JP2001122778A - 油脂組成物 - Google Patents
油脂組成物Info
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Abstract
合でも容易に摂取でき、体脂肪を有効に低下させること
ができる油脂組成物の提供。 【解決手段】 構成アシル基中のω3系不飽和アシル基
含量が15重量%以上であるジグリセリドを15重量%
以上及び辛味成分を含有する油脂組成物。
Description
ド及び辛味成分を含有する油脂組成物に関する。
して肥満を防止することに関心が高まっている。しか
し、単に体重増加を抑制するだけでなく、体脂肪、とり
わけ内臓脂肪を減少させることが、心機能の低下、血圧
の上昇、動脈硬化の発生等種々の疾患の予防・改善に有
効であることが、近年の研究結果から明らかになりつつ
ある。
討がさかんに行われた結果、例えば、辛味成分を摂取す
ることにより、体脂肪が低下することが見出された(木
村繁、香辛料成分の食品機能、光生館、165.198
9等)。また、炭素数12〜22の飽和又は不飽和アシ
ル基を構成アシル基とするジグリセリドが、脂肪肝の予
防・治療剤として有効であることが見出された(特開平
4−300828号公報)。
脂肪減少効果は、必ずしも十分でなく、また効果を高め
るために、大量の辛味成分を食品等に添加すると、辛く
て摂食できないという問題があった。また、特開平4−
300828号公報のジグリセリドの脂肪肝予防・治療
効果は優れたものであるが、更に優れた体脂肪低下作用
を有する組成物が求められていた。
作用を示す物質について検討を行った結果、ω3系不飽
和アシル基含有量が15重量%以上であるジグリセリド
と、辛味成分とを併用した油脂組成物であれば、両成分
が相乗的に作用し、体脂肪を有効に低下させることがで
き、更に少量で効果を発揮するため、経口摂取する場合
でも辛味がほとんど感じられず、容易に摂取でき、体脂
肪低下剤として有用であることを見出した。
アシル基含量が15重量%以上であるジグリセリドを1
5重量%以上及び辛味成分を含有する油脂組成物を提供
する。
の構成アシル基中のω3系不飽和アシル基含量は、体脂
肪低下効果の点から15重量%(以下、単に「%」で示
す)以上が必要であり、好ましくは20%以上、特に好
ましくは25%以上である。ここで上記ω3系不飽和ア
シル基とは炭素−炭素不飽和結合の位置をω位から特定
し、ω位から3番目の炭素原子に最初の不飽和結合が位
置するアシル基であって、かつ炭素−炭素不飽和結合を
2以上有するものをいう。このうち、炭素−炭素不飽和
結合を3〜6有するものが好ましい。ω3系不飽和アシ
ル基の炭素数に特に制限はないが、8〜24が好まし
く、16〜22がより好ましい。このうち、炭素数20
以上のω3系不飽和アシル基としては、エイコサペンタ
エノイル基、ドコサペンタエノイル基、ドコサヘキサエ
ノイル基が特に好ましい。また、炭素数20未満のω3
系不飽和アシル基としては、α−リノレイル基(all ci
s-9,12,15−オクタデカトリエノイル基)が特に
好ましい。炭素数20以上のω3系不飽和アシル基を有
するジグリセリドは、体脂肪低下効果以外に、肝機能改
善効果に優れている。またω3系脂肪酸に基づく抗腫
瘍、抗アレルギー効果等が期待できる。炭素数20未満
のω3系不飽和アシル基を有するジグリセリドは、酸化
安定性がよく、風味も良好なので、これらが求められる
用途に適している。
しい組成を示す。ジグリセリドは、体脂肪低下効果の観
点から、ω3系不飽和アシル基含量が15%以上である
ことが必要であり、20〜70%、特に25〜65%で
あるのが好ましい。
系不飽和アシル基を含有するものであることが好まし
い。ここでω6系不飽和アシル基とは、炭素−炭素不飽
和結合の位置をω位から特定し、ω位から6番目の炭素
原子に最初の不飽和結合が位置するアシル基であって、
かつ炭素−炭素不飽和結合を2以上有するものをいう。
炭素−炭素不飽和結合数は3〜6が好ましい。ω6系不
飽和アシル基を含有すれば、その拮抗作用により、ω3
系不飽和アシル基を過剰に摂取した際に生じる溶血、出
血等の副作用の発現を抑制し、ω3系不飽和アシル基が
有する生理活性の発現を容易にすることができる。ω6
系不飽和アシル基としては、リノレイル基(cis,cis-
9,12−オクタデカジエノイル基)、γ−リノレノイ
ル基(All cis-8,9,12−オクタデカトリエノイル
基、アラキドイル基(All cis-5,8,11,14−エ
イコサテトラエノイル基)等が挙げられるがリノレイル
基が好ましい。ω6系不飽和アシル基の、ジグリセリド
構成アシル基中の含有量は、上記効果をより顕著とする
点から、0.5〜75%が好ましく、0.5〜50%が
より好ましく、1〜25%が特に好ましい。
の構成アシル基は、飽和アシル基やω3系及びω6系以
外の不飽和アシル基である。特に、モノエンアシル基含
量が10〜84.5%、更に12〜45%、特に14〜
35%であるのがジグリセリドの流動性を良くするため
に好ましい。ここでモノエンアシル基とは、炭素−炭素
二重結合を1個有するアシル基であり、ヘキサデカモノ
エノイル基、オクタデカモノエノイル基、エイコサデカ
モノエノイル基、ドコサデカモノエノイル基が好まし
い。また、ジグリセリド不飽和アシル基の量は、全アシ
ル基の55%以上が好ましく、70%以上がより好まし
く、90%以上が特に好ましい。
量は、体脂肪低下効果の点から、15%以上が必要であ
り、好ましくは20%以上、より好ましくは40%以
上、特に好ましくは55%以上である。
(赤、黒、黄)、胡椒、山椒、わさび、玉ねぎ、大根、
ねぎ、にんにく、生姜などから抽出されるものを挙げる
ことができる。具体的には、唐辛子由来のカプサイシ
ン、胡椒由来のピペリン、シャビシン、山椒由来のα
−、β−サンショオール、スピラントール等のアミド系
辛味物質、大根、黒辛子、山椒由来のアリールカラシ油
の主成分であるアリールイソチオシアネート、シロカラ
シ由来のシナルピンカラシ油に含まれるp−ヒドロキシ
ベンジルイソチオシアネート、アブラナ由来のクロトニ
ルカラシ油に含まれる3−ブテニルイソチオシアネー
ト、オランダカラシ、モクセイソウ由来のフェニルエチ
ルカラシ油に含まれるフェニルエチルイソチオシアネー
ト、コショウソウ由来のベンジルカラシ油に含まれるベ
ンジルイソチオシアネート、ニオイアラセイトウ由来の
ヘイロリン、エゾスズシロ由来のユリソリン等のイソチ
オシナート系辛味物質、ねぎ、にんにく由来のジアリル
ジスルフィド、玉ねぎ、にんにく由来のプロピルアリル
ジスルフィド、玉ねぎ由来のジアリルスルフィド、玉ね
ぎ由来のジプロピルジスルフィド、にんにく由来のジア
リルトリスルフィド等のスルフィド系辛味物質、生姜由
来のジンゲロン、ジンゲロール、ショウガオール、パラ
ドール等のバニリルケトン系辛味物質、ヤナギタテ由来
のタテオナール等のセスキテルペン系辛味物質などを挙
げることができる。更に上記成分を化学合成した辛味成
分を挙げることができる。このうち、カプサイシン、ピ
ペリン、アリールイソチオシアネート、α−サンショオ
ール、β−サンショオール、ジンゲロン、ジンゲロー
ル、及びショウガオールからなる群より選ばれるもので
あることが好ましい。
有している辛味を有する食品、例えばからし粉、わさび
粉、粉山椒、及び胡椒などの固体状(乾燥粉砕物)香辛
料、及び練りからし、練りわさび、練り生姜、及びにん
にくペーストなどのペースト状香辛料、七味唐辛子、カ
レー粉、タバスコ、塩−コショウ、ラー油、辛子味噌、
及びトウバンジャン等の調合香辛料、生姜、大根、唐辛
子そのもの等を用いてもよい。
配合量は、風味と体脂肪低下効果の点から、辛味成分を
含有する植物の抽出液や辛味を有する食品等を、辛味成
分として1〜5000ppm 含有するのが好ましく、5〜
500ppm がより好ましく、10〜200ppm が特に好
ましい。本発明の油脂組成物を食品として用いる場合、
食品中の辛味成分が200ppm 以下であれば辛味は緩和
され、更に50ppm 以下であれば辛味を感じることがほ
とんどない。
ら、水、エタノール等の溶媒を用いて、常法に従って抽
出、濃縮、精製、乾燥等することにより得ることができ
る。
物、遊離脂肪酸、モノグリセリド、トリグリセリドを含
むジグリセリド組成物として本発明の油脂組成物中に配
合される。ジグリセド組成物中には、酸化安定性を向上
させるために、グリセリド重合物を含有していてもよ
い。グリセリド重合物は、トリグリセリド、ジグリセリ
ド、モノグリセリドといったグリセリドが、分子間で重
合したもので(例えば、化学と生物21巻179頁19
83年)、グリセリドの重合度、脂肪酸エステルの位置
等に特に制限はない。グリセリド重合物の、グリセリド
組成物中の含有量は、油脂組成物の酸化安定性の向上及
び風味の観点から、0.1〜10%が好ましく、0.2
〜5%がより好ましく、0.3〜4%が特に好ましい。
かかるグリセリド重合物は、グリセリド合成時、反応温
度条件等を適宜調整することにより、その量を調整でき
る。グリセリド重合物はゲル濾過クロマトグラフィーカ
ラムを接続したHPLC法により定量できる。また、ジ
グリセリド組成物中の遊離脂肪酸含有量は5%以下が好
ましい。
有量は、風味の観点から好ましくは10%以下、より好
ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下である。残
部はトリグリセリドである。
油、亜麻仁油、ナタネ油等のω3系不飽和アシル基等を
構成アシル基として含有する油脂とグリセリンとのエス
テル交換反応等により得られたトリグリセリド、ジグリ
セリド、モノグリセリド等を分画し、次いでこれらを適
宜混合し、更に辛味成分を混合することによって製造す
ることができる。辛味成分が水溶性の場合、適宜界面活
性剤等を添加し、乳化型又は分散型の油脂組成物とする
ことが好ましい。あるいは他の医薬成分、食品成分等と
ともに、油脂成分に添加してもよい。
下作用、更には内臓脂肪低下作用、特に肝臓中のトリグ
リセリド量低下作用、肝臓中の総コレステロール量低下
作用や血中中性脂肪量低下作用等の優れた作用を有す
る。
用いることができる。医薬として用いる場合、投与形態
としては経口、経腸及び静脈内投与等が挙げられるが、
経口投与用医薬が好ましい。具体的には散剤、顆粒剤、
カプセル剤、丸剤、錠剤等の固形製剤、懸濁剤、乳剤等
の液剤等が挙げられる。これらの経口投与剤は、上記成
分の他、経口投与剤の形態に応じて一般に用いられる、
他の油脂成分、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面
活性剤、アルコール類、水、水溶性高分子、甘味料、矯
味剤、酸味料等を添加し、常法に従って製造することが
できる。上記油脂組成物の経口投与用医薬製剤への配合
量は、一般に0.1〜100%、特に1〜80%が好ま
しい。また、投与量は、上記油脂組成物として、1日当
たり0.1〜50gを、1〜数回に分けて投与すること
が好ましい。
定保健用食品等が挙げられる。具体的には、かかる油脂
組成物を配合した錠剤、顆粒剤、フレンチドレッシング
等のドレッシング類、マヨネーズ類、クリーム類、チョ
コレートやポテトチップス等の菓子類、飲料等が挙げら
れる。かかる食品は、上記ジグリセリドの他に、食品の
種類に応じて一般に用いられる食品原料を添加し、常法
にしたがって製造することができる。上記油脂組成物の
食品への配合量は、食品の種類によっても異なるが、一
般に0.1〜100%、特に1〜80%が好ましい。
00重量部とグリセリン(和光純薬工業(株)製)10
重量部とを混合し、アルカリ触媒(ナトリウムメトキサ
イドCH3ONa)0.6重量部を混合し、減圧下
(0.133kPa)100℃で4時間エステル交換反応
を行った。得られた反応生成物を、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで分画し、ジグリセリドを主成分とす
る油脂1を製造した。同様にトリグリセリドを主成分と
する油脂2を製造した。上記の反応生成物を通常の油脂
精製工程により精製し、油脂3を調製した。更に、油脂
1と油脂2を1:4(重量比)で混合して油脂4を調製
した。DHA高含有油をナタネ油に変える以外は同様に
して油脂5を調製した。油脂1、2、3、4、5のグリ
セリド組成並びにジグリセリド画分の主要脂肪酸組成を
表1に示す。
次いで5〜8週齢のZuckerラット(体重162〜
379g)を1群9匹ずつ8群に分け、飼料1で4日間
で予備飼育した後、各飼料を用いてそれぞれ11日間飼
育した。なお、摂食量は全群で等しくなるように調整し
た。飼料投与最終日に、エーテル麻酔下で腹部大動脈よ
り採血を行い、肝臓を摘出し、その重量を測定した後、
トリグリセリド含量及び総コレステロール含量の測定を
行った。結果を表2に示す。
ロール量については、第4群は第2群及び第3群に比較
して有意に減少し(p<0.005)、油脂1と油溶性
トウガラシエキスが相乗的にして体脂肪を減少させるこ
とが認められた。また第4群に用いた飼料4中の辛味成
分(カプサイシン)は141ppm であり、従って飼料4
と同濃度の辛味成分を食品に配合しても、ヒトがそれに
よって不快な辛味を感じることはない。また、第5群に
おいては肝臓中のトリグリセリド量及び総コレステロー
ル量について第1群、第2群に比較して有意な効果は認
められず、油脂2には相乗効果が認められないことが分
かる。また油脂3摂取した第6群、油脂4を摂取した第
7群では第1群、第2群と比較しても十分な効果を認め
た。また第8群においては、肝臓中のトリグリセリド量
は第1群、第2群より上昇した。
圧加水分解を行い、得られた精製脂肪酸2重量部とグリ
セロール1重量部を混合し、これに固定化リパーゼ(ノ
ボ社リポザイム3A)を0.2重量部添加し40℃で6
時間エステル化反応を行った。この生成物を脱色、脱臭
工程を施し油脂7を得た。油脂6、油脂7の組成を表3
に示す。
を製造した。成人健常男性10名(平均年齢36.3
歳、平均体重73.0kg)を2群に分け、それぞれ経口
シロップ剤1、2を1日15g摂取して、4週間後の体
脂肪量を腹部X線CTで測定した。油脂7を用いたシロ
ップ剤2は、優れた内臓脂肪低下作用及び血中中性脂肪
低下作用を示した。油脂6を用いたシロップ剤は辛味刺
激が強く被験者に負担を与えたが、油脂7を用いたシロ
ップ剤は辛味刺激が少なく、また風味も良好であった。
した後、残りの成分を添加し、定法により型に流し込み
キャンディーを調製した。適度な刺激感と清涼感を持つ
ものであった。
乗的に作用するため、少量で優れた体脂肪低下作用を示
し、経口摂取する場合でも辛味がほとんど感じられず、
容易に摂取することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 構成アシル基中のω3系不飽和アシル基
含量が15重量%以上であるジグリセリドを15重量%
以上及び辛味成分を含有する油脂組成物。 - 【請求項2】 体脂肪低下用である請求項1記載の油脂
組成物。
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JP5095867B1 (ja) * | 2012-02-02 | 2012-12-12 | 日清オイリオグループ株式会社 | 油脂組成物 |
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1999
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