JP3000557U - 空気層付き暖房ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 木質材施工の課題である、床鳴り、変形、反
り、更には温水管からの漏水等を解決する。 【構成】 荒床板８上に適当間隔に根太３を取付け、そ
の根太間に断熱板７温水管４を順次配設し、その温水管
を包み込むように一体化した放熱板２、伝熱板６を取付
け、前述の根太上に木質材１等を固着して木質材と断熱
板間に空気層５を形成し、その空気層内の放熱板と伝熱
板と温水管は各々伸縮自在に構成した空気層付き暖房ユ
ニット。 【効果】 放熱板、伝熱板、温水管は各々より伸縮し易
い構造であると共に放熱板と伝熱板と温水管は、それぞ
れ木質材に固着しないので、木質材等には、より熱応力
が伝わらない暖房ユニットが得られる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は「空気層付き暖房ユニット」に関する考案である。

【０００２】

【従来の技術】

床等の暖房の方式にはいろいろな熱源及び放熱の方法があり、そのうち、温水 パネル方式について、いろいろ提案されている技術は、熱源を伝える順序が、温 水、温水管、溝付き伝熱板、そしてそれに合体した放熱板となっているので、 その放熱板は熱源の温度変化を直接受けたり、床材に熱応力を直接伝える構造と なっている為、木質材の床鳴り、床浮き、キシミ音、反り、変形等々の問題が大 きく、また、空気層を設けたものでも熱伝達効率が悪かった。

【０００３】 本考案者は、前記した種々の点に鑑み、先に、放熱部と伝熱部との間に空気層 を形成し、該空気層内に温水管を配設して、木質の床鳴り、床浮き、キシミ音、 反り、変形、等々の従来技術のもつ不具合現象を解決した発明（平成４年特許願 第１８４２９１号）を提案した。

【０００４】 しかし、このものも図３に、その要部を示す通り、放熱板と伝熱板が別々なの で熱伝達効率が悪く、接着工程が必要だったり、床上の荷重等が直接温水管に伝 わる等の問題がある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、本件考案者は、さらに種々の検討と実験を重ね、放熱板と伝熱板とを 一体化することで、接着工程を省略すると共に、伝熱板から放熱板への熱伝導の 向上を計り、さらに空隙を作ることで、安全な構造にし、床上の荷重等が直接温 水管に伝わらず、かつ、温水管と放熱板と伝熱板とが各々が自在に伸縮し易くな り、より木質材へ熱応力が全く受けないので、先の発明したものより、より床鳴 り、床浮き、キシミ音、そして木質材の反り、変形等を、ほぼ完全に解決した暖 房ユニットを提供すること。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題を解決するために、第一に、荒床板８等上に、適当間隔に根 太３、３’を取付け、その根太間に断熱板７を載置し、この断熱板７上に温水管 ４、４’を適数本配設し、この温水管を包み込むように、アルミ薄板等の放熱板 ２の左右両端面を、根太間寸法内で下方へ折り曲げ温水管と断熱板間に差し込ん で伝熱板６を形成し、この放熱板上面が木質材１等と接するように根太３、３’ 上に木質材等を固着して、木質材等と断熱板の間に独立した空気層を形成したこ とを 要旨とし、第２に荒床板８等上に、適当間隔に根太３、３’を取付け、そ の根太間に断熱板７を載置し、この断熱板７上に温水管４、４’を適数本配設し 、この温水管を包み込むように、アルミ薄板等の放熱板２の左右両端面を、根太 間寸法内で下方へ折り曲げ温水管と断熱板間に差し込んで伝熱板６を形成し、こ の放熱板上面が木質材１等と接するように根太３、３’上に木質材等を固着した とき、断熱板上の折り曲げ部分の伝熱板と、木質材に接する放熱板との間の傾斜 面となる放熱板と木質材等との間に間隙９が形成され、この部分に温水管を配設 したことで、放熱板と伝熱板と温水管とも伸縮自在にした空気層付き暖房ユニッ トを要旨とするものである。

【０００７】

【作用】

第１に、放熱板と伝熱板は木質材等の裏面と断熱板上面に接着せず一体化して 熱伝達効率の向上を計ると共に、放熱板、伝熱板の接着工程を省略でき、放熱板 と伝熱板を一体化して折り曲げるだけなので、更にコストダウンが計られる。

【０００８】 第２に、放熱板と伝熱板を木質材等の裏面と断熱板上面に接着せず一体化する と共に、伸縮自在にしたことと、放熱板と木質材等との間の間隙部分に温水管を 配設したことで温水管も伸縮自在形成の為、木質材等は、放熱板と伝熱板と温水 管等の熱膨張、伸縮による熱応力を全く受けず、従って、従来提供されている床 暖房パネルにみられた熱応力等による、木質材の床鳴り、床浮き、キシミ音、そ して、反り、変形等の問題もほぼ完全に解決できた。

【０００９】

【実施例】

以下に本考案の実施例を図面に従って説明する。 図１は本考案の展開図であり、図２は、根太３、３’上に木質材１を固着して形 成される本考案の、空気層付き暖房ユニットの断面図である。 又、図３は従来技術の断面図である。

【００１０】 更に詳述すると、図１、図２に示す通り、放熱板２と伝熱板６は一体化され、 ほぼ、かまぼこ形状に構成し、そのかまぼこ状の七面がアルミ薄板、薄い金属 板等の放熱板２となり、伝熱板６となる底面部は断熱板７上と温水管４、４’の 間に差し込むだけである。

【００１１】 又、折り曲げ部分の伝熱板６と、木質材１と接する放熱板間のほぼ中央部分に 温水管４、４’を配設させたので、図２に示すように、木質材１の裏面と温水管 ４、４’の上面の放熱板間に間隙９が形成され、根太間中央部分の木質材１には 、温水管４、４’、放熱板２、そして木質材１と順次熱伝導が行われる構造であ ると共に、断熱板上と木質材裏面間に形成される空気層内では、輻射熱、対流熱 も木質材１全面に伝達される。

【００１２】 更に又、前述の木質材１の裏面と、温水管４、４’の上面との間隙９は、木質 材に受ける諸荷重によるたわみがあっても、それらが温水管に伝達されない構造 であると共に、温水管４及び放熱板２、伝熱板６等が、各々より伸縮し易くする 構造でもある。

【００１３】

【考案の効果】

従来提供されている床暖房パネルの前述の課題を解決する出願であるが、更に 本考案は下記の様な効果が得られる。 （１）放熱板、伝熱板をそれぞれ木質材及び断熱板に接着する工程の省略 （２）放熱板、伝熱板の一体化よるコストダウン （３）伝熱板から放熱板への熱伝達の向上 （４）木質材へ放熱板等の熱応力が全く伝わらない （５）木質材と温水管に間隙を設けたことにより、住宅の静動荷重、地震等によ る木質材のたわみ荷重が温水管に伝達されない安全構造であると共に、 温水管、放熱板、伝熱板等が、より伸縮し易い構造となる （６）適寸法の間隙構成により根太等製造時、寸法公差を広げられる効果もある （７）木質材等の床表面材は、非床暖房施工時と同じで、根太にのみ取付ける為 施工し易く又、放熱板、伝熱板等に糊付け、釘打ちの必要もなくなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の展開図である。

【図２】本考案の断面図である。

【図３】従来技術の断面図である。

【符号の説明】

１：木質材 ２：放熱板 ３、３’：根太 ４、４’：温水管 ５：空気層 ６：伝熱板 ７：断熱板 ８：荒床板 ９、９’：間隙。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】荒床板８等上に、適当間隔に根太３、３’
   を取付け、その根太間に断熱板７を載置し、この断熱板
   ７上に温水管４、４’を適数本配設し、この温水管を包
   み込むように、アルミ薄板等の放熱板２の左右両端面
   を、根太間寸法内で下方へ折り曲げ温水管と断熱板間に
   差し込んで伝熱板６を形成し、この放熱板上面が木質材
   １等と接するように根太３、３’上に木質材等を固着し
   て、木質材等と断熱板の間に独立した空気層を形成した
   ことを特徴とする空気層付き暖房ユニット。
2. 【請求項２】荒床板８等上に、適当間隔に根太３、３’
   を取付け、その根太間に断熱板７を載置し、この断熱板
   ７上に温水管４、４’を適数本配設し、この温水管を包
   み込むように、アルミ薄板等の放熱板２の左右両端面
   を、根太間寸法内で下方へ折り曲げ温水管と断熱板間に
   差し込んで伝熱板６を形成し、この放熱板上面が木質材
   １等と接するように根太３、３’上に木質材等を固着し
   たとき、断熱板上の折り曲げ部分の伝熱板と、木質材に
   接する放熱板との間の傾斜面となる放熱板と木質材等と
   の間に間隙９が形成され、この部分に温水管を配設した
   ことで、放熱板と伝熱板と温水管とも伸縮自在にした空
   気層付き暖房ユニット。