JP3548479B2 - ズームレンズ鏡筒の分解機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、ズームレンズ鏡筒に関し、特にその分解機構に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
ズームレンズ鏡筒において、固定環に対して回転しながら光軸方向に移動するように支持された回転進退環を有し、この回転進退環をズーム撮影領域を含む使用領域よりも前方に回転移動させると固定環から取り外すことができる機構が知られている。この構成では、回転進退環が使用領域の前方に移動されるほど、光軸方向における固定環とのオーバーラップ長さ、すなわち回転進退環に対する支持長が小さくなるため、特に使用領域での最大繰出位置に回転進退環が移動されたときに、支持強度が不足して回転進退環に偏心、倒れ、光軸方向の位置ずれ等が生じるおそれがある。例えば、固定環と回転進退環がヘリコイド結合されている場合、回転進退環が使用領域の最大前方位置まで移動されると、ヘリコイドの螺合長さが十分に確保できずに支持強度が不足しやすい。回転進退環に偏心、倒れ、光軸方向の位置ずれ等が生じると、その内方に支持されているレンズ群にも誤差が生じ、光学性能が悪化する。
【0003】
特にデジタルカメラでは、銀塩フィルムカメラの画面サイズに比して遙かに小さいCCD上に結像させるため、レンズに要求される精度は例えば1桁高い。例えば画角を同一とすると、イメージサイズが小さいだけレンズの焦点距離は短くなり、レンズ、レンズ枠その他全てが小さくなる。すると、同じ誤差、例えば10μmの誤差がレンズ系に与える影響は、デジタルカメラにおいてより大きい。つまり、銀塩フィルムカメラでは光学性能上問題にならなかった誤差が、デジタルカメラでは問題となる。
【0004】
こうした光学性の悪化を避けるためには、使用領域の最大繰出位置でも固定環との光軸方向におけるオーバーラップ長さ(ヘリコイド結合の場合であれば螺合領域)を大きくして回転進退環に対する支持強度を確保することが考えられる。しかしながら、このように構成した場合には、使用領域の最大前方位置から分解位置までの回転進退環の移動量が大きくなり、組立分解性が損なわれるおそれがあった。すなわち、この種の回転進退環は一般に、相対回転は自在で光軸方向に一緒に移動する直進案内環と結合されており、直進案内環は固定環に形成した直進案内溝を介して直進案内されるようになっている。回転進退環に付与する回転力を直進案内環の直進移動力に変換させる際には抵抗が作用するので、使用領域での最大前方位置から分解されるまでの回転進退環の回転移動量が多いと、直進案内環による摺動抵抗がかかった状態が長く続くため分解時の作業効率が悪い。また、使用領域の最大前方位置から分解されるまでの回転進退環の移動量が大きいと、該回転進退環と直進案内環の間にズーミングには関係のない不要な相対回転が生じ、これに伴って内部に支持されたレンズ群が移動されてしまうが、光学性能の確保やレンズ群案内構造の簡略化といった観点からは望ましくない。
【0005】
また、回転進退環と固定環の光軸方向におけるオーバーラップ長さが小さいと、両環部の隙間から鏡筒内方へ有害光が入りやすいので、場合によっては遮光用の機構を設けなければならなかった。また、直進案内環を直進案内するための直進案内溝を、固定環の全長に亘る光軸方向への直線溝として形成すると、この直進案内溝からも有害光が入りやすくなるという問題があった。
【0006】
【発明の目的】
本発明は従って、光学性能の悪化や漏光のおそれが少なく、かつ組立分解性に優れたズームレンズ鏡筒の分解機構を得ることを目的とする。
【0007】
【発明の概要】
本発明のズームレンズ鏡筒の分解機構は、内周面に雌ヘリコイドを有し、回転を拘束された固定環;この固定環の内周面に、雌ヘリコイドの一部を切り欠いて、光軸と平行な方向に形成した直進案内溝と、この直進案内溝から光軸前方の領域へ連続して形成されて前端部が開放された、雌ヘリコイドの形成方向と平行な内面傾斜導入溝;外周面に固定環の雌ヘリコイドに螺合される雄ヘリコイドを有し、該ヘリコイドに従って回転しながら光軸方向に進退される回転進退環;この回転進退環と相対回転は自在に光軸方向には一緒に移動するように組み立てられ、固定環の連続する直進案内溝と内面傾斜導入溝に嵌まる直進案内突起を有する直進案内環;及び、この直進案内環により直進案内され、回転進退環の回転移動に応じて光軸方向に所定の軌跡で移動して撮影光学系の焦点距離を変化させる少なくとも一つのレンズ群;を有し、回転進退環が固定環に対してズーム範囲を含む鏡筒使用位置にあるときには、直進案内突起が直進案内溝に係合して直進案内環が光軸方向へ直進案内され、該回転進退環が鏡筒使用位置における最大前方位置に位置するときには、該回転進退環の雄ヘリコイドと固定環の雌ヘリコイドが内面傾斜導入溝の形成領域に対応する光軸方向長さで螺合し、固定環に対して最大前方位置よりも前方に回転進退環を移動させたときには、直進案内突起が内面傾斜導入溝内を移動して直進案内環が回転進退環と一緒に回転しながら前方へ移動し、該直進案内環と回転進退環の組立体が固定環から分解されることを特徴としている。この構成によれば、回転進退環の最大前方位置で、回転進退環と固定環のヘリコイドは、少なくとも内面傾斜導入溝の形成領域に対応する光軸方向長さで螺合するので、回転進退環に対する支持強度を確保しやすい。そして、最大前方位置より前方へ回転進退環を移動させる分解時には、直進案内環が回転進退環と一緒に回転されるので、摺動抵抗が少なくて作業性がよく、またレンズ群の不要な動作も生じない。
【0008】
このズームレンズ鏡筒では、回転進退環の外周に位置し、回転駆動される回転環;回転進退環の外周面に、雄ヘリコイドの一部を切り欠いて、光軸と平行な方向に向けて形成した回転伝達溝と、該回転伝達溝から光軸後方の領域へ連続して形成されて後端部が開放された、雄ヘリコイドの形成方向と平行な外面傾斜導入溝;及び、回転環の内周面に形成された、この連続する回転伝達溝と外面傾斜導入溝に嵌まる回転伝達突起;を有し、鏡筒使用位置では、回転伝達突起が回転伝達溝に係合して、回転環の回転が回転進退環に伝達され、最大前方位置よりも前方に回転進退環を移動させたときには、回転伝達突起が外面傾斜導入溝内を移動して、回転環を回転させることなく該回転進退環と直進案内環の組立体が固定環から分解されるように構成することが好ましい。
【0009】
本発明のズームレンズ鏡筒の分解機構はまた、回転を拘束された固定環;この固定環の内側に位置し、該固定環に対し回転しながら光軸方向へ進退される回転進退環;この回転進退環と相対回転は自在で光軸方向には一緒に移動するように組み立てられ、光軸方向に直進案内された直進案内環;この直進案内環を光軸方向に直進案内させる、該直進案内環と固定環に設けた直進案内機構;及び、直進案内環によって直進案内され、回転進退環の回転移動に応じて光軸方向に所定の軌跡で移動して撮影光学系の焦点距離を変化させる少なくとも一つのレンズ群;
を有し、回転進退環が固定環に対してズーム範囲を含む鏡筒使用位置にあるときには、直進案内機構によって直進案内環が直進案内され、該直進案内環に対して回転進退環が相対的に回転しながら一緒に光軸方向へ移動してレンズ群を所定の軌跡で移動させ、固定環に対して鏡筒使用位置における最大前方位置よりも前方に回転進退環を移動させたときには、直進案内環に対する直進案内が解除されて該直進案内環が回転進退環と一緒に回転しながら一定距離前方に移動した後に、該回転進退環と直進案内環の組立体が固定環から分解されることを特徴としている。
【0010】
このズームレンズ鏡筒では、回転進退環の外周に位置し、回転駆動される回転環;及び、この回転環の回転を上記回転進退環に伝達する回転伝達機構;を有し、鏡筒使用位置では、回転伝達機構によって回転環の回転が回転進退環に伝達され、最大前方位置よりも前方に回転進退環を移動させたときには、回転環と回転進退環の間の回転伝達が遮断され、回転環を回転させることなく該回転進退環と直進案内環の組立体が固定環から分解されることが好ましい。
【0011】
本態様のズームレンズ鏡筒では、回転進退環は、固定環の内周面と該回転進退環の外周面に形成したヘリコイドの螺合関係によって、回転しながら光軸方向に移動可能に支持されていることが好ましい。
【0012】
以上の各態様のズームレンズ鏡筒においてはさらに、回転進退環は内周面に、後端部を開放させたカム溝を有し、直進案内環は、光軸と平行な方向へ形成され後端部を開放させたレンズ直進案内溝を有し、レンズ群を支持するレンズ枠は、周方向の所定位置に、カム溝に嵌まるカムフォロアと、レンズ直進案内溝に嵌まるレンズ直進案内突起とを有し、回転進退環と直進案内環の組立体を固定環から前方へ分解したときには、レンズ枠のカムフォロアとレンズ直進案内突起がそれぞれ、カム溝の後端部とレンズ直進案内環の後端部に位置されるようにすると、組立分解性が向上する。
【0013】
また以上の各態様のズームレンズ鏡筒においてはさらに、先端部に、撮影開口を開閉するバリヤブロックを有し、最前方のレンズ群より前方において光軸方向に直進案内された、回転進退環の外側に位置するフード筒;このフード筒に径方向内方に向けて突出させたガイドピン;及び、回転進退環の外周面に形成されてこのガイドピンと係合し、該回転進退環の回転によりフード筒を光軸方向に進退させる進退ガイド溝;を有し、この進退ガイド溝は、前端部が開放されたフード分解位置と、このフード分解位置に連続する回転進退環の周方向のズーム区間を含む使用区間とを有していて、この使用区間においては、回転進退環の回転により、撮影光学系の焦点距離変化に応じ、フード筒を光軸方向に進退させて最前方のレンズ群とバリヤブロックとの距離を変化させ、フード分解位置においてフード筒のガイドピンを進退ガイド溝から前方に抜き取って該フード筒を分解可能であり、このフード筒を分解可能な回転位置に回転進退環が位置するときには、該回転進退環と直進案内環の組立体は、上記の最大前方位置よりも若干前方へ移動されて固定環に対して分解可能となっていることが好ましい。
【0014】
【発明の実施形態】
本実施形態は、デジタルカメラ用ズームレンズに本発明を適用したものである。最初に全体構造を説明し、次に本発明の特徴部分を説明する。
【0015】
【本実施形態のレンズ鏡筒全体の説明】
図1、図2を参照して本実施形態のズームレンズ鏡筒の構成を説明する。以下の説明において、部材名称の次の数字の後の括弧付き大文字(F)は、その部材が固定されていることを示し、同(L)は光軸方向に直進移動することを示し、同(RL)は回転しつつ光軸方向に移動することを示す。
【0016】
この実施形態のレンズ構成は、物体側から順に、第1レンズ群L1(L)、第2レンズ群L2(L)、及び第3レンズ群L3(L)からなり、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2をその間隔を変化させながら所定の軌跡で光軸方向に移動させることでズーミングが行われる。第3レンズ群L3は、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2の位置に拘わらず、フォーカシングレンズとして機能するもので、いわゆるリヤフォーカシングのズームレンズ系である。
【0017】
カメラボディに固定される(あるいはカメラボディの一部を構成する)ハウジング10(F)には、固定環11(F)が固定されている。固定環11は、その外周面に細密雄ねじ11aを有し、内周面に、雌ヘリコイド11bと、この雌ヘリコイド11bの一部を切り欠いて形成した光軸と平行な方向の直進案内溝11cを有している。直進案内溝11cは、120゜間隔で3本形成されている。
【0018】
ハウジング10には、図2に示すように、CCD挿入窓10a、フィルタ固定部10b、フォーカスレンズ群移動ガイド10cが備えられている。CCD挿入窓10aには、基板12に固定されたCCD12aが臨み、フィルタ固定部10bには、ローパスフィルタ等のフィルタ10dが固定されている。フォーカスレンズ群移動ガイド10cには、光軸方向に移動可能に第3レンズ群L3が支持されており、送りねじ10eの回転方向と回転角度(量)によって、第3レンズ群L3の移動位置が決定される。送りねじ10eの回転角度は、パルスモータ(エンコーダ)によってパルス管理される。
【0019】
固定環11の外側には回転環13(RL)が位置し、この回転環13の内周面に形成した雌ねじ13aが固定環11の雄ねじ11aに螺合している。この回転環13は、外周面にギヤ13b(図1)を有し、このギヤ13bに噛み合うピニオン(図示せず)を介して回転駆動される。回転環13は、回転駆動されると、雌ねじ13aに従い、回転しながら光軸方向に移動する。この回転環13の先端部の内面には、120゜間隔で、回転伝達突起13cが形成されている。また、回転環13の外周面には、周方向に向けてコード板14(RL)(図1)が固定されており、ハウジング10には、このコード板14と摺接するブラシ15(F)(同)が固定されている。コード板14とブラシ15は、雄ねじ11a(雌ねじ13a)に従って光軸方向に進退するコード板14(回転環13)の移動位置に拘わらず互いに接触を維持し、回転環13の回転位置をデジタル情報及び(又は)アナログ情報として検出するように設けられている。回転環13の雌ねじ13aは、回転環13を固定環11に回転自在に支持する手段であり、回転環13は、固定環11に光軸方向の移動を規制して回転のみ可能に支持してもよい。
【0020】
固定環11の内側には、直進案内環16(L)と、この直進案内環16の外周面に光軸方向移動を規制し相対回転を可能にして嵌めたカム環17(RL)と、このカム環17の先端部外周に回転方向には一緒に回転し光軸方向には相対移動可能に嵌めた第2カム環18(RL)との結合体が位置している。すなわち、直進案内環16は、その後端部に外方フランジ16aを有し、前端部には直進案内リング(フランジリング)19(L)がリテーナリング20(L)を介して固定されている。カム環17は、この外方フランジ16aと直進案内リング19との間に挟着されて、直進案内環16に対して相対回転は自由に光軸方向には一緒に移動するように支持されている。
【0021】
カム環17の先端部に嵌めた第2カム環18は、カム環17の外周面に120゜間隔で形成したストッパ突起17aに摺動自在に係合する直進ガイド部18aを有していて、カム環17に対する相対回動は生ぜず、光軸方向の相対移動のみ可能に支持されている。このストッパ突起17aと直進ガイド部18aの近傍には、第2カム環18を前方に移動付勢する圧縮ばね21が挿入されており、第2カム環18は常時は直進案内リング19に当接している。第2カム環18は、ストッパ突起17aと直進ガイド部18aの光軸方向のクリアランス分だけ、圧縮ばね21を撓ませながら後退することが可能である。また、径方向のクリアランスだけ傾くこともできる。
【0022】
カム環17の外周面には、固定環11の雌ヘリコイド11bと螺合する雄ヘリコイド17bが形成されており、この雄ヘリコイド17bの一部を切除して、回転環13の回転伝達突起13cが摺動可能に嵌まる光軸と平行な回転伝達溝17cが形成されている。一方、直進案内環16の外方フランジ16aには、径方向外方に突出して固定環11の直進案内溝11cに嵌まる直進案内突起16bが120゜間隔で形成されている。直進案内環16にはまた、直進案内突起16bと周方向位置を同一にして、120゜間隔で光軸と平行な方向の貫通した直進案内貫通溝16cが形成されている。
【0023】
直進案内貫通溝16cは、図4、図5に示すように、直進案内環16の後端面に開口しており、その外径側は、外方フランジ16aと直進案内突起16bによって閉塞されている。外方フランジ16aには、この直進案内突起16bと周方向位置を同じくしてその内径側にカムフォロアの挿入溝16hが形成されている。
【0024】
直進案内環16、カム環17及び第2カム環18の結合体を、固定環11と回転環13に係合させる際には、固定環11の各直進案内溝11cに導入部11dから直進案内環16の各直進案内突起16bを嵌めるとともに、カム環17の各回転伝達溝17cに導入部17dから回転環13の各回転伝達突起13cを嵌め、その状態で固定環11の雌ヘリコイド11bとカム環17の雄ヘリコイド17bとを螺合させる。また、固定環11の雄ねじ11aと回転環13の雌ねじ13aを螺合させる。
【0025】
こうして図2のように組立が完了した状態では、ギヤ13bを介して回転環13を回転駆動すると、回転環13は雌ねじ13aと雄ねじ11aの螺合関係で回転しながら光軸方向に進退し、同時にカム環17と該カム環17の外径側に載っている第2カム環18には、回転伝達突起13cと回転伝達溝17cの摺動関係で回転が伝達され、雄ヘリコイド17bと雌ヘリコイド11bとの螺合関係で光軸方向の移動が与えられる。このとき、直進案内環16は、直進案内突起16bと直進案内溝11cの摺動関係で回転することなく光軸方向に進退し、直進案内環16に対して相対回転するカム環17、第2カム環18が直進案内環16と光軸方向に一緒に移動する。
【0026】
カム環17の内周面には、図3に展開形状を示す1群用カム溝17C1と2群用カム溝17C2とが形成されている。この1群用カム溝17C1と2群用カム溝17C2は、同一形状を120゜間隔で3本形成したもので、カム環17の回転方向に順に、収納位置、テレ端位置、ワイド端位置を有している。収納位置からワイド端位置に至るカム環17の回転角度はAである。
【0027】
第1レンズ群L1を保持した第1レンズ枠22(L)と、第2レンズ群L2を保持した第2レンズ枠23(L)とは、この1群用カム溝17C1と2群用カム溝17C2、及び直進案内環16の直進案内貫通溝16cによって案内され、光軸方向に直進移動する。第1レンズ枠22は、筒状部22aから後方に突出する弾性舌片22bを120゜間隔で3個備えており、この弾性舌片22b上に、径方向に突出し直進案内貫通溝16cに摺動自在に嵌まる角突起22cが形成され、この角突起22c上に径方向に突出するフォロアピン22dが植設固定されている。角突起22cは、直進案内溝16cとの接触部が平行平面である突起であればよい。第1レンズ群L1を固定したレンズ筒22eは、筒状部22aの内周面にねじ22fで結合されており、螺合位置を調節することで、第1レンズ枠22内での第1レンズ群L1の光軸方向の位置調節ができる。レンズ筒22eは、第1レンズ枠22のフランジ22gとの間にウェーブワッシャ22hを挟着しており、ウェーブワッシャ22hの弾性によって、レンズ筒22e(第1レンズ群L1)の光軸方向の遊びを除去している。
【0028】
第2レンズ枠23は、環状部23aから前方に突出する弾性舌片23bを120゜間隔で3個備えており、この弾性舌片23b上に、径方向に突出し直進案内貫通溝16cに摺動自在に嵌まる角突起23cが形成され、この角突起23c上に径方向に突出するフォロアピン23dが植設固定されている。この角突起23cとフォロアピン23dは、弾性舌片23bの方向が弾性舌片22bの方向とは逆である点を除き、第1レンズ枠22の角突起22cとフォロアピン22dと同様である。第2レンズ群L2を固定したレンズ筒23eは、固定ねじ23fを介して第2レンズ枠23のフランジ23gに固定されている。この第2レンズ枠23のフランジ23gには、シャッタブロック24が固定されている。シャッタブロック24は、シャッタレリーズ時に、CCD12aに与えられる光束を遮断する機能を持つ。
【0029】
以上の第1レンズ枠22と第2レンズ枠23はそれぞれ、各角突起22cと角突起23cを直進案内環16の対応する同一の直進案内貫通溝16cに嵌めることで直進案内されている。そして、フォロアピン22dとフォロアピン23dは、直進案内環16の直進案内貫通溝16cから径方向に突出して、直進案内環16の外周に相対摺動自在に嵌まっているカム環17の1群用カム溝17C1と2群用カム溝17C2にそれぞれ嵌まっている。なお、第1レンズ枠22と第2レンズ枠23を直進案内環16及びカム環17内に嵌めるときには、直進案内環16の後端面から、角突起22cと23cを直進案内貫通溝16cに嵌め、フォロアピン22dと23dをカムフォロア挿入溝16hを通過させてから、カム溝17C1と17C2に嵌める。なお、図3において、カム溝17C1、17C2の輪郭内にハッチングを付した領域は、組立時に使用する(フォロアピン22d、23dが通過する)もので、使用状態では使用しない。
【0030】
以上の案内構造により、回転環13に回転が与えられると、カム環17と第2カム環18は回転しながら、直進案内環16は回転することなく、直進案内環16、カム環17、第2カム環18の結合体が光軸方向に進退する。その結果、第1レンズ枠22(第1レンズ群L1)と第2レンズ枠23(第2レンズ群L2)が、1群用カム溝17C1と2群用カム溝17C2のカムプロフィルに従い、互いの空気間隔を変化させながら光軸方向に直進移動してズーミングがなされる。
【0031】
次に、直進案内環16の先端部に対する直進案内リング19とリテーナリング20の結合構造を図6と図7について説明する。直進案内環16には、その先端部に、径方向に突出させて120゜間隔で、3個のバヨネット爪16dが形成されており、このバヨネット爪16dの間に小径挿入部16eが位置している。バヨネット爪16dの背面には、小径挿入部16eと同径の小径部16fが形成されており、バヨネット爪16dの背面に位置させて、小径部16fを軸と平行な方向に切り欠いた回転規制凹部16gが形成されている。
【0032】
一方、直進案内リング19には、その内周面に、小径挿入部16eからバヨネット爪16dの間に挿入可能で、挿入後小径部16fに対して相対回転可能な回転規制凸部19aが120゜間隔で形成されている。また、この直進案内リング19には、外周面に、回転規制凸部19aとの周方向位置を定めた直進案内突起19bが120゜間隔で形成されている。
【0033】
リテーナリング20には、その内周面に、直進案内環16の小径挿入部16eからバヨネット爪16dの間に挿入可能で、挿入後小径部16fに対し相対回転可能な固定爪20aが120゜間隔で形成されている。また前端面には、回転操作用のカニメ溝20bが形成されている。
【0034】
直進案内リング19を直進案内環16の先端部に固定する際には、直進案内リング19をその回転規制凸部19aを小径挿入部16eに嵌めて小径部16f上で回転させ、回転規制凸部19aをバヨネット爪16dの背面に移動させて回転規制凹部16gに嵌合させる。この嵌合により、直進案内リング19の直進案内環16に対する周方向位置が定まる。次に、リテーナリング20をその固定爪20aを小径挿入部16eに嵌めて小径部16f上で回転させ、回転規制凸部19aを回転規制凹部16gに押し付けて、直進案内リング19の軸方向の移動を抑える。このロック状態では、固定爪20aがバヨネット爪16dと回転規制凸部19aの間に入り、直進案内リング19の抜けを固定爪20aとバヨネット爪16dが防止することになる。直進案内環16とリテーナリング20の間には、ロック状態でリテーナリング20の回転を防止する(クリック感を与える)凹凸が設けられている。図6では、直進案内環16側の凹凸16jのみを示した。
【0035】
このようにして直進案内環16の先端に固定された直進案内リング19の直進案内突起19bは、直進案内環16の直進案内突起16bに対して予め定めた特定の位置(角度関係)にある。この直進案内突起19bは、外観筒(フード筒)25(L)の内周面に120゜間隔で形成した光軸と平行な方向の直進ガイド溝25aに嵌まり、外観筒25を回転させることなく光軸方向移動のみ可能に案内している。外観筒25には、120゜間隔で3本のガイドピン25bが植設されており、このガイドピン25bは、第2カム環18の外周面に120゜間隔で形成した同一形状の進退ガイド溝18bに嵌まっている。
【0036】
進退ガイド溝18bは、図8、図9に示すように、ガイドピン25bを組立時に進入させる組立位置と、カム環17の収納位置、テレ端位置、ワイド端位置に対応する収納位置、テレ端位置、ワイド端位置を有し、カム環17と一緒に回転する第2カム環18の回転位置に応じて、外観筒25を光軸方向に進退させる。すなわち、外観筒25を画角の狭いテレ端位置では第2カム環18(第1レンズ群L1)に対して前進させ、画角の広いワイド端位置では後退させることで、レンズフードとしての役割を与えたものである。図10はワイド端位置での外観筒25の位置、図11はテレ端位置で外観筒25の位置を示している。
【0037】
このように、外観筒25を案内する第2カム環18と、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2を案内するカム環17との間には、第2カム環18を前方に移動付勢する圧縮ばね21が挿入されているため、使用中に外観筒25に押し込み方向の外力が加わった場合には、その外力の少なくとも一部を圧縮ばね21によって吸収することができる。つまり、外力は、圧縮ばね21を圧縮した後、第2カム環18からカム環17に伝達されるため、カム環17には大きな外力が加わることがない。よって、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2の位置精度に対する影響を少なくすることができる。外観筒25のより詳細な動き及び作用については、外観筒22の先端に固定されるバリヤブロック27を説明した後、さらに図12を用いて説明する。図1における符号29(F)は、外観筒25がその内側を進退する、カメラボディ側と一体のカバー筒である。
【0038】
外観筒25には、その前端部内径に、バリヤ駆動環26が回転自在に支持されている。このバリヤ駆動環26は、その回転運動によりバリヤブロック27のバリヤを開閉するものである。バリヤブロック27は、図1、及び図13ないし図15に示すように、撮影開口27aを有する化粧板27b、この化粧板27bに撮影開口27aを開閉するように支持した二対のバリヤ27c、27d、これらバリヤ27c、27dを撮影開口27aを閉じる方向に付勢する一対のトーションばね27e、化粧板27bとの間にこれら要素を挟着保持するバリヤ押え板27fとを有していて、予め別ユニットとして組み立てられる。バリヤ27c、27dは、化粧板27bに設けた共通軸27gに同軸に回動自在であり、内側のバリヤ27dは、化粧板27bのばね掛け軸27nに掛けとめたトーションばね27eにより閉方向に回動付勢されている。バリヤ27dには、トーションばね27eの力に抗してバリヤ27dを開くための開閉突起27hが突出形成されており、バリヤ27cには、バリヤ27dが開方向に動くとき、バリヤ27dの縁部に係合してバリヤ27dとともにバリヤ27cを開方向に動かす連動突起27iが形成されている。また、バリヤ27cと27dには、その対向面に、バリヤ27dが閉方向に動くとき、バリヤ27dを一緒にバリヤ27cを閉方向に動かす連動突起27jと27k(図15)が形成されている。バリヤ押え板27fには開閉突起27hをバリヤ駆動環26側に突出させる露出穴27mが形成されている。
【0039】
バリヤ駆動環26は、図16ないし図18に示すように、バリヤ駆動環26自身に形成したばね掛け突起26bと、外観筒25に形成したばね掛け突起25cとの間に張設した、トーションばね27eより強い引張ばね28によって、バリア開方向に回動付勢されており、このバリヤ駆動環26に、バリヤ27dの開閉突起27hと係合してバリヤ27c、27dを開く開閉ダボ26cが形成されている。バリヤ駆動環26は、引張ばね28の力による回動端に位置するときには、その開閉ダボ26cが開閉突起27hを押圧して、トーションばね27eの力に抗してバリヤ27dを開き、連動突起27iを介して27cも開く(図15)。
【0040】
一方、バリヤ駆動環26は、図16に示すように、その周方向の一部に、第2カム環18側に突出する回転伝達突起26aを有しており、この回転伝達突起26aは、第2カム環18に形成した回転付与凹部18c(図8、図9も参照)と係脱する。バリヤ駆動環26は、外観筒25に光軸方向の定位置で回転可能に支持されているから、外観筒25が第2カム環18の進退ガイド溝18bに従って光軸方向に直進進退すると、図8、図9に明らかなように、回転する第2カム環18に対して接離する。回転伝達突起26aと回転付与凹部18cは、撮影位置(テレ端位置とワイド端位置の間)では図8のように互いに接触(係合)することがなく、テレ端位置から収納位置に移動する間に、図9のように互いに係合して回転付与凹部18cによりバリヤ駆動環26に強制回転力が与えられるように形成されている。バリヤ駆動環26が引張ばね28に抗する移動端に回動すると、バリヤ駆動環26の開閉ダボ26cがバリヤ27dの開閉突起27hから離れ、その結果トーションばね27eの力によりバリヤ27dが開き、連動突起27k、27jを介してバリヤ27cが閉じて撮影開口27aが閉じる(図14)。逆に、収納位置からテレ端位置に移行する間には、回転伝達突起26aが回転付与凹部18cから徐々に離れ、引張ばね28によりバリヤ駆動環26がバリヤ開放方向に回動する結果、開閉ダボ26cが開閉突起27hを押し連動突起27iを介して、バリヤ27c、27dが開く。つまり、バリヤ27c、27dの開閉は、バリヤ駆動環26の回転によって行われる。なお、バリヤ駆動環26に形成された回転伝達突起26aは唯一であるのに対し、第2カム環18に形成した回転付与凹部18cは、120°間隔で3個形成されていて、組立時にいずれかを選択できるようになっている。
【0041】
上述のように、光軸方向に直進移動するように案内されている外観筒25は、第2カム環18の回動によって前後移動する。一方、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2はカム環17の回動によって前後移動する。図12は、収納位置、テレ端位置からワイド端位置における、CCD12aの像面、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2(の主点位置)、及び外観筒25の先端のバリヤブロック27(の先端部の化粧板27bの撮影開口27a)の位置変化を示したものである。カム環17のカム溝17C1と17C2、および第2カム環18の進退カム溝18bは、このような移動軌跡が得られるように定められている。撮影開口27aは、正面略矩形をなしていて、その短辺方向の画角、長辺方向の画角、対角方向の画角の順に大きい。図10、図11では、撮影開口27aの短辺方向から入射する光束S、長辺方向から入射する光束M、及び対角方向から入射する光束Lの角度を示している。
【0042】
なお、バリヤ駆動環26にはその内径部に、バリヤ駆動環26から第1レンズ枠22の先端部外周に延びる遮光筒26dが固定(接着)されている。遮光筒26dは光軸を中心とする回転対称形状をしており、バリヤ駆動環26の往復回動によって往復回動してもその遮光機能は変化しない。
【0043】
また、以上のズームレンズ鏡筒を構成する部品は、各ばね、送りねじ10e、固定ねじ23f、フォロアピン22d、23d、シャッタブロック24及びガイドピン25bを除き、すべて合成樹脂材料の成形品からなっている。
【0044】
また、以上の実施形態では、第3レンズ群L3をフォーカスレンズ群としているが、別のレンズ群、例えば第1レンズ群L1または第2レンズ群L2をフォーカスレンズ群としてもよい。第2レンズ群L2をフォーカスレンズ群とする場合、シャッタブロック24に、フォーカシング機能を与えることができ、このようなシャッタブロックは周知である。
【0045】
【本発明の特徴部分の説明】
上述のように、以上のズームレンズ鏡筒では、ギヤ13bを介して回転環13を回転駆動すると、回転環13は雌ねじ13aと雄ねじ11aの螺合関係で回転しながら光軸方向に進退し、同時にカム環17(回転進退環)には、回転伝達突起13cと有底の回転伝達溝17cの摺動関係で回転が伝達され、雄ヘリコイド17bと雌ヘリコイド11bとの螺合関係で光軸方向の移動が与えられる。すると、カム環17の内周面に形成されている1群用カム溝17C1と2群用カム溝17C2により、第1レンズ群L1を保持した第1レンズ枠22と第2レンズ群L2を保持した第2レンズ枠23とが、光軸方向に移動してズーミングがなされる。
【0046】
このズーミング動作において、カム環17には、その外周面の回転伝達溝17cに係合する、回転環13の回転伝達突起13cを介して回転が与えられ、カム環17が回転しながら光軸方向へ進退すると、光軸方向における回転伝達突起13cと回転伝達溝17cの係合位置が変化する。詳細には、カム環17が固定環11に対して光軸前方へ繰出移動されるほど、回転伝達溝17cの後方位置に回転伝達突起13cが係合する。また、カム環17と光軸方向に同道する直進案内環16は、その直進案内突起16bが固定環11の直進案内溝11cに係合することによって光軸方向に直進案内され、直進案内環16が光軸方向へ進退すると、光軸方向における直進案内溝11cと直進案内突起16bの係合位置が変化する。詳細には、直進案内環16が固定環11に対して光軸前方へ移動するほど、直進案内溝11cの前方位置に直進案内突起16bが係合する。したがって、図1及び図21に示すように、ズーム撮影時を含む鏡筒使用時において各突起13c、16bに係合される、固定環11の直進案内溝11cとカム環17の回転伝達溝17cはそれぞれ、光軸と平行な直線溝として形成されている。
【0047】
固定環11では、直進案内溝11cに連続する光軸前方の領域に、雌ヘリコイド11bの形成方向と平行で固定環11の前端部に連通する導入部11d(内面傾斜導入溝)が形成されている。同様に、カム環17では、回転伝達溝17cに連続する光軸後方の領域に、雄ヘリコイド17bの形成方向と平行でカム環17の後端部に連通する導入部17d(外面傾斜導入溝)が形成されている。なお、直進案内溝11cの導入部11dと回転伝達溝17cの導入部17dはそれぞれ、固定環11の前端部に連通する部分とカム環17の後端面に連通する開放部付近では、光軸と平行な方向に形成されている。
【0048】
以上の構成により、カム環17と直進案内環16の組立体は、固定環11と回転環13に対して、次のように分解及び組立がなされる。図21を参照してこの分解及び組立を説明する。同時に、同分解及び組立時における、カム環17と直進案内環16の組立体内に支持される第1レンズ枠22と第2レンズ枠23(第1レンズ群L1と第2レンズ群L2)の支持状態を図3を参照して説明する。
【0049】
図21(A)は、回転伝達突起13cが回転伝達溝17cの前端付近に係合し、直進案内突起16bが直進案内溝11cの後端付近に係合するときのカム環17と固定環11の回転位相(鏡筒収納位置から155°相対回転された状態)を表している。この図21(A)に示す状態が、本ズームレンズ鏡筒の使用状態における最大繰出位置、すなわちカム環17の最大前方位置である。このとき、カム環17と直進案内環16内部に支持されている第1と第2のレンズ枠22と23は、それぞれのフォロアピン22dと23d(カムフォロア)を、図3に示す1群用カム溝17C1と2群用カム溝17C2内のワイド(WIDE)位置に位置させている。
【0050】
カム環17と直進案内環16の組立体に対し、ワイド位置(最大前方位置)からさらに繰出方向(図21に矢印M1で示す方向)の回転を与えると、雄ヘリコイド17bと雌ヘリコイド11bに従ってカム環17が回転しながら光軸前方に移動する。ワイド位置では、直進案内突起16bが直進案内溝11cに係合して直進案内環16は直進案内されているので、カム環17が回転移動されると、直進案内環16は回転せずに光軸方向に一緒に移動する。その結果、直進案内環16の直進案内突起16bが、固定環11における直進案内溝11cと導入部11dの境界部分に達し、同時に、回転環13の回転伝達突起13cが、カム環17における回転伝達溝17cと導入部17dの境界部分に達する。このときのカム環17と固定環11の回転位相を示したのが図21(B)であり、本実施形態ではカム環17と固定環11は鏡筒収納位置から168°相対回転されている。このとき、第1と第2のレンズ枠22と23のフォロアピン22d、23dは、周方向において、図3に示す各カム溝17C1、17C2の外観筒分解位置Q付近まで移動されている。カム環17は、固定環11とのオーバーラップ量が最大である鏡筒収納位置から、ワイド位置よりも若干前方へ移動された図21(B)の位置までは、回転環13を回転駆動することで移動させることができる。
【0051】
カム環17と直進案内環16の組立体に対し、図21(B)よりもさらに繰出方向の回転を与えると、カム環17は、雄ヘリコイド17bと雌ヘリコイド11bに従って固定環11に対し回転しながら光軸前方に移動する。このとき、雄ヘリコイド17bと平行に形成した導入部17d内を回転伝達突起13cが移動するため、回転環13はカム環17と共回りせずに停止された状態となる。一方、直進案内環16は、その直進案内突起16bが、雌ヘリコイド11bと平行な導入部11d内を移動するため、固定環11による直進案内が解除されてカム環17と一緒に回転しつつ、光軸前方に移動される。つまり、カム環17と直進案内環16の組立体に対して図21(B)よりもさらに前方への移動力を与えたときには、回転環13とカム環17の間の回転伝達が遮断され、同時に、固定環11に対してカム環17と直進案内環16の組立体が互いに相対回転することなく共回りしながら光軸前方へ移動する。このときカム環17と直進案内環16が相対回転されないため、第1レンズ枠22と第2レンズ枠23は、カム環17内部において光軸方向へ移動されない。
【0052】
カム環17と直進案内環16の組立体が、固定環11に対して図21(B)の状態から所定角(本実施形態では44°)繰出方向に回転すると、図21(C)に示す状態となる。図21(C)では、回転伝達突起13cは導入部17d内においてカム環17の後端部に連通する開放部付近に位置し、直進案内突起16bは導入部11d内において固定環11の前端部に連通する開放部付近に位置している。そして、固定環11とカム環17が光軸方向でほぼオーバーラップしなくなり、雄ヘリコイド17bと雌ヘリコイド11bの螺合が解除される。したがって、図21(D)に示すように、カム環17と直進案内環16の組立体を、固定環11及び回転環13から前方へ取り外すことができる。このカム環17と直進案内環16の組立体を取り外した状態は、図20に断面で表されている。
【0053】
なお、図21(B)から図21(C)の状態へ移行するときには、カム環17と直進案内環16は相対回転せずに一緒に回転するが、上述のように、導入部11dの前端部付近と導入部17dの後端部付近はそれぞれ光軸と平行に形成されており、図21(C)から図21(D)の状態へ移動するときには、カム環17と直進案内環16は若干量相対回転される。本実施形態では、図21(B)から図21(C)の状態に移行した瞬間は、各レンズ枠22と23のフォロアピン22dと23dはそれぞれ、対応する各カム溝17C1と17C2内で、ワイド位置と外観筒分解位置Qの間で停まっており、図21(C)の状態になってカム環17と直進案内環16が再び相対回転されるようになると、カム環17の繰出方向の回転力に従ってフォロアピン22dと23dがカム溝17C1と17C2の外観筒分解位置Qまで移動されるようになっている。
【0054】
以上のようにしてカム環17と直進案内環16の組立体を固定環11から分解すると、さらに該カム環17と直進案内環16から後方に第1レンズ枠22と第2レンズ枠23を取り外すことが可能になる。カム環17と直進案内環16の分解時点の回転位相では、2群用カム溝17C2の後端部が、直進案内環16の直進案内貫通溝16c(レンズ直進案内溝)の後端部と周方向の同一位置にある。一方、第2レンズ枠23は、直進案内貫通溝16cに嵌まる角突起23c(レンズ直進案内突起)とフォロアピン23dが周方向の同一位置に設けられているため、結果として、直進案内貫通溝16cを貫通するフォロアピン23dは、2群用カム溝17C2の後端開口付近(外観筒分解位置Q)に位置され、角突起23も直進案内貫通溝16cの後端開口付近に位置されることになる。したがって、そのまま後方へ引き抜くだけでカム環17及び直進案内環16から第2レンズ枠23を取り外すことができる。続いて、1群カム溝17C1の終端部(外観筒分解位置Q)に位置するフォロアピン22dが、カム環17後端のカム溝開口部まで移動されるようにカム環17と直進案内環16を相対回転させると、第1レンズ枠22も後方へ取り外すことができる。
【0055】
なお、2群用カム溝17C2において、後端開口付近の図3に符号Nを伏した領域はズーミング用のカム溝領域よりも径方向に浅い抜止領域となっている。2群用カム溝17C2のズーム撮影領域にフォロアピン23dが嵌合しているとき、フォロアピン23dは、該カム溝17C2に対して遊びなく嵌合するように径方向外方に向けて一定の力が加わっている。このような力は、フォロアピン23dを支持する弾性舌片23bが、フォロアピン23dがズーミング用のカム溝領域に嵌合しているときは径方向内方に弾性変形されるようにすることで付与できる。そして、フォロアピン23dがズーミング用のカム溝領域よりも浅い抜止領域Nを通るときには、この弾性舌片23dの径方向内方への弾性変形量が多くなるため、フォロアピン23dと2群用カム溝17C2の間の摺動抵抗が大きくなる。この抜止領域Nを設けたことにより、カム環17と直進案内環16の組立体を固定環11から取り外したときに、フォロアピン23dが2群用カム溝17C2から後方へ不用意に脱落することを防ぐことができる。第2レンズ枠23が脱落しなければ、該第2レンズ枠23より前方に位置して直進案内貫通溝16を共用している第1レンズ枠22も、カム環17及び直進案内環16から脱落されずに保持される。第2レンズ枠23を取り外す際には、フォロアピン23dが抜止領域Nに達したときに、弾性舌片23bが多く弾性変形されるように、第2レンズ枠23を若干強く後方に引き抜けばよい。
【0056】
カム環17と直進案内環16の組立体を、固定環11と回転環13に組み込むときには、以上の逆の手順で行えばよい。すなわち、フォロアピン22dと23dがそれぞれ1群用カム溝17C1と2群用カム溝17C2内で外観筒分解位置Qに位置されるような回転位相にカム環17と直進案内環16を保持してから、直進案内突起16bと回転伝達突起13cをそれぞれ導入部11dと17dの開口部分に合わせ、カム環17と直進案内環16を光軸後方に移動させる。すると、図21(C)に示す状態となるので、図21(B)の状態に移行するようにカム環17と直進案内環16の組立体を、矢印M2で示す収納方向に回転させる。上述のように、図21(C)から図21(B)の状態への移行に際しては、カム環17と直進案内環16は相対回転せずに共回りし、回転環13も固定環11に対して回転されない。図21(B)の状態になったら、さらにカム環17に対して収納方向への回転力を付与すると、カム環17と直進案内環16は相対回転しながら光軸後方に移動して、図21(A)に示すワイド撮影位置になる。図21(B)から収納方向へのカム環17の回転は、回転環13によって行わせることができる。
【0057】
以上のズームレンズ鏡筒では、互いにヘリコイド螺合するカム環17と固定環11に関し、ヘリコイドの螺合が解除される直前の領域まで回転伝達溝17cと直進案内溝11cを形成せずに、鏡筒使用位置においてカム環17が最大に繰り出されたワイド位置(図21(A))でも、光軸方向におけるヘリコイドの螺合領域が長く確保されるようにした。つまり、固定環11とカム環17において、鏡筒組立状態で使用される最大前方位置よりも繰出方向の領域には、レンズ群の直進案内やカム環への回転伝達に関係しない導入部11d、17dを設けたので、鏡筒使用時には少なくとも導入部11dと17dを設けた領域は光軸方向にオーバーラップしてヘリコイド螺合している。したがって、ズーム範囲を含む鏡筒使用位置では、常にカム環17に対する支持強度が確保され、このカム環17内部に支持される第1レンズ群L1や第2レンズ群L2の偏心、倒れ、光軸方向の位置ずれなどが防止される。特に、本実施形態のようなデジタルカメラでは、レンズ群間の偏心、倒れによる光学性能の悪化が問題となるが、本発明の構成によればこのような光学性能の悪化は起こりにくい。
【0058】
また、光軸方向におけるヘリコイドの螺合領域が長ければ、それだけ回転環11とカム環17の間の遮光性が高まり、遮光部材や遮光機構を別設することなく、撮影光路外からCCD12aに至る有害光を防ぐことができる。また遮光性に関しては、直進案内溝11cと回転伝達溝17cはそれぞれ固定環11とカム環17の光軸方向の前端部と後端部を連通するものではなく、該直進案内溝11cと回転伝達溝17cに連続して光軸に対して傾斜する導入部11dと17dが形成されているため、直進案内溝11cと回転伝達溝17cから後方へ有害光が入りにくくなっている。
【0059】
そして、ズームレンズ鏡筒の組立状態でのカム環17の最大繰出位置(図21(A))から、さらに前方へカム環17と直進案内環16を移動させる分解時には、該直進案内環16の直進案内突起16bが雌ヘリコイド11bと平行な導入部11d内を移動されるので、カム環17と直進案内環16を相対回転させることなく、該カム環17と直進案内環16の組立体を回転環11から取り外すことができる。分解時に直進案内環16がカム環17と一緒に回転されれば、該直進案内環16が直進案内されている場合よりも少ない摺動抵抗で移動させることができる。そのため、鏡筒使用状態の最大前方位置において雌ヘリコイド11bと雄ヘリコイド17bの光軸方向の螺合領域を長く取って、該最大前方位置から分解状態までのカム環17の回転移動量が多くなっても、分解時や組立時の作業性が損なわれない。また、組立分解時にカム環17と直進案内環16の不要な相対回転が生じなければ、第1レンズ枠22と第2レンズ枠23が不要な移動を行うことがないので、各レンズ枠の支持案内構造を簡略に構成できる。特に本実施形態では、1群用カム溝17C1と2群用カム溝17C2における、ワイド位置と外観筒分解位置Qの間の長大化や形状の複雑化を避けることができ、カム環17の強度が損なわれにくくなる。
【0060】
同様に、分解時には、回転環13の回転伝達突起13cが雄ヘリコイド17bと平行な導入部17d内を移動されるので、カム環17を最大前方位置から前方に移動させても回転環13には回転が生じない。よって、カム環17の回転移動に対する抵抗が軽減され、分解時や組立時の作業性が損なわれない。
【0061】
さらに本実施形態では、カム環17と直進案内環16の組立体を固定環11から取り外したときに、該カム環17と直進案内環16の回転位相は、第2レンズ枠23を取り外し可能なようになっているので、レンズ群に関する分解性や組立性も優れている。
【0062】
以上では、固定環11及び回転環13に対するカム環17及び直進案内環16の分解構造を説明したが、本実施形態のズームレンズ鏡筒ではさらに、この分解構造と、カム環17の外側に位置する外観筒25(バリヤブロック27)との分解構造が関連している。外側筒25の分解構造を含め、本実施形態のズームレンズ鏡筒全体の分解構造を説明する。
【0063】
図12に示すように、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2はカム環17の回動によって前後に直進移動して焦点距離を変化させ、外観筒25(バリヤブロック27)は、カム環17と一緒に回動する第2カム環18の回動によって前後に直進移動する。カム環17のカム溝17C1と17C2、および第2カム環18の進退カム溝18bは、図12に示すような移動軌跡が得られるように定められている。
【0064】
図22は、カム環17(回転進退環)と一緒に回転される第2カム環18(回転進退環)の一つの進退ガイド溝18bの展開図である。なお、本実施形態はカム環17と第2カム環18を分けているが、カム環17の外周面に進退ガイド溝18bと同様のガイド溝を形成して外観筒25を案内することも可能である。進退ガイド溝18bは、前端部が開放された光軸と平行な方向の組立位置Xと、この組立位置Xに連続するカム環の周方向のズーム区間Zを含む使用区間Uとを有している。ズーム区間Zの両端部は組立位置Xに近いワイド位置Wとテレ位置Tであり、テレ位置Tの外側にさらに収納位置Aが設けられている。外観筒25に対して、第2カム環18を相対回動させて、その進退ガイド溝18bの組立位置Xをガイドピン25bに合致させると、第2カム環18の前方から外観筒25を組み込むことができる。このとき、直進案内突起19bに直進案内溝25aを嵌め込んで外観筒25を光軸方向に直進案内する。組立後、第2カム環18を使用区間Uに回動させると、進退ガイド溝18bの軌跡に従って外観筒25を光軸方向に進退させることができる。すなわち、使用区間Uにおいては、カム環17の回転によりレンズ系の焦点距離が変化し、カム環17と回転方向には一緒に回転する第2カム環18の回転により、外観筒25が光軸方向に進退して最前方のレンズ群とバリヤブロック27との距離を変化させ、画角外の不要な光がレンズ系に入射するのが規制される。ガイドピン25bが使用区間Uに入ると、外観筒25を前方に移動させて分解することはできない。
【0065】
第2カム環18を組立位置に回動させるか、使用区間U内で回動させるかは、機械的なストッパを用いて制御してもよいし、電気的に制御してもよい。いずれの制御態様においても、カム環17が上述の鏡筒収納位置からワイド位置までの間で回転されているときには、該カム環17と一緒に回転される第2カム環18の進退ガイド溝18b内の使用区間U内をガイドピン25bが移動し、組立位置まで入ることはない。そして、カム環17をワイド位置よりも若干前方に移動させた図21(B)まで移動させると、ガイドピン25bが進退ガイド溝18bの組立位置に入り、図19に示すようにバリヤブロック27を含む外観筒25を前方に移動させて分解することができる。
【0066】
上述のように、カム環17が図21(B)の位置まで移動されたときには、直進案内環16の直進案内突起16bは、固定環11の直進案内溝11cと導入部11dの境界部分に位置し、回転環13の回転伝達突起13cが、カム環17の回転伝達溝17cと導入部17dの境界部分に位置する。これよりさらにカム環17を前方に回転移動させると、図20に示すようにカム環17と直進案内環16の組立体を前方に移動させて固定環11から分解することができる。該分解時において、カム環17と直進案内環16が相対回転せず、かつ回転環13がカム環17の回転を妨げることがないので、分解作業性に優れているのは先に述べた通りである。
【0067】
そして、図20のように分解すると、カム環17と直進案内環16のそのままの回転位相で第2レンズ枠23を後方に取り外すことができる。さらに第1レンズ枠22のフォロアピン22dが1群用カム溝17C1の後端側開口まで移動されるようにカム環17と直進案内環16を相対回転させれば、第1レンズ枠22を後方に取り外すことができる。
【0068】
すなわち、本実施形態のズームレンズ鏡筒では、カム環17をワイド位置よりも若干前方の分解用位置(図21(B))まで移動させると、第1にレンズブロック27を含む外観筒25を分解することができ、第2にカム環17(第2カム環18)と直進案内環16と第1レンズ群L1と第2レンズ群L2などで構成されるズームレンズブロックを分解することができ、第3に該ズームレンズブロックから第2レンズ群L2を保持する第2レンズ枠23を分解することができる。第2レンズ枠23を分解した後は、カム環17と直進案内環16の回転位相を変えることで、第1レンズ群L1を保持する第1レンズ枠22を容易に分解することができる。したがって、本実施形態のズームレンズ鏡筒は、分解及び組立が容易であり、メンテナンス性に優れている。
【0069】
以上、図示実施形態につき本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、実施形態では、カム環17に回転を与えるための構成として、カム環17の外周面に光軸と平行な回転伝達溝17cを周方向に等角度間隔(図示例では120゜間隔)で形成し、この回転伝達溝17cに摺動可能に嵌まって回転を伝える回転伝達突起13cを回転環13の内周面に形成している。従来品としては、ピニオンに噛み合うギヤをカム環17に形成して、該ピニオンの回転でカム環17を回転させる構成があるが、該構成はピニオンが偏心位置で係合することが原因でカム環17に変形が生じる可能性がある。本実施形態の回転伝達機構は、このようなカム環17の変形が生じないという点で優れているが、理論的には、本発明の分解機構は、ピニオンをカム環17のギヤに噛み合わせるタイプのレンズ鏡筒にも適用することができる。すなわち、鏡筒使用位置の最大前方位置において光軸方向におけるカム環17の支持長が一定以上確保されており、これより前方へカム環17を移動させたときに直進案内環16がカム環17と一緒に回転されるように構成するだけでも、光学性能の悪化防止と良好な組立分解性の確保という作用を両立させることが可能である。
【0070】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、光学性能の悪化や漏光のおそれが少なく、かつ組立分解性に優れたズームレンズ鏡筒の分解機構を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるズームレンズ鏡筒の全体構造を示す分解状態の斜視図である。
【図2】同組立状態の上半断面図である。
【図3】カム環のカム溝の展開図である。
【図4】第1レンズ枠、第2レンズ枠、直進案内環及びカム環の関係を示す分解斜視図である。
【図5】直進案内環の直進案内溝部分の背面図である。
【図6】直進案内環、直進案内リング、リテーナリングの分解状態の拡大分解斜視図である。
【図7】同拡大分解展開図である。
【図8】第2カム環とバリヤ駆動環の撮影状態(テレ端位置)における位置関係を示す展開図である。
【図9】同収納状態における位置関係を示す展開図である。
【図10】ワイド撮影状態における外観筒と第2カム環(第1レンズ群)との位置関係を示す上半断面図である。
【図11】テレ撮影状態における外観筒と第2カム環(第1レンズ群)との位置関係を示す上半断面図である。
【図12】テレ撮影状態における外観筒と第2カム環(第1レンズ群)との位置関係を実線で、ワイド撮影状態におけるそれを鎖線で示す上半断面図である。
【図13】バリヤブロックを背面側からみた分解斜視図である。
【図14】バリヤ押え板を除くバリヤブロックを組立状態で背面側からみた斜視図である。
【図15】バリヤブロックのバリヤ開閉状態を示す正面図である。
【図16】第2カム環の回転付与凹部とバリヤ駆動環の回転伝達突起の関係を示す分解斜視図である。
【図17】外観筒に回転自在に支持されたバリヤ駆動環の一方の回動端(バリア閉位置)での正面図である。
【図18】同バリヤ駆動環の他方の回動端(バリア開位置)での正面図である。
【図19】バリヤブロックを含む外観筒を前方に分解した状態を示す上半断面図である。
【図20】さらにカム環と直進案内環を含むズームレンズブロックを前方に分解した状態を示す上半断面図である。
【図21】鏡筒使用状態から分解状態までの位相の変化を段階的に示した、固定環とカム環の展開図である。
【図22】第2カム環の進退ガイド溝の形状例を示す展開図である。
【符号の説明】
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
10 ハウジング
11 固定環
11a 雄ねじ
11b 雌ヘリコイド
11c 直進案内溝
11d 導入部(内面傾斜導入溝)
12 基板
12a CCD
13 回転環
13a 雌ねじ
13b ギヤ
13c 回転伝達突起
14 コード板
15 ブラシ
16 直進案内環
16a 外方フランジ
16b 直進案内突起
16c 直進案内貫通溝(レンズ直進案内溝)
16d バヨネット爪
16e 小径挿入部
16f 小径部
16g 回転規制凹部
16h カムフォロア挿入溝
17 カム環(回転進退環)
17a ストッパ突起
17b 雄ヘリコイド
17c 回転伝達溝
17d 導入部(外面傾斜導入溝)
18 第2カム環(回転進退環)
18a 直進ガイド部
18b 進退ガイド溝
18c 回転付与凹部
19 直進案内リング
19a 回転規制凸部
19b 直進案内突起
20 リテーナリング
20a 固定爪
20b カニメ溝
21 圧縮ばね
22 第1レンズ枠
22a 筒状部
22b 弾性舌片
22c 角突起(レンズ直進案内突起)
22d フォロアピン(カムフォロア)
22f ねじ
22g フランジ
22h ウェーブワッシャ
23 第2レンズ枠
23a 環状部
23b 弾性舌片
23c 角突起(レンズ直進案内突起)
23d フォロアピン(カムフォロア)
23e レンズ筒
23f 固定ねじ
23g フランジ
24 シャッタブロック
25 外観筒(フード筒)
25a 直進ガイド溝
25b ガイドピン
25c ばね掛け突起
26 バリヤ駆動環
26a 回転伝達突起
26b ばね掛け突起
26c 開閉ダボ
26d 遮光筒
27 バリヤブロック
27a 撮影開口
27b 化粧板
27c 27d バリヤ
27e トーションばね
27f バリヤ押え板
27g 共通軸
27h 開閉突起
27i 27j 27k 開閉突起
28 引張ばね
29 固定カバー筒

Claims (9)

  1. 内周面に雌ヘリコイドを有し、回転を拘束された固定環;
    この固定環の内周面に、上記雌ヘリコイドの一部を切り欠いて、光軸と平行な方向に形成した直進案内溝と、この直進案内溝から光軸前方の領域へ連続して形成されて前端部が開放された、上記雌ヘリコイドの形成方向と平行な内面傾斜導入溝;
    外周面に上記固定環の雌ヘリコイドに螺合される雄ヘリコイドを有し、該ヘリコイドに従って回転しながら光軸方向に進退される回転進退環;
    この回転進退環と相対回転は自在に光軸方向には一緒に移動するように組み立てられ、上記固定環の連続する直進案内溝と内面傾斜導入溝に嵌まる直進案内突起を有する直進案内環;及び
    この直進案内環により直進案内され、上記回転進退環の回転移動に応じて光軸方向に所定の軌跡で移動して撮影光学系の焦点距離を変化させる少なくとも一つのレンズ群;
    を有し、
    上記回転進退環が固定環に対してズーム範囲を含む鏡筒使用位置にあるときには、上記直進案内突起が上記直進案内溝に係合して上記直進案内環が光軸方向へ直進案内され、
    該回転進退環が上記鏡筒使用位置における最大前方位置に位置するときには、該回転進退環の雄ヘリコイドと上記固定環の雌ヘリコイドが上記内面傾斜導入溝の形成領域に対応する光軸方向長さで螺合し、
    固定環に対して上記最大前方位置よりも前方に回転進退環を移動させたときには、上記直進案内突起が上記内面傾斜導入溝内を移動して直進案内環が回転進退環と一緒に回転しながら前方へ移動し、該直進案内環と回転進退環の組立体が固定環から分解されることを特徴とするズームレンズ鏡筒の分解機構。
  2. 請求項1記載のズームレンズ鏡筒の分解機構において、
    上記回転進退環の外周に位置し、回転駆動される回転環;
    上記回転進退環の外周面に、上記雄ヘリコイドの一部を切り欠いて、光軸と平行な方向に向けて形成した回転伝達溝と、該回転伝達溝から光軸後方の領域へ連続して形成されて後端部が開放された、上記雄ヘリコイドの形成方向と平行な外面傾斜導入溝;及び
    上記回転環の内周面に形成された、この連続する回転伝達溝と外面傾斜導入溝に嵌まる回転伝達突起;
    を有し、
    上記鏡筒使用位置では、上記回転伝達突起が上記回転伝達溝に係合して、上記回転環の回転が上記回転進退環に伝達され、
    上記最大前方位置よりも前方に回転進退環を移動させたときには、上記回転伝達突起が上記外面傾斜導入溝内を移動して、上記回転環を回転させることなく該回転進退環と直進案内環の組立体が固定環から分解されるズームレンズ鏡筒の分解機構。
  3. 請求項1または2記載のズームレンズ鏡筒の分解機構において、
    上記回転進退環は内周面に、後端部を開放させたカム溝を有し、
    上記直進案内環は、光軸と平行な方向へ形成され後端部を開放させたレンズ直進案内溝を有し、
    上記レンズ群を支持するレンズ枠は、周方向の所定位置に、上記カム溝に嵌まるカムフォロアと、上記レンズ直進案内溝に嵌まるレンズ直進案内突起とを有し、
    上記回転進退環と直進案内環の組立体を固定環から前方へ分解したときには、上記レンズ枠のカムフォロアとレンズ直進案内突起がそれぞれ、上記カム溝の後端部と上記レンズ直進案内環の後端部に位置されるズームレンズ鏡筒の分解機構。
  4. 請求項1から3いずれか1項記載のズームレンズ鏡筒の分解機構において、さらに、
    先端部に、撮影開口を開閉するバリヤブロックを有し、最前方のレンズ群より前方において光軸方向に直進案内された、上記回転進退環の外側に位置するフード筒;
    このフード筒に径方向内方に向けて突出させたガイドピン;及び
    上記回転進退環の外周面に形成されてこのガイドピンと係合し、該回転進退環の回転により上記フード筒を光軸方向に進退させる進退ガイド溝;
    を有し、
    上記進退ガイド溝は、前端部が開放されたフード分解位置と、このフード分解位置に連続する回転進退環の周方向のズーム区間を含む使用区間とを有していて、この使用区間においては、回転進退環の回転により、撮影光学系の焦点距離変化に応じ、フード筒を光軸方向に進退させて最前方のレンズ群とバリヤブロックとの距離を変化させ、フード分解位置において上記フード筒のガイドピンを進退ガイド溝から前方に抜き取って該フード筒を分解可能であり、
    このフード筒を分解可能な回転位置に回転進退環が位置するときには、該回転進退環と上記直進案内環の組立体は、上記最大前方位置よりも若干前方へ移動されて上記固定環に対して分解可能となっているズームレンズ鏡筒の分解機構。
  5. 回転を拘束された固定環;
    この固定環の内側に位置し、該固定環に対し回転しながら光軸方向へ進退される回転進退環;
    この回転進退環と相対回転は自在で光軸方向には一緒に移動するように組み立てられ、光軸方向に直進案内された直進案内環;
    この直進案内環を光軸方向に直進案内させる、該直進案内環と上記固定環に設けた直進案内機構;及び
    上記直進案内環によって直進案内され、上記回転進退環の回転移動に応じて光軸方向に所定の軌跡で移動して撮影光学系の焦点距離を変化させる少なくとも一つのレンズ群;
    を有し、
    上記回転進退環が固定環に対してズーム範囲を含む鏡筒使用位置にあるときには、上記直進案内機構によって直進案内環が直進案内され、該直進案内環に対して回転進退環が相対的に回転しながら一緒に光軸方向へ移動して上記レンズ群を所定の軌跡で移動させ、
    固定環に対して上記鏡筒使用位置における最大前方位置よりも前方に回転進退環を移動させたときには、直進案内環に対する直進案内が解除されて該直進案内環が回転進退環と一緒に回転しながら一定距離前方に移動した後に、該回転進退環と直進案内環の組立体が固定環から分解されることを特徴とするズームレンズ鏡筒の分解機構。
  6. 請求項5記載のズームレンズ鏡筒の分解機構において、
    上記回転進退環の外周に位置し、回転駆動される回転環;及び
    この回転環の回転を上記回転進退環に伝達する回転伝達機構;
    を有し、
    上記鏡筒使用位置では、上記回転伝達機構によって回転環の回転が回転進退環に伝達され、
    上記最大前方位置よりも前方に回転進退環を移動させたときには、上記回転環と回転進退環の間の回転伝達が遮断され、回転環を回転させることなく該回転進退環と直進案内環の組立体が固定環から分解されるズームレンズ鏡筒の分解機構。
  7. 請求項5または6記載のズームレンズ鏡筒の分解機構において、上記回転進退環は、上記固定環の内周面と該回転進退環の外周面に形成したヘリコイドの螺合関係によって、回転しながら光軸方向に移動可能に支持されているズームレンズ鏡筒の分解機構。
  8. 請求項5から7いずれか1項記載のズームレンズ鏡筒の分解機構において、
    上記回転進退環は内周面に、後端部を開放させたカム溝を有し、
    上記直進案内環は、光軸と平行な方向へ形成され後端部を開放させたレンズ直進案内溝を有し、
    上記レンズ群を支持するレンズ枠は、周方向の所定位置に、上記カム溝に嵌まるカムフォロアと、上記レンズ直進案内溝に嵌まるレンズ直進案内突起とを有し、
    上記回転進退環と直進案内環の組立体を固定環から前方へ分解したときには、上記レンズ枠のカムフォロアとレンズ直進案内突起がそれぞれ、上記カム溝の後端部と上記レンズ直進案内環の後端部に位置されるズームレンズ鏡筒の分解機構。
  9. 請求項5から8いずれか1項記載のズームレンズ鏡筒の分解機構において、さらに、
    先端部に、撮影開口を開閉するバリヤブロックを有し、最前方のレンズ群より前方において光軸方向に直進案内された、上記回転進退環の外側に位置するフード筒;
    このフード筒に径方向内方に向けて突出させたガイドピン;及び
    上記回転進退環の外周面に形成されてこのガイドピンと係合し、該回転進退環の回転により上記フード筒を光軸方向に進退させる進退ガイド溝;
    を有し、
    上記進退ガイド溝は、前端部が開放されたフード分解位置と、このフード分解位置に連続する回転進退環の周方向のズーム区間を含む使用区間とを有していて、この使用区間においては、回転進退環の回転により、撮影光学系の焦点距離変化に応じ、フード筒を光軸方向に進退させて最前方のレンズ群とバリヤブロックとの距離を変化させ、フード分解位置において上記フード筒のガイドピンを進退ガイド溝から前方に抜き取って該フード筒を分解可能であり、
    このフード筒を分解可能な回転位置に回転進退環が位置するときには、該回転進退環と上記直進案内環の組立体は、上記最大前方位置よりも若干前方へ移動されて上記固定環に対して分解可能となっているズームレンズ鏡筒の分解機構。
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