JP2001124187A - 歯車変速機用ケース - Google Patents
歯車変速機用ケースInfo
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- JP2001124187A JP2001124187A JP31007199A JP31007199A JP2001124187A JP 2001124187 A JP2001124187 A JP 2001124187A JP 31007199 A JP31007199 A JP 31007199A JP 31007199 A JP31007199 A JP 31007199A JP 2001124187 A JP2001124187 A JP 2001124187A
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Abstract
果的に低減する。 【解決手段】 入力軸3と出力軸5に取り付けた歯車
7,9がかみあっている。入力軸3の軸受15と出力軸
5の軸受17との軸受組11は、壁部材である軸支持面
13で支持されている。この軸支持面13の両軸受周辺
に限定的に高剛性化領域19を設ける。別の態様では、
軸支持面を、ケース中央部に向かう方向に湾曲した曲面
形状で構成する。別の態様では、軸支持面において、軸
受からケース表面に至る領域に柔軟構造部を設ける。
Description
歯車軸に取り付けられる歯車対を有する歯車変速機のケ
ースに関し、特に、歯車騒音の低減に関する。典型的に
は第一、第二の歯車軸は入出力軸である。
て、種々の歯車変速機用ケースが提案されている。一般
的には、ケース全体に亘って肉厚を増大し、またはリブ
を加えることで高剛性化を図り、騒音に直接関係するケ
ース表面の振動を低減、抑制している。
は、主歯車軸と副歯車軸との間に、軸受を有しており軸
間ピッチを保持する連結部材が介在し、連結部材はケー
スから遊離して設けられる。振動伝達をなくすための3
点支持が行われ、歯車軸の曲げ剛性が向上し、ギヤノイ
ズの低減が図られる。
は、ケース表面の肉厚を中高(かまぼこ形、三角形な
ど)に設定することにより、ケース内の騒音を透過しに
くくする遮音壁を構成し、またケース表面自体の共振に
対する振動低減を図っている。
入出力軸の軸受部の側面に衝撃ダンパを設け、歯車のか
み合いによる振動を減衰させ、ケースへの振動伝達を防
いでいる。また、ケースに伝播してしまった振動につい
ては、ケース側面に設けた衝撃ダンパにより振動低減が
図られる。
一般的な騒音低減手法であるケース全体の肉厚増および
リブ追加には、ケース重量の増大を招くという不利があ
る。この重量増は、特に自動車などの移動する機械に用
いる変速機にとって大きな不利である。
報では、2点で支持される軸系に、ケースから遊離して
介在して軸間ピッチを保持する連結部材が設けられ、3
点支持により曲げ剛性を向上するように図っている。し
たがって連結部材を用いて3点支持ができるように軸長
を長く設定するか、専用のスペースを確保する必要が生
じ、小型・軽量化には適さない。また軸が振動する場合
は、かみ合い位置や振動モードによっては、ケースから
遊離していない軸受への振動入力が大きくなり、ケース
から遊離した連結部材の振動低減効果が現れにくくなる
可能性がある。
報では、ケース中央部の面厚さを増大する方法が取られ
ている。軸支持面は平面で形成されている。そのため、
ケース内部で生じる騒音は有効に遮蔽できるが、軸支持
面が振動しやすいため、軸支持面の振動によりケース表
面振動が励起され、軸受からの振動入力の伝播を低減す
る効果は期待できない。
公報では、箱の中に複数の鋼球を入れ、鋼球が壁および
他の鋼球に衝突することで、振動エネルギを散逸させて
いる。また鋼球に加えて箱の内部を液体で満たすこと
で、粘性減衰を高めることが提案されている。
に応じて鋼球が箱の内部で運動することが前提になるた
め、振動低減効果が期待できる条件が限られている。ま
た逆に、比較的小さな振動入力に対して振動低減効果を
発揮させようとすると、衝撃ダンパの面積を大きくする
か、ダンパを取り付ける場所を多くすることが必要にな
る。これは、変速機ケースを設計するときの空間的制約
の増大、ダンパの重量の増大、およびコストの増加を招
く要因になる。
あり、その目的は、重量を大幅に増加することなく、低
い製造コストにて、歯車軸からの振動入力をケース表面
に伝えにくくして、効果的に歯車騒音を低減できる歯車
変速機用ケースを提供することにある。
るため、本発明は、第一の歯車軸と第二の歯車軸にそれ
ぞれ取り付けられる少なくとも一対の歯車対を有する歯
車変速機のケースであって、前記第一の歯車軸の軸受と
前記第二の歯車軸の軸受との軸受組を支える軸支持部を
有し、該軸支持部における両軸受周辺に限定的に高剛性
化領域を設けたことを特徴とする。第一および第二の歯
車軸は、例えば入力軸および出力軸である。軸支持部
は、好ましくはケース表面から内部に向かって延びる板
状部材(面部材)である。
めに、軸受周囲に高剛性なリブを設けてもよい。またケ
ースに取り付けられて軸受周辺を高剛性化するリテーナ
部材を設けてもよい。
設けるので、軸受周囲の固有振動数を、歯車軸系の最低
次の固有振動数を上回るように設定し、あるいは通常の
使用振動数の範囲外に設定することができ、これにより
歯車軸からの振動入力をケース表面に伝えにくくして、
騒音を低減することができる。限定的に高剛性化領域を
設けているので重量、コストの大幅増加を避けられる。
と第二の歯車軸にそれぞれ取り付けられる少なくとも一
対の歯車対を有する歯車変速機のケースであって、前記
第一の歯車軸の軸受と前記第二の歯車軸の軸受との軸受
組を支える軸支持部を有し、該軸支持部が、ケース中央
部に向かう方向に湾曲した曲面形状を有することを特徴
とする。好ましくは、さらに、前記軸支持部の曲面形状
がケース周方向にも湾曲している。好ましくは、上記の
曲面構造を設けることに加えて、上述したように軸受周
辺の剛性を高める。
向に沿って曲面をもつ支持面構造を設けることで、ケー
スの軸支持面の剛性を高め、ケースが振動するモードの
固有振動数を高くし、入出力の歯車軸からの振動入力を
ケース表面に伝えにくくして、騒音を低減することがで
きる。本発明では軸支持部形状を平面から曲面に変更し
ている。したがって重量、コストの増加を抑えつつ騒音
を低減できる。
歯車軸と第二の歯車軸にそれぞれ取り付けられる少なく
とも一対の歯車対を有する歯車変速機のケースであっ
て、前記第一の歯車軸の軸受と前記第二の歯車軸の軸受
との軸受組を支える軸支持部を有し、該軸支持部は、軸
受からケース表面に至る領域に柔軟構造部を有すること
を特徴とする。
設けることで柔軟構造が得られる。ケース本体とは別部
品である屈曲部材を設けてもよい。また柔軟構造部は、
軸受周囲(ケース内)の全周に設けられてもよく、その
一部に設けられてもよい。
を含み、柔軟構造部で高減衰を起こさせる。ここでは、
柔軟構造部そのものが高減衰部材で構成されてもよい。
また柔軟構造部に高減衰部材を接合してもよい(貼付け
等)。
ス外壁に至る領域に、前記柔軟構造部の振動吸収作用を
促進するリブ等の高剛性化部が設けられる。
ケース支持面において、軸受からケース表面に至る領域
の全周あるいはその一部に、屈曲形状などによる柔軟構
造部が設けられる。これにより歯車軸からの振動入力を
ケース支持面内で吸収し、ケース表面に伝えにくくする
ことができ、重量、コストを大幅に増加することなく効
果的に騒音を低減することができる。柔軟構造部に高減
衰材を備えることにより、さらなる振動低減が可能とな
る。広範囲、例えばケース全域に減衰材を貼り付けるよ
うな構成と比較すると、効率良く振動低減を図ることが
でき、コストも低減でき、本発明の効果が顕著に得られ
る。
(以下、実施形態という)について、図面を参照し説明
する。
態の歯車変速機用ケースを備えた変速機を模式化して示
す断面図であり、図1(b)は、図1(a)の変速機を
歯車軸方向から見た断面図である。本実施形態では、一
対のかみ合い歯車をもつ歯車軸系の軸受支持構造に本発
明が適用される。
型のケース本体1(ケース表面)の内部に入力軸3およ
び出力軸5が平行に設けられている。そして、入力軸3
および出力軸5に取り付けた歯車7,9がかみ合ってい
る。入力軸3の回転は、歯車対を介して出力軸5に伝達
される。本実施形態でははすば歯車が設けられている
が、代わりに他の形式の歯車、例えば平歯車が設けられ
てもよい。
両側にて、それぞれ軸受組11,21を介してケース軸
支持面(壁部)13,23で支えられている。本明細書
では、板状部材や壁部を適宜<面(肉厚をもった面)>
と定義、表現する。また本実施形態では、右側に円筒こ
ろ軸受、左側に玉軸受が配置されているが、軸受タイプ
はこれらに限定されない。
歯車7,9から所定距離をあけて、右軸受組11が設け
られている。右軸受組11は、入力軸3を支持する入力
軸受15と、出力軸5を支持する出力軸受17とを含
む。これらの軸受15,17は軸方向に同位置あるいは
近傍にある。そして、軸受組11が、ケース本体1から
内側に向かって延びる軸支持面13に支持されている。
は、両軸受15,17の周辺に高剛性領域19を有して
いる。図1(b)に示すように、高剛性領域19は、2
つの軸受15,17の外輪をカバーする長円形を有す
る。そして図1(a)に示すように、高剛性領域19の
肉厚は、軸支持面13の一般肉厚よりも大幅(3倍以
上)に大きい(一般肉厚は軸受幅よりさらに薄く設定さ
れ、軽量化が図られている)。この肉厚増により、両軸
受15,17の周囲を取り囲む高いリブ(軸方向に両側
へ突出する円環形状、円筒形状、8の字形状、眼鏡形状
のリブ)が形成されている。そして、両軸受15,17
は、剛性の高い長円型一体構造により支持され、この一
体構造が、より薄肉の壁部を介してケース本体1に支持
されている。図2は、高剛性領域を斜めから見た形状を
示している。
に同様である。歯車7,9から所定距離をあけて、左軸
受組21が設けられている。左軸受組21は、入力軸3
を支持する入力軸受25と、出力軸5を支持する出力軸
受27とを含む。これらの軸受25,27は軸方向に同
位置あるいは近傍にある。そして、軸受組21が、ケー
ス本体1から内側に向かって延びる軸支持面23に支持
されている。
は、両軸受25,27の周辺に高剛性領域29を有して
いる。高剛性領域29の形状は、上述の右側支持構造と
同様である。軸受周囲にリブを設けた一体構造により高
剛性が得られている。
左側支持構造では、軸支持面23が分割構造を有してい
る。すなわち、高剛性領域29は、ケース側支持部と分
割側支持部に分割される。そしてこの分割境界部分に
て、はすば歯車のスラスト力を支持するための止め具
(スナップリング)が軸受外輪の外側にはめられ、そし
て止め具が軸支持面23に固定されている。また軸受内
周側には位置決め用ストッパーが設けられている。
入出力軸を支持する軸受組の周囲に高剛性領域が設けら
れている。これにより、軸受周囲の固有振動数が、軸系
の最低次の固有振動数を超えるように設定され、あるい
は通常の使用振動数の範囲外に設定され、好適な振動低
減効果が得られる。
く軸受荷重の大きさは、伝達トルクに比例して、また歯
車軸系の振動伝達特性に応じて変化する。この時、いず
れも入力側と出力側の軸受荷重の向きはほぼ逆向きにな
る。この点に着目し、入力側と出力側の軸受周辺を剛性
の高い一つの構造体(機能的に見て一体的な構造体であ
ればよく、分割可能でもよい)で支えることで、ケース
に作用する軸受荷重の相殺効果が生まれる。また、軸受
周辺を高剛性体にすることで、軸受支持面全体としての
変形および振動振幅を抑えることができる。
負荷変形による歯車のアライメント誤差が小さくなり、
かみ合い伝達誤差変動を減少させることができる上、軸
受からの振動入力をその周辺で抑えられる。これにより
ケース表面まで伝達される振動が小さくなり、歯車騒音
を低減することができる。限定的な高剛性化により効率
よく振動低減効果を得ているので、重量の大幅増加を招
くことなく、そして製造コストを大幅に増加することな
く、振動、騒音を低減できる。
ている。図示のように、軸受周囲の剛性を高めていない
通常の構造と比べて、本実施形態の構造によれば、軸系
が共振する1kHz近傍で、かみ合い点からケース表面
までの振動伝達を低く抑えることができる。同様の例
で、軸受支持面剛性がより低い構造の場合には、図4に
示すように、軸系が共振する1.4kHz近傍に加え
て、2kHz以上の支持面が共振する高振動数帯域にお
いても、振動低減効果が得られている。
を高くして剛性を高める場合、リブの高さに応じて振動
低減効果が現れる。図3および図4の例は、支持面厚さ
に対して3倍前後の高さのリブを設けた場合の振動レベ
ルを示している。
て、歯車軸系の最低次の固有振動数を超えるように、あ
るいは通常の使用振動数の範囲外となるように固有振動
数が設定されればよい。この固有振動数が得られる高剛
性領域を形成できる他の構成が採用されてもよい。
であり、軸受を止めるリテーナ部品を用意し、リテーナ
部品を軸受の片側または両側から軸支持面に固定しても
よい。この場合、鉄のように弾性係数の大きい材料を用
いてもよい。鋳鉄のように減衰が大きい材料を用いても
よい。また組となる軸受同士を側面から覆う構造のリテ
ーナを設けてもよい。これらの形態により、さらに振動
低減効果を増すことが可能である。
1の構造におけるリブ幅を薄くするとともに、必要に応
じて二重、三重にリブを形成することが好適である。ま
た制振用のリテーナを設ける構成では、リテーナの固定
部以外の領域に貫通孔を設けてもよく、またそのような
領域の肉厚を薄くしてもよい。
態の歯車変速機用ケースを備えた変速機を示す断面図で
あり、図5(b)は、図5(a)の変速機を歯車軸方向
から見た断面図である。本実施形態の歯車変速機用ケー
スの基本的構造は、図1のケースと同様である。そこ
で、以下、主として図1のケースとの相違部分を説明す
る。
られる高剛性のリブ(軸受端面から突き出すような高い
リブ)は設けられていない。左右の軸受組11,21の
周囲には、軸受幅とほぼ同じ厚さのフランジ部39、4
9が設けられている。このフランジ部は、図5(b)に
示すように、両軸受の外輪をカバーする長円形状を有
し、軸受外輪を支持している。
に特徴がある。右軸受組11を支える軸支持面33は、
ケース中央部に向かう方向に湾曲した曲面形状を有す
る。具体的には、軸支持面33は、軸受組11の周囲の
フランジ部39からケース表面1に向けて、ケース外側
に凸の曲面で構成されている。
にのみ曲面構成が設けられ、左側の軸支持面43は一般
的な平面構成を有する。しかし、左側の軸支持面43の
形状も曲面としてもよい。
面の一部とが曲面で構成され、この曲面は外側に凸であ
って、連続しており、大きな曲率を有する。軸受からの
入力荷重を面内で支えることができ、騒音につながる変
形や面外成分の振動振幅を小さくすることができ、軸支
持面とケース表面の双方の剛性が向上する。これによ
り、ケースの負荷変形による歯車のアライメント誤差が
小さくなり、かみ合い伝達誤差変動を減少させることが
でき、起振源での振動を抑えることができる。また軸支
持面およびケース表面それぞれの固有振動モード数が減
少するので、軸受からの振動入力が軸支持面やケース表
面で増幅されにくくなり、振動伝達系としての振動抑制
も図ることができる。
歯車軸からの振動入力をケース表面に伝えにくくして、
歯車騒音を低減できる。本実施形態では、支持面を平面
型から曲面型に変えることで上記の効果が得られてい
る。したがって、大幅な重量増およびそれに伴うコスト
増を招くことなく騒音を効果的に低減できる。
ている。図示のように、平面で構成された通常の軸支持
面の場合と比較して、本実施形態の曲面構成の軸支持面
の場合は、主に2kHz以上の高い振動数帯域で振動低
減効果が顕著に現れる。この理由は以下のように考えら
れる。すなわち、平面で構成される通常の軸支持面の場
合には、軸支持面とケース表面の面外剛性が低いため
に、それぞれの領域で幾種類もの膜振動が発生する。一
方、本実施形態の曲面構成の軸支持面の場合には、軸支
持面とケース表面の双方が滑らかに連続してつながるた
めに、入力荷重を面内と面外の両方で支持することがで
き、膜振動が現れにくくなり、図示の効果が得られる。
形(円形断面)を有している。これに対して、長方形ま
たは半円筒形などの任意の断面形状を有するケースに対
しても本発明を同様に適用できる。
くともよく、すなわち支持面の一部が曲面で構成されて
もよい。入力荷重の向きに応じて部分的に曲面構成の支
持面を設けることが好適である。
向きが「外側に凸」であった。しかし、これとは反対に
「内側に凸」でもよい。他の部品との干渉等の設計スペ
ース上の制約を考慮して形状を決めることが好適であ
る。
からケース表面中央部に向かう方向に沿って湾曲する曲
面が設けられている。さらなる剛性向上を図るために、
図7に示すように、ケース周方向にも曲率をもたせた曲
面構造を採用してもよい。この場合、図7に示すよう
に、必要に応じてリブなどの高剛性部分を設けること
で、さらに振動低減効果を増すことができる。
各分割領域に曲率が与えられ、これによりケース表面は
円形でなくなっている。そして隣合う分割領域の境界
に、ケース外側に向かって突出するリブが設けられてい
る。
同様に軸受周囲にさらに高いリブまたはリテーナなどを
設けて、高剛性化を行ってもよく、これにより振動低減
を図ることができる。下記の実施形態においても同様で
ある。
態の歯車変速機用ケースを備えた変速機を示す断面図で
あり、図8(b)は、図8(a)の変速機を歯車軸方向
から見た断面図である。本実施形態の歯車変速機用ケー
スの基本的構造は、図1のケースと同様である。そこ
で、以下、主として図1のケースとの相違部分を説明す
る。
られる高剛性のリブは設けられていない。この点は図5
のケースと同様である。左右の軸受組11,21の周囲
には、軸受幅とほぼ同じ厚さのフランジ部39、49が
設けられている。
軸支持面53,63が、屈曲した柔軟構造部54,64
を有している。柔軟構造部54,64は、軸受組からケ
ース表面に至る板状領域(面領域)の一部に設けられて
いる。そして図8(b)を参照すると、柔軟構造部5
4,64は、軸受組の回りを取り囲む円を描くように、
ケース内の全周に亘って設けられている。
では、支持面53,63の一部を屈曲させることにより
その柔軟性が得られている。そして屈曲部は略半円形状
を有している。ただし、柔軟構造部54,64の断面形
状は、十分な制振作用を与える柔軟性が得られる範囲で
任意であり、製作コスト、強度および制振性能などを考
慮して決定すればよい。
らケース表面1にかけて、複数のリブ71が設けられて
いる。リブ71は、軸支持面53と一体に、その両側に
設けられている。複数のリブ71が、ケース内周に沿っ
て適当な間隔をおいて配置されている。各リブ71は三
角状の形態を有し、その2辺で支持面およびケース表面
に連結されている。リブ71は、左側の軸支持面63に
も設けられてもよい。
構造部を設けたことで歯車騒音の低減が図れる。入出力
歯車のかみ合い進行にともなってギヤノイズが生じた
り、トルク変動にともなって歯車のガタ打ち騒音が生じ
るときなどは、歯車で発生した起振力が軸系の振動特性
で増幅され、軸受を介してケースの軸支持面へと入力さ
れる。ケース軸支持面への振動入力としては、平歯車で
あれば、ケース軸支持面の面内せん断力と面外曲げモー
メントが作用する。はすば歯車であれば、スラスト力に
よる、面外せん断力と面外曲げモーメントが加えて作用
する。
して、本実施形態の屈曲した柔軟構造部を用いれば、軸
受から屈曲柔軟構造部までは振動する。しかし、面内と
面外の両方の振動変位を屈曲した柔軟構造部で吸収・減
衰させることができるので、屈曲柔軟構造部からケース
表面に至る領域の振動を抑えることができ、これにより
歯車騒音を低減できる。大幅な重量増、コスト増を招く
ことなく歯車騒音を効果的に低減できる点で有利であ
る。
ス表面に至る側の剛性が高められている。図8の例では
リブの設置により剛性が増加している。これにより、柔
軟構造部の振動吸収作用がさらに促進される。柔軟構造
部両端での相対振幅を大きくして減衰を高めることがで
きる上、ケース表面の剛性が高まって、柔軟構造部で作
用する力に対するケース表面の応答変位を小さく抑える
ことができ、これらによって歯車騒音を一層低減するこ
とができる。
ている。図示のように、屈曲柔軟構造を設けていない通
常の構成に比べ、本実施形態の構成によれば、軸系が共
振する1kHz近傍および軸支持面が共振する1kHz
以下の振動数帯域において、かみ合い点からケース表面
までの振動伝達を低く抑えることができる。
さらに振動を低減することが可能である。すなわち、柔
軟構造部が高減衰部材を含むように構成する。例えば、
図10および図11に示すように、柔軟構造部の表面に
高減衰部材を接合(貼付け)する。図10の例では、支
持面の屈曲の外側に、粘弾性樹脂を介して薄い鋼板など
が設置される。図11の例では、屈曲部分にフリクショ
ンプレートが配置されている。プレートと支持面柔軟構
造部およびプレート同士で生じる摩擦や粘性により減衰
効果が得られる。
に高減衰材を備えることにより、さらなる振動低減が可
能となる。広範囲、例えばケース全域に減衰材を貼り付
けるような構成と比較すると、効率良く振動低減を図る
ことができ、コストも低減でき、本発明の効果が顕著に
得られる。
ケース本体(ケース全体の一体構造)とは別部品として
もよい。この屈曲部品はボルトなどを用いて支持面に結
合される。この構成では、屈曲構造部の形状などについ
ての設計上の自由度が高まる。強度的に優れるΩ型のよ
うな形状を採用し、面厚を最適化し、高減衰材料を適用
することが好適である。ここでは、屈曲構造部そのもの
全体が高減衰部材で構成される。
に、屈曲構造は複数回重ねてもよい。図13の例では、
3つの連続する半円により屈曲構造が形成され、柔軟性
が高くなっている。
合わせた構成を採用してもよい。図14の例では、1つ
の軸受組が、2枚の支持面により支持され、これら2枚
の支持面が合わされている。ケース表面も分割されてい
る(A,B)。各支持面は、それぞれ屈曲柔軟構造部
A,Bを有している。そして各支持面とケース表面との
結合部に三角状の形態をもつリブが設けられている。
所的に柔軟構造部が配置されてもよい。すなわち、図8
(b)に示した構造では支持面の全周に沿って屈曲構造
が設けられていたが(円を描いていたが)、図15に示
すように屈曲構造は局所的に設けられてもよい。この場
合、軸受荷重の方向などを考慮して、効果的に振動を抑
制できる領域に屈曲部を設けることが好適である。支持
面の一部を屈曲させてもよく、また別体部品を支持面の
開口部に組み付けてもよい。また図15の例では、柔軟
構造部の局所配置に伴って、その外側のリブの数および
配置も変更されている。すなわち、リブは柔軟構造部の
外側にのみ設けられている(ただし、リブはケース全周
に設けてもよい)。
示す断面図である。
造を示す図である。
る。
る。
示す断面図である。
る。
示す断面図である。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
車、11,21 軸受組、13,23,33,43,5
3,63 軸支持面、15,25 入力軸受、17,2
7 出力軸受、19,29 高剛性領域、39,49
フランジ部、54,64 柔軟構造部、71 リブ。
Claims (9)
- 【請求項1】 第一の歯車軸と第二の歯車軸にそれぞれ
取り付けられる少なくとも一対の歯車対を有する歯車変
速機のケースであって、 前記第一の歯車軸の軸受と前記第二の歯車軸の軸受との
軸受組を支える軸支持部を有し、該軸支持部における両
軸受周辺に高剛性化領域を設けたことを特徴とする歯車
変速機用ケース。 - 【請求項2】 請求項1に記載の歯車変速機用ケースに
おいて、 前記軸支持部は、ケースに取り付けられて軸受周辺を高
剛性化するリテーナ部材を含むことを特徴とする歯車変
速機用ケース。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の歯車変速機用
ケースにおいて、 前記軸支持部は、歯車軸系の最低次の固有振動数を上回
る固有振動数または通常の使用振動数の範囲外の固有振
動数を有するように構成されることを特徴とする歯車変
速機用ケース。 - 【請求項4】 第一の歯車軸と第二の歯車軸にそれぞれ
取り付けられる少なくとも一対の歯車対を有する歯車変
速機のケースであって、 前記第一の歯車軸の軸受と前記第二の歯車軸の軸受との
軸受組を支える軸支持部を有し、該軸支持部が、ケース
中央部に向かう方向に湾曲した曲面形状を有することを
特徴とする歯車変速機用ケース。 - 【請求項5】 請求項4に記載の歯車変速機用ケースに
おいて、 さらに、前記軸支持部の曲面形状がケース周方向にも湾
曲していることを特徴とする歯車変速機用ケース。 - 【請求項6】 第一の歯車軸と第二の歯車軸にそれぞれ
取り付けられる少なくとも一対の歯車対を有する歯車変
速機のケースであって、 前記第一の歯車軸の軸受と前記第二の歯車軸の軸受との
軸受組を支える軸支持部を有し、該軸支持部は、軸受か
らケース表面に至る領域に柔軟構造部を有することを特
徴とする歯車変速機用ケース。 - 【請求項7】 請求項6に記載の歯車変速機用ケースに
おいて、 前記柔軟構造部は、ケース本体とは別部品である屈曲部
材を含むことを特徴とする歯車変速機用ケース。 - 【請求項8】 請求項6または7に記載の歯車変速機用
ケースにおいて、 前記柔軟構造部が高減衰部材を含むことを特徴とする歯
車変速機用ケース。 - 【請求項9】 請求項6〜8のいずれかに記載の歯車変
速機用ケースにおいて、 前記柔軟構造部からケース外壁に至る領域に、前記柔軟
構造部の振動吸収作用を促進する高剛性化部が設けられ
ていることを特徴とする歯車変速機用ケース。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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EP2669702A1 (en) | 2012-06-01 | 2013-12-04 | Panasonic Corporation | Sensor device |
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- 1999-10-29 JP JP31007199A patent/JP4468522B2/ja not_active Expired - Lifetime
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