JP3569478B2 - ズームレンズ鏡筒 - Google Patents

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    • G02B7/10Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses with mechanism for focusing or varying magnification by relative axial movement of several lenses, e.g. of varifocal objective lens

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、ズームレンズ鏡筒に関しており、特に撮影光学系を構成するレンズ群を光軸方向に移動させるためにカム溝を用いるズームレンズ鏡筒に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
ズームレンズ鏡筒において、カム溝を有するカム環の回転運動によって、直進案内されているレンズ群を所定の軌跡で光軸方向に移動させる機構が知られている。こうしたカム溝による案内構造では一般に、カム環と相対回転のみ可能に結合された直進案内環に形成した直進案内溝によってレンズ群を有するレンズ枠を直進案内しており、カム環に対するレンズ枠の組込時には、該レンズ枠に設けたカムフォロアと直進案内突起に対して、カム溝の開口(カムフォロアの挿脱口)と直進案内溝が一致するような回転位相に直進案内環とカム環を合わせてからレンズ枠を組み込む。よって、カム環及び直進案内環が複数のレンズ枠を支持する場合には、各レンズ枠ごとに、組込前の準備段階としてカム環と直進案内環の回転位相を調整する手間がかかり、組立性が悪かった。
【0003】
【発明の目的】
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであり、カム環へのレンズ枠の組み付けが容易なズームレンズ鏡筒を得ることを目的とする。
【0004】
【発明の概要】
本発明のズームレンズ鏡筒は、回転駆動されるカム環の内面に形成した、互いに軌跡の異なる少なくとも2種類のカム溝と、この少なくとも2種類のカム溝にそれぞれカムフォロアを嵌合させた第1と第2のレンズ枠と、該第1と第2のレンズ枠を直進案内する直進案内環とを有し、第1の軌跡のカム溝は、カム環の回転に応じてカムフォロアを案内して第1のレンズ枠をテレ位置とワイド位置の間で光軸方向に移動させるズーム撮影領域と、カム環の端面に連通するカムフォロア挿脱口からズーム撮影領域までカムフォロアを導く導入部と、この導入部とはズーム撮影領域を挟んで位置され、ズームレンズ鏡筒の使用状態ではカムフォロアが通らないカム溝終端部とを有し、第2の軌跡のカム溝は、カム環の回転に応じてカムフォロアを案内して第2のレンズ枠をテレ位置とワイド位置の間で光軸方向に移動させるズーム撮影領域と、カム環の端面に連通するカムフォロア挿脱口からズーム撮影領域までカムフォロアを導く導入部を有し、第1の軌跡のカム溝のカム溝終端部と、第2の軌跡のカム溝のカムフォロア挿脱口とは周方向の同一位置にあり、組み立ての際には、第1のレンズ枠のカムフォロアを第1の軌跡のカム溝のカムフォロア挿脱口から導入部に進入させ、該カムフォロアがカム溝終端部まで移動されるように直進案内環とカム環とを相対回転させた後、第2のレンズ枠のカムフォロアを第2の軌跡のカム溝のカムフォロア挿脱口から導入部内へ進入させることを特徴としている。この構成によれば、第1の軌跡のカム溝の終端部まで第1のレンズ枠のカムフォロアを案内した状態で第2のレンズ枠が組込可能となるので、レンズ枠の組み付けが容易に行える。
【0005】
このズームレンズ鏡筒では、直進案内環はカム環の内側に位置し、光軸と平行な直進案内貫通溝を有し、第1と第2のレンズ枠はそれぞれ、該直進案内貫通溝に互いの光軸方向位置を異ならせた共用状態で嵌合する直進案内突起を有し、この直進案内突起はカムフォロアと周方向の同一位置に設けられており、該カムフォロアは直進案内貫通溝を貫通して第1と第2の軌跡のカム溝に嵌合していることが望ましい。この構成によれば、直進案内環における直進案内溝の数を少なくでき、かつ該直進案内環にカムフォロア専用の貫通逃げ溝を設けなくて済む。よって強度的に優れた構成となる。
【0006】
本発明のズームレンズ鏡筒はまた、回転駆動されるカム環の内面に形成した、互いに軌跡の異なる少なくとも2種類のカム溝と、この少なくとも2種類のカム溝にそれぞれカムフォロアを嵌合させた第1と第2のレンズ枠と、カム環の内側に位置する直進案内環に形成され、該第1と第2のレンズ枠から径方向外方に突出された直進案内突起が移動可能に嵌まる光軸と平行な直進案内溝とを有し、第1の軌跡のカム溝は、カム環の回転に応じてカムフォロアを案内して第1のレンズ枠をテレ位置とワイド位置の間で光軸方向に移動させるズーム撮影領域と、カム環の端面に連通するカムフォロア挿脱口からズーム撮影領域までカムフォロアを導く導入部と、この導入部とはズーム撮影領域を挟んで位置され、ズームレンズ鏡筒の使用状態ではカムフォロアが通らないカム溝終端部とを有し、第2の軌跡のカム溝は、カム環の回転に応じてカムフォロアを案内して第2のレンズ枠をテレ位置とワイド位置の間で光軸方向に移動させるズーム撮影領域と、カム環の端面に連通するカムフォロア挿脱口からズーム撮影領域までカムフォロアを導く導入部を有し、第1のレンズ枠のカムフォロアが第1の軌跡のカム溝のカム溝終端部に位置するときに、周方向において第2の軌跡のカム溝のカムフォロア挿脱口と直進案内環の直進案内溝がそれぞれ、第2のレンズ枠のカムフォロアと直進案内突起に対応して位置されることを特徴としている。
【0007】
このズームレンズ鏡筒では、第1の軌跡のカム溝のカム溝終端部と、第2の軌跡のカム溝のカムフォロア挿脱口は、周方向の同一位置にあることが望ましい。また、直進案内溝は、直進案内環を径方向に貫通する直進案内貫通溝であり、第1と第2のレンズ枠の直進案内突起は、該直進案内貫通溝に互いの光軸方向位置を異ならせた共用状態で嵌合し、この直進案内突起はカムフォロアと周方向の同一位置に設けられており、該カムフォロアは直進案内貫通溝を貫通して第1と第2の軌跡のカム溝に嵌合していることが望ましい。
【0008】
本発明のズームレンズ鏡筒はさらに、回転駆動されるカム環の内面に形成した、互いに軌跡の異なる少なくとも2種類のカム溝と、この少なくとも2種類のカム溝にそれぞれカムフォロアを嵌合させた第1と第2のレンズ枠と、該第1と第2のレンズ枠を直進案内する直進案内環とを有し、第1と第2の軌跡のカム溝はそれぞれ、カム環の回転に応じてカムフォロアを案内して第1と第2のレンズ枠をテレ位置とワイド位置の間で光軸方向に移動させるズーム撮影領域と、カム環の端面に連通するカムフォロア挿脱口からズーム撮影領域までカムフォロアを導く導入部とを有し、第1の軌跡のカム溝のカムフォロア挿脱口とズーム撮影領域とは、光軸方向において、第2の軌跡のカム溝のズーム撮影領域を挟んで位置されており、この第1の軌跡のカム溝の導入部は、周方向において第2の軌跡のカム溝と重ならない位置で、光軸方向へ向けて該第2の軌跡のカム溝を跨いで形成されていることを特徴としている。
【0009】
このズームレンズ鏡筒では、第1の軌跡のカム溝は、ズーム撮影領域の先に、ズームレンズ鏡筒の使用状態ではカムフォロアが通らないカム溝終端部を有し、この第1の軌跡のカム溝のカム溝終端部と、第2の軌跡のカム溝のカムフォロア挿脱口とは周方向の同一位置にあり、組み立ての際には、第1のレンズ枠のカムフォロアを第1の軌跡のカム溝のカムフォロア挿脱口から導入部に進入させ、該カムフォロアが該第1の軌跡のカム溝のカム溝終端部まで移動されるように直進案内環とカム環とを相対回転させた後、第2のレンズ枠のカムフォロアを第2の軌跡のカム溝のカムフォロア挿脱口から導入部内へ進入させることにより、レンズ枠の組み付けが容易になる。また、直進案内環はカム環の内側に位置し、光軸と平行な直進案内貫通溝を有し、第1と第2のレンズ枠はそれぞれ、該直進案内貫通溝に互いの光軸方向位置を異ならせた共用状態で嵌合する直進案内突起を有し、この直進案内突起はカムフォロアと周方向の同一位置に設けられており、該カムフォロアは直進案内貫通溝を貫通して第1と第2の軌跡のカム溝に嵌合していることが望ましい。
【0010】
以上の各態様のズームレンズ鏡筒では、第2の軌跡のカム溝は、ズーム撮影領域より先のカム溝終端部に撮影を行わない収納位置用の領域を有し、第1の軌跡のカム溝は、導入部とズーム撮影領域の間に、この第2の軌跡のカム溝の収納位置用の領域と周方向の同一位置で、収納位置用の領域を有していることが好ましい。また以上の各態様のズームレンズ鏡筒では、第2の軌跡のカム溝の導入部の途中には、ズーム撮影領域よりも径方向に浅いカムフォロア抜止領域が形成され、該第2のカム溝に第2のレンズ枠のカムフォロアが嵌合した状態では、このカムフォロア抜止領域によって、カムフォロア挿脱口側への該カムフォロアの移動が規制されることが好ましい。
【0011】
【発明の実施形態】
本実施形態は、デジタルカメラ用ズームレンズに本発明を適用したものである。最初に全体構造を説明し、次に本発明の特徴部分を説明する。
【0012】
【本実施形態のレンズ鏡筒全体の説明】
図1、図2を参照して本実施形態のズームレンズ鏡筒の構成を説明する。以下の説明において、部材名称の次の数字の後の括弧付き大文字(F)は、その部材が固定されていることを示し、同(L)は光軸方向に直進移動することを示し、同(RL)は回転しつつ光軸方向に移動することを示す。
【0013】
この実施形態のレンズ構成は、物体側から順に、第1レンズ群L1(L)、第2レンズ群L2(L)、及び第3レンズ群L3(L)からなり、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2をその間隔を変化させながら所定の軌跡で光軸方向に移動させることでズーミングが行われる。第3レンズ群L3は、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2の位置に拘わらず、フォーカシングレンズとして機能するもので、いわゆるリヤフォーカシングのズームレンズ系である。
【0014】
カメラボディに固定される(あるいはカメラボディの一部を構成する)ハウジング10(F)には、固定環11(F)が固定されている。固定環11は、その外周面に細密雄ねじ11aを有し、内周面に、雌ヘリコイド11bと、この雌ヘリコイド11bの一部を切り欠いて形成した光軸と平行な方向の直進案内溝11cを有している。直進案内溝11cは、120゜間隔で3本形成されている。
【0015】
ハウジング10には、図2に示すように、CCD挿入窓10a、フィルタ固定部10b、フォーカスレンズ群移動ガイド10cが備えられている。CCD挿入窓10aには、基板12に固定されたCCD12aが臨み、フィルタ固定部10bには、ローパスフィルタ等のフィルタ10dが固定されている。フォーカスレンズ群移動ガイド10cには、光軸方向に移動可能に第3レンズ群L3が支持されており、送りねじ10eの回転方向と回転角度(量)によって、第3レンズ群L3の移動位置が決定される。送りねじ10eの回転角度は、パルスモータ(エンコーダ)によってパルス管理される。
【0016】
固定環11の外側には回転環13(RL)が位置し、この回転環13の内周面に形成した雌ねじ13aが固定環11の雄ねじ11aに螺合している。この回転環13は、外周面にギヤ13b(図1)を有し、このギヤ13bに噛み合うピニオン(図示せず)を介して回転駆動される。回転環13は、回転駆動されると、雌ねじ13aに従い、回転しながら光軸方向に移動する。この回転環13の先端部の内面には、120゜間隔で、回転伝達突起13cが形成されている。また、回転環13の外周面には、周方向に向けてコード板14(RL)(図1)が固定されており、ハウジング10には、このコード板14と摺接するブラシ15(F)(同)が固定されている。コード板14とブラシ15は、雄ねじ11a(雌ねじ13a)に従って光軸方向に進退するコード板14(回転環13)の移動位置に拘わらず互いに接触を維持し、回転環13の回転位置をデジタル情報及び(又は)アナログ情報として検出するように設けられている。回転環13の雌ねじ13aは、回転環13を固定環11に回転自在に支持する手段であり、回転環13は、固定環11に光軸方向の移動を規制して回転のみ可能に支持してもよい。
【0017】
固定環11の内側には、直進案内環16(L)と、この直進案内環16の外周面に光軸方向移動を規制し相対回転を可能にして嵌めたカム環17(RL)と、このカム環17の先端部外周に回転方向には一緒に回転し光軸方向には相対移動可能に嵌めた第2カム環18(RL)との結合体が位置している。すなわち、直進案内環16は、その後端部に外方フランジ16aを有し、前端部には直進案内リング(フランジリング)19(L)がリテーナリング20(L)を介して固定されている。カム環17は、この外方フランジ16aと直進案内リング19との間に挟着されて、直進案内環16に対して相対回転は自由に光軸方向には一緒に移動するように支持されている。
【0018】
カム環17の先端部に嵌めた第2カム環18は、カム環17の外周面に120゜間隔で形成したストッパ突起17aに摺動自在に係合する直進ガイド部18aを有していて、カム環17に対する相対回動は生ぜず、光軸方向の相対移動のみ可能に支持されている。このストッパ突起17aと直進ガイド部18aの近傍には、第2カム環18を前方に移動付勢する圧縮ばね21が挿入されており、第2カム環18は常時は直進案内リング19に当接している。第2カム環18は、ストッパ突起17aと直進ガイド部18aの光軸方向のクリアランス分だけ、圧縮ばね21を撓ませながら後退することが可能である。また、径方向のクリアランスだけ傾くこともできる。
【0019】
カム環17の外周面には、固定環11の雌ヘリコイド11bと螺合する雄ヘリコイド17bが形成されており、この雄ヘリコイド17bの一部を切除して、回転環13の回転伝達突起13cが摺動可能に嵌まる光軸と平行な回転伝達溝17cが形成されている。一方、直進案内環16の外方フランジ16aには、径方向外方に突出して固定環11の直進案内溝11cに嵌まる直進案内突起16bが120゜間隔で形成されている。直進案内環16にはまた、直進案内突起16bと周方向位置を同一にして、120゜間隔で光軸と平行な方向の貫通した直進案内貫通溝16cが形成されている。
【0020】
直進案内貫通溝16cは、図4、図5に示すように、直進案内環16の後端面に開口しており、その外径側は、外方フランジ16aと直進案内突起16bによって閉塞されている。外方フランジ16aには、この直進案内突起16bと周方向位置を同じくしてその内径側にカムフォロアの挿入溝16hが形成されている。
【0021】
直進案内環16、カム環17及び第2カム環18の結合体を、固定環11と回転環13に係合させる際には、固定環11の各直進案内溝11cに導入部11dから直進案内環16の各直進案内突起16bを嵌めるとともに、カム環17の各回転伝達溝17cに導入部17dから回転環13の各回転伝達突起13cを嵌め、その状態で固定環11の雌ヘリコイド11bとカム環17の雄ヘリコイド17bとを螺合させる。また、固定環11の雄ねじ11aと回転環13の雌ねじ13aを螺合させる。
【0022】
こうして図2のように組立が完了した状態では、ギヤ13bを介して回転環13を回転駆動すると、回転環13は雌ねじ13aと雄ねじ11aの螺合関係で回転しながら光軸方向に進退し、同時にカム環17と該カム環17の外径側に載っている第2カム環18には、回転伝達突起13cと回転伝達溝17cの摺動関係で回転が伝達され、雄ヘリコイド17bと雌ヘリコイド11bとの螺合関係で光軸方向の移動が与えられる。このとき、直進案内環16は、直進案内突起16bと直進案内溝11cの摺動関係で回転することなく光軸方向に進退し、直進案内環16に対して相対回転するカム環17、第2カム環18が直進案内環16と光軸方向に一緒に移動する。
【0023】
カム環17の内周面には、図3に展開形状を示す1群用カム溝17C1と2群用カム溝17C2とが形成されている。この1群用カム溝17C1と2群用カム溝17C2は、同一形状を120゜間隔で3本形成したもので、カム環17の回転方向に順に、収納位置、テレ端位置、ワイド端位置を有している。収納位置からワイド端位置に至るカム環17の回転角度はAである。
【0024】
第1レンズ群L1を保持した第1レンズ枠22(L)と、第2レンズ群L2を保持した第2レンズ枠23(L)とは、この1群用カム溝17C1と2群用カム溝17C2、及び直進案内環16の直進案内貫通溝16cによって案内され、光軸方向に直進移動する。第1レンズ枠22は、筒状部22aから後方に突出する弾性舌片22bを120゜間隔で3個備えており、この弾性舌片22b上に、径方向に突出し直進案内貫通溝16cに摺動自在に嵌まる角突起22cが形成され、この角突起22c上に径方向に突出するフォロアピン22dが植設固定されている。角突起22cは、直進案内溝16cとの接触部が平行平面である突起であればよい。第1レンズ群L1を固定したレンズ筒22eは、筒状部22aの内周面にねじ22fで結合されており、螺合位置を調節することで、第1レンズ枠22内での第1レンズ群L1の光軸方向の位置調節ができる。レンズ筒22eは、第1レンズ枠22のフランジ22gとの間にウェーブワッシャ22hを挟着しており、ウェーブワッシャ22hの弾性によって、レンズ筒22e(第1レンズ群L1)の光軸方向の遊びを除去している。
【0025】
第2レンズ枠23は、環状部23aから前方に突出する弾性舌片23bを120゜間隔で3個備えており、この弾性舌片23b上に、径方向に突出し直進案内貫通溝16cに摺動自在に嵌まる角突起23cが形成され、この角突起23c上に径方向に突出するフォロアピン23dが植設固定されている。この角突起23cとフォロアピン23dは、弾性舌片23bの方向が弾性舌片22bの方向とは逆である点を除き、第1レンズ枠22の角突起22cとフォロアピン22dと同様である。第2レンズ群L2を固定したレンズ筒23eは、固定ねじ23fを介して第2レンズ枠23のフランジ23gに固定されている。この第2レンズ枠23のフランジ23gには、シャッタブロック24が固定されている。シャッタブロック24は、シャッタレリーズ時に、CCD12aに与えられる光束を遮断する機能を持つ。
【0026】
以上の第1レンズ枠22と第2レンズ枠23はそれぞれ、各角突起22cと角突起23cを直進案内環16の対応する同一の直進案内貫通溝16cに嵌めることで直進案内されている。そして、フォロアピン22dとフォロアピン23dは、直進案内環16の直進案内貫通溝16cから径方向に突出して、直進案内環16の外周に相対摺動自在に嵌まっているカム環17の1群用カム溝17C1と2群用カム溝17C2にそれぞれ嵌まっている。なお、第1レンズ枠22と第2レンズ枠23を直進案内環16及びカム環17内に嵌めるときには、直進案内環16の後端面から、角突起22cと23cを直進案内貫通溝16cに嵌め、フォロアピン22dと23dをカムフォロア挿入溝16hを通過させてから、カム溝17C1と17C2に嵌める。なお、図3において、カム溝17C1、17C2の輪郭内にハッチングを付した領域は、組立時に使用する(フォロアピン22d、23dが通過する)もので、使用状態では使用しない。
【0027】
以上の案内構造により、回転環13に回転が与えられると、カム環17と第2カム環18は回転しながら、直進案内環16は回転することなく、直進案内環16、カム環17、第2カム環18の結合体が光軸方向に進退する。その結果、第1レンズ枠22(第1レンズ群L1)と第2レンズ枠23(第2レンズ群L2)が、1群用カム溝17C1と2群用カム溝17C2のカムプロフィルに従い、互いの空気間隔を変化させながら光軸方向に直進移動してズーミングがなされる。
【0028】
次に、直進案内環16の先端部に対する直進案内リング19とリテーナリング20の結合構造を図6と図7について説明する。直進案内環16には、その先端部に、径方向に突出させて120゜間隔で、3個のバヨネット爪16dが形成されており、このバヨネット爪16dの間に小径挿入部16eが位置している。バヨネット爪16dの背面には、小径挿入部16eと同径の小径部16fが形成されており、バヨネット爪16dの背面に位置させて、小径部16fを軸と平行な方向に切り欠いた回転規制凹部16gが形成されている。
【0029】
一方、直進案内リング19には、その内周面に、小径挿入部16eからバヨネット爪16dの間に挿入可能で、挿入後小径部16fに対して相対回転可能な回転規制凸部19aが120゜間隔で形成されている。また、この直進案内リング19には、外周面に、回転規制凸部19aとの周方向位置を定めた直進案内突起19bが120゜間隔で形成されている。
【0030】
リテーナリング20には、その内周面に、直進案内環16の小径挿入部16eからバヨネット爪16dの間に挿入可能で、挿入後小径部16fに対し相対回転可能な固定爪20aが120゜間隔で形成されている。また前端面には、回転操作用のカニメ溝20bが形成されている。
【0031】
直進案内リング19を直進案内環16の先端部に固定する際には、直進案内リング19をその回転規制凸部19aを小径挿入部16eに嵌めて小径部16f上で回転させ、回転規制凸部19aをバヨネット爪16dの背面に移動させて回転規制凹部16gに嵌合させる。この嵌合により、直進案内リング19の直進案内環16に対する周方向位置が定まる。次に、リテーナリング20をその固定爪20aを小径挿入部16eに嵌めて小径部16f上で回転させ、回転規制凸部19aを回転規制凹部16gに押し付けて、直進案内リング19の軸方向の移動を抑える。このロック状態では、固定爪20aがバヨネット爪16dと回転規制凸部19aの間に入り、直進案内リング19の抜けを固定爪20aとバヨネット爪16dが防止することになる。直進案内環16とリテーナリング20の間には、ロック状態でリテーナリング20の回転を防止する(クリック感を与える)凹凸が設けられている。図6では、直進案内環16側の凹凸16jのみを示した。
【0032】
このようにして直進案内環16の先端に固定された直進案内リング19の直進案内突起19bは、直進案内環16の直進案内突起16bに対して予め定めた特定の位置(角度関係)にある。この直進案内突起19bは、外観筒(フード筒)25(L)の内周面に120゜間隔で形成した光軸と平行な方向の直進ガイド溝25aに嵌まり、外観筒25を回転させることなく光軸方向移動のみ可能に案内している。外観筒25には、120゜間隔で3本のガイドピン25bが植設されており、このガイドピン25bは、第2カム環18の外周面に120゜間隔で形成した同一形状の進退ガイド溝18bに嵌まっている。
【0033】
進退ガイド溝18bは、図8、図9に示すように、ガイドピン25bを組立時に進入させる組立位置と、カム環17の収納位置、テレ端位置、ワイド端位置に対応する収納位置、テレ端位置、ワイド端位置を有し、カム環17と一緒に回転する第2カム環18の回転位置に応じて、外観筒25を光軸方向に進退させる。すなわち、外観筒25を画角の狭いテレ端位置では第2カム環18(第1レンズ群L1)に対して前進させ、画角の広いワイド端位置では後退させることで、レンズフードとしての役割を与えたものである。図10はワイド端位置での外観筒25の位置、図11はテレ端位置で外観筒25の位置を示している。
【0034】
このように、外観筒25を案内する第2カム環18と、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2を案内するカム環17との間には、第2カム環18を前方に移動付勢する圧縮ばね21が挿入されているため、使用中に外観筒25に押し込み方向の外力が加わった場合には、その外力の少なくとも一部を圧縮ばね21によって吸収することができる。つまり、外力は、圧縮ばね21を圧縮した後、第2カム環18からカム環17に伝達されるため、カム環17には大きな外力が加わることがない。よって、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2の位置精度に対する影響を少なくすることができる。外観筒25のより詳細な動き及び作用については、外観筒22の先端に固定されるバリヤブロック27を説明した後、さらに図12を用いて説明する。図1における符号29(F)は、外観筒25がその内側を進退する、カメラボディ側と一体のカバー筒である。
【0035】
外観筒25には、その前端部内径に、バリヤ駆動環26が回転自在に支持されている。このバリヤ駆動環26は、その回転運動によりバリヤブロック27のバリヤを開閉するものである。バリヤブロック27は、図1、及び図13ないし図15に示すように、撮影開口27aを有する化粧板27b、この化粧板27bに撮影開口27aを開閉するように支持した二対のバリヤ27c、27d、これらバリヤ27c、27dを撮影開口27aを閉じる方向に付勢する一対のトーションばね27e、化粧板27bとの間にこれら要素を挟着保持するバリヤ押え板27fとを有していて、予め別ユニットとして組み立てられる。バリヤ27c、27dは、化粧板27bに設けた共通軸27gに同軸に回動自在であり、内側のバリヤ27dは、化粧板27bのばね掛け軸27nに掛けとめたトーションばね27eにより閉方向に回動付勢されている。バリヤ27dには、トーションばね27eの力に抗してバリヤ27dを開くための開閉突起27hが突出形成されており、バリヤ27cには、バリヤ27dが開方向に動くとき、バリヤ27dの縁部に係合してバリヤ27dとともにバリヤ27cを開方向に動かす連動突起27iが形成されている。また、バリヤ27cと27dには、その対向面に、バリヤ27dが閉方向に動くとき、バリヤ27dを一緒にバリヤ27cを閉方向に動かす連動突起27jと27k(図15)が形成されている。バリヤ押え板27fには開閉突起27hをバリヤ駆動環26側に突出させる露出穴27mが形成されている。
【0036】
バリヤ駆動環26は、図16ないし図18に示すように、バリヤ駆動環26自身に形成したばね掛け突起26bと、外観筒25に形成したばね掛け突起25cとの間に張設した、トーションばね27eより強い引張ばね28によって、バリア開方向に回動付勢されており、このバリヤ駆動環26に、バリヤ27dの開閉突起27hと係合してバリヤ27c、27dを開く開閉ダボ26cが形成されている。バリヤ駆動環26は、引張ばね28の力による回動端に位置するときには、その開閉ダボ26cが開閉突起27hを押圧して、トーションばね27eの力に抗してバリヤ27dを開き、連動突起27iを介して27cも開く(図15)。
【0037】
一方、バリヤ駆動環26は、図16に示すように、その周方向の一部に、第2カム環18側に突出する回転伝達突起26aを有しており、この回転伝達突起26aは、第2カム環18に形成した回転付与凹部18c(図8、図9も参照)と係脱する。バリヤ駆動環26は、外観筒25に光軸方向の定位置で回転可能に支持されているから、外観筒25が第2カム環18の進退ガイド溝18bに従って光軸方向に直進進退すると、図8、図9に明らかなように、回転する第2カム環18に対して接離する。回転伝達突起26aと回転付与凹部18cは、撮影位置(テレ端位置とワイド端位置の間)では図8のように互いに接触(係合)することがなく、テレ端位置から収納位置に移動する間に、図9のように互いに係合して回転付与凹部18cによりバリヤ駆動環26に強制回転力が与えられるように形成されている。バリヤ駆動環26が引張ばね28に抗する移動端に回動すると、バリヤ駆動環26の開閉ダボ26cがバリヤ27dの開閉突起27hから離れ、その結果トーションばね27eの力によりバリヤ27dが開き、連動突起27k、27jを介してバリヤ27cが閉じて撮影開口27aが閉じる(図14)。逆に、収納位置からテレ端位置に移行する間には、回転伝達突起26aが回転付与凹部18cから徐々に離れ、引張ばね28によりバリヤ駆動環26がバリヤ開放方向に回動する結果、開閉ダボ26cが開閉突起27hを押し連動突起27iを介して、バリヤ27c、27dが開く。つまり、バリヤ27c、27dの開閉は、バリヤ駆動環26の回転によって行われる。なお、バリヤ駆動環26に形成された回転伝達突起26aは唯一であるのに対し、第2カム環18に形成した回転付与凹部18cは、120°間隔で3個形成されていて、組立時にいずれかを選択できるようになっている。
【0038】
上述のように、光軸方向に直進移動するように案内されている外観筒25は、第2カム環18の回動によって前後移動する。一方、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2はカム環17の回動によって前後移動する。図12は、収納位置、テレ端位置からワイド端位置における、CCD12aの像面、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2(の主点位置)、及び外観筒25の先端のバリヤブロック27(の先端部の化粧板27bの撮影開口27a)の位置変化を示したものである。カム環17のカム溝17C1と17C2、および第2カム環18の進退カム溝18bは、このような移動軌跡が得られるように定められている。撮影開口27aは、正面略矩形をなしていて、その短辺方向の画角、長辺方向の画角、対角方向の画角の順に大きい。図10、図11では、撮影開口27aの短辺方向から入射する光束S、長辺方向から入射する光束M、及び対角方向から入射する光束Lの角度を示している。
【0039】
なお、バリヤ駆動環26にはその内径部に、バリヤ駆動環26から第1レンズ枠22の先端部外周に延びる遮光筒26dが固定(接着)されている。遮光筒26dは光軸を中心とする回転対称形状をしており、バリヤ駆動環26の往復回動によって往復回動してもその遮光機能は変化しない。
【0040】
また、以上のズームレンズ鏡筒を構成する部品は、各ばね、送りねじ10e、固定ねじ23f、フォロアピン22d、23d、シャッタブロック24及びガイドピン25bを除き、すべて合成樹脂材料の成形品からなっている。
【0041】
また、以上の実施形態では、第3レンズ群L3をフォーカスレンズ群としているが、別のレンズ群、例えば第1レンズ群L1または第2レンズ群L2をフォーカスレンズ群としてもよい。第2レンズ群L2をフォーカスレンズ群とする場合、シャッタブロック24に、フォーカシング機能を与えることができ、このようなシャッタブロックは周知である。
【0042】
【本発明の特徴部分の説明】
上述のように、ズームレンズ鏡筒の使用状態において第1レンズ群L1と第2レンズ群L2は、カム環17の内周面に有底のカム溝として形成した1群用カム溝17C1と2群用カム溝17C2の形状に従って、テレ(TELE)位置とワイド(WIDE)位置の間で光軸方向へ所定の軌跡で移動する。この1群用カム溝17C1と2群用カム溝17C2の形状を、図19を参照して説明する。図19は、本発明の特徴部分を説明するための符号を図3に加えたものであり、同図では、図中右方が光軸方向の前方で、左方が後方である。なお、1群用カム溝17C1と2群用カム溝17C2はそれぞれ3本形成されているが、以下ではそのうちの一組の1群用カム溝17C1と2群用カム溝17C2を代表して説明する。
【0043】
1群用カム溝17C1と2群用カム溝17C2は互いに、テレ位置とワイド位置の間のズーム撮影領域と、収納位置、すなわちズームレンズ鏡筒の使用状態において使用される使用領域17C1aと17C2aとが周方向における同一の位置に形成されている。
【0044】
また、各カム溝で図19においてハッチングを付した領域は組立時に使用するもので、使用状態では使用しない。この組立用のカム溝領域は、1群用カム溝17C1では、カム環17の後端部に連通するフォロアピン挿脱口17C1xからテレ位置の手前までの導入部17C1bと、ワイド位置より先のカム溝終端部17C2cとで構成されている。また2群用カム溝17C2の組立用領域は、カム環17の後端部に連通するフォロアピン挿脱口17C2xからテレ位置の手前までの導入部17C2bにより構成されている。1群用カム溝17C1のカム溝終端部17C1cは、2群用カム溝17C2のフォロアピン挿脱口17C2xと周方向位置が同一である。各カム溝17C1と17C2のフォロアピン挿脱口17C1xと17C2xは、互いの周方向位置が異なっている。
【0045】
2群用カム溝17C2は、フォロアピン挿脱口17C2xからワイド位置までの導入部17C2bが短く、使用領域17C2a(ワイド位置)は比較的カム環17の後端部に近い位置から始まり、テレ位置付近まで前方に向かいつつ周方向に進む傾斜形状をなしている。さらに2群用カム溝17C2の使用領域17C2aは、テレ位置を過ぎるとカム環17の後方に向かいつつ周方向に若干進んで終端の収納位置へ至る。
【0046】
1群用カム溝17C1は、この2群用カム溝17C2の使用領域17C2aを光軸方向で挟むように形成されている。1群用カム溝17C1の導入部17C1bは、カム環17の後端側から、2群用カム溝17C2のズーム撮影領域に沿って概ね線形の形状で前方に傾斜しつつ周方向へ進む。2群用カム溝17C2の使用領域17C2aよりも光軸後方に位置していた導入部17C1bは、周方向で2群用カム溝17C2の終端部(収納位置)付近まで進むと、該2群用カム溝17C2の終端部を囲むようにコ字状の屈曲部17C1dが形成され、1群用カム溝17C1は2群用カム溝17C2と交差することなく該2群用カム溝17C2よりも光軸前方側の位置に移行する。つまり、導入部17C1bは、2群用カム溝17C2に対して周方向に重ならない位置で、光軸方向へ向けて該2群用カム溝17C2を跨いで形成されている。1群用カム溝17C1では、この屈曲部17C1dに続いて収納位置が形成され、さらにズーム撮影領域が形成されている。この収納位置とズーム撮影領域からなる1群用カム溝17C1の使用領域17C1aは、2群用カム溝17C2の使用領域17C2aよりも前方の位置で、所定の軌跡で周方向へ進んでいる。1群用カム溝17C1のワイド位置より先には、ズームレンズ鏡筒の使用状態では用いないカム溝終端部17C1cが形成されている。このカム溝終端部17C1cが、2群用カム溝17C2のフォロアピン挿脱口17C2xと周方向位置が同一であることは先に述べた通りである。
【0047】
つまり、1群用カム溝17C1は、ズーム撮影領域を含む使用領域17C1aが2群用カム溝17C2の使用領域17C2aよりも光軸方向の前方に形成される一方、フォロアピン挿脱口17C1xを含む導入部17C1bの大部分は、光軸方向において2群用カム溝17C2の使用領域17C2bよりも後方に形成されている。この2群用カム溝17C2の使用領域17C2bの前後に位置する使用領域17C1aと導入部17C1bは互いに、該導入部17C1bの一部として形成された屈曲部17C1dによって、2群用カム溝17C2とは交差しないように接続されている。
【0048】
さらに、2群用カム溝17C2には、フォロアピン挿脱口17C2xからワイド位置の手前までにおける導入部17C2bの途中に、ズーム撮影領域よりも径方向に浅い抜止領域17C2cが形成されている。少なくとも2群用カム溝17C2のズーム撮影領域にフォロアピン23dが嵌合しているとき、フォロアピン23dは、該カム溝17C2に対して遊びなく嵌合するように径方向外方に向けて一定の力が加わっている。このような力は、フォロアピン23dを支持する弾性舌片23bが、フォロアピン23dがズーム撮影領域に嵌合しているときは径方向内方に弾性変形されるようにすることで付与できる。そして、フォロアピン23dがズーム撮影領域よりも浅い抜止領域17C2cを通るときには、この弾性舌片23dの径方向内方への弾性変形量が多くなるため、フォロアピン23dと2群用カム溝17C2の間の摺動抵抗が大きくなる。したがって、2群用カム溝17C2内においてカム溝抜止領域17C2cよりも内方(終端側)にフォロアピン23dが位置するときには、フォロアピン挿脱口17C2x側へフォロアピン23dが不用意に移動しないように、抜止領域17C2cによって規制される。
【0049】
第1レンズ枠22と第2レンズ枠23をカム環17に対して組み付ける作業は、以下のように行う。まず、上述の直進案内リング19とリテーナリング20を用いて、直進案内環16とカム環17を相対回転は可能で、光軸方向には相対移動しないように結合させておく。そして、1群用カム溝17C1のフォロアピン挿脱口17C1xと直進案内貫通溝16cとが重なるように直進案内環16とカム環17の回転位相を合わせ、この重なって位置するフォロアピン挿脱口17C1x及び直進案内貫通溝16cに対してフォロアピン22d及び角突起22c(直進案内突起)が一致するように位置を合わせてから、第1レンズ枠22を直進案内環16とカム環17の後端側から押し込む。すると、1群用カム溝17C1にに対してフォロアピン22dが進入して、導入部17C1bにおけるP1位置(図19)まで移動する。同時に、直進案内貫通溝16cには、角突起22cが嵌合して第1レンズ枠22は直進案内される。続いて、フォロアピン22dが屈曲部17C1dのP2位置に達するまで直進案内環16とカム環17とを相対的に回転させる。第1レンズ枠22は直進案内貫通溝16cに直進案内されているため、直進案内環16とカム環17との回転位相が変化すると、第1レンズ枠22は光軸方向位置を変化させながら1群用カム溝17C1に沿って移動する。フォロアピン22dがP2位置まで達すると、再び第1レンズ枠22を前方へ押し込み、フォロアピン22dをP3位置まで移動させる。続いて、フォロアピン22dがカム溝終端部17C1cのP4位置まで移動されるように、直進案内環16とカム環17とを相対的に回転させる。このときの直進案内環16とカム環17の相対回転方向は、フォロアピン22dをP1位置からP2位置へ移動させるときとは反対方向になる。
【0050】
続いて、第2レンズ枠23のフォロアピン23dを2群用カム溝17C2のフォロアピン挿脱口17C2xから進入させる。第1レンズ枠22の角突起22cと第2レンズ枠23の角突起23cはそれぞれ、共通の直進案内貫通溝16cによって直進案内されるが、第1レンズ枠22のフォロアピン22dがカム溝17C1のカム溝終端部17C1c(P4位置)に位置するときには、直進案内環16とカム環17の回転位相は、直進案内貫通溝16cが2群用カム溝17C2のフォロアピン挿脱口17C2xと重なるようになっている。換言すれば、1群用カム溝17C1のカム溝終端部17C1cと2群用カム溝17C2のフォロアピン挿脱口17C2xとは周方向の同一位置にある。よって、第1レンズ枠22のフォロアピン22dをカム溝17C1の終端部まで移動させた状態において、そのまま第2レンズ枠23のフォロアピン23dをカム溝17C2内に嵌めることができる。フォロアピン23dがP5位置に達するまで第2レンズ枠23を前方へ押し込み、続いて、フォロアピン23dが2群用カム溝17C2の終端部まで移動されるようにカム環17と直進案内環16を相対的に回転させる。このとき、第2レンズ枠23は角突起23cで直進案内環16の直進案内貫通溝16cに直進案内されるため、直進案内環16とカム環17の回転位相が変化すると、第2レンズ枠23は光軸方向位置を変化させながら2群用カム溝17C2に沿って移動する。フォロアピン23dが、2群用カム溝17C2の終端部に達するまで直進案内環16とカム環17が相対回転されると、両レンズ枠のフォロアピン22dと23dがそれぞれのカム溝内での収納位置に位置され、第1レンズ枠22と第2レンズ枠23が鏡筒収納用の光軸方向位置で保持される。
【0051】
分解作業は以上と逆の手順で行い、まず2群用カム溝17C2内におけるP5位置までフォロアピン23dを移動させてから第2レンズ枠23を後方へ抜き取り、続いて、フォロアピン22dを1群用カム溝17C1内におけるP1位置までフォロアピン22dを移動させてから第1レンズ枠22を後方へ抜き取る。
【0052】
上述のように、2群用カム溝17C2では、フォロアピン挿脱口17C2xの直後(光軸前方側)に抜止領域17C2cが形成されているため、嵌合後においてフォロアピン23dが2群用カム溝17C2から不用意に脱落しないようになっている。フォロアピン23dがカム溝17C2から脱落しなければ、カム環17及び直進案内環16からの第2レンズ枠23の脱落が防止される。第2レンズ枠23が脱落しなければ、該第2レンズ枠23より前方に位置して直進案内貫通溝16を共用している第1レンズ枠22も、カム環17及び直進案内環16から脱落されずに保持される。分解時には、フォロアピン23dが抜止領域17C2cに達したときに、弾性舌片23bを若干多く弾性変形させてからフォロアピン23dをフォロアピン挿脱口17C2x側に移動させればよい。つまり、カム環17、直進案内環16、第1レンズ枠22、及び第2レンズ枠23の結合体をレンズブロックと見なした場合に、抜止領域17C2cを形成したことにより該レンズブロックの組立状態を維持させることができ、組立作業性が向上する。
【0053】
以上の説明から明らかなように、本実施形態のズームレンズ鏡筒では、1群用カム溝17C1のカム溝終端部17C1cと、2群用カム溝17C2のフォロアピン17C2xを周方向の同一位置に形成し、第1レンズ枠22のフォロアピン22dがカム溝終端部17C1cまで移動された状態の直進案内環16とカム環17の回転位相で第2レンズ枠23を組込可能としたので、第2レンズ枠23を組み込む際に直進案内環16とカム環17の相対回転位置を調整する必要がなく、組立性が良い。別言すれば、第1レンズ枠22のフォロアピン22dが1群用カム溝17C1の終端部に達したときの、直進案内環16とカム環17の回転位相(フォロアピン挿脱口17C2xと直進案内貫通溝16cの間の可変である相対角度)が、第2レンズ枠23において固定値として決められているフォロアピン23dと角突起23cの相対角度に対応しているので、第2レンズ枠23を組み込むために直進案内環16とカム環17の回転位置を調整しなくて済む。1群用カム溝17C1の形状は、光軸方向において導入部17C1b(フォロアピン挿脱口17C1x)と使用領域17C1a(ズーム使用領域)とが、2群用カム溝17C2の使用領域17C2a(ズーム使用領域)を挟むように位置されているが、この2群用カム溝17C2とは交差しないように導入部17C1bを取り廻して形成しているので、以上のような組み立てが可能となっている。
【0054】
本発明は図示実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では第1レンズ枠22と第2レンズ枠23は、それぞれのフォロアピン22d、23dが角突起22c、23cと周方向の同位置に位置し、角突起22cと23cは互いに共通の直進案内貫通溝16cによって直進案内されるものとした。該構成によれば、直進案内環16における直進案内貫通溝16cの数を少なくできるとともに、直進案内環16において、直進案内用の溝(直進案内貫通溝16c)とは別にフォロアピン22d、23dを挿通させるための貫通逃げ溝を形成する必要がないので、直進案内環16の強度が確保でき、その製造も容易になるという利点がある。但し、第1レンズ枠22を組み付けた状態でそのまま第2レンズ枠23を組み付け可能にして組立性を向上させるという観点からは、第1レンズ枠22と第2レンズ枠23が直進案内溝を共用していなくてもよいし、あるいは各レンズ枠でのフォロアピン22d、23dと直進案内突起(角突起22c、23c)とが、それぞれ周方向に位置を異ならせていてもよい。上述のように、要は、第1のレンズ枠のフォロアピンが1群用カム溝の終端部に達したときの、2群用カム溝のカムフォロア挿脱口と直進案内溝の周方向の位相が、第2のレンズ枠におけるカムフォロアと直進案内突起の相対角度に対応していればよいのである。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、カム環へのレンズ枠の組み付けが容易なズームレンズ鏡筒を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるズームレンズ鏡筒の全体構造を示す分解状態の斜視図である。
【図2】同組立状態の上半断面図である。
【図3】カム環のカム溝の展開図である。
【図4】第1レンズ枠、第2レンズ枠、直進案内環及びカム環の関係を示す分解斜視図である。
【図5】直進案内環の直進案内溝部分の背面図である。
【図6】直進案内環、直進案内リング、リテーナリングの分解状態の拡大分解斜視図である。
【図7】同拡大分解展開図である。
【図8】第2カム環とバリヤ駆動環の撮影状態(テレ端位置)における位置関係を示す展開図である。
【図9】同収納状態における位置関係を示す展開図である。
【図10】ワイド撮影状態における外観筒と第2カム環(第1レンズ群)との位置関係を示す上半断面図である。
【図11】テレ撮影状態における外観筒と第2カム環(第1レンズ群)との位置関係を示す上半断面図である。
【図12】テレ撮影状態における外観筒と第2カム環(第1レンズ群)との位置関係を実線で、ワイド撮影状態におけるそれを鎖線で示す上半断面図である。
【図13】バリヤブロックを背面側からみた分解斜視図である。
【図14】バリヤ押え板を除くバリヤブロックを組立状態で背面側からみた斜視図である。
【図15】バリヤブロックのバリヤ開閉状態を示す正面図である。
【図16】第2カム環の回転付与凹部とバリヤ駆動環の回転伝達突起の関係を示す分解斜視図である。
【図17】外観筒に回転自在に支持されたバリヤ駆動環の一方の回動端(バリア閉位置)での正面図である。
【図18】同バリヤ駆動環の他方の回動端(バリア開位置)での正面図である。
【図19】本発明の特徴部分を説明するための、カム環のカム溝の展開図である。
【符号の説明】
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
10 ハウジング
11 固定環
11a 雄ねじ
11b 雌ヘリコイド
11c 直進案内溝
12 基板
12a CCD
13 回転環
13a 雌ねじ
13b ギヤ
13c 回転伝達突起
14 コード板
15 ブラシ
16 直進案内環
16a 外方フランジ
16b 直進案内突起
16c 直進案内貫通溝
16d バヨネット爪
16e 小径挿入部
16f 小径部
16g 回転規制凹部
16h カムフォロア挿入溝
17 カム環
17a ストッパ突起
17b 雄ヘリコイド
17c 回転伝達溝
17d 導入部
17C1x フォロアピン挿脱口(カムフォロア挿脱口)
17C2x フォロアピン挿脱口(カムフォロア挿脱口)
17C1a 使用領域
17C1b 導入部
17C1c カム溝終端部
17C1d 屈曲部
17C2a 使用領域
17C2b 導入部
17C2c 抜止領域
18 第2カム環
18a 直進ガイド部
18b 進退ガイド溝
18c 回転付与凹部
19 直進案内リング
19a 回転規制凸部
19b 直進案内突起
20 リテーナリング
20a 固定爪
20b カニメ溝
21 圧縮ばね
22 第1レンズ枠
22a 筒状部
22b 弾性舌片
22c 角突起(直進案内突起)
22d フォロアピン(カムフォロア)
22f ねじ
22g フランジ
22h ウェーブワッシャ
23 第2レンズ枠
23a 環状部
23b 弾性舌片
23c 角突起(直進案内突起)
23d フォロアピン(カムフォロア)
23e レンズ筒
23f 固定ねじ
23g フランジ
24 シャッタブロック
25 外観筒(フード筒)
25a 直進ガイド溝
25b ガイドピン
25c ばね掛け突起
26 バリヤ駆動環
26a 回転伝達突起
26b ばね掛け突起
26c 開閉ダボ
26d 遮光筒
27 バリヤブロック
27a 撮影開口
27b 化粧板
27c 27d バリヤ
27e トーションばね
27f バリヤ押え板
27g 共通軸
27h 開閉突起
27i 27j 27k 開閉突起
28 引張ばね
29 固定カバー筒

Claims (14)

  1. 回転駆動されるカム環の内面に形成した、互いに軌跡の異なる少なくとも2種類のカム溝と、この少なくとも2種類のカム溝にそれぞれカムフォロアを嵌合させた第1と第2のレンズ枠と、該第1と第2のレンズ枠を直進案内する直進案内環とを有し、
    第1の軌跡のカム溝は、カム環の回転に応じてカムフォロアを案内して上記第1のレンズ枠をテレ位置とワイド位置の間で光軸方向に移動させるズーム撮影領域と、カム環の端面に連通するカムフォロア挿脱口からズーム撮影領域までカムフォロアを導く導入部と、この導入部とはズーム撮影領域を挟んで位置され、ズームレンズ鏡筒の使用状態ではカムフォロアが通らないカム溝終端部とを有し、第2の軌跡のカム溝は、カム環の回転に応じてカムフォロアを案内して上記第2のレンズ枠をテレ位置とワイド位置の間で光軸方向に移動させるズーム撮影領域と、カム環の端面に連通するカムフォロア挿脱口からズーム撮影領域までカムフォロアを導く導入部とを有し、
    第1の軌跡のカム溝のカム溝終端部と、第2の軌跡のカム溝のカムフォロア挿脱口とは周方向の同一位置にあり、
    組み立ての際には、第1のレンズ枠のカムフォロアを第1の軌跡のカム溝のカムフォロア挿脱口から上記導入部に進入させ、該カムフォロアがカム溝終端部まで移動されるように上記直進案内環とカム環とを相対回転させた後、第2のレンズ枠のカムフォロアを第2の軌跡のカム溝のカムフォロア挿脱口から上記導入部内へ進入させることを特徴とするズームレンズ鏡筒。
  2. 請求項1記載のズームレンズ鏡筒において、
    上記直進案内環は上記カム環の内側に位置し、光軸と平行な直進案内貫通溝を有し、
    上記第1と第2のレンズ枠はそれぞれ、該直進案内貫通溝に互いの光軸方向位置を異ならせた共用状態で嵌合する直進案内突起を有し、
    この直進案内突起は上記カムフォロアと周方向の同一位置に設けられており、該カムフォロアは上記直進案内貫通溝を貫通して上記第1と第2の軌跡のカム溝に嵌合しているズームレンズ鏡筒。
  3. 請求項1または2記載のズームレンズ鏡筒において、
    上記第2の軌跡のカム溝は、上記ズーム撮影領域より先のカム溝終端部に撮影を行わない収納位置用の領域を有し、
    上記第1の軌跡のカム溝は、上記導入部とズーム撮影領域の間に、この第2の軌跡のカム溝の収納位置用の領域と周方向の同一位置で、収納位置用の領域を有しているズームレンズ鏡筒。
  4. 請求項1から3いずれか1項記載のズームレンズ鏡筒において、上記第2の軌跡のカム溝の導入部の途中には、ズーム撮影領域よりも径方向に浅いカムフォロア抜止領域が形成され、
    該第2のカム溝に第2のレンズ枠のカムフォロアが嵌合した状態では、このカムフォロア抜止領域によって、カムフォロア挿脱口側への該カムフォロアの移動が規制されるズームレンズ鏡筒。
  5. 回転駆動されるカム環の内面に形成した、互いに軌跡の異なる少なくとも2種類のカム溝と、この少なくとも2種類のカム溝にそれぞれカムフォロアを嵌合させた第1と第2のレンズ枠と、上記カム環の内側に位置する直進案内環に形成され、該第1と第2のレンズ枠から径方向外方に突出された直進案内突起が移動可能に嵌まる光軸と平行な直進案内溝とを有し、
    第1の軌跡のカム溝は、カム環の回転に応じてカムフォロアを案内して上記第1のレンズ枠をテレ位置とワイド位置の間で光軸方向に移動させるズーム撮影領域と、カム環の端面に連通するカムフォロア挿脱口からズーム撮影領域までカムフォロアを導く導入部と、この導入部とはズーム撮影領域を挟んで位置され、ズームレンズ鏡筒の使用状態ではカムフォロアが通らないカム溝終端部とを有し、第2の軌跡のカム溝は、カム環の回転に応じてカムフォロアを案内して上記第2のレンズ枠をテレ位置とワイド位置の間で光軸方向に移動させるズーム撮影領域と、カム環の端面に連通するカムフォロア挿脱口からズーム撮影領域までカムフォロアを導く導入部を有し、
    第1のレンズ枠のカムフォロアが第1の軌跡のカム溝のカム溝終端部に位置するときに、周方向において第2の軌跡のカム溝のカムフォロア挿脱口と直進案内環の直進案内溝がそれぞれ、第2のレンズ枠のカムフォロアと直進案内突起に対応して位置されることを特徴とするズームレンズ鏡筒。
  6. 請求項5記載のズームレンズ鏡筒において、上記第1の軌跡のカム溝のカム溝終端部と、上記第2の軌跡のカム溝のカムフォロア挿脱口は、周方向の同一位置にあるズームレンズ鏡筒。
  7. 請求項5または6記載のズームレンズ鏡筒において、
    上記直進案内溝は、直進案内環を径方向に貫通する直進案内貫通溝であり、
    上記第1と第2のレンズ枠の直進案内突起は、該直進案内貫通溝に互いの光軸方向位置を異ならせた共用状態で嵌合し、
    この直進案内突起は上記カムフォロアと周方向の同一位置に設けられており、該カムフォロアは上記直進案内貫通溝を貫通して上記第1と第2の軌跡のカム溝に嵌合しているズームレンズ鏡筒。
  8. 請求項5から7いずれか1項記載のズームレンズ鏡筒において
    上記第2の軌跡のカム溝は、上記ズーム撮影領域より先のカム溝終端部に撮影を行わない収納位置用の領域を有し、
    上記第1の軌跡のカム溝は、上記導入部とズーム撮影領域の間に、この第2の軌跡のカム溝の収納位置用の領域と周方向の同一位置で、収納位置用の領域を有しているズームレンズ鏡筒。
  9. 請求項5から8いずれか1項記載のズームレンズ鏡筒において、上記第2の軌跡のカム溝の導入部の途中には、ズーム撮影領域よりも径方向に浅いカムフォロア抜止領域が形成され、
    該第2のカム溝に第2のレンズ枠のカムフォロアが嵌合した状態では、このカムフォロア抜止領域によって、カムフォロア挿脱口側への該カムフォロアの移動が規制されるズームレンズ鏡筒。
  10. 回転駆動されるカム環の内面に形成した、互いに軌跡の異なる少なくとも2種類のカム溝と、この少なくとも2種類のカム溝にそれぞれカムフォロアを嵌合させた第1と第2のレンズ枠と、該第1と第2のレンズ枠を直進案内する直進案内環とを有し、
    第1と第2の軌跡のカム溝はそれぞれ、カム環の回転に応じてカムフォロアを案内して上記第1と第2のレンズ枠をテレ位置とワイド位置の間で光軸方向に移動させるズーム撮影領域と、カム環の端面に連通するカムフォロア挿脱口からズーム撮影領域までカムフォロアを導く導入部とを有し、
    第1の軌跡のカム溝のカムフォロア挿脱口とズーム撮影領域とは、光軸方向において、上記第2の軌跡のカム溝のズーム撮影領域を挟んで位置されており、
    この第1の軌跡のカム溝の導入部は、周方向において第2の軌跡のカム溝と重ならない位置で、光軸方向へ向けて該第2の軌跡のカム溝を跨いで形成されていることを特徴とするズームレンズ鏡筒。
  11. 請求項10記載のズームレンズ鏡筒において、
    上記第1の軌跡のカム溝は、ズーム撮影領域の先に、ズームレンズ鏡筒の使用状態ではカムフォロアが通らないカム溝終端部を有し、
    この第1の軌跡のカム溝のカム溝終端部と、第2の軌跡のカム溝のカムフォロア挿脱口とは周方向の同一位置にあり、
    組み立ての際には、第1のレンズ枠のカムフォロアを第1の軌跡のカム溝のカムフォロア挿脱口から上記導入部に進入させ、該カムフォロアが該第1の軌跡のカム溝のカム溝終端部まで移動されるように上記直進案内環とカム環とを相対回転させた後、第2のレンズ枠のカムフォロアを第2の軌跡のカム溝のカムフォロア挿脱口から上記導入部内へ進入させるズームレンズ鏡筒。
  12. 請求項11記載のズームレンズ鏡筒において、
    上記直進案内環は上記カム環の内側に位置し、光軸と平行な直進案内貫通溝を有し、
    上記第1と第2のレンズ枠はそれぞれ、該直進案内貫通溝に互いの光軸方向位置を異ならせた共用状態で嵌合する直進案内突起を有し、
    この直進案内突起は上記カムフォロアと周方向の同一位置に設けられており、該カムフォロアは上記直進案内貫通溝を貫通して上記第1と第2の軌跡のカム溝に嵌合しているズームレンズ鏡筒。
  13. 請求項10から12いずれか1項記載のズームレンズ鏡筒において、
    上記第2の軌跡のカム溝は、上記ズーム撮影領域より先のカム溝終端部に撮影を行わない収納位置用の領域を有し、
    上記第1の軌跡のカム溝は、上記導入部とズーム撮影領域の間に、この第2の軌跡のカム溝の収納位置用の領域と周方向の同一位置で、収納位置用の領域を有しているズームレンズ鏡筒。
  14. 請求項10から13いずれか1項記載のズームレンズ鏡筒において、
    上記第2の軌跡のカム溝は、上記ズーム撮影領域より先のカム溝終端部に撮影を行わない収納位置用の領域を有し、
    上記第1の軌跡のカム溝は、上記導入部とズーム撮影領域の間に、この第2の軌跡のカム溝の収納位置用の領域と周方向の同一位置で、収納位置用の領域を有しているズームレンズ鏡筒。
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