JP2001118535A - 透過型電子顕微鏡 - Google Patents

透過型電子顕微鏡

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JP2001118535A
JP2001118535A JP29624599A JP29624599A JP2001118535A JP 2001118535 A JP2001118535 A JP 2001118535A JP 29624599 A JP29624599 A JP 29624599A JP 29624599 A JP29624599 A JP 29624599A JP 2001118535 A JP2001118535 A JP 2001118535A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】記録した登録画像に対し、任意の設定時間後に
記録した参照画像の2つの画像間の視野ずれ量および方
向をリアルタイムで高精度に計測,表示し、視野ずれを
自動的に補正する透過型電子顕微鏡を得る。 【解決手段】透過型電子顕微鏡において、複数の試料透
過像間の視野ずれの量を計算する手段と、電子線を偏向
させる偏向器に与える電流をかえて、または試料を移動
させて視野ずれを自動的に補正する手段と、以上の手段
の動作を繰り返して視野ずれを減少させる制御手段とを
備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透過型電子顕微鏡に
係り、特に、透過型電子顕微鏡における2つの試料透過
像間の視野位置ずれの計測と視野位置ずれの自動補正,
像回転角の計測と像回転角の自動補正,像回転角の出力
に係る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の透過型電子顕微鏡において、試料
の観察,撮影を行った際、視野が時間の経過と共に徐々
に移動する現象、いわゆる試料ドリフトが発生する。試
料ドリフトの発生要因の主なものとして、レンズ電流に
よる発熱による試料ステージの伸縮,電子線照射に伴う
試料および試料支持膜の熱的伸縮,試料微動ステージの
急激な移動と急停止などが挙げられる。試料ドリフト
は、特に高倍率における写真撮影や微小領域におけるX
線分析を行う際に、写真のぼけや分析精度低下といった
問題を招く。
【0003】そこで、このような試料ドリフトに起因し
た問題を解決するために、試料への予備電子線照射やカ
ーボン蒸着による補強,帯電防止措置がとられたり、画
像処理による方法として、特開平5−343020 号公報に記
載された技術では、TVカメラで撮像した試料透過拡大
像をテンプレートマッチング画像処理方式により補償す
る方法、特開平7−272665 号公報に記載された技術で
は、撮像した2つの試料透過拡大像のヒストグラムを算
出し、ヒストグラムピークの移動量からドリフト量およ
び変位方向を演算し視野ずれ補正をを行う方法が提案さ
れている。
【0004】試料への電子線予備照射やカーボン蒸着に
よる試料ドリフトの補正は、上記のように煩雑かつ多大
な時間を費やすものであった。また、画像処理によるド
リフト補正では、正確な画像処理を行えるよう、あらか
じめ理想的なコントラストを呈している必要があり、き
わめて特徴の少ない試料や無染色生物試料を高倍率で観
察する場合など、コントラストが不十分な箇所におい
て、高精度なドリフト補正が困難である問題があった。
【0005】また、従来の透過型電子顕微鏡では、2つ
の試料透過像の像回転角をリアルタイムで精密に計測,
表示することは不可能であった。図2は、透過型電子顕
微鏡による透過像の一例を示す図である。従来の透過型
電子顕微鏡では、図2(a)に示すような、ある試料透
過像58に対して電子レンズの励磁条件を変えて像回転
を行い、図2(b)に示すような試料透過像を得る機能
を備えていたが、基準となる試料透過像と励磁条件を変
えた試料透過像の2つの試料透過像における像回転角を
測定するためには、各々の像を写真撮影し、その後測定
するという方法がとられていたので、2つの試料透過像
の像回転角をリアルタイムで精密に計測,表示すること
は不可能であった。また、所望する像回転角の試料透過
像を高精度に得ることも不可能であった。さらに、電子
レンズ取り付けの機械的公差による光軸ずれにより、像
回転させるために電子レンズの励磁条件を変えた際に
は、図2(a)に示す透過像の中心点56が、図2
(b)に示すように、中心点59の位置になる像回転中
心位置がずれる(視野がずれる)現象が生じ、試料パタ
ーン57が視野からはみ出してしまっていた。この視野
ずれの精密な補正は、自動的に且つリアルタイムで行う
ことはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の透過型電子顕微
鏡では、以上に述べたように、試料透過拡大像の試料ド
リフトすなわち、視野の位置ずれを高精度に短時間で計
測,補正することは不可能であった。また、試料透過像
を電子レンズの励磁条件を変えて回転させた時の像回転
角をリアルタイムで正確に計測,表示し、且つ所望する
像回転角の試料透過像を高精度に得ることは不可能であ
り、さらに、励磁条件を変化させた際に生ずる視野ずれ
の補正を自動的に行うことはできなかった。
【0007】本発明は上述のような問題を解決し、透過
型電子顕微鏡における記録した試料透過像に対し、任意
の設定時間後に記録した試料透過像の2つの画像間の視
野ずれ量および方向をリアルタイムで高精度に計測,表
示し、視野ずれを自動的に補正する透過型電子顕微鏡を
提供することを目的とする。
【0008】また、本発明は、記録した試料透過像に対
し、電子レンズの励磁条件を変えて回転し記録した試料
透過像の2つの画像間の像回転角をリアルタイムで正確
に計測,表示し、所望の回転角に高精度に自動補正し、
励磁条件を変化させた際に発生する視野ずれ量をリアル
タイムで計測し、この視野ずれ補正を正確且つ自動的に
行い、視野ずれのない試料透過拡大像を得る透過型電子
顕微鏡を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、透過型電子顕微鏡において、複数の試料
透過像間の視野ずれの量を計算する手段と、電子線を偏
向させる偏向器に与える電流をかえて、または試料を移
動させて視野ずれを自動的に補正する手段と、以上の手
段の動作を繰り返して視野ずれを減少させる制御手段と
を備えたものである。
【0010】また、本発明は、複数の試料透過像のう
ち、基準となる画像に対して励磁条件を変えて像回転さ
せる手段と、該回転された試料透過像と別の試料透過像
とから像回転角を計算する手段と、電子レンズの励磁条
件をかえて所望の像回転角を自動的に補正する手段と、
2つの試料透過像の視野ずれ量を計算する手段と、電子
線を偏向させる偏向器に与える電流をかえて、または試
料を移動させて視野ずれを自動的に補正する手段とを備
えるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】上記した構成を有する透過型電子
顕微鏡の動作を以下説明する。
【0012】図3を用いて試料透過像61の試料の基準
となる登録画像と、電子レンズ励磁条件を変えて試料透
過像を像回転した参照画像の間の位置ずれ、すなわち視
野ずれを計測する方法を示す。図3は試料透過拡大像を
説明のために模擬的に示した図である。また、試料パタ
ーン60等の検出電子線強度の大きい領域は濃淡を濃く
して表している。
【0013】図3(a)に示す、基準となる試料透過拡
大像である登録画像をM×Nの画素数で記憶装置にf1
(m,n)として記録する。次に、図3(b)に示す、電
子レンズ励磁条件を変えて像回転した試料透過拡大像を
参照画像としてM×Nの画素数で記憶装置にf2(m,
n)として記録する。このとき、どちらも自然画像と
し、対物レンズの焦点は合っているものとする。また、
ここで、m=0,1,2,…,M−1、n=0,1,
2,…,N−1である。
【0014】透過像f1(m,n),f2(m,n)の離
散フーリエ画像F1(u,v),F2(u,v)はそれぞれ
次の[数1],[数2]で定義される。ここで、u=
0,1,2,…,M−1、v=0,1,2,…,N−1
であり、A(u,v),B(u,v)は振幅スペクトル、a
(u,v),b(u,v)は位相スペクトルである。
【0015】
【数1】
【0016】
【数2】
【0017】位相相関では、2つの画像間で像の平行移
動があった場合には相関ピークの位置が移動量だけずれ
る。以下に移動量の導出方法を説明する。まず、原画像
f2(m,n)がm方向にr′だけ移動したとしてf3
(m,n)=f2(m+r′,n)とする。すると前記[数
2]を[数3]のように変形する。
【0018】
【数3】
【0019】振幅スペクトルB(u,v)を定数と置くこ
とにより、画像のコントラスト,明度に依存しない位相
画像となる。f3の位相画像F3′(u,v)は次の[数
4]になる。同様にf1の位相画像F1′(u,v)は、
次の[数5]になる。
【0020】
【数4】F3′(u,v)=ej(β+2πr′u/M)
【0021】
【数5】F1′(u,v)=ejα(u,v) 位相画像F1′(u,v)にF3′(u,v)の複素共役を
乗ずることによって、次の[数6]で表わされる合成位
相画像H13(u,v)を得ることができる。図3(c)
に合成位相画像62を示す。相関強度画像g13(r,
s)は。合成画像H13(u,v)を逆フーリエ変換する
ことによって次の[数7]になる。図3(d)に相関強
度画像63を示す。
【0022】
【数6】 H13(u,v)=F1′(u,v)(F3′(u,v))* =ej(α-β-2πr′u/M)
【0023】
【数7】
【0024】上記[数7]より2つの画像間でm方向に
位置ずれ量r′が存在する場合、図3(d)に示す相関
強度画像63のピーク64の位置は−r′だけずれる。
例えば、図3(a)に示す登録画像の試料パターン60
と、図3(b)に示す参照画像の試料パターン60の2
つの画像間でm方向に2[pixel ]のずれがあると、図
3(c)に示す合成位相画像62には2周期の濃淡の波が
現れる。これを逆フーリエ変換すると図3(d)に示す相
関強度画像63となり、中心から2[pixel]ずれた位
置にピーク64が発生する。
【0025】2つの試料透過像間で、以上の[数1]か
ら[数7]までの処理の結果、相関強度画像においてΔ
G[pixel ]ずれた位置にピークが発生した場合、この
ΔG[pixel ]は検出器の受光面での移動量に相当し、
ΔGを試料面上の移動量Δxに変換する。検出する受光
面の径をL[m],受光面上での透過型電子顕微鏡の倍
率をM,検出器の画素数をLm[pixel ]とすると、2
つの画像間の試料面上での移動量Δxは次の[数8]で
計算される。但し、[数8]の式には電子レンズの球面
収差による像の移動量δが含まれており、視野ずれの真
の移動量Δxtは、Δxからδを引いたものである。試
料面上でのδは、球面収差Csと偏向角αにより[数
9]のように表わされる。以上から、2つの試料透過拡
大像間に生じた像の移動量Δxtは[数10]で表わさ
れる。
【0026】
【数8】Δx=(ΔG[pixel]/Lm[pixel])×L
[m]/M
【0027】
【数9】δ=Cs・α3
【0028】
【数10】 Δxt=Δx−δ =(ΔG[pixel]/Lm[pixel])×L[m]/M−Cs・α3 さらに2つの透過像間の像回転角を計測する方法を示
す。図4は、デカルト座標系と極座標系との関係図であ
る。
【0029】2つの透過像をそれぞれ透過像1,透過像
2と呼ぶことにすると、上述したように、透過像1f1
(m,n)と透過像2f2(m,n)のそれぞれの2次元離
散フーリエ画像F1(u,v),F2(u.v)は[数1]
および[数2]と同様に表わされる。像回転角を求める
ために、デカルト座標系で表現されている[数1]およ
び[数2]の2次元離散フーリエ変換画像を極座標系に
座標変換する。デカルト座標系と極座標系との間には次
の[数11]および[数12]で与えられる関係があ
る。そして、[数11]および[数12]を用いて、
[数1]と[数2]を極座標表現すると、それぞれ[数
13]および[数14]のように表わされる。
【0030】
【数11】m=rcosθ n=rsinθ
【0031】
【数12】θ=tan-1(n/m)
【0032】
【数13】
【0033】
【数14】
【0034】極座標変換した位相限定相関では、2つの
画像間で角度θ′の回転があった際、相関ピークの位置
は回転角度に相当する量だけずれる。原画像f2におい
て、回転移動がθ′だけあった場合、[数14]を[数
15]のように変形する。画像のコントラストや明度に
依存しない位相情報のみとするために、[数13]の振
幅スペクトルC(u,v)を定数で置き換えると[数1
6]で表わされる。同様に[数15]の振幅スペクトル
D(u,v)を定数で置き換えて、[数17]で表わす。
位相画像F1′(u,v)にF3′(u,v)の複素共役
を乗じて合成位相画像は[数18]で表わされる。相関
強度画像g13(r,θ)は合成画像H13(u,v)を逆
フーリエ変換して得られるので[数19]で表わされ
る。
【0035】
【数15】
【0036】
【数16】F1′(u,v)=ejλ(u,v)
【0037】
【数17】F3′(u,v)=ej(μ+2πθ′v/N)
【0038】
【数18】 H13(u,v)=F1′(u,v)(F3′(u,v))* =ej(λ-μ-2πθ′u/M)
【0039】
【数19】
【0040】ここで、2つの試料透過拡大像間に位置ず
れが生じて且つ像回転角を計測する場合、像回転角の変
化はθ軸方向に、位置ずれの大きさはr軸方向に現れ
る。
【0041】次に像回転角を微調整し精度良く所望の像
回転角度に合わせる方法を説明する。
【0042】第1番目の方法として、第2投射レンズ単
体の励磁条件を変化させることにより像回転角を調整す
る方法を、第2番目の方法として、あらかじめ設定した
像回転レンズデータをもとに結像レンズ系の各レンズの
励磁条件を変化させることにより像回転角を調整する方
法を示す。
【0043】磁界型電子レンズは、通常の光学レンズ同
様の結像作用を持つと同時に、電子に対するローレンツ
力により像回転作用を有する。対物,中間,投射の5段
結像系機構を有した後述する本実施例の透過型電子顕微
鏡において、像回転角度の補正のために使用するレンズ
としては、結像レンズ系の最終段に位置するので、電子
レンズの励磁を変化させた際に倍率の誤差の影響の少な
い第二投射レンズを用いることが望ましい。但し、倍率
の変化の影響を極力抑えるために、像回転の補正角度の
大きさは限定される。電子レンズ単体での像回転角φは
[数20]により与えられる。ここで、eは電子電荷量
[C]、mは電子質量[kg]、Eは加速電圧[V]、B
(z)は光軸上の磁束密度[T]を示している。B(z)
の積分範囲は、電子レンズ磁場の有効範囲とする。これ
らの定数を[数20]に代入して数式を表わせば[数2
1]に示されるようになる。また、回転の極性すなわち
方向はB(z)の方向により決定する。ここで、Iは第二
投射レンズのコイル電流[A]、Nは第二投射レンズコ
イルの巻き数である。この式から角度補正量を計算し、
必要な補正電流の大きさを[数22]で決定する。
【0044】
【数20】
【0045】
【数21】
【0046】
【数22】
【0047】所望の像回転角度が得られていないと判断
された場合、上式に従って補正角度量φを入力すれば、
必要なレンズ電流ΔIの大きさが得られる。レンズ電流
ΔIは像回転角度φに比例する。例えば、1[deg ]の
像回転補正を行いたい場合でE=100[kV],N=
1000であれば、上式から補正レンズ電流ΔIは29
6.4 [mA]となる。なお、電子レンズ焦点距離は
[数23]により示される。
【0048】
【数23】
【0049】したがって、焦点距離fはAmpereの周回積
分の法則を適用して、f∝1/I2で与えられる。
【0050】以上に基づいて、電子レンズの励磁IN/
√Eと焦点距離fとの関係を図5に示す。励磁が小さい
場合には、領域(A)のように焦点距離の変化量は大き
いが、領域(B)のように励磁が十分大きくなると、焦点
距離の変化量は小さくなりほぼ一定値になる。計算によ
る理想曲線では、さらに励磁が大きくなっても焦点距離
は一定値を示すが、実際の現象は、領域(C)に示すよ
うに、焦点距離が大きく変化してしまう。そのために、
励磁に対して焦点距離が変化しない領域は図5の領域
(B)の範囲のみである。一般に、レンズの特性を表す数
式によれば、焦点距離が一定であれば倍率の変化は生じ
ないので、第二投射レンズ単体での像回転角補正は、図
5の領域(B)のような励磁条件の下で行う必要があ
る。
【0051】第2番目の像回転角調整法として、あらか
じめ設定した像回転のレンズデータ(離散的な値)をも
とに、結像レンズ系機構の各レンズの励磁条件を変化さ
せ、任意の像回転角を設定する方法を示す。図6は、一
例として、あらかじめ設定したある一定倍率の時の像回
転レンズデータの像回転角と励磁電流との関係を示す関
係図である。横軸に試料透過像(最終拡大像)の像回転
角を示す。縦軸は電子レンズの励磁電流であり、IInt1
は第一中間レンズ電流、IInt2は第二中間レンズ電流、
Proj1は第一投射レンズ電流、IProj2は第二投射レン
ズ電流を示す。これらの像回転角に対して離散的な励磁
電流の値を補間し、任意の像回転角を設定する。
【0052】例えば試料透過像の像回転角として25°
の像を得たい場合、図6に破線で示すように、補間デー
タから第一中間レンズ電流IInt1 =0.69[A],第
二中間レンズ電流IInt2=0.55[A],第一投射レン
ズ電流IProj1=−0.545[A],第二投射レンズ電
流IProj2=−1.22[A]を得ることができる。この
ように図6に示すような倍率一定の像回転角と各レンズ
の励磁電流の離散的データの補間値から、倍率の変化を
伴わずに試料透過像の任意の像回転角を得ることができ
る。
【0053】〔実施例〕以下、図面を参照して本発明の
実施例を説明する。
【0054】図1は、本発明による透過型電子顕微鏡の
一例を示し、その機能を示すブロック図である。なお、
電子線偏向コイルの段数は問わないが、本実施例におい
ては、試料54の上部に2段,試料54の下部に2段の
合計4段の電子線偏向コイルを用いた場合について述べ
る。
【0055】電子銃1から放出されて加速された電子線
55は第一照射レンズコイル2と第二照射レンズコイル
3および対物レンズコイル6の前磁場により、試料ステ
ージ53に保持された試料54に照射される。試料54
を透過した電子線55は、第一中間レンズコイル9及び
第二中間レンズコイル10によって拡大された後、第一
投射レンズコイル11及び第二投射レンズコイル12で
さらに拡大されて、シンチレータ50上に試料54の透
過拡大像が形成される。
【0056】シンチレータ50で光像に変換された試料
54の透過拡大像は、撮像装置、例えばTVカメラ13
によって撮像される。TVカメラ13からの映像信号
は、TVカメラ制御部52,画像取り込みインターフェ
ース51を介して、マイクロプロセッサ38に取り込ま
れて処理された後、CRTコントローラ42で制御され
るCRT41に画像が表示される。
【0057】マイクロプロセッサ38は、DAC27,
28,31,34,35,36,37を介して、電子顕
微鏡の第一照射レンズコイル2,第二照射レンズコイル
3,対物レンズコイル6,第一中間レンズコイル9,第
二中間レンズコイル10,第一投射レンズコイル11,
第二投射レンズコイル12に供給する励磁電源15,1
6,19,22,23,24,25を制御する。試料上
部第一偏向コイル4,試料上部第二偏向コイル5,試料
下部第一偏向コイル7,試料下部第二偏向コイル8も同
様に、マイクロプロセッサ38よりDAC29,30,
32,33を介し、励磁電源17,18,20,21を
制御する。
【0058】また、マイクロプロセッサ38には、バス
を介してハードディスク等の記憶装置39,演算装置4
0,倍率切り替え用ロータリーエンコーダ46,像回転
角入力用ロータリーエンコーダ47,キーボード45,
RAM48,ROM49等が接続されている。倍率切り
替え用ロータリーエンコーダ46はI/F43,像回転
角入力用ロータリーエンコーダ47はI/F44を介し
てバスに接続されている。
【0059】試料ステージ53は、マイクロプロセッサ
38とステッピングモータ・ドライバ26を介して接続
されたステージ駆動ステッピングモータ14により駆動
されている。
【0060】次に、図1に示した透過型電子顕微鏡を用
いて、試料透過像の観察の際に生ずる試料ドリフトによ
る視野ずれ量を、任意のサンプリング時間で計測,表示
し、さらに試料ドリフトによる視野ずれを補正する方法
について説明する。図7は、視野ずれ補正の流れを示す
フローチャートである。
【0061】図7において、ステップS11で透過型電
子顕微鏡を用いて任意の試料透過像を得るための拡大倍
率の設定を行う。試料透過像の倍率を入力するために、
図1に示した倍率切り替え用ロータリーエンコーダ46
を回し、発生したパルス波をI/F43に入力してデジ
タル信号に変換する。マイクロプロセッサ38は、I/
F43から入力されたデジタル信号を、ROM49にあ
らかじめ設定されている倍率表示データを参照し、該当
する倍率をCRTコントローラ42を用いてCRT41
上に表示させる。同時に、ROM49にあらかじめ記憶
している第一照射レンズコイル2,第二照射レンズコイ
ル3,対物レンズコイル6,第一中間レンズコイル9,
第二中間レンズコイル10,第一投射レンズコイル1
1,第二投射レンズコイル12の各レンズのデータをD
AC27,28,31,34,35,36,37に出力
して、レンズ系機構のデータをアナログ信号に変換す
る。上記DAC27,28,31,34,35,36,
37は励磁電源15,16,19,22,23,24,
25にアナログ信号を出力して、各レンズ系機構のレン
ズコイルに電流を出力させる。このとき、すでに焦点は
合っているものとする。
【0062】次に、ステップS12でシンチレータ50
に投射された試料透過像をTVカメラ13で撮像し、画
像取り込みインターフェース51により記憶装置39に
拡大像を登録する。この画像を透過像1とする。透過像
1はCRTコントローラ42を介してCRT41上に画
像表示される。また、試料透過像を撮像する任意の時間
間隔(サンプリング時間)をキーボード45や倍率切り
替え用ロータリーエンコーダ46などの入力手段を用い
て設定し、RAM48に保存しておく。
【0063】ステップS13では、ステップS12で透
過像1の撮像から設定サンプリング時間経過後にシンチ
レータ50に投射された試料透過像をTVカメラ13で
撮像し、画像取り込みインターフェース51により記憶
装置39に拡大像を透過像2として登録する。透過像2
はCRTコントローラ42を介してCRT41上に画像
表示される。
【0064】ここで、純粋に試料ドリフトによる視野ず
れを測定するために、ステップS12からステップS13
に移行する過程で、使用者が故意に試料透過像の視野を
移動させないこととする。
【0065】次に、ステップS14からステップS17
によって、透過像1と透過像2の間の像移動量を計算
し、視野ずれを補正する。視野ずれを補正する方法は、
試料上下に配置した電子線偏向コイルを用いて行う電磁
的方法と、試料ステージ微動機構を用いて行う機械的方
法のいずれかで行われる。
【0066】まず、ステップS14で透過像1と透過像
2のそれぞれを記憶装置39から呼び出し、演算装置4
0により、図3で説明したように、それぞれの画像の2
次元離散フーリエ変換データを作成し、上述した位相情
報のみの相互相関によって透過像1と透過像2の2画像
間の移動量を計算する。
【0067】図8は試料透過像の一例を示す図、図9は
ドリフトの状態を説明するデカルト座標表示を示す図、
図10はドリフト量の時間変化を示す関係図である。図
8(a)に示す試料透過像58の中心点56が、図8
(b)に示すように中心点59に移動するような、試料
ドリフトに伴う像移動が発生したとすれば、その像移動
量はベクトル量として、図9に示すように表すことがで
きる。座標系としてデカルト座標表示を用い、図9に示
すように横軸をx軸,縦軸をy軸として定める。ここ
で、その像移動量の絶対値rは、[数24]で示され、
角度φは、[数25]で示される。テレビカメラ13で
取込まれた画像は一般に画素数として得られるので、S
I単位(m)に単位変換を行う。また、一般にドリフト
量の時間変化は、時間の経過とともに単調増加する傾向
にある。図10(a)に示すx方向ドリフト量の時間変
化も、図10(b)に示すy方向ドリフト量の時間変化
も、同じように単調増加している。ドリフト量の時間変
化は、演算装置40により計算され、単位時間当たりの
xおよびy方向の像移動量を求める。これらの像移動量
はそれぞれ[数26],[数27]で表わされる。ここ
で、Δx,Δyはそれぞれx,y方向の変化量、Δtは
時間変化を表わす。求められた単位時間当たりの像移動
量もRAM48に保存され、CRTコントローラ42を
介してCRT41に表示され、または記憶装置39に保
存される。
【0068】
【数24】
【0069】
【数25】
【0070】
【数26】
【0071】
【数27】
【0072】ステップS15では、計算された像移動量
をCRT41などの外部表示装置やプリンタ,チャート
といった外部出力装置、あるいはデータとして記憶装置
39に出力,保存する。例えば、CRT41に表示する
場合には、計算された像移動量はRAM48に保存さ
れ、CRTコントローラ42を介してCRT41に像移
動量が表示される。また、図10に示すようなドリフト
量の時間変化データを得るためには、像移動量をチャー
トや記憶装置39に出力することができる。
【0073】ステップS16では、像移動量の絶対値が
ゼロであるかどうか判定し、像移動量がゼロであると判
定された場合にはステップS17へ進む。一方、像移動
量がゼロでないと判定した場合には、ステップS18に
進む。
【0074】ステップS17では、一連の動作を終了さ
せるか判断する。終了させない場合は、ステップS13
へ戻り、設定されたサンプリング時間経過後に透過像2
を撮像し、再びステップS16までの一連のルーチン動
作を行う。
【0075】ステップS18では、像移動量をゼロにす
る移動量(視野ずれ補正量)を演算装置40で計算し、
試料の上下に配置した電子線偏向コイル、すなわち、試
料上部第一偏向コイル4,試料上部第二偏向コイル5,
試料下部第一偏向コイル7,試料下部第二偏向コイル8
を用いて電磁的に、あるいは試料ステージ53を駆動し
て機械的に視野ずれ補正を行う。
【0076】図11は視野ずれ補正の概念を説明する模
式図であり、図11(a)に電子線偏向コイルを用いた
電磁的な視野ずれ補正を、図11(b)に試料ステージ
の微動機構を用いた機械的な視野ずれ補正を示す。
【0077】図11(a)において、電子線偏向を行わ
ない観察条件の下では、試料54に対し電子線65を照
射すると、試料54の中心部の視野70にある例えば五
角形の試料透過像69がシンチレータ50(図示せず)
上に得られる。この状態で、試料54上にある試料中心
から距離dだけ離れた位置の視野71に存在する例えば
星型の透過拡大像を得たい場合は、試料54の上部に配
置した2個の電子線偏向コイル、すなわち、試料上部第
一偏向コイル4,試料上部第二偏向コイル5により、電
子線65を電子線光軸67から偏向時電子線66のよう
に距離dだけ平行移動させ、試料54を透過後、試料5
4の下部に配置した電子線偏向コイル、すなわち、試料
下部第一偏向コイル7,試料下部第二偏向コイル8を用
いて電子線光軸67上に戻す。従って、シンチレータ5
0(図示せず)上には、試料54上の視野71に存在す
る星型の試料透過像68が得られる。
【0078】一方、機械的な視野ずれ補正方法は、図1
1(b)において、試料ステージ53(図示せず)の微
動機構を駆動していない観察状態では、試料54は点線
で示す位置にあり、視野70は試料54の中心位置にあ
るので、電子線65の照射によって例えば五角形の試料
透過像69がシンチレータ50(図示せず)上に得られ
る。ここで、試料54上の中心から距離dだけ離れた位
置の視野71の試料透過拡大像を得たい場合には、試料
ステージ53(図示せず)を矢印の方向に距離dだけ微
動させて試料54を移動させれば、視野71の例えば星
型の試料透過像68がシンチレータ50(図示せず)上
に得られる。
【0079】これらの補正の演算の流れを、図1を用い
て以下説明する。
【0080】電磁的な視野ずれ補正については、次のよ
うに行う。図7中のステップS18で計算した視野ずれ
補正量に相当する偏向コイルデータをROM49から呼
び出し、DAC29,30,32,33でアナログ信号
に変換する。DAC29,30,32,33は励磁電源
17,18,20,21にアナログ信号を出力し、試料
54の上部と下部の電子線偏向コイル、すなわち、試料
上部第一偏向コイル4,試料上部第二偏向コイル5,試
料下部第一偏向コイル7,試料下部第二偏向コイル8に
電流を出力し、図11(a)で説明したように、電子線
65を偏向し、視野ずれの補正を行う。
【0081】機械的な視野ずれ補正については、図7中
のステップS18で計算した視野ずれ補正量に基づく信
号を、ステッピングモータ・ドライバ26でステージ駆
動ステッピングモータ14を動作させ、試料ステージ5
3の微動機構(図示せず)を駆動し、試料54を微動さ
せて、視野ずれの補正を行う。
【0082】これらのいずれかの視野ずれ補正を行った
後、再びステップS13に戻り、ステップS17までの
一連のルーチン動作を行う。
【0083】図7のフローチャートに示した視野ずれ補
正の精度をさらに向上させた例を、以下に説明する。図
12は、試料ドリフトのサンプリング時間を変えて視野
ずれ補正を行う手順を示すフローチャートである。この
視野ずれ補正は、任意に設定したサンプリング時間で、
試料透過拡大像の観察の際に生ずる試料ドリフトによる
視野ずれ量を計測,表示し、視野ずれ補正を行い、単位
時間当たりの視野ずれ量仕様値と上記計測した視野ずれ
量の大きさとの比較判定を行い、仕様値を満足しないと
判定された場合には、像移動量計測および補正のサンプ
リング時間を短くして、試料ドリフトによる単位時間あ
たりの視野ずれ量仕様値内に設定するものである。
【0084】図12において、ステップS21の透過電
子顕微鏡の倍率条件設定,ステップS22の透過像1の
撮像、および、サンプリング時間設定,ステップS23
のサンプリング時間経過後の透過像2の撮像,ステップ
S24の透過像1と透過像2の間の像移動量の計算、ス
テップS25の試料ドリフト量の出力,ステップS26の
移動量の判定までの内容は、図7で説明したステップS
11からステップS16までの過程の内容とほぼ同様であ
るので、ここでは、追加した点または変更した点につい
て説明する。
【0085】ステップS22では、透過像1を撮像,記
録後、透過像2の撮像のサンプリング時間をt1として
設定し、RAM48に保存する。ステップS23ではサ
ンプリング時間t1経過後に透過像2を撮像,記録す
る。ステップS26では、透過像1と透過像2の像移動
量がゼロでないかどうかを判定する。像移動量の絶対値
がゼロであると判定された場合、ステップS29に進
む。一方、像移動量の絶対値がゼロでないと判定された
場合、ステップS27に進む。
【0086】ステップS29では、一連の動作を終了さ
せるかどうかを判断し、終了させない場合はステップS
23へ戻り、ステップS23からステップS26までの
一連の動作を繰り返す。
【0087】ステップS27では、像移動量があらかじ
め設定した単位時間当たりの視野ずれ量の仕様値を満足
するかどうかを判定する。仕様値を満足しない場合、ス
テップS28に進む。仕様値を満足する場合はステップ
S30に進む。
【0088】ステップS28では、RAM48に保存し
てあるサンプリング時間t1を、さらに短いサンプリン
グ時間t2に再設定し、RAM48に保存する。一般
に、試料ドリフトによる視野ずれは、図10に示したよ
うに、時間の経過とともに単調増加する傾向にあるの
で、単位時間当たりの視野ずれ量が仕様値の2倍を示し
ている場合、サンプリング時間t2はt1の1/2に設
定する。その後ステップS30に進む。
【0089】ステップS30では、前述した図7のステ
ップS18と同様に、試料54の上下に配置した電子線
偏向コイルを用いて電磁的に、あるいは試料ステージの
微動機構を用いて機械的に視野ずれ補正を行う。この視
野ずれ補正方法は、図11に示した方法と同一であるの
で、ここでは割愛する。
【0090】ステップS30において、透過像1に対し
て視野ずれ補正を行った試料透過拡大像は、ステップS
23に戻り、設定されたサンプリング時間間隔t2で透
過像2を撮像し、ステップS26までの一連の動作を繰
り返し行い、試料ドリフトを補正する。
【0091】試料の透過拡大像の写真撮影時や微小領域
のX線分析を行う際には、視野ずれ量があると像のぼけ
が発生したり、得られるX線量が不安定になることがあ
るので、さらに精密に視野ずれ量を補正するために、試
料ドリフトの予測計算をとりいれる。図13は、試料ド
リフトを予測して視野ずれ補正を行う手順を示すフロー
チャートである。高倍率写真撮影時には微小な視野ずれ
が像のぼけを生ずる。また試料透過拡大像が暗い場合に
は、露光時間を長く設定するために、試料ドリフトがこ
の像のぼけの主な原因となる。X線分析を行う場合は、
試料を照射する電子線を数ナノメートル以下に収束させ
てスポット状にし、計測時間は数十秒から数百秒の長い
時間を必要とする。このように、写真撮影時や微小領域
のX線分析などにおいても、試料ドリフトの補正は必要
不可欠なものである。
【0092】図13において、ステップS31では、図
7のフローチャートのステップS11からステップS16
で示した試料ドリフトに伴う視野ずれを補正する一連の
動作を行い、単位時間当たりの視野ずれ量と方向、およ
び、試料ドリフトの時間変化データを求め、記憶装置3
9に保存する。
【0093】ステップS32では、図1に示したキーボ
ード45や写真撮影スイッチなどのような入力手段を用
いて、試料透過拡大像の写真撮影あるいは、微小領域の
X線分析を実施する。
【0094】ステップS33では、得られた試料透過拡
大像またはX線分析結果により、一連の動作を継続する
か終了するかを判断する。視野ずれがある場合は像のぼ
けが認められるので、以下のステップS34に進む。
【0095】ステップS34では、ステップS31で計
算され、保存された試料ドリフトに関する単位時間あた
りの視野ずれ量,方向、および時間変化データに基づい
て、ドリフト量を予測する。記憶装置39に保存された
試料ドリフト量に関するこれらの各値を呼び出し、演算
装置40によって写真撮影あるいは分析中に発生すると
予想される単位時間当たりのドリフト量のベクトル値を
計算し、RAM48に保存する。
【0096】ステップS35では、ステップS34で計
算された単位時間当たりのドリフト量をもとに、写真撮
影あるいは分析中に生ずると予測される像移動量から、
像移動量をゼロにする視野ずれ補正量を演算装置で計算
し、図11で説明したように、試料上下に配置した電子
線偏向を用いて電磁的に、あるいは試料ステージの微動
機構を駆動して機械的に、図7中のステップS18と同
様に、視野ずれ補正を行う。この視野ずれ補正は、写真
撮影中あるいは分析中に、試料ドリフトによる影響が最
小限に抑えられるよう最適化された時間間隔で、あるい
はオペレータの指示で、ステップS32からステップS
35を繰り返すことによって行われる。最適化された時
間間隔で自動的に実行される場合は、ステップS33を
省略した手順となる。
【0097】図7,図12、および、図13に示した視
野ずれ補正の手順の例は、図8に示したようにx方向と
y方向への移動を想定したものであって、図2に示すよ
うな試料透過像の回転がある場合は、以下に示す手順を
追加する。図14は像回転時に生じた視野ずれを補正す
る手順を示すフローチャートである。基準とする透過像
1の像回転を行い、透過像1と透過像2の2つの画像間
における像回転角度の計測,表示、及び、像回転時に生
ずる視野ずれを自動補正する方法について、以下説明す
る。
【0098】はじめに、ステップS41において、基準
とする試料透過拡大像の倍率を入力するため、図1に示
す倍率切り替え用ロータリーエンコーダ46を回し、発
生したパルス波をI/F43に入力してデジタル信号に
変換する。マイクロプロセッサ38は、I/F43から
入力されたデジタル信号を、ROM49にあらかじめ設
定されている倍率表示データを参照して、該当する倍率
をCRTコントローラ42を用いてCRT41上に表示
させる。同時に、ROM49にあらかじめ記憶されてい
る第一照射レンズコイル2,第二照射レンズコイル3,
対物レンズコイル6,第一中間レンズコイル9,第二中
間レンズコイル10,第一投射レンズコイル11,第二
投射レンズコイル12の各レンズデータを、DAC2
7,28,31,34,35,36,37に出力して、
レンズ系のデータをアナログ信号に変換する。DAC2
7,28,31,34,35,36,37は、励磁電源
15,16,19,22,23,24,25にアナログ
信号を出力して、上記各レンズ系のレンズコイルに電流
を出力させる。このとき、すでに焦点は合っているもの
とする。
【0099】ステップS42では、図1に示すシンチレ
ータ50に投射された試料透過拡大像をTVカメラ13
で撮像し、画像取り込みインターフェース51により記
憶装置39に試料透過拡大像を登録する。この画像を透
過像1と呼ぶ。この透過像1はCRTコントローラ42
を介してCRT41に画像表示される。
【0100】次にステップS43で、透過像1を電子レ
ンズの励磁条件を変えて、透過像1と等倍で所望の角度
に像回転を行う。像回転角入力用ロータリーエンコーダ
47を回し、発生したパルス波をI/F44に入力し、
デジタル信号に変換する。マイクロプロセッサ38はR
OM49にあらかじめ設定されている第一照射レンズコ
イル2,第二照射レンズコイル3,対物レンズコイル
6,第一中間レンズコイル9,第二中間レンズコイル1
0,第一投射レンズコイル11,第二投射レンズコイル
12の各レンズデータをDAC27,28,31,3
4,35,36,37に出力し、基準とした透過像1に
対して像回転した試料透過像を得る。
【0101】ステップS44では、新たにシンチレータ
50に投射された試料透過像をTVカメラ13で撮像
し、画像取り込みインターフェース51によって記憶装
置39に記録する。この画像を透過像2と呼ぶ。同時
に、CRTコントローラ42に透過像2の画像データを
出力し、CRT41に画像表示させる。
【0102】透過型電子顕微鏡の電子光学系機構は、図
1に示したように、電子銃1,第一照射レンズコイル
2,第二照射レンズコイル3,対物レンズコイル6,第
一中間レンズコイル9,第二中間レンズコイル10,第
一投射レンズコイル11,第二投射レンズコイル12か
ら構成され、これらの電子レンズ各々が持つ幾何公差に
より、電子線の光軸は完全に一致していない。従って、
像回転を行うために電子レンズの励磁条件を変えた際
に、前述の図2(b)に示すように、基準とした透過像
1と透過像2の2つの試料透過像間で像回転中心位置が
移動する現象(視野がずれる現象)が発生する。そこ
で、以下のステップS45からステップS47の処理の
繰り返しによって、電子レンズの励磁条件変化時に発生
する視野ずれを自動的に補正し、図2(c)に示すよう
に、像回転中心を一致させる。なお、この視野ずれ補正
は、図11で説明したように、試料上下に配置した電子
線偏向コイルを用いて行う電磁的方法と、試料ステージ
の微動機構を用いて行う機械的方法のいずれかで行われ
る。
【0103】ステップS45では、透過像1と透過像2
のそれぞれを記憶装置39から呼び出し、演算装置40
により、図3で説明したように、それぞれの画像の2次
元離散フーリエ変換データを作成し、前述した位相情報
のみの相互相関によって、透過像1と透過像2の2つの
画像間の移動量を求める。
【0104】ステップS46では、像移動量がゼロであ
るか判定し、像移動量がゼロでないと認められる場合に
はステップS47に進む。
【0105】ステップS47では、像移動量をゼロにす
る移動量(視野ずれ補正量)を演算装置40で計算し、
図11で説明したように、電磁的に、あるいは機械的に
視野ずれ補正を行う。視野ずれ補正を行った後、再びス
テップS44に戻り、再び像移動の判定および視野ずれ
補正を行って、視野ずれがゼロと判定されればステップ
S48に進む。
【0106】ステップS48では、視野ずれ補正された
試料透過拡大像を図1に示したTVカメラ13で撮像
し、記憶装置39に透過像3として登録する。同時にC
RTコントローラ42を介し、CRT41上に透過像3
が画像表示される。
【0107】ステップS49では、記憶装置39に登録
された透過像1と透過像3を呼び出し、演算装置40に
より、図3で説明したように、それぞれの画像の2次元
離散フーリエ変換データを作成し、それらのデータから
極座標に変換した位相情報のみの相互相関によって透過
像1と透過像3との間の像回転角を求める。計算された
像回転角の値は、RAM48に保存される。
【0108】ステップS50では、CRTコントローラ
42を介してCRT41に像回転角が表示される。
【0109】次に、図2(b)に示したような試料透過
像に回転と視野ずれがある場合の、他の視野ずれ補正の
手順を説明する。図15は、図14と同じく像回転時に
生じた視野ずれを補正する手順を示すフローチャートで
ある。この手順は、基準とする試料透過拡大像に対して
像回転を行い、別の試料透過拡大像の像回転角を精密に
自動補正し、これら2つの画像間における像回転角の表
示、及び、像回転時に生ずる視野ずれを自動補正するも
のである。
【0110】図15において、はじめに、基準とする試
料透過像を得るため、ステップS51で、図1に示す倍率
切り替え用ロータリーエンコーダ47、あるいはキーボ
ード45により倍率を入力し、透過型電子顕微鏡の各レ
ンズ系機構のレンズコイルに流す電流をその倍率にあっ
たように設定する。このとき、すでに焦点は合っている
ものとする。
【0111】ステップS52では、シンチレータ50に
投射された試料透過像をTVカメラ13で撮像し、画像
取り込みインターフェース51により記憶装置39にこ
の試料透過像を登録する。この画像を透過像1とする。
透過像1はCRTコントローラ42を介してCRT41
上に画像表示される。
【0112】次のステップS53では、各レンズ系機構
の電子レンズの励磁条件を変えて、透過像1を等倍で所
望の角度に像回転する。像回転角の入力は、像回転角入
力用ロータリーエンコーダ47、あるいはキーボード4
5を用いる。入力された像回転角はRAM48に保存す
る。像回転角入力用ロータリーエンコーダ47から発生
したパルス波はI/F44に入力し、デジタル信号に変
換され、マイクロプロセッサ38に入力される。マイク
ロプロセッサ38はI/F44から入力されたデジタル
信号を、ROM49にあらかじめ記憶している第一照射
レンズコイル2,第二照射レンズコイル3,対物レンズ
コイル6,第一中間レンズコイル9,第二中間レンズコ
イル10,第一投射レンズコイル11,第二投射レンズ
コイル12の各レンズのデータを、DAC27,28,
31,34,35,36,37に出力して、レンズのデ
ータをアナログ信号に変換する。これらのDAC27,
28,31,34,35,36,37は、励磁電源1
5,16,19,22,23,24,25にアナログ信
号を出力して、上記各レンズのレンズコイルに電流を出
力し、基準とした透過像1に対して像回転した試料透過
拡大像を得る。
【0113】さらにステップS54では、シンチレータ
50に投射された回転した試料の透過拡大像をTVカメ
ラ13で取り込み、画像取り込みインターフェース51
を介して記憶装置39に透過像2として記憶させる。ま
た、CRTコントローラ42に透過像2の画像データを
出力して、CRT41に画像を表示する。
【0114】ステップS55では、記憶装置39に登録
されている透過像1と透過像2を呼び出し、図3で説明
したように、それぞれの画像の2次元離散フーリエ変換
データを作成し、それぞれのデータから極座標変換した
位相情報のみの相互相関によって透過像1と透過像2の
2画像間の像回転角を求める。計算された値は、RAM
48に保存される。
【0115】その後、ステップS56で、演算装置40
を用いて、透過像1と透過像2の間の像回転角とステッ
プS53でRAMに保存した所望の値とを比較判定す
る。ここで、所望の回転角と一致しないと判断されれ
ば、ステップS57に進む。
【0116】ステップS57からステップS58では、
像回転角の補正を行う。像回転角の補正方法は、第二投
射レンズコイル12の励磁条件を変化させる方法と、あ
らかじめ設定した離散的な像回転レンズデータをもとに
任意の像回転角を設定する2つの方法が挙げられる。
【0117】まず、第二投射レンズコイル12の励磁条
件を変化させて像回転角を補正する方法は、ステップS
57で、演算装置40により補正角を計算し、これに対
応する第二投射レンズコイル12の電流値を計算する。
ステップS58では、マイクロプロセッサ38によりR
OM49に設定された電流値をバスを介してDAC37に
より励磁電源25にアナログ信号を出力し、第二投射レ
ンズコイル12に電流を出力する。その後、ステップS
54に戻り、再び透過像1と透過像2の間で回転角度の
比較判定を行い、所望の回転角度と一致していると判断
されればステップS59に進む。
【0118】既に設定してある離散的な像回転レンズデ
ータを用いて補正する方法は、次のとおりである。ステ
ップS57で演算装置40で補正角を計算し、対応する
結像レンズ系機構の電流値を求める。ステップS58で
は、マイクロプロセッサ38によりROM49に設定さ
れた電流値をバスを介してDAC34,35,36,3
7により励磁電源22,23,24,25にアナログ信
号を出力し、結像レンズ系機構の各レンズ、すなわち、
第一中間レンズコイル9,第二中間レンズコイル10,
第一投射レンズコイル11,第二投射レンズコイル12
に電流を出力する。その後、ステップS54で回転角の
比較,判定を行い、所望の回転角と一致していると判断
されれば、ステップS59に進む。
【0119】ステップS59では、像回転角の補正を行
った試料透過拡大像をTVカメラ13で取り込み、記憶
装置39に透過像3として保存する。また、CRTコン
トローラ42に透過像3の画像データを出力してCRT
41上に画像を表示する。基準とした透過像1と像回転
させるため電子レンズの励磁条件を変えた透過像3の間
では、電子線光軸の幾何公差により、視野ずれが生じる
可能性がある。そこでステップS60からステップS6
2の手順に従って、視野ずれを補正する。まず、ステッ
プS60では、透過像1と透過像3のそれぞれを記憶装
置39から呼び出し、図3で説明したように、それぞれ
の画像の2次元離散フーリエ変換データを作成し、それ
ぞれのデータから、位相情報のみの相互相関によって、
透過像1と透過像3の像移動量を求める。
【0120】ステップS61では、演算装置40により
像移動量がゼロであるか判定し、ゼロでなければステッ
プS62に進む。
【0121】ステップS62では、演算装置40で像移
動量をゼロにする移動量(視野ずれ補正量)を計算し、
図11に説明したように、試料上下に配置した電子線偏
向コイルを用いて電磁的に、あるいは、試料ステージを
移動することにより機械的に視野ずれ補正を行う。視野
ずれ補正後、再びステップS59に戻り、像移動の判
定、および、移動補正を行って、視野ずれがゼロと判定
されれば、ステップS63に進む。
【0122】ステップS63では、RAM48に保存さ
れた像回転角データを呼び出し、CRTコントローラ4
2を介して、CRT41に像回転角を表示し、すべての
処理が終了する。
【0123】次に、倍率が変化した場合の視野ずれ補正
の手順について説明する。図16は、図14,図15と
同じく像回転時に生じた視野ずれを補正する手順を示す
フローチャートである。この手順は、透過型電子顕微鏡
を用いて、基準となる試料透過拡大像に対し、倍率が異
なる試料透過拡大像の像回転角を計算し、像回転角の高
精度な自動補正をし、これらの画像間における像回転角
の表示を行い、かつ、像回転時に生ずる視野ずれを自動
補正するものである。
【0124】図17は、倍率が変化した場合の像回転角
を自動調整する手順を示す試料透過像の一例を示す図で
ある。像の回転角の計測と位置ずれの計測に用いる位相
情報に限定した相互相関法では、測定する2画像のそれ
ぞれの倍率が異なると計算が不可能となる。したがっ
て、図17(a)に示す、倍率M1,像回転角θである
基準となる試料透過拡大像を透過像1として登録する。
次に、倍率M1で像回転角が0°となるレンズデータを
呼び出し、図17(b)に示す、この試料透過拡大像を
透過像2として登録する。これら透過像1と透過像2の
間での像回転角を計算し、記憶装置39に記録してお
く。次のステップは、希望の倍率M2で像回転角0°の
レンズデータを呼び出し、図17(c)に示すように、
この試料透過拡大像を透過像3として登録する。最後
に、記憶装置39に記録しておいた像回転角θと倍率M
2のレンズデータに変更し、図17(d)に示すよう
に、この試料透過拡大像を透過像4として登録する。そ
して、透過像3と透過像4の間で像回転角を計算し、回
転角θとなるよう精密に自動調整を行うものである。
【0125】図16において、ステップS71では、基
準となる試料拡大像の倍率M1、および像回転角θを入
力し、前述のように透過型電子顕微鏡の各レンズ系機構
のレンズコイルに流す電流をその倍率および像回転角を
得られるように設定する。このとき、すでに焦点は合っ
ているものとする。
【0126】次に、ステップS72において、図1に示
すシンチレータ50に投射された倍率M1,像回転角θ
の試料透過拡大像をTVカメラ13で撮像し、画像取り
込みインターフェース52により記憶装置39にこの試
料透過拡大像を透過像1として記憶させ、基準画像とす
る。そして、この透過像1を、CRTコントローラ42
を介してCRT41上に画像表示させる。
【0127】ステップS73では、希望する拡大倍率M
2をキーボード45、または、倍率切り替え用ロータリ
ーエンコーダ46により入力し、RAM48に記憶させ
ておく。
【0128】ステップS74からステップS76までの
手順に従い、最初にステップS71で設定した透過像の
像回転角を測定する。まず、ステップS74では、基準
となる試料透過像の倍率M1で、像回転角度が0°とな
るレンズデータをROM49から呼び出し、第一照射レ
ンズコイル2,第二照射レンズコイル3,対物レンズコ
イル6,第一中間レンズコイル9,第二中間レンズコイ
ル10,第一投射レンズコイル11,第二投射レンズコ
イル12の各レンズのデータを、DAC27,28,3
1,34,35,36,37に出力して、各レンズのデ
ータをアナログ信号に変換する。これらのDAC27,
28,31,34,35,36,37は、励磁電源1
5,16,19,22,23,24,25にアナログ信
号を出力して、上記各レンズのレンズコイルに電流を出
力し、倍率M1,像回転角0°にする。
【0129】ステップS75では、試料の透過電子像を
TVカメラ13で取り込み、記憶装置39に透過像2と
名前を付けて保存する。また、CRTコントローラ42
に透過像2の画像データを出力してCRT41上に画像
を表示する。
【0130】ステップS76では、記憶装置39に登録
されている透過像1と透過像2を呼び出し、図3で説明
したように、それぞれの画像の2次元離散フーリエ変換
データを作成し、それぞれのデータから極座標変換した
位相情報のみの相互相関によって透過像1と透過像2の
2画像間の像回転角度を求める。計算された像回転角の
値は、RAM48に保存される。
【0131】ステップS77以降では、倍率M2に変更
し、像回転角補正,視野ずれの補正を行う。はじめに、
ステップS77では、ステップS73で設定した倍率M
2で、像回転角度が0°となるレンズデータをROM4
9から呼び出し、第一照射レンズコイル2,第二照射レ
ンズコイル3,対物レンズコイル6,第一中間レンズコ
イル9,第二中間レンズコイル10,第一投射レンズコ
イル11,第二投射レンズコイル12の各レンズデータ
をDAC27,28,31,34,35,36,37に
出力して、各レンズのデータをアナログ信号に変換す
る。これらのDAC27,28,31,34,35,3
6,37は励磁電源15,16,19,22,23,2
4,25にアナログ信号を出力し、各レンズコイルに電
流を出力し、所望の倍率M2で回転角度が0°の透過電
子像を得る。
【0132】ステップS78では、この試料の透過拡大
像をTVカメラ13で取り込み、記憶装置39に透過像
3と名前を付けて保存する。
【0133】次に、ステップS79では、設定した倍率
M2でかつ像回転角がRAM48に登録された像回転角
θとなるレンズデータをROM49から呼び出し、レン
ズ電流を与える。
【0134】ステップS80では、この透過拡大像をT
Vカメラ13で撮像し、記憶装置39に透過像4として
保存する。
【0135】ステップS81では、透過像3と透過像4
を記憶装置39から呼び出し、図3で説明したように、
それぞれの画像の2次元離散フーリエ変換データを作成
し、それぞれのデータから極座標変換した位相情報のみ
の相互相関により、透過像3と透過像4の2つの画像間
の像回転角を計算する。計算された像回転角の値はRA
M48に保存される。
【0136】その後、ステップS82では、演算装置4
0により、透過像3と透過像4の間の像回転角と、ステ
ップS76でRAM48に保存された透過像1と透過像
2の間の像回転角の値と比較判定する。ここで、透過像
1と透過像2との間の回転角と透過像3と透過像4との
間の回転角とが一致しなければ、ステップS83に進
む。
【0137】ステップS83では、演算装置40により
補正角、および、対応する第二投射レンズコイル12の
電流値を計算する。
【0138】ステップS84では、レンズデータとして
第二投射レンズコイル12に電流を出力するか、あるい
は、あらかじめ設定した像回転レンズデータをもとに補
正角に相当する結像レンズ系機構の第一中間レンズコイ
ル9,第二中間レンズコイル10,第一投射レンズコイ
ル11,第二投射レンズコイル12へ電流を出力する。
【0139】その後、ステップS80に戻り、再び回転
角の比較判定を行い、透過像1と透過像2との間の像回
転角と、透過像3と透過像4との間の像回転角とが一致
していると判断できれば、ステップS85に進む。
【0140】ステップS85では、試料54の透過拡大
像をTVカメラ13で撮像し、記憶装置39に透過像5
と名付けて保存する。さらに、CRT41上に透過像5
の画像データを表示させる。
【0141】像回転するために、電子レンズの励磁条件
変化に伴う視野ずれの補正を、ステップS86からステ
ップS88の手順に従って補正する。はじめに、ステッ
プS86では、透過像3と透過像5のそれぞれを記憶装
置39から呼び出し、図3で説明したように、それぞれ
の画像の2次元離散フーリエ変換データを作成し、それ
ぞれのデータから位相情報のみの相互相関によって、透
過像3と透過像5の2画像間の像移動量を求める。
【0142】ステップS87では、演算装置40により
像移動量がゼロであるかどうか判定し、ゼロでなければ
ステップS88に進む。
【0143】ステップS88では、像移動量をゼロにす
る移動量(視野ずれ補正量)を計算し、図11で説明し
たように、電磁的に、あるいは機械的に視野ずれ補正を
行う。
【0144】この視野ずれ補正後、再びステップS85
に戻り、像移動の判定、および、移動量の補正を行っ
て、視野ずれがゼロと判定できれば、ステップS89に
進む。ステップS89では、RAM48に保存された像
回転角の値を呼び出し、CRTコントローラ42を介し
て、CRT41に像回転角が表示され、処理が終了す
る。
【0145】透過型電子顕微鏡において、以上述べた視
野ずれ補正によって、次に挙げるような効果を得ること
ができる。
【0146】(1)試料ドリフトに伴う視野ずれ量と方
向をリアルタイムで計測,表示できる。
【0147】(2)試料ドリフトに伴う視野ずれをリア
ルタイムで自動補正できる。
【0148】(3)試料ドリフトに伴う視野ずれ量が仕
様値以上の場合、視野ずれ補正の時間間隔を短縮して自
動補正できる。
【0149】(4)試料ドリフトに伴う視野ずれ量をあ
らかじめ予測して視野ずれ補正できる。
【0150】(5)2つの試料透過拡大像間の像回転角
をリアルタイムで検出,表示できる。 (6)2つの試料透過拡大像間の像回転時に生ずる視野
ずれをリアルタイムで自動補正できる。
【0151】(7)2つの試料透過拡大像間の像回転角
をリアルタイムで精度良く自動補正できる。
【0152】(8)倍率の異なる2つの試料透過拡大像
間で像回転角をリアルタイムで精度良く自動補正でき
る。
【0153】以上のように、透過型電子顕微鏡で試料ド
リフトに伴う視野ずれ量と方向の計測,表示,自動補
正,試料ドリフトを予測しての自動補正,2つの試料透
過拡大像間での試料透過拡大像の回転角の計測ならびに
表示,像回転角の高精度な自動補正,倍率の異なる試料
透過拡大像の高精度な像回転角の自動補正が可能とな
り、透過型電子顕微鏡における観察性,操作性の向上に
大いなる効果を期待できる。
【0154】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、透
過型電子顕微鏡における記録した登録画像に対し、任意
の設定時間後に記録した参照画像の2つの画像間の視野
ずれ量および方向をリアルタイムで高精度に計測,表示
し、視野ずれを自動的に補正する透過型電子顕微鏡を得
ることができる。
【0155】また、本発明によれば、記録した登録画像
に対し、電子レンズの励磁条件を変えて回転し記録した
参照画像の2つの画像間の像回転角をリアルタイムで正
確に計測,表示し、所望の回転角に高精度に自動補正
し、励磁条件を変化させた際に発生する視野ずれ量をリ
アルタイムで計測し、この視野ずれ補正を正確且つ自動
的に行い、視野ずれのない試料透過拡大像を得る透過型
電子顕微鏡を得ることができる。
【0156】付記 (請求項6)請求項3の記載において、前記登録画像と
前記参照画像の2つの画像間の視野ずれの位相情報のみ
の相互相関を計算し、該相互相関から前記登録画像に対
する前記参照画像の視野ずれの補正量を計算する第三の
演算装置と、該第三の演算装置で求められた前記視野ず
れの補正量に基づいて前記電子線を偏向させる偏向器と
を備えたことを特徴とする透過型電子顕微鏡。
【0157】(請求項7)請求項3の記載において、前
記登録画像と前記参照画像の2つの画像間の視野ずれの
位相情報のみの相互相関を計算し、該相互相関から前記
登録画像に対する前記参照画像の視野ずれの補正量を計
算する第三の演算装置と、前記試料の上部に配置され、
前記第三の演算装置で求められた前記視野ずれの補正量
に基づいて前記電子線をその光軸から平行に移動させる
試料上部偏向器と、前記試料の下部に配置され、前記試
料上部偏向器により偏向された電子線を前記電子線の光
軸上に戻す試料下部偏向器とを備えたことを特徴とする
透過型電子顕微鏡。
【0158】(請求項8)請求項3の記載において、前
記登録画像と前記参照画像の2つの画像間の視野ずれの
位相情報のみの相互相関を計算し、該相互相関から前記
登録画像に対する前記参照画像の視野ずれの補正量を計
算する第三の演算装置と、該第三の演算装置で求められ
た前記視野ずれの補正量に基づいて前記試料を移動させ
る移動装置とを備えたことを特徴とする透過型電子顕微
鏡。
【0159】(請求項9)請求項3または4のいずれか
の記載において、前記登録画像と前記参照画像の間の視
野ずれ量を計算する演算装置と、該演算装置で計算され
た前記視野ずれ量に基づいて前記視野ずれを補正する補
正装置と、あらかじめ決められた時間間隔で前記演算装
置による計算と前記補正装置による前記視野ずれの補正
とを繰り返すとともに、前記演算手段で計算された視野
ずれ量があらかじめ決められた値より大きいとき、前記
時間間隔を短くする制御手段とを備えたことを特徴とす
る透過型電子顕微鏡。
【0160】(請求項10)請求項3の記載において、
前記第二の演算装置での前記視野ずれ量の計算の後、前
記撮像装置で第三の試料像を撮像し、該第三の試料像か
ら視野ずれ量を予測する予測装置と、該予測装置で予測
された視野ずれ量の予測値に基づいて、前記視野ずれ量
を補正する補正装置とを備えたことを特徴とする透過型
電子顕微鏡。 (請求項11)電子銃から放出された電子線を試料に照
射して該試料の分析,試料像の観察を行う透過型電子顕
微鏡において、前記試料の試料透過像を撮像する撮像装
置と、該撮像装置で得られた第一の試料透過像を記録す
る第一の記憶装置と、前記第一の試料透過像を回転させ
る電子レンズと、前記回転された第一の試料透過像を記
録する第二の記憶装置と、前記撮像装置で撮像された第
二の試料透過像を記録する第三の記憶装置と、前記第二
の記憶装置に記録された前記回転された第一の試料透過
像を読み出し2次元離散フーリエ変換データを作成する
第一の演算装置と、前記第三の記憶装置に記録された前
記第二の試料透過像を読み出し2次元離散フーリエ変換
データを作成する第二の演算装置と、前記登録画像の2
次元離散フーリエ変換データと前記参照画像の2次元離
散フーリエ変換データとから位相情報のみの相互相関を
計算して前記回転された第一の試料透過像と前記第二の
試料透過像の間の視野ずれ量を求める視野ずれ量演算装
置と、前記視野ずれ量の補正量を計算する補正量演算装
置と、該補正量演算装置で計算された視野ずれ量の補正
量に基づいて前記試料の試料透過像を補正する補正装置
と、前記撮像装置により撮像された第三の試料透過像と
前記回転された第一の試料透過像とから、両試料透過像
間の回転角を計算する第三の演算装置とを備えたことを
特徴とする透過型電子顕微鏡。
【0161】(請求項12)請求項11の記載におい
て、前記補正装置は、前記試料の上部に配置され前記視
野ずれ量の補正量に相当するだけ前記電子線をその光軸
から平行移動させる第一の偏向器と、前記試料の下部に
配置され前記電子線の光軸から平行移動した電子線を前
記電子線の光軸上に戻す第二の偏向器とを備えたことを
特徴とする透過型電子顕微鏡。
【0162】(請求項13)請求項11の記載におい
て、前記補正装置は、前記試料を移動させる試料移動装
置を備えたことを特徴とする透過型電子顕微鏡。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による透過型電子顕微鏡の一例を示し、
その機能を示すブロック図。
【図2】透過型電子顕微鏡による透過像の一例を示す
図。
【図3】試料透過拡大像を説明のために模擬的に示した
図。
【図4】デカルト座標系と極座標系との関係図。
【図5】電子レンズの励磁と焦点距離との関係を示す関
係図。
【図6】あらかじめ設定したある一定倍率の時の像回転
レンズデータの像回転角と励磁電流との関係を示す関係
図。
【図7】視野ずれ補正の流れを示すフローチャート。
【図8】試料透過像の一例を示す図。
【図9】ドリフトの状態を説明するデカルト座標表示を
示す図。
【図10】ドリフト量の時間変化を示す関係図である。
試料ドリフトの経時変化を示す図。
【図11】視野ずれ補正の概念を説明する模式図。
【図12】試料ドリフトのサンプリング時間を変えて視
野ずれ補正を行う手順を示すフローチャート。
【図13】試料ドリフトを予測して視野ずれ補正を行う
手順を示すフローチャート。
【図14】像回転時に生じた視野ずれを補正する手順を
示すフローチャート。
【図15】像回転時に生じた視野ずれを補正する手順を
示すフローチャート。
【図16】像回転時に生じた視野ずれを補正する手順を
示すフローチャート。
【図17】倍率が変化した場合の像回転角を自動調整す
る手順を示す試料透過像の一例を示す図。
【符号の説明】
1…電子銃、2…第一照射レンズコイル、3…第二照射
レンズコイル、4…試料上部第一偏向コイル、5…試料
上部第二偏向コイル、6…対物レンズコイル、7…試料
下部第一偏向コイル、8…試料下部第二偏向コイル、9
…第一中間レンズコイル、10…第二中間レンズコイ
ル、11…第一投射レンズコイル、12…第二投射レン
ズコイル、13…TVカメラ、38…マイクロプロセッ
サ、39…記憶装置、40…演算装置、41…CRT、
42…CRTコントローラ、46…倍率切り替え用ロー
タリーエンコーダ、47…像回転角入力用ロータリーエ
ンコーダ、48…RAM、49…ROM、50…シンチ
レータ、53…試料ステージ、54…試料、55,65
…電子線、58,61,68,69…試料透過像、62
…合成位相画像、63…相関強度画像、66…偏向時電
子線、67…電子線光軸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長沖 功 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器グループ内 (72)発明者 小林 弘幸 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器グループ内 Fターム(参考) 5B057 AA20 BA01 CA12 CB12 CD02 CD03 CD18 CG05 DA07 DA16 DC34 5C033 EE04 EE06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子線を発生させる電子源と、前記電子線
    を偏向する偏向器と、前記電子線を絞って試料に照射す
    る電磁レンズと、前記試料を透過した試料透過像を検出
    する検出器とからなる透過型電子顕微鏡において、複数
    の試料透過像間の視野ずれの量を計算する手段と、前記
    偏向器に与える電流をかえて、または前記試料を移動さ
    せて前記視野ずれを自動的に補正する手段と、以上の手
    段による動作を繰り返して前記視野ずれを減少させる制
    御手段とを備えたことを特徴とする透過型電子顕微鏡。
  2. 【請求項2】電子線を発生させる電子源と、前記電子線
    を偏向する偏向器と、前記電子線を絞って試料に照射す
    る電子レンズと、前記試料を透過した試料透過像を検出
    する検出器とからなる透過型電子顕微鏡において、複数
    の試料透過像のうち、基準となる画像に対して励磁条件
    を変えて像回転させる手段と、該回転された試料透過像
    と別の試料透過像とから像回転角を計算する手段と、前
    記電子レンズの励磁条件をかえて所望の像回転角を自動
    的に補正する手段と、前記基準となる試料透過像と前記
    別の試料透過像との間の視野ずれ量を計算する手段と、
    前記偏向器に与える電流をかえて、または前記試料を移
    動させて前記視野ずれを自動的に補正する手段とを備え
    たことを特徴とする透過型電子顕微鏡。
  3. 【請求項3】電子銃から放出された電子線を試料に照射
    して該試料の分析,試料像の観察を行う透過型電子顕微
    鏡において、前記試料像を撮像する撮像装置と、前記撮
    像装置で得られた試料透過像を登録画像として記録する
    とともに、前記撮像装置での前記試料像の撮像から任意
    時間経過後に撮像した第二の試料像を参照画像として記
    録する記憶装置と、前記登録画像を前記記憶装置から読
    み出し2次元離散フーリエ変換データを作成するととも
    に、前記参照画像を前記記憶装置から読み出し2次元離
    散フーリエ変換データを作成する第一の演算装置と、前
    記登録画像と前記参照画像のそれぞれの2次元離散フー
    リエ変換データから位相情報のみの相互相関を計算し、
    前記登録画像と前記参照画像の2つの画像間の視野ずれ
    量を計算する第二の演算装置とを備えたことを特徴とす
    る透過型電子顕微鏡。
  4. 【請求項4】電子銃から放出された電子線を試料に照射
    して該試料の分析、試料像の観察を行う透過型電子顕微
    鏡において、前記試料像を撮像する撮像装置と、前記撮
    像装置で得られた試料透過像を登録画像として記録する
    とともに、前記撮像装置での前記試料像の撮像から任意
    時間経過後に撮像した第二の試料像を参照画像として記
    録する記憶装置と、前記登録画像を前記記憶装置から読
    み出し2次元離散フーリエ変換データを作成するととも
    に、前記参照画像を前記記憶装置から読み出し2次元離
    散フーリエ変換データを作成する第一の演算装置と、前
    記登録画像と前記参照画像のそれぞれの2次元離散フー
    リエ変換データから位相情報のみの相互相関を計算し、
    前記登録画像と前記参照画像の2つの画像間の像回転角
    を計算する第二の演算装置とを備えたことを特徴とする
    透過型電子顕微鏡。
  5. 【請求項5】電子銃から放出された電子線を試料に照射
    して該試料の分析,試料像の観察を行う透過型電子顕微
    鏡において、前記試料像を撮像する撮像装置と、前記撮
    像装置で得られた試料透過像を登録画像として記録する
    とともに、前記撮像装置での前記試料像の撮像から任意
    時間経過後に撮像した第二の試料像を参照画像として記
    録する記憶装置と、前記登録画像を前記記憶装置から読
    み出し2次元離散フーリエ変換データを作成するととも
    に、前記参照画像を前記記憶装置から読み出し2次元離
    散フーリエ変換データを作成する第一の演算装置と、前
    記登録画像と前記参照画像のそれぞれの2次元離散フー
    リエ変換データから位相情報のみの相互相関を計算し、
    前記登録画像と前記参照画像の2つの画像間の視野ずれ
    の量および像回転角を計算する第二の演算装置とを備え
    たことを特徴とする透過型電子顕微鏡。
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