JP2001116973A - カムヘリコイド環 - Google Patents

カムヘリコイド環

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JP2001116973A
JP2001116973A JP29984699A JP29984699A JP2001116973A JP 2001116973 A JP2001116973 A JP 2001116973A JP 29984699 A JP29984699 A JP 29984699A JP 29984699 A JP29984699 A JP 29984699A JP 2001116973 A JP2001116973 A JP 2001116973A
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cam
helicoid
groove
helicoid ring
peripheral surface
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JP29984699A
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Hiroshi Nomura
博 野村
Kazunobu Ishizuka
和宜 石塚
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Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/02Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses
    • G02B7/04Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses with mechanism for focusing or varying magnification

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強度の確保と小径化の両立が可能なカムヘリ
コイド環を得る。 【構成】 筒状体の内周面と外周面の一方にヘリコイド
を設け、他方にカム溝を設けたカムヘリコイド環におい
て、筒状体の肉厚を、ヘリコイドの螺旋状突起部の高さ
と、カム溝の溝深さとによって決定される最小厚さに設
定し、カム溝の底部がヘリコイドの螺旋状突起部を除い
て貫通するように形成したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、ズームレンズ鏡筒に設けられる
カムヘリコイド環に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】ズームレンズ鏡筒では、一
つの鏡筒構成部材に複数の機能を与えて、部品点数の削
減や鏡筒の小型化を図ることがある。例えば、この種の
鏡筒構成部材として、筒状体の外周面と内周面の一方と
他方にヘリコイドとカム溝を設けたカムヘリコイド環が
用いられる。しかし、従来のカムヘリコイド環は、剛性
を確保するために、光軸を中心とする径方向には肉厚に
形成されており、小径化は難しかった。
【0003】
【発明の目的】本発明は、以上の問題点に鑑みてなされ
たものであり、強度の確保と小径化の両立が可能なカム
ヘリコイド環を得ることを目的とする。
【0004】
【発明の概要】本発明は、筒状体の内周面と外周面の一
方にヘリコイドを設け、他方にカム溝を設けたカムヘリ
コイド環において、筒状体の肉厚を、ヘリコイドの螺旋
状突起部の高さと、カム溝の溝深さとによって決定され
る最小厚さに設定し、カム溝の底部がヘリコイドの螺旋
状突起部を除いて貫通するように形成したことを特徴と
している。このカムヘリコイド環によれば、カム溝を貫
通させることで小径化が可能であるとともに、このカム
溝の底部がヘリコイドの螺旋状突起部によって補強され
るので、必要な強度が得られる。言い換えれば本発明の
特徴は、カム溝を径方向への貫通溝として形成し、この
貫通溝として形成したカム溝の底部をヘリコイドの螺旋
状突起部が橋絡して補強することにある。
【0005】ヘリコイドの螺旋状突起部を補強材として
利用するという観点からは、該螺旋状突起部とカム溝
は、撮影光軸に対する互いの傾斜方向が異なっているこ
とが望ましい。また、カム溝は、ヘリコイド側に向けて
径方向へ深くなるにつれて、徐々に開口幅を狭くする断
面形状をなしていることが好ましい。また、筒状体に
は、軌跡の異なる複数のカム溝を形成してもよい。さら
にヘリコイドの螺旋状突起部は、筒状体と一体成形され
ていることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】図1に示すズームレンズ鏡筒10
は、ズームコンパクトカメラのカメラボディに設けられ
ている。まず図1を参照してズームレンズ鏡筒10の全
体的な構造及び動作を説明する。なお、以下の説明中で
の光軸方向という表現は、撮影光軸と平行な方向という
意味で用いる。また、周方向という表現は、撮影光軸を
中心とした場合の円周方向という意味で用いる。
【0007】カメラボディ内部にはフィルムへの露光領
域を決定する開口11aを有するアパーチャ板11が固
定され、このアパーチャ板11の前部にボディ側ヘリコ
イド筒12が固定されている。ボディ側ヘリコイド筒1
2の内周面には、雌ヘリコイド13が形成されており、
さらに光軸Oと平行な直進案内溝14が形成されてい
る。また、図示しないが、ボディ側ヘリコイド筒12に
は光軸Oと平行な方向へ長い切欠部が形成されていて、
この切欠部から内方へ向けてズームギヤ15の歯面が露
出している。ズームギヤ15は、不図示のズームモータ
によって光軸Oと平行な軸を中心に回動されるギヤであ
る。
【0008】ボディ側ヘリコイド筒12の雌ヘリコイド
13には、第1外筒17の外周面の後端付近に形成され
た雄ヘリコイド18が螺合している。この第1外筒17
にはさらに、雄ヘリコイド18が形成された同一周面上
に、上記のズームギヤ15に噛合する外周ギヤ19が設
けられている。さらに、第1外筒17の内周面には、光
軸Oと平行な回転伝達溝16が形成されている。
【0009】第1外筒17の内部には、第1直進筒20
が配設されている。この第1直進筒20は、後端付近の
外周面に、光軸Oを中心とする周方向溝21を有してお
り、一方で第1外筒17の内周面の後端部には、この周
方向溝21に嵌合する係合爪23が突設されている。こ
の周方向溝21と係合爪23の関係により、第1外筒1
7と第1直進筒20は、光軸方向には相対移動不能で相
対回転は可能に結合されている。
【0010】また、第1直進筒20の後端部には、前述
の直進案内溝14に嵌合する直進案内突起24が半径方
向外方へ突出している。この直進案内突起24と直進案
内溝14の関係により、第1直進筒20はボディ側ヘリ
コイド筒12に対して直進案内されている。
【0011】以上の第1外筒17と第1直進筒20がズ
ームレンズ鏡筒10の第1繰出段部を構成する。この第
1繰出段部は、ズームモータMによってズームギヤ15
が所定のレンズ繰出方向に回転されると、外周ギヤ部1
9を介して第1外筒17が回転され、雌ヘリコイド13
と雄ヘリコイド18の関係によってボディ側ヘリコイド
筒12から第1外筒17が回転しながら繰り出される。
同時に、第1直進筒20と第1外筒17は相対回転のみ
可能に爪係合されているため、第1直進筒20が、ボデ
ィ側ヘリコイド筒12に対して直進案内されながら第1
外筒17と共に光軸Oと平行な方向に移動する。
【0012】第1直進筒20の内周面には、上記雌ヘリ
コイド13と同方向の雌ヘリコイド27が形成されてい
る。第1直進筒20の内周面にはさらに、光軸Oと平行
な直進案内溝28が形成されている。
【0013】第1直進筒20の内側には、雌ヘリコイド
27に螺合する雄ヘリコイド29を外周面に有するカム
ヘリコイド環30が配設される。図2及び図3に示すよ
うに、カムヘリコイド環30は、円筒状部30aとその
前部のフランジ状部30bを有し、雄ヘリコイド29
は、円筒状部30aの外周面全体に形成されている。具
体的には、雄ヘリコイド29は、円筒状部30aの外周
面から半径方向外方に突出する複数の平行な螺旋状突起
部(ねじ山)29aによって形成されており、円筒状部
30aの外周面が該雄ヘリコイド29の谷部となってい
る。なお、ここでは説明の都合上、円筒状部30aと螺
旋状突起部29aを分けているが、フランジ状部30b
を含めて、カムヘリコイド環30は全体が一体成形され
ている。
【0014】また、カムヘリコイド環30には、雄ヘリ
コイド29の螺旋状突起部29aとは傾斜方向の異なる
カム溝31、32が、内周面側に開口を臨ませるように
形成されている。図1に表れているように、カム溝3
1、32はそれぞれ、カムヘリコイド環30の内径側か
ら外径側に向かうにつれて、徐々に開口幅を狭くする断
面台形状の溝であり、図3に示すように、このカム溝3
1、32はそれぞれ3本づつ設けられている。以上のカ
ムヘリコイド環30が本発明の特徴に関するものであ
り、その具体的特徴は後述する。
【0015】カムヘリコイド環30の後端付近の内周面
には、半径方向内方へ向けて係合爪33が突設されてい
る。このカムヘリコイド環30の内部には、第2直進筒
35が配設されている。この第2直進筒35は、後端付
近の外周面に光軸Oを中心とする周方向溝36が形成さ
れており、この周方向溝36に上記の係合爪33が嵌合
している。この係合爪33と周方向溝36の関係によっ
て、カムヘリコイド環30と第2直進筒35は、光軸方
向には相対移動不能で相対回転は可能に結合される。
【0016】第2直進筒35の後端部には、前述の直進
案内溝28に嵌合する直進案内突起37が半径方向外方
へ突出している。この直進案内突起37と直進案内溝2
8の関係により、第2直進筒35は直進案内されてい
る。
【0017】第2外筒40は、第1外筒17と第1直進
筒20の間に位置しており、外周面の後端付近に、第1
外筒17内面に設けた前述の回転伝達溝16に係合する
回転伝達突起41を有している。この回転伝達突起41
と回転伝達溝16の関係により、第2外筒40は、第1
外筒17に対しては相対回転せず、かつ光軸Oと平行な
方向には相対移動自在に案内されている。
【0018】この第2外筒40とカムヘリコイド環30
は、互いの前端部で光軸方向の相対移動も相対回転も行
わないように結合される。具体的には、カムヘリコイド
環30前端のフランジ状部30bには3箇所の切り欠き
部38が形成され(図2参照)、第2外筒40前端に
は、この切り欠き部38に嵌まる半径方向内方への固定
突起39が設けられている。この固定突起39と切り欠
き部38の嵌合により互いの相対回転が規制され、さら
にカムヘリコイド環30に対して前方から抜け止めリン
グ42を係着させることで、切り欠き部38から固定突
起39が光軸前方に外れないように抜け止めされる。
【0019】以上の構造から、第2外筒40は第1外筒
17に従って回転し、該第2外筒40と一体となるよう
に結合されたカムヘリコイド環30に回転を与える。こ
の回転動作を受け、カムヘリコイド環30は、雌ヘリコ
イド27と雄ヘリコイド29の関係により、第1直進筒
20から回転しながら繰り出される。
【0020】従って、カムヘリコイド環30、第2直進
筒35及び第2外筒40が、ズームレンズ鏡筒10の第
2の繰出段部を構成する。第1繰出段部を構成する第1
外筒17が回転してボディ側ヘリコイド筒12より繰り
出されると、回転伝達溝16と回転伝達突起41の関係
によって、第1外筒17に連動して第2外筒40が回転
される。第2外筒40の回転を受けるカムヘリコイド環
30は、雌ヘリコイド27と雄ヘリコイド29の関係に
より、ボディ側ヘリコイド筒12に対しては第1外筒1
7の回転方向と同方向に回転しながら、第2外筒40と
共に第1直進筒20から繰り出される。同時に、第2直
進筒35は、カムヘリコイド環30と相対回転のみ可能
に爪結合されているため、直進案内突起37と直進案内
溝28の関係によって第1直進筒20に直進案内されつ
つ、カムヘリコイド環30と共に光軸Oと平行な方向に
移動する。
【0021】カムヘリコイド環30の内側には、第3外
筒45が配設されている。この第3外筒45の後端部近
傍には固定孔46が形成されており、この固定孔46に
は、シャッタユニット47の後方延出腕部48に設けた
係止爪49が係入する。固定孔46の光軸方向での長さ
は、係止爪49の光軸方向での長さよりも若干長く設定
されている。第3外筒45内にシャッタユニット47を
支持させるときは、シャッタユニット47前部に設けた
コイルばね支持突起50にコイルばね51を嵌め入れ、
コイルばね51の弾性に抗して固定孔46に係止爪49
を係入させる。この状態において、シャッタユニット4
7は、圧縮されたコイルばね51の付勢力によって光軸
後方に押圧されており、第3外筒45内での位置が一定
に保たれる。
【0022】第2直進筒35には、光軸Oと平行に長い
貫通溝(不図示)が形成されており、この貫通溝に、シ
ャッタユニット47の後方延出腕部48が摺動可能に嵌
まっている。従って、第3外筒45とシャッタユニット
47は、第2直進筒35に対して光軸方向に直進移動す
ることができる。
【0023】シャッタユニット47は、フォーカシング
用ヘリコイド52を介して第1レンズ群L1を支持して
いる。シャッタユニット47内には、この第1レンズ群
L1を回転駆動させるためのフォーカシングモータ(不
図示)が設けられている。フォーカシングモータによっ
て第1レンズ群L1に回転を与えると、該第1レンズ群
L1は、フォーカシング用ヘリコイド52に従って光軸
方向に進退移動される。
【0024】第3外筒45の後端付近の外周面には、周
方向に位置を異ならせて3つのローラ53が設けられ、
該ローラ53は、カムヘリコイド環30に設けた前述の
3本のカム溝31に嵌合している。各ローラ53は、カ
ム溝31の断面形状に対応させて、半径方向外方にほど
小径となるように形成されている。なお、ローラ53
は、図1に一つのみが示されている。
【0025】図3に示すように、カム溝31は光軸Oに
対して傾斜している。一方、第3外筒45及びシャッタ
ユニット47は、後方延出腕部48を介して、第2直進
筒35により直進案内されている。そのため、カムヘリ
コイド環30が回転駆動されると、ローラ53が嵌合す
るカム溝31の形状に応じて、第3外筒45が光軸方向
に直進移動される。つまり、第3外筒45は、ズームレ
ンズ鏡筒10の第3の繰出段部を構成している。この第
3外筒45の繰出または収納動作に応じて、第1レンズ
群L1も光軸方向に進退移動される。
【0026】第2レンズ群L2の支持枠55は、シャッ
タユニット47に対して光軸方向に直進移動可能に支持
されており、ローラ56が半径方向外方に突設されてい
る。ローラ56は、図1には一つのみが図示されている
が、実際には周方向に位置を異ならせて3つ設けられて
おり、該3つのローラ56は、カムヘリコイド環30に
設けた前述の3本のカム溝32に嵌合している。図3に
示すように、カム溝32は光軸Oに対して傾斜してい
る。一方、支持枠55は、シャッタユニット47を介し
て直進案内されているため、カムヘリコイド環30が回
転駆動されると、ローラ56が嵌合するカム溝32の形
状に応じて、第2レンズ群L2が光軸方向に直進移動さ
れる。
【0027】以上の構成から、カムヘリコイド環30が
回転駆動されると、第1レンズ群L1及び第2レンズ群
L2はそれぞれ、カム溝31、32の軌跡に応じて光軸
方向に所定の軌跡で進退移動する。
【0028】以上のズームレンズ鏡筒10は、次のよう
に動作する。鏡筒収納状態(図1)やワイド端の状態な
どからズームモータが繰出方向に駆動されると、ボディ
側ヘリコイド筒12から第1外筒17が回転して繰り出
され、第1直進筒20は、ボディ側ヘリコイド筒12に
直進案内されながら第1外筒17と共に前方へ移動す
る。すると、第2外筒40と共にカムヘリコイド環30
が第1外筒17の回転方向と同方向に回転しながら、第
1直進筒20から繰り出される。これと同時に、第2直
進筒35がカムヘリコイド環30と共に光軸方向に直進
移動する。さらに、カムヘリコイド環30が繰出回転す
ると、カム溝31とローラ53の嵌合関係によって、第
3外筒45及びシャッタユニット47(第1レンズ群L
1)が光軸前方に繰り出され、カム溝32とローラ56
の嵌合関係によって、第2レンズ群L2も光軸前方に移
動される。第1レンズ群L1と第2レンズ群L2は、カ
ム溝31、32の軌跡の違いに応じて、光軸方向での相
対的な間隔が決定される。こうして設定された焦点距離
位置ではさらに、フォーカシングモータを駆動させて第
1レンズ群L1の光軸方向位置を調整してピントを合わ
せる。ズームモータを鏡筒収納方向に駆動した場合は、
ズームレンズ鏡筒10は上記とは逆の動作を行う。この
ように、3段の繰出部からなるズームレンズ鏡筒10
は、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2のフィルム面
に対する距離変化と、各レンズ群の相対的接離移動との
複合動作によりズーミングを行い、さらに第1レンズ群
L1を光軸方向に移動させることでフォーカシングを行
う。
【0029】なお、本ズームレンズ鏡筒10を構成する
各部において、直進案内用の溝部や突起などは、周方向
に位置を異ならせて複数が設けられているが、図1では
1つのみが示されている。
【0030】続いて、図2及び図3を参照して、本発明
の特徴に係るカムヘリコイド環30を説明する。前述し
た通り、カムヘリコイド環30には、その外周面側に雄
ヘリコイド29の螺旋状突起部29aが設けられ、内周
面側に2種類のカム溝31、32の開口が臨んでいる。
ここで、カム溝31、32はそれぞれ、径方向には、螺
旋状突起部29aを除いた円筒状部30aの肉厚と同じ
深さになるように形成されている。つまり、螺旋状突起
部29aの高さを考慮しなければ、カム溝31、32は
それぞれ、カムヘリコイド環30の円筒状部30aの内
周面と外周面を径方向に貫通して形成されていることに
なる。
【0031】一方、雄ヘリコイド29は、その螺旋状突
起部29aが円筒状部30aの外周面から突出し、その
谷部が該円筒状部30aの外周面に一致するように形成
されている。図2及び図3に示すように、螺旋状突起部
29aは、カム溝31、32とは異なる傾斜方向へ形成
されており、該カム溝31、32とオーバーラップする
箇所でも螺旋状突起部29aは途切れずに形成されてい
る。従って、円筒状部30aを貫通するカム溝31、3
2と螺旋状突起部29aとが交差する領域では、この螺
旋状突起部29aが、貫通溝として形成されたカム溝3
1、32の底部を櫛歯状に橋絡する。逆に言えば、カム
溝31、32は、その底部が螺旋状突起部29aの形成
箇所を除いて貫通する不完全な貫通溝となっている。図
1に表れているように、各カム溝31、32に嵌合する
ローラ53、56はそれぞれ、その先端部が螺旋状突起
部29aには接触しない程度の突出量に設定されている
ため、各ローラ53、56がカム溝31、32内を移動
しても、該ローラ53、56が螺旋状突起部29aの隙
間に引っかかることはない。
【0032】このカムヘリコイド環30では、螺旋状突
起部29aがカム溝31、32の底部を構成すると見な
した場合、このカム溝31、32の底面と、雄ヘリコイ
ド29の谷部とが、光軸Oを中心とする半径方向におい
て同位置(円筒状部30aの外周面上)にあると言え
る。これにより、フランジ状部30bを除いたカムヘリ
コイド環30の径方向サイズは、雄ヘリコイド29の螺
旋状突起部29aの高さと、カム溝31または32の深
さとの和として決定できる。これに対し、従来のカムヘ
リコイド環のように、カム溝を、円筒状部の半径方向の
途中位置まで切除した完全な有底溝としてしまうと、こ
の有底カム溝の底面とヘリコイドの谷部の間にも一定の
肉厚が存在することになり、カムヘリコイド環の径方向
サイズが大きくなってしまう。つまり、本実施形態のカ
ムヘリコイド環30によれば、ヘリコイドの高さとカム
溝の深さという最小限必要な径方向サイズを確保すれば
よいので、鏡筒の小径化を図ることができる。
【0033】このように、本実施形態のカムヘリコイド
環30では径方向の小型化が可能であるが、単にカム溝
を貫通溝としただけの場合に比して、強度的にも優れて
いる。前述したように、雄ヘリコイド29の螺旋状突起
部29aは、カム溝31、32と交差する箇所でも途切
れずに連続して形成されているため、カムヘリコイド環
30の内周面側から見れば、カム溝31及び32の底部
が螺旋状突起部29aによって櫛歯状に橋絡されている
状態になる。逆に、カムヘリコイド環30の外周面側か
ら見れば、円筒状部30aの外周面に、カム溝31、3
2の形成軌跡に沿って断続的に小さな貫通孔が形成され
ていると言える。つまり、カム溝31、32は、円筒状
部30aを貫通してカムヘリコイド環30の薄肉化に寄
与しているが、雄ヘリコイド29とオーバーラップする
領域では、その螺旋状突起部29aによって底部が橋絡
されており、完全な貫通孔とはなっていない。この螺旋
状突起部29aが、カム溝31、32及びその周囲の円
筒状部30aを補強する作用を有し、カムヘリコイド環
30は必要十分な剛性を得ることができる。
【0034】本実施形態ではさらに、雄ヘリコイド29
の螺旋状突起部29aとカム溝31及び32は、撮影光
軸Oに対して互いに異なる傾斜方向へ形成されているの
で、各カム溝31、32と交差する螺旋状突起部29a
の本数が多く、かつ各螺旋状突起部29aとカム溝3
1、32との交差長は短い。従って、カム溝31、32
と螺旋状突起部29aが同じ傾斜方向に形成されている
場合よりも、高い剛性が得られる。また、本実施形態の
カム溝31、32は、外径側ほど開口幅が狭くなる断面
形状であるため、溝幅の狭い外径側においては、螺旋状
突起部29aとの相乗効果によって、より一層強度を得
やすくなる。
【0035】以上の説明から明らかなように、本実施形
態のカムヘリコイド環30では、小径化と強度の確保を
両立させることができる。但し、本発明は図示実施形態
に限定されるものではない。例えば、実施形態では、カ
ムヘリコイド環30の内周面側にカム溝31、32の開
口が臨み、外周面側に雄ヘリコイド29が形成されるも
のとしたが、原理的には、ヘリコイドとカム溝の配置関
係はこれと逆にすることも可能である。また、カム溝の
本数は1本、あるいは3本以上であってもよい。
【0036】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、必
要な強度を確保しつつ小径化が可能なズームレンズ鏡筒
のカムヘリコイド環を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したカムヘリコイド環を有するズ
ームレンズ鏡筒の収納状態における側断面図である。
【図2】カムヘリコイド環の斜視図である。
【図3】カムヘリコイド環の展開図である。
【符号の説明】
10 ズームレンズ鏡筒 29 雄ヘリコイド 29a 螺旋状突起部 30 カムヘリコイド環 30a 円筒状部 31 32 カム溝 53 56 ローラ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状体の内周面と外周面の一方にヘリコ
    イドを設け、他方にカム溝を設けたカムヘリコイド環に
    おいて、 筒状体の肉厚を、ヘリコイドの螺旋状突起部の高さと、
    カム溝の溝深さとによって決定される最小厚さに設定
    し、カム溝の底部がヘリコイドの螺旋状突起部を除いて
    貫通するように形成したことを特徴とするカムヘリコイ
    ド環。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のカムヘリコイド環におい
    て、上記ヘリコイドの螺旋状突起部と上記カム溝は、撮
    影光軸に対する互いの傾斜方向が異なるカムヘリコイド
    環。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のカムヘリコイド
    環において、上記カム溝は、上記ヘリコイド側に向けて
    径方向へ深くなるにつれて、徐々に開口幅を狭くする断
    面形状をなしているカムヘリコイド環。
  4. 【請求項4】 請求項1から3いずれか1項記載のカム
    ヘリコイド環において、上記筒状体には、軌跡の異なる
    複数のカム溝が形成されているカムヘリコイド環。
  5. 【請求項5】 請求項1から4いずれか1項記載のカム
    ヘリコイド環において、上記ヘリコイドの螺旋状突起部
    は、上記筒状体と一体成形されているカムヘリコイド
    環。
  6. 【請求項6】 筒状体の内周面と外周面の一方にヘリコ
    イドを設け、他方にカム溝を設けたカムヘリコイド環に
    おいて、 カム溝を径方向への貫通溝として形成し、この貫通溝と
    して形成したカム溝の底部をヘリコイドの螺旋状突起部
    が橋絡して補強することを特徴とするカムヘリコイド
    環。
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