JP3629230B2 - 相対回動レンズ保持環の偏心防止装置 - Google Patents

相対回動レンズ保持環の偏心防止装置 Download PDF

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【0001】
【技術分野】
本発明は、相対回動する一対のレンズ保持環の偏心防止装置に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
ズームレンズ系において、高ズーム比と小型化は、二律背反的要求であった。例えば、小型にできる2群ズームレンズ系において、ズーム比を大きくするべく構成レンズ群の移動軌跡を定める(移動軌跡の解を求める)と、テレ側でのレンズ群の干渉、あるいはワイド側での像面との干渉が生じる。一方、3群ズームレンズ系では、2群ズームレンズ系よりズーム比を大きくできるが、小型化が困難である。また、さらなる高ズーム比を得るべく構成レンズ群のパワーを定めると、機構上、精度が出ない。
【0003】
本出願人は、以上の二律背反的要求を満足する、高ズーム比でありながら小型化できるズームレンズ系として、従来の常識を破るズームレンズ系を提案した(特願平11‐79572号)。このズームレンズ系は、焦点距離を変化させる可動の複数の変倍レンズ群を有すること;少なくとも一つの変倍レンズ群は、2つのサブ群を有し、その一方のサブ群が、他方のサブ群との関係において光軸方向の両移動端のいずれか一方に選択して位置する可動サブ群である切替群であること;短焦点距離端から中間焦点距離に至る短焦点距離側ズーミング域と、中間焦点距離から長焦点距離端に至る長焦点距離側ズーミング域とで、切替群中の可動サブ群は互いに異なるいずれか一方の移動端に位置すること;及び切替群と他の変倍レンズ群のズーミング基礎軌跡は、上記中間焦点距離において不連続であり、可動サブ群の位置に応じ、所定の像面に結像するように定められていること;に特徴がある。
【0004】
例えば、以上のような切替群を有するズームレンズ系の切替群枠には、2つのサブ群をそれぞれ支持した一対のレンズ保持環を接離移動可能に支持する機構が不可欠であるが、その接離位置のそれぞれにおいて、一対のレンズ保持枠の偏心を防止し同心性(光軸の一致)を確保することが好ましい。なお、以上のズームレンズ系では、切替群における接近位置と離隔位置の中間では撮影を行わないため、該中間位置(切替動作中)では一対のレンズ保持枠間の偏心は実質的に問題にならない。
【0005】
【発明の目的】
本発明は従って、接近位置と離隔位置とでそれぞれ光学的に機能する第1、第2のレンズ群をそれぞれ支持する第1レンズ保持環と第2レンズ保持環とを有するレンズ鏡筒において、第1、第2のレンズ群の接近位置と離隔位置とでそれぞれ、同心性を確保できる装置を得ることを目的とする。
【0006】
【発明の概要】
本発明による偏心防止装置は、接近位置と離隔位置とでそれぞれ光学的に機能する第1、第2のレンズ群をそれぞれ支持する第1レンズ保持環と第2レンズ保持環;この第1レンズ保持環と第2レンズ保持環とを相対回動及び直進移動可能に支持した支持筒;及びこの第1レンズ保持環と第2レンズ保持環の対向端面の一方と他方に設けられた、接近位置と離隔位置とで互いに係合して光軸方向の相対位置を定める位置決め凹部とフォロア突起;を備え、この位置決め凹部とフォロア突起は、円周方向に少なくとも3個分散配置され、全てが同時に係合することで、第1レンズ保持環と第2レンズ保持環の偏心を除去することを特徴としている。
【0007】
具体的には、位置決め凹部は、第1レンズ保持環と第2レンズ保持環の接近位置と離隔位置に対応する2種類を備え、フォロア突起は、この2種類の位置決め凹部に選択的に係合するように構成することができる。より具体的には、この2種類の位置決め凹部は、フォロア突起と係合して、第1レンズ保持環と第2レンズ保持環の相対回転により両レンズ保持環を接離させるカム面の両端部に形成することができる。また、位置決め凹部とフォロア突起のそれぞれは、円周方向に等間隔で配置されていることが好ましい。
【0008】
このフォロア突起は、第1、第2のレンズ保持環の相対回動で位置決め凹部との係脱ができるように、滑らかな円弧面形状、例えば円弧の一部から構成するのがよい。位置決め凹部は、このフォロア突起の形状と対応する形状とする。例えばV字状とすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
[本発明レンズ鏡筒が対象とする切替群を有するズームレンズ系の説明]
最初に、本出願人が特願平11‐79572号で提案した切替群を有するズームレンズ系の各態様を、図1から図9を参照して説明する。なお、図1ないし図9のIMは、フィルム面などの像面を示しており、この像面IMは移動しない。
図1は、切替群によるズームレンズ系の第1の態様を示している。このズームレンズ系は、物体側から順に、全体として正のパワーの第1変倍レンズ群10と、全体として負のパワーの第2変倍レンズ群20からなっており、第1変倍レンズ群10は、物体側から順に、負のパワーの第1レンズ群L1(第1サブ群S1)と正のパワーの第2レンズ群L2(第2サブ群S2)とからなり、第2変倍レンズ群20は負のパワーの第3レンズ群L3からなっている。第1変倍レンズ群10中の第2サブ群S2は、第1群枠11に固定されており、第1サブ群S1の可動サブ群枠12は、第1群枠11に形成したガイド溝13内で光軸方向に一定距離移動可能である。第1サブ群S1は、可動サブ群枠12がガイド溝13の前端部に当接する物体側の移動端と、後端部に当接する像面側の移動端との2位置を択一してとる。第3レンズ群L3は、第2群枠21に固定されている。
【0010】
このズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)との移動、及びガイド溝13内での第1群枠12(第1サブ群S1)の移動を伴って、次のように設定されている。ズーミングに際し、絞りDは、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と一緒に移動する。
【0011】
A;短焦点距離端fwから中間焦点距離fmまでの短焦点距離側ズーミング域Zwでは、第1サブ群S1は第2サブ群S2に対して離間した間隔(第1の間隔、広間隔)d1を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0012】
B;中間焦点距離fmにおいて、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、短焦点距離側ズーミング域Zw内の長焦点側端部における位置よりも像面側に移動する。また、第1サブ群S1は、第1群枠11のガイド溝13内で像面側の移動端に達し、第2サブ群S2に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d2をとる。
【0013】
C;中間焦点距離fmから長焦点距離端ftまでの長焦点距離側ズーミング域Ztでは、第1サブ群S1は、第2サブ群S2に対して接近した間隔(第2の間隔)d2を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、中間焦点距離fmでの像面側への移動後の位置を基準にして、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0014】
図は、簡易的なもので、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)のズーミング基礎軌跡を直線で描いているが、実際には直線であるとは限らない。
【0015】
フォーカシングは、全ての可変焦点距離域において、第1サブ群S1と第2サブ群S2を一体に移動させて(つまり第1変倍レンズ群10(第1群枠11)を移動させて)行う。
【0016】
図2は、切替群を有するズームレンズ系の第2の態様を示している。このズームレンズ系は、物体側から順に、正のパワーの第1変倍レンズ群10、全体として正のパワーの第2変倍レンズ群20、負のパワーの第3変倍レンズ群30からなっている。第1変倍レンズ群10は正のパワーの第1レンズ群L1からなり、第2変倍レンズ群20は、物体側から順に、負のパワーの第2レンズ群L2(第1サブ群S1)と正のパワーの第3レンズ群L3(第2サブ群S2)とからなり、第3変倍レンズ群30は負のパワーの第4レンズ群L4からなっている。第1レンズ群L1は、第1変倍レンズ群枠11に固定されている。第2変倍レンズ群20中の第2サブ群S2は、第2群枠21に固定されており、第1サブ群S1の可動サブ群枠22は、第2群枠21に形成したガイド溝23内で光軸方向に一定距離移動可能である。第1サブ群S1は、可動サブ群枠22がガイド溝23の前端部に当接する物体側の移動端と、後端部に当接する像面側の移動端との2位置を択一してとる。第4レンズ群L4は、第3群枠31に固定されている。
【0017】
この第2の態様のズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)、第2変倍レンズ群20(第2群枠21)及び第3変倍レンズ群30(第3群枠31)の移動、及びガイド溝23内での第2群枠22(第1サブ群S1)の移動を伴って、次のように設定されている。ズーミングに際し、絞りDは、第2変倍レンズ群20(第2群枠21)と一緒に移動する。
【0018】
A;短焦点距離端fwから中間焦点距離fmまでの短焦点距離側ズーミング域Zwでは、第1サブ群S1は第2サブ群S2に対して離間した間隔(第1の間隔、広間隔)d1を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)、第2変倍レンズ群20(第2群枠21)、及び第3変倍レンズ群30(第3群枠31)は、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0019】
B;中間焦点距離fmにおいて、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)、第2変倍レンズ群20(第2群枠21)、及び第3変倍レンズ群30(第3群枠31)は、短焦点距離側ズーミング域Zw内の長焦点側端部における位置よりも像面側に移動する。また、第1サブ群S1は、第2群枠21のガイド溝23内で像面側の移動端に達し、第2サブ群S2に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d2をとる。
【0020】
C;中間焦点距離fmから長焦点距離端ftまでの長焦点距離側ズーミング域Ztでは、第1サブ群S1は、第2サブ群S2に対して接近した間隔(第2の間隔)d2を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)、第2変倍レンズ群20(第2群枠21)、及び第3変倍レンズ群30(第3群枠31)は、中間焦点距離fmでの像面側への移動後の位置を基準にして、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0021】
図は、簡易的なもので、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)、第2変倍レンズ群20(第2群枠21)及び第3変倍レンズ群30(第3群枠31)のズーミング基礎軌跡を直線で描いているが、実際には直線であるとは限らない。
【0022】
フォーカシングは、全ての可変焦点距離域において、第1サブ群S1と第2サブ群S2を一体に移動させて(つまり第2変倍レンズ群20(第2群枠21)を移動させて)行う。
【0023】
以上のズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1の態様と同じく、中間焦点距離fmにおいて不連続であるが、短焦点距離端fw、中間焦点距離fm(不連続点)及び長焦点距離端ftでの第1レンズ群L1、第1サブ群S1(第2レンズ群L2)、第2サブ群S2(第3レンズ群L3)及び第4レンズ群L4の位置を適当に定めることにより、常時正しく像面に結像するような解が存在する。そして、このようなズーミング基礎軌跡によると、高ズーム比でありながら小型のズームレンズ系が得られる。
【0024】
図3は、切替群を有するズームレンズ系の第3の態様を示している。この態様は、第2の態様における最も物体側の正レンズ群L1を負レンズ群L1に代えたもので、他は第2の態様と同様である。
【0025】
図4は、切替群を有するズームレンズ系の第4の態様を示している。このズームレンズ系は、物体側から順に、全体として正のパワーの第1変倍レンズ群10と、全体として負のパワーの第2変倍レンズ群20からなっており、第1変倍レンズ群10は、物体側から順に、負のパワーの第1レンズ群L1(第1サブ群S1)と正のパワーの第2レンズ群L2(第2サブ群S2)とからなり、第2変倍レンズ群20は、物体側から順に、正のパワーの第3レンズ群L3(第3サブ群S3)と負のパワーの第4レンズ群L4(第4サブ群S4)とから構成されている。
【0026】
第1変倍レンズ群10中の第2サブ群S2は、第1群枠11に固定されており、第1サブ群S1を支持した可動サブ群枠12は、第1群枠11に形成したガイド溝13内で光軸方向に一定距離移動可能である。第1サブ群S1は、可動サブ群枠12がガイド溝13の前端部に当接する物体側の移動端と、後端部に当接する像面側の移動端との2位置を択一してとる。同様に、第2変倍レンズ群20中の第4サブ群S4は、第2群枠21に固定されており、第3サブ群S3を支持した可動サブ群枠22は、第2群枠21に形成したガイド溝23内で光軸方向に一定距離移動可能である。第3サブ群S3は、可動サブ群枠22がガイド溝23の前端部に当接する物体側の移動端と、後端部に当接する像面側の移動端との2位置を択一してとる。
【0027】
このズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)との移動、及びガイド溝13と23内での第1群枠11(第1サブ群S1)と第2群枠21(第3サブ群S3)の移動を伴って、次のように設定されている。ズーミングに際し、絞りDは、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と一緒に移動する。
【0028】
A;短焦点距離端fwから中間焦点距離fmまでの短焦点距離側ズーミング域Zwでは、第1サブ群S1は第2サブ群S2に対して離間した間隔(第1の間隔、広間隔)d1を保持し、第3サブ群S3は第4サブ群S4に対して離間した間隔(第1の間隔、広間隔)d3をとる。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0029】
B;中間焦点距離fmにおいて、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、短焦点距離側ズーミング域Zw内の長焦点側端部における位置よりも像面側に移動する。また、第1サブ群S1は、第1群枠11のガイド溝13内で像面側の移動端に達し、第2サブ群S2に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d2をとり、第3サブ群S3は第4サブ群S4に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d4をとる。
【0030】
C;中間焦点距離fmから長焦点距離端ftまでの長焦点距離側ズーミング域Ztでは、第1サブ群S1は、第2サブ群S2に対して接近した間隔(狭間隔)d2を保持し、第3サブ群S3は第4サブ群S4に対して接近した間隔(狭間隔)d4を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、中間焦点距離fmでの像面側への移動後の位置を基準にして、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0031】
図では、便宜上、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)のズーミング基礎軌跡を直線で描いているが、実際には直線であるとは限らない。
【0032】
フォーカシングは、全ての可変焦点距離域において、第1サブ群S1と第2サブ群S2を一体に移動させて(つまり第1変倍レンズ群10(第1群枠11)を移動させて)行う。
【0033】
以上のズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1ないし第3の態様と同じく、中間焦点距離fmにおいて不連続であるが、短焦点距離端fw、中間焦点距離fm(不連続点)及び長焦点距離端ftでの第1サブ群S1(第1レンズ群L1)、第2サブ群S2(第2レンズ群L2)、第3サブ群S3(第3レンズ群L3)及び第4サブ群S4(第4レンズ群L4)の位置を適当に定めることにより、常時正しく像面に結像するような解が存在する。そして、このようなズーミング基礎軌跡によると、高ズーム比でありながら小型のズームレンズ系が得られる。
【0034】
図5は、切替群を有するズームレンズ系の第5の態様を示している。このズームレンズ系は、物体側から順に、全体として正のパワーの第1変倍レンズ群10と、全体として負のパワーの第2変倍レンズ群20からなっており、第1変倍レンズ群10は、物体側から順に、負のパワーの第1レンズ群L1(第1サブ群S1)と正のパワーの第2レンズ群L2(第2サブ群S2)とからなり、第2変倍レンズ群20は、物体側から順に、正のパワーの第3レンズ群L3(第3サブ群S3)と負のパワーの第4レンズ群L4(第4サブ群S4)とから構成されている。
【0035】
第1変倍レンズ群10中の第2サブ群S2は、第1群枠11に固定されており、第1サブ群S1を支持した可動サブ群枠12は、第1群枠11に形成したガイド溝13内で光軸方向に一定距離移動可能である。第1サブ群S1は、可動サブ群枠12がガイド溝13の前端部に当接する物体側の移動端と、後端部に当接する像面側の移動端との2位置を択一してとる。同様に、第2変倍レンズ群20中の第4サブ群S4は、第2群枠21に固定されており、第3サブ群S3を支持した可動サブ群枠22は、第2群枠21に形成したガイド溝23内で光軸方向に一定距離移動可能である。第3サブ群S3は、可動サブ群枠22がガイド溝23の前端部に当接する物体側の移動端と、後端部に当接する像面側の移動端との2位置を択一してとる。
【0036】
このズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)との移動、及びガイド溝13と23内での第1群枠11(第1サブ群S1)と第2群枠21(第3サブ群S3)の移動を伴って、次のように設定されている。ズーミングに際し、絞りDは、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と一緒に移動する。
【0037】
A;短焦点距離端fwから第一の中間焦点距離fm1までの短焦点距離側ズーミング域Zwでは、第1サブ群S1は第2サブ群S2に対して離間した間隔(第1の間隔、広間隔)d1を保持し、第3サブ群S3は第4サブ群S4に対して離間した間隔(第1の間隔、広間隔)d3をとる。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0038】
B;中間焦点距離fm1において、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)及び第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、短焦点距離側ズーミング域Zw内の長焦点側端部における位置よりも像面側に移動する。また、第1サブ群S1は、第1群枠11のガイド溝13内で像面側の移動端に達し、第2サブ群S2に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d2をとる。
【0039】
C;第一の中間焦点距離fm1から第二の中間焦点距離fm2までの中間ズーミング域Zmでは、第1サブ群S1は第2サブ群S2に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d2を保持し、第3サブ群S3は第4サブ群S4に対して離間した間隔(第1の間隔、広間隔)d3を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、第一の中間焦点距離fm1での像面側への移動後の位置を基準にして、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0040】
D;第二の中間焦点距離fm2において、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)及び第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、中間ズーミング域Zm内の長焦点側端部における位置よりも像面側に移動する。また、第3サブ群S3は、第2群枠21のガイド溝23内で像面側の移動端に達し、第4サブ群S4に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d4をとる。
【0041】
E;第二の中間焦点距離fm2から長焦点距離端ftまでの長焦点距離側ズーミング域Ztでは、第1サブ群S1は、第2サブ群S2に対して接近した間隔(狭間隔)d2を保持し、第3サブ群S3は第4サブ群S4に対して接近した間隔(狭間隔)d4を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、第二の中間焦点距離fm2での像面側への移動後の位置を基準にして、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0042】
図は、簡易的なもので、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)のズーミング基礎軌跡を直線で描いているが、実際には直線であるとは限らない。
【0043】
フォーカシングは、全ての可変焦点距離域において、第1サブ群S1と第2サブ群S2を一体に移動させて(つまり第1変倍レンズ群10(第1群枠11)を移動させて)行う。
【0044】
以上のズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1ないし第4の態様と同じく、中間焦点距離fmにおいて不連続であるが、短焦点距離端fw、第一、第二の中間焦点距離fm1、fm2(不連続点)及び長焦点距離端ftでの第1サブ群S1(第1レンズ群L1)、第2サブ群S2(第2レンズ群L2)、第3サブ群S3(第3レンズ群L3)及び第4サブ群S4(第4レンズ群L4)の位置を適当に定めることにより、常時正しく像面に結像するような解が存在する。そして、このようなズーミング基礎軌跡によると、高ズーム比でありながら小型のズームレンズ系が得られる。
【0045】
図6は、切替群を有するズームレンズ系の第6の態様を示している。このズームレンズ系は、物体側から順に、全体として正のパワーの第1変倍レンズ群10と、全体として負のパワーの第2変倍レンズ群20からなっており、第1変倍レンズ群10は、物体側から順に、負のパワーの第1レンズ群L1(第1サブ群S1)と正のパワーの第2レンズ群L2(第2サブ群S2)とからなり、第2変倍レンズ群20は、物体側から順に、正のパワーの第3レンズ群L3(第3サブ群S3)と負のパワーの第4レンズ群L4(第4サブ群S4)とから構成されている。
【0046】
第1変倍レンズ群10中の第2サブ群S2は、第1群枠11に固定されており、第1サブ群S1を支持した可動サブ群枠12は、第1群枠11に形成したガイド溝13内で光軸方向に一定距離移動可能である。第1サブ群S1は、可動サブ群枠12がガイド溝13の前端部に当接する物体側の移動端と、後端部に当接する像面側の移動端との2位置を択一してとる。同様に、第2変倍レンズ群20中の第4サブ群S4は、第2群枠21に固定されており、第3サブ群S3を支持した可動サブ群枠22は、第2群枠21に形成したガイド溝23内で光軸方向に一定距離移動可能である。第3サブ群S3は、可動サブ群枠22がガイド溝23の前端部に当接する物体側の移動端と、後端部に当接する像面側の移動端との2位置を択一してとる。
【0047】
このズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)との移動、及びガイド溝13と23内での第1群枠11(第1サブ群S1)と第2群枠21(第3サブ群S3)の移動を伴って、次のように設定されている。ズーミングに際し、絞りDは、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と一緒に移動する。
【0048】
A;短焦点距離端fwから第一の中間焦点距離fm1までの短焦点距離側ズーミング域Zwでは、第1サブ群S1は第2サブ群S2に対して離間した間隔(第1の間隔、広間隔)d1を保持し、第3サブ群S3は第4サブ群S4に対して離間した間隔(第1の間隔、広間隔)d3をとる。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0049】
B;中間焦点距離fm1において、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)及び第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、短焦点距離側ズーミング域Zw内の長焦点側端部における位置よりも像面側に移動する。また、第3サブ群S3は、第2群枠21のガイド溝23内で像面側の移動端に達し、第4サブ群S4に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d4をとる。
【0050】
C;第一の中間焦点距離fm1から第二の中間焦点距離fm2までの中間ズーミング域Zmでは、第1サブ群S1は第2サブ群S2に対して離隔した間隔(第1の間隔、広間隔)d1を保持し、第3サブ群S3は第4サブ群S4に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d4を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、第一の中間焦点距離fm1での像面側への移動後の位置を基準にして、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0051】
D;第二の中間焦点距離fm2において、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)及び第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、中間ズーミング域Zm内の長焦点側端部における位置よりも像面側に移動する。また、第1サブ群S1は、第1群枠11のガイド溝13内で像面側の移動端に達し、第2サブ群S2に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d2をとる。
【0052】
E;第二の中間焦点距離fm2から長焦点距離端ftまでの長焦点距離側ズーミング域Ztでは、第1サブ群S1は、第2サブ群S2に対して接近した間隔(狭間隔)d2を保持し、第3サブ群S3は第4サブ群S4に対して接近した間隔(狭間隔)d4を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、第二の中間焦点距離fm2での像面側への移動後の位置を基準にして、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0053】
図は、簡易的なもので、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)のズーミング基礎軌跡を直線で描いているが、実際には直線であるとは限らない。
【0054】
フォーカシングは、全ての可変焦点距離域において、第1サブ群S1と第2サブ群S2を一体に移動させて(つまり第1変倍レンズ群10(第1群枠11)を移動させて)行う。
【0055】
以上のズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1ないし第5の態様と同じく、中間焦点距離fmにおいて不連続であるが、短焦点距離端fw、第一、第二の中間焦点距離fm1、fm2(不連続点)及び長焦点距離端ftでの第1サブ群S1(第1レンズ群L1)、第2サブ群S2(第2レンズ群L2)、第3サブ群S3(第3レンズ群L3)及び第4サブ群S4(第4レンズ群L4)の位置を適当に定めることにより、常時正しく像面に結像するような解が存在する。そして、このようなズーミング基礎軌跡によると、高ズーム比でありながら小型のズームレンズ系が得られる。
【0056】
図7は、切替群を有するズームレンズ系の第7の態様を示している。このズームレンズ系は、物体側から順に、全体として正のパワーの第1変倍レンズ群10と、負のパワーの第2変倍レンズ群20からなっている。第1変倍レンズ群10は、物体側から順に、正のパワーの第1レンズL1(第1サブ群S1)、負のパワーの第2レンズ群L2(第2サブ群S2)、及び正のパワーの第3レンズ群L3(第3サブ群S3)からなり、第2変倍レンズ群20は負のパワーの第4レンズ群L4からなっている。第1変倍レンズ群10の第1サブ群S1と第3サブ群S3は、第1群枠11に固定されており、第2サブ群S2を支持する可動サブ群枠12は、第1群枠11に形成したガイド溝13内で光軸方向に一定距離移動可能である。第2サブ群S2は、可動サブ群枠12がガイド溝13の前端部に当接する物体側の移動端と、後端部に当接する像面側の移動端との2位置を択一してとる。第4レンズ群L4は、第2群枠21に固定されている。
【0057】
このズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)との移動、及びガイド溝13内での第1群枠11(第2サブ群S2)の移動を伴って、次のように設定されている。ズーミングに際し、絞りDは、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と一緒に移動する。
【0058】
A;短焦点距離端fwから中間焦点距離fmまでの短焦点距離側ズーミング域Zwでは、第2サブ群S2は第1サブ群S1に対して接近した狭間隔、第3サブ群S3に対して離間した広間隔を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0059】
B;中間焦点距離fmにおいて、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、短焦点距離側ズーミング域Zw内の長焦点側端部における位置よりも像面側に移動する。また、第2サブ群S2は、第1群枠11のガイド溝13内で像面側の移動端に達し、第1サブ群S1に対して離隔した広間隔、第3サブ群S3に対して接近した狭間隔をとる。
【0060】
C;中間焦点距離fmから長焦点距離端ftまでの長焦点距離側ズーミング域Ztでは、第2サブ群S2は、第1サブ群S1に対して離隔した広間隔、第3サブ群S3に対して接近した狭間隔を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、中間焦点距離fmでの像面側への移動後の位置を基準にして、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0061】
図は、簡易的なもので、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)のズーミング基礎軌跡を直線で描いているが、実際には直線であるとは限らない。
【0062】
フォーカシングは、全ての可変焦点距離域において、第1サブ群S1ないし第3サブ群S3を一体に移動させて(つまり第1変倍レンズ群10(第1群枠11)を移動させて)行う。
【0063】
以上のズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1ないし第6の態様と同じく、中間焦点距離fmにおいて不連続であるが、短焦点距離端fw、中間焦点距離fm(不連続点)及び長焦点距離端ftでの第1サブ群S1(第1レンズ群L1)、第2サブ群S2(第2レンズ群L2)、第3サブ群S3(第3レンズ群L3)及び第4レンズ群L4の位置を適当に定めることにより、常時正しく像面に結像するような解が存在する。そして、このようなズーミング基礎軌跡によると、高ズーム比でありながら小型のズームレンズ系が得られる。
【0064】
前述のように、以上の切替群を有するズームレンズ系は、撮影レンズ系とファインダ光学系が別々の光軸を有するカメラの撮影レンズ系として用いるのが実際的である。そして、各レンズ群の撮影時のズーミング時の停止位置は、ズーミング基礎軌跡上において、ステップワイズに定める、つまり複数段の焦点距離ステップとするのがよい。図8、図9は、各レンズ群のズーミング時の停止位置をステップワイズにした場合の例を示している。この例は、図1の第一の態様を例にしたもので、図1の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付している。ズーミング基礎軌跡は、破線で示しており、撮影時の第1群枠11と第2群枠21のズーミング時の停止位置を、破線のズーミング軌跡上に黒丸で示している。また、図9は、図8の黒丸を滑らかな曲線で接続した移動軌跡を実線で描いたもので、実際の機械構成では、第1群枠11と第2群枠21をこのように移動させることができる。
【0065】
以上の各態様では、便宜上、各レンズ群を単レンズとして図示したが、これらは勿論複数のレンズから構成することができる。
【0066】
[切替群を有するズームレンズ鏡筒の全体構造の説明]
以上の各態様において、図1、図8、図9の態様の第1変倍レンズ群10、図2の態様の第2変倍レンズ群20、図3の態様の第2変倍レンズ群20、図4の態様の第1変倍レンズ群10、図5の態様の第1変倍レンズ群10、図6の態様の第1変倍レンズ群10、及び図7の態様の第1変倍レンズ群10(第1レンズL1と第3レンズL3を一体とする)はそれぞれ切替群であり、かつ全焦点距離域においてフォーカスレンズ群として機能する。
【0067】
本発明は、以上の切替群に適応できるレンズ鏡筒を提案するもので、以下、図1、図8、図9の態様の第1変倍レンズ群(切替群)10と第2変倍レンズ群20を有するズームレンズ鏡筒に適用した実施形態を説明する。図10以下に示す実施形態のズームレンズ鏡筒(系)では、切替群10を構成する第1サブ群S1とS2の一方を第1群枠11に固定した図1、図8、図9のズームレンズ系とは異なり、第1サブ群S1とS2は、ともに切替群枠に対して光軸方向に可動である。この態様では、ズーミング動作時に切替群枠に与える移動軌跡と、切替群枠内で第1サブ群S1、第2サブ群S2に与える移動軌跡との合成軌跡を、図1、図8、図9のズーミング基礎軌跡に一致させればよい。また、フォーカシング時には、切替群枠内において第1サブ群S1と第2サブ群S2を一体に光軸方向に移動させる。実際の動作は、操作者によって設定される焦点距離情報と検出される被写体距離情報に応じて、シャッタのレリーズが始まる前までに、切替群枠の動きと、切替群枠内での第1サブ群S1と第2サブ群S2の動きにより、同第1サブ群S1と第2サブ群S2が光軸方向の所定の位置に位置すればよい。
【0068】
図10に示すように、カメラボディ41に固定される固定筒42には、その内周面に雌ヘリコイド43が形成されている。この雌ヘリコイド43には、カム環44の後端部外周に形成された雄ヘリコイド45が螺合している。一方、固定筒42の外側には、ズーミング用モータ46によって回転駆動されるピニオン47が位置しており、このピニオン47に、雄ヘリコイド45の一部を切除し該雄ヘリコイド45のリードと同一の方向に傾斜させてカム環44の外周に形成したギヤ(図示せず)が噛み合っている。従って、ズーミング用モータ46を介してカム環44に正逆の回転運動が与えられると、該カム環44は、雌ヘリコイド43と雄ヘリコイド45に従って光軸方向に進退する。ズーミング用モータ46によるカム環44の回転位置は、例えばコード板とブラシからなる焦点距離検出手段46Cによって検出される。
【0069】
カム環44には、該カム環44と相対回動が可能で光軸方向には一緒に移動する(光軸方向への相対移動ができない)直進案内環48が支持されている。この直進案内環48は、カメラボディ41に光軸方向の直進移動のみ可能にして支持されている。カム環44の内側には、その前方から順に、第1変倍レンズ群10(第1サブ群S1、第2サブ群S2)を有する切替群枠50と、第2変倍レンズ群20を固定した後群レンズ枠49とが位置しており、この切替群枠50と後群レンズ枠49が直進案内環48によって光軸方向に直進案内されている。
【0070】
カム環44の内周面には、切替群枠50と後群レンズ枠49用の有底カム溝44fと44rが形成されている。図11は、この有底カム溝44fと44rの展開形状を示している。有底カム溝44fと44rはそれぞれ周方向に等角度間隔で3組形成されており、切替群枠50と後群レンズ枠49には、これらの有底カム溝44fと44rに嵌まるフォロアピン50pと49pが径方向に突出形成されている。
【0071】
有底カム溝44f、44rはそれぞれ、フォロアピン50p、49pの導入位置44f‐a、44r‐a、ズームレンズ系の収納位置44f‐r、44r‐r、ワイド端位置44f‐w、44r‐w、及びテレ端位置44f‐t、44r‐tを備えている。導入位置44f‐a、44r‐aから収納位置44f‐r、44r‐rへの回転角はθ1、収納位置44f‐r、44r‐rからワイド端位置44f‐w、44r‐wへの回転角はθ2、ワイド端位置44f‐w、44r‐wからテレ端位置44f‐t、44r‐tへの回転角はθ3である。テレ端位置44f‐t、44r‐tを超える回転角θ4は、組立用の回転角である。後群レンズ枠49用のカム溝44rは、図1、図8、図9の態様の第2変倍レンズ群20のズーミング基礎軌跡に対応する中間不連続位置fmを有している。
【0072】
これに対し、第1変倍レンズ群10用のカム溝44fは、ワイド端位置44f‐wからテレ端位置44f‐tまでの間、滑らかに形状が変化していて、見掛け上、不連続位置が存在しない。これは、本実施形態では、図1の中間焦点距離fmを挟む短焦点距離側ズーミング域Zwと長焦点距離側ズーミング域Ztで、サブ群S2の位置が不連続とならないように切替群枠50とサブ群S2を移動させていることによる。図1に模式的に示す接続線CCは、中間焦点距離fmを挟む短焦点距離側ズーミング域Zwと長焦点距離側ズーミング域Ztのズーミング基礎軌跡を接続したもので、カム溝44fの形状は、この接続線CCで接続したズーミング基礎軌跡に対応している。フォロアピン50pがこの接続線CCに対応する区間を移動する間に、サブ群S1は前方移動端から後方移動端に移動する。この接続線CCに対応するカム溝44fの区間は、実際のズーミング域として撮影には用いない(カム環44を停止させない)制御をする。勿論、カム溝44fに、カム溝44rと同様に、不連続部分を設けることも可能である。
【0073】
上記構成のズームレンズ鏡筒は、ズーミング用モータ46を介してピニオン47を正逆に回転駆動すると、カム環44が回転しながら光軸方向に進退し、カム環44内で光軸方向に直進案内されている切替群枠50(第1変倍レンズ群10)と後群レンズ枠49(第2変倍レンズ群20)が、有底カム溝44fと44rに従う所定の軌跡で光軸方向に直進移動する。
【0074】
切替群枠50と後群レンズ枠49とに以上のような動作を与えるズームレンズ鏡筒は周知であり、以上はその一例を示すものである。本実施形態の特徴は、切替群枠50に対する第1サブ群S1と第2サブ群S2の支持構造及びその駆動構造にある。切替群枠50内の具体的構造を図12以下で説明する。
【0075】
切替群枠50内には、前方シャッタ保持環51、後方シャッタ保持環52、前方サブ群枠53、後方サブ群枠54、駆動リング55及びギヤ押え環56が位置している。この前方シャッタ保持環51、後方シャッタ保持環52及びギヤ押え環56は、切替群枠50の一部を構成している。第1サブ群S1は前方サブ群枠(第1レンズ群枠、保持環)53に固定され、第2サブ群S2は後方サブ群枠(第2レンズ群枠、保持環)54に固定されている。前方サブ群枠53、後方サブ群枠54及び駆動リング55は、前方サブ群枠53と後方サブ群枠54(第1サブ群S1と第2サブ群S2)の接離切替動作とフォーカシング動作を行うための可動部材であり、前方シャッタ保持枠51の中心開口51p内に嵌まっている。そのうちの駆動リング55は、後方シャッタ保持環52のスラスト面52a(図13、図15、図16)により後端位置を規制され、前方と後方のシャッタ保持環51、52の間に回動自在に支持されている。この駆動リング55は、その正逆回転により、第1サブ群S1と第2サブ群S2の接離切替動作とフォーカシング動作を行う駆動部材である。前方シャッタ保持環51の前方にはギヤ押え環56が固定されており、後方シャッタ保持環52は、レンズシャッタ57及び絞り機構58(図12、図15、図16)を支持している。
【0076】
前方サブ群枠53は、筒状をしていて、その直径方向の外方二カ所に、直進案内リブ53aを備えている。この直進案内リブ53aに穿設したガイド穴53bには、直進案内ロッド59が緩い嵌合で挿入(遊嵌)され、該直進案内ロッド59の後端部はギヤ押え環56の底部の固定穴56qに固定され、前端部は、固定ブラケット60及び固定ねじ61を介して、ギヤ押え環56の先端面に固定されている。直進案内ロッド59の外周には、固定ブラケット60と直進案内リブ53aの間に位置して、前方サブ群枠53を後方サブ群枠54側に向けて移動付勢する圧縮コイルばね62が嵌まっており、ギヤ押え環56には、直進案内ロッド59と圧縮コイルばね62を収納する断面U字状の凹部56rが形成されている(図25ないし図27参照)。この収納凹部56rは、前方シャッタ保持環51の中心開口51pに連通している。前方サブ群枠53は、その回転方向を180゜反転した2つの位置で、その直進案内リブ53aを前方シャッタ保持環51の直進案内ロッド59に係合させて組み立てることができる。
【0077】
前方サブ群枠53には、その後端面を開放した端面カムの態様で、円周方向に等角度間隔で4組の接離リード面(接離カム面)53cが形成されており、この接離リード面53cの開放端部の外側を覆うように、環状遮光補強リブ53dが形成されている。図23は、接離リード面53cの拡大展開図であり、円周方向に対して傾斜角度αで傾斜した直線状をなし、その両端部に、この接離リード面53cを浅いV字状に深くしたフォロア安定凹部53e、53fが形成されている。フォロア安定凹部53eは、前方サブ群枠53と後方サブ群枠54(第1サブ群S1と第2サブ群S2)のワイド側離隔位置を規制し、フォロア安定凹部53fは同テレ側接近位置を規制する。
【0078】
後方サブ群枠54には、その外周面に、前方サブ群枠53の4組の接離リード面53cに対応させて、4組のフォロア突起54aが形成されている。このフォロア突起54aは、前方サブ群枠53の接離リード面53cに対応する傾斜面54bの最も接離リード面53c側に位置する部分の先端に設けられている。このフォロア突起54aの先端は、左右対称な略半円状をなしており、フォロア安定凹部53e、53fは、このフォロア突起54aの先端部形状に対応している。後方サブ群枠54には、このフォロア突起54aと傾斜面54bの内側に位置させて環状遮光補強リブ54cが形成されている。この前方サブ群枠53に形成した接離リード面53cと後方サブ群枠54に形成したフォロア突起54aが、該レンズ群枠53、54を接離させる接離カム機構を構成する。前方サブ群枠53の4組の接離リード面53cと後方サブ群枠54の4個のフォロア突起54aとは、前述のように等角度間隔で形成されており、180゜毎の異なる相対回転位置で係合できる。また、この接離リード面53cとフォロア突起54aの数(N、実施例では4)は、前方サブ群枠53の直進案内リブ53aと前方シャッタ保持環51の直進案内ロッド59の数(M、実施例では2)は、MはNの倍数で、NはMの約数の関係がある。この関係により、回転方向の選択組立性が得られ、例えば最も好ましい光学性能が得られる組立位置の選択ができる。
【0079】
後方サブ群枠54にはまた、その外周面に、4個のフォロア突起54aのうちの直径方向に対向する2個のフォロア突起54aと周方向位置を同じく、該フォロア突起54aより光軸方向の後方に位置させて、直進案内突起54dが突出形成されている。さらに、後方サブ群枠54の外周面には直進案内突起54dより光軸方向の後方に位置させて、等角度間隔で3個の被動突起54eが突出形成されている。この被動突起54eは、周方向に離間する平行な一対の周方向離隔被動面N1、N2と、該被動面N1、N2を接続し、光軸に垂直な方向にその回転軸を有する滑らかな円筒状面(円弧状面)N3とを有し、被動面N1、N2の周方向の中心を通り光軸と平行な線(中心線)に関し左右対称形状をなしている。
【0080】
前方シャッタ保持環51には、その内周面に、後方サブ群枠54の各直進案内突起54dに対応させて、回転しない前方シャッタ保持環51に対する後方サブ群枠54の回動範囲を規定する一対の回動規制面51a、51bが形成されている(図24参照)。すなわち、この回動規制面51a、51bは、後方サブ群枠54が正逆に回動するとき、直進案内突起54dの周方向離隔ストッパ面M1、M2とそれぞれ係合して回動端を規制する。この回動規制面51aは、直進案内突起54dのストッパ面M2と係合する案内面51cとの間にワイド側直進案内溝51dを構成し、回動規制面51bは、直進案内突起54dのストッパ面M1と係合する案内面51eとの間にテレ側直進案内溝51fを構成する。すなわち、ワイド側直進案内溝51dとテレ側直進案内溝51fの周方向の幅は、直進案内突起54dの同方向の幅と対応していて、同案内突起54dが実質的に隙間なく係合する。このワイド側またはテレ側の直進案内溝51d、51fと直進案内突起54dとのクリアランスは、前方サブ群枠53のガイド穴53bと直進案内ロッド59とのクリアランスより小さく(厳しく)設定されている。この後方サブ群枠54の直進案内突起54dは、直径方向の対向位置に存在し、前方シャッタ保持環51の直進案内溝51d、51fは、2つの直進案内突起54dを回転位置を選択して(つまり後方サブ群枠54の回転位置を180゜反転して)嵌合させることができるように一対が設けられている。
【0081】
駆動リング55は、その前端面に、後方サブ群枠54の3個の被動突起54eと対応する3組の制御凹部55aを有している(図22参照)。この制御凹部55aは、光軸と平行な方向の中心線cに関して左右対称形状をしていて、被動突起54eの周方向離隔被動面N1、N2にそれぞれ係合する一対の回動付与面55b、55cと、被動突起54eの円筒状面N3に当接するテレ側とワイド側のフォーカスリード面(フォーカスカム面)55d、55eとを有している。このテレ側フォーカスリード面55dとワイド側フォーカスリード面55eは、回動付与面55b、55cの間に、その前端面を開放した端面カムの態様で形成されており、周方向に対する傾斜が方向反対、絶対値同一である。駆動リング55の制御凹部55aの外周側前方は、環状遮光補強リブ55fによって覆われている。この駆動リング55のフォーカスリード面55d、55eと、後方サブ群枠54に形成した被動突起54eとがフォーカスカム機構を構成する。後方サブ群枠54の3個の被動突起54eと駆動リング55の3組の制御凹部55aとは、前述のように等角度間隔で設けられており、120゜毎の異なる相対回動位置で係合できる。
【0082】
なお、被動突起54eの円筒状面N3は、傾斜方向が互いに反対のフォーカスリード面55d、55eに当接する関係上、各フォーカスリード面55d、55eとの干渉を避け、かつ確実な動力伝達を行うべく円筒状に形成されている。逆に、被動突起54eの周方向離隔被動面N1、N2は平行平面であるが、回動付与面55b、55cからの回転伝達は、この種の平行平面によらずに行うことができる。例えば、この被動面N1、N2に代えて、回動付与面55b、55cとの当接部分を円筒状面N3と同様の(円筒状面N3と一続きの)円筒状面とすることも可能である。すなわち、被動突起の外周面全体(少なくとも、フォーカスリード面55d、55eとの当接領域、及び回動付与面55b、55cとの当接領域)を円筒状に形成してもよい。
【0083】
前方サブ群枠53を後方に押圧付勢する前述の圧縮コイルばね62は、前方サブ群枠53の接離リード面53cと後方サブ群枠54のフォロア突起54a、後方サブ群枠54の被動突起54e(円筒状面N3)と駆動リング55のテレ側またはワイド側のフォーカスリード面55d、55eを常時接触させる。駆動リング55は、前述のように、その後端面を後方シャッタ保持環52のスラスト面52aに当接させており、圧縮コイルばね62の力だけで、これら前方サブ群枠53、後方サブ群枠54、駆動リング55及び後方シャッタ保持環52(スラスト面52a)の接触関係が維持される。これらの接触状態では、図15、図16に明らかなように、前方サブ群枠53の内周に後方サブ群枠54の先端部が入り込み、後方サブ群枠54の外周に駆動リング55が位置している。
【0084】
図21(A)ないし(H)は、駆動リング55の回動付与面55bと55cによる前方サブ群枠53と後方サブ群枠54(第1サブ群S1と第2サブ群S2)のテレ側接近状態とワイド側離隔状態との切替動作を示している。なお、図21では、実線の矢印が駆動リング55の回転方向を表している。図21の上左端に示す(A)の状態は、駆動リング55の回動付与面55bが被動突起54eに当接し、後方サブ群枠54の直進案内突起54dがワイド側直進案内溝51dから脱しているワイド側離隔状態である。この状態で駆動リング55が同図の右方向に移動すると(時計方向に回転すると)、回動付与面55bが被動突起54eの被動面N1を押して後方サブ群枠54を同方向に回転させ、やがて直進案内突起54dを回動規制面51bに当接させる。すなわち図21の(A)から(C)の状態へ移行する。この間、前方サブ群枠53(第1サブ群S1)は、接離リード面53cと後方サブ群枠54のフォロア突起54aに従い、後方サブ群枠54(第2サブ群S2)に対して接近し(図21(B))、最終的にフォロア突起54aはフォロア安定凹部53fに係合して安定状態となる(図21(C))。フォロア突起54aとフォロア安定凹部53fは、円周方向に等角度間隔でそれぞれ4つ形成されているため、これらが全て係合することにより、前方サブ群枠53と後方サブ群枠54の偏心が除去される。以上でワイド側離隔状態からテレ側接近状態への切替が終了し、第1サブ群S1は第2サブ群S2に接近した状態(接近移動端)となる。駆動リング55のこれ以上の同方向への回転はできない。
【0085】
このテレ側接近状態への切替が完了すると、駆動リング55は逆転する。すると、被動突起54e(後方サブ群枠54)がテレ側フォーカスリード面55dに従って後方に移動するため、直進案内突起54dはテレ側直進案内溝51fに入って光軸方向の直進移動のみ可能となる。このテレ側フォーカスリード面55による後方サブ群枠54と前方サブ群枠53の接近移動端での一体移動で、中間焦点距離から長焦点距離端までのテレ側でのフォーカシングが行われる(図21(D))。
【0086】
そして、回動付与面55cが被動突起54eの被動面N2に当接するまで駆動リング55が回転すると、後方サブ群枠54の直進案内突起54dは、テレ側直進案内溝51fから脱する(図21(E))。
【0087】
この状態で駆動リング55が回転方向を逆転し同図の左方向に移動すると(反時計方向に回転すると)、回動付与面55cが被動突起54eの被動面N2を押して後方サブ群枠54を同方向に回転させ、やがて直進案内突起54dのストッパ面M1を回動規制面51aに当接させる。すなわち図21の(E)から(G)の状態へ移行する。この間、前方サブ群枠53は、接離リード面53cと後方サブ群枠54のフォロア突起54aに従い、後方サブ群枠54から離間し(図21(F))、最終的にフォロア突起54aはフォロア安定凹部53eに係合して安定状態となる(図21(G))。フォロア突起54aとフォロア安定凹部53eは、円周方向に等角度間隔でそれぞれ4つ形成されているため、これらが全て係合することにより、前方サブ群枠53と後方サブ群枠54の偏心が除去される。以上でテレ側接近状態からワイド側離隔状態への切替が終了し、第1サブ群S1は第2サブ群S2に対して離隔した状態(離隔移動端)となる。駆動リング55のこれ以上の同方向への回転はできない。
【0088】
このワイド側離隔状態への切替が完了すると、駆動リング55は逆転する。すると、被動突起54e(後方サブ群枠54)がワイド側フォーカスリード面55eに従って後方に移動するため、直進案内突起54dはワイド側直進案内溝51dに入って光軸方向の直進移動のみ可能となる。このテレ側フォーカスリード面55dによる後方サブ群枠54と前方サブ群枠53の離隔移動端での一体移動で、中間焦点距離から短焦点距離端までのワイド側でのフォーカシングが行われる(図21(H))。
【0089】
そして、回動付与面55cが被動突起54eの被動面N1に当接するまで駆動リング55が回転すると、後方サブ群枠54の直進案内突起54dは、テレ側直進案内溝51dから脱し、説明の最初に戻る(図21(A))。
【0090】
図22は、駆動リング55のテレ側フォーカスリード面55dとワイド側フォーカスリード面55eによるフォーカス原理を示している。後方サブ群枠54の被動突起54eの円筒状面N3がテレ側のフォーカスリード面55dに当接した状態で駆動リング55がそのテレ側フォーカス領域pt(無限遠撮影位置∞から最短撮影位置n)内で回転すると、テレ側の直進案内溝51fと直進案内突起54dの係合で回転を拘束されている後方サブ群枠54(と前方サブ群枠53(第1サブ群S1と第2サブ群S2))が一体に光軸方向に進退してフォーカシングが行われる。同様に、被動突起54eの円筒状面N3がワイド側のフォーカスリード面55eに当接した状態で駆動リング55がそのワイド側フォーカス領域pw(無限遠撮影位置∞から最短撮影位置n)内で回転すると、ワイド側の直進案内溝51dと直進案内突起54dの係合で回転を拘束されている後方サブ群枠54(と前方サブ群枠53(第1サブ群S1と第2サブ群S2))が一体に光軸方向に進退してフォーカシングが行われる。
【0091】
具体的には、テレ側とワイド側のフォーカシングは、後方サブ群枠54の直進案内突起54dが回動規制面51aまたは51bに当接する位置(駆動リング55の回転方向が逆転する位置)を基準として、駆動リングを駆動する駆動系のパルサーによってカウントされるパルス数を制御して行う。例えば、フォーカスレンズ群(サブ群S1とS2)をこの基準位置から最短撮影位置n、無限遠撮影位置∞及び任意の被写体距離に移動させるための駆動系のパルス数は、フォーカスリード面55d、55eのリード角等を考慮して予め知ることができるから、これらのパルス数を管理することによって、被写体距離情報に応じたフォーカシングを行うことができる。また、図示実施形態では、駆動リング55のテレ側フォーカスリード面55dとワイド側フォーカスリード面55eは、周方向に対する傾斜が方向反対、絶対値同一であり、被動突起54eは、一対の周方向離隔被動面N1、N2の周方向の中心に関し左右対称形状である。このため、以上のテレ側、ワイド側でのフォーカシングは、同一の基準で行うことができ、制御が容易になるという利点がある。
【0092】
図17は、前方サブ群枠53(第1サブ群S1)と後方サブ群枠54(第2サブ群S2)のワイド側離隔状態における無限遠合焦状態、図18は同ワイド側離隔状態における最短撮影距離合焦状態、図19は同テレ側接近状態における無限遠合焦状態、図20はテレ側接近状態における最短撮影距離合焦状態における構成部材(前方サブ群枠53、後方サブ群枠54、駆動リング55及び前方シャッタ保持環51)の位置関係を示している。各図の(A)はこれら構成要素を光軸方向に離間させて描いた図、(B)は実際の作動状態の図である。
【0093】
駆動リング55の後端部外周面には、その全周にギヤ55gが形成されている。ギヤ55gは、図12、図29、図30に示すように、切替及びフォーカシング用減速ギヤ列63aに噛み合い、パルサー(エンコーダ)64pを有する正逆駆動モータ64によって正逆に回転駆動される。切替及びフォーカシング用減速ギヤ列63aは、前方シャッタ保持環51とギヤ押え環56の間に挟着されており、正逆駆動モータ64は、後方シャッタ保持環52に保持されている。駆動リング55のギヤ55gは、全周に形成されているため、その3組の制御凹部55aと後方サブ群枠54の3個の被動突起54eとを120゜毎の異なる相対回動位置で係合させることが容易になる。
【0094】
レンズシャッタ57と絞り機構58は、後方シャッタ保持環52に搭載されている。すなわち、図12、図15、図16に示すように、レンズシャッタ57は、シャッタセクター支持板57a、3枚のシャッタセクター57b、及びこのシャッタセクター57bを開閉駆動するシャッタ駆動リング57cを有し、絞り機構58は、絞セクター支持板58a、3枚の絞セクター58b、及びこの絞セクター58bを開閉駆動する絞駆動リング58cを有していて、これらがセクター押え環57dによって後方シャッタ保持環52に支持されている。周知のように、シャッタセクター57b、絞セクター58bは、一対のダボを備え、その一方が支持板57a、58aに回転自在に支持され、他方が駆動リング57c、58cに回動自在に嵌まっている。そして、レンズシャッタ57は、シャッタ駆動リング57cの往復回転駆動によりシャッタセクター57bによる開口を開閉し、絞り機構58は、絞駆動リング58cの回動により絞セクター58bによって形成される開口の大きさを変化させる。
【0095】
シャッタ駆動リング57cには、その外周一部にセクターギヤ57gが形成されており、このセクターギヤ57gがシャッタ駆動モータ57mからのシャッタ駆動減速ギヤ列63bに噛み合っている(図12)。シャッタ駆動モータ57mが正逆に回転駆動されると、シャッタセクター57bによって閉じられていた開口が瞬間的に開いて再び閉じる。本ズームレンズ鏡筒では、シャッタセクター57bは、任意の絞り値を決定する可変絞り機能とシャッタ機能とを兼用する羽根であり、シャッタレリーズ時に露出値に応じて該シャッタセクター57bの開放量(絞り値)及び開放時間(シャッタスピード)が変化するように、シャッタ駆動モータ57mが制御される。また、絞駆動リング58cはその外周に被動突起58gを有し、該被動突起58gは、直進案内環48の内周面に形成した絞制御カム溝48sに係合している(図10)。ズーミングに際し、直進案内環48と後方シャッタ保持環52(絞駆動リング58c)は光軸方向に相対移動する。すると、絞制御カム溝48sに従って被動突起58gが周方向に移動され、絞駆動リング58が所定角度回動し、絞セクター58bによって形成される開口の大きさが変化する。この絞セクター58bは、特にワイド側撮影距離での撮影開口径の最大値を規制するために設けられており、ズームレンズ鏡筒全体の繰出状態に応じて機械的に(強制的に)開き量が変化する。
【0096】
カム環44駆動用のズーミング用モータ46、駆動リング55駆動用の正逆駆動モータ64、及びレンズシャッタ57のシャッタ駆動モータ57mは、図31に示すように、制御回路66によって制御される。制御回路66には、ズームスイッチ等を介して操作者によって設定される焦点距離情報67、測距手段や測光手段により検出される被写体距離情報68、被写体輝度情報69、焦点距離検出手段46Cによるカム環44の回転位置情報、パルサー64pによるモータ64の回転位置情報が入力され、これらの情報に応じて、設定された焦点距離により正しい露出条件で露光が行われるように、ズーミング用モータ46、正逆駆動モータ64及びシャッタ駆動モータ57mが制御される。なお、図示実施形態では、シャッタセクター57bがシャッタと可変絞りを兼用し、絞セクター58bがワイド側撮影時の撮影開口径規制のみを行うとしたが、絞り機構58を、絞セクター58bによる絞開口の大きさを自在に変化させるタイプの可変絞り機構としてもよい。この場合、絞駆動リング58cを独立したモータや手動操作によって回動させればよい。
【0097】
本実施形態では、焦点距離検出手段(カム環44の回転位置検出手段)46Cは、接続線CC(図1)に対応するカム溝44fの回転位置を検出し、制御回路66は少なくともこの区間ではカム環44を停止させない。ステップズームの態様では、カム環44の停止位置はステップワイズに制御される。なお、前述のように、以上の切替群を有するズームレンズ鏡筒(撮影光学系)の設定焦点距離、被写体距離、被写体輝度等に対応する駆動は、シャッタレリーズが行われる直前までに完成されればよいが、操作者によって設定される焦点距離は、少なくとも撮影光学系とは別の図示しないファインダ光学系によって確認される。
【0098】
[本発明の特徴部分の説明]
以上の実施形態において、切替群枠50は、第1、第2のレンズ群(サブ群S1、S2)を有している。この第1、第2のレンズ群は、ズーミング動作の際に光軸方向に移動するズームレンズ系の複数の変倍レンズ群のうちの1つのレンズ群を構成しており、かつ接近位置と離隔位置とでそれぞれフォーカスレンズ群として機能する。第1のレンズ群を保持した第1レンズ保持環(前方サブ群枠53)と、第2のレンズ群を保持した第2レンズ保持環(後方サブ群枠54)とは、支持筒(前方シャッタ保持環51)に相対回動及び直進移動可能に支持されていて、相対回動の両回動端で、接近位置と離隔位置とをとる。第1レンズ保持環と第2レンズ保持環の対向端面の一方と他方には、この接近位置と離隔位置とで互いに係合して光軸方向の相対位置を定める位置決め凹部(フォロア安定凹部53e、53f)とフォロア突起(54a)が円周方向に等角度間隔で4個形成されているため、全てが同時に係合することで、第1レンズ保持環と第2レンズ保持環の偏心が除去される。すなわち、3個以上の周方向に分散配置された位置決め凹部とこれに係合するフォロア突起とは、近傍位置に至ると自動的に係合して第1レンズ保持環と第2レンズ保持環を調心する。仮に、位置決め凹部が存在しないと、第1レンズ保持環と第2レンズ保持環に偏心があってもその偏心が除去できない。別言すると、相対回動の途中で両レンズ保持環に仮に偏心があったとしても、全ての位置決め凹部とフォロア突起が係合することで偏心が除去されるのである。
【0099】
以上のように、本実施形態のレンズ鏡筒では、接近位置と離隔位置を決定するための位置決め凹部(フォロア安定凹部53e、53f)とフォロア突起(54a)が、接近位置と離隔位置での同心性を得るための手段としても機能するので、簡単な構造でサブレンズ群間の同心性を得ることができる。なお、本実施形態のような切替群では、前後のサブレンズ群の接近位置と離隔位置でのみ第1レンズ保持環と第2レンズ保持環の同心性が得られればよく、その中間の切替動作中では撮影を行わないので、偏心は実質的に問題とならない。
【0100】
接近位置用と離隔位置用の位置決め凹部は、独立して設けてもよいが(つまり、位置決め凹部とフォロア突起を係合させる手順は問わないが)、実施形態のように、第1レンズ保持環と第2レンズ保持環の相対回転により両レンズ保持環を接離させるカム面の両端部に形成すると、接離移動と両相対回動端における偏心除去を滑らかに行うことができる。
【0101】
位置決め凹部とフォロア突起は、第1、第2のレンズ保持環の相対回動で円滑に係脱ができるように、図示実施形態のように、フォロア突起を滑らかな円弧面形状、例えば円弧の一部とし、位置決め凹部はこのフォロア突起を円滑に係脱させるV字状等から構成するのがよい。
【0102】
【発明の効果】
本発明によれば、接近位置と離隔位置とでそれぞれ光学的に機能する第1、第2のレンズ群をそれぞれ支持する第1レンズ保持環と第2レンズ保持環とを有するレンズ鏡筒において、第1、第2のレンズ群の接近位置と離隔位置とでそれぞれ、同心性を確保できる装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象とする切替群を有するズームレンズ系の第1の態様のズーミング基礎軌跡を示す図である。
【図2】本発明の対象とする切替群を有するズームレンズ系の第2の態様のズーミング基礎軌跡を示す図である。
【図3】本発明の対象とする切替群を有するズームレンズ系の第3の態様のズーミング基礎軌跡を示す図である。
【図4】本発明の対象とする切替群を有するズームレンズ系の第4の態様のズーミング基礎軌跡を示す図である。
【図5】本発明の対象とする切替群を有するズームレンズ系の第5の態様のズーミング基礎軌跡を示す図である。
【図6】本発明の対象とする切替群を有するズームレンズ系の第6の態様のズーミング基礎軌跡を示す図である。
【図7】本発明の対象とする切替群を有するズームレンズ系の第7の態様のズーミング基礎軌跡を示す図である。
【図8】本発明の対象とする切替群を有するズームレンズ系の構成レンズ群の撮影時の停止位置の例を示す図である。
【図9】同停止位置の例と、実際のレンズ群の移動軌跡の例を示す図である。
【図10】図1、図8及び図9に示した切替群を有するズームレンズ系を具体化したズームレンズ鏡筒の実施形態を示す断面図である。
【図11】図10のズームレンズ鏡筒のカム環のカム溝形状例を示す、該カム環の内面の展開図である。
【図12】切替群枠回りの分解斜視図である。
【図13】切替群枠回りの一部の分解斜視図である。
【図14】切替群枠回りの一部の異なる組立状態における斜視図である。
【図15】切替群枠の第1サブ群と第2サブ群のワイド側離隔状態における上半断面図である。
【図16】同テレ側接近状態における上半断面図である。
【図17】第1サブ群と第2サブ群のワイド側離隔状態における無限遠合焦状態での構成部材の位置関係を示す、各構成部材を光軸方向に離間させた展開図(A)と実際の係合状態の展開図(B)である。
【図18】第1サブ群と第2サブ群のワイド側離隔状態における最短撮影距離合焦状態での構成部材の位置関係を示す、各構成部材を光軸方向に離間させた展開図(A)と実際の係合状態の展開図(B)である。
【図19】第1サブ群と第2サブ群のテレ側接近状態における無限遠合焦状態での構成部材の位置関係を示す、各構成部材を光軸方向に離間させた展開図(A)と実際の係合状態の展開図(B)である。
【図20】第1サブ群と第2サブ群のテレ側接近状態における最短撮影距離合焦状態での構成部材の位置関係を示す、各構成部材を光軸方向に離間させた展開図(A)と実際の係合状態の展開図(B)である。
【図21】駆動リングの正逆回動によるテレ側接近状態とワイド側離隔状態との切替を説明する展開図である。
【図22】駆動リングによるフォーカシングの説明図である。
【図23】前方サブ群枠のフェイスカムの拡大展開図である。
【図24】前方シャッタ保持環に対する前方サブ群枠、後方サブ群枠及び駆動リングの関係を示す展開拡大図である。
【図25】図14のXXV‐XXV線方向からみた前方サブ群枠と前方シャッタ保持環の関係を示す正面図である。
【図26】図25のXXVI部拡大図である。
【図27】図14のXXVII‐XXVII線方向からみた後方サブ群枠と前方シャッタ保持環の関係を示す正面図である。
【図28】図27のXXVIII部拡大図である。
【図29】前方シャッタ保持環とギヤ押え環との間に保持される、駆動リングの駆動系の減速ギヤ配置を示す正面図である。
【図30】図29の展開平面図である。
【図31】図10に示すズームレンズ鏡筒の制御系を示すブロック図である。
【符号の説明】
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
L4 第4レンズ群
S1 第1サブ群
S2 第2サブ群
S3 第3サブ群
S4 第4サブ群
10 第1変倍レンズ群
11 第1群枠
12 可動サブ群枠
13 ガイド溝
20 第2変倍レンズ群
21 第2群枠
22 可動サブ群枠
23 ガイド溝
41 カメラボディ
42 固定筒
43 雌ヘリコイド
44 カム環
45 雄ヘリコイド
46 ズーミング用モータ
46C 焦点距離検出手段
47 ピニオン
48 直進案内環
49 後群レンズ枠
50 切替群枠
51 前方シャッタ保持環
51a 51b 回動規制面
51d ワイド側直進案内溝
51f テレ側直進案内溝
51p 中心開口
52 後方シャッタ保持環
52a スラスト面
53 前方サブ群枠(第1レンズ群枠、保持環)
53a 直進案内リブ
53b ガイド穴
53c 接離リード面(接離カム面)
53d 環状遮光補強リブ
53e 53f フォロア安定凹部
54 後方サブ群枠(第2レンズ群枠、保持環)
54a フォロア突起
54b 傾斜面
54c 環状遮光補強リブ
54d 直進案内突起
54e フォロア突起
55 駆動リング
55a 制御凹部
55b 55c 回動付与面
55d テレ側フォーカスリード面(フォーカスカム面)
55e ワイド側フォーカスリード面(フォーカスカム面)
55f 環状遮光補強リブ
55g ギヤ
56 ギヤ押え環
56q 固定穴
56r 収納凹部
57 レンズシャッタ
57a シャッタセクター支持板
57b シャッタセクター
57c シャッタ駆動リング
57d セクター押え環
57g セクターギヤ
57m シャッタ駆動モータ
58 絞り機構
58a 絞セクター支持板
58b 絞セクター
58c 絞駆動リング
58g 被動突起
59 直進案内ロッド
60 固定ブラケット
61 固定ねじ
62 圧縮コイルばね
63a 切替及びフォーカシング用減速ギヤ列
63b シャッタ駆動減速ギヤ列
64 正逆駆動モータ
66 制御回路
67 設定焦点距離情報
68 被写体距離情報
69 被写体輝度情報

Claims (6)

  1. 接近位置と離隔位置とでそれぞれ光学的に機能する第1、第2のレンズ群をそれぞれ支持する第1レンズ保持環と第2レンズ保持環;
    この第1レンズ保持環と第2レンズ保持環とを相対回動及び直進移動可能に支持した支持筒;及び
    この第1レンズ保持環と第2レンズ保持環の対向端面の一方と他方に設けられた、接近位置と離隔位置とで互いに係合して光軸方向の相対位置を定める位置決め凹部とフォロア突起;
    を備え、
    この位置決め凹部とフォロア突起は、円周方向に少なくとも3個分散配置され、全てが同時に係合することで、第1レンズ保持環と第2レンズ保持環の偏心を除去することを特徴とする相対回動レンズ保持環の偏心防止装置。
  2. 請求項1記載の偏心防止装置において、上記位置決め凹部は、第1レンズ保持環と第2レンズ保持環の接近位置と離隔位置に対応する2種類を備え、上記フォロア突起は、この2種類の位置決め凹部に選択的に係合する相対回動レンズ保持環の偏心防止装置。
  3. 請求項2記載の偏心防止装置において、第1レンズ保持環と第2レンズ保持環の接近位置と離隔位置に対応する位置決め凹部は、フォロア突起と係合して、第1レンズ保持環と第2レンズ保持環の相対回転により両レンズ保持環を接離させるカム面の両端部に形成されている相対回動レンズ保持環の偏心防止装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項記載の偏心防止装置において、上記位置決め凹部とフォロア突起はそれぞれ、円周方向に等間隔で配置されている相対回動レンズ保持環の偏心防止装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項記載の偏心防止装置において、フォロア突起は滑らかな円弧面形状を有し、位置決め凹部はこの円弧面形状に対応する形状をしている相対回動レンズ保持環の偏心防止装置。
  6. 請求項5記載の偏心防止装置において、位置決め凹部はV字状をしている相対回動レンズ保持環の偏心防止装置。
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