親 佐々木
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潤一 松澤
Tsutomu Shimazaki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外枠を用いずに、各部品を一体化でき、しか
も、軽量化できる熱交換パネルとその製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 熱交換用のパイプマットを、断熱材に埋
設し、この断熱材11の上下両面に、表面材12,13
を直接はり付けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、断熱材と熱交換
パイプとを一体化させた熱交換パネルおよびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の熱交換パネルおよびその製造方法
として、本願出願人が特願平11-160442号とし
て既に出願しているが、それを示したのが図13,14
のパネル本体pである。このパネル本体pは、断熱材9
と、温水や冷水などを通す熱交換用のパイプマットmと
を、箱体Bで覆って一体化させたものである。
【0003】なお、図13は、内部の構造を説明するた
めに、一方の板部材aを下側にするとともに、上側に位
置する他方の板部材bをはがし、しかも、外枠1内に充
填される断熱材9や、伝熱シート7および整列シート8
を取り除いている。図13に示すように、板部材aに外
枠1を固定し、この外枠1の内側における板部材aにパ
イプマットmを敷いている。このパイプマットmは、一
対のメインパイプ2,3と、これらメインパイプ2,3
間を接続した複数の熱交換パイプ4とからなり、熱交換
パイプ4は、メインパイプ2,3よりも十分細くした可
撓性を有するものである。
【0004】また、上記供給側メインパイプ2にはコネ
クタ5を設け、戻り側メインパイプ3にもコネクタ6を
設けている。そして、例えば、上記コネクタ5に、図示
していない温水器の供給側を接続し、コネクタ6に温水
器の戻り側を接続すると、熱交換パイプ4内に温水が流
れる。
【0005】上記パネル本体pには、パイプマットm以
外にも、伝熱シート7、整列シート8、断熱材9などを
組み込んでいる。そして、これら全てを組み込んだ状態
を示す断面図が図14である。図14に示すように、パ
イプマットmの熱交換パイプ4と板部材aとの間には、
伝熱シート7を設けている。この伝熱シート7を熱交換
パイプ4に接触させることによって、熱交換パイプ4の
熱を効率良く板部材a側に伝えるようにしている。
【0006】また、パイプマットmの熱交換パイプ4の
図中下側には、整列シート8を設けている。この整列シ
ート8は、熱交換パイプ4と同数の溝部8aを形成して
いる。そして、上記溝部8aに熱交換パイプ4をはめ込
むことによって、複数の熱交換パイプ4間のピッチを一
定に保つようにしている。なお、上記伝熱シート7およ
び整列シート8は、板部材aとほぼ同じ大きさを有し、
これら伝熱シート8および整列シート8の周囲を、板部
材aと外枠1とで挟んでいる。そして、伝熱シート7、
整列シート8、およびパイプマットmを、外枠1とその
上下の板部材a、bとからなる箱体Bに固定している。
【0007】上記整列シート8の図面下側には、断熱材
9を設けている。この断熱材9は、熱交換パイプ4の熱
が、板部材b側に伝わるのを防ぐものである。つまり、
熱交換パイプ4の熱を、伝熱シート7によって積極的に
板部材a側に伝える一方で、断熱材9によって熱が板部
材b側に伝わるのを防止している。また、パイプマット
mや断熱材9などを、板部材a,bで覆っているのは、
その強度を維持するためである。もし、板部材a,bで
覆わなければ、その強度を十分に維持できず、例えば、
パネルを床などに敷いた場合に、上からの力によってそ
の形状を保つことができなくなってしまう。そこで、上
記のように板部材a,bで覆うことにより、その強度を
維持するようにしている。
【0008】次に、上記パネル本体pの製造方法を、図
14を参考にしながら説明する。まず、一方の板部材a
を下側にして、この板部材aにアルミ箔製の伝熱シート
7を敷く。板部材1に伝熱シート7を敷いたら、その上
にパイプマットmと整列シート8とを敷き、熱交換パイ
プ4を伝熱シート7に接触させる。なお、パイプマット
mの熱交換パイプ4は、整列シート8の溝部8aに予め
はめ込んでおく。
【0009】上記のようにパイプマットmおよび整列シ
ート8を敷いたら、板部材aに外枠1を固定し、さらに
この外枠1の上に、板部材bを固定する。したがって、
外枠1とその上下の板部材a、bとからなる箱体Bが形
成される。このようにした箱体B内には、空間が形成さ
れる。この空間には、図示していない孔を介して液状の
発泡ウレタンからなる断熱材9を充填する。そして、断
熱材9が固まったら、パネル本体pが完成する。
【0010】上記従来のパネル本体pにおける箱体B
は、上記した型枠としての機能以外に、それに組み込ま
れる各部品を一体的にまとめる機能もある。すなわち、
従来のパネル本体pでは、熱交換パイプ4と伝熱シート
7との間に断熱材9が入り込むと、その熱伝導性が極端
に落ちてしまう。そこで、整列シート8によって、断熱
材9とパイプマットmとを完全に隔離して、熱交換パイ
プ4と伝熱シート7との間に断熱材9が入り込まないよ
うにしている。
【0011】ところが、整列シート8で断熱材9とパイ
プマットmとを完全に隔離してしまうと、今度は、パイ
プマットmを板部材aで押さえない限り、パイプマット
mが整列シート8から簡単に外れてしまう。そこで、図
14に示すように、外枠1を介して板部材aと板部材b
とを結合して箱体Bを構成し、この箱体Bの板部材aに
よってパイプマットmをしっかり押さえるようにしてい
る。このように従来の箱体Bには、それに組み込まれた
各部品を一体的にまとめるという機能も備えている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例では、箱体
Bを構成するため、外枠1が必須の構成要素となるが、
このように外枠1を用いると、どうしてもパネル本体p
が重くなってしまう。このようにパネル本体pが重くな
ると、それを据え付けるときなどに、作業性が悪くなる
という問題があった。この発明の目的は、外枠1を用い
なくても、各部品を一体的にまとめることができ、しか
も、軽量化を図れる熱交換パネルとその製造方法を提供
することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、熱交換用
のパイプマットを、断熱材に埋設するとともに、この断
熱材の上下両面に、表面材を直接はり付けたことを特徴
とする。第2の発明は、上記第1の発明における表面材
を、非伸縮性のシートあるいはフィルム状にしたことを
特徴とする。第3の発明は、上記第1または2記載の発
明において、熱交換用のパイプマットの全部または一部
を、一方の表面材に接触させたことを特徴とする。第4
の発明は、上記第1〜3の発明において、熱交換用のパ
イプマットは、一対の太いメインパイプと、これらメイ
ンパイプ間を接続した複数の細い熱交換パイプとからな
り、上記メインパイプの直径よりも、断熱材の厚さを厚
くしたことを特徴とする。
【0014】第5の発明は、上記第4の発明において、
パイプマットのメインパイプを、断熱材の短辺側に設け
る一方、断熱材の短辺側の両角部に切欠部を形成し、こ
れら切欠部から上記メインパイプの両端を突出させたこ
とを特徴とする。第6の発明は、上記第3〜5の発明に
おいて、熱交換用のパイプマットと、断熱材との間に、
熱伝導材を介在させたことを特徴とする特徴とする。
【0015】第7の発明は、断熱材に、熱交換用のパイ
プマットを埋設する熱交換パネルの製造方法であって、
型枠を構成する底板に、第1表面材を敷き詰め、この第
1表面材の上にパイプマットを載せるとともに、このパ
イプマットを仮止め部材によって第1表面材に仮止めす
る一方、第2表面材を止めた蓋板で型枠を閉塞するとと
もに、この型枠内に形成された空間に断熱材を充填し、
その後に型枠を取り外すことを特徴とする。
【0016】第8の発明は、上記第7の発明において、
第1、2表面材には、型枠から離れやすいように離型処
理を施したことを特徴とする。第9の発明は、上記第7
または8の発明において、パイプマットを表面材に仮止
めした後、パイプマットの上に複数の押さえ部材を設
け、型枠を閉塞する蓋板で、押さえ部材をパイプマット
に押しつけて、パイプマットの位置決めをすることを特
徴とする。第10の発明は、上記第9の発明において、
押さえ部材は、断熱材と同じ材質にしたことを特徴とす
る。
【0017】
【発明の実施の形態】図1〜7に、この発明の第1実施
例を示す。図1に示すように、パネル本体Pは、発泡体
からなる断熱材11の上下両面に、非伸縮性の第1、2
表面材12,13をはり付けている。そして、この第1
実施例では、第1,2表面材12,13を紙製にしてい
るが、非伸縮性を維持できるなら、その材質は問わな
い。また、それはシート状のものでもよいし、シートよ
りもさらに薄いフィルム状のものでもよい。
【0018】上記のように断熱材11の上下面に第1,
2表面材12,13をはり付けたパネル本体Pには、図
3に示すように、パイプマットMを埋設している。この
パイプマットMは、一対のメインパイプ14,15間
に、可撓性を有する複数の熱交換パイプ16を接続した
もので、この熱交換パイプ16のほぼ中央部分を折り返
して、メインパイプ14,15を一方の側にそろえるよ
うにしたものである。この状態を示したのが、図2であ
る。この図2は、第1表面材12を下にして、その上に
パイプマットMを敷いた状態の平面図である。この図2
からも明らかなように、パイプマットMは、一方の側に
そろえた一対のメインパイプ14,15をパネル本体P
の短辺側に位置させている。
【0019】上記のようにしたパイプマットMの熱交換
パイプ16は、リテーナ17でその間隔が一定に保たれ
るようにしている。すなわち、このリテーナ17には、
熱交換パイプ16と同数の溝部を形成し、これら溝部に
熱交換パイプ16をはめ込むことによって、複数の熱交
換パイプ16間のピッチが一定に保たれるようにしてい
る。
【0020】また、図1に示すように、上記パネル本体
Pの一方の短辺側であって、その両角部には、切欠部1
8,19を形成している。そして、この切欠部18,1
9から、上記のように短辺側にそろえたメインパイプ1
4,15の両端を突出させ、この突出部分に、コネクタ
のソケット20,21を設けている。なお、図3に示す
ように、断熱材11の厚みtを、メインパイプ14,1
5の直径dより大きくすることで、メインパイプ14,
15が断熱材11の表面から出ないようにしている。
【0021】上記のようにした第1実施例によれば、断
熱材11の上面と下面とに、非伸縮性の第1,2表面材
12,13をはり付けているので、断熱材11の両面の
引っ張り強さが強くなる。断熱材11の両面の引っ張り
強度が上がれば上がるほど、断熱材11が反り返ったり
するのを防止できる。また、断熱材11の表面の第1表
面材12が非伸縮性を維持しているので、その表面に局
部的な荷重が作用したとしても、そこが簡単にへこんだ
りしない。結局、非伸縮性の第1,2表面材12,13
によって、パネル本体Pの表面強度も高めることにな
る。
【0022】このように、断熱材11の上下面に、非伸
縮性の第1,2表面材12,13をはり付けるだけで、
パネル本体Pの反り返りを防止するとともに、その表面
強度を上げられるので、パネル本体P全体の強度を十分
に維持できる。したがって、従来のような箱体Bを構成
する外枠1が不要になり、その分パネル本体Pを軽量化
できる。しかも、この第1実施例では、第1,2表面材
12,13が、前記従来例の板部材a,bよりも薄いの
で、より軽量化できる。そして、上記のように外枠1が
不要になった分、コストダウンもできる。
【0023】また、この第1実施例では、図3に示すよ
うに、上側の第1表面材12に熱交換パイプ16を密着
させている。このように熱交換パイプ16を第1表面材
12に密着させれば、熱交換パイプ16の熱を第1表面
材12側に伝えやすくなる。しかも、この第1表面材1
2は、前記従来例の板部材aより薄くしているので、例
えば、このパネル本体Pにフローリングや畳などを敷い
たとしても、それらに効率良く熱を伝えることができ
る。
【0024】なお、上記のようにしたパネル本体Pを、
床や壁などに釘やネジによって固定する場合、この釘や
ネジなどで熱交換パイプ16に誤って穴をあけてしまう
おそれがある。そこで、断熱材11の熱交換パイプ16
を避けた位置に、釘やネジなどを通すための筒状の止め
部材を埋設しておいてもよい。このような止め部材は、
第1,2表面材12,13が薄ければ、この第1,2表
面材12,13越しに見ることができる。また、手で触
れば、その位置を確認することもできる。
【0025】次に、上記パネル本体Pの製造方法につい
て説明する。まず、図4に示すように、第1表面材12
を、複数の粘着テープ23によって、型枠の底板22に
止める。そして、この底板22に接触する第1表面材1
2の一方の面には離型処理を施し、それを底板22から
簡単にはがせるようにしている。上記のように第1表面
材12を底板22に止めたら、底板22の周囲を囲うよ
うにして外枠24を固定する。なお、上記外枠24は、
各辺が分割可能になっていて、しかも、その内側には、
予め離型処理を施してある。
【0026】外枠24を底板22に固定したら、図5に
示すように、第1表面材12の上にパイプマットMを敷
く。そして、このパイプマットMの熱交換パイプ16
を、リテーナ17で所定のピッチに整列させた後、これ
ら熱交換パイプ16を粘着テープ25で第1表面材12
に止める。
【0027】なお、第1表面材12にパイプマットMを
止める手段としては、上記粘着テープ25による手段に
限らない。例えば、パイプマットMを敷く前に、第1表
面材12の上面に所定の間隔で接着剤を塗布しておき、
この接着剤によって熱交換パイプ16およびリテーナ1
7を第1表面材12に止めるようにしてもよい。このと
き、上記接着剤の厚みを厚くして、それを層状にすれ
ば、熱交換パイプ16をある程度包み込むことができ
る。熱交換パイプ16を包み込めば、熱交換パイプ16
との接触面積が多くのなるので、接着剤の接着力が多少
弱くても、熱交換パイプ16をしっかりと第1表面材1
2に止めることができる。そして、上記接着剤層は、接
着剤を塗布することによって構成してもよいし、両面に
接着剤を備えたテープ状のものを用いてもよい。
【0028】また、さらに別の手段として、表面材12
の一方の面に予め離型処理を施し、他方の面全体に予め
接着剤を塗布したものを用いてもよい。このような表面
材12を用いれば、パイプマットMを設置するだけで、
表面材12に止めることができるので、より作業性が向
上する。上記のようにしてパイプマットMを第1表面材
12に止めたら、メインパイプ14,15の両端を、図
6に示すように、コア部材26,26で覆う。つまり、
コア部材26,26は分割可能にした一対のコアピース
26a、26aからなり、これらコアピース26a,2
6aの合わせ面には、それぞれ一対の凹部26b、26
bを形成している。そして、これら凹部26b、26b
にメインパイプ14,15の両端を挟み込んでいる。
【0029】さらに、上記リテーナ17の上には、断熱
材11と同じ材質からなる複数の押さえ部材27を置
く。複数の押さえ部材27をすべておいたら、上記外枠
24を蓋板28で覆う。この蓋板28には、あらかじめ
第2表面材13をはり付けておくが、この第2表面材1
3にも、第1表面材12と同様に離型処理を施してい
る。また、上記のように外枠24を蓋板28で覆うと、
図7に示すように、蓋板28で押さえ部材27が押し付
けられる。この押さえ部材27の押付け力で、リテーナ
17を押さえるとともに、パイプマットMを位置決めす
る。
【0030】このように押さえ部材27およびリテーナ
17を介して、熱交換パイプ16を表面材12にぴった
りと押し付けることによって、後で説明する発泡ウレタ
ンの充填の際に、それが熱交換パイプ16と表面材12
との間に入り込むことがなくなる。そして、上記した底
板22、外枠24および蓋板28で型枠を構成するが、
この型枠内の空間29(図7参照)に発泡ウレタンを充
填する。この充填された発泡ウレタンによって断熱材1
1が構成されるとともに、この断熱材11と材質を同じ
くする押さえ部材27が、断熱材11と一体化する。な
お、型枠内に充填する断熱材11としては、発泡スチロ
ールでもよいが、発泡ウレタンの方が、充填時の温度が
低いので、熱の影響によるパイプマットMの変形を防止
できる。
【0031】上記のように材質が同じ断熱材11と押さ
え部材27とが一体化することによって、パネル本体P
全体の弾性が均一化するので、その上に物を置いたとき
のへこみ具合も一定になる。もし、押さえ部材27が断
熱材11とが別の材質でその弾性が異なると、物を置い
たときに、押さえ部材27の部分だけが突出したりへこ
んだりする。しかし、上記したように、この実施例で
は、そのようなことがなくなる。
【0032】上記断熱材11が完全に固まったら、底板
22と蓋板28とを外枠24から取り外す。このとき、
第1,2表面材12,13には、離型処理を施している
ので、底板22および蓋板28を外しても、第1,2表
面材12,13が断熱材11からはがれたりしない。ま
た、外枠24も取り外し、コア部材26,26も分割し
てパネルPから取り外す。コア部材26,26を取り外
すと、その取り外した部分が上記切欠部18,19とな
る。そして、この切欠部18,19から、メインパイプ
14,15の先端が突出することになる。
【0033】上記のように断熱材11を充填すれば、断
熱材11と、パイプマットMおよび第1,2表面材1
2,13とをくっつけることができるので、箱体Bがな
くても各部品がぱらばらにならない。したがって、この
製造方法によれば、箱体Bを構成する外枠1を不要にで
き、その分、軽いパネル本体Pを製造することができ
る。
【0034】図8、9に示した第2実施例は、パイプマ
ットMを押さえる構成を変えたものであり、それ以外は
上記第1実施例と同じである。この第2実施例では、図
8に示すように、第1表面材12上にパイプマットMを
整列させたら、液状のシリコーン樹脂などの熱伝導材3
2を流し込む。そして、この熱伝導材32によって、パ
イプマットM全体を覆うようにしている。熱伝導材32
が固まると、この熱伝導材32がパイプマットMと第1
表面材12との両方にくっつき、パイプマットMと第1
表面材12との接触状態も保たれる。
【0035】上記のように熱伝導材32が固まったら、
後は上記第1実施例と同様に、第2表面材13を取り付
けた蓋板28を固定し、これによって構成された型枠内
に断熱材11を充填する。なお、上記熱伝導材32は、
シリコーン樹脂に金属粉や炭素粉などを混ぜたものでも
よい。つまり、熱伝導材32は、熱交換パイプ16の熱
を効率よく第1表面材12側に伝えるものであればよ
い。また、この第2実施例において、熱伝導材32を流
し込む前に、リテーナ17で熱交換パイプ16のピッチ
をそろえておいてもよいし、リテーナ17を用いずに、
熱伝導材32を直接流し込むようにしてもよい。
【0036】この第2実施例によれば、熱交換パイプ1
6の熱を、熱伝導材32を介して表面材12側に効率よ
く伝えることができる。したがって、より高い熱効率を
得ることができる。また、熱伝導材32をパイプマット
Mの上に流し込むだけで、パイプマットMを表面材12
側にくっつけることができるので、粘着テープや押さえ
部材もいらない。したがって、パネル本体Pをより簡単
に製造することができる。
【0037】一方、上記第1、2実施例では、第1、2
表面材12,13を紙製とし、表面材が薄いシートある
いはフィルム状の例を説明したたが、この発明の表面材
としては板状でもよい。例えば、低発泡の樹脂の上下
を、薄いアルミシートで挟み込んだアルミと樹脂の複合
板を用いることもできる。アルミと樹脂の複合板からな
る表面材は、硬くて、しかも非常に熱伝導率が高い。こ
のように板状の表面材を用いて、パネル本体Pを製造す
る場合には、前記第1実施例のような蓋板や底板を用い
ずに、板状の表面材に直接外枠を止める。ただし、外枠
の内側には、予め離型処理を施しておく。
【0038】板状の表面材に外枠を固定したら、前記第
1,2実施例と同様に、表面材の上にパイプマットを載
せて、その熱交換パイプをリテーナで所定のピッチに整
列させた後、コア部材および押さえ部材をセットする。
コア部材をセットしたら、外枠の上面を表面材で塞ぎ、
その内部にできた空間に発泡ウレタンからなる断熱材を
充填する。そして、上記断熱材が完全に固まったら、外
枠とコア部材を取り外して、パネル本体Pが完成する。
【0039】このように板状の表面材を用いれば、その
表面の剛性を十分に維持することができる。そのため、
パネル本体Pの上に、フローリングなどの木質系の板材
を敷いた場合に、パネル本体Pの剛性によって、板材が
たわんだりしない。板材のたわみを防止できるので、こ
の板材のさね部などの継ぎ目部分で、音が鳴ったりしな
い。また、パイプマットに冷水を流して、パネル本体P
を冷房用として用いる場合、冷水によってパイプマット
が縮もうとするが、板状の表面材の剛性によって、パネ
ル本体Pの縮みを防止できる。
【0040】さらに、熱伝導性の高いアルミの複合板か
らなる表面材を用いた場合には、特別に伝熱シートを設
けなくても、高い熱効率を得ることができる。なお、板
状の表面材を用いる場合でも、その剛性が低い場合に
は、パネル本体製造時に、上記第1,2実施例と同様
に、蓋板や底板を用いてもよいこと当然である。
【0041】一方、上記第1〜3実施例のパネル本体P
を、例えば、図10に示すように6枚配置する場合、パ
ネル本体P1〜P3の短辺33を同じ方向に向けて、そ
の長辺同士をくっつける。このように長辺同士をくっつ
けると、図11に示すように隣り合うパネル本体P2,
P3の切欠部18,19が一致し、メインパイプ14,
15が対向する。これら対向するメインパイプ14,1
5間を、両端にコネクタのプラグ31を設けた接続ホー
ス30で接続する。これによって、隣り合うパネル本体
P2,P3のメインパイプ14,15が直列に接続され
る。
【0042】また、パネル本体P4〜P6も上記と同様
にして、その長辺同士をくっつけて、メインパイプ1
4,15をそれぞれ直列に接続する。そして、これらパ
ネル本体P4〜P6の短辺33を、上記パネル本体P1
〜P3の短辺33にくっつけると、パネル本体P1〜P
3の切欠部18、19と、パネル本体P4〜P6の切欠
部18,19とが一致する。
【0043】このとき、図10において左端に位置する
パネル本体P1とパネル本体P4との切欠部18,19
では、図12に示すように、接続ホース30をUターン
させながら、パネル本体P1のメインパイプ14,15
とパネル本体P4のメインパイプ14,15とを接続す
る。このようにすれば、パネル本体P1〜P3側のメイ
ンパネル14,15と、パネル本体P4〜P6側のメイ
ンパイプ14,15とを直列に接続することができる。
【0044】なお、上記のようにメインパイプを接続し
やすくするために、各パネル本体に切欠部18,19を
形成したが、パネル本体を敷き詰めた後は、この切欠部
18,19がへこみとして残ってしまう。このようにへ
こみが残ってしまうと、その表面に畳などを敷いても大
きな荷重が作用すると、この切欠部18,19の部分が
へこんでしまう。そこで、パネル本体を敷き詰めたら、
切欠部18,19を塞ぐための部材をはめ込むようにす
ればよい。
【0045】以上のように、上記第1、2実施例のパネ
ル本体Pは、切欠部18,19を形成し、そこからメイ
ンパイプ14,15を突出させているので、複数のパネ
ル本体Pを配置する場合に、これらパネル本体Pのメイ
ンパイプ14,15の接続作業が簡単にできる。なお、
上記の場合には、隣り合うパネル本体Pのメインパイプ
14,15を、接続ホース30を介して接続している
が、メインパイプ14,15自体を長くして、その先端
にコネクタを設けておけば、メインパイプ14,15を
直接接続することもできる。
【0046】
【発明の効果】第1の発明によれば、断熱材の上面と下
面とに、表面材を直接はり付ける構成にしているので、
従来のような外枠が不要になり、その分、パネル本体の
重量を軽量化することができる。第2の発明によれば、
断熱材の上面と下面とに、非伸縮性の表面材をはり付け
ているので、断熱材の両面の引っ張り強さが強くなる。
断熱材の両面の引っ張り強度が上がれば上がるほど、断
熱材が反り返ったりするのを防止できる。
【0047】また、断熱材の表面の表面材が非伸縮性を
維持しているので、その表面に局部的な荷重が作用した
としても、そこが簡単にへこんだりしない。結局、非伸
縮性の表面材によって、パネル本体の表面強度も高める
ことになる。したがって、従来のような外枠が不要にな
り、しかも薄い表面材を用いているので、よりパネル本
体の重量を軽量化することができる。
【0048】第3の発明によれば、熱交換用のパイプマ
ットの全部または一部を、パネル表面である一方の表面
材に接触させたので、パイプマットの熱を効率よくパネ
ル表面に伝えることができる。第4の発明によれば、断
熱材の厚みを、メインパイプの直径よりも大きくしたの
で、断熱材の表面にメインパイプが出たりしない。
【0049】第5の発明によれば、断熱材の短辺側の両
角部に形成した切欠部から、メインパイプを突出させた
ので、例えば複数のパネルを並べる場合に、その長辺同
士をくっつければ、隣り合う熱交換パネルの切欠部から
突出したメインパイプが対向する。このようにメインパ
イプが対向させれば、これら両パイプを簡単に接続する
ことができる。したがって、複数の熱交換パネルを据え
付けるときの作業性がよい。第6の発明によれば、熱交
換用のパイプマットと断熱材との間に、熱伝導材を介在
させたので、パイプマットの熱を、パネル表面全体に効
率よく伝えることができる。
【0050】第7の発明によれば、断熱材充填時に、こ
の断熱材とパイプマットとを効率よく一体化させること
ができる。第8の発明によれば、表面材に離型処理を施
したので、型枠から簡単に熱交換パネルを取り外すこと
ができる。言い換えれば、底板22および蓋板28を外
しても、表面材12,13が断熱材11からはがれたり
しない。第9の発明によれば、複数の押さえ部材でパイ
プマットを押さえながら断熱材を充填するので、パイプ
マットと表面材との間に断熱材が浸入したりしない。
【0051】第10の発明によれば、押さえ部材を断熱
材と同じ材質にしたので、押さえ部材を断熱材と一体化
させることができる。このように押さえ部材を断熱材と
一体化すると、パネル全体の弾性も均一になる。したが
って、パネル表面に圧力が作用したときに、押さえ部材
の部分だけが突出したりへこんだりしない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のパネル本体Pの斜視図である。
【図2】第1実施例のパネル本体Pの平面図であり、表
面材12にパイプマットMを敷いた状態を示すずであ
る。
【図3】第1実施例のパネル本体Pの部分断面図であ
る。
【図4】底板22に、外枠24を取り付ける前の状態を
示す斜視図である。
【図5】底板22にパイプマットMを敷いた状態を示す
図である。
【図6】コア部材26の斜視図である。
【図7】押さえ部材27で、リテーナ17を押しつけた
状態を示す断面図である。
【図8】第2実施例の部分断面図であり、熱交換パイプ
16の上に、熱伝導材32を流し込んだ状態を示す図で
ある。
【図9】第2実施例の部分断面図である。
【図10】6枚のパネルP1〜P6を並べた状態を示す
図である。
【図11】切欠部18,19の拡大図であり、メインパ
イプ14,15を接続ホース30で接続した状態を示す
図である。
【図12】パネル本体P1およびパネル本体P4の切欠
部18,19の拡大図である。
【図13】従来例の平面図である。
【図14】従来例の断面図である。
【符号の説明】
11 断熱材 12,13 表面材 14,15 メインパイプ 16 熱交換パイプ 18,19 切欠部 22 底板 24 外枠 28 蓋板 29 空間 32 熱伝導材 M パイプマット
フロントページの続き (72)発明者 島崎 勉 富山県黒部市前沢4371 株式会社トヨック ス内 Fターム(参考) 3L070 BD02 BD03 BD07 BD22

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換用のパイプマットを、断熱材に埋
    設するとともに、この断熱材の上下両面に、表面材を直
    接はり付けたことを特徴とする熱交換パネル。
  2. 【請求項2】 表面材を、非伸縮性のシートあるいはフ
    ィルム状にしたことを特徴とする請求項1記載の熱交換
    パネル。
  3. 【請求項3】 熱交換用のパイプマットの全部または一
    部を、一方の表面材に接触させたことを特徴とする請求
    項1または2記載の熱交換パネル。
  4. 【請求項4】熱交換用のパイプマットは、一対の太いメ
    インパイプと、これらメインパイプ間を接続した複数の
    細い熱交換パイプとからなり、上記メインパイプの直径
    よりも、断熱材の厚さを厚くしたことを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1記載の熱交換パネル。
  5. 【請求項5】 パイプマットのメインパイプを、断熱材
    の短辺側に設ける一方、断熱材の短辺側の両角部に切欠
    部を形成し、これら切欠部から上記メインパイプの両端
    を突出させたことを特徴とする請求項4記載の熱交換パ
    ネル。
  6. 【請求項6】 熱交換用のパイプマットと、断熱材との
    間に、熱伝導材を介在させたことを特徴とする特徴とす
    る請求項3〜5のいずれか1記載の熱交換パネル。
  7. 【請求項7】 断熱材に、熱交換用のパイプマットを埋
    設する熱交換パネルの製造方法であって、型枠を構成す
    る底板に、第1表面材を敷き詰め、この第1表面材の上
    にパイプマットを載せるとともに、このパイプマットを
    仮止め部材によって第1表面材に仮止めする一方、第2
    表面材を止めた蓋板で型枠を閉塞するとともに、この型
    枠内に形成された空間に断熱材を充填し、その後に型枠
    を取り外すことを特徴とする熱交換パネルの製造方法。
  8. 【請求項8】 第1、2表面材には、型枠から離れやす
    いように離型処理を施したことを特徴とする請求項7記
    載の熱交換パネルの製造方法。
  9. 【請求項9】 パイプマットを第1表面材に仮止めした
    後、パイプマットの上に複数の押さえ部材を設け、第2
    表面材で、押さえ部材をパイプマットに押しつけて、パ
    イプマットの位置決めをすることを特徴とする請求項7
    または8記載の熱交換パネルの製造方法。
  10. 【請求項10】 押さえ部材は、断熱材と同じ材質にし
    たことを特徴とする請求項9記載の熱交換パネルの製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007163068A (ja) * 2005-12-15 2007-06-28 Toyox Co Ltd 浴室用暖房パネル
JP6362204B1 (ja) * 2017-04-24 2018-07-25 株式会社マテリ・アソート 冷温水循環断熱パネル及びこれを利用した無風冷却式プレハブ庫

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